説明

液晶材料及び添加剤を有する組成物

本発明は、液晶材料と、添加剤、好ましくは前記液晶材料と複合体を形成可能なドーパントとを有する組成物、この組成物を有する液晶セル、その使用方法、及び液晶の応答時間を向上する方法に関連している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶材料と添加剤、好ましくはドーパントとを有する組成物、この組成物を有する液晶セル、それらの利用方法、及び液晶の応答速度を向上させる方法に関連している。
【背景技術】
【0002】
液晶及び液晶混合物(LCs)は広い分野の用途に用いることができる。最も一般的な液晶の用途の一つに、液晶ディスプレイ(LCD)があり、特にノートブック型コンピュータだけでなく、デスクトップ型コンピュータやテレビへの適用は一般的になってきている。
【0003】
他の表示装置と比較して、液晶ディスプレイの最も重要な利点の一つは、非常に小さなものから非常に大きなものまでのディスプレイの大きさの幅である。さらに、液晶ディスプレイが作り出す、ちらつき(フリッカ)のない画像は、使用者にとってとても便利であり、特に、ディスプレイの前での長時間労働の場合は特に、使用者の目の保護に役立つ。
【0004】
しかしながら、ディスプレイにおいて技術的に実現可能な液晶及び液晶混合物の用途の多くは、外部の場の印加(増加)または除去(減少)に対して材料の応答速度が遅いという、共通の課題を抱えている。この限界こそ本願が焦点をあてるものである。
【0005】
液晶ディスプレイは、液晶セルのアレイ(配列)を有する。異なる液晶セルが、近年開発されており、最も有力な液晶セルは、TNセル(ツイスティッドネマティックセル:twisted nematic cell)、STNセル(スーパーツイスティッドネマティックセル:super twisted nematic cell)、IPSセル(横電界方式セル:in plane switching cell)、OCBセル(光学制御複屈折:optically conrolled birefringence)、及びPDLC(ポリマー分散液晶セル:polymer dispersed liquid crystal cell)などがある。液晶セルには、通常、ネマティック液晶を用いるが、スメクティック液晶、強誘電性液晶、またはコレステリック液晶などの他の相を用いてもよい。
【0006】
上記のすべての液晶材料は、一般的に共通の特性を有する。液晶材料は、棒状の分子構造−分子長軸の堅さ、立体配座の順位及び/または配向を助力する柔軟な(flexible)部分、及び、双極性及び/または分極し易い置換基が設けられ、このために、永久双極子または誘起双極子を有する。
【0007】
液晶状態での顕著な特性は、液晶分子が同じ方向に、いわゆるダイレクタに沿って向く傾向である。この液晶分子がダイレクタに沿って向くと、バルク異方性として知られる状態になる。これは、材料の特性、特に光透過特性が、その特性を測定する方向に依存することを意味する。この液晶の異方性の性質は、独特の光学特性の原因である。
【0008】
液晶セル及び液晶ディスプレイにおいて、分子の配列は、例えば、液晶材料、その混合物、または液晶セルに電場または磁場を印加することによって、制御することができる。永久双極子または誘起双極子を有する液晶分子は、その双極子を電場または磁場の方向に沿った状態で配列する傾向にある。双極子は、ダイレクタと同一線上である必要はない。
【0009】
適切な光学環境(例えば、液晶セルの外側に偏光子またはセルの内側に二色性色素を有する光学系)の一部としての液晶混合物または液晶セルに電場または磁場を印加することにより、液晶分子は、一般的に2つのステージまたは配向、液晶セルが好ましい方向において透明(transparent)または透過性(transmissive)であるオン状態と、液晶セルがこの好ましい方向において透明でない(not transparent)または不透明(opaque)であるオフ状態との間で切り替わることができる。
【0010】
液晶セルによるが、透明性は異なる効果の影響を受ける。TNセル(ツイスティッドネマテッィクセル)の場合、光の偏光は液晶材料中で影響を受け、液晶材料の両側には、偏光フィルター及び、場合によっては、ミラー及び/または位相差板が設けられる。印加される場によるが、偏光は、液晶材料の中で主として液晶のねじれ手段によって影響を受ける、または影響を受けない。そのため、光は、上記のオン状態において両偏光フィルターを通過でき、あるいは、オフ状態において偏光フィルターを通過できない。
【0011】
OCBセル(光学補償複屈折セル)の場合、光の偏光は液晶材料の層の中で影響を受け、液晶材料の両側には、偏光フィルター、波長板、及び、場合によっては、ミラーが設けられる。印加される場によるが、偏光は、液晶材料の中で主として液晶の複屈折(あるいは光学位相差)によって影響を受ける、または影響を受けない。そのため、光は、上記のオン状態において両偏光フィルターを通過でき、あるいは、オフ状態において偏光フィルターを通過できない。
【0012】
PDLCセル(ポリマー分散液晶セル)の場合、わずかな液晶の小滴が透明な高分子基質に均一に分散されている。液晶微小滴の直径は、可視光の波長に匹敵する。これらの直径が膜厚に比べて小さいので、第1方向(液晶セルまたは液晶ディスプレイの機能を考えたときに透過が必須である方向であり、そのため、機能しうる方向または好ましい方向と称する)に照射される光の光線は、オフ状態において液晶とポリマーとの屈折率の不釣合い(mismatch)が十分に大きい場合、膜から出てくる前に何度も散乱する。上記の散乱のために、印加される場がない場合、膜は乳白色に見える。一方、オン状態において、各小滴のダイレクタが場に対して整列し、小滴内の液晶の屈折率は、高分子基質材料の屈折率と充分に近くなり、それゆえに、液晶材料は上記の好ましい方向において透明になる。場が取り除かれると、表面の力(surface force)により、また、空隙(cavities)が理想的な球形(spheres)でないことによって、液晶領域(domains)は初期の配向を回復する。オフ状態における分散の度合いは、屈折率の不釣合いの大きさ、液晶小滴のサイズ及び数密度に依存する。
【0013】
色情報を表示するためには、カラーフィルターを液晶セル系(system)に配置するか二色性色素を液晶材料に組み込む。
【0014】
一般的に、液晶は、特に有機分子にとって優れた溶媒である。そのため、幾何異方性を有する色素を少量液晶に混ぜると、色素分子は、液晶の異方的な分子間の相互作用が働く場(the anisotropic intermolecular interaction field)と結合し、その分子の長軸が液晶のダイレクタに沿って並ぶように配列する傾向がある。場、好ましくは電場が印加されると、色素分子の配向は、液晶の配向に沿って切り替えられる。この現象は、ゲストーホスト相互作用として知られており、各液晶セルは、それゆえゲストーホスト効果セルと呼ばれる。
【0015】
液晶セルまたは液晶ディスプレイの品質は、一方では、よいコントラスト及びよい色、そのためによい光学特性によって規定され、他方では、例えばオフ状態からオン状態へ、またはその逆へ切り替えたときの液晶セルの応答時間によって規定される。
【0016】
立ち上がり時間は、一般的に、場が印加されたときに、材料またはセルがオン状態の透過率の90%に達するのに必要な時間として規定される。同様に、減衰時間は、場を0に設定したときに、オン状態の材料がオン状態の透過率の10%に達するのに必要な時間として規定される。特に動画だけでなく画像を変更する標準的なコンピュータ用途において、速い応答時間は大変重要である。
【0017】
電子装置の表示技術は、高輝度(brightness)と高コントラスト、低消費電力、及び速いリフレッシュ/応答速度を有するディスプレイを要求している。テレビへの表示素子向けに液晶技術は探求されており、特に、ツイストネマティック、光学制御複屈折、横電界方式(in−plane switching)及び垂直配向ネマティックモードにおいては、正または負の誘電体異方性型液晶のいずれも重要である。これらの材料において、オン状態オフ状態の両方で(よいコントラストを与える)よい液晶配列が得られることと、速い応答時間が得られることが重要である。
【0018】
液晶に関する多数の研究(例えば文献1〜4)がなされているが、これらのいずれもがこれまでに、液晶配列の品質低下なしに、正及び負のいずれかの誘電体異方性を有する液晶の材料特性を向上させることに成功していない。
【特許文献1】EP 0 541 388:アサミ マサナオ、コンノ トシオ、シミズ シゲオ、ナツホリ ヒロユキ、シゲタ マサノブ、シマダ タダユキ、1993年5月12日 (Asami masanao, Konno Toshio, Shimizu Shigeo, Natsuhori Hiroyuki, Shigeta Masanobu, Shimada Tadayuki, 12 May 1993:EP 0 541 388)
【特許文献2】US 3,656,834:ハラー イワン、ハギンズ ハロルド、1972年4月18日 (Haller Ivan, Huggins Harold, 18 April 1972:US 3,656,834)
【特許文献3】US 3,848,966:スミス G,ハイデン D,1974年11月19日 (Smith G, Hyden D, 19 November 1974:US 3,848,966)
【特許文献4】US 4,357,374:オガワ ショーイチ、1982年11月2日 (Ogawa Shoichi, 2 November 1982:US 4,357,374)
【0019】
本出願人らは、応答時間を向上させるために、永久双極子ドーパントを液晶にドープすることに関して経験がある(EP 1 197 791 A2参照)。
【0020】
しかしながら、それに開示された組成物のいずれも、液晶分子の配列及びグレイスケールの応答速度、例えば、グレイ状態からグレイ状態への応答時間に関して特に優れているとはっきり示していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
したがって、本発明の目的は、向上した特性、特に、向上した応答時間、向上した配列、向上した誘電体異方性、及び向上したグレイ状態からグレイ状態への応答時間を有する液晶システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
すべての目的は、液晶材料及び添加剤、好ましくはドーパントを有し、前記添加剤は前記液晶材料と複合体を形成可能である組成物によって解決される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
一実施形態において、前記液晶材料と前記添加剤が複合体を形成し、好ましくは、前記液晶材料と前記添加剤は、FTIR、紫外−可視光吸収、蛍光、特に偏光蛍光、誘電体異方性、及び走査型近接場光学顕微鏡を含むグループから選択される方法で測定される複合体を形成する。FTIR、紫外−可視光吸収、及び蛍光の場合、前記複合体形成は、バンドシフトとして測定されることが好ましい。
【0024】
一実施形態において、前記液晶材料と前記添加剤が、MOPACシミュレーションにおいてシミュレーションされる複合体を形成し、好ましくは、
前記MOPACシミュレーションが、以下の工程/条件を有する:
コンピュータ環境において、
前記液晶材料の分子構造と、前記添加剤の分子構造とを規定し、
最低形成エネルギーを決定し、AM1及びPM3のハミルトニアンを決定し、双方のハミルトニアンに最も合う最低エネルギーの分子構造を選択することにより、それぞれの分子構造を最適化し、
前記ステップにおいて得られた最適化されたそれぞれの分子を合わせて、原子の電荷、電荷の分布、及び分子構造の双極子モーメントを考慮して各分子を組み合わせ、
何度か、好ましくは100〜1000回の範囲、より好ましくは200〜800回の範囲、さらにより好ましくは400〜600回の範囲、最も好ましくは約500回、前記組み合わせを並べ替えて、もしあれば前記液晶材料と前記添加剤の複合物を形成させ、
その複合物の分子において、複合物の最低形成エネルギー及び複合物の最低エネルギー状態を決定するように各分子の構造を最適化する。
【0025】
本発明に係る組成物の一実施形態において、前記MOPACシミュレーションが、最低形成エネルギーを有する複合体を選択し、その構造から双極子モーメントを計算する工程をさらに有する。
【0026】
本発明の目的は、液晶材料と添加剤を有する組成物であって、前記添加剤は、全組成物の0.01〜0.15wt.%、好ましくは0.05〜0.12wt.%、より好ましくは0.08〜0.11wt.%、最も好ましくはおよそ0.1wt.%の量存在する前述のいずれかの実施形態によっても解決される。
【0027】
一実施形態において、前記添加剤は、それ単体で、永久双極子を持たない、または1デバイ以下好ましくは0.1デバイ以下の双極子を有する。
【0028】
好ましくは、前記添加剤は、前記液晶材料が存在するとき、好ましくは前記液晶材料と複合体を形成するとき、双極子を得られ、さらに好ましくは、前記添加剤はL20(2,4−ジクロロ−3,6−ジエトキシベンゾキノン)である。
【0029】
他の実施形態において、前記添加剤は、永久双極子、または1デバイ(Debye)以上好ましくは0.1デバイ以上の双極子を有し、好ましくは、前記液晶材料と前記添加剤によって形成される複合体は、前記液晶材料と前記添加剤自体のそれぞれの双極子の合計よりも大きい双極子を有する。
【0030】
好ましくは、前記添加剤は、MORPIP(2−{4−[(2,6−ジメチルモルフォリン−4−イル)(4−メチルピペリジン−1−イル)メチレン]シクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イリデン}マロノニトリル)(2−{4−[(2,6−dimethylmorpholin−4−yl)(4−methylpiperidin−1−yl)methylene]cyclohexa−2,5−dien−1−ylidene}malononitrile)、J6、及び10−γP3CNQを含むグループから選択される。
【0031】
一実施形態において、前記添加剤は、色素である。
【0032】
好ましくは、前記液晶材料は、MLC−2038,ZLI−1695、及びZLI−4792を含むグループから選択される。
【0033】
一実施形態において、前記添加剤は、前記液晶材料に可溶である。
【0034】
一実施形態において、前記液晶材料は、永久双極子を有する。
【0035】
他の実施形態において、前記液晶材料は、誘起双極子を有する。
【0036】
一実施形態において、前記組成物は、少なくとも0.5、好ましくは少なくとも0.7の秩序パラメータを有し、前記秩序パラメータSは以下のように定義され、

ここで、A||及びAは、液晶または液晶混合物のダイレクタ軸が、入射された偏光光の伝播する軸に対して平行(A||)または垂直(A)であるときに測定された吸光度の値であって、より好ましくは、液晶(LC)が正の誘電体異方性を有する場合、平行状態は、液晶または液晶混合物を平行(または逆平行またはホモジニアス)配向のサンドイッチセルに挿入することにより達成でき、垂直状態は、電場または磁場をそのような平行(または逆平行またはホモジニアス)配向セルに印加するか、液晶または液晶混合物をホメオトロピック(または垂直(perpendicularly)または垂直(vertically))配向セルに挿入することにより達成でき、または、液晶(LC)が負の誘電体異方性を有する場合は、垂直状態は、液晶または液晶混合物をホメオトロピック(または垂直(perpendicularly)または垂直(vertically))配向のサンドイッチセルに挿入することにより達成でき、平行状態は、電場または磁場をそのようなホメオトロピック配向セルに印加するか、液晶または液晶混合物を平行(または逆平行またはホモジニアス)配向セルに挿入することにより達成できる。
【0037】
本発明の目的は、液晶ディスプレイの液晶セルにおける本発明の組成物の使用方法によっても解決され、好ましくは、前記液晶セルは、単一画素セル(single pixel cell)または複数画素セル(multiple pixel cell)である。
【0038】
一実施形態において、上記使用は、前記液晶セルのグレイスケールにおける応答時間の速度を向上させ、及び/または、前記液晶セルの立ち上がり及び/または減衰時間を短縮させるようにされている。
【0039】
本発明の目的は、本発明にかかる組成物を有する液晶セルによっても解決される。
【0040】
さらに、本発明の目的は、液晶ディスプレイにおける、本発明にかかる組成物を有する液晶セルの使用方法によって解決される。
【0041】
さらに、本発明の目的は、
液晶を用意する工程と、
前記液晶と複合体を形成可能な添加剤を前記液晶に加える工程と
を有する
液晶、好ましくは液晶セルの応答速度及び/または誘電体異方性及び/またはグレイスケールにおける応答速度を向上させる方法によって解決され、好ましくは、前記液晶と前記添加剤は本発明によって規定される。
【0042】
ここで用いているように、添加剤とは、組成物に添加可能ないかなる物質として理解されると意図されている。ドーパントとは、ここで用いているように、一般的に、当業者によって理解される用語であって、当業者は、この用語が材料/媒体に添加される添加剤を意味することと解釈するであろう。そのような添加剤の添加によって原料/媒体の特性が変化する。半導体の分野において、ドーパントとは、一般的に、半導体に導入されp型(アクセプター)及びn型(ドナー)の導電性を確立する元素を意味する。光学媒体に関しては、ドーパントとは、一般的に、光学媒体に添加され、ある光学媒体の光学特性を変える添加物を意味する。例えば、光ファイバーにおいて、ドーパントは、光ファイバーの屈折率プロファイル及び他の屈折特性を制御するために用いられる。液晶の場合、ドーパントは、液晶媒体に添加されると、その光学特性、電気特性、または他の特性を変える。
【0043】
MOPACシミュレーションとは、一般的に、当業者によって理解される用語である。コンピューターソフトウエア用語である「分子軌道パッケージ」に関連するが、これらは、分子またはイオンの化学的挙動の研究のための、半経験的全原子価電子近似法に基づいている。全原子価電子近似としては、軌道の構造に対して原子価電子のみを考慮して、分子軌道に関してその分子の化学的挙動を記述する。MOPACソフトウェアは、AM1及びPM3を含むいくつかの全原子価電子方法を組み込んでいる(下記参照)。全原子価電子法は、ab−initio計算よりも速いオーダーの大きさである。
【0044】
J6及び10−γP3CNQは、一般に当業者によって知られている添加剤材料に関連する。MLC−2038、ZLI−1695、E7、及びZLI−4792は、液晶材料を説明する用語であって、メルク社及び他の液晶製造会社の製品カタログから取得できる。
【0045】
本発明は液晶の応答時間(即ち、立ち上がり時間、減衰時間、及びグレイスケール応答時間を驚くほど減少させ、液晶の配列を変化させないで液晶の誘電体異方性を向上させる。
【0046】
さらに、本発明の他の利点は、ドーパントの双極子モーメントが、添加剤、好ましくはドーパントと液晶との相互作用により、大幅に向上されることにある。これにより、使用する添加剤の数及び種類が向上する。
【0047】
液晶の応答時間(オン状態になるための速度因子(the turn on speed factor)によっても表されるオン状態になる時間(turn on time)、及びオフ状態になる時間(turn off time))は、本発明によって減少(向上)する。誘電体異方性の大きさは、本発明によって大きくなる(向上する)。
【0048】
例えば、液晶セルディスプレイと偏光系の代表的な実施形態において、電場が、配列された複屈折液晶に印加される。電場が印加されると、液晶は、ある程度その電場に沿って配列し、複屈折及び/または捻れが変化し、このようにして、系の光学透過性も変化する。しかしながら、配列するにはいくぶん時間がかかり、本発明は、著しく、単純に、この時間を減少させる。さらに、電場が取り去られまたは変えられると、液晶はその本来の位置に、あるいは新たな場に沿ってある程度配列し、複屈折及び/または捻れが変化する。本発明はこの応答時間をも減少させる。これは、一般的でない効果であって、非常に有用である。
【0049】
さらに、本発明は、液晶の基本的な特性、即ち、誘電体異方性をも向上させる。誘電体異方性の大きさを大きくすることで、印加される場に対する液晶の応答を向上させる。
【0050】
いずれの理論によって結び付けられなくても、本発明者らは、本発明の統合した特徴は、好ましくは、あるいは特に、添加剤がごく少量存在するときに、液晶と添加剤が複合体を形成することであると本発明者らは思慮する。これは、低い双極子を有する、または双極子を持たない添加剤を使用することができるという効果を有する。本発明者らは、それを明らかにし、また、そのような複合体形成がどのようにして生じるのかを明らかにした。
【0051】
本発明は、メソゲンの混合物内に添加剤、好ましくはドーパントを有する材料について記述している。本発明者らは、低い濃度(例えば、限定されないが、0.1wt%)の、メソゲンと複合体を作成可能なドーパント(例えば、限定されないが、J6[aka MJ6B]またはL20)が液晶(例えば、限定されないが、MLC−2038、ZLI−1695、E7、またはZLI−4792)の応答時間を10%〜33%だけ向上させることを見出した。さらに、重要なことに、オン状態になる時間の向上に加えて、減衰時間も12%〜25%だけ向上させる。
【0052】
下記に明らかになるように、本発明の更なる利点は、ドーパントが液晶の誘電体異方性を6%〜15%だけ向上させることである。
【0053】
本発明の更なる利点は、液晶セルのグレイスケール応答速度が増加及び向上することである。
【0054】
それらすべての向上は、液晶配列の不利益な損失なしに生じる。
【0055】
以下に図面を参照する。
【0056】
さらに、下記の実施例を参照して本発明を明らかにするが、限定するものではない。
【実施例】
【0057】
試料作成
MLC−2038と0.1%wtの混合物を、終夜10時間ホットプレート上で80℃にて(磁気攪拌子で)混ぜた。混合物は、5,000rpmで7分間遠心分離した。その後、ホットプレート上で80℃にて、EHC社製のポリイミド配向膜を有する5μmまたは10μmのテストセル(垂直(vertical)配向(VA)、逆平行(AP)、またはツイストネマティック(TN)配向が可能)に、毛細管現象により混合物を充填する。充填されたセルは、ホットプレート上で80℃にて10時間アニールされた後、徐々に冷却した。
【0058】
試料測定
偏光子を組み合わせた光学顕微鏡にセルを置き、交流駆動(直流オフセットはゼロ)で250Hzの矩形波を印加し、フォトダイオードを用いて透過率を測定することにより、応答プロファイルを測定した。VAセルの場合、向上の比較対象となる応答時間は、最初の100%透過率の10%〜90%の範囲に相当する電圧(第1の1/2波長板(HWP)電圧(1st Half wave voltage))に対する応答時間である。この電圧は、〜0.3Vpp/μm(0.15Vpg/μm)から〜0.4Vpp/μm(0.2Vpg/μm)の電界強度を与える(Vppは、ピーク間電圧、Vpgは、ピーク−グランド間電圧である)。
【0059】
速度因子を決定するために、応答速度は、セルの厚さ及び印加される場に対して正規化され、このようにして正規化された速度因子が算出される。
【0060】
液晶がドープされると、V90の電界強度は、すべてのドーパントに対して±0.01Vpp/μmだけ変化する。一例として、5μmのEHC社製ホメオトロピックセルにおける純粋なMLC−2038の場合、第1のHWP電圧は5.3Vppである。
【0061】
使用した材料の例及びJ6とL20の化学構造
【0062】
【化1】

【0063】
液晶: MLC−2038:負の誘電体異方性、メルク(Merck)社製、n=1.5848、n=1.4816、任意の配向において予想される屈折率nrandom=1.516である。
E7/BL001:正の誘電体異方性液晶、メルク(Merck)社製。
【0064】
テストセル:EHC社製セル:0.7mmソーダライムガラス、ITO:200〜300Å及び100Ωcm−2、界面活性剤(VAの場合、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(cetyl trimethyl ammonium bromide))またはTN配列の場合ラビングされたポリイミドにより配列、単一画素セル(single pixel cell)。
SXRD:ソニーのVA構造を促進させるポリイミド配列膜を有するSXRDセル、複数画素セル(multi−pixel cell)。
【0065】
結果
純粋なMLC−2038は、印加電圧に対して遅い初期応答を示す。ほとんどの場合、ドーパントを添加することで、この遅い初期応答は減らすことができる。しかしながら、これは、ホメオトロピック配列を妨げる不純物または結晶により生じるようである。この欠陥が誘起する配列摂動は好ましくなく、双極性色素(両性色素)(dipolar dye)による応答の向上と慎重に区別しなければならない。
【0066】
しかしながら、MLC−2038に可溶で、オフ状態のホメオトロピック配列を妨げるようには見えないドーパントもある。本検討において最もよいドーパントは、L20及びJ6であった。J6及びL20の場合、立ち上がり時間の減少は減衰時間の増加に対応しない(図4、図6、及び図3)。これは、固定している/ホメオトロピックの配列が影響を受けない、または向上したことを示している。さらに、オフ状態の透過率は、J6によって変わらない(または少し低下する)ことが見出された(図8)。
【0067】
ドーパントが液晶と複合体を形成することで、立ち上がり時間が向上する。さらに、誘電体異方性は、ドーパントの添加によって向上する(図5)。
【0068】
双極子モーメントを有するドーパントもあり、そのドーパントは液晶と複合体を形成し、この複合体は、全体として、液晶の双極子及びドーパントの双極子それぞれよりも大きな双極子モーメントを有する(図9−A〜C)。
【0069】
双極子モーメントを持たないドーパント(例えば、L20)もあるが、液晶(または異方性溶媒)の中に置かれると、ドーパント分子は、立体配座(コンフォメーション)の変化を受けて、極性を有する。さらに、ドーパントは液晶と相互作用して、複合体を形成する。この複合体は、全体として、液晶の双極子及びドーパントの双極子それぞれよりも大きな双極子モーメントを有する(図10−A〜C)。
【0070】
MOPACシミュレーション
液晶分子とドーパントの相互作用を計算するために、コンピュータパッケージであるウウィンドウズ(登録商標)版MOPAC2000を用いた。このシミュレーションに使用されている工程の概要を以下に示す。
【0071】
上記の概略のように、MOPACは、AM1及びPM3を含む、複数の公知の半経験的分子軌道計算法が組み込まれたソフトウエアパッケージに関する。AM1及びPM3は、異なるハミルトニアン、つまり、オースチンモデル(Austin Model)1ハミルトニアン及びパラメータ化モデル(parameterized model)3ハミルトニアンである(AM1の場合、エム.ジェー.エス.デュアーら、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイアティ、107号、3902頁、1985年(M.J.S.Dewar, et al., J. Am. Chem. Soc., 107, 3902 (1985))参照; PM3の場合、ジェイ.ジェイ.ピイ.スチュワート、ジャーナル・オブ・コンピューテイショナル・ケミストリー、10号、209頁、1989年及びジャーナル・オブ・コンピューテイショナル・ケミストリー、10号、221頁、1989年(J.J.P.Stewart,J.Comput.Chem., 10, 209 (1989) and J.Comput.Chem., 10, 211 (1989))参照)
【0072】
下記の工程は図9−A、図9−B、図9−C、及び図10に示されている。
【0073】
ウインドウズ版MOPAC2000に分子構造を直接描画した。
その後、各分子においてそれぞれ形成(formation)の最低エネルギーを見出し、AM1及びPM3の両方のハミルトニアンを比較し、両方のハミルトニアンに最も合う最低エネルギーの分子構造を選択し、最適分子構造と各分子の双極子モーメントとを記述した(図9−Bの上部)。
【0074】
そして、最適化された各分子を一つにあわせ(図9−A)、分子内の原子の電荷及び電荷の分布を考慮し(図9−C)、そして分子の双極子モーメントを検討した。ここで、組み合わせの並べ替えを500回シミュレーションによって調べ、最低エネルギーの組み合わせが選ばれた。この結果は、複合体の形成がエネルギー的に有利かを示している(図9−A)。
【0075】
複合体が形成されると考えられる場合、反復の繰り返しにおいて、複合体全体としての最低の形成エネルギーを得るために、(複合体の)それぞれの分子の構造を最適化した(例えば、図10、及び図9−Aと図9−Bの複合体の最終的な最低エネルギー状態)。
【0076】
最後に、最低の形成エネルギーを有する複合体を、複合体の最適化された分子構造として選択し、この構造から双極子モーメントを計算した(図9−B及び図10の下部)。
【0077】
明細書、請求項、及び/または添付された図面に開示された本発明の特徴は、単独でも、また、それらのいかなる組み合わせにおいても、様々な形態において本発明を実現するための材料である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1は、それぞれドーパントJ6を示す。
【図2】図2は、ドーパントL20を示す。
【図3】図3は、逆平行セル、ツイスティッドネマティックセル、及び垂直配向(vertically aligned)セルにおける正及び負の誘電体異方性液晶に対するドーパントの模式的効果を示す。
【図4】図4は、5μmの逆平行セル、ツイスティッドネマティックセル、及び垂直配向(vertically aligned)セルにおける正及び負誘電体異方性液晶の立ち上がり時間及び減衰時間に対するドーパントの効果を示す。正の百分率比は、向上率を表し、例えば、10msから7.5msへの変化は、+25%の向上率であることを意味する。
【図5】図5は、正及び負誘電体異方性液晶の誘電体異方性に対するドーパントの効果を示す。
【図6】図6は、SXRD−PIの2μmホメオトロピック(VAN)セルにおけるMLC−2038の立ち上がり時間及び減衰時間に対する0.1wt%のJ6ドーパントの効果を示す。
【図7】図7は、EHC社製の5μmホメオトロピック(VAN)セルにおけるMLC−2038の立ち上がり時間及び減衰時間に対するJ6ドーパントの効果を示す。
【図8】図8は、SXRD−PIの2μmホメオトロピック(VAN)セルにおけるMLC−2038のオフ状態の光学透過率に対するJ6ドーパントの効果を示す。
【図9−A】図9−Aは、双極性ドーパント(本実施例においてはJ6が示される)と負の異方性液晶との相互作用のシミュレーションを示す。ドーパントと液晶は相互作用して、それら自身より大きい双極子モーメントを有する複合体を形成する。複合体の双極子の向きは、元の液晶の設計に適合し、厳密に従う。
【図9−B】図9−Bは、双極性ドーパント(本実施例においてはJ6が示される)と負の異方性液晶との相互作用のシミュレーションを示す。ドーパントと液晶は相互作用して、それら自身より大きい双極子モーメントを有する複合体を形成する。複合体の双極子の向きは、元の液晶の設計に適合し、厳密に従う。
【図9−C】図9−Cは、双極性ドーパント(本実施例においてはJ6が示される)と負の異方性液晶との相互作用のシミュレーションを示す。ドーパントと液晶は相互作用して、それら自身より大きい双極子モーメントを有する複合体を形成する。複合体の双極子の向きは、元の液晶の設計に適合し、厳密に従う。
【図10】図10−A〜Cは、低双極性ドーパント(本実施例においてはL20が示される)と負の異方性液晶の相互作用のシミュレーションを示す。低双極性ドーパントは、誘電体ホスト媒体(例えば液晶)が存在するときに立体配座の変化を受ける。ドーパントと液晶は相互作用して、それら自身より大きい双極子モーメントを有する複合体を形成する。複合体の双極子の向きは、元の液晶の設計に適合している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶材料及び添加剤、好ましくはドーパントを有し、前記添加剤は前記液晶材料と複合体を形成可能である
組成物。
【請求項2】
前記液晶材料と前記添加剤が複合体を形成する
請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記液晶材料と前記添加剤は、FTIR、紫外−可視光吸収、蛍光、特に偏光蛍光、誘電体異方性、及び走査型近接場光学顕微鏡を含むグループから選択される方法で測定される複合体を形成する
請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記液晶材料と前記添加剤が、MOPACシミュレーションにおいてシミュレーションされる複合体を形成する
前述のいずれかの請求項に記載の組成物。
【請求項5】
前記MOPACシミュレーションが、以下の工程/条件を有する:
コンピュータ環境において、
前記液晶材料の分子構造と、前記添加剤の分子構造とを規定し、
最低形成エネルギーを決定し、AM1及びPM3のハミルトニアンを決定し、双方のハミルトニアンに最も合う最低エネルギーの分子構造を選択することにより、それぞれの分子構造を最適化し、
前記ステップにおいて得られた最適化されたそれぞれの分子を合わせて、原子の電荷、電荷の分布、及び分子構造の双極子モーメントを考慮して各分子を組み合わせ、
何度か、好ましくは100〜1000回の範囲、より好ましくは200〜800回の範囲、さらにより好ましくは400〜600回の範囲、最も好ましくは約500回、前記組み合わせを並べ替えて、もしあれば前記液晶材料と前記添加剤の複合物を形成させ、
その複合物の分子において、複合物の最低形成エネルギー及び複合物の最低エネルギー状態を決定するように各分子の構造を最適化する
請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記MOPACシミュレーションが、最低形成エネルギーを有する複合体を選択し、その構造から双極子モーメントを計算する工程をさらに有する
請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
液晶材料と添加剤を有する組成物であって、
前記添加剤は、全組成物の0.01〜0.15wt.%、好ましくは0.05〜0.12wt.%、より好ましくは0.08〜0.11wt.%、最も好ましくはおよそ0.1wt.%の量存在する
前述のいずれかの請求項に記載の組成物。
【請求項8】
前記添加剤は、それ単体で、永久双極子を持たない、または1デバイ以下好ましくは0.1デバイ以下の双極子を有する
前述のいずれかの請求項に記載の組成物。
【請求項9】
前記添加剤は、前記液晶材料が存在するとき、好ましくは前記液晶材料と複合体を形成するとき、双極子を得る
請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記添加剤はL20(2,4−ジクロロ−3,6−ジエトキシベンゾキノン)である
請求項7〜9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
前記添加剤は、永久双極子、または1デバイ以上、好ましくは0.1デバイ以上の双極子を有する
請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
前記液晶材料と前記添加剤によって形成される複合体は、前記液晶材料と前記添加剤自体のそれぞれの双極子の合計よりも大きい双極子を有する
請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記添加剤は、MORPIP(2−{4−[(2,6−ジメチルモルフォリン−4−イル)(4−メチルピペリジン−1−イル)メチレン]シクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イリデン}マロノニトリル)(2−{4−[(2,6−dimethylmorpholin−4−yl)(4−methylpiperidin−1−yl)methylene]cyclohexa−2,5−dien−1−ylidene}malononitrile)、J6、及び10−γP3CNQを含むグループから選択される
請求項11及び12のいずれかに記載の組成物。
【請求項14】
前記添加剤は、色素である
前述のいずれかの請求項に記載の組成物。
【請求項15】
前記液晶材料は、MLC−2038,ZLI−1695、E7及びZLI−4792を含むグループから選択される
前述のいずれかの請求項に記載の組成物。
【請求項16】
前記添加剤は、前記液晶材料に可溶である
前述のいずれかの請求項に記載の組成物。
【請求項17】
前記液晶材料は、永久双極子を有する
前述のいずれかの請求項に記載の組成物。
【請求項18】
前記液晶材料は、誘起双極子を有する
請求項1〜16のいずれかに記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物は、少なくとも0.5、好ましくは少なくとも0.7の秩序パラメータを有し、前記秩序パラメータSは以下のように定義され、

ここで、A||及びAは、液晶または液晶混合物のダイレクタ軸が、入射された偏光光の伝播する軸に対して平行(A||)または垂直(A)であるときに測定された吸光度の値であって、より好ましくは、液晶(LC)が正の誘電体異方性を有する場合、平行状態は、液晶または液晶混合物を平行(または逆平行またはホモジニアス)配向のサンドイッチセルに挿入することにより達成でき、垂直状態は、電場または磁場をそのような平行(または逆平行またはホモジニアス)配向セルに印加するか、液晶または液晶混合物をホメオトロピック(または垂直(perpendicularly)または垂直(vertically))配向セルに挿入することにより達成でき、または、液晶(LC)が負の誘電体異方性を有する場合は、垂直状態は、液晶または液晶混合物をホメオトロピック(または垂直(perpendicularly)または垂直(vertically))配向のサンドイッチセルに挿入することにより達成でき、平行状態は、電場または磁場をそのようなホメオトロピック配向セルに印加するか、液晶または液晶混合物を平行(または逆平行またはホモジニアス)配向セルに挿入することにより達成できる、
前述のいずれかの請求項に記載の組成物。
【請求項20】
液晶ディスプレイの液晶セルにおける前述のいずれかの請求項に記載の組成物の使用方法。
【請求項21】
前記液晶セルは、単一画素セル(single pixel cell)または複数画素セル(multiple pixel cell)である
請求項20に記載の使用方法。
【請求項22】
前記液晶セルのグレイスケールにおける応答時間の速度を向上させ、及び/または、前記液晶セルの立ち上がり及び/または減衰時間を短縮させる
請求項20及び21のいずれかに記載の使用方法。
【請求項23】
請求項1〜19に記載の組成物を有する液晶セル。
【請求項24】
液晶ディスプレイにおける、請求項23に記載の液晶セルの使用方法。
【請求項25】
液晶を用意する工程と、
前記液晶と複合体を形成可能な添加剤を前記液晶に加える工程と
を有する
液晶、好ましくは液晶セルの応答速度及び/または誘電体異方性及び/またはグレイスケールにおける応答速度を向上させる方法。
【請求項26】
前記液晶及び前記添加剤は請求項1〜19のいずれかによって規定される
請求項25に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9−A】
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【図9−B】
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【図9−C】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−534782(P2007−534782A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543378(P2006−543378)
【出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【国際出願番号】PCT/EP2004/011212
【国際公開番号】WO2005/059061
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(397051508)ソニー ドイチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (140)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】