説明

液晶表示装置

【課題】横置き縦置き両方の仕様を満たす吊り下げ支持タイプの光学シートを使用し、光学シートに不要な応力を生じさせず、部品の共通化を実現した液晶表示装置を提供する。
【解決手段】長方形の表示画面の液晶パネル1と、長方形の光学シート2と、バックライト3とを備え、光学シート2の周縁部に形成した複数の孔に複数のピン8を係合させて光学シート2を吊り下げ支持し、複数の孔は光学シート2の長辺及び短辺の周縁部に並設された複数の長辺側孔及び短辺側孔を有し、長辺側孔は、長辺と平行な方向の寸法がピン8の直径と略同一の位置決め部を有する位置決め孔と、長辺と平行な方向の寸法がピン8の直径より大で長辺と平行な縁部を備えた複数の支持孔とを含み、短辺側孔は、短辺と平行な方向の寸法がピン8の直径と略同一の位置決め部を有する位置決め孔と、短辺と平行な方向の寸法がピン8の直径より大で短辺と平行な縁部を備えた複数の支持孔とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長方形の表示画面を正面に有する液晶パネルと、該液晶パネルの背面側に配置される長方形の光学シートと、該光学シートを背面側から照射するバックライトとを備え、前記光学シートを吊り下げ支持する構造を有する液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置では、従来、光学シートを保持する技術として、バックライトシャーシの周縁部の前面上部に突設した複数のピンに光学シートの周縁部の上部に形成した複数の孔を係合(貫通)させ、光学シートを吊り下げることにより、光学シートが自重で垂下してしわが発生しないようにした吊り下げ支持タイプが知られている。
【0003】
また、光学シートを保持する別の構造として、矩形状の枠体の内部に収納した長方形の光学シートの1つの角部に近接した短辺側周縁部に、長軸が長辺に沿った楕円形状の長孔を形成し、該長孔を枠体に支持されたピンに係合させたものがある(特許文献1参照)。本構造では、バックライトからの熱によって膨張し、収縮する光学シートの長辺に沿った変位を許容する状態で位置決めし、しわの発生を防止するようにしている。
【特許文献1】特開平11−281966号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液晶表示装置では、液晶テレビ、パーソナルコンピュータのディスプレイなど、長方形の表示画面の長辺が水平方向に向くように液晶パネルを配置する横置きが一般的であるが、例えばCAD用のディスプレイ、又は、駅、空港、ホールなどに設置する案内用ディスプレイ等、特に大型(例えば100型以上)の液晶表示装置では、長方形の表示画面の短辺が水平方向に向くように液晶パネルを配置する縦置き用途がある。このような縦置き用途で光学シートを吊り下げ支持するためには短辺周縁部に支持用の孔を形成する必要があり、長辺周縁部に支持用の孔を設けた横置き仕様の光学シートとは別仕様になる。部品として横置き仕様の光学シートと縦置き仕様の光学シートの両方を用意することも可能であるが、1機種当たりの台数が少ない縦置き専用の光学シートを採用することは、保管スペースも大きくなり、部品管理上煩雑であり効率的ではない。
【0005】
尚、特許文献1に記載の光学シート支持構造では、ピンに係合する光学シートの係合用孔は短辺側周縁部の1か所の長孔だけであるので、光学シートがバックライトの熱により膨張、収縮した場合に不均等な応力がシートに生じる可能性がある。
【0006】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、横置き仕様及び縦置き仕様の両方の仕様を満たす吊り下げ支持タイプの光学シートを使用し、光学シートに不要な応力を生じさせず、部品の共通化を実現した液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る液晶表示装置は、長方形の表示画面を正面に有する液晶パネルと、前記液晶パネルの背面側に配置される長方形の光学シートと、該光学シートを背面側から照射するバックライトとを備え、前記光学シートの周縁部に形成した複数の孔に複数のピンを係合させて前記光学シートを吊り下げ支持する構造を有する液晶表示装置において、前記複数の孔は、前記光学シートの隣り合う長辺及び短辺の周縁部に各辺に沿って並設された複数の長辺側孔及び複数の短辺側孔を有しており、前記複数の長辺側孔は、長辺と平行な方向の位置決めをするために長辺と平行な方向の寸法が前記ピンの直径と略同一となる位置決め部を有する位置決め孔と、長辺と平行な方向の寸法が前記ピンの直径より大で、近接する長辺の側に該長辺と平行な縁部を備えた複数の支持孔とを含み、前記複数の短辺側孔は、短辺と平行な方向の位置決めをするために短辺と平行な方向の寸法が前記ピンの直径と略同一となる位置決め部を有する位置決め孔と、短辺と平行な方向の寸法が前記ピンの直径より大で、近接する短辺の側に該短辺と平行な縁部を備えた複数の支持孔とを含むことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、光学シートを長辺が水平方向に向いた横置き状態で吊り下げ支持する場合は、光学シートの隣り合う長辺及び短辺のうち複数の長辺側孔が並設された長辺の周縁部を上側に位置させ、長辺に沿って並ぶ複数の長辺側孔のうち、位置決め孔が有する位置決め部を位置決め用のピンに係合させることにより、該位置決め部は長辺と平行な方向の寸法がピンの直径と略同一であるので光学シートは長辺と平行な方向に対して位置決めされる。また長辺と平行な方向の寸法がピンの直径より大きい複数の長辺側孔の支持孔を夫々支持用のピンに係合させることにより、各支持孔の近接する長辺の側に備えた縁部は上側に位置し近接する長辺と平行であるので、光学シートが膨張収縮した場合に、長辺と平行な方向の変位は支持孔の縁部がピンに支持された状態で位置決め孔による位置決め位置を中心として長辺に沿って相対移動することで許容され、短辺と平行な方向の変位では支持孔の縁部がピンに支持された状態で移動しない。一方、この横置きの場合には、光学シートの複数の短辺側孔に係合するピンは設けず、複数の短辺側孔は使用しない。その結果、光学シートを横置き状態で位置決めし、不要な応力を発生させずに安定に吊り下げ支持することができる。
【0009】
光学シートを短辺が水平方向に向いた縦置き状態で吊り下げ支持する場合は、光学シートの隣り合う長辺及び短辺のうち複数の短辺側孔が並設された短辺の周縁部を上側に位置させ、短辺に沿って並ぶ複数の短辺側孔のうち、位置決め孔が有する位置決め部を位置決め用のピンに係合させることにより、該位置決め部は短辺と平行な方向の寸法が位置決めピンの直径と略同一であるので光学シートは短辺と平行な方向に対して位置決めされる。また短辺と平行な方向の寸法がピンの直径より大きい複数の短辺側孔の支持孔を夫々支持用のピンに係合させることにより、各支持孔の近接する短辺の側に備えた縁部は上側に位置し近接する短辺と平行であるので、光学シートが膨張収縮した場合に、短辺と平行な方向の変位は支持孔の縁部がピンに支持された状態で位置決め孔による位置決め位置を中心として短辺に沿って相対移動することで許容され、長辺と平行な方向の変位では支持孔の縁部がピンに支持された状態で移動しない。一方、この縦置きの場合には、光学シートの複数の長辺側孔に係合するピンは設けず、複数の長辺側孔は使用しない。その結果、光学シートを縦置き状態で位置決めし、不要な応力を発生させずに安定に吊り下げ支持することができる。
【0010】
本発明に係る液晶表示装置は、前述の発明における前記長辺側孔の位置決め孔は長辺と平行な方向の略中央に位置していることを特徴とする。
長方形の光学シートが膨張収縮する場合に短辺に比べて長辺と平行な方向の変位は大きいが、本発明によれば、光学シートを横置き状態で吊り下げ支持する場合に、長辺側孔の位置決め孔は長辺と平行な方向の略中央に位置しているので、長辺側孔の支持孔の上側に位置する縁部がピンに支持された状態で長辺と平行な方向の位置決め位置を中心として長辺に沿って相対移動する範囲は、光学シートの長辺全長が膨張収縮する変位量の半分に収まり、長辺と平行な方向の長辺側孔の支持孔の寸法を極力小さくすることができる。
【0011】
本発明に係る液晶表示装置は、前述の発明における前記短辺側孔の位置決め孔は前記長辺側孔が位置する端部側に位置し、前記長辺側孔の位置決め孔は、近接する長辺とは反対側に隣接させて、長辺と平行な方向の寸法が前記ピンの直径より大となる領域を有し、前記短辺側孔の位置決め孔は、近接する長辺の側に隣接させて、長辺と平行な方向の寸法が前記ピンの直径より大となる領域を有し、前記長辺側孔の支持孔は、前記長辺と平行な縁部とは反対側に、長辺と平行な方向の寸法が前記ピンの直径より大となる領域を有し、前記短辺側孔の支持孔は、前記短辺と平行な縁部とは反対側に、長辺と平行な方向及び短辺と平行な方向の寸法が前記ピンの直径より大となる領域を有していることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、光学シートを横置き状態で吊り下げ支持する場合は、長辺側孔の位置決め孔の位置決め部を長辺側の位置決め用のピンに係合させ、複数の長辺側孔の支持孔の上側に位置し長辺と平行な縁部を夫々支持用のピンに係合させるとともに、短辺側孔の位置決め孔に近接する長辺の側に隣接させて設けた領域を短辺側の位置決め用のピンに係合させ、複数の短辺側孔の支持孔が短辺と平行な縁部とは反対側に有する領域を夫々短辺側の支持用のピンに係合させる。このとき、短辺側孔の位置決め孔は長辺側孔と同じ端部側に位置し、光学シートの膨張収縮によって短辺側孔の位置決め孔が位置決め用のピンに対して短辺と平行な方向に相対変位する変位量を無視することができるので、短辺側孔の位置決め孔に隣接させて設けた領域の短辺と平行な方向の寸法をピンと同程度に小さくすることができる。短辺側孔の支持孔は長辺側孔が位置する端部から離れて位置するが、各支持孔の短辺と平行な縁部とは反対側の領域は長辺と平行な方向及び短辺と平行な方向の寸法がピンの直径より大きいので、光学シートの膨張収縮による短辺側孔の各支持孔の領域と各ピンとの長辺と平行な方向及び短辺と平行な方向の相対移動が許容される。以上のように、この横置きの場合には、光学シートの複数の長辺側孔及び短辺側孔の夫々に係合するピンを設け、長辺側孔は位置決め及び支持用の孔として機能し、短辺側孔は相対移動を許容する孔として機能する。
【0013】
一方、光学シートを縦置き状態で吊り下げ支持する場合は、短辺側孔の位置決め孔の位置決め部を短辺側の位置決め用のピンに係合させ、複数の短辺側孔の支持孔の上側に位置し短辺と平行な縁部を夫々支持用のピンに係合させるとともに、長辺側孔の位置決め孔に近接する長辺とは反対側に隣接させて設けた領域を長辺側の位置決め用のピンに係合させ、複数の長辺側孔の支持孔が長辺と平行な縁部とは反対側に有する領域を夫々長辺側の支持用のピンに係合させる。このとき、複数の長辺側孔は短辺側孔の位置決め孔と同じ端部側に位置し、光学シートの膨張収縮によって各長辺側孔が各係合ピンに対して短辺と平行な方向に相対変位する変位量を無視することができるので、長辺側孔の位置決め孔に隣接させて設けた領域及び長辺側孔の複数の支持孔が長辺と平行な縁部とは反対側に有する領域の短辺と平行な方向の各寸法をピンと同程度に小さくすることができる。長辺側孔の位置決め孔の位置決め部に隣接した領域及び長辺側孔の支持孔の長辺と平行な縁部とは反対側の領域の長辺と平行な方向の寸法がピンの直径より大きいので、光学シートの膨張収縮による長辺側孔の各孔と各ピンとの長辺と平行な方向への相対移動が許容される。以上のように、この縦置きの場合には、光学シートの複数の長辺側孔及び短辺側孔の夫々に係合するピンを設け、短辺側孔は位置決め及び支持用の孔として機能し、長辺側孔は相対移動を許容する孔として機能する。
【0014】
本発明に係る液晶表示装置は、前述の発明における前記長辺側孔の位置決め孔は、近接する長辺とは反対側に隣接させて、長辺と平行な方向及び短辺と平行な方向の寸法が前記ピンの直径より大となる領域を有し、前記短辺側孔の位置決め孔は、近接する短辺とは反対側に隣接させて、長辺と平行な方向及び短辺と平行な方向の寸法が前記ピンの直径より大となる領域を有し、前記長辺側孔の支持孔は、前記長辺と平行な縁部とは反対側に、長辺と平行な方向及び短辺と平行な方向の寸法が前記ピンの直径より大となる領域を有し、前記短辺側孔の支持孔は、前記短辺と平行な縁部とは反対側に、長辺と平行な方向及び短辺と平行な方向の寸法が前記ピンの直径より大となる領域を有していることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、光学シートを横置き状態で吊り下げ支持する場合は、長辺側孔の位置決め孔の位置決め部を長辺側の位置決め用のピンに係合させ、複数の長辺側孔の支持孔の上側に位置し長辺と平行な縁部を夫々支持用のピンに係合させるとともに、短辺側孔の位置決め孔に近接する短辺とは反対側に隣接させて設けた領域を短辺側の位置決め用のピンに係合させ、複数の短辺側孔の支持孔が短辺と平行な縁部とは反対側に有する領域を夫々短辺側の支持用のピンに係合させる。このとき、長辺側孔の各支持孔の長辺と平行な縁部とは反対側の領域は長辺と平行な方向の寸法がピンの直径より大きいので、光学シートの膨張収縮による該領域とピンとの長辺と平行な方向の相対移動が許容される。また、短辺側孔の位置決め孔に近接する短辺とは反対側に隣接させて設けた領域及び短辺側孔の各支持孔が短辺と平行な縁部とは反対側に有する領域の各領域は長辺と平行な方向及び短辺と平行な方向の寸法がピンの直径より大きいので、光学シートの膨張収縮による各領域と各ピンとの長辺と平行な方向及び短辺と平行な方向の相対移動が許容される。以上のように、この横置きの場合には、光学シートの複数の長辺側孔及び短辺側孔の夫々に係合するピンを設け、長辺側孔は位置決め及び支持用の孔として機能し、短辺側孔は相対移動を許容する孔として機能する。
【0016】
一方、光学シートを縦置き状態で吊り下げ支持する場合は、短辺側孔の位置決め孔の位置決め部を短辺側の位置決め用のピンに係合させ、複数の短辺側孔の支持孔の上側に位置し短辺と平行な縁部を夫々支持用のピンに係合させるとともに、長辺側孔の位置決め孔に近接する長辺とは反対側に隣接させて設けた領域を長辺側の位置決めピンに係合させ、複数の長辺側孔の支持孔が短辺と平行な縁部とは反対側に有する領域を夫々長辺側の支持用のピンに係合させる。このとき、短辺側孔の各支持孔の短辺と平行な縁部とは反対側の領域は短辺と平行な方向の寸法がピンの直径より大きいので、光学シートの膨張収縮による該領域とピンとの短辺と平行な方向の相対移動が許容される。また、長辺側孔の位置決め孔に近接する長辺とは反対側に隣接させて設けた領域及び長辺側孔の各支持孔が長辺と平行な縁部とは反対側に有する領域の各領域は短辺と平行な方向及び長辺と平行な方向の寸法がピンの直径より大きいので、光学シートの膨張収縮による各領域と各ピンとの短辺と平行な方向及び長辺と平行な方向の相対移動が許容される。以上のように、この縦置きの場合には、光学シートの複数の長辺側孔及び短辺側孔の夫々に係合するピンを設け、短辺側孔は位置決め及び支持用の孔として機能し、長辺側孔は相対移動を許容する孔として機能する。
【0017】
本発明に係る液晶表示装置は、前述の発明における前記複数のピンとして、前記長辺側孔の各孔に係合する複数の長辺側ピン、又は、前記短辺側孔の各孔に係合する複数の短辺側ピンを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、液晶パネルの表示画面の長辺が水平方向に向く横置き用途の液晶表示装置の場合には、短辺側孔の各孔に係合する短辺側ピンは備えず、長辺側孔の各孔に係合する複数の長辺側ピンを備えて、該複数の長辺側ピンに光学シートの長辺側孔の各孔を係合させて吊り下げ支持する。液晶パネルの表示画面の短辺が水平方向に向く縦置き用途の液晶表示装置の場合には、長辺側孔の各孔に係合する長辺側ピンは備えず、短辺側孔の各孔に係合する複数の短辺側ピンを備えて、該複数の短辺側ピンに光学シートの短辺側孔の各孔を係合させて吊り下げ支持する。
【0018】
本発明に係る液晶表示装置は、前述の発明における前記複数のピンとして、前記長辺側孔の各孔に係合する複数の長辺側ピン、及び、前記短辺側孔の各孔に係合する複数の短辺側ピンを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、液晶パネルの表示画面の長辺が水平方向に向く横置き用途の液晶表示装置の場合には、複数の長辺側ピンに光学シートの長辺側孔の各孔を係合させて吊り下げ支持するとともに、複数の短辺側ピンに光学シートの短辺側孔の各孔を相対移動が許容された状態で係合させる。液晶パネルの表示画面の短辺が水平方向に向く縦置き用途の液晶表示装置の場合には、複数の短辺側ピンに光学シートの短辺側孔の各孔を係合させて吊り下げ支持するとともに、複数の長辺側ピンに光学シートの長辺側孔の各孔を相対移動が許容された状態で係合させる。従って、最終出荷段階等において横置き用の液晶表示装置とするか、又は縦置き用の液晶表示装置とするか選択することができる。
【0019】
本発明に係る液晶表示装置は、前述の発明における前記複数のピンは、前記光学シートの背面側に位置して前記バックライトを保持するバックライトシャーシの前面の周縁部に設けてあることを特徴とする。
本発明によれば、横置き用途の液晶表示装置の場合には、横長状のバックライトシャーシの前面の上部の周縁部に設けた複数のピンに、光学シートに設けた複数の長辺側孔を係合させ、さらに横長状のバックライトシャーシの前面の側部の周縁部に複数のピンを設けたときは、該側部の周縁部の複数のピンに光学シートに設けた複数の短辺側孔を係合させる。
縦置き用途の液晶表示装置の場合には、縦長状のバックライトシャーシの前面の上部の周縁部に設けた複数のピンに、光学シートに設けた複数の短辺側孔を係合させ、さらに縦長状のバックライトシャーシの前面の側部の周縁部に複数のピンを設けたときは、該側部の周縁部の複数のピンに光学シートに設けた複数の長辺側孔を係合させる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る液晶表示装置によれば、長方形の光学シートの隣り合う長辺及び短辺の周縁部に、各辺に沿って複数の長辺側孔及び複数の短辺側孔を並設し、複数の長辺側孔もしくは複数の短辺側孔、又は複数の長辺側孔及び複数の短辺側孔の両方を複数のピンに係合させて、横置き又は縦置き状態で光学シートを吊り下げるようにしたので、横置き仕様及び縦置き仕様の両方の仕様を満たす吊り下げ支持タイプの光学シートを使用することができる。
この際、横置き状態では長辺側孔のうちの位置決め孔によって長辺と平行な方向の位置決めを行う一方、他の長辺側孔は光学シートの伸縮による係合ピンとの相対変位を許容する形状に形成し、短辺側孔の各孔は、該孔に係合するピンを設けないか、又は光学シートの伸縮による係合ピンとの相対変位を許容する形状に形成してあるので、光学シートには不要な応力を生じさせない。また、縦置き状態では短辺側孔のうちの位置決め孔によって短辺と平行な方向の位置決めを行う一方、他の短辺側孔は光学シートの伸縮による係合ピンとの相対変位を許容する形状に形成し、短辺側孔の各孔は、該孔に係合するピンを設けないか、又は光学シートの伸縮による係合ピンとの相対変位を許容する形状に形成してあるので、光学シートには不要な応力を生じさせない。
その結果、横置き仕様及び縦置き仕様の両方の仕様を満たす横置き縦置き共用の光学シートを使用し、光学シートに不要な応力を生じさせず、部品の共通化を実現した液晶表示装置が提供される。
【0021】
また、横置き縦置き共用の光学シートを使用して、該光学シートの長辺及び短辺の周縁部に並設した各孔に夫々係合する複数の長辺側ピン及び短辺側ピンを設ける場合に、長辺側ピン及び短辺側ピンの一方だけを設けて横置き又は縦置き専用の装置に構成するのか、長辺側ピン及び短辺側ピンの両方を設けて横置き縦置き共用の装置に構成し、最終出荷段階等において横置き用の装置又は縦置き用の装置とするのか、種々の選択が可能となり、機種設計の自由度を高くできる液晶表示装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係る液晶表示装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1は本発明に係る液晶表示装置の実施の形態1の構成を示す断面図である。図1の液晶表示装置は横置き縦置き共用の装置であるが、ここでは横置きタイプの液晶表示装置を例として説明する。本液晶表示装置は、長方形の表示画面を正面に有する液晶パネル1と、液晶パネル1の背面側に配置される長方形の光学シート2と、光学シート2を背面側から照射するバックライト3と、バックライト3を保持するバックライトシャーシ6とを備えている。
【0023】
バックライト3は複数の直線状の冷陰極蛍光管又は熱陰極蛍光管にて構成され、該複数の蛍光管を横置き状態で、前面に長方形の開口を有する直方体状の箱体からなるバックライトシャーシ6の内部に上下方向に並置させている。バックライト3はランプ保持具7に保持され、該ランプ保持具7をバックライトシャーシ6の底壁6aに設けた取付孔9に取り付けてある。バックライトシャーシ6の内部の壁面には反射膜12が形成してある。
【0024】
液晶パネル1は、前面及び後面の周縁部を2つの枠状の挟持部材13,14にて挟持し、一方の挟持部材14をバックライトシャーシ6の周縁部6bの外周面にビス止めして固定している。
【0025】
光学シート2は、バックライト3からの光を拡散させるための拡散シート、R−BEF及びD−BEF等の光学シートが積層された積層体である。光学シート2の材質は、表面及び裏面をポリエチレン系樹脂でコーティングしたポリカーボネート系樹脂であり、シートの厚みは0.55mm程度である。
【0026】
液晶パネル1、光学シート2、バックライト3及びバックライトシャーシ6は、正面キャビネット4及び背面キャビネット5により形成された空間内に配置されている。背面キャビネット5の周縁部には上下方向に沿う内壁面からなる受け部5aが形成され、該受け部5aに固定された支持枠10にバックライトシャーシ6の周縁部6bの後面をビス止めして固定している。
【0027】
本発明に係る液晶表示装置では、バックライトシャーシ6の長方形の開口の周囲に位置する周縁部6bのうち、上側に位置する長辺側の周縁部6b1(図2参照)及び左右の一方の側に位置する短辺側の周縁部6b2(図2参照)の前面に複数のピン8が前方に向けて突設してあり、この複数のピン8に光学シート2の周縁部に形成した孔を係合させて、光学シート2を吊り下げ支持する構造を有する。
【0028】
図2は本発明に係る液晶表示装置の実施の形態1の主要部を示す正面図であり、図3は図2のIII−III線における断面図、図4は図2のIV−IV線における断面図である。
バックライトシャーシ6の前面の周縁部6bのうち長辺側の周縁部6b1に長辺に沿って等間隔で13個の長辺側ピン8Aが設けられ、短辺側の周縁部6b2に短辺に沿って略等間隔で6個の短辺側ピン8Bが設けられている。13個の長辺側ピン8Aのうち長辺の中央に位置決めピンLP7が位置し、位置決めピンLP7の両側に支持用ピンLP1〜LP6,LP8〜LP13が並んでいる。6個の短辺側ピン8Bのうち、長辺側ピン8Aが位置する端部側に位置決めピンSP1が位置し、位置決めピンSP1から反対側の端部に向って支持用ピンSP2〜SP6が並んでいる。長辺側ピン8A及び短辺側ピン8Bのピン径は同一の直径に形成してある。尚、図2では、バックライト3は記載を省略している。
【0029】
図5は本発明に係る液晶表示装置の実施の形態1の光学シート2の正面図である。光学シート2は上側の長辺2A及び該長辺2Aに隣り合う一方の短辺2Bの周縁部に各長辺2A及び短辺2Bに沿って間隔を隔てて、13個の長辺側孔2a及び6個の短辺側孔2bが形成されており、これらの長辺側孔2a及び短辺側孔2bの配置は長辺側ピン8A及び短辺側孔8Bの配置に対応する。13個の長辺側孔2aのうち長辺の中央に位置決め孔CY1が位置し、位置決め孔CY1の両側に夫々同形状の2個(合計4個)の支持孔B1,B1が並び、さらに支持孔B1,B1よりも長辺の両端部側に夫々同形状の4個(合計8個)の支持孔A1,A1,A1,A1が並んでいる。6個の短辺側孔2bのうち、長辺側孔2aが位置する端部側に位置決め孔CT1が位置し、位置決め孔CT1から反対側の端部に向って同形状の5個の支持孔D1,D1,D1…が並んでいる。
【0030】
長辺側の位置決め孔CY1は、長辺2Aと平行な方向の位置決めのために長辺2Aと平行な方向の寸法がピン8の直径と略同一となる位置決め部ky1を有し、位置決め部ky1に対して近接する長辺2Aとは反対側に隣接させて、長辺2Aと平行な方向の寸法がピン8の直径よりも大となる領域ry1を有している。領域ry1は、長辺2Aと平行な方向において短辺側孔2bが位置する側の縁部が凸の半円形で反対側の縁部が方形の長孔に形成してある。位置決め部ky1は近接する長辺2Aの方向に凸の半円形であり、領域ry1の方形の端部側に隣接して領域ry1と連続した孔を形成している。
【0031】
長辺側の支持孔B1,B1は、長辺2Aと平行な方向の寸法がピン8の直径よりも大で、近接する長辺2A側に該長辺2Aと平行な縁部fb1を備え、縁部fb1とは反対側に、長辺2Aと平行な方向の寸法がピン8の直径よりも大の領域rb1を有している。領域rb1は、位置決め孔CY1の領域ry1と同様の長孔形状に、さらに近接する長辺2Aの側に該長辺2Aの方向に凸となる縁部fb1を有し、縁部fb1の両端部側を円弧状とした部分を付加した形状である。
【0032】
長辺側の支持孔A1,A1,A1,A1は、長辺2Aと平行な方向の寸法がピン8の直径よりも大で、近接する長辺2A側に該長辺2Aと平行な縁部fa1を備え、縁部fa1とは反対側に、長辺2Aと平行な方向の寸法がピン8の直径よりも大となる領域ra1を有している。該領域ra1は支持孔B1,B1の領域rb1と同様の形状であるが、縁部fa1は縁部fb1よりも長辺2Aと平行な部分が長く形成してあり、領域ra1は領域rb1よりも長辺2Aと平行な方向の寸法が長い。尚、位置決め孔CY1の位置決め部ky1の長辺側端部は支持孔A1,A1,A1,A1の縁部fa1及び支持孔B1,B1の縁部fb1と同一線上に位置しており、支持孔の機能も果たしている。
【0033】
短辺側の位置決め孔CT1は、短辺2Bと平行な方向の位置決めのために短辺2Bと平行な方向の寸法がピン8の直径と略同一となる位置決め部kt1を有し、位置決め部kt1に対して近接する短辺2Bとは反対側で近接する長辺2Aの側に隣接させて、長辺2Aと平行な方向の寸法がピン8の直径よりも大となる領域rt1を有している。領域rt1は、長辺2Aと平行な方向において近接する短辺2B側及び反対側の両縁部が共に半円形の長孔に形成してある。位置決め部kt1は、近接する短辺2Bの方向に凸の半円形で領域rt1の縁部よりも短辺2B側へ突き出し、領域rt1と一部重複した状態で領域rt1と連続した孔となる長孔に形成されている。
【0034】
短辺側の支持孔D1,D1,D1…は、短辺2Bと平行な方向の寸法がピン8の直径よりも大で、近接する短辺2B側に該短辺2Bと平行な縁部fd1を備え、縁部fd1とは反対側に、長辺2Aと平行な方向及び短辺2Bと平行な方向の寸法がピン8の直径よりも大となる領域rd1を有している。領域rd1は、長辺2Aと平行な方向の寸法が短辺2Bと平行な方向の寸法よりも長く、各角部を円弧状とした長方形に形成してある。尚、位置決め孔CT1の位置決め部kt1の短辺側端部は支持孔D1,D1,D1…の縁部fd1と同一線上に位置しており、支持孔の機能も果たしている。
【0035】
図6は本発明に係る液晶表示装置の実施の形態1の光学シート2とピン8との係合状態を示す断面図である。図6(a)は光学シート2を長辺2Aが水平方向に向く横置き状態で吊り下げ支持する場合を示し、長辺側孔2aの各孔CY1,A1,B1がバックライトシャーシ6の長辺側の周縁部6b1に設けた長辺側ピン8Aの各ピンに係合して吊り下げられている。図6(b)は光学シート2を短辺2Bが水平方向に向く縦置き状態で吊り下げ支持する場合を示し、短辺側孔2bの各孔CT1,D1がバックライトシャーシ6の短辺側の周縁部6b2に設けた短辺側ピン8Bの各ピンに係合して吊り下げられている。
【0036】
図7は本発明に係る液晶表示装置の実施の形態1の位置決め孔と位置決めピンとの係合位置の変化を示す図である。横置き状態(a)では、長辺側孔2aの位置決め孔CY1の位置決め部ky1に位置決めピンLP7が係合して位置決めがなされ、短辺側孔2bの位置決め孔CT1の領域rt1内に位置決めピンSP1が係合する。縦置き状態(b)では、短辺側孔2bの位置決め孔CT1の位置決め部kt1に位置決めピンSP1が係合して位置決めがなされ、長辺側孔2aの位置決め孔CY1の領域ry1内に位置決めピンLP7が係合する。この横置き状態から縦置き状態へ光学シート2の支持を変更する場合、図7(b)に矢印で示すように、長辺側の位置決めピンLP7は位置決め孔CY1に対して、近接する長辺2Aと斜めの角度をなして、近接する長辺2Aから離れ短辺側孔2bが位置する短辺2Bに近づく向きに相対移動する。同様に、短辺側の位置決めピンSP1は位置決め孔CT1に対して、近接する長辺2Aと斜めの角度をなして、近接する長辺2Aから離れ近接する短辺2Bに近づく向きに相対移動する。縦置き状態から横置き状態へ光学シート2の支持を変更する場合は逆に移動する。従って、長辺側の位置決め孔CY1は近接する長辺2Aとは反対側に領域ry1を有する必要があり、短辺側の位置決め孔CT1は長辺側の位置決め孔CY1とは逆に、近接する長辺2Aの側に領域rt1を有する必要がある。
【0037】
図8は本発明に係る液晶表示装置の実施の形態1の光学シート2とピン8との係合位置の移動を示す図である。図8の左側部分は横置きの場合で、光学シート2が標準の寸法にある通常時、収縮した時及び膨張した時の夫々における光学シート2とピン8との相対移動を示す。長辺側の位置決め孔CY1の位置決め部ky1は位置決めピンLP7に係合したままの状態を維持しており、これによって光学シート2は長辺2Aと平行な方向に位置決めされる。長辺側の支持孔B1,B1は縁部fb1を支持用ピンLP5〜6,LP8〜9に係合された状態で長辺2Aと平行な方向に相対移動する。長辺側の支持孔A1,A1,A1,A1は縁部fa1を支持用ピンLP1〜4,LP10〜13に係合された状態で長辺2Aと平行な方向に相対移動する。尚、図8は、図5において長辺側の位置決め孔CY1よりも左側に位置する支持孔A1,A1,A1,A1及び支持孔B1,B1の例を示しており、位置決め孔CY1よりも右側の支持孔A1,A1,A1,A1及び支持孔B1,B1の場合は収縮時と膨張時の相対移動の向きは逆になる。一方、短辺側の位置決め孔CT1は領域rt1内に位置決めピンSP1を位置させた状態でほぼ長辺2Aと平行な方向に相対移動する。短辺側の支持孔D1,D1,D1…は領域rd1内に支持用ピンSP2〜6を位置させた状態で長辺2Aと平行な方向及び短辺2Bと平行な方向に相対移動する。
【0038】
図8の右側部分は縦置きの場合で、通常時、収縮時及び膨張時の夫々における光学シート2とピン8との相対移動を示す。短辺側の位置決め孔CT1の位置決め部kt1は位置決めピンSP1に係合したままの状態を維持しており、これによって光学シート2は短辺2Bと平行な方向に位置決めされる。短辺側の支持孔D1,D1,D1…は縁部fd1を支持用ピンSP2〜6に係合された状態で短辺2Bと平行な方向に相対移動する。一方、長辺側の位置決め孔CY1は領域ry1内に位置決めピンLP7を位置させた状態でほぼ長辺2Aと平行な方向に相対移動する。長辺側の支持孔B1,B1は領域rb1内に支持用ピンLP5〜6,LP8〜9を位置させた状態でほぼ長辺2Aと平行な方向に相対移動する。長辺側の支持孔A1,A1,A1,A1は領域ra1内に支持用ピンLP1〜4,LP10〜13を位置させた状態でほぼ長辺2Aと平行な方向に相対移動する。
【0039】
実施の形態2
図9は本発明に係る液晶表示装置の実施の形態2の光学シート2の正面図である。実施の形態1との相違点は、バックライトシャーシ6の周縁部6bに長辺側ピン8Aだけを設けた横置き専用タイプ、又は短辺側ピン8Bだけを設けた縦置き専用タイプに構成してあり、その結果、横置き縦置き共用の光学シート2の長辺側孔2a及び短辺側孔2bの孔形状が簡略化されている。
【0040】
13個の長辺側孔2aのうち、1個の位置決め孔CY2、4個の支持孔B2,B2、8個の支持孔A2,A2,A2,A2の各配置は実施の形態1と同一である。6個の短辺側孔2bのうち、1個の位置決め孔CT2、5個の支持孔D2,D2,D2…の各配置は実施の形態1と同一である。
【0041】
長辺側の位置決め孔CY2は、長辺2Aと平行な方向の位置決めのために長辺2Aと平行な方向の寸法がピン8の直径と略同一の円形に形成された位置決め部ky2を有している。長辺側の支持孔B2,B2は、長辺2Aと平行な方向の寸法がピン8の直径よりも大で、近接する長辺2A側に該長辺2Aと平行な縁部fb2を備えた領域rb2を有している。領域rb2は、長辺2Aと平行な方向において短辺側孔2bが位置する側及び反対側の両縁部が共に半円形の長孔に形成してある。
【0042】
長辺側の支持孔A2,A2,A2,A2は、長辺2Aと平行な方向の寸法がピン8の直径よりも大で、近接する長辺2A側に該長辺2Aと平行な縁部fa2を備えた領域ra2を有している。領域ra2は支持孔B2,B2の領域rb2と同様の形状であるが、縁部fa2は縁部fb2よりも長辺2Aと平行な部分が長く形成してあり、領域ra2は領域rb2よりも長辺2Aと平行な方向の寸法が長い。尚、位置決め孔CY2の位置決め部ky2の長辺側端部は支持孔A2,A2,A2,A2の縁部fa2及び支持孔B2,B2の縁部fb2と同一線上に位置しており、支持孔の機能も果たしている。
【0043】
短辺側の位置決め孔CT2は、短辺2Bと平行な方向の位置決めのために短辺2Bと平行な方向の寸法がピン8の直径と略同一の円形に形成された位置決め部kt2を有している。短辺側の支持孔D2,D2,D2…は、短辺2Bと平行な方向の寸法がピン8の直径よりも大で、近接する短辺2B側に該短辺2Bと平行な縁部fd2を備えた領域rd2を有している。領域rd2は、短辺2Bと平行な方向において長辺側孔2aが位置する側及び反対側の両縁部が共に半円形の長孔に形成してある。尚、位置決め孔CT2の位置決め部kt2の短辺側端部は支持孔D2,D2,D2…の縁部fd2と同一線上に位置しており、支持孔の機能も果たしている。
【0044】
図10は本発明に係る液晶表示装置の実施の形態2の光学シート2とピン8との係合状態を示す断面図である。図10(a)は光学シート2を横置き状態で吊り下げ支持する場合を示し、長辺側孔2aの各孔CY2,A2,B2がバックライトシャーシ6の長辺側の周縁部6b1に設けた長辺側ピン8Aの各ピンに係合して吊り下げられている。図10(b)は光学シート2を縦置き状態で吊り下げ支持する場合を示し、短辺側孔2bの各孔CT2,D2がバックライトシャーシ6の短辺側の周縁部6b2に設けた短辺側ピン8Bの各ピンに係合して吊り下げられている。
【0045】
図11は本発明に係る液晶表示装置の実施の形態2の光学シート2とピン8との係合位置の移動を示す図である。実施の形態1と異なり、図11では光学シート2が標準の寸法にある通常時、収縮時及び膨張時の夫々において、光学シート2とピン8との相対移動は簡略になっている。図11の左側部分の横置きの場合では、長辺側の位置決め孔CY2の円形の位置決め部ky2は位置決めピンLP7に係合したままの状態を維持しており、これによって光学シート2は長辺2Aと平行な方向に位置決めされる。長辺側の支持孔B2,B2は縁部fb2を支持用ピンLP5〜6,LP8〜9に係合された状態で長辺2Aと平行な方向に相対移動する。長辺側の支持孔A2,A2,A2,A2は縁部fa2を支持用ピンLP1〜4,LP10〜13に係合された状態で長辺2Aと平行な方向に相対移動する。尚、図11は、図9において長辺側の位置決め孔CY2よりも左側に位置する支持孔A2,A2,A2,A2及び支持孔B2,B2の例を示しており、位置決め孔CY2よりも右側位置の支持孔A2,A2,A2,A2及び支持孔B2,B2の場合は収縮時と膨張時の相対移動の向きは逆になる。一方、短辺側の位置決め孔CT2及び支持孔D2,D2,D2…は、短辺側のピンSP1〜6が設けられていないのでピン8に係合されずフリー状態にある。
【0046】
図11の右側部分の縦置きの場合では、光学シート2の短辺側の位置決め孔CT2の円形の位置決め部kt2は位置決めピンSP1に係合したままの状態を維持しており、これによって光学シート2は短辺2Bと平行な方向に位置決めされる。短辺側の支持孔D2,D2,D2…は縁部fd2を支持用ピンSP2〜6に係合された状態で短辺2Bと平行な方向に相対移動する。一方、長辺側の位置決め孔CY2、長辺側の支持孔A2,A2,A2,A2及び支持孔B2,B2は、長辺側のピンLP1〜13が設けられていないのでピン8に係合されずフリー状態にある。
【0047】
尚、長辺側ピン8A又は短辺側ピン8Bだけを設ける場合に、バックライトシャーシ6の周縁部6bの構造として長辺側ピン8A又は短辺側ピン8Bの一方だけを設けた構造としてもよいが、バックライトシャーシ6の周縁部6bの構造として長辺側ピン8A及び短辺側ピン8Bの両方を着脱できる構造とし、横置きタイプの場合は長辺側ピン8Aだけを装着し、縦置きタイプの場合は短辺側ピン8Bだけを装着するようにしてもよい。他の構成は実施の形態1と同様である。
【0048】
実施の形態3
前述の実施の形態1では、短辺側孔2bの位置決め孔CT1を長辺側孔2aが位置する端部側に配置しているが、これに限るものではない。
図12は本発明に係る液晶表示装置の実施の形態3の光学シート2の正面図である。実施の形態3では、短辺側孔2bの位置決め孔CT3を短辺2Bの中央側に位置させている。この配置では、光学シート2を縦置きする場合、光学シート2の長辺側孔2aの各孔は長辺側ピン8Aに対して短辺2Bと平行な方向にも相対移動するので、長辺側孔2aの各孔の寸法を長辺2Aと平行な方向及び短辺2Bと平行な方向の両方でピン8の直径より大きくする必要がある。
【0049】
即ち、長辺側の位置決め孔CY3は、位置決め部ky3に対して近接する長辺2Aとは反対側に隣接させて、長辺2Aと平行な方向及び短辺2Bと平行な方向の寸法がピン8の直径よりも大となる領域ry3を有している。長辺側の支持孔B3,B3は、実施の形態1の縁部fb1と同様な縁部fb3を備え、該縁部fb3とは反対側に、長辺2Aと平行な方向及び短辺2Bと平行な方向の寸法がピン8の直径よりも大となる領域rb3を有している。長辺側の支持孔A3,A3,A3,A3は、実施の形態1の縁部fa1と同様な縁部fa3を備え、該縁部fa3とは反対側に、長辺2Aと平行な方向及び短辺2Bと平行な方向の寸法がピン8の直径よりも大となる領域ra3を有する。領域ry3、領域rb3及び領域ra3は、長辺2Aと平行な方向の寸法が短辺8Bと平行な方向の寸法よりも長く、右下角部を除く角部を円弧状とした長方形に形成してある。
【0050】
また光学シート2を横置きする場合、光学シート2の短辺側孔2bの位置決め孔CT3は短辺側ピン8Bの位置決めピンに対して短辺2Bと平行な方向にも相対移動するので、短辺側孔2bの位置決め孔CT3は、位置決め部kt3に対して近接する短辺2Bとは反対側に隣接させて、長辺2Aと平行な方向及び短辺2Bと平行な方向の寸法がピン8の直径よりも大となる領域rt3を有している。短辺側の支持孔D3,D3,D3…は、実施の形態1の縁部fd1と同様な縁部fd3を備え、該縁部fd3とは反対側に、長辺2Aと平行な方向及び短辺2Bと平行の寸法がピン8の直径よりも大となる領域rd3を有している。
【0051】
図13は本発明に係る液晶表示装置の実施の形態3の光学シート2とピン8との係合位置の移動を示す図である。基本的には、図8に示す実施の形態1の動きと同様であるが、横置きの場合に、短辺側の位置決め孔CT3が位置決めピンSP1に対して、長辺2Aと平行な方向だけでなく短辺2Bと平行な方向にも相対移動し、縦置きの場合に、長辺側の位置決め孔CY3、支持孔B3,B3及び支持孔A3,A3,A3,A3が、係合する各ピンLP1〜13に対して、長辺2Aと平行な方向だけでなく短辺2Bと平行な方向にも相対移動する点が、実施の形態1(図8)と相違する。尚、図13は、横置きの場合では、図12において長辺側の位置決め孔CY3よりも左側に位置する支持孔A3,A3,A3,A3及び支持孔B3,B3の例を示しており、位置決め孔CY3よりも右側の支持孔A3,A3,A3,A3及び支持孔B3,B3の場合は収縮時と膨張時の相対移動の向きは逆になる。また、縦置きの場合では、図12において短辺側の位置決め孔CT3よりも下側に位置する支持孔D3,D3,D3の例を示しており、位置決め孔CT3よりも上側の支持孔D3,D3の場合は収縮時と膨張時の相対移動の向きは逆になる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る液晶表示装置の実施の形態1の全体構成を示す断面図である。
【図2】本発明に係る液晶表示装置の実施の形態1の主要部を示す正面図である。
【図3】図2のIII−III線における断面図である。
【図4】図2のIV−IV線における断面図である。
【図5】本発明に係る液晶表示装置の実施の形態1の光学シートの正面図である。
【図6】本発明に係る液晶表示装置の実施の形態1の光学シートとピンとの係合状態を示す断面図である。
【図7】本発明に係る液晶表示装置の実施の形態1の位置決め孔と位置決めピンとの係合位置の変化を示す図である。
【図8】本発明に係る液晶表示装置の実施の形態1の光学シートとピンとの係合位置の移動を示す図である。
【図9】本発明に係る液晶表示装置の実施の形態2の光学シートの正面図である。
【図10】本発明に係る液晶表示装置の実施の形態2の光学シートとピンとの係合状態を示す断面図である。
【図11】本発明に係る液晶表示装置の実施の形態2の光学シートとピンとの係合位置の移動を示す図である。
【図12】本発明に係る液晶表示装置の実施の形態3の光学シートの正面図である。
【図13】本発明に係る液晶表示装置の実施の形態3の光学シートとピンとの係合位置の移動を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
1 液晶パネル
2 光学シート
2A 長辺
2a 長辺側孔
CY1 位置決め孔
CY2 位置決め孔
CY3 位置決め孔
A1 支持孔
A2 支持孔
A3 支持孔
B1 支持孔
B2 支持孔
B3 支持孔
2B 短辺
2b 短辺側孔
CT1 位置決め孔
CT2 位置決め孔
CT3 位置決め孔
D1 支持孔
D2 支持孔
D3 支持孔
3 バックライト
6 バックライトシャーシ
6b 周縁部
8 ピン
8A 長辺側ピン
8B 短辺側ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形の表示画面を正面に有する液晶パネルと、前記液晶パネルの背面側に配置される長方形の光学シートと、該光学シートを背面側から照射するバックライトとを備え、前記光学シートの周縁部に形成した複数の孔に複数のピンを係合させて前記光学シートを吊り下げ支持する構造を有する液晶表示装置において、
前記複数の孔は、前記光学シートの隣り合う長辺及び短辺の周縁部に各辺に沿って並設された複数の長辺側孔及び複数の短辺側孔を有しており、
前記複数の長辺側孔は、長辺と平行な方向の位置決めをするために長辺と平行な方向の寸法が前記ピンの直径と略同一となる位置決め部を有する位置決め孔と、長辺と平行な方向の寸法が前記ピンの直径より大で、近接する長辺の側に該長辺と平行な縁部を備えた複数の支持孔とを含み、
前記複数の短辺側孔は、短辺と平行な方向の位置決めをするために短辺と平行な方向の寸法が前記ピンの直径と略同一となる位置決め部を有する位置決め孔と、短辺と平行な方向の寸法が前記ピンの直径より大で、近接する短辺の側に該短辺と平行な縁部を備えた複数の支持孔とを含むことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記長辺側孔の位置決め孔は長辺と平行な方向の略中央に位置していることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記短辺側孔の位置決め孔は前記長辺側孔が位置する端部側に位置し、
前記長辺側孔の位置決め孔は、近接する長辺とは反対側に隣接させて、長辺と平行な方向の寸法が前記ピンの直径より大となる領域を有し、
前記短辺側孔の位置決め孔は、近接する長辺の側に隣接させて、長辺と平行な方向の寸法が前記ピンの直径より大となる領域を有し、
前記長辺側孔の支持孔は、前記長辺と平行な縁部とは反対側に、長辺と平行な方向の寸法が前記ピンの直径より大となる領域を有し、前記短辺側孔の支持孔は、前記短辺と平行な縁部とは反対側に、長辺と平行な方向及び短辺と平行な方向の寸法が前記ピンの直径より大となる領域を有していることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記長辺側孔の位置決め孔は、近接する長辺とは反対側に隣接させて、長辺と平行な方向及び短辺と平行な方向の寸法が前記ピンの直径より大となる領域を有し、
前記短辺側孔の位置決め孔は、近接する短辺とは反対側に隣接させて、長辺と平行な方向及び短辺と平行な方向の寸法が前記ピンの直径より大となる領域を有し、
前記長辺側孔の支持孔は、前記長辺と平行な縁部とは反対側に、長辺と平行な方向及び短辺と平行な方向の寸法が前記ピンの直径より大となる領域を有し、
前記短辺側孔の支持孔は、前記短辺と平行な縁部とは反対側に、長辺と平行な方向及び短辺と平行な方向の寸法が前記ピンの直径より大となる領域を有していることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記複数のピンとして、前記長辺側孔の各孔に係合する複数の長辺側ピン、又は、前記短辺側孔の各孔に係合する複数の短辺側ピンを備えていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記複数のピンとして、前記長辺側孔の各孔に係合する複数の長辺側ピン、及び、前記短辺側孔の各孔に係合する複数の短辺側ピンを備えていることを特徴とする請求項3又は4に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記複数のピンは、前記光学シートの背面側に位置して前記バックライトを保持するバックライトシャーシの前面の周縁部に設けてあることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−139572(P2009−139572A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−314987(P2007−314987)
【出願日】平成19年12月5日(2007.12.5)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】