説明

液晶表示装置

【課題】外形寸法が小さく、防塵構造を採用した液晶表示装置を提供する。
【解決手段】開口部3の周辺に縁部4〜7が形成され、側部9〜12を有する額縁状の枠体2と、前記枠体2に内接して固定された液晶表示体13と、前記側部9〜12と前記縁部4〜7との間に設けられ、前記液晶表示体13に接続された第1回路基板24と、前記枠体2の後部8に対し、略垂直に設けられた支持板27と、前記支持板27に固定され、前記第1回路基板24に接続された第2回路基板45とを具備した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置は、例えば特許文献1に示されている。この特許文献1の図1によると、表示ユニット2は、表示パネル4と、照明パネル5と、枠体6により構成されている。表示ユニット2の上面に、保護カバーユニット3が設けられている。
【0003】
保護カバーユニット3は、上面枠9と、保護カバー10により構成されている。上面枠9は、中央に開口8を有する金属製のものである。保護カバー10は、開口8を塞ぐ様に上面枠9に対し、接着部材により固定されている。この保護カバーユニット3により、表示ユニット2に塵が入らない様に構成されている。
【特許文献1】特開2003−5658号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この特許文献1の図3によると、この表示パネル4を駆動する回路基板は、裏カバー7の立上り部と、被覆材13の立上り部とに挟まれた空間に配置せざるを得ない。しかし、通常、上記回路基板の幅は大きい(例えば、5〜10cm)。そのため、表示装置1の外形寸法(縦、横)が大きくなる、欠点がある。そこで、本発明は、この様な従来の欠点を考慮し、外形寸法が小さく、防塵構造を採用した液晶表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1の本発明では、開口部の周辺に縁部が形成され、側部を有する額縁状の枠体と、前記枠体に内接して固定された液晶表示体と、前記側部と前記縁部との間に設けられ、前記液晶表示体に接続された第1回路基板と、前記枠体の後部に対し、略垂直に設けられた支持板と、前記支持板に固定され、前記第1回路基板に接続された第2回路基板とを具備した。
【0006】
請求項2の本発明では、額縁状に形成され、後面側が前記縁部の先端に当接し、前面側が前記液晶表示体に当接する様に配置された弾性体と、前記開口部を覆う様に、前記枠体の後部に固定されたシートとを具備した。
【0007】
請求項3の本発明では、前記枠体の側部に1対の窪み部を設け、前記支持板の側部に1対の爪を設け、各爪が各窪み部内に挿入される事により、前記枠体に対し、前記支持板は左右方向および上下方向に位置決めされる。
【0008】
請求項4の本発明では、前記枠体の側部および後部に孔部を設け、1側が前記第1回路基板に固定され、中間部が前記孔部に位置し、他側が前記第2回路基板に設けられたコネクタに着脱可能に接続された。
【0009】
請求項5の本発明では、前記支持板に載置面および折曲部を設け、前記載置面は前記枠体の後部に当接され、前記折曲部は前記枠体の側部に当接され、前記載置面はネジにより、前記後部に固定された。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の本発明では、開口部の周辺に縁部が形成され、側部を有する額縁状の枠体と、枠体に内接して固定された液晶表示体と、側部と縁部との間に設けられ、液晶表示体に接続された第1回路基板と、枠体の後部に対し、略垂直に設けられた支持板と、支持板に固定され、第1回路基板に接続された第2回路基板とを具備した。この様に、略垂直に設けられた支持板に第2回路基板を固定し、回路基板を複数に分割する事により、第1回路基板を小さくできる。その結果、第1回路基板を有する液晶表示装置の外形寸法(縦の長さと横の長さ)を小さくできる。
【0011】
請求項2の本発明では、額縁状に形成され、後面側が縁部の先端に当接し、前面側が液晶表示体に当接する様に配置された弾性体と、開口部を覆う様に、枠体の後部に固定されたシートとを具備した。この様に、縁部の先端と液晶表示体との間に弾性体を設け、シールする事により、外部から液晶表示体へ、塵が入る事を防止できる。
【0012】
請求項3の本発明では、枠体の側部に1対の窪み部を設け、支持板の側部に1対の爪を設け、各爪が各窪み部内に挿入される事により、枠体に対し、支持板は左右方向および上下方向に位置決めされる。上記構成により、枠体に対し、支持板は左右方向および上下方向に位置決めされるので、支持板は正規な位置に容易に配置される事ができる。
【0013】
請求項4の本発明では、枠体の側部および後部に孔部を設け、1側が第1回路基板に固定され、中間部が孔部に位置し、他側が第2回路基板に設けられたコネクタに着脱可能に接続された。上記構成により、第1回路基板と第2回路基板を容易に接続させる事ができる。
【0014】
請求項5の本発明では、支持板に載置面および折曲部を設け、載置面は枠体の後部に当接され、折曲部は枠体の側部に当接され、載置面はネジにより、後部に固定された。上記構成により、枠体に対し、支持板を強固に固定する事ができ、支持板が不安定になる事(ぐらつく事)を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、図1ないし図6に従い、本発明を実施するための最良の形態に係る液晶表示装置1を説明する。図1は液晶表示装置1の斜視図、図2はカバーを外した状態における液晶表示装置1の斜視図である。図3は液晶表示装置1の分解斜視図、図4は図1のA1A2断面図、図5は図1のB1B2断面図、図6は図2のC部詳細図である。
【0016】
枠体2は例えばプラスチックからなり、白色塗装が施こされたものである。枠体2は開口部3の周辺に、縁部4,5,6,7が形成されている。
【0017】
枠体2は、後面側Z1に後部8が形成されている。枠体2は、前面側Z2に延在する4つの側部9,10,11,12が形成されている。この様に、枠体2は側部9,10,11,12を有し、額縁状に形成されたものである。
【0018】
液晶表示体13は例えば、導光板14と、シャッタ15と、液晶パネル16と、ランプ17,18と、樹脂枠19と、前面枠20等から構成されている(図4と図5を参照)。導光板14は例えばアクリル樹脂等からなり、直方体状に形成されている。
【0019】
ランプ17は例えば細長い冷陰極蛍光管などからなり、導光板14の下側(Y2方向)に配置されている。ランプ18は例えば細長い冷陰極蛍光管などからなり、導光板14の上側(Y1方向)に配置されている。
【0020】
シャッタ15は例えば液晶シャッタ等からなり、導光板14よりも前面側(Z2方向)に配置されている。このシャッタ15に電圧が印加されない場合は、シャッタ15は閉じており、色相は白色系である。
【0021】
シャッタ15は拡散効果があり、シャッタ15が閉じている場合は、ランプ17,18から発射された光は、導光板14に入射し、前面側(Z2方向)に進む。その結果、上記光は導光板14を通り、シャッタ15を通り、液晶パネル16を照光する。この時、液晶パネル16は所定の表示を行なう。また、シャッタ15が開いた時、シャッタ15は透明となる。
【0022】
この様に、液晶パネル16は、シャッタ15よりも前面側(Z2方向)に配置されている。液晶パネル16は例えば、素子基板と対向基板との間に液晶を挟持してなる。素子基板において、縦方向(Y1−Y2方向)に延在する複数のデータ線と、横方向(X1−X2方向)に延在する複数の走査線が形成されている。各データ線と各走査線との交差に対応して、スイッチング素子として機能する各TFTが設けられている。
【0023】
TFTのゲート電極は走査線に、そのソース電極はデータ線に、そのドレイン電極は画素電極に接続されている。
【0024】
対向基板には、R,G,Bのカラーフィルタが設けられ、そのカラーフィルタに接続して、共通電極が設けられている。共通電極には、所定の電圧が印加されている。以上の部品により、液晶パネル16は構成されている。
【0025】
樹脂枠19は例えばプラスチックからなる。樹脂枠19は後面側(Z1方向)から見れば、額縁状に形成されている。樹脂枠19の上側(Y1方向)には、凹部が形成され、ランプ18は上記凹部に収納されている。樹脂枠19の下側(Y2方向)には、凹部が形成され、ランプ17は上記凹部に収納されている。
【0026】
樹脂枠19の上記凹部に隣接して中央側には、段部が形成されている。この段部の上に導光板14とシャッタ15と液晶パネル16とが、順に配置されている。
【0027】
前面枠20は例えば、ステンレス板等からなり、図5の断面図から見れば、略L字状に形成されている。前面枠20は、前面側(Z2方向)に開口21が形成されている。
【0028】
枠体2の側部10,12に形成された突起(図示せず)が前面枠20の側部に形成された孔(図示せず)に挿入される。その結果、前面枠20は少なくとも液晶パネル16を支持しながら、枠体2に固定されている。
【0029】
以下に、上記構成の特徴をまとめる。液晶表示体13は、後面側(Z1方向)から順に配置された導光板14と、シャッタ15と、液晶パネル16とを有している。液晶表示体13は更に、樹脂枠19と前面枠20とを有している。
【0030】
樹脂枠19は、ランプ17,18と、導光板14と、シャッタ15と、液晶パネル16を支持している。前面枠20は少なくとも液晶パネル16を支持し、枠体2に固定されている。この様にして、液晶表示体13は、枠体2に内接して固定されている。
【0031】
弾性体22は例えばゴム等からなり、前面側(Z2方向)から見れば、額縁状に形成されている。弾性体22の後面側(Z1方向)は、枠体2に形成された各縁部5,6,7,8の先端に当接する様に、配置されている。弾性体22の前面側(Z2方向)は、液晶表示体13(具体的には、導光板14の表面)に当接する様に、配置されている(図5を参照)。
【0032】
シート23は例えば、透明なプラスチックからなり、枠体2の後部8に形成された段部に、両面接着テープなどの接着部材により固定されている。この様に、枠体2の開口部3を覆う様に、枠体2の後部8に固定されている。
【0033】
第1回路基板24は固定板25上に固定されている。第1回路基板24および固定板25は、枠体2に形成された側部9と縁部4との間に配置されている。
【0034】
第1回路基板24上には例えば、データ駆動素子(IC)が配置されている。データ駆動素子の各出力端子は、フレキシブル基板(図示せず)を介して、液晶パネル16に設けられた複数のデータ線に接続されている。
【0035】
この様に、第1回路基板24は、液晶表示体13に接続されている。また、枠体2の側部9および後部8の1部には、孔部26が形成されている(図3を参照)。
【0036】
支持部27は例えば、鉄板等からなり、立設部28に対し、折り曲げ加工された天面部29,30と、側部31,32と、載置面33,34とを有している。
【0037】
爪35は側部31に対し、折り曲げられた部分であり、爪36は側部32に対し折り曲げられた部分である。この様にして、支持板27の側部31,32には、1対の爪35、36が形成されている。
【0038】
折曲部37は、載置面33に対し折り曲げられた部分であり、折曲部38は、載置面34に対し折り曲げられた部分である。
【0039】
枠体2の側部9の適所には、1対の窪み部39,40が形成されている(図3参照)。支持板27の爪35は枠体2の窪み部39の内に挿入されている。支持板27の爪36は枠体2の窪み部40の内に挿入されている。
【0040】
爪35,36のY1方向の端部は、窪み部39,40の奥の面に当接している。これにより、枠体2に対し、支持板27は上下方向(Y1−Y2方向)に位置決めされる。この時、支持板27の折曲部37,38は各々、枠体2の側部9に当接している。
【0041】
爪35の左側部は、窪み部39の左側面に当接している。爪36の右側部は、窪み部40の右側面に当接している。これにより、枠体2に対し、支持体27は左右方向(X1−X2方向)に位置決めされている。
【0042】
以下に、上記特徴をまとめる。各爪35,36が各窪み部39,40内に挿入される事により、枠体2に対し、支持板27は左右方向および上下方向に位置決めされる。
【0043】
この時、ネジ(図示せず)は支持板27の孔41を介して、枠体2の孔42にネジ止めされている。また、別のネジ(図示せず)は支持板27の孔43を介して、枠体2の孔44にネジ止めされている。
【0044】
上記構成により、支持板27は枠体2に固定されている。この様にして、支持板27は枠体2の後部8に対し、略垂直に設けられている。
【0045】
第2回路基板45は、4本のビスにより、支持板27に形成された立設部28に固定されている。外部接続用コネクタ46と、コネクタ47,48と、タイミングコントローラ(図示せず)等の電気部品は、第2回路基板45上に配置されている。
【0046】
中継基板49は例えばフレキシブル基板からなる。中継基板49の1側は、第1回路基板24に固定され、中間部分は孔部26に位置する。他側は第2回路基板45に設けられたコネクタ47に着脱可能に接続されている(図2参照)。
【0047】
同様に、中継基板50は例えばフレキシブル基板からなる。中継基板50の1側は、第3回路基板51に固定され、中間部分は孔部26に位置する。他側は第2回路基板45に設けられたコネクタ48に着脱可能に接続されている。
【0048】
図2に示す様に、第3回路基板51は固定板(図示せず)上に固定されている。第3回路基板51および上記固定板は、枠体2に形成された側部10と縁部5との間に配置されている。
【0049】
第3回路基板51上には例えば、走査駆動素子(ゲートドライバIC)が配置されている。走査駆動素子の各出力端子は、フレキシブル基板(図示せず)を介して、液晶パネル16に設けられた複数の走査線に接続されている。
【0050】
図1に示す様に、カバー52は平面部53と、それにつながる3個の折曲部からなる。3個の折曲部は各々、支持板27に形成された天面部28,29と側部31,32の各内面に当接している。
【0051】
2個のネジは、天面部28,29の孔を通り、カバー52の後面側(Z1方向)に形成された折曲部の孔にネジ止めされている。また、別の2個のネジは平面部53の孔を通り支持板27の折曲部37,38に形成された孔にネジ止めされている。以上の部品によりこの液晶表示装置1は構成されている。
【0052】
ケーシング54は、液晶表示装置1を収納する様に形成されている。液晶表示装置1はネジ(図示せず)により、このケーシング54にネジ止めされている。
【0053】
これらのケーシング54と、液晶表示装置1と、その他の部品等により、応用製品(例えば、遊戯装置など)55が構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明を実施するための最良の形態に係る液晶表示装置1の斜視図である。
【図2】カバーを外した状態における液晶表示装置1の斜視図である。
【図3】液晶表示装置1の分解斜視図である。
【図4】図1のA1A2断面図である。
【図5】図1のB1B2断面図である。
【図6】図2のC部詳細図である。
【符号の説明】
【0055】
2 枠体
3 開口部
4,5,6,7 縁部
8 後部
9,10,11,12 側部
13 液晶表示体
24 第1回路基板
45 第2回路基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部の周辺に縁部が形成され、側部を有する額縁状の枠体と、前記枠体に内接して固定された液晶表示体と、前記側部と前記縁部との間に設けられ、前記液晶表示体に接続された第1回路基板と、前記枠体の後部に対し、略垂直に設けられた支持板と、前記支持板に固定され、前記第1回路基板に接続された第2回路基板とを具備した事を特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
額縁状に形成され、後面側が前記縁部の先端に当接し、前面側が前記液晶表示体に当接する様に配置された弾性体と、前記開口部を覆う様に、前記枠体の後部に固定されたシートとを具備した事を特徴とする請求項1の液晶表示装置。
【請求項3】
前記枠体の側部に1対の窪み部を設け、前記支持板の側部に1対の爪を設け、各爪が各窪み部内に挿入される事により、前記枠体に対し、前記支持板は左右方向および上下方向に位置決めされる事を特徴とする請求項1の液晶表示装置。
【請求項4】
前記枠体の側部および後部に孔部を設け、1側が前記第1回路基板に固定され、中間部が前記孔部に位置し、他側が前記第2回路基板に設けられたコネクタに着脱可能に接続された事を特徴とする特徴とする請求項1の液晶表示装置。
【請求項5】
前記支持板に載置面および折曲部を設け、前記載置面は前記枠体の後部に当接され、前記折曲部は前記枠体の側部に当接され、前記載置面はネジにより、前記後部に固定された事を特徴とする特徴とする請求項3の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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