説明

液晶表示装置及びその制御方法

【課題】液晶パネルの透過率を考慮してバックライトを制御することにより、従来に比べて、ユーザに色割れが知覚されることをより効果的に抑制することのできる液晶表示装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】本発明の液晶表示装置は、次フレームの画像データの階調値が現フレームの画像データの階調値よりも高い場合に、一部の光源のみが発光する期間が全ての光源が発光する期間よりも先になるように、次フレームの期間内における各光源の発光期間を設定し、次フレームの画像データの階調値が現フレームの画像データの階調値よりも低い場合に、一部の光源のみが発光する期間が全ての光源が発光する期間よりも後になるように、次フレームの期間内における各光源の発光期間を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、液晶パネルの光透過性を利用した表示装置である。液晶表示装置では、液晶パネルの背面に設置されたバックライトから出射された光が液晶パネルを透過すること、及び、バックライトから出射された光が液晶パネルで遮断されることにより、表示が制御される。
バックライトの光源には、複数の発光ダイオード(以下、LED)が使用されている。光源に使用するLEDとしては、例えば、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)のカラーLEDがある。
LEDの輝度や色の調整方法としてPWM制御がある。PWM制御では、LEDそれぞれの発光期間の長さを調整することで、所望の輝度とホワイトバランスを得ることができる。しかし、PWM制御では、各LEDの発光期間の長さが異なるために、バックライトが瞬間的にR、G、B、もしくは、それらのうちの2色の混色に発光する、いわゆる色割れの状態が発生してしまう。
【0003】
図8は、カラーLEDを使用したバックライトの動作を示すタイミングチャートである。
図8(a)は、垂直同期信号であり、1フレーム期間毎に、所定時間だけLレベルになる信号である。例えば、垂直同期信号の周波数が60Hzの場合、1フレーム期間は約16.7msecになる。1フレーム期間において、上記所定時間の期間以外の期間では、垂直同期信号はHレベルとなる。
図8(b)〜(d)は、それぞれ、RLED(赤色の光を発するカラーLED)、GLED(緑色の光を発するカラーLED)、BLED(青色の光を発するカラーLED)の発光状態を示している。図中、ONの期間はLEDの発光期間を示し、OFFの期間はLEDの消灯期間を示す。
このとき、RLEDのみが点灯している期間(時刻t1〜t2の期間)や、RLEDとGLEDが点灯し、BLEDが消灯している期間(時刻t2〜t3の期間)では、観察者(ユーザ)に色割れが知覚されることがある。
【0004】
上記課題を解決するための従来技術は、例えば、特許文献1〜3に開示されている。
具体的には、特許文献1には、各LEDを点滅させることで、あるLEDが点灯しているのに他のLEDが消灯している状態となる期間を短縮することが開示されている。
特許文献2には、周期的に駆動される光源部(RLED、GLED、BLEDからなる光源部)間の位相を互いにずらすことで、常に白色光を合成することが開示されている。
特許文献3には、RLED、GLED、BLEDの発光期間の中心時刻を揃えることにより、発光期間のずれを短縮することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−191248号公報
【特許文献2】特開2006−164631号公報
【特許文献3】特開2005−208425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した色割れは、輝度が高いほどユーザに知覚されやすいことが分かっている。液晶表示装置では、液晶パネルの透過率により、ユーザに視認される輝度が変わる。
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載の技術では、液晶パネルの透過率については何ら考慮されていないため、色割れがユーザに知覚されてしまう虞がある。
【0007】
そこで、本発明は、液晶パネルの透過率を考慮してバックライトを制御することにより、従来に比べて、ユーザに色割れが知覚されることをより効果的に抑制することのできる液晶表示装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の液晶表示装置は、
発光色が互いに異なる複数の光源を有するバックライトと、
入力された画像データの階調値が高いほど前記バックライトからの光の透過率が高くなるように、前記入力された画像データの階調値に応じて前記透過率が制御される複数の液晶素子を有する液晶パネルと、
次に表示するフレームの画像データの階調値が現在表示されているフレームの画像データの階調値よりも高いか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に基づいて、前記複数の光源の発光期間を制御する制御手段と、
を有し、
1フレーム期間内の前記複数の光源の発光期間の長さは互いに異なっており、
前記制御手段は、
前記判定手段で次に表示するフレームの画像データの階調値が現在表示されているフレームの画像データの階調値よりも高いと判定された場合に、一部の光源のみが発光する期間が全ての光源が発光する期間よりも先になるように、前記次に表示されるフレームの期間内における各光源の発光期間を設定し、
前記判定手段で次に表示するフレームの画像データの階調値が現在表示されているフレームの画像データの階調値よりも低いと判定された場合に、一部の光源のみが発光する期間が全ての光源が発光する期間よりも後になるように、前記次に表示されるフレームの期間内における各光源の発光期間を設定する
ことを特徴とする。
【0009】
本発明の液晶表示装置の制御方法は、
発光色が互いに異なる複数の光源を有するバックライトと、
入力された画像データの階調値が高いほど前記バックライトからの光の透過率が高くなるように、前記入力された画像データの階調値に応じて前記透過率が制御される複数の液晶素子を有する液晶パネルと、
を有する液晶表示装置の制御方法であって、
次に表示するフレームの画像データの階調値が現在表示されているフレームの画像データの階調値よりも高いか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップの判定結果に基づいて、前記複数の光源の発光期間を制御する制御ステップと、
を有し、
1フレーム期間内の前記複数の光源の発光期間の長さは互いに異なっており、
前記制御ステップでは、
前記判定ステップで次に表示するフレームの画像データの階調値が現在表示されているフレームの画像データの階調値よりも高いと判定された場合に、一部の光源のみが発光する期間が全ての光源が発光する期間よりも先になるように、前記次に表示されるフレームの期間内における各光源の発光期間を設定し、
前記判定ステップで次に表示するフレームの画像データの階調値が現在表示されてい
るフレームの画像データの階調値よりも低いと判定された場合に、一部の光源のみが発光する期間が全ての光源が発光する期間よりも後になるように、前記次に表示されるフレームの期間内における各光源の発光期間を設定する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、液晶パネルの透過率を考慮してバックライトを制御することにより、従来に比べて、ユーザに色割れが知覚されることをより効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1に係る液晶表示装置の機能構成の一例を示すブロック図
【図2】実施例1に係るバックライトの構成の一例を示す図
【図3】実施例1に係る液晶表示装置の動作の一例を示すフローチャート
【図4】実施例1に係るバックライトの動作の一例を示すタイミングチャート
【図5】従来のバックライトの動作の一例を示すタイミングチャート
【図6】実施例2に係る液晶表示装置の動作の一例を示すフローチャート
【図7】実施例2に係るバックライトの動作の一例を示すタイミングチャート
【図8】従来のバックライトの動作の一例を示すタイミングチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施例1>
以下、図面を参照して、本発明の実施例1に係る液晶表示装置及びその制御方法について例示的に詳しく説明する。ただし、実施例に記載されている構成部品の機能、相対配置などは特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、以下の説明で一度説明した構成や部品についての機能、形状などは特に改めて記載しない限り初めの説明と同様のものとする。
【0013】
図1は、本発明の実施例1に係る液晶表示装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
CPU101には、不図示のROMおよびRAMが接続されている。CPU101は、ROMに格納されたプログラムに従い、RAMをワークメモリとして用いて表示装置100全体の動作を制御する。
入力部102は、不図示の画像出力装置から入力された画像データをデコード処理し、画像処理部103へ出力する。
画像処理部103は、階調変位解析部104を有する。階調変位解析部104は、次に表示するフレーム(次フレーム)の画像データの階調値が現在表示されているフレーム(現フレーム)の画像データの階調値よりも高いか否かを判定する。具体的には、階調変位解析部104は、現フレームの画像データと次フレームの画像データとから、現フレームから次フレームへの画像データの階調値の変位方向(階調変位方向)を解析する。階調変位方向の解析については後述する。画像処理部103は、階調変位解析部104の判定結果(階調変位方向)をバックライト制御部108へ出力する。
また、画像処理部103は、入力された画像データを、高画質化処理等の所望の信号処理を適用した後、液晶パネル105へ出力する。
【0014】
液晶パネル105は、入力された画像データの階調値が高いほど、バックライト111からの光の透過率が高くなるように、入力された画像データの階調値に応じて透過率が制御される複数の液晶素子を有する。液晶パネル105は、例えば、アクティブマトリクス方式の液晶パネルである。
バックライト111は、発光色が互いに異なる複数の光源を有する。
バックライト111からの光が液晶パネル105を透過することにより、画像データに
基づく画像が画面に表示される。
【0015】
センサ106は、カラーセンサと温度センサを備える。カラーセンサは、例えば、フォトダイオードに各色の光学フィルタを組み合わせた構造を有する。
センサ制御部107は、センサ106から取得した検出値から、バックライトの輝度および色度を求めることができる。また、センサ制御部107は、温度センサの検出値を用いて、他のセンサやバックライトの光源の温度特性を補償する機能を有する。
【0016】
バックライト制御部108と発光タイミング設定部110は、階調変位解析部104の判定結果に基づいて、バックライトが有する複数の光源(LED)の発光期間を制御する。
具体的には、バックライト制御部108は、センサ106の検出値(バックライトの輝度および色度)がメモリ109に格納された目標値(目標輝度および目標色度)となるように、各LEDの発光期間の長さ(PWM値)を計算する。そして、該PWM値、および、後述の発光タイミング設定部110の設定結果に応じて各LEDを駆動する。
また、バックライト制御部108は、目標値とセンサ106の検出値との差を計算し、センサ106の検出値が目標値となるように、PWM値をフィードバック制御する。
発光タイミング設定部110は、画像処理部103から入力された階調変位方向に基づいて、各LEDの発光期間(具体的には発光開始タイミング)を設定する。発光開始タイミングの設定については後述する。
【0017】
なお、表示装置100は、少なくとも1つ以上の画質モードを備えており、画質モードに応じて目標輝度、目標色度が予め設定される構成を有するものとする。
また、バックライト制御部108には画像処理部103から液晶パネル105に画像データを出力する際に出力される垂直同期信号が入力されており、垂直同期信号に応じてPWM値が更新される。つまり、各LEDは、バックライトの輝度及び色度が目標値と一致するように、フレーム毎にPWM制御される。
【0018】
図2は、バックライトの構成の一例を示す図である。
バックライト111は、マトリックス状に配置された複数のLED群201を備えている。LED群201は、複数のLED(本実施例ではRLED202、GLED203、BLED204のカラーLED)を有する。RLED202は赤色、GLED203は緑色、BLED204は青色の光を発するLEDである。また、RLED202、GLED203、BLED204は、バックライト制御部108により、それぞれ個別に制御することができる。
なお、本実施例では、所望の色(例えば白色)の光を得るために、1フレーム期間内の複数の光源(RLED202、GLED203、BLED204)の発光期間の長さが、互いに異なる長さに設定されるものとする。
【0019】
ここで、バックライトが有する複数の光源(発光色が互いに異なる複数の光源)のうち、一部の光源のみが発光する期間では、ユーザに色割れが知覚されることがある。図2の例では、RLED202、GLED203、BLED204、または、それら3つのうちの2つのみが発光する期間では、ユーザに色割れが知覚されることがある。具体的には、人間の眼は輝度が高い場合に色割れを知覚しやすい。そのため、画面上の輝度が高い期間に、RLED202、GLED203、BLED204のいずれかのみが発光する期間、または、それら3つのうちの2つのみが発光する期間が割り当てられた場合、ユーザに色割れが知覚されやすくなってしまう。
そこで、本実施例では、一部の光源(LED)のみが発光する期間を、液晶パネルの透過率が低い期間、即ち、画面上の輝度の低い期間に割り当てる(設定する)ことにより、色割れを知覚されにくくする。
【0020】
実施例1に係る液晶表示装置の処理について、図3のフローチャート、および、図4のタイミングチャートを参照しながら説明する。
図3は、バックライト制御部108と発光タイミング設定部110の動作の一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、垂直同期信号の入力に応じて開始される。
まず、バックライト制御部108は、目標値(または、センサ制御部107から取得した検出値とメモリ109から取得した目標値)から、次フレームにおける各LEDの発光期間の長さを算出する(ステップS301)。
次に、発光タイミング設定部110は、画像処理部103から入力された階調変位方向(階調変位解析部104の判定結果)を確認する(ステップS302)。
そして、階調変位方向が高くなる(プラス)方向である(次フレームの画像データの階調値が現フレームの画像データの階調値よりも高い)場合には(ステップS303:Yes)、処理がステップS304へ進められる。階調変位方向が低くなる(マイナス)方向である(次フレームの画像データの階調値が現フレームの画像データの階調値よりも低い)場合には(ステップS303:No)、処理がステップS305へ進められる。
【0021】
ここで、階調変位解析部104による階調変位方向の判定方法について説明する。
階調変位解析部104は、画素毎に、現フレームの階調値と次フレームの階調値の差(次フレームの階調値から現フレームの階調値を減算した値)から階調変位方向を算出する。具体的には、各画素のRGB値を輝度値Y(グレースケールの階調値)に変換して、上記差を計算する。
そして、階調変位解析部104は、階調変位方向がプラス方向の画素が、階調変位方向がマイナス方向の画素よりも多い場合に、次フレームの画像データの階調値が現フレームの画像データの階調値よりも高いと判定する。
【0022】
例えば、画像データの階調変位方向VGは、下記の式を用いて算出できる。なお、下記の式において、Pij(t)は現フレーム(t番目のフレーム)の画素A(水平方向の位置がi、垂直方向の位置がj)の階調値である。Pij(t+1)は次フレーム(t+1番目のフレーム)の画素Aの階調値である。Gijは次フレームの画素Aの階調値から現フレームの画素Aの階調値を減算した値である。VGijは画素Aの階調変位方向である。下記の式に示すように、次フレームの画素Aの階調値が現フレームの画素Aの階調値よりも高い場合(画素Aの階調変位方向がプラス方向である場合)には、階調変位方向VGijは+1とされる。次フレームの画素Aの階調値が現フレームの画素Aの階調値よりも低い場合(画素Aの階調変位方向がマイナス方向である場合)には、階調変位方向VGijは−1とされる。
そして、画素毎の階調変位方向VGijの総和が、判定結果(階調変位方向VG)として出力される。具体的には、画素毎の階調変位方向VGijの総和がプラスの値である場合に、画像データの階調変位方向がプラス方向であると判定され、判定結果(階調変位方向VG)として該総和が出力される。また、画素毎の階調変位方向VGijの総和がマイナスの値である場合に、画像データの階調変位方向がマイナス方向であると判定され、判定結果(階調変位方向VG)として該総和が出力される。
ステップS303において、発光タイミング設定部110は、VGがプラスの値であれば階調変位方向はプラス方向であると判断し、マイナスの値であれば階調変位方向はマイナス方向であると判断する。

Gij=Pij(t+1)−Pij(t)
Gij>0の場合には、
VGij=(+1)
Gij(t)≦0の場合には、
VGij=(−1)
VG=ΣVGij

なお、判定方法はこれに限らない。例えば、判定結果として、上記総和ではなく、該総和の符号などが出力されてもよい。また、階調変位解析部104は、各画素の階調値の変位量(上記Gij(t))の総和がプラスの場合に、次フレームの画像データの階調値が現フレームの画像データの階調値よりも高いと判定してもよい。
【0023】
ステップS304では、発光タイミング設定部110は、一部のLEDのみが発光する期間が全てのLEDが発光する期間よりも先になるように、次フレームの期間内における各LEDの発光開始タイミングを設定する。
ステップS305では、発光タイミング設定部110は、一部のLEDのみが発光する期間が全てのLEDが発光する期間よりも後になるように、次フレームの期間内における各LEDの発光開始タイミングを設定する。
ステップS304またはステップS305の次に、バックライト制御部108は、次フレームの期間において、設定された発光開始タイミングから、ステップS301で算出された時間だけ発光するように、各LEDを駆動する(ステップS306)。
即ち、本実施例では、次フレームの画像データの階調値が現フレームの画像データの階調値よりも高い場合に、一部の光源のみが発光する期間が全ての光源が発光する期間よりも先になるように、次フレームの期間内における各光源の発光期間が設定される。また、次フレームの画像データの階調値が現フレームの画像データの階調値よりも低い場合に、一部の光源のみが発光する期間が全ての光源が発光する期間よりも後になるように、次フレームの期間内における各光源の発光期間が設定される。
【0024】
図4(a)〜(e)は、本実施例に係る液晶パネルの階調(透過率)変化と、各LEDの発光期間の一例を示すタイミングチャートである。
図4(a)は液晶パネルの応答波形(液晶応答波形;液晶パネルの透過率の変化)を示す。図4(b)は垂直同期信号を示す。図4(c)〜(e)は、それぞれ、RLED、GLED、BLEDの発光状態を示す。
図4(a)〜(e)には、説明を簡単にするため、時刻t0で表示画像を全画面黒画像(以下、全黒)から全画面白画像(以下、全白)へ、時刻t3で表示画像を全白から全黒へ切り替える場合の例を示した。全黒は、例えば、各画素の階調値が最小値の画像データに基づく画像である。全白は、例えば、各画素の階調値が最大値の画像データに基づく画像である。
【0025】
次フレームの画像データの階調値が現フレームの画像データの階調値と異なる場合、次フレームの期間において、液晶パネル(液晶素子)の透過率は、次フレームの階調値に応じた透過率へ向かって徐々に変化する。具体的には、図4(a)に示すように、時刻t0において表示画像が全黒から全白に変わると(次フレームの画像データの階調値が現フレームの画像データの階調値より高いと)、透過率は緩やかに上昇する。また、時刻t3において表示画像が全白から全黒に変わると(次フレームの画像データの階調値が現フレームの画像データの階調値より低いと)、透過率は緩やかに下降する。例えば、IPSモードの液晶パネルでは、液晶パネルの温度が30℃の場合、立ち上がり開始(時刻t1)から立ち上がり終了(t2)までの時間は16msec程度となり、立下り開始から立下り終了までの時間も同程度となる。
【0026】
時刻t0において表示画像を全黒から全白へ切り替える際に、画像処理部103(階調変位解析部104)は、画像データの階調変位方向がプラス方向であると判定する。そのため、発光タイミング設定部110は、一部のLEDのみが発光する期間が全てのLEDが発光する期間よりも前になるように、次フレームの期間内における各LEDの発光開始
タイミングを設定する。本実施例では、発光タイミング設定部110は、各LEDの発光期間の終了時刻が同じ時刻となるように、次フレームの期間内における各LEDの発光開始タイミングを設定する。具体的には、発光タイミング設定部110は、各LEDの発光期間の終了時刻が次フレームの期間の終了時刻と一致するように、次フレームの期間内における各LEDの発光開始タイミングを設定する。それにより、簡単な制御で、一部のLEDのみが発光する期間が全てのLEDが発光する期間よりも前になるように、次フレームの期間内における各LEDの発光開始タイミングを設定することができる。
【0027】
時刻t3において表示画像を全白から全黒へ切り替える際に、画像処理部103(階調変位解析部104)は、画像データの階調変位方向がマイナス方向であると判定する。そのため、発光タイミング設定部110は、一部のLEDのみが発光する期間が全てのLEDが発光する期間よりも後になるように、次フレームの期間内における各LEDの発光開始タイミングを設定する。本実施例では、発光タイミング設定部110は、各LEDの発光期間の開始時刻が同じ時刻となるように、次フレームの期間内における各LEDの発光開始タイミングを設定する。具体的には、発光タイミング設定部110は、各LEDの発光期間の開始時刻が次フレームの期間の開始時刻と一致するように、次フレームの期間内における各LEDの発光開始タイミングを設定する。それにより、簡単な制御で、一部のLEDのみが発光する期間が全てのLEDが発光する期間よりも後になるように、次フレームの期間内における各LEDの発光開始タイミングを設定することができる。
【0028】
上述したように、液晶パネルの透過率は、フレーム毎に、そのフレームの画像データの階調値に応じた透過率へ向かって徐々に変化する。そのため、上述した制御を行うことにより、一部の光源のみが発光する期間を、液晶パネルの透過率が低い期間、即ち、画面上の輝度の低い期間に割り当てる(設定する)ことができる。
【0029】
以上述べたように、本実施例によれば、液晶パネルの透過率を考慮してバックライトが制御される。具体的には、一部の光源のみが発光する期間が、液晶パネルの透過率が低い期間、即ち、画面上の輝度の低い期間に割り当てられる(設定される)。それにより、従来に比べて、ユーザに色割れが知覚されることをより効果的に抑制することができる。
【0030】
なお、本実施例では、各光源への電流量が一定(変更されない)ことを前提としたが、発光期間の長さを算出する際に、各光源の発光期間の長さの差が最小となるように、各光源への電流量が増減されてもよい。例えば、図4(d)のGLEDへの電流量を減らして、GLEDの発光期間を、図4(c)のRLEDの発光期間に近づくように、延ばしてもよい。但し、電流量を大きく増減させると、光源の波長スペクトル特性が変化し、所望の色が得られない、所謂色ずれ現象が発生してしまう。そのため、電流量の増減は、その増減量が予め定めた閾値(色ずれ現象が生じないように定められた閾値)以下となるように行われることが望ましい。このように、電流量を増減させて発光期間を調節することで、一部の光源のみが発光する期間を短くすることができる。
【0031】
なお、本実施例では、光源がLEDの場合について説明したが、光源はLEDに限らない。例えば、光源は冷陰極管であってもよい。また、本実施例では、RGBの3色の光源を用いる場合について説明したが、光源の発光色はRGBに限らない。例えば、黄色(Y)や白色(W)の光を発する光源が用いられてもよい。
【0032】
なお、本実施例では、画像データの階調変位方向がプラス方向である場合に、各光源の発光期間の終了時刻を次フレームの期間の終了時刻と一致させる構成としたが、各光源の発光期間はこれに限らない。一部の光源のみが発光する期間が全ての光源が発光する期間よりも後になっていれば、各光源の発光期間の終了時刻が次フレームの期間の終了時刻と一致していなくてもよい。画像データの階調変位方向がマイナス方向である場合について
も同様である。
【0033】
なお、本実施例では、画像データ全体の階調変位方向を判定し、その判定結果に応じて各LEDの発光期間を制御する構成としたが、この構成に限らない。例えば、バックライトが、画面の領域を分割することにより得られる分割領域毎に、複数のLEDを有する場合(即ち、図2に示すようにバックライトが分割領域毎のLED群を有する場合)には、分割領域毎に階調変位方向を判定してもよい。そして、分割領域毎に、その分割領域の判定結果(階調変位方向)に基づいて、複数のLEDの発光期間を設定してもよい。分割領域毎に、複数のLEDの発光期間を設定することにより、分割領域毎に色割れを検知しにくくすることができる。そのため、画像データ全体の階調変位方向を判定し、その判定結果に応じての各LEDの発光期間を制御する場合よりも、色割れを検知し難くすることができる。
【0034】
なお、本実施例では、入力画像データのRGB値から輝度値(Y値)を算出して、Y値の階調変位方向を算出するとしたが、R値の階調変位方向、G値の階調変位方向、B値の階調変位方向を算出しても良い。このとき、算出した階調変位方向のうち、最も変位の大きい色の階調変位方向を最終的な階調変位方向として使用することにより、効果的に色割れを低減することができる。
【0035】
<実施例2>
以下、図面を参照して、本発明の実施例2に係る液晶表示装置及びその制御方法について説明する。なお、実施例2において、上述した実施例1と共通する部分については、適宜、説明を省略する。
実施例1では、各LEDを1フレーム期間(1/60sec)毎に制御する場合について説明した。しかし、1/60sec毎に各LEDを制御するとフリッカが視認される可能性があるため、1/240sec毎に各LEDを制御することが多い。そこで、本実施例では、1フレーム期間を分割することにより得られるサブフレーム期間毎にバックライト(複数のLEDの発光期間)を制御する場合の例について説明する。具体的には、1/240sec毎にバックライトを制御する場合の例について説明する。
なお、1フレーム期間は1/60secに限らない。即ちフレームレートは60Hzに限らない。例えば、フレームレートは120Hzであってもよい。また、1サブフレーム期間は1/240secに限らない。1サブフレーム期間は、1フレーム期間を分割して得られる期間であればよい。
【0036】
図5は、フレームレートが60Hzであり、1/240sec毎にバックライトを駆動した場合の、従来のバックライトの動作を示すタイミングチャートである。図5に示すように、従来は、1フレーム期間で必要な発光期間(必要発光期間)が、該フレーム期間を分割して得られる4つのサブフレーム期間(それぞれの長さが1/240secの4つのサブフレーム期間)に均等に分配され、各LEDが制御されていた。
しかしながら、図5の方法であっても、画面上の輝度が高い期間に、一部のLEDのみが発光する期間が割り当てられた場合に、ユーザに色割れが知覚されやすくなってしまう。
そこで、本実施例では、一部のLEDのみが発光する期間が、液晶パネルの透過率が低いサブフレーム期間に割り当てられるように、1フレーム期間で必要な発光期間を、該フレーム期間を分割して得られる複数のサブフレーム期間に分配する。それにより、色割れを知覚されにくくする。
【0037】
実施例2では、バックライト制御部108と発光タイミング設定部110の動作が実施例1と異なる。
図6は、実施例2に係るバックライト制御部108と発光タイミング設定部110の動
作の一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、垂直同期信号の入力に応じて開始される。
まず、バックライト制御部108は、目標値(または、センサ制御部107から取得した検出値とメモリ109から取得した目標値)から、次フレームにおける各LEDの必要発光期間の長さを算出する(ステップS601)。
次に、バックライト制御部108は、各LEDの必要発光期間の長さを、次フレームの期間に含まれるサブフレーム期間毎に等分割する(ステップS602)。本実施例では、次フレームの期間(長さが1/60secの期間)を分割して得られる4つのサブフレーム期間(それぞれの長さが1/240secの期間)に、各LEDの必要発光期間が等分配される。即ち、LED毎に、そのLEDの必要発光期間が、4分の1ずつ各サブフレーム期間に割り当てられる。
【0038】
そして、発光タイミング設定部110は、画像処理部103から入力された階調変位方向を確認する(ステップS603)。
次に、階調変位方向がプラス方向である場合には(ステップS604:Yes)、処理がステップS605へ進められ、マイナス方向である場合には(ステップS604:No)、処理がステップS606へ進められる。
【0039】
ステップS605では、発光タイミング設定部110は、次フレーム期間内のサブフレーム期間のうち、時間的に最も遅いサブフレーム期間から順に、そのサブフレーム期間における各LEDの発光期間の長さを調整する。具体的には、最も発光期間の長さが短いLEDと一致するように、他のLEDの発光期間を短くする。このとき、短くした分の発光期間は、時間的に最も早いサブフレーム期間における発光期間に加算される。そして、発光タイミング設定部110は、次フレーム期間内のサブフレーム期間毎に、各LEDの発光開始タイミングを設定する。
なお、上記加算の結果、発光期間の長さが1サブフレーム期間の長さを超えてしまう場合には、短くした分の発光期間の加算先が、時間的に次のサブフレーム期間における発光期間とされる。このとき、短くした分の発光期間の全部が、上記時間的に次のサブフレーム期間における発光期間に加算されてもよいし、そうでなくてもよい。例えば、発光期間の長さが1サブフレーム期間の長さとなるように、一のサブフレーム期間における発光期間に、短くした分の発光期間の一部が加算されてもよい。そして、短くした分の発光期間の残りが、上記一のサブフレーム期間の次のサブフレーム期間における発光期間に加算されてもよい。
【0040】
ステップS606では、発光タイミング設定部110は、次フレーム期間内のサブフレーム期間のうち、時間的に最も早いサブフレーム期間から順に、そのサブフレーム期間における各LEDの発光期間を調整する。具体的には、最も発光期間の長さが短いLEDと一致するように、他のLEDの発光期間の長さを短くする。このとき、短くした分の発光期間は、時間的に最も遅いサブフレーム期間における発光期間に加算される。そして、発光タイミング設定部110は、次フレーム期間内のサブフレーム期間毎に、各LEDの発光開始タイミングを設定する。
なお、上記加算の結果、発光期間の長さが1サブフレーム期間の長さを超えてしまう場合には、短くした分の発光期間の加算先が、時間的に1つ前のサブフレーム期間における発光期間とされる。このとき、短くした分の発光期間の全部が、上記時間的に1つ前のサブフレーム期間における発光期間に加算されてもよいし、そうでなくてもよい。例えば、発光期間の長さが1サブフレーム期間の長さとなるように、一のサブフレーム期間における発光期間に、短くした分の発光期間の一部が加算されてもよい。そして、短くした分の発光期間の残りが、上記一のサブフレーム期間の1つ前のサブフレーム期間における発光期間に加算されてもよい。
【0041】
ステップS605またはステップS606の次に、バックライト制御部108は、次フレームの期間において、設定された発光開始タイミングから、調整後の時間(調整後の発光期間の長さ)だけ発光するように、各LEDを駆動する。
即ち、本実施例では、以下のように、次フレームの期間内における各LEDの発光期間が設定される。階調変位方向がプラス方向である場合に、1フレーム期間内の複数のサブフレーム期間のうち、より先のサブフレーム期間内に一部のLEDのみが発光する期間が割り当てられるように、次フレームの期間内における各LEDの発光期間が設定される。また、階調変位方向がマイナス方向である場合に、1フレーム期間内の複数のサブフレーム期間のうち、より後のサブフレーム期間内に一部のLEDのみが発光する期間が割り当てられるように、次フレームの期間内における各LEDの発光期間が設定される。
【0042】
図7(a)〜(e)は、本実施例に係る液晶パネルの階調(透過率)変化と、各LEDの発光期間の一例を示すタイミングチャートである。
図7(a)は液晶パネルの応答波形(液晶パネルの透過率の変化)を示す。図7(b)は垂直同期信号を示す。図7(c)〜(e)は、それぞれ、RLED、GLED、BLEDの発光状態を示す。図中、期間1〜4は、1フレーム期間を分割して得られる4つのサブフレーム期間である。期間5〜8も、1フレーム期間を分割して得られる4つのサブフレーム期間である。
図7(a)〜(e)には、説明を簡単にするため、時刻t0で表示画像を全画面黒画像(以下、全黒)から全画面白画像(以下、全白)へ、時刻t3で表示画像を全白から全黒へ切り替える場合の例を示した。
【0043】
時刻t0において表示画像を全黒から全白へ切り替える際に、画像処理部103は、画像データの階調変位方向がプラス方向であると判定する。そのため、発光タイミング設定部110は、期間4,3,2の順に、その期間のRLEDとGLEDの発光期間の長さを、最も発光期間の長さが短いBLEDと一致するように短くし、短くした分を期間1の発光期間へ加算する処理を行う。ただし、加算の結果、期間1の発光期間の長さが期間1の長さを超える場合には、期間2の発光期間を加算先として処理が行われる。
各サブフレーム期間の発光期間の長さが決定した後、画像処理部103は、サブフレーム期間毎に、各LEDの発光開始タイミングを設定する。具体的には、各LEDの発光期間の終了時刻が同じ時刻となるように、一部のLEDのみが発光する期間を割り当てるサブフレーム期間内における各LEDの発光開始タイミングが設定される。他のサブフレーム期間内における各LEDの発光開始タイミングは、各LEDの発光期間が互いに同じ期間となるように設定される。図7の例では、期間1の発光期間の終了時刻が、期間1の終了時刻と一致するように、期間1における各LEDの発光開始タイミングが設定されている(図7の符号703)。期間2,3,4における各LEDの発光開始タイミングも、同様に、各LEDの発光期間の終了時刻が、対応するサブフレーム期間の終了時刻と一致するように設定されている。
【0044】
時刻t3において表示画像を全白から全黒へ切り替える際に、画像処理部103は、画像データの階調変位方向がマイナス方向であると判定する。そのため、発光タイミング設定部110は、期間5,6,7の順に、その期間のRLEDとGLEDの発光期間の長さを、最も発光期間の長さが短いBLEDと一致するように短くし、短くした分を期間8の発光期間へ加算する処理を行う。ただし、加算の結果、期間8の発光期間の長さが期間8の長さを超える場合には、期間7の発光期間を加算先として処理が行われる。
各サブフレーム期間の発光期間の長さが決定した後、画像処理部103は、サブフレーム期間毎に、各LEDの発光開始タイミングを設定する。具体的には、各LEDの発光期間の開始時刻が同じ時刻となるように、一部のLEDのみが発光する期間を割り当てるサブフレーム期間内における各LEDの発光開始タイミングが設定される。他のサブフレーム期間内における各LEDの発光開始タイミングは、各LEDの発光期間が互いに同じ期
間となるように設定される。図7の例では、期間8の発光期間の開始時刻が、期間8の開始時刻と一致するように、期間8における各LEDの発光開始タイミングが設定されている(図7の符号704)。期間5,6,7における各LEDの発光開始タイミングは、各LEDの発光期間の終了時刻が、対応するサブフレーム期間の終了時刻と一致するように設定されている。
【0045】
上述した制御を行うことにより、一部のLEDのみが発光する期間が、液晶パネルの透過率が低いサブフレーム期間に割り当てられるように、1フレーム期間で必要な発光期間を、該フレーム期間を分割して得られる複数のサブフレーム期間に分配することができる。
【0046】
以上述べたように、本実施例によれば、一部のLEDのみが発光する期間が、液晶パネルの透過率が低いサブフレーム期間に割り当てられるように、1フレーム期間で必要な発光期間が、該フレーム期間を分割して得られる複数のサブフレーム期間に分配される。それにより、従来に比べてユーザに色割れが知覚されることをより効果的に抑制することができるとともに、フリッカが視認されることを抑制することができる。
【0047】
なお、本実施例では、画像データの階調変位方向がプラス方向である場合に、各LEDの発光期間の終了時刻が同じ時刻となるように、一部のLEDのみが発光する期間を割り当てるサブフレーム期間内における各LEDの発光期間が設定されるものした。しかし、各LEDの発光期間はこれに限らない。一部のLEDのみが発光する期間を割り当てるサブフレーム期間は、他のサブフレーム期間より画面上の輝度が低い期間である。そのため、各LEDの発光期間の終了時刻が異なっていても、従来に比べてユーザに色割れが知覚されることをより効果的に抑制することができる。但し、各LEDの発光期間の終了時刻が同じ時刻となるように各LEDの発光期間を設定すれば、液晶パネルの透過率がより低い期間に、一部のLEDのみが発光する期間を割り当てることができる。画像データの階調変位方向がマイナス方向である場合についても同様である。
なお、一部のLEDのみが発光する期間を割り当てるサブフレーム期間以外のサブフレーム期間内における各LEDの発光期間は互いに等しければよく、その開始時刻や終了時刻はどのような時刻であってもよい。例えば、各LEDの発光期間の開始時刻及び終了時刻は、対応するサブフレーム期間の開始時刻や終了時刻と一致していなくてもよい。
【符号の説明】
【0048】
100 表示装置
104 階調変位解析部
105 液晶パネル
108 バックライト制御部
110 発光タイミング設定部
111 バックライト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光色が互いに異なる複数の光源を有するバックライトと、
入力された画像データの階調値が高いほど前記バックライトからの光の透過率が高くなるように、前記入力された画像データの階調値に応じて前記透過率が制御される複数の液晶素子を有する液晶パネルと、
次に表示するフレームの画像データの階調値が現在表示されているフレームの画像データの階調値よりも高いか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に基づいて、前記複数の光源の発光期間を制御する制御手段と、
を有し、
1フレーム期間内の前記複数の光源の発光期間の長さは互いに異なっており、
前記制御手段は、
前記判定手段で次に表示するフレームの画像データの階調値が現在表示されているフレームの画像データの階調値よりも高いと判定された場合に、一部の光源のみが発光する期間が全ての光源が発光する期間よりも先になるように、前記次に表示されるフレームの期間内における各光源の発光期間を設定し、
前記判定手段で次に表示するフレームの画像データの階調値が現在表示されているフレームの画像データの階調値よりも低いと判定された場合に、一部の光源のみが発光する期間が全ての光源が発光する期間よりも後になるように、前記次に表示されるフレームの期間内における各光源の発光期間を設定する
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記判定手段で次に表示するフレームの画像データの階調値が現在表示されているフレームの画像データの階調値よりも高いと判定された場合に、各光源の発光期間の終了時刻が同じ時刻となるように、前記次に表示されるフレームの期間内における各光源の発光期間を設定し、
前記判定手段で次に表示するフレームの画像データの階調値が現在表示されているフレームの画像データの階調値よりも低いと判定された場合に、各光源の発光期間の開始時刻が同じ時刻となるように、前記次に表示されるフレームの期間内における各光源の発光期間を設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
1フレーム期間を分割することにより得られるサブフレーム期間毎に前記複数の光源の発光期間を制御するものであり、
前記判定手段で次に表示するフレームの画像データの階調値が現在表示されているフレームの画像データの階調値よりも高いと判定された場合に、1フレーム期間内の複数のサブフレーム期間のうち、より先のサブフレーム期間内に一部の光源のみが発光する期間が割り当てられるように、前記次に表示されるフレームの期間内における各光源の発光期間を設定し、
前記判定手段で次に表示するフレームの画像データの階調値が現在表示されているフレームの画像データの階調値よりも低いと判定された場合に、1フレーム期間内の複数のサブフレーム期間のうち、より後のサブフレーム期間内に一部の光源のみが発光する期間が割り当てられるように、前記次に表示されるフレームの期間内における各光源の発光期間を設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記判定手段で次に表示するフレームの画像データの階調値が現在表示されているフレームの画像データの階調値よりも高いと判定された場合に、各光源の発光期間の終了時刻が同じ時刻となるように、前記一部の光源のみが発光する期間を割り当てるサブフレーム期間内における各光源の発光期間を設定し、
前記判定手段で次に表示するフレームの画像データの階調値が現在表示されているフレームの画像データの階調値よりも低いと判定された場合に、各光源の発光期間の開始時刻が同じ時刻となるように、前記一部の光源のみが発光する期間を割り当てるサブフレーム期間内における各光源の発光期間を設定する
ことを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記バックライトは、画面の領域を分割することにより得られる分割領域毎に、前記複数の光源を有し、
前記判定手段は、前記分割領域毎に、次に表示するフレームの画像データの階調値が現在表示されているフレームの画像データの階調値よりも高いか否かを判定し、
前記制御手段は、前記分割領域毎に、その分割領域の前記判定手段の判定結果に基づいて、前記複数の光源の発光期間を設定する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
発光色が互いに異なる複数の光源を有するバックライトと、
入力された画像データの階調値が高いほど前記バックライトからの光の透過率が高くなるように、前記入力された画像データの階調値に応じて前記透過率が制御される複数の液晶素子を有する液晶パネルと、
を有する液晶表示装置の制御方法であって、
次に表示するフレームの画像データの階調値が現在表示されているフレームの画像データの階調値よりも高いか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップの判定結果に基づいて、前記複数の光源の発光期間を制御する制御ステップと、
を有し、
1フレーム期間内の前記複数の光源の発光期間の長さは互いに異なっており、
前記制御ステップでは、
前記判定ステップで次に表示するフレームの画像データの階調値が現在表示されているフレームの画像データの階調値よりも高いと判定された場合に、一部の光源のみが発光する期間が全ての光源が発光する期間よりも先になるように、前記次に表示されるフレームの期間内における各光源の発光期間を設定し、
前記判定ステップで次に表示するフレームの画像データの階調値が現在表示されているフレームの画像データの階調値よりも低いと判定された場合に、一部の光源のみが発光する期間が全ての光源が発光する期間よりも後になるように、前記次に表示されるフレームの期間内における各光源の発光期間を設定する
ことを特徴とする液晶表示装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−88649(P2013−88649A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229644(P2011−229644)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】