説明

液晶表示装置

【課題】薄型及び/又は大画面であっても輝度むらの少ない液晶表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】液晶表示装置(10)において、像を表示面(22a)に表示する液晶パネル(22)と、並列配置され表示面(22a)の反対側から発光し液晶パネル(22)を照射する複数の線状光源(43)と、線状光源(43)の両端のうち少なくとも一方を支持するとともにこの線状光源(43)の線軸方向に弾性的な伸縮をする支持部材(50)とを、備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直下型方式のバックライトを備える液晶表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、透過型の光変調素子である液晶パネルが、その背面から照射され透過するバックライトの出射光の透過率を制御して、その表示面に画像を形成するものである。
液晶表示装置に適用されるバックライトの照射方式は、エッジライト方式(サイドライト方式、導光板方式ともいう)及び直下型方式の二つに大別される。前者のエッジライト方式は小型の液晶表示装置に多く採用され、後者の直下型方式はテレビ等の大型の液晶表示装置に多く採用されている。そして、直下型方式のバックライトの線状光源としては、線径がコンマ数mmから数mmで線軸に垂直な方向に均等に発光する蛍光管が、広く採用されている。
【0003】
近年、家庭用テレビの薄型化に伴い、バックライトの光源として採用される蛍光管と光拡散手段との間隔が狭く構成されるようになってきている。これにより、蛍光管の発光に伴う発熱によりこの蛍光管が熱膨張して撓みを生じると、局所的に前記光拡散手段に近接する部分が生じ、この近接部分が表示面の輝度むらになり問題となる。
このような問題に対処する従来技術としては、蛍光管の略中央部分を反射シートの側から保持するとともに光拡散手段に先端を当接させる部材を面内に複数配置する構成が公知となっている。このような構成が採用されることにより、当該保持部分において、蛍光管が光拡散手段に近接することは無く輝度むらが発生しにくくなる(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開2006−190602号公報(図2符号10)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液晶表示装置が大画面化するにつれて、使用する蛍光管が長尺化するに従い、その熱膨張に伴う撓み変形量が増大している。しかし、前記した従来技術においては、蛍光管に生じる撓み変形を解消する直接的な方法ではなく、輝度むらの発生防止に限界が存在した。
【0005】
そこで本発明は、前記した問題を解決することを課題とし、液晶表示装置の構成要素である線状光源(蛍光管)の熱膨張をその線軸方向に逃がす構成を具備させて、この蛍光管及び光拡散手段の間隔を広範囲で一定にし、薄型及び/又は大画面であっても輝度むらの少ない液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため本発明は、液晶表示装置において、像を表示面に表示する液晶パネルと、並列配置され前記表示面の反対側から発光し前記液晶パネルを照射する複数の線状光源と、前記線状光源の両端のうち少なくとも一方を支持するとともにこの前記線状光源の線軸方向に弾性的な伸縮をする支持部材とを、備えることを特徴とする。
【0007】
このように発明が構成されることにより、線状光源(蛍光管)がその線軸方向に熱膨張した場合であっても、この線状光源の両端のうち少なくとも一端を支持する支持部材が、同じ方向に変位して線状光源の熱膨張を吸収する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、蛍光管(線状光源)が熱膨張しても撓み変形しないために、この蛍光管及び光拡散手段の間隔が広範囲で一定になり、薄型及び/又は大画面であっても輝度むらの少ない液晶表示装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示されるように、液晶表示装置10は、表示手段20と、光拡散手段30と、照射手段40とが、奥行Zの方向に積層されて構成される。また、図面において、液晶表示装置10は、家庭で使用される一般的なテレビを想定し、液晶パネル22の長手方向を横行X、短手方向を縦行Yとして示している。なお、これらの構成要素を制御及び駆動するための手段並びに回路については、記載を省略している。
【0010】
表示手段20は、正面フレーム21と、液晶パネル22と、中間フレーム23と、係止溝23aとを構成に含み、図示しない視聴者に対向する表示面22aに、静止画や動画の像を表示するものである。
【0011】
正面フレーム21は、剛性の高い鉄やアルミなどの金属からなり、液晶パネル22の表示面22aが露出する矩形の開口を有している。そして、液晶パネル22は、その外周が、中間フレーム23の係止溝23aに係合し、さらに正面フレーム21の開口の周縁に当接することにより、挟持されている。
このようにして、液晶パネル22は、正面フレーム21の開口から露出する表示面22aが、長手方向Xが横行となり短手方向Yが縦行となるように、正面フレーム21に固定され、外力による変形が防止される。
【0012】
中間フレーム23は、樹脂からなり、正面フレーム21の開口に略一致するよう開口が設けられ、この開口を通過する照射手段40からのバックライトの出射光が、液晶パネル22の表示面22aの反対面に照射されるようになっている。
中間フレーム23の開口の周縁に設けられている係止溝23aは、液晶パネル22の外周部分が係止され、中間フレーム23の外周は正面フレーム21の内側面に嵌合するように構成される。これにより、中間フレーム23は、液晶パネル22が正面フレーム21に対して動かないように固定される。
【0013】
液晶パネル22は、一対の透明電極に挟持される液晶が、像を構成する画素単位でバックライトの出射光の透過率を変化させることにより、静止画又は動画の像を表示面22aに形成するものである。
量販品で現在主流となっているTFT(Thin Film Transistor)方式を採用するものでは、透明基板(ガラス板)に格子状に均等配列する電極素子が、電場を制御して液晶の分子配向を変化させ、バックライトの出射光を各画素毎に透過/遮断する構成になっている。
【0014】
光拡散手段30は、光学シート31と光拡散板32とを構成に含み、表示手段20及び照射手段40の間に配置され、照射手段40から照射される光の輝度分布を、均一化させるものである。これにより、表示手段20に照射されるバックライトの出射光の輝度分布が均一化して、表示面22aに輝度むらの少ない像が表示されることになる。
【0015】
光学シート31は、照射手段40から照射される光を拡散して通過させ、バックライトの輝度分布を均一化させるものである。光学シート31は、複数(図では3枚)が積層されることにより、照射手段40からの照射光を繰り返し拡散/反射させてから液晶パネル22に入射させる。これにより、照射手段40からの光の輝度の面内分布が均一化され、正面方向の指向性が付与される。
【0016】
光拡散板32は、例えばアクリルなどの透明でかつ強度の高い樹脂からなり、前記した光学シート31を平面状に支持するものである。つまり光拡散板32は、光学シート31が、自重又は経年変化により湾曲しないようにかつ後記する反射シート42に対して平行を保つように、光学シート31を支持するものである。
【0017】
照射手段40(適宜図2参照)は、背面フレーム41と、反射シート42と、蛍光管43(線状光源)と、管ホルダ44と、電極部(支持部材)50,50と、サイドモールド46,46とを構成に含み、液晶パネル22に照射されるバックライトの光源を構成する。
【0018】
背面フレーム41は、深絞形状の内側に前記した照射手段40の構成要素を収納し、図1の分解斜視図から認められるように、その外縁が光拡散手段30を挟持しつつ表示手段20に当接している。
これにより、反射シート42(及び並列配置する複数の蛍光管43)と液晶パネル22とは、平行に配置され、その間隔が規定されることになる。
そして、この背面フレーム41及び表示手段20は、一般的な螺子止めや図示しない係止部材による嵌め合いにより、分離しないよう固定され一体化している。
【0019】
蛍光管43(線状光源)は、液晶パネル22の長手方向Xに線軸を揃え、複数が短手方向Yに並列配置し表示面22aの反対側から液晶パネル22にバックライトを照射するものである。そして、蛍光管43は、一対の電極部50,50(支持部材)により、その両端が固定されるとともに電力供給を受ける。
本実施形態に適用することができる蛍光管43としては、EEFL型(External Electrode Fluorescent Lamp)の冷陰極管が発熱が少ない点で好適であるが、一般的なCCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)やHCFL(Hot Cathode Fluorescent Lamp)等も採用することがでる。またそのような蛍光管に限定される必要も無く、線状の光源であって、その線軸に垂直な方向に光を照射するものであれば適宜採用することができる。
【0020】
反射シート42は、並列配置する複数の蛍光管43を挟んで液晶パネル22に対向配置され、蛍光管43の発光を液晶パネル22に向かって反射させるものである。
この反射シート42の横行Xに沿う側端は、蛍光管43の発光が光拡散手段30の方向に反射しやすいように斜面を形成し、さらにその先端が背面フレーム41の周縁に架かり光拡散手段30と共に挟持される。
【0021】
サイドモールド46,46は、その表面が蛍光管43の発光を反射するものであって、縦行Yに沿う一端が背面フレーム41の周縁に架かり、光拡散手段30と共に挟持される上面と、この上面からの連続面であって縁端が反射シート42に接するとともに蛍光管43を逃がす切欠を有する傾斜面とから成るものである。
このようにしてサイドモールド46,46は、蛍光管43の両端の連結部分及び電極部50,50の上側を覆うようにして設けられ、当該部分の光拡散手段30の方向に対する光の反射率を向上させるものである。このサイドモールド46,46により、表示面22aの縦行Yに沿う両端の輝度低下が防止される。
【0022】
管ホルダ44は、反射シート42の面上に設けられ、この反射シート42を挟んで背面フレーム41に固定されるものである。このようにして、管ホルダ44は、反射シート42を背面フレーム41に対して固定するとともに、蛍光管43の両端以外の部位を保持するものである。
そのように管ホルダ44が蛍光管43の略中央部分を保持することにより、この蛍光管43が熱膨張してその軸長が一対の電極部50,50の間隔よりも延びることがあっても、円弧状に撓み変形することを防止して、その延びを線軸方向に誘導する。
【0023】
電極部(支持部材)50,50は、図1において二点鎖線で略式に記載されており、蛍光管43の両端を支持するとともに、導電性を有しこの蛍光管43に電力を供給するものである。そして電極部50は、図3(c)にその部分が斜視図で示されるように、保持片51と、固定片52と、伸縮片53とが一枚の板金により連続的に形成された構成を有している。
ところで、本実施形態においては、電極部(支持部材)50,50は、蛍光管43の支持機能と電力供給機能との両機能を具備するものであるが、これら二つの機能をそれぞれ別々の部材に負担させてもよい。以下において、電極部50における蛍光管43の支持機能を中心にして説明を続ける。
【0024】
支持部材50は、その取付態様が、図2に示される照射手段40の開口部分から臨む斜視図のように、蛍光管43の一端を支持するとともにこの蛍光管43の線軸方向に弾性的な伸縮をするものである。
このように支持部材50が構成されることにより、次のような作用が得られる。すなわち、熱膨張等により支持部材50,50の間隔と蛍光管43の軸長とが相対的に変化しても、その寸法変化を支持部材50が伸縮することにより吸収する。
【0025】
これにより、蛍光管43が撓み変形したり過大な引張応力を受けたりすることがなくなり、バックライトの輝度むらを生じさせたり、蛍光管43の耐久性を低下させたりすることがなくなる。
また支持部材50は、後記するように、蛍光管43の線軸方向に初期張力を付与してこの蛍光管43を支持することができるので、蛍光管43の自重による弛みも解消させることができる。
【0026】
ところで前記した構成を有する支持部材(電極部)50により、蛍光管43の両端のうち少なくとも一方が支持されていれば、この蛍光管43長さの相対変化を吸収することができる。よって、図2の背面フレーム41の死角に隠れて図示されない電極部は、従来から使用されている公知のものを採用してもよい。
【0027】
次に、図3を参照して、電極部(支持部材)50について詳細に説明する。
保持片51(51a,51b)は、図3(c)に示されるように、蛍光管43(図2参照)の側周面に着脱自在に外嵌し、蛍光管43の一端を保持するものである。
この保持片51は、打ち抜かれた一枚の板金から形成される切片(図3(a);符号51x指示部分を参照)を変形させて成形される。この切片は、その長手方向を蛍光管43の線軸垂直方向(図中Y軸方向)に揃え、曲率が蛍光管43の側周面の曲率よりも大きくなるように曲げ加工されて保持片51になる。
【0028】
そして、この保持片51は、蛍光管43の側周面に外嵌させると半径方向に弾性的に押し広げられ、復元力によりこの蛍光管43を把持する。
保持片51は、蛍光管43の線軸方向に沿って一定の間隔で複数(図では2個)設けられているほうが、この蛍光管43の軸振れを抑制して固定することが可能になるので望ましいが単数でもよい。
また保持片51は、一の板金から固定片52及び伸縮片53に連続して設けられているほうが生産性の観点から望ましいが、単体で成形された後に伸縮片53に公知の方法で接合させてもよい。
【0029】
固定片52(52a,52b)は、背面フレーム41(図1参照)に固定されることにより、支持部材50を液晶パネル22(図1参照)に対して相対的に固定するものである。
この固定片52には、固定させるのに必要な複数の仮止孔57及び本固定孔58が設けられている。
この固定片52は、その長手方向が蛍光管43の線軸垂直方向(図中Y軸方向)に揃い、この長手方向に沿って複数の保持片51を、伸縮片53を介して支持するものである。
【0030】
また固定片52(52a,52b)は、図中、保持片51を挟んで対向する二つの長尺片から構成されているが、いずれか一方のみの構成でも支持部材50を動作させることができる。そして固定片52(52a,52b)は、一の板金から固定片52及び伸縮片53に連続して設けられているほうが生産性の観点から望ましいが、単体で成形された後に伸縮片53に接合させてもよい。
【0031】
仮止孔57は、後記するが、支持部材50の組付工程で蛍光管43を保持片51に保持させる時の、支持部材50と背面フレーム41との相対位置関係を規定するものである(図6参照)。換言すると、蛍光管43を支持部材50に支持する前に、弾性的に伸縮していない状態の支持部材50を、背面フレーム41に固定する部位である。
【0032】
本固定孔58は、後記するが、支持部材50の組付工程で蛍光管43に初期張力を付与した状態で、支持部材50と背面フレーム41との相対位置関係を規定するものである(図6参照)。換言すると、蛍光管43を支持部材50に支持した後で、弾性的に伸縮している状態の支持部材50を、背面フレーム41に固定する部位である。
【0033】
伸縮片53(53a,53b,53c,53d)は、湾曲面を有し両端が保持片51及び固定片52に連結し、蛍光管43の線軸方向に沿って弾性変位するものである。
この伸縮片53は、打ち抜かれた一枚の板金から形成される切片(図3(a);符号53x指示部分を参照)を塑性変形させて成形される。この切片は、その長手方向を蛍光管43の線軸方向(図中X軸方向)に揃え、曲げ加工又は絞り加工されて伸縮片53になる。
【0034】
そして、この伸縮片53は、蛍光管43の長さと支持部材50,50の間隔とが、熱膨張等により相対変化した場合、この相対変化に追従して弾性変形し、蛍光管43が撓み変形したり過度な張力が付与されないようにする。
伸縮片53は、図中、一つの保持片51a(51b)の両脇に二つに分離した伸縮片53a,53c(53b,53d)が配置する構成になっているが、これら複数の伸縮片53a,53b,53c,53dのうち少なくとも一つが設けられていれば他は存在していなくても支持部材50を動作させることができる。
【0035】
(支持部材の製造方法)
図3(a)〜(c)を参照して支持部材50の製造方法について説明する。
支持部材50を製造する第1工程は、図3(a)に示されるように、符号51xで指示される切片部分、符号53xで指示される切片部分、を残すようにして板金を、打ち抜く。
そして第2工程は、符号53xで指示される切片部分を、図3(b)に示されるように、蛇腹状に塑性変形させて伸縮片53を成形する。
最後の第3工程は、符号51xで指示される切片部分を、図3(c)に示されるように、湾曲状に塑性変形させて保持片51を成形する。
【0036】
(支持部材の組付方法)
図4(a)〜(c)を参照して支持部材50の組付方法について説明する。
電極部50(支持部材)を照射手段40(図1参照)に組み付ける第1工程は、図4(a)に示されるように、支持部材50を、仮止孔57において背面フレーム41(図6参照)の対応する螺子穴に螺子で仮固定する。このように、支持部材50が仮固定された状態で、蛍光管43を保持片51にセットする。
【0037】
次に、図4(b)に示されるように、仮止孔57の螺子を外して仮固定を解除し、固定片52(52a,52b)を外側に移動させる。このとき、保持片51は、蛍光管43に固定されているため移動しないので、伸縮片53が弾性変形して蛍光管43に初期張力が付与されることになる。
最後に、図4(c)に示されるように、支持部材50を、本固定孔58において背面フレーム41(図6参照)の対応する螺子穴に螺子で固定する。これにより、蛍光管43に初期張力が付与された状態で、蛍光管43を支持した支持部材50が背面フレーム41(図1参照)に本固定される。
【0038】
(第2実施形態)
図5を参照して支持部材(電極部)50の第2実施形態の説明をする。
第2実施形態の支持部材50においては、第1実施形態の場合と対比して、保持片51が固定片52の上表面に対して陥没した位置に設けられている点に特徴を有する。なお図5では、固定片52の上表面よりも陥没している部分を、判り易いように砂地模様で表している。
【0039】
このように支持部材50が構成されることにより、保持片51が蛍光管43(図示せず)を保持する保持面Aの一部は、蛍光管43に直近する固定片52の一部Bよりも凹んで位置することになる。これにより、蛍光管43を保持片51に外嵌させると、蛍光管43の側周面の一部が保持面Aに密着するとともに、その側周面の他の部分が直近する固定片52の一部Bに当接することになる。
これにより、蛍光管43は、伸縮片53による支持部材50の板厚方向(図中、Z軸方向)に作用する復元力によって、直近する固定片52の一部Bに押圧されることになる。従って、蛍光管43はその端部が支持部材50によって、軸線方向に伸縮自在でかつ軸径方向の動きが規制されて支持されることになる。
よって、平面上に並列配列する複数の蛍光管43(図1参照)は、対向する光拡散手段30に対し、全面にわたり間隔をむらなく一定にすることができる。
【0040】
(第3実施形態)
図6を参照して支持部材(電極部)の第3実施形態の説明をする。
第3実施形態の支持部材50においては、第1又は第2実施形態の場合と対比して、保持片51に突起55が突出するように設けられている点に特徴を有する。
【0041】
突起55は、保持片51の外表面から背面フレーム41に向かって突起状に突出するように設けられ、案内溝54に係合するものである。
案内溝54は、固定片52が固定される部材(背面フレーム41)に蛍光管43の線軸方向に沿って直線状に設けられ、係合するピン55,55をその溝に沿って案内するものである。
これにより、保持片51,51に揺動するような力が加わっても、蛍光管43の変形はその軸線方向に限定されるので、この蛍光管43の撓み変形が防止される。
【0042】
なお、突起55は、図6中、保持片51の保持面Aを貫通する孔に嵌合するピン形状のものが例示されている。
しかし、突起55は、そのような実施形態に限定されるものでなく、保持片51と一体化し案内溝54に沿って移動可能に係合するものであれば適宜採用することができる。
具体的には、保持片51の一部分をプレス加工して、図6中の下方向に向かって凸状に突出させたものとすることが考えられる。この場合、突起55は、図3(a)に示される板金の打抜工程において、同時に一体的に成形することができるので生産性の観点から好ましいといえる。
【0043】
(第4実施形態)
図7を参照して支持部材(電極部)50の第4実施形態の説明をする。
図7(a)(b)(c)のそれぞれは、製造工程の順番に従って、第4実施形態に係る支持部材(電極部)を図示したものである。
【0044】
支持部材50は、図7(c)にその部分が斜視図で示されるように、保持片51と、固定片52と、伸縮片53と、案内部材56とから構成されている。
第4実施形態の支持部材50においては、第1実施形態の場合と対比して、保持片51(51e)に連結する伸縮片53(53e)が、1個だけ配置され、保持片51及び固定片52の間に位置している点に特徴を有する。
なお第4実施形態の説明において、第1実施形態に共通する事項については対応する構成(符号)についてした説明を援用して記載を省略する。
【0045】
案内部材56は、固定片52が固定される部材(背面フレーム41)に固定され、支持される蛍光管43に遊嵌して、この蛍光管43の変位をその軸線方向にのみ制限するものである。これにより、保持片51eに揺動するような力が加わっても、蛍光管43の変形はその軸線方向に限定されるので、この蛍光管43の撓み変形が防止される。
【0046】
以上の本実施形態の説明において、液晶表示装置10は、家庭で使用される一般的なテレビを想定し、液晶パネル22の長手方向を横行Xにとり、短手方向を縦行Yにとり、蛍光管43(線状光源)の線軸を横行Yに揃えている。
しかし、本発明が適用される液晶表示装置10は、本実施形態に限定されるものでなく、液晶パネル22の短手方向を横行Xにとり長手方向を縦行Yにとる場合もあるし、蛍光管43(線状光源)の線軸を縦行Xに揃える場合もある。また液晶パネル22の形状も図示される長方形に限定されるものでなく任意形状を取り得る。
【0047】
また、蛍光管43の一端を保持する保持片51は、この蛍光管43の側周面を外嵌する構成を有するものを例示しているが、その一端を保持する方法はこのような構成に限定されるものではない。例えば、蛍光管43の端部を加工して被保持部を備えさせ、当該被保持部を保持する構造を取るような場合もあり得る。
そして、伸縮片53は、板金の切片を蛇腹に加工したものを例示したが、これに限定されず、保持片51及び固定片52を弾性的に連結することができるのであれば、適宜採用することができ、コイルバネ等を適用することも可能である。
さらに伸縮片53は、そのバネ係数や弾性変形の線形範囲を最適化するために、その断面の形状、材質、製造方法、数、連結の組み合わせ等は、適宜、設計変更されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る液晶表示装置の実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】支持部材(電極部)の取付態様を照射手段の開口部分から臨む斜視図である。
【図3】第1実施形態に係る支持部材(電極部)を製造する工程を示す図であって、(a)は板金を打ち抜く工程を経た状態を示し、(b)は伸縮片を成形する工程を経た状態を示し、(c)は保持片を成形する工程を経た状態(完成品状態)を示す部分斜視図である。
【図4】支持部材を照射手段に組み付ける工程を示す図であって、(a)は支持部材を仮固定して線状光源(蛍光管)をセットする工程を示し、(b)は仮固定を解除して線状光源に初期張力を付与する工程を示し、(c)は線状光源を支持した支持部材を本固定する工程(完成状態)を示す部分斜視図である。
【図5】支持部材(電極部)の第2実施形態を示す部分斜視図である。
【図6】支持部材(電極部)の第3実施形態を示す部分斜視図である。
【図7】第4実施形態に係る支持部材(電極部)を製造する工程を示す図であって、(a)は板金を打ち抜いた状態を示し、(b)は伸縮片を成形した状態を示し、(c)は保持片を成形し照射手段に組み付けられた状態(完成品状態)を示す部分斜視図である。
【符号の説明】
【0049】
10 液晶表示装置
20 表示手段
22 液晶パネル
22a 表示面
30 光拡散手段
40 照射手段
41 背面フレーム(固定片が固定される部材)
43 蛍光管(線状光源)
44 管ホルダ
50 電極部(支持部材)
51(51a,51b,51c,51d,51e) 保持片
52(52a,52b) 固定片
53(53a,53b,53c,53d,53e) 伸縮片
54 案内溝
55 ピン(突起)
56 案内部材
57 仮止孔
58 本固定孔
A 保持面
B 線状光源に直近する固定片の一部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像を表示面に表示する液晶パネルと、
並列配置され前記表示面の反対側から発光し前記液晶パネルを照射する複数の線状光源と、
前記線状光源の両端のうち少なくとも一方を支持するとともにこの線状光源の線軸方向に弾性的な伸縮をする支持部材とを、備えることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液晶表示装置において、
前記支持部材は、
前記線状光源の一端を保持する保持片と、
前記支持部材を前記液晶パネルに対して相対的に固定する固定片と、
湾曲面を有し両端が前記保持片及び固定片に連結し弾性変位する伸縮片とを、備えることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の液晶表示装置において、
前記伸縮片は、二つに分離して前記保持片の両脇に配置されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の液晶表示装置において、
前記保持片は、前記線状光源の線軸方向に沿って複数が配置されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項5】
請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の液晶表示装置において、
前記保持片が前記線状光源を保持する保持面の一部は、前記線状光源に直近する前記固定片の一部よりも凹んだ位置にあることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項6】
請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の液晶表示装置において、
前記固定片が固定される部材に設けられ前記線状光源の線軸方向に沿う案内溝と、
前記保持片に固定され前記案内溝に案内される突起とを、備えることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項7】
請求項2に記載の液晶表示装置において、
前記伸縮片は、前記保持片及び前記固定片の間に配置されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項8】
請求項7に記載の液晶表示装置において、
前記固定片が固定される部材に設けられ前記線状光源を線軸方向に案内する案内部材を備えることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の液晶表示装置において、
前記線状光源は、線軸方向に初期張力が前記支持部材により付与されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項10】
請求項9に記載の液晶表示装置において、
前記支持部材は、
前記線状光源を支持する前に前記支持部材を弾性的に伸縮させずに固定する仮止孔と、
前記線状光源を支持した後に前記支持部材を弾性的に伸長させた状態で固定する本固定孔とを、備えることを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−98308(P2009−98308A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−268367(P2007−268367)
【出願日】平成19年10月15日(2007.10.15)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】