説明

液晶表示装置

【課題】 液晶表示装置のバックライト用照明装置の蛍光管から引き出したリード線の被覆を、照明装置の上下ケースの縁や、液晶表示装置の前面枠、シールドカバー等の金属エッジによる損傷から防止すること。
【解決手段】 金属製の前面枠21及び背面のシールドカバー22と、液晶パネル30と、前記液晶パネルの背面に配置された蛍光管CFL等の光源45を有する照明装置40とから構成されている液晶表示装置において、前記照明装置40を合成樹脂製の上下のケース41,42により挟持し、前記光源45のリード線47を引き出すための前記金属製の前面枠21及び背面のシールドカバー22に設けたリード線取り出し口の周囲を、前記合成樹脂製の上下のケース41,42の少なくとも一方に設けたリード線保護手段414で被覆する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用途の各種表示装置に用いられる液晶表示装置に関するものであり、特に蛍光管(CFL)をバックライト光源とする小型の液晶表示装置において、CFLから引き出されるリード線の損傷、断線等をなくしたCFLリード線の保護構造にかかるものである。
【背景技術】
【0002】
車載用の各種メーター、ナビゲーション装置等の表示装置は、省電力で小型軽量、薄型であることが要請され、その表示装置には液晶表示装置が用いられることが多くなっている。
【0003】
このような用途の液晶表示装置には、液晶パネルの背面に配置したバックライトからの光を液晶パネルの背面に照射して液晶パネルに形成された映像を見る透過型液晶表示装置が用いられており、このバックライトとしては熱陰極蛍光管(HCFL)、冷陰極蛍光管(CCFL)等の蛍光管(CFL)が用いられている。そして、このバックライトの配置方式としては、直下ライト方式及びサイドライト方式のものがある。直下ライト方式は、大型の液晶モジュールや中型のテレビジョン等、高輝度が必要とされる液晶表示装置によく使用されている。一方、薄型が要求されかつそれほど高輝度が必要とされない小型の計測装置やナビゲーション装置、各種モニタ等の車載用表示装置には一般にサイドライト方式のものが用いられている。
【0004】
サイドライト方式のバックライトは、その多くが照明装置の側面に配置された線状光源を面状光源に変更する導光板が使用されている。導光板の背面には反射板が、前面にはプリズムシートと呼ばれる光学シートが配置されている。光源には従来から線状の冷陰極蛍光管(CCFL)がよく用いられており、導光板の縁に光源が配置されるので、エッジライト型バックライトともいわれている。
【0005】
従来のこの種のサイドライト方式のバックライトを使用した液晶表示装置を図5を用いて説明する。なお、図5は、下記特許文献1に開示されている液晶表示装置の液晶パネルの取付け前の状態を示す分解斜視図である。
【0006】
すなわち、図5に示した液晶表示装置100は、主要な構成部材として、液晶パネル111と液晶パネル111を背面から照明する照明装置112と、これを支持する金属製の支持枠113とを備えている。一般的な液晶表示装置は、前面の支持枠113aとこの支持枠に類似した背面の支持枠113bとの間に液晶パネル111を挟持して、支持している。液晶パネル111は、一対のガラス板の間に液晶が封入されて構成され、表示領域が前面の支持枠113aに形成された窓から前方に臨むようになっている。照明装置112は、液晶表示装置の筐体となる支持枠113bに形成した凹部に落とし込んだ導光板121と、導光板121の入光面である側端面に近接又は密接して対向するように取り付けた1本又は複数本のバックライト光源122を有する。
【0007】
図5の液晶表示装置は、この金属製の支持枠113bの四隅部に、図6に示す電気的絶縁性を有する保持部材131a〜131dが設けられ、保持部材131a〜131dを支持枠113bに係合する係合手段と、液晶パネル111を保持部材131a〜131dに位置決めする液晶パネル位置決め手段133と、導光板121を保持部材131a〜131dに位置決めする導光板位置決め手段134と、前記光源122を保持部材131a〜131dに位置決めする光源位置決め手段135と、光源122の入出力リード線122aを支持枠113内で固定するリード線固定手段136を備えており、更に光源122の入出力リード線122aを束ねて外部に引き出すリード線引き出し案内手段137が設けられている。
【0008】
リード線引き出し案内手段137は、図7に示すように、保持部材131cに形成された複数のリブ165と、入出力リード線122aを束状態のまま前後に押さえつけて固定するブッシング166とからなる。ブッシング166は、メス部167とオス部168とがヒンジ部169を介して開閉自在になっており、閉じた状態で入出力リード線122aを保持するようになっている。このブッシング166は、リード線122aを損傷しないようにナイロン等の電気絶縁性合成樹脂が使用されている。メス部167の外周面には、支持枠113の側壁171に係合する係合溝172が形成されている。なお、144は、支持枠113の枠体である。
【0009】
しかしながら、従来のこの種の液晶表示装置においては、バックライト光源122は照明装置の背面の支持枠113bに固定されており、そのCFL光源のリード線122aは、金属製の前面の支持枠113aと背面の支持枠113bの切欠き部から導出されるので、車への取付け時や稼動時にそれら支持枠113a、113bの切欠き部の鋭い縁に接触し、リード線の被覆が損傷され不具合となったり、振動により断線したりする虞がある。特に車への取付けなどでは、限られたスペースの中でリード線を液晶表示装置の背面側や側面側へ引き回すので切欠きと接触し易く、また限られたスペースの中にリード線が這わせてあるため切欠きと接触した状態が継続されたままでその個所に振動による力が加わるため非常に断線する恐れが高い。ブッシング166は、それを防ぐためのものであり、電気絶縁性合成樹脂製の物が使用されているが、このブッシング166を金属製の支持枠に固定しなければならないので組み立てが面倒であり、またブッシング16によりリード線を引き回す自由度が阻害されこれもまた組み立てが面倒となる。
【0010】
また、上記従来例においては、金属製の支持枠113bの四隅部に電気的絶縁性を有する保持部材131a〜131dが設けられているが、保持部材131a〜131dはそれぞれ分離しており、これを位置決めして係合手段により固定し、液晶パネル111、導光板121等を組み立てる組立て工程は複雑であった。
【特許文献1】特許第2724642号公報(段落[0021]〜[0036]、図1、図4、図10)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本願の発明者は、前記の問題点を解決すべく種々検討を行った結果、液晶表示装置の液晶パネルの背面にあって、液晶パネルに平行に配置された光学シートと拡散板、その拡散板の周囲端面に配置されたCFL等のバックライト光源及び反射板を有する照明装置に着目し、この照明装置を挟持する合成樹脂製の上下のケースを設け、光源のリード線を引き出す上下のケース並びに金属製の前面枠と背面のシールドカバーのリード線取り出し口の周囲を、上下のケースに設けたリード線保護手段で被覆することによって解決することができることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0012】
すなわち、本発明は、液晶表示装置における照明用光源のリード線の保護手段に関するものであり、特に液晶表示装置の照明装置の光源から引き出したリード線の被覆を、その照明装置の上下ケースの縁や、液晶表示装置の前面枠、シールドカバー等の金属エッジによる損傷から防止することを目的とするものである。
【0013】
また、本発明は、照明装置を合成樹脂製の上ケースと下ケースで組み立てられるよう構成し、光源のリード線の損傷を防止するとともに、小型の液晶表示装置の部材組み立てを容易にする構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するために、本願の請求項1に係る液晶表示装置の発明は、液晶パネルと、前記液晶パネルの背面に配置された光源を有する照明装置と、前記液晶パネルと前記照明装置を収納する金属製の前面枠及び金属製の背面シールドカバーとから構成されている液晶表示装置において、前記照明装置は樹脂製の上下のケースにより挟持されており、前記金属製の前面枠及び背面シールドカバーに設けたリード線取り出し口の周囲を、前記上下ケースの少なくとも一方に設けたリード線保護手段で被覆したことを特徴とする。
【0015】
また本願の請求項2に係る発明は、請求項1に記載の液晶表示装置において、前記リード線保護手段は、前記ケースに形成されたリード線取り出し口に設けた峰部であり、前記金属製の前面枠および背面のシールドカバーに設けたリード線取り出し口の位置まで達するように形成されたことを特徴とする。
【0016】
また本願の請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の液晶表示装置において、前記下ケースの前記照明装置が配置された側の裏面の一端部には前記リード線の位置決め手段が設けられており、前記リード線を、前記下ケースの裏側に導き、前記位置決め手段を介して前記金属製の前面枠及び背面シールドカバーに設けた前記リード線取り出し口から取り出すようにしたことを特徴とする。
【0017】
また本願の請求項4に係る発明は、請求項1又は2に記載の液晶表示装置において、前記リード線保護手段は上ケースに形成されており、前記上ケースは導電性を有する合成樹脂であることを特徴とする。
【0018】
また本願の請求項5に係る発明は、請求項1又は2に記載の液晶表示装置において、前記リード線保護手段が弾性を有する合成樹脂であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に係る発明によれば、液晶表示装置から引き出した照明装置の光源のリード線の被覆を、その照明装置の上下ケースの縁や、液晶表示装置の前面枠、シールドカバー等の金属エッジによる損傷から防止することができるようになる。また、前記照明装置を合成樹脂製の上ケースと下ケースで挟持することにより組み立てられるようにしたので、光源のリード線の損傷を防止するとともに、液晶表示装置の部材組み立てを容易に行うことができるようになる。さらに、金属製前面枠や背面のシールドカバーに、電気絶縁性を有する保持部材を設ける必要がなく、この保持部材取付けに必要な特別な加工が不要となるので、製造が容易な液晶表示装置を提供することができるようになる。
【0020】
また、請求項2に係る発明によれば、リード線保護手段によりケースの面と金属製の前面枠やシールドカバーの面が面一になるようにしたので、液晶表示装置から引き出した光源のリード線の被覆を、その照明装置の上下ケースの縁や液晶表示装置の前面枠、シールドカバー等の金属エッジによる損傷から防止することができるようになる。
【0021】
また、請求項3に係る発明によれば、前記の効果に加えて、光源のリード線が下ケースの裏側に導かれて位置決め手段を介して引き出されるようにしたことにより、CFL等の光源の保持と上下ケースの嵌め合わせ及びリード線の引き出しが容易となる。さらにまた、リード線の引き出しが照明装置から直接になされるのではなく、下ケースの裏側で行われるので、埃などの進入を防ぎ表示への悪影響を抑えることができる。リード線を照明装置内に配置しないので、額縁を狭くすることも可能になる。
【0022】
また、請求項4に係る発明によれば、前記上ケースが導電性を有する合成樹脂であるため、静電気によるノイズの発生や部品の破壊などが起こり難くなる。
【0023】
さらにまた、請求項5に係る発明によれば、前記リード線保護手段が弾性を有する合成樹脂であるため、液晶表示装置の組立ないし取り付けに際してリード線が曲げられることがあっても、その応力は弾性を有する合成樹脂に吸収されるため、リード線保護効果がより向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明に係る液晶表示装置について、実施例を添付の図面を参照して詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための液晶表示装置の一例を示すものであって、本発明をこの液晶表示装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0025】
図1は、本発明に係る液晶表示装置の構造を液晶表示装置の前面を下に、背面を上にして各構成部材を順次示す分解斜視図である。図2は、図1の各構成部材を組み立てて構成した液晶表示装置の外観斜視図である。図3は、図2の液晶表示装置の光源のリード線引き出し口付近の拡大斜視図である。また、図4は図3のA−A’線に沿った部分的拡大断面図である。
【0026】
図1において、液晶表示装置10は、液晶パネルの前面に取り付けられる液晶表示装置の最前面の枠体である前面枠21と、液晶パネル30と、液晶パネル背面に配置される照明装置40と、液晶パネル駆動用ICの制御用のICなど複数の電子部品を搭載した回路基板50と、前面枠21に嵌合するシールドカバー22からなる。
【0027】
液晶パネル30は、その一辺に設けた端子部からフレキシブルプリント配線基板31を経て液晶パネル駆動用の回路基板50と接続されている。
【0028】
この実施例における照明装置40は、
(1)合成樹脂モールドにより形成されたおおよそ箱状をなす下ケース42と、
(2)その下ケース42の内面に設けられ、対向する二辺がランプハウス461,462を形成するように底から側壁に沿って立ち上がり断面L字型に折り曲げられている反射板46と、
(3)この反射板46の上にあって下ケース42内の三方の辺に沿って配置されているコの字型に成形された線状の冷陰極蛍光ランプCCFLである光源45と、
(4)その光源45に側端面が近接又は密接して取り囲まれている、アクリル樹脂製の導光板及びその導光板に施された拡散シートとからなる拡散板44と、
(5)拡散板44の前面に配置された2枚のプリズムシート43a、43bからなる光学シート43と、
(6)これら部材を収納した下ケース42に嵌合する上ケース41と、
からなる。
【0029】
そして光源45の両端からはリード線47が引き出され、その一端にはコネクタ48が取り付けられている。上ケース41は、導電性合成樹脂のモールドにより形成されており、その枠状のケース前面の開口部411から出射した光により液晶パネル30の背面が照明されるようになっている。なお上ケース41は具体的には樹脂に導電フィラを混入したものであり、金属製の前面枠21や金属製のシールドカバー22と接触或は接続し、グランドをとることで、光源から発生するノイズによる液晶パネル30への影響を効果的に防ぐことができる。
【0030】
また、下ケース42には、光源45が拡散板44の端面に近接又は密接して配置される側42aの裏側42bの一端部にリード線47の位置決め手段421が設けられている。すなわち、光源45のリード線47は、下ケース42の光源45が拡散板44の端面に近接又は密接して配置される側42aから下ケースの側面に設けた2つの上下に貫通する溝422を通して下ケース42の裏側42bに導かれ、位置決め手段421を介してリード線取り出し口423から引き出されるようになっている。この位置決め手段421は2つの突起が平行に並んだ構成となっており、その間にリード線47が挟持されるようになっている。
【0031】
このような構成により、照明装置40は合成樹脂製の上ケース41と下ケース42で挟持することにより組み立てられるので、光源45のリード線47の損傷を防止するとともに、液晶表示装置の部材組み立てを容易に行うことができる。また、リード線47が下ケース42の裏側に導かれて位置決め手段421を介して引き出されるようになされたことにより、光源の保持と上下ケースの嵌め合わせ及びリード線の引き出しが容易となる。
【0032】
さらに、リード線の引き出しが照明装置40から直接になされるのではなく、下ケース42の裏側でなされるので、照明装置40への埃などの進入を防ぎ表示への悪影響を抑えることができる。つまり光源45の両端近傍にある溝422とリード線取り出し口423との間に距離があるため、リード線取り出し口423から進入した埃は光源45の両端に達し難くなる。また、リード線を照明装置40内に配置しないので、額縁を狭くすることもできるようになる。
【0033】
上ケース41は、下ケース42を包む蓋のように下ケース42の外側に嵌め込まれ、下ケース42の外周側面に設けたフック424と上ケースの枠の周辺に設けた環状の係合手段412がかみ合って両ケースが固定される。フック424と係合手段412は、図ではそれぞれ8個設けてある。上ケース41のリード線取り出し口413と下ケース42のリード線取り出し口423とは互いに重なり、上ケース41のリード線取り出し口413は下ケース42のリード線取り出し口423の前に位置し、リード線取り出し口423の周囲をリード線保護手段414が覆うようになされている。
【0034】
また実施例において、リード線取り出し口423と、下ケースのフック424と、上ケースの係合手段412とが対応する位置に設けられている。このようにすれば、リード線保護手段414と係合手段412とが一体的に形成できるので、強度的にもスペース的にも非常に効果のあるリード線保護手段414を設けることができる。
【0035】
このリード線保護手段414は、上ケース41と同じく導電性合成樹脂により一体にかつ取り出し口が滑らかな形状に形成され、あるいは導電性シリコーンゴムなどのような弾性を有する素材で被覆して形成されている。少なくとも上ケース41が導電性の素材で形成される場合には、静電気の発生を減少させ、ノイズの発生や部品の静電破壊を防止するのに役立つ。また、弾性材料でリード線保護手段を形成した場合には、よりリード線を傷つけることが少なくなるので、リード線の保護がより行われやすくなる。
【0036】
このように、上ケース41と下ケース42を設けることにより、従来例のように金属製の支持枠に電気絶縁性を有するリード線の保持部材を設ける必要がなくなり、リード線の保持部材取付けのような特別な加工を必要としないので製造、組み立てが容易となる。
【0037】
また、回路基板50は、液晶パネル駆動用IC501、外部接続用コネクタ502など各種の電子部品回路が組み込まれており、下ケース42の裏側42bに設けた下ケースの突起425に係合させて配置される。回路基板50にはシールドカバー22とグランドをとるためのグランドパットがその表面に形成されており、シールドカバー22の裏面に設けた接続片と接触する。また液晶パネル30のその一辺に設けた端子部に取り付けたフレキシブルプリント配線基板31がコネクタ503に接続されている。
【0038】
シールドカバー22は、金属製であり、回路基板50を覆って下ケース42の突起にねじ223で固定される。同じく金属製の前面枠21は、液晶表示装置の背面のシールドカバー22に前面から被せられ、前面枠21とシールドカバー22は、前面枠に設けた孔211とシールドカバーに設けた爪221がかみ合う係合手段によって組み合わされ、上述の部材を前後から挟持するようになっている。
【0039】
このように本発明の液晶表示装置は、上ケース41と下ケース42、前面枠21とシールドカバー22との係合により組み立てできるので、組み立てが非常に容易である。
【0040】
次に、図3の拡大斜視図と図4A−A´部分の部分的断面図により、本発明に係る液晶表示装置の光源45のリード線取り出し口付近の構成を詳細に説明する。図3は、図2の液晶表示装置の光源45のリード線取り出し口付近を斜め下方から見た図である。
【0041】
液晶表示装置10は、シールドカバー22に前面枠21が嵌め込まれ、係合手段により係合し、リード線取り出し口からリード線47が引き出されている。前面枠21及びシールドカバー22の金属エッジは、取り出し口から後退した位置にあって、光源45のリード線47に触れないようになされている。リード線取り出し口からは、三方を囲む上ケースの取り出し口413と下ケースの取り出し口423が重なって覗かれるが、上ケースに形成されたリード線保護手段414が表側と取り出し口の内側面を滑らかな表面で覆っている。リード線保護手段414は前面枠21及びシールドカバー22の金属エッジの際まで延び、その前面が前面枠21の表面とほぼ面一になるようにして段差を無くしてある。また、上ケースの取り出し口413の部分では緩やかな峰のような形状をなしている。なお、フレキシブル接続線503が、回路基板50の外部接続用コネクタ502に接続されており、シールドカバー22の開口222から引き出されている。
【0042】
ここで、リード線取り出し口の具体的構成を図4に示す部分的断面図により説明する。図3の記載から明らかなように、前面枠21とシールドカバー22の金属エッジは取り出し口から後退した位置にある。そして、取り出し口の部分では、シールドカバー22の底面の金属エッジは、端面224が折り曲げてあり、鋭い切断面が露呈しないようになされている。このような構成は前面枠21とシールドカバー22とが重なる部分、つまり前面枠21とシールドカバー22の側面部分に設けることはスペース的な理由などで無理であるが、シールドカバー22の底面でであれば可能であり、この構成により光源45のリード線47がシールドカバー22の背面側に動かされた場合にもその損傷を避けることができる。とくにリード線47は背面側へ引き回されて接続されることが多いので、上記のように端面224を折り曲げておくことはリード線47を保護する上で効果的である。そして上ケースの取り出し口413と下ケースの取り出し口423は重なっており、上ケースの保護手段414が表面に出るようになっていて、前面枠21とシールドカバー22の側面部分でのリード線47の損傷や断線が避けられるようになっている。
【0043】
なお、上記実施例においては、リード線保護手段414を上ケースに設けた例を示したが、リード線保護手段414を下ケースに設けてもよい。
【0044】
以上の説明における光源45は、冷陰極蛍光管CCFLだけでなく熱陰極蛍光管HCFLであってもよい。
【0045】
なお、本発明に用いる液晶パネルは、単純マトリクス方式のものでも、アクティブマトリクス方式のものでも、さらに他の方式のものでも問わない。
【0046】
また、液晶パネルの大きさも、小型のものに適するが必ずしも限定されることなく、本発明は小型の車載用情報端末機や各種メーターなどだけでなく比較的大型の液晶表示装置にも適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る液晶表示装置の構造を例示する分解斜視図である。
【図2】図1の各構成部材を組み立てて構成した液晶表示装置の外観斜視図である。
【図3】図2の液晶表示装置の光源のリード線の引き出し口付近の拡大斜視図である。
【図4】図3のA−A’線に沿った部分的拡大断面図である。
【図5】従来の液晶表示装置の液晶パネルの分解斜視図である。
【図6】従来の液晶表示装置における保持部材の斜視図である。
【図7】従来の液晶表示装置における光源のリード線引き出し案内手段の斜視図である。
【符号の説明】
【0048】
10 液晶表示装置
21 前面枠
22 シールドカバー
31 フレキシブルプリント基板
40 照明装置
41 上ケース
42 下ケース
45 光源(CFL)
47 リード線
414 リード線保護手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶パネルと、前記液晶パネルの背面に配置された光源を有する照明装置と、前記液晶パネルと前記照明装置を収納する金属製の前面枠及び金属製の背面シールドカバーとから構成されている液晶表示装置において、
前記照明装置は樹脂製の上下のケースにより挟持されており、前記金属製の前面枠及び背面シールドカバーに設けたリード線取り出し口の周囲を、前記上下ケースの少なくとも一方に設けたリード線保護手段で被覆したことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記リード線保護手段は、前記ケースに形成されたリード線取り出し口に設けた峰部であり、前記金属製の前面枠および背面のシールドカバーに設けたリード線取り出し口の位置まで達するように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記下ケースの前記照明装置が配置された側の裏面の一端部には前記リード線の位置決め手段が設けられており、前記リード線を、前記下ケースの裏側に導き、前記位置決め手段を介して前記金属製の前面枠及び背面シールドカバーに設けた前記リード線取り出し口から取り出すようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記リード線保護手段は上ケースに形成されており、前記上ケースは導電性を有する合成樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記リード線保護手段が弾性を有する合成樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−3500(P2006−3500A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−177977(P2004−177977)
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】