説明

液晶表示装置

【課題】遮光領域で発生する光損失を低減させ、液晶表示装置の輝度を向上させる。
【解決手段】バックライトモジュール102、第1の透明基板106、第2の基板114及び液晶層110を備える。バックライトモジュール102は、光出射面101を有する。第1の透明基板106は、バックライトモジュール102の光出射面101の一側に配置され、第1の透明基板106の一表面内で光出射面101に隣接した一面に複数の高屈折率領域108が形成され、高屈折率領域108の屈折率は、第1の透明基板106の屈折率よりも大きい。第2の基板114は、第1の透明基板106上に配置され、複数の光透過領域112aを有し、光透過領域112aは、高屈折率領域108に対応した位置に形成されている。液晶層110は、第1の透明基板106と第2の基板114の間に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関し、特に高輝度の液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光電に関する技術が次々と現れている上、デジタル時代の到来により液晶表示装置の市場は大きく発展している。液晶表示装置(Liquid Crystal Display:LCD)は、高画質、小型、軽量、低電圧駆動、低消費電力、さらには広い応用範囲などの長所を備えているため、携帯型テレビ、携帯電話、ノートブック型コンピュータ、デスクトップ型表示装置などの消費者用電子製品やコンピュータ製品に広く利用され、次第に陰極線管(Cathode Ray Tube:CRT)に取って代わり表示装置の主流となっている。
【0003】
液晶自体は発光しないため、表示効果を得るために、バックライトモジュールを使用して光源を提供しなければならなかった。そのため、従来の液晶表示装置は、前端側に液晶表示パネルを有し、後端側にバックライトモジュールを有するバックライト(back−light)型液晶表示装置であるものがほとんどであった。
【0004】
液晶表示装置の設計上、輝度は重要な項目の一つであり、従来、液晶表示装置の輝度を向上させる方法としては、開口率を上げるかバックライトモジュール中で輝度向上用フィルムを使用するしかなかった。しかし、開口率を増大させて液晶表示装置の輝度を向上させる技術を利用した場合、製造工程の難度が高まるだけでなく、コストの負担が増大する問題が発生することもあった。
そして、バックライトモジュール中で多数の光学フィルムを使用して輝度を向上させると、その他の問題が発生することもあった。例えば光線の進行過程において、光線が光学フィルムの部分で吸収され、光線の使用率が下がる上、多数の光学フィルムを使用するために、材料及び組み立てにかかるコストが増大することがあった。また、この光学フィルムは、信頼性テストを行うときに光学フィルムの間に掻き傷が発生して損壊し、コストが増大することがあった。これら光学フィルムの配置が適当でないときは、干渉縞が発生し、モアレ効果(moire effect)により視覚的な欠陥が発生することがあった。
【0005】
上述の欠点を改善するため、液晶表示パネル中の上ガラス基板の表面上にマイクロレンズアレイを製作し、マイクロレンズ(micro lens)の曲面構造により液晶表示装置の輝度を高める技術が開示されている(特許文献1)。
しかしながら、この方法は、マイクロレンズがマイクロスケール以下のサイズである上、表面構造が曲面であるため、製作する際は、制御することが困難であるという最大の難点があった。また、マイクロレンズのサイズ及び構造により制限されるため、マイクロレンズの曲面構造のカーブにより液晶表示装置の輝度を増強させることはできなかった。
【0006】
そのため、コスト負担を下げるとともに製造工程における制御の困難性を抑え、液晶表示装置の輝度を向上させる技術が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6421105号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の第1の目的は、遮光領域で発生する光損失を低減させ、液晶表示装置の輝度を向上させる液晶表示装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、暗い状態における光漏れを有効に低減させ、液晶表示装置のコントラストを高める液晶表示装置を提供することにある。
本発明の第3の目的は、輝度向上用フィルムの使用数量を減らし、コストの負担を低減させる液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明にあっては、バックライトモジュール、高分子膜層及び液晶表示パネルを備えた高輝度の液晶表示装置であって、前記バックライトモジュールは、光出射面を有し、前記高分子膜層は、第1の偏光板上に形成され、前記バックライトモジュールの前記光出射面の一側に配置され、二種類の材料からなり、交互に配置されており、異なる二種類の屈折率をそれぞれ有する複数の高屈折率領域と複数の低屈折率領域とを有し、前記液晶表示パネルは、前記高分子膜層上に配置され、前記高分子膜層中の前記高屈折率領域の上方に形成された複数の光透過領域を有していることを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明にあっては、前記高屈折率領域の屈折率は、1.45から1.80の間であることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明にあっては、前記低屈折率領域の屈折率は、1.25から1.60の間であることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明にあっては、前記高分子膜層の厚さは、5から300μmの間であることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明にあっては、前記高分子膜層の厚さは、100から200μmの間であることを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明にあっては、前記液晶表示パネルは、第1の偏光板と、前記第1の偏光板上に配置された第1の透明基板と、前記第1の透明基板上に配置された第2の基板と、前記第1の透明基板と前記第2の基板の間に配置された液晶層と、前記第2の基板上に配置された第2の偏光板とを備えることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明にあっては、バックライトモジュールと、液晶表示パネルと、二種類の材料からなり、交互に配置されており、異なる二種類の屈折率をそれぞれ有する複数の高屈折率領域及び複数の低屈折率領域を有する高分子膜層と、を備えた液晶表示装置であって、前記高分子膜層は、第1の透明基板に形成され、前記バックライトモジュールと前記液晶表示パネルの間に配置され、前記高分子膜層中の前記高屈折率領域は、前記液晶表示パネルの複数の光透過領域に対応した位置に形成され、前記低屈折率領域は、前記液晶表示パネルの複数の遮光領域に対応した位置に形成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の発明にあっては、前記高屈折率領域の屈折率は、1.45から1.80の間であることを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の発明にあっては、前記低屈折率領域の屈折率は、1.25から1.60の間であることを特徴とする。
【0018】
請求項10記載の発明にあっては、前記高分子膜層の厚さは、5から300μmの間であることを特徴とする。
【0019】
請求項11記載の発明にあっては、前記高分子膜層の厚さは、100から200μmの間であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の液晶表示装置は、遮光領域を通るときに発生する光損失を低減させるだけでなく、光フィールド分布を集中させることにより、液晶表示装置の輝度を向上させることができる。また、本発明の方法を利用すると、暗い状態における光漏れを有効に低減させ、液晶表示装置のコントラストを高めることができる。
【0021】
さらに本発明の方法は、輝度向上用フィルムの使用数量を減らすことにより、コストを低減させることができる。このほか本発明の方法は、低屈折率領域を通る光線を異なる屈折率を有する媒体の界面上で屈折させ、光透過領域に光線を有効に集中させ、液晶表示装置の輝度をさらに向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の好適な一実施形態による液晶表示装置を示す断面図である。
【図1A】本発明の好適な一実施形態による液晶表示装置を示す断面図である。
【図2】本発明のもう一つの実施形態による液晶表示装置を示す断面図である。
【図3】本発明のさらにもう一つの実施形態による液晶表示装置を示す断面図である。
【図4】図1の第1の透明基板を示す部分拡大図である。
【図5】図1の第1の透明基板を示す部分拡大図である。
【図6A】本発明の第1製造方法により透明基板上に高屈折率領域を形成する製造工程を示す断面図である。
【図6B】本発明の第1製造方法により透明基板上に高屈折率領域を形成する製造工程を示す断面図である。
【図6C】本発明の第1製造方法により透明基板上に高屈折率領域を形成する製造工程を示す断面図である。
【図6D】本発明の第1製造方法により透明基板上に高屈折率領域を形成する製造工程を示す断面図である。
【図6E】本発明の第1製造方法により透明基板上に高屈折率領域を形成する製造工程を示す断面図である。
【図7A】本発明の第2製造方法により透明基板上に高屈折率領域を形成する製造工程を示す断面図である。
【図7B】本発明の第2製造方法により透明基板上に高屈折率領域を形成する製造工程を示す断面図である。
【図7C】本発明の第2製造方法により透明基板上に高屈折率領域を形成する製造工程を示す断面図である。
【図7D】本発明の第2製造方法により透明基板上に高屈折率領域を形成する製造工程を示す断面図である。
【図8A】本発明の第3製造方法により透明基板上に高分子膜層を形成する製造工程を示す断面図である。
【図8B】本発明の第3製造方法により透明基板上に高分子膜層を形成する製造工程を示す断面図である。
【図8C】本発明の第3製造方法により透明基板上に高分子膜層を形成する製造工程を示す断面図である。
【図8D】本発明の第3製造方法により透明基板上に高分子膜層を形成する製造工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明がより詳細かつ完全に理解できるように、図面と併せて説明する。
図1を参照する。図1は、本発明の好適な一実施形態による液晶表示装置を示す断面図である。図1に示すように、液晶表示装置100は、バックライトモジュール102、第1の偏光板104、第1の透明基板106、液晶層110、第2の基板114及び第2の偏光板116を備える。
【0024】
バックライトモジュール102は、光出射面101を有する。第1の偏光板104は、バックライトモジュール102の光出射面101の一側に配置されている。第1の透明基板106の一表面には、第1の偏光板104に隣接した一面に複数の高屈折率領域108が形成されている。第2の基板114はカラーフィルタ基板であり、第1の透明基板106と第2の基板114の間には液晶層110が配置されている。
第2の基板114は、光透過領域112a及び遮光領域112bを有し、高屈折率領域108は、光透過領域112aに対応した位置に形成され、光透過領域112aは、高屈折率領域108の上方に形成されている。光透過領域112aから放射される少なくとも三種類の異なる色光には、赤、緑、青の三色光が含まれている。第2の基板114を占有する光透過領域112aの表面積は、第1の透明基板106を占有する高屈折率領域108の表面積と等しいことが好ましい。
【0025】
高屈折率領域108は高分子材料からなることが好ましい。この高屈折率領域108の屈折率は、第1の透明基板106の屈折率よりも大きい。高屈折率領域108の屈折率は、約1.45から1.80の間であり、第1の透明基板106の屈折率は、約1.25から1.60の間であることが好ましい。また、高屈折率領域108の厚さは、好ましくは5から300μmの間であり、さらに好ましくは100から200μmの間であるが、本発明はこれだけに限定されるわけではない。
【0026】
図1Aを参照する。図1Aに示すように、遮光領域112bは、低屈折率領域109に対応した位置に、選択的に形成されてもよいが、本発明はこれだけに限定されるわけではない。この遮光領域112bは、低屈折率領域109の上方に形成されている。
【0027】
図2を参照する。図2は、本発明のもう一つの実施形態による液晶表示装置を示す断面図である。図2に示すように、液晶表示装置200は、バックライトモジュール202、高分子膜層208、第1の偏光板204、第1の透明基板206、液晶層210、第2の基板214及び第2の偏光板216を備える。バックライトモジュール202は、光出射面201を有する。第2の基板214はカラーフィルタ基板であり、第1の透明基板206と第2の基板214の間には液晶層210が配置されている。高分子膜層208は、高屈折率領域208a及び低屈折率領域208bを有し、高屈折率領域208aと低屈折率領域208bとは交互に配置されている。
前述の第2の基板214は、光透過領域212a及び遮光領域212bを含み、高屈折率領域208aは、光透過領域212aに対応した位置に形成され、光透過領域212aは、高分子膜層208中の高屈折率領域208aの上方に形成されている。低屈折率領域208bは、遮光領域212bの領域に対応した位置に形成され、この遮光領域212bは、高分子膜層208中の低屈折率領域208bの上方に配置されている。第2の基板214を占有する光透過領域212aの表面積は、高分子膜層208を占有する高屈折率領域208aの表面積と等しいことが好ましい。
【0028】
高分子膜層208は、高分子材料からなることが好ましい。また、高分子膜層208の厚さは、好ましくは5から300μmの間であり、さらに好ましくは100から200μmの間である。高屈折率領域208aの屈折率は、1.45から1.80の間であることが好ましく、低屈折率領域208bの屈折率は、1.25から1.60の間であることが好ましい。
他の実施形態では、光線の利用率を向上させるために、第1の偏光板204の屈折率は、高屈折率領域208aの屈折率よりも大きいことが好ましいが、本発明はこれだけに限定されるわけではない。
【0029】
図3を参照する。図3に示すように、本発明のもう一つの実施形態では、第1の透明基板206と第1の偏光板204の間に高分子膜層208を形成してもよいが、本発明はこれだけに限定されるわけではない。
【0030】
本実施形態の光線は、異なる屈折率を有する媒体の界面上において、スネルの法則(Snell's Law)により、入射光が異なる屈折率を有する媒体の界面上を通過すると、反射現象により液晶表示パネルの光透過領域中へ光線を反射させるため、光線の使用率が向上する。図4及び図5を参照する。
図4及び図5は、図1の第1の透明基板106上に形成された高屈折率領域108を示す部分拡大図である。図4に示すように、高屈折率領域108の屈折率はn1であり、第1の透明基板106の屈折率はn2であり、高屈折率領域108と第1の透明基板106との接触界面は接触面107であり、入射角はθ1であり、屈折角はθ2である。
高屈折率領域108の屈折率n1は、第1の透明基板106の屈折率n2よりも大きい。そのため、数式(1)のスネルの法則により、入射光103が高屈折率領域(高密度の媒体)108から第1の透明基板106(低密度の媒体)へ進行すると、屈折角θ2は入射角θ1よりも大きくなる。そして屈折角θ2が90度に等しいときは、屈折後の光線105が接触面107上を進行する。この際、入射角θ1は全反射の臨界角θCという。そのため、スネルの法則の数式(1)は数式(2)のように書き換えることができる。
【0031】
(数1)
n1×sinθ1=n2×sinθ2数式(1)
【0032】
(数2)
θC=sin−1(n2/n1)数式(2)
【0033】
数式(2)から理解できるように、入射角θ1が全反射の臨界角θCよりも大きいとき、全反射の現象が発生し、図5に示すように、接触面107上で光線105aが反射される。
【0034】
図1、図4及び図5を同時に参照する。図1、図4及び図5に示すように、まずバックライトモジュール102から放射された光線は、第1の偏光板104に入る。続いて、高屈折率領域108に入射光103が入ると、接触面107上で光線105が反射される。
その後、光線105は、高屈折率領域108及び第1の透明基板106の界面を進んで通り、液晶層110及び第2の基板114中の光透過領域112a、第2の基板114及び第2の偏光板116を順次進行する。
この状態は、全反射された臨界角θCの状態と同じである。入射光103aが全反射であるとき、全反射された光線105aは、第2の基板114の光透過領域112aを通過するため、液晶表示装置の輝度が向上する。
【0035】
さらに詳細には、本実施形態の光線は、異なる屈折率を有する媒体の界面上において、スネルの法則により、入射光が異なる屈折率を有する媒体の界面上を通過すると、反射現象により液晶表示パネルの光透過領域112a中へ光線が反射されるため、第2の基板114の遮光領域112bを通る光線損失が低減される。そのため、光線の使用率が向上するとともに液晶表示装置の輝度が向上する。
【0036】
また、本発明の方法では、屈折率が低い第1の透明基板106へ入射光103bを透過させ、異なる屈折率を有する媒体の界面(例えば、高屈折率領域108及び第1の透明基板106の界面)上に屈折効果を発生させ、第2の基板114の光透過領域112aに光線105bを有効に集中させることにより、液晶表示装置の輝度をさらに向上させてもよい。
【0037】
以下、本発明の好適な実施形態により高屈折率領域の製造方法を詳しく説明するが、本発明の製造方法はこれだけに限定されるわけではない。
【0038】
(第1製造方法)
図6Aから図6Eを参照する。図6Aから図6Eは、本発明の第1製造方法により、透明基板上に高屈折率領域を形成する製造工程を示す断面図である。図6Aに示すように、透明基板402を準備し、透明基板402上にレジスト層404を形成する。
続いて図6Bに示すように、レジスト層404に対してフォトリソグラフィ工程を行い、パターニングされたレジスト層406を形成する。さらに図6Cに示すように、パターニングされたレジスト層406により覆われていない透明基板402をエッチングし、透明基板402上に凹部408を形成する。この凹部408は、第2の基板の光透過領域(図示せず)に対応した位置に形成されている。その後、パターニングされたレジスト層406を除去する。
【0039】
次に図6Dに示すように、スピンコート法により、凹部408の内側と透明基板402上とに高分子材料410を形成する。この高分子材料410の屈折率は、透明基板402の屈折率よりも大きい。
続いて、高分子材料410へ紫外線を照射し、高分子材料410を硬化させる。続いて図6Eに示すように、エッチング工程及び研磨工程を行い、透明基板402の表面を平坦にするとともに、複数の高屈折率領域412を形成する。これにより、高屈折率領域412は透明基板上に形成される。
【0040】
或いは、必要に応じて透明基板上に複数の低屈折率領域を形成してもよいが、本発明はこれだけに限定されるわけではない。この低屈折率領域は、第2の基板の遮光領域に対応した位置に形成されている。
【0041】
(第2製造方法)
図7Aから図7Dを参照する。図7Aから図7Dは、本発明の第2製造方法により透明基板上に高屈折率領域を形成する製造工程を示す断面図である。図7Aに示すように、透明基板502上にレジスト層(図示せず)を形成してから、レジスト層にフォトレジスト工程を行い、パターニングされたレジスト層504を形成する。
図7Bに示すように、パターニングされたレジスト層504により覆われていない透明基板502をエッチングし、透明基板502上に凹部506を形成する。凹部506は、第2の基板の光透過領域(図示せず)に対応した位置に形成されている。その後、パターニングされたレジスト層504を除去する。
【0042】
図7Cに示すように、偏光板508上には一層の粘着層510が塗布されている。粘着層510は、高分子材料からなることが好ましい。粘着層510の厚さは、好ましくは5から300μmの間であり、さらに好ましくは100から200μmの間である。また、粘着層510の屈折率は、透明基板502の屈折率よりも大きい。その後、図7Dに示すように、粘着層510を介し、偏光板508と透明基板502とを接着させる。これにより、透明基板上には高屈折率領域512が形成される。
【0043】
或いは、必要に応じて透明基板上に複数の低屈折率領域を形成してもよいが、本発明はこれだけに限定されるわけではない。この低屈折率領域は、第2の基板の遮光領域に対応した位置に形成されてもよい。
【0044】
(第3製造方法)
図8Aから図8Dを参照する。図8Aから図8Dは、本発明の第3製造方法により、透明基板上に高分子膜層を形成する製造工程を示す断面図である。図8Aに示すように、まず、透明基板602を準備する。続いて図8Bに示すように、透明基板602上に高分子膜層604を形成する。上述の高分子膜層604の形成方法では、スピンコート法を用いることが好ましいが、本発明はこれだけに限定されるわけではない。
【0045】
続いて、図8Cに示すように、フォトマスク606及び紫外線608を利用し、高分子膜層604に対して露光を行い、図8Dに示すような高屈折率領域604a及び低屈折率領域604bを形成する。この高分子膜層604は、露光時間及び露光強度を制御し、屈折率が異なる高屈折率領域604a及び低屈折率領域604bを得る。
これにより、透明基板上に高屈折率領域及び低屈折率領域を形成する。或いは、偏光板上に高分子膜層を形成し、偏光板上に高屈折率領域及び低屈折率領域を形成してもよいが、本発明はこれだけに限定されるわけではない。
【0046】
当該分野の技術を熟知するものが理解できるように、本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と範囲を脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0047】
100 液晶表示装置
101 光出射面
102 バックライトモジュール
103 入射光
103a 入射光
103b 入射光
104 第1の偏光板
105 光線
105a 光線
105b 光線
106 第1の透明基板
107 接触面
108 高屈折率領域
109 低屈折率領域
110 液晶層
112a 光透過領域
112b 遮光領域
114 第2の基板
116 第2の偏光板
200 液晶表示装置
201 光出射面
202 バックライトモジュール
204 第1の偏光板
206 第1の透明基板
208 高分子膜層
208a 高屈折率領域
208b 低屈折率領域
210 液晶層
212a 光透過領域
212b 遮光領域
214 第2の基板
216 第2の偏光板
402 透明基板
404 レジスト層
406 パターニングされたレジスト層
408 凹部
410 高分子材料
412 高屈折率領域
502 透明基板
504 パターニングされたレジスト層
506 凹部
508 偏光板
510 粘着層
512 高屈折率領域
602 透明基板
604 高分子膜層
604a 高屈折率領域
604b 低屈折率領域
606 フォトマスク
608 紫外線
n1 屈折率
n2 屈折率
θ1 入射角
θ2 屈折角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックライトモジュール、高分子膜層及び液晶表示パネルを備えた高輝度の液晶表示装置であって、
前記バックライトモジュールは、光出射面を有し、
前記高分子膜層は、第1の偏光板上に形成され、前記バックライトモジュールの前記光出射面の一側に配置され、二種類の材料からなり、交互に配置されており、異なる二種類の屈折率をそれぞれ有する複数の高屈折率領域と複数の低屈折率領域とを有し、
前記液晶表示パネルは、前記高分子膜層上に配置され、前記高分子膜層中の前記高屈折率領域の上方に形成された複数の光透過領域を有していることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記高屈折率領域の屈折率は、1.45から1.80の間であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記低屈折率領域の屈折率は、1.25から1.60の間であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記高分子膜層の厚さは、5から300μmの間であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記高分子膜層の厚さは、100から200μmの間であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記液晶表示パネルは、
第1の偏光板と、
前記第1の偏光板上に配置された第1の透明基板と、
前記第1の透明基板上に配置された第2の基板と、
前記第1の透明基板と前記第2の基板の間に配置された液晶層と、
前記第2の基板上に配置された第2の偏光板と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
バックライトモジュールと、液晶表示パネルと、二種類の材料からなり、交互に配置されており、異なる二種類の屈折率をそれぞれ有する複数の高屈折率領域及び複数の低屈折率領域を有する高分子膜層と、を備えた液晶表示装置であって、
前記高分子膜層は、前記液晶表示パネルの第1の透明基板に形成され、前記バックライトモジュールと前記液晶表示パネルの間に配置され、前記第1の透明基板と第1の偏光板の間に配置され、
前記高分子膜層中の前記高屈折率領域は、前記液晶表示パネルの複数の光透過領域に対応した位置に形成され、
前記低屈折率領域は、前記液晶表示パネルの複数の遮光領域に対応した位置に形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項8】
前記高屈折率領域の屈折率は、1.45から1.80の間であることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記低屈折率領域の屈折率は、1.25から1.60の間であることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記高分子膜層の厚さは、5から300μmの間であることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
前記高分子膜層の厚さは、100から200μmの間であることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。


【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【公開番号】特開2011−39566(P2011−39566A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262505(P2010−262505)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【分割の表示】特願2007−71217(P2007−71217)の分割
【原出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【出願人】(504011210)エーユー オプトロニクス コーポレイション (36)
【氏名又は名称原語表記】AU Optronics Corp.
【Fターム(参考)】