説明

液晶表示装置

【課題】光源の数を低減しながら、表示画面のコントラストを向上できる液晶表示装置を提供する。
【解決手段】バックライトユニットに設けられた光源領域の長さ方向に対して直交する方向での当該光源領域の幅は、液晶パネルの前記直交する方向(光源領域の幅方向)での幅よりも小さい。複数のLEDモジュール41は光源領域の長さ方向に沿って並んでいる。LEDモジュール41には、光源領域の幅方向に広がる液晶パネル上の領域が割り当てられている。LEDモジュール41には、光を領域に向けて広げるためのレンズが配置されている。制御装置は、複数のLEDモジュール41を別個に又は前記複数のLEDモジュール41を複数のグループに分けて制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示装置に関し、特に、バックライトユニットの光源の数を低減しながら、表示画面のコントラストを向上する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1は、直下型バックライトユニットを有する液晶表示装置を開示している。液晶表示装置では、複数のLED(Light Emitting Diord)が、バックライトユニットの光源として利用されている。LEDはバックライトユニットの全域に格子状に配置されている。また、このバックライトユニットは、表示画面におけるコントラストの向上等を目的として、LEDのエリア制御を実行している。すなわち、液晶パネルが複数の部分領域に区画されており、部分領域毎にLEDの輝度が制御されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−286627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、バックライトユニットの全域にLEDが配置されているため、多くのLEDが必要となり、コスト面で好ましくない。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、バックライトユニットの光源の数を低減しながら、表示画面のコントラストを向上できる液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る液晶表示装置は、液晶パネルと、前記液晶パネルの裏面と向き合う光源領域と前記光源領域に配置される複数の光源とを有するバックライトユニットと、前記複数の光源の輝度を制御する制御装置と、を有する。前記光源領域の長さ方向に対して直交する方向での前記光源領域の幅は、前記液晶パネルの前記直交する方向での幅よりも小さい。前記複数の光源は前記光源領域の前記長さ方向に沿って並んでいる。前記複数の光源のそれぞれには、前記光源領域の前記長さ方向に直交する方向に広がる前記液晶パネル上の領域が割り当てられており、前記複数の光源上には、各光源の光を前記液晶パネル上の前記領域に向けて広げるためのレンズが配置されている。前記制御装置は前記複数の光源を別個に又は前記複数の光源を複数のグループに分けて制御する。
【0007】
本発明によれば、光源の数を低減しながら、表示画面のコントラストを向上できる。
【0008】
また、本発明の一態様では、前記レンズは、前記複数の光源の光を、前記光源領域の前記長さ方向に対して直交する方向に重点的に広げるよう形成されてもよい。この態様によれば、各光源に割り当てられた領域に向けられる光量が確保し易くなる。
【0009】
この態様では、前記レンズは第1のレンズと第2のレンズとを含んでもよい。そして、前記第1のレンズは前記光源領域に対して一方側に前記光源の光を重点的に広げるよう形成され、前記第2のレンズは、前記光源領域に対して他方側に前記光源の光を重点的に広げるよう形成されてもよい。この態様によれば、1つの光源に割り当てられる液晶パネル上の領域を小さくでき、各領域の輝度を向上できる。
【0010】
また、本発明の一態様では、前記光源領域は、前記光源領域の長さ方向に対して直交する方向における前記液晶パネルの中央部と、正対するよう配置されてもよい。この態様によれば、光源の数をより低減し易くなる。この態様においては、前記光源領域と前記液晶パネル間に、複数枚の光学シートが配置されてもよい。こうすることによって、光源領域に配置された複数の光源の光を液晶パネルの広い範囲に広げ易くなる。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記光源領域の前記液晶パネルの対向する面と反対側の面に反射シートが配置され、前記反射シートは、前記光源領域の長さ方向に対して直交する方向での断面形状が、湾曲してもよい。この態様によれば、光源の光を液晶パネルに向け易くなる。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記光源領域上の前記光源は、一列に配列されてもよい。この態様によれば、確実に光源の数を減らすことができる。
【0013】
また、本発明の一態様では、前記光源領域上の前記光源は、二列に配列されてもよい。この態様によれば、確実に光源の数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の構成を示す図である。
【図2】上記液晶表示装置が備える液晶パネル及びバックライトユニットの概略断面図である。
【図3】上記液晶表示装置が有するバックライトユニットの正面図である。
【図4】上記液晶表示装置が有するバックライトユニットに設けられた基板(光源領域)の正面図である。
【図5】上記バックライトユニットのLEDモジュール上に配置されたレンズの斜視図である。
【図6】図4に示すVI−VI線での断面図である。
【図7】図4に示すVII−VII線での断面図である。
【図8】上記液晶表示装置が備える制御装置の機能を示すブロック図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係る液晶表示装置が備える基板の平面図である。
【図10】図9に示すX−X線での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態の例である液晶表示装置1の構成を表す図である。図2は液晶表示装置1が備える液晶パネル2及びバックライトユニット4の概略断面図である。図3は液晶表示装置1が有するバックライトユニット4の正面図であり、図4はバックライトユニット4に設けられた基板(光源領域)42の正面図である。
【0016】
図1及び図2に示すように、液晶表示装置1は、制御装置10と、液晶パネル2と、液晶パネル駆動回路3とを含んでいる。液晶パネル駆動回路3は走査線駆動回路31と映像線駆動回路32とを含んでいる。また、液晶表示装置1は、バックライトユニット4と、バックライト駆動回路5とを有している。
【0017】
液晶パネル2は矩形であり、当該液晶パネル2の左右方向の幅(図3に示すX1−X2方向)は、上下方向(図3に示すY1−Y2方向)の幅よりも大きい。
【0018】
液晶パネル2は一対の透明基板(具体的にはガラス基板)21a,21bを有している(図2参照)。一方の基板(以下、TFT基板という)21aには複数の映像信号線Xと複数の走査信号線Yとが形成されている。映像信号線Xと走査信号線Yは互いに直交しており、格子状に形成されている。隣接する2つの映像信号線Xと隣接する2つの走査信号線Yとによって囲まれた領域が1つの画素となっている。また、各画素には薄膜トランジスタ(TFT、Thin Film Transistor(不図示))が設けられている。TFTは走査信号線Yから入力される走査信号によってオン状態となり、各画素の電極に映像信号線Xを介して印加された電圧(各画素の階調値を表す信号)を加える。
【0019】
他方の基板21bにはカラーフィルタが形成されている。2つの基板21a,21bの間に液晶(不図示)が封入されている。液晶パネル2の表示面と表示面とは反対側の面である裏面には偏光フィルタ(不図示)が貼り付けられている。
【0020】
制御装置10には、不図示のチューナやアンテナで受信した映像データや、映像再生装置など別の装置が生成した映像データが入力される。制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Randam Access Memoly)などのメモリとを備えている。制御装置10は入力された映像データに対して色調整などの各種画像処理を行い、各画素の階調値を示す映像信号を生成する。制御装置10は生成した映像信号を映像線駆動回路32に出力する。また、制御装置10は入力された映像データに基づいて、映像線駆動回路32、走査線駆動回路31、バックライト駆動回路5が同期を取るためのタイミング信号を生成し、各駆動回路に向けて出力する。
【0021】
また、後述するようにバックライトユニット4には複数のLEDモジュール(光源)41が設けられている(図4参照)。制御装置10は入力される映像データに基づいてLEDモジュール41の輝度を制御するための信号を生成する。そして、制御装置10は当該生成した信号をバックライト駆動回路5に向けて出力する。本実施形態では、制御装置10は、複数のLEDモジュール41を別個に又は複数のLEDモジュール41を複数のグループに分けて制御する。制御装置10によるLEDモジュール41の制御については後において詳説する。
【0022】
走査線駆動回路31はTFT基板21aに形成された走査信号線Yに接続されている。走査線駆動回路31は制御装置10から入力されるタイミング信号に応じて走査信号線Yを順番に選択し、選択した走査信号線Yに電圧を印加する。走査信号線Yに電圧が印加されると、当該走査信号線Yに接続されたTFTがオン状態となる。
【0023】
映像線駆動回路32はTFT基板21aに形成された映像信号線Xに接続されている。映像線駆動回路32は走査線駆動回路31による走査信号線Yの選択に合わせて、当該選択された走査信号線Yに設けられるTFTのそれぞれに、各画素の階調値を表す映像信号に応じた電圧を印加する。
【0024】
バックライトユニット4は液晶パネル2の裏面側に配置されている。バックライトユニット4も矩形であり、その大きさは液晶パネル2に相応している。液晶パネル2と同様に、バックライトユニット4の左右方向の幅は、その上下方向の幅よりも大きくなっている。
【0025】
図2又は図4に示すように、バックライトユニット4は複数のLEDモジュール(光源)41を有しており、液晶パネル2の裏面にその光を当てる。各LEDモジュール41はLEDチップ(発光素子)や、LEDチップの光を反射するリフレクター、LEDチップを封入するとともに光透過性を有する封入樹脂などを含んでいる。
【0026】
図3又は図4に示すように、バックライトユニット4は複数のLEDモジュール41が実装された細長い基板(光源領域)42を有している。複数のLEDモジュール41は基板42の長さ方向に整列している。ここで説明する例では、複数のLEDモジュール41は基板42の長さ方向に一列で並んでいる。基板42はガラスエポキシや紙フェノール、紙エポキシなど絶縁性の基材によって形成されている。バックライトユニット4は直下型バックライトユニットであり、基板42は液晶パネル2の裏面と向き合うように配置されている。
【0027】
基板42の長さ方向(X1−X2方向)に直交する方向(Y1−Y2方向、以下において基板42の幅方向とする)での当該基板42の幅は、基板42の幅方向における、液晶パネル2やバックライトユニット4の幅よりも小さい。特にこの例では、基板42は帯状に形成され、基板42の幅方向でのその幅は、液晶パネル2やバックライトユニット4の当該幅方向での幅の半分よりも小さい。
【0028】
図3に示すように、基板42は、その長さ方向が液晶パネル2の縁に沿った方向となるように、配置されている。ここで説明する例では、基板42は左右方向に細長く、基板42の長さ方向は液晶パネル2の上下の縁に沿った方向である。また、基板42はバックライトユニット4の上下方向の概ね中央部に配置されている。換言すると、バックライトユニット4の上下方向の中央部にのみ光源領域が設けられ、それ以外の部分には光源領域は設けられていない。その結果、液晶パネル2は、その上下方向の中央部に、LEDモジュール41と正対する領域(LEDモジュール41と正対する領域、以下、対向領域)を有している。また、液晶パネル2は、その上部及び下部に、正対するLEDモジュール41が存在しない領域(以下、非対向領域)を有している。各非対向領域の上下方向の幅W2は対向領域の幅W1よりも大きくなっている。
【0029】
図2に示すように、バックライトユニット4は当該バックライトユニット4の背面を構成する筐体49を有している。この例の筐体49はその上下方向の中央が後方に向けて膨らむように湾曲している。基板42は筐体49によって支持されている。具体的には、基板42は取付板48に取り付けられ、取付板48が筐体49の内側に固定されている。
【0030】
バックライトユニット4はさらに反射シート43を有している。反射シート43は、その平面視では、液晶パネル2に相応した大きさの矩形である。また、この例の反射シート43は、その上下方向の中央が後方に向かって膨らむように、湾曲又は折れ曲げられている。反射シート43も筐体49に収容されている。
【0031】
LEDモジュール41は反射シート43の前面(反射面)側に位置している。そのため、LEDモジュール41の光は直接的に液晶パネル2に向けて射出されるだけでなく、反射シート43の前面で液晶パネル2の裏面に向けて反射される。
【0032】
図2に示すように、反射シート43は、LEDモジュール41が配置された基板42の上側及び下側に斜面43cを有している。斜面43cは基板42から上方又は下方に広がるとともに前方に傾斜している。
【0033】
基板42は反射シート43の裏面に位置している。反射シート43はLEDモジュール41の位置を避けるように形成されている。具体的には反射シート43には複数の孔が形成されている。反射シート43は基板42の表面に重ねられ、各LEDモジュール41は反射シート43に形成された孔の内側に位置している。
【0034】
また、図2に示すように、バックライトユニット4は複数の光学シート47を有している。光学シート47はLEDモジュール41と液晶パネル2との間に位置している。光学シート47はLEDモジュール41の光を拡散させる拡散シートや、プリズムシートなどである。
【0035】
図4に示すように、バックライトユニット4はLEDモジュール41とは別体のレンズ45を有している。図5はレンズ45の斜視図であり、図6は図4に示すVI−VI線での断面図であり、図7は図4に示すVII−VII線での断面図である。
【0036】
レンズ45はLEDモジュール41上に配置されており、LEDモジュール41の光はレンズ45に入射する。LEDモジュール41の光はレンズ45を透過し、液晶パネル2の裏面に向けて放出される。この例では、LEDモジュール41のそれぞれにレンズ45が配置されている。レンズ45は、平面視でLEDモジュール41よりも大きく、LEDモジュール41を覆うように配置されている。
【0037】
LEDモジュール41の光の発散角度(射出角度の範囲、例えば図6においてθ1)は、レンズ45によって広げられる。発散角度は、各LEDモジュール41の光の広がりを表す角度である。発散角度は、例えば、LEDモジュール41の光軸(図6及び図7において直線L1、LEDモジュール41の中心を通り基板42に垂直な直線)に対する角度である。
【0038】
図3に示すように、液晶パネル2は複数の部分領域Eに区画されている。各LEDモジュール41には、いずれかの部分領域Eが割り当てられている。すなわち、各LEDモジュール41には、その光を向けるべき部分領域Eが対応付けられている。1つの部分領域Eには1つのLEDモジュール41が対応付けられてもよいし、複数のLEDモジュール41が対応付けられてもよい。
【0039】
図3に示すように、部分領域Eは基板42の幅方向に広がった領域である。図3の例では、部分領域Eは、基板42の幅方向(この例では上下方向)に細長い略矩形の領域である。上述したように複数のLEDモジュール41は基板42の長さ方向(この例では左右方向)に整列している。複数の部分領域Eも、LEDモジュール41の配置に合わせて、基板42の長さ方向に並んでいる。なお、部分領域Eの形状は図3に示す形状に限られない。例えば、基板42から離れるにしたがって部分領域Eの幅は徐々に大きくなってもよい。また、部分領域Eは隣接する部分領域Eと重なる部分を有するように規定されてもよい。
【0040】
レンズ45は、LEDモジュール41の光を、当該LEDモジュール41に割り当てられた部分領域Eに向けて重点的に広げる。すなわち、レンズ45は、図6及び図7に示すように、LEDモジュール41の光の発散角度を、その光軸L1を中心とする全半径方向に均等に広げるのではなく、部分領域Eに向いた方向に偏って広げる。ここで説明する例では、部分領域Eは上下方向に細長い領域である。そのため、レンズ45は光の発散角度を上下方向に重点的に広げ、基板42に対して上側と下側とに向けて光を重点的に射出する。その結果、上下方向での光の発散角度(図6においてθ2)は、他のいずれの方向に広げられる発散角度(例えば、左右方向での発散角度(図7においてθ3))よりも大きくなっている。
【0041】
レンズ45から上方又は下方に向けて射出された光は、反射シート43の斜面43cで反射し、正対するLEDモジュール41が存在しない液晶パネル2上の領域(例えば部分領域Eの端部)に照射される。
【0042】
図5に示すように、レンズ45の光射出面(上面)45aは凸状に形成された湾曲面である。光射出面45aは、レンズ45の頂部から上方又は下方に広がるとともに徐々に基板42に近づく斜面を含んでいる。この光射出面45aは、左右方向に平行な直線の平行移動によって形成できる面である。また、レンズ45は互いに反対方向に向いた一対の側面45bを有している(図7参照)。側面45bは光射出面45aの左右の縁から基板42に向かって下がっている。この例では、側面45bは基板42に対して垂直に形成された平らな面であり、LEDモジュール41の光軸と概ね平行となっている。そのため、基板42の長さ方向への発散角度の拡大が抑えられている。また、レンズ45は、平面視においては、上下方向に細長い略矩形を呈している。なお、レンズ45の形状はこれに限られない。例えば、レンズ45は、上下方向に細長い楕円形に形成されてもよい。
【0043】
制御装置10は当該制御装置10に入力された映像データに基づいてLEDモジュール41の輝度を制御する。本実施形態では、上述したように、各部分領域Eに1つ又は複数のLEDモジュール41が対応付けられている。制御装置10は、LEDモジュール41毎に或いは部分領域Eに対応付けられた複数のLEDモジュール41毎に輝度を制御する。すなわち、制御装置10は、各部分領域Eに1つのLEDモジュール41が対応付けられている場合には、複数のLEDモジュール41を別個に制御する。また、制御装置10は、各部分領域Eに複数のLEDモジュール41が対応付けられている場合には、各部分領域Eに対応付けられた複数のLEDモジュール41を1つのグループとし、グループ毎に輝度を制御する。
【0044】
以下、制御装置10が実行する処理の例について説明する。図8は制御装置10の機能を示すブロック図である。図8に示すように、制御装置10は、輝度レベル算出部10aと、制御信号生成部10bとを含んでいる。
【0045】
輝度レベル算出部10aは、制御装置10に入力された映像データに基づいて、各部分領域Eに対応付けられている1又は複数のLEDモジュール41に求められる輝度レベルを算出する。輝度レベル算出部10aは、この処理を部分領域Eのそれぞれについて実行する。
【0046】
例えば、輝度レベル算出部10aは、制御装置10に入力された映像データに基づいて、部分領域Eを構成する複数の画素の階調値の最大値を算出する。輝度レベル算出部10aは、算出した最大値に基づいて、当該部分領域Eに対応付けられているLEDモジュール41に必要な輝度レベルを算出する。輝度レベル算出部10aは、例えば最大値が大きくなるほど、LEDモジュール41の輝度レベルを高くする。
【0047】
また、他の例では、輝度レベル算出部10aは、制御装置10に入力された映像データに基づいて、部分領域Eにある複数の画素の階調値の平均値を算出する。そして、制御装置10は、この平均値から、当該部分領域Eに対応付けられているLEDモジュール41に必要な輝度レベルを算出する。輝度レベル算出部10aは、例えば平均値が大きくなるほど、LEDモジュール41の輝度レベルを高くする。
【0048】
また、輝度レベル算出部10aは、部分領域Eを構成する画素の階調値だけでなく、LEDモジュール41から各画素までの、部分領域Eの長さ方向での距離(換言すると、基板42の幅方向の中心線から各画素までの距離)に基づいて、LEDモジュール41に求められる輝度レベルを算出してもよい。こうすることにより、LEDモジュール41から遠い位置にある領域が明るい場合に、その領域にも適切な量の光を照射できる。
【0049】
例えば、輝度レベル算出部10aは、各画素の階調値をLEDモジュール41から当該画素までの距離で重み付した上で、1つの部分領域Eを構成する画素の階調値の平均値(加重平均値)を算出する。すなわち、輝度レベル算出部10aは各画素の階調値にLEDモジュール41から当該画素の距離に応じた係数を乗じ、それにより得られた値の平均値を算出する。この係数は、例えば、LEDモジュール41からの距離に応じて大きくなるよう規定される。そして、輝度レベル算出部10aは、その加重平均値に基づいて、LEDモジュール41に求められている輝度レベルを算出する。輝度レベル算出部10aは、例えば加重平均値が大きくなるほど、LEDモジュール41の輝度レベルを高くする。
【0050】
また、他の例では、輝度レベル算出部10aは、各部分領域Eを構成する画素の階調値をLEDモジュール41から各画素までの距離で重み付し、それにより得られた値の中で最大値を算出してもよい。そして、輝度レベル算出部10aは、その最大値に基づいてLEDモジュール41に求められている輝度レベルを算出してもよい。輝度レベル算出部10aは、例えば最大値が大きくなるほど、LEDモジュール41の輝度レベルを高くする。
【0051】
なお、距離に応じた重み付けは、必ずしも画素毎に行われなくてもよい。例えば、1つの部分領域Eは、LEDモジュール41からの距離に応じて、さらに複数の小領域に区画されてもよい。そして、小領域を構成する複数の画素からなる画素群毎に階調値の重み付けしてもよい。すなわち、1つの小領域を構成する複数の画素の階調値は、共通の係数で重み付けしてもよい。こうすることで、輝度レベルを算出する際の処理負荷を軽減できる。
【0052】
各画素の画像データに応じてLEDモジュール41の輝度を調整する画像処理はローカルディミング或いはエリア制御と呼ばれている。黒映像を表示する際にLEDが点灯していると、液晶パネルからの光漏れが生じるため、表示画面のコントラストが数1000:1程度に留まる。これに対して、ローカルディミングによれば、黒映像を表示する際に、黒を示す画像データに応じてLEDモジュール41の輝度を低減するのでコントラストを数万:1以上にできる。さらにLEDモジュール41の輝度を低減するので、バックライトユニットの消費電力を低減できる。
【0053】
画像データに応じてLEDモジュール41毎に輝度を調整する方法は、消費電力の低減とコントラストの向上に効果がある。しかしながら、LEDモジュール41毎に輝度を調整した場合、制御回路の数が増えてしまうので、コストの問題が生じる。この問題を解消するために、図4に示す一列で並ぶ複数のLEDモジュール41を複数のブロック(グループ)に分割し、各ブロックを構成する複数のLEDモジュール41を纏めて制御してもよい。例えば、各ブロックを構成する複数のLEDモジュール41に対応付けられた画素の階調値の平均値に基づいて、各ブロックの輝度を制御してもよい。こうすれば制御回路の数を低減できる。LEDモジュール41毎に輝度を制御する態様に比べると、ブロック毎に輝度を制御する方法は、表示画面のコントラスト調整の細かさは低下する可能性がある。しかしながら、1つのブロック内のLEDモジュール41の数をコストを考慮しながら決定することで、コストの増加を招くことなくコントラストの向上と消費電力の低減の双方に十分な効果が得ることができる。なお、ブロック毎に輝度を制御する方法は、LEDモジュール41の輝度を個別に調整する制御と基本的に同一である。
【0054】
制御信号生成部10bは、輝度レベル算出部10aで算出された輝度レベルでLEDモジュール41を発光させるための制御信号(以下、発光制御信号)を生成し、当該発光制御信号をバックライト駆動回路5に出力する。制御信号生成部10bは、部分領域Eに対応付けられた1又は複数のLEDモジュール41毎に発光制御信号を生成する。制御信号生成部10bは、LEDモジュール41に求められる輝度レベルが高いほど当該LEDモジュール41に供給される電流が大きくなるように、発光制御信号を生成する。
【0055】
以上説明したように、液晶表示装置1では、基板42の長さ方向に対して直交する方向(すなわち、基板42の幅方向)での当該基板42の幅は、基板42の幅方向での液晶パネル2の幅よりも小さく、複数のLEDモジュール41は基板42の長さ方向に沿って並んでいる。また、各LEDモジュール41には、基板42の幅方向に広がる部分領域Eが割り当てられており、LEDモジュール41上には、当該LEDモジュール41の光を部分領域Eに向けて広げるためのレンズ45が配置されている。そのため、LEDモジュール41の数を減らしながら、液晶パネル2の全体に光を向けることができる。また、制御装置10は、複数のLEDモジュール41を別個に又は複数のLEDモジュール41を複数のグループに分けて制御している。これにより、表示画面におけるコントラストを向上できる。
【0056】
なお、本発明は以上説明した液晶表示装置1に限られず、種々の変更が可能である。
【0057】
例えば、以上の説明では、各レンズ45はLEDモジュール41の光を基板42の上側と下側の双方に向けていた。しかしながら、液晶表示装置には、LEDモジュール41の光を基板42の上側に重点的に広げるレンズと、LEDモジュール41の光を基板42の下側に重点的に広げるレンズとが設けられてもよい。
【0058】
図9はこの形態の例である基板142の平面図であり、図10は図9に示すX−X線での断面図である。
【0059】
図9に示すように、基板(光源領域)142は、基板42と同様に、左右方向に細長い形状である。基板142にも複数のLEDモジュール41が、基板142の長さ方向に並んでいる。ここで説明する例では、LEDモジュール41は複数の列(この例では2列)で並んでいる。また、一方の列に配置されるLEDモジュール41と、他方の列に配置されるLEDモジュール41は、左右方向において交互に並んでいる。
【0060】
LEDモジュール41にはレンズ145A,145Bが配置されている。この例では、レンズ145A(以下、上側レンズ)は、LEDモジュール41の2つの列のうち上側の列のLEDモジュール41に配置されている。また、レンズ145B(以下、下側レンズ)は、LEDモジュール41の2つの列のうち下側の列のLEDモジュール41に配置されている。
【0061】
各LEDモジュール41には、基板142の幅方向に広がる液晶パネル2上の部分領域が、割り当てられている。ここで説明する例では、上側の列に配置されるLEDモジュール41には、基板142に対向する位置(すなわち液晶パネル2の上下方向における中央部)から上方に広がる領域が割り当てられている。一方、下側の列に配置されるLEDモジュール41には、基板142に対向する位置から下方に広がる領域が割り当てられている。
【0062】
上側レンズ145Aと下側レンズ145Bは互いに反対側にLEDモジュール41の光を広げる。この例では、上側レンズ145Aに対応付けられる部分領域は上方に広がる領域であり、上側レンズ145AはLEDモジュール41の光を上方に広げる。換言すると、上側レンズ145Aは光の発散角度(図6のθ1参照)を上方に偏って拡大する。
【0063】
図10に示すように、上側レンズ145Aは凸状に膨らんだ光射出面(上面)145aを有している。光射出面145aは緩斜面145bと急斜面145cとを含んでいる。緩斜面145bは上側レンズ145Aの頂部から上方に向かって広がるとともに基板142に近づくよう傾斜している。急斜面145cは頂部から下方に向かって広がるとともに基板142に近づくように傾斜している。急斜面145cの傾斜は、緩斜面145bの傾斜よりも大きくなっている。このような形状により、上側レンズ145Aは、LEDモジュール41の光を下方よりも上方に多く射出する。
【0064】
また、この例では、図9に示すように、上側レンズ145Aは、上述のレンズ45と同様に、光射出面145aの左右の縁から基板142に向かって下がる一対の側面145dを有している。この例では、側面145dは基板142に対して立つように形成され、すなわち、LEDモジュール41の光軸と概ね平行となるように形成されている。そのため、上側レンズ145Aによる左右方向(基板142の長さ方向)への光の発散角度の拡大は抑えられている。
【0065】
下側レンズ145Bに対応付けられる部分領域は下方に広がる領域であり、下側レンズ145BはLEDモジュール41の光を下方に広げる。換言すると、下側レンズ145Bは光の発散角度を下方に偏って拡大するレンズである。この例では、下側レンズ145Bは上側レンズ145Aと同じ形状を有しているものの、基板142における向きが上側レンズ145Aとは異なっている。すなわち、下側レンズ145Bは、基板142の幅方向の中心線を挟んで、上側レンズ145Aとは対称となるように配置されている。これにより、下側レンズ145Bは、LEDモジュール41の光を上方よりも下方に多く射出する。
【符号の説明】
【0066】
1 液晶表示装置、2 液晶パネル、3 液晶パネル駆動回路、4 バックライトユニット、5 バックライト駆動回路、10 制御装置、10a 輝度レベル算出部、10b 制御信号生成部、21a,21b 基板、31 走査線駆動回路、32 映像線駆動回路、41 LEDモジュール(光源)、42,142 基板(光源領域)、43 反射シート、45 レンズ、47 光学シート、145A 上側レンズ、145B 下側レンズ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶パネルと、
前記液晶パネルの裏面と向き合う光源領域と、前記光源領域に配置される複数の光源とを有するバックライトユニットと、
前記複数の光源の輝度を制御する制御装置と、を有する液晶表示装置であって、
前記光源領域の長さ方向に対して直交する方向での前記光源領域の幅は、前記液晶パネルの前記直交する方向での幅よりも小さく、
前記複数の光源は前記光源領域の前記長さ方向に沿って並び、
前記複数の光源のそれぞれには、前記光源領域の前記長さ方向に直交する前記方向に広がる前記液晶パネル上の領域が割り当てられており、
前記複数の光源上には、各光源の光を前記液晶パネル上の前記領域に向けて広げるためのレンズが配置され、
前記制御装置は前記複数の光源を別個に又は前記複数の光源を複数のグループに分けて制御する、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液晶表示装置において、
前記レンズは、前記複数の光源の光を、前記光源領域の前記長さ方向に対して直交する方向に重点的に広げるよう形成されている、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の液晶表示装置において、
前記レンズは第1のレンズと第2のレンズとを含み、
前記第1のレンズは前記光源領域に対して一方側に前記光源の光を重点的に広げるよう形成され、
前記第2のレンズは、前記光源領域に対して他方側に前記光源の光を重点的に広げるよう形成されている、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】
請求項1に記載の液晶表示装置において、
前記光源領域は、前記光源領域の長さ方向に対して直交する方向における前記液晶パネルの中央部と、正対するよう配置されている、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載の液晶表示装置において、
前記光源領域と前記液晶パネル間に、複数枚の光学シートが配置されている、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項6】
請求項1に記載の液晶表示装置において、
前記光源領域の前記液晶パネルの対向する面と反対側の面に反射シートが配置され、
前記反射シートは、前記光源領域の長さ方向に対して直交する方向での断面形状が、湾曲している、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項7】
請求項1に記載の液晶表示装置において、
前記光源領域上の前記光源は、一列に配列されている、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項8】
請求項1に記載の液晶表示装置において、
前記光源領域上の前記光源は、二列に配列されている、
ことを特徴とする液晶表示装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−103420(P2012−103420A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250985(P2010−250985)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】