説明

液晶素子の封止装置および封止方法

【課題】 紫外線硬化樹脂の注入口を隙間なく均一に封止することができ、温度劣化に対する信頼性が向上した液晶素子の封止装置および封止方法を提供する。
【解決手段】 注入口11を未硬化の紫外線硬化樹脂30で蓋閉じした状態で冷却して、紫外線硬化樹脂30を注入口内部に引き込ませた後、紫外線71を照射して硬化させるために使用するる液晶素子の封止装置であって、液晶セル10を挿入可能な溝41を有する熱伝導性金属からなるブロック40と、このブロック40を収納する冷却槽50と、この冷却槽50の温度を制御する温度調節装置60,61,62と、前記液晶セル10の注入口に紫外線71を照射する紫外線照射装置70とからなる。また、本発明の封止方法は、液晶セル10を熱伝導性金属からなるブロック40の溝41に支持し、ブロック40自体の冷却速度を制御することにより、紫外線硬化樹脂30の引き込みを均一化する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶セルに液晶を注入後、液晶セルの注入口を紫外線硬化樹脂(以下、UV樹脂と呼ぶ)で硬化封止するために用いる液晶素子の封止装置およびこの装置を用いた液晶素子の封止方法に関し、さらに詳しくは、UV樹脂の注入口を隙間なく均一に封止することができ、温度劣化に対する信頼性が向上した液晶素子を効率的に製造可能な液晶素子の封止装置および封止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の液晶素子の製造において、液晶セルの内部に液晶を注入後、この液晶セルの注入口を封止する方法としては、液晶を注入した後の液晶セルの注入口をUV樹脂で蓋閉じし、冷却して液晶を収縮させることによりUV樹脂を注入口の内部に引き込ませた後、UV樹脂に紫外線を照射して硬化させる方法が主としてとられていた。
【0003】しかるに、上記の従来法によれば、比較的容易に封止が達成できるという利点を有する反面、紫外線照射炉内において、UV樹脂が完全に硬化する前に液晶セル内の液晶が急速に熱膨脹すると、図4に示したように、液晶2がUV樹脂(封止剤)3の未硬化部分を押し戻して、注入口1a内に注入されたUV樹脂3に大きな穴8を形成してしまい、この穴8によって耐湿性が低下したり、気泡が発生したりして、液晶素子の信頼性が大きく低下するという問題があり、この問題は液晶素子が小さい場合ほど著しく発生するという欠点があった。
【0004】そこで、特開平2−101432号公報には、上記の欠点を解消する方法として、液晶セルの冷却状態を保ったまま紫外線を照射してUV樹脂を硬化させることにより、上記穴8の発生を解消するための装置および方法が提案されている。
【0005】すなわち、上記特開平2−101432号公報に記載の装置は、図5に示したように、液晶セル1を収納する冷却槽4、この冷却槽4の上部にかぶせるガラス板5、および紫外線照射装置6から構成されている。そして、この装置を用いて液晶素子を封止するには、まず(a)液晶セル1の注入口1aから液晶セル1内部に液晶2を注入した後、この注入口1aをUV樹脂3で蓋閉じし、次いで(b)この液晶セル1を冷却槽4に入れて冷却し、液晶2を収縮させることにより、UV樹脂3を注入口1aの内部に引き込ませた後、(c)この冷却状態を保ったまま、冷却槽4の上部に被せたガラス板5を介して、紫外線照射装置6から紫外線7を照射して、UV樹脂3を硬化させる方法であり、この方法によれば、冷却状態で紫外線を照射することによって、液晶セル1内部の液晶2の熱膨脹が抑えられたままUV樹脂3を硬化させることができるため、注入口1a内部のUV樹脂3に不所望な穴が形成されることがなく、温度劣化に対する信頼性を向上できるという効果が得られるとされている。
【0006】しかしながら、上記の従来法では、確かに穴8の発生は抑制されるものの、注入口1aをUV樹脂3で蓋閉じした液晶セル1を冷却槽4に入れて急激に冷却させると、UV樹脂3自体の粘度が大きくなり、その流動性が低下して注入口1の中央部と周縁部での流動速度が変化することに起因して、図6に示したように、UV樹脂3が注入口1a内に均一に引き込まれず、中央部のみが大きく引き込まれて、注入口1aとUV樹脂3との間に隙間9が形成されてしまい、この隙間によって温度劣化に対する信頼性が阻害されるという問題を依然として包含していた。
【0007】しかも、上記の従来法では、複数、例えば数十枚の液晶セル1を同時に冷却槽4内に入れると、各液晶セル1毎の冷却状態が相違するために、UV樹脂3の引き込み状態がばらついてしまうという問題もあった。
【0008】したがって、従来の液晶素子の封止方法においては、UV樹脂で封止した封止部の状態が不十分で温度劣化を確実に防止できないばかりか、不良品の発生が多く、封止部の全数チェックを頻繁に行う必要があることから、生産性が著しく阻害されるという問題を包含していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
【0010】したがって、本発明の目的は、UV樹脂の注入口を隙間なく均一に封止することができ、温度劣化に対する信頼性が向上した液晶素子を効率的に製造可能な液晶素子の封止装置および封止方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明の液晶樹脂の封止装置は、液晶セルの内部に注入口から液晶を注入し、前記注入口を未硬化のUV樹脂で蓋閉じした状態で冷却して、前記液晶を収縮させることにより前記UV樹脂を前記注入口内部に引き込ませた後、冷却状態を保持したまま前記UV樹脂に紫外線を照射して硬化させることにより、液晶素子を封止するために使用する装置であって、液晶セルを挿入可能な溝を有する熱伝導性金属からなるブロックと、このブロックを収納する冷却槽と、この冷却槽の温度を制御する温度調節装置と、前記液晶セルの注入口に紫外線を照射する紫外線照射装置とからなることを特徴とする。
【0012】なお、本発明の液晶素子の封止装置は、ブロックが、液晶セルを挿入可能で、かつ前記液晶セルの注入口を上部に露出可能な深さを有する複数の溝を有しており、これらの溝で同時に複数の液晶セルを冷却するように構成したこと、および冷却槽が、紫外線透過性の窓を有するカバーで上部が閉塞されていると共に、カバー内に乾燥ガスを流通させる配管を備えることが望ましく、これらの条件を採用することによって、さらに望ましい効果を得ることができる。
【0013】また、本発明の液晶素子の封止方法は、液晶セルの内部に注入口から液晶を注入し、前記注入口を未硬化のUV樹脂で蓋閉じした状態で冷却して、前記液晶を収縮させることにより前記UV樹脂を前記注入口内部に引き込ませた後、冷却状態を保持したまま前記UV樹脂に紫外線を照射して硬化させることにより、液晶素子を封止する方法であって、前記液晶セルを熱伝導性金属からなるブロックの溝に支持し、前記ブロック自体の冷却速度を制御することにより、前記UV樹脂の引き込みを均一化することを特徴とする。
【0014】なお、本発明の液晶素子の封止方法においては、ブロックが複数の溝を有しており、これらの溝で同時に複数の液晶セルを冷却すること、ブロックを冷却槽内に入れた状態でブロックの冷却速度を制御することを、ブロックの冷却速度を1〜5℃/分に制御すること、および冷却槽の上部を紫外線透過性の窓を有するカバーで閉塞し、このカバー内に乾燥ガスを流通しつつ液晶の冷却および紫外線硬化樹脂の硬化を行うことが望ましく、これらの条件を採用することによって、さらに望ましい効果を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面にしたがって、本発明の液晶素子の封止装置の一例、および封止方法の実施の形態の一例について詳述する。
【0016】まず、図1にしたがって本発明の液晶素子の封止装置について説明し、次に図2(a)〜(d)および図3にしたがって本発明の液晶素子の封止方法について説明する。
【0017】図1は本発明の液晶素子の封止装置の一例を示す断面図であり、この封止装置は、液晶セル10の内部に注入口11から液晶を注入し、注入口11を未硬化のUV樹脂30で蓋閉じした状態で冷却して、液晶を収縮させることによりUV樹脂30を注入口11内部に引き込ませた後、冷却状態を保持したままUV樹脂30に紫外線71を照射して硬化させることにより、液晶素子を封止するために使用する装置であって、液晶セル10を挿入可能な溝41を有する熱伝導性金属からなるブロック40と、このブロック40を収納する冷却槽50と、この冷却槽50の温度を制御する温度調節装置と、液晶セル10の注入口11に紫外線71を照射する紫外線照射装置70とを主な要素として構成されている。
【0018】ここで、ブロック40は、例えばアルミニウムなどの熱伝導性金属からなり、液晶セル10を挿入可能で、かつ液晶セル10の注入口11を上部に露出可能な深さを有する複数の溝41を有しており、これらの溝41で同時の複数の液晶セルを冷却するように構成されていることが、多数の液晶セルの封止を同時に行えることから望ましい。
【0019】そして、冷却を均一に行うために、ブロック40の溝41と、この溝41に挿入される液晶セル10との間の隙間はできるだけ狭いことが望ましい。
【0020】また、溝41の深さを、液晶セル10の注入口11が上部に露出可能な深さとした理由は、冷却状態を保持したまま、注入口11を蓋閉したUV樹脂30に対し紫外線71を照射することを可能とするためである。
【0021】冷却槽50におけるブロック40との間の隙間は、冷却を均一に行うために、できるだけ狭いことが望ましい。
【0022】冷却槽50の温度を制御する温度調節装置は、例えばブロック40に嵌挿された温度センサー60と、温度コントローラー61と、冷却槽50の底部に配置されたペルチェ素子62と、これら温度センサー60、温度コントローラー61、およびペルチェ素子62を接続する配線とから構成されており、ペルチェ素子62を加熱・冷却することにより、冷却槽50の温度を所望の範囲に制御できるようになっている。ここで、加熱・冷却機構には特に制限はないが、コンパクト性を考慮すると、ペルチェ素子の適用が最も望ましい。また、冷却速度の制御は、本実施の形態では温度センサー60により行っているが、所望の冷却速度を達成可能な手段であれば、これに限定されるものではない。
【0023】紫外線照射装置70は、図示しないライトガイドにより矢印方向に反復移動可能であり、UV光源に接続されている。
【0024】そして、冷却槽50の上部は、紫外線透過性の窓81を有するカバー80で閉塞されていると共に、このカバー80内には乾燥ガスを流通させる配管90が接続されている。
【0025】これらのカバー80および配管90は必ずしも必須ではないが、冷却槽50の上部にカバー80を設け、このカバー80内に配管90から乾燥ガスを流通させることによって、液晶セル10を冷却する際の温度差に起因して、空気中の水分が液晶セル10およびUV樹脂30の表面に結露する不具合を防止することができ、封止の信頼性をさらに高めることができる。
【0026】上記カバー80の材質には特に制限はないが、内部を確認できる点では透明なアクリル樹脂が好ましく、また紫外線透過性の窓81の材質としては石英ガラスが適している。
【0027】配管90からカバー80内に流通される乾燥ガスとしては、窒素ガスの使用が好適であるが、炭酸ガスやドライエアーも使用することができる。
【0028】次に、上記の封止装置を用いて液晶素子を封止する方法の実例について説明する。
【0029】図2(a)〜(d)は本発明の液晶素子の封止方法を工程を追って説明する断面図であり、図3は本発明の方法で得られた液晶素子の注入口部分の拡大断面図である。
【0030】本発明の封止方法を実施するに際しては、まず図1(a)に示したように、液晶セル10の内部に注入口11から液晶20を注入してから、注入口11を未硬化のUV樹脂30で蓋閉じする。
【0031】次に、図1(b)に示したように、複数の液晶セル10を熱伝導性金属、本実施の形態ではアルミニウムからなるブロック40の溝41に支持する。
【0032】次いで、図1(c)に示したように、ブロック40を冷却槽50内に入れて、温度センサ60によりブロック40自体を冷却速度を制御しつつ、温度コントローラ61およびペルチェ素子62を機能させて、ブロック40および液晶セル10ををゆっくりと冷却する。
【0033】そして、図1(d)に示したように、ブロック40が所望の冷却温度に達した時点で、この冷却状態を保持したまま紫外線照射装置70から紫外線71を照射し、UV樹脂30を硬化させることにより、図2に示したように、UV樹脂30が注入口11内に穴や隙間を作ることなく、均一に引き込こまれ、硬化した封止品を得ることができるのである。
【0034】ここで、ブロック40を冷却槽50内に入れた状態でブロック40の冷却速度を制御するようにした理由は、液晶セル10の冷却を繰り返して行う場合に、冷却槽50を再度常温まで上昇させるのに時間がかかるため、別のブロックを使用することを可能とするためである。
【0035】なお、ブロック40を常温から所望の冷却温度まで冷却する際の冷却速度は、UV樹脂30の注入口11内への引き込みを均一にするために、できるだけ緩慢な徐冷条件であることが望ましいが、冷却速度があまりに遅くても冷却に時間がかかり過ぎるため、実用上は1〜5℃/分、特に2〜4℃/分の冷却速度であることが好ましい。
【0036】ただし、冷却速度が5℃/分を越える場合には、通常の冷却と同様に、注入口11とUV樹脂30との間に隙間を生じ、この隙間によって温度劣化に対する信頼性が阻害される傾向となるため好ましくない。
【0037】なお、図2では図示していないが、所望に応じて、冷却槽50の上部にカバー80を設け、このカバー80内に配管90から乾燥ガスを流通させることによって、液晶セル10を冷却する際の温度差に起因する空気中水分の結露を効果的に防止することができ、封止の信頼性を一層高めることができる。
【0038】すなわち、サイズがきわめて小さな液晶セル10を封止する場合には、温度差を40℃以上にしないとUV樹脂30を注入口11内に十分引込むことができず、またUV樹脂30を50℃以上の高温にすると液晶セル10内に引き込まれ過ぎて、液晶と混ざり易くなるため、例えば45℃に加熱したUV樹脂30を用いて注入口11を蓋閉じ、5℃以下まで冷却する必要があるが、冷却温度が10℃程度以下になると、空気中の水分が結露してUV樹脂30の表面に付着し、封止の信頼性が低下する傾向となる。そこで、特に液晶セル10のサイズが小さい場合および/または最終冷却温度が10℃以下と低い場合には、上記カバー80および配管90を使用することにより、結露の付着を防止することが推奨される。
【0039】かくして、本発明の封止方法で得られた液晶素子は、注入口が硬化したUV樹脂により隙間なく均一に封止されており、しかも硬化中のUV樹脂に対するに結露の付着が防止されて、温度劣化に対する信頼性がきわめて向上したものであるから、封止部のチェック作業を省略可能であり、これにより液晶素子の製造工程を大幅に簡略化することができる。
【0040】また、本発明の封止方法によれば、複数の液晶セルの注入口封止作業を同時に行うことができて、工程的にきわめて効率的である。
【0041】
【実施例】以下に、実施例を挙げて、本発明の構成および効果をさらに説明する。
【0042】サイズ:5×5mmの液晶セルおよび図1に示した構成の封止装置を用いて、液晶素子の封止を行った、すなわち、液晶セルの内部に注入口から液晶を注入し、この液晶セル10本を、アルミニウム製ブロックに形成した前記液晶セルの大きさとほぼ等しい形状を有する溝に、注入口が溝の上部から出るように挿入して、このブロックを冷却槽内に収納し、温度センサー、温度コントローラおよびペルチェ素子を機能させて約10分間、45℃に加温した。
【0043】加温により液晶が膨脹し、注入口から溢れたので、これを液晶吸収性の紙で吸い取った後、注入口の上部を未硬化のUV樹脂(東亜合成(株)製“ラックストラック”LCR0242D)で蓋閉じし、1〜2分間放置してセル面とUV樹脂とをなじませた。
【0044】次に、冷却槽の上部をカバーで閉塞し、このカバー内に配管を通じて窒素ガスを流通させながら、温度センサー、温度コントローラおよびペルチェ素子を機能させることにより、4℃/分の冷却速度で5℃まで冷却し、5℃に達した時点でその温度を10分間保持することにより、UV樹脂を注入口内に十分に引込ませた。
【0045】次いで、カバーの透明窓を介し、100mW/cm2 の紫外線を10秒間照射することにより、UV樹脂を硬化させたところ、注入口から0.7mmの部分が硬化したUV樹脂により隙間なく均一に封止され、しかもUV樹脂に対する結露の付着が全くない、均一な性能を有する封止品を得ることができた。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液晶素子の封止装置および封止方法によれば、液晶セルを熱伝導性金属からなるブロックの溝に支持し、ブロック自体の冷却速度を制御することにより、UV樹脂の引き込みを均一化したため、UV樹脂の注入口を隙間なく均一に封止することができ、温度劣化に対する信頼性が向上した液晶素子を効率的に製造することが可能である。
【0047】また、本発明によれば、複数の液晶セルの注入口封止作業を同時に行うことができて、工程的にきわめて効率的である。
【0048】したがって、本発明によれば、封止後の封止部チェック作業を省略可能であり、液晶素子の製造工程を大幅に簡略化、高能率化することができる。
【0049】さらに、特にサイズの小さい液晶セルを使用する場合であっても、冷却槽の上部にカバーおよび配管を設けて、このカバー内に配管から乾燥ガスを流通させることによって、硬化中のUV樹脂に対するに結露の付着が防止できるようにしたため、温度劣化に対する信頼性を一層高めた液晶素子を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の液晶素子の封止装置の一例を示す断面図である。
【図2】図2(a)〜(d)は本発明の液晶素子の封止方法を工程を追って説明する断面図である。
【図3】図3は本発明の方法で得られた液晶素子の注入口部分の拡大断面図である。
【図4】図4は従来の方法で得られた液晶素子の注入口部分の拡大断面図である。
【図5】図5(a)〜(c)は従来の液晶素子の封止方法を工程を追って説明する断面図である。
【図6】図6は図5に示した方法で得られた液晶素子の注入口部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
10 液晶セル
11 注入口
20 液晶
30 紫外線硬化樹脂
40 ブロック
41 溝
50 冷却槽
60 温度センサー(温度調節装置)
61 温度コントローラー(温度調節装置)
62 ペルチェ素子 (温度調節装置)
70 紫外線照射装置
71 紫外線
80 カバー
81 窓
90 配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】 液晶セルの内部に注入口から液晶を注入し、前記注入口を未硬化の紫外線硬化樹脂で蓋閉じした状態で冷却して、前記液晶を収縮させることにより前記紫外線硬化樹脂を前記注入口内部に引き込ませた後、冷却状態を保持したまま前記紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して硬化させることにより、液晶素子を封止するために使用する装置であって、液晶セルを挿入可能な溝を有する熱伝導性金属からなるブロックと、このブロックを収納する冷却槽と、この冷却槽の温度を制御する温度調節装置と、前記液晶セルの注入口に紫外線を照射する紫外線照射装置とからなることを特徴とする液晶素子の封止装置。
【請求項2】 ブロックが、液晶セルを挿入可能で、かつ前記液晶セルの注入口を上部に露出可能な深さを有する複数の溝を有しており、これらの溝で同時に複数の液晶セルを冷却するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の液晶素子の封止装置。
【請求項3】 冷却槽は、紫外線透過性の窓を有するカバーで上部が閉塞されていると共に、前記カバー内に乾燥ガスを流通させる配管を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶素子の封止装置。
【請求項4】 液晶セルの内部に注入口から液晶を注入し、前記注入口を未硬化の紫外線硬化樹脂で蓋閉じした状態で冷却して、前記液晶を収縮させることにより前記紫外線硬化樹脂を前記注入口内部に引き込ませた後、冷却状態を保持したまま前記紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して硬化させることにより、液晶素子を封止する方法であって、前記液晶セルを熱伝導性金属からなるブロックの溝に支持し、前記ブロック自体の冷却速度を制御することにより、前記紫外線硬化樹脂の引き込みを均一化することを特徴とする液晶素子の封止方法。
【請求項5】 ブロックが複数の溝を有しており、これらの溝で同時に複数の液晶セルを冷却することを特徴とする請求項4に記載の液晶素子の封止方法。
【請求項6】 ブロックを冷却槽内に入れた状態で前記ブロックの冷却速度を制御することを特徴とする請求項4または5に記載の液晶素子の封止方法。
【請求項7】 ブロックの冷却速度を1〜5℃/分に制御することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の液晶素子の封止方法。
【請求項8】 冷却槽の上部を紫外線透過性の窓を有するカバーで閉塞し、前記カバー内に乾燥ガスを流通しつつ液晶の冷却および紫外線硬化樹脂の硬化を行うことを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の液晶素子の封止方法。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【図6】
image rotate