説明

液晶表示装置

【課題】集中配置された発光ダイオードにより画像形成領域全域を照射するバックライトユニットを備えた液晶表示装置において、熱の放散性能を損なうことなく発光ダイオードのレンズを安定に固定する。
【解決手段】液晶表示装置において、液晶パネルと、液晶パネルの背面側に配置され、複数の発光ダイオード素子22が長手方向に沿って配置され、発光ダイオード素子22の前記液晶パネル側に複数の足21を有するレンズ20が配置されるとともに、発光ダイオード素子22に電気的に接続される電極23が表面に形成された発光ダイオード基板7と、を備え、レンズ20を発光ダイオード基板7に固定する足21の全てが、電極23の直上に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1は、直下型バックライトユニットを有する液晶表示装置を開示している。かかる液晶表示装置では、複数の発光ダイオード(Light Emitting Diord)が、バックライトユニットの光源として利用されている。発光ダイオードはバックライトユニットの全域に格子状に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−286627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の液晶表示装置では発光ダイオードがバックライトユニットの全域に配置されるため、かかる多数の発光ダイオードを配置する基板の大きさを、バックライトユニットの全域をカバーするものとしなければならない。そのため、多数の発光ダイオードを用意するコストだけでなく、発光ダイオードを配置する基板の材料コストも高くなる。
【0005】
そこで、発光ダイオードをバックライトユニットの位置部分、例えば、バックライトユニットの短辺方向の中央近辺に、バックライトユニットの長辺方向に沿って発光ダイオードを集中的に配置し、発光ダイオードからの光線を適宜の反射シートにより反射、拡散して画像形成領域全域に光線を照射するようにすることが考えられる。
【0006】
このような液晶表示装置では、発光ダイオードからの光を拡散するため、発光ダイオード素子の前面に光線を拡散するためのレンズが必要である。このレンズは、発光ダイオード素子と接触しないように、発光ダイオード素子が実装される基板から若干浮かせて配置する必要があるため、レンズの周縁部に複数本、例えば3本の足が設けられている。
【0007】
一方、特定の方向に沿って集中的に配置される複数の発光ダイオードは直線的に配列されるため、そのアノードとカソードを直列に接続するよう基板上に電極が形成される(以降、この基板を発光ダイオード基板と呼ぶ)。この電極は、発光ダイオード素子が発生する熱を効率よく放散するため、できるだけ面積を大きくするように形成される。
【0008】
図9は、発光ダイオード基板上に複数の発光ダイオード13が直線的に配列されている様子の一部を拡大して示す平面図である。同図では、レンズ20に覆われた部分は破線で示している。
【0009】
図示のように、発光ダイオード素子22は、2つの電極23が隔てられている境界上に配置され、そのアノード及びカソードはそれぞれ異なる電極23に接続されている。レンズ20は平面形状が円形であり、その中心が発光ダイオード素子22の発光領域に一致するように、発光ダイオード素子22の上に配置されている。なお、本明細書では、発光ダイオード素子22と、対になるレンズ20を併せて発光ダイオード13と呼んでいる。
【0010】
そして、レンズ20は、その外周縁に設けられた複数の足21a、21b、21cにより発光ダイオード基板から若干浮いた位置に固定され、発光ダイオード素子22と接触しないようになされている。図示の例では、足21a、21b、21cは3本設けられており、それぞれが正三角形の頂点を構成するような配置とされている。足21a、21b、21cはそれぞれ接着により発光ダイオード基板に固定される。
【0011】
図10は、図9のX−X線による部分断面図である。図示の通り、レンズ20の足21bは、電極23上に接着層24bを介して固定されるのに対し、足21aは発光ダイオード基板7の表面に直接接着層24aを介して固定される。ここで、電極23は例えば35〜70μm程度の銅箔である。従って、接着層24aと24bとは、この電極23の厚みの分だけ層厚が異なることになる。図9に戻ると、同様のことは足21cにおいてもあてはまるため、この例では、足21aを固定する接着層24aのみ層厚が不均一であり、部分的に厚さの厚い部分を有することになる。
【0012】
このように接着層の厚さが足毎に異なると、足毎の接着強度が異なるため、レンズ20に加わる振動や熱応力により接着層が剥離する、あるいは接着時にレンズ20が傾いて固定されてしまい、液晶表示装置の画面に輝度むらを生じることが懸念される。特に、発光ダイオード13からの発熱を効率よく放散させるためには電極23の厚さが厚いほうがよいが、電極23の厚さを増すと、レンズ20の固定がより不安定になることが予想される。
【0013】
そこで、図11に示すように、レンズ20の足21a、21b、21cを固定する部分において電極23を切り欠いて、足21a、21b、21cを直接発光ダイオード基板に固定することが考えられる。このようにすると、確かにレンズ20を安定に固定することが可能となるものの、電極23が形成されている面積が減少するため、熱を放散させる性能は損なわれる。
【0014】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、集中配置された発光ダイオードにより画像形成領域全域を照射するバックライトユニットを備えた液晶表示装置において、熱の放散性能を損なうことなく発光ダイオードのレンズを安定に固定することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本出願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
(1)液晶パネルと、前記液晶パネルの背面側に配置され、複数の発光ダイオード素子が長手方向に沿って配置され、前記発光ダイオード素子の前記液晶パネル側に複数の足を有するレンズが配置されるとともに、前記発光ダイオード素子に電気的に接続される電極が表面に形成された発光ダイオード基板と、を備え、前記レンズを前記発光ダイオード基板に固定する前記足の全てが、前記電極の直上に配置されている液晶表示装置。
(2)(1)において、前記足は、前記レンズを固定する前記足が奇数本の場合は、当該レンズに対応する前記発光ダイオード素子に接続される前記電極を隔てるギャップが伸びる方向に対し非対称に配置され、前記レンズを固定する前記足が偶数本の場合は、前記足は、前記ギャップ上を避けて、前記ギャップが伸びる方向に対し対称に配置される液晶表示装置。
(3)(1)において、前記電極は、前記発光ダイオード素子に接続される前記電極を隔てるギャップに面する辺において、前記足に対応する位置に凸部を有するとともに、前記凸部に対応して凹部を有する液晶表示装置。
(4)(1)乃至(3)のいずれかにおいて、平面視における前記足の配置は、単一の前記発光ダイオード基板上に配置される全ての前記レンズにおいて等しい液晶表示装置。
【発明の効果】
【0016】
以上の本出願において開示される発明によれば、集中配置された発光ダイオードにより画像形成領域全域を照射するバックライトユニットを備えた液晶表示装置において、熱の放散性能を損なうことなく発光ダイオードのレンズを安定に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の好適な実施形態に係る液晶表示装置の分解斜視図である。
【図2】図1のII−II線による液晶表示装置の概略断面図である。
【図3】液晶表示装置の構成を表す構成図である。
【図4】液晶パネルに形成される画素の一つを回路図により示したものである。
【図5】液晶表示装置の反射シート、発光ダイオード基板及び放熱板を前面側からみた図である。
【図6】図5のVI−VI線による部分拡大断面図である。
【図7】発光ダイオード基板の部分拡大図である。
【図8A】レンズを固定する足が奇数本であり、3本の場合を示す図である。
【図8B】レンズを固定する足が奇数本であり、5本の場合を示す図である。
【図8C】レンズを固定する足が偶数本であり、4本の場合を示す図である。
【図8D】レンズを固定する足が奇数本であり、3本の場合の別の例を示す図である。
【図9】発光ダイオード基板上に複数の発光ダイオードが直線的に配列されている様子の一部を拡大して示す平面図である。
【図10】図9のX−X線による部分断面図である。
【図11】レンズの足を固定する部分において電極を切り欠いて、足を直接発光ダイオード基板に固定した様子を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本実施形態に係る液晶表示装置1の分解斜視図である。同図に示すように、液晶表示装置1は、その前側から、上枠2、液晶パネル3、中間枠4、光学シート群5、反射シート6、発光ダイオード基板7、放熱板8及び下枠9をこの順に配置し組み立てることにより構成される。なお、光学シート群5、反射シート6、発光ダイオード基板7及び放熱板8は、液晶パネル3をその背面側から照明する平面光源として機能するバックライトユニット10を構成している。また、同図では、液晶表示装置1の構造部品のみを示し、その他の構成部材、例えば、制御基板やスピーカなどは図示を省略している。
【0020】
図2は、図1のII−II線による液晶表示装置1の概略断面図である。同図は組み立て後の液晶表示装置1の概略の断面を示している。同図に示すように、液晶表示装置1は、液晶パネル3や及びバックライトユニット10を上枠2及び下枠9からなる外枠に収容した構造となっている。そして、液晶パネル3とバックライトユニット10の間には中間枠4が設けられ、液晶パネル3とバックライトユニット10は個別に保持される。同図において左側が、ユーザが画像を観察する側であり、以降、前側と呼ぶとともに、前側を向く面を前面と呼ぶこととする。また、その逆方向を背面側、背面側を向く面を背面と呼ぶこととする。
【0021】
なお、本実施形態で示した液晶表示装置1は、テレビジョン受像機である。そのため、液晶表示装置1は、テレビジョン受像機として機能するための部品を含んでいる、例えば、図2に示されたスピーカ11が挙げられる。また、同図に示された制御基板12には、電源、液晶パネル3の制御回路やバックライトユニット10の制御回路に加え、テレビジョン放送を受信するためのチューナ等の回路が含まれる。なお、液晶表示装置1は、必ずしもテレビジョン受像機でなくともよく、例えば、コンピュータのモニタ等であってもよい。その場合、テレビジョン受像機として機能するための部品は省略して差し支えない。
【0022】
上枠2及び下枠9は、液晶パネル3やバックライトユニット10を収容する筺体を構成するものであり、軽量でかつ剛性の高い材料で形成することが好ましく、鋼板、アルミニウム合金、マグネシウム合金などの金属や、FRPや各種合成樹脂を用いてよい。特に、下枠9は発光ダイオード基板7から放熱板8を介して伝導される発光ダイオードの発光に伴う発熱を効率よく放散するため熱伝導率の高い材料であることが好ましく、本実施形態では、鋼板を用いている。上枠2の材質は、下枠9と同じであっても、異なっていてもよく、液晶表示装置1のサイズ、用途、外観、重量等の要素を考慮して適宜決定してよい。上枠2の液晶パネル3に面する側の面には、緩衝材2aが設けられ、振動などにより液晶パネル3が揺れ動き、上枠2と接触する際の衝撃を緩和するようになっている。緩衝材2aには、適宜のゴムや樹脂、スポンジ等が用いられる。もちろん、ここで示した液晶パネル3の支持及び緩衝構造は一例である。
【0023】
中間枠4は、液晶パネル3とバックライトユニット10を隔て個別に保持する部材である。中間枠4の前面には、液晶パネル3が揺れ動き、中間枠4に接触する際の衝撃を緩和する緩衝材4aが設けられる。緩衝材4aには、適宜のゴムや樹脂、スポンジ等が用いられる。なお、ここで示した中間枠4の構造は一例であり、液晶パネル3やバックライトユニット10を適正に支持するものであればどのようなものであってもよく、場合によっては省略してもよい。
【0024】
中間枠4の材質もまた特に限定はないが、成形の容易さ及びコストの面から、合成樹脂を用いることが好ましい。本実施形態では、強度の点からポリカーボネートを用いているが、必ずしもこれに限られない。FRP(Fiber Reinforced Prastic)のように、合成樹脂に強化材を混入してもよい。また、中間枠4は遮光性を有することが好ましく、そのため、黒色あるいは濃色であることが好ましい。中間枠4の着色は、その材料自体が黒色あるいは濃色のものを用いてもよいし、中間枠4の表面を塗装してもよい。本実施形態では、黒色あるいは濃色に着色されたポリカーボネートを成形して中間枠4を得ている。
【0025】
バックライトユニット10は、光学シート群5、反射シート6、発光ダイオード基板7及び放熱板8から構成される。発光ダイオード基板7は、本実施形態では、複数の発光ダイオード13を直線状に実装した細長い基板であり、液晶表示装置1の長手方向に発光ダイオード基板7の長手方向が一致するように設けられている。また、発光ダイオード基板7は放熱板8に取り付けられる。反射シート6は、発光ダイオード13からの光を反射し、液晶パネル3の背面に均等に照射するための部材であり、図示のとおり、湾曲した断面形状をしている。そのため、発光ダイオード13からの光線は、図中矢印14に示すように直接光学シート群5に入光するか、或いは図中矢印15に示すように、反射シート6により反射され、光学シート群5に入光する。
【0026】
反射シート6及び光学シート群5は、液晶パネル3に相応した大きさとなっており、そのため、液晶パネル3はその背面側から均等に照明される。発光ダイオード13は、ここでは、発光ダイオード素子と、その前面側に配置されるレンズからなっている。発光ダイオード素子は、本実施形態では発光ダイオードチップを封止樹脂で封入した、いわゆる発光ダイオードパッケージであり、発光ダイオード基板7上に実装されるが、これに限定されず、その他にも例えば、発光ダイオード基板7上に発光ダイオードチップを直接形成したものであってもよい。レンズは、発光ダイオード13からの光線を拡散し、液晶パネル3の表示領域にわたり均等な輝度の照明を得るための光学部品である。
【0027】
反射シート6は、前述の通り液晶パネル3に相応した大きさを有し、前面側からみて凹となるような湾曲形状をしている。また、発光ダイオード13が配置される位置には、発光ダイオード13が反射シート6の前面側に露出するよう、穴が設けられている。反射シート6の材質は特に限定されないが、PET樹脂等を用いた白色の反射シートを用いてもよいし、鏡面反射シート等を用いてもよい。本実施形態では、白色の反射シートである。また、光学シート群5は、発光ダイオード13から入光した光を拡散させる拡散シートや、光線の向きを前面側に屈折させるプリズムシートなどを含む、複数の光学フィルムである。
【0028】
発光ダイオード基板7は、複数の発光ダイオード13が実装された細長い基板である。複数の発光ダイオード13は、一の方向に沿って、ここでは、液晶表示装置1の長辺と平行な方向に沿って並べられる。なお、発光ダイオード13の配列は特に問わないが、本実施形態では、二列に互い違いとなるよう配置される。これについては後述する。発光ダイオード基板7の大きさは、その長手方向の長さは液晶パネル3の対応する方向の長さよりやや短く、本実施形態では70〜80%程度である。またその幅方向の長さ(長手方向と直交する方向)は、液晶パネル3の対応する方向の長さより短く、好ましくは半分以下である。本実施形態では、おおむね10〜20%程度である。また、発光ダイオード基板7の材質は、絶縁性の材料であれば特に制限はなく、ガラスエポキシや紙フェノール、紙エポキシなどの絶縁性の材料や、絶縁性の被覆が施された金属によって形成されてよい。なお、以降では、発光ダイオード基板7の長手方向、すなわち、発光ダイオード13が配列される方向を長手方向と呼び、発光ダイオード基板7の面内であって、長手方向に直交する方向を幅方向と呼ぶこととする。また、上述の発光ダイオード基板7の具体的な寸法は一例であり、液晶表示装置1の設計に依存して任意に変更してよい。本実施形態では、長手方向は液晶表示装置1の長辺と平行な方向としたが、これに換え、液晶表示装置1の短辺と平行な方向を長手方向としてもよい。
【0029】
放熱板8は、発光ダイオード基板7が取り付けられるとともに、反射シート6を保持する金属板である。また放熱板8自体は下枠9に固定される。放熱板8の材質は、熱伝導率の高いものが好ましく、各種の金属や合金を好適に用いて良い。本実施形態では、アルミニウムを用いている。放熱板8の成形方法は特に問わず、プレス、切削等任意の方法で良いが、本実施形態では、押し出し成型により放熱板8を得ている。
【0030】
図3は液晶表示装置1の構成を表す構成図である。以下同図を用いて、液晶表示装置1の各部機能を説明する。
【0031】
液晶パネル3は矩形であり、その左右方向及び上下方向の長さは、当該液晶表示装置1の用途に応じて定められる。また、液晶パネル3は横長形状(左右方向の長さが上下方向の長さより長い)であっても縦長形状(左右方向の長さが上下方向の長さより短い)であっても、左右方向と上下方向の長さが等しくともよい。本実施形態では、液晶表示装置1はテレビジョン受像機であるので、液晶パネル3は横長形状である。
【0032】
液晶パネル3は一対の透明基板を有している。透明基板の一方の基板であるTFT基板には複数の映像信号線Yと複数の走査信号線Xとが形成されている。映像信号線Yと走査信号線Xは互いに直交しており、格子状に形成されている。そして隣接する2つの映像信号線Yと隣接する2つの走査信号線Xとによって囲まれた領域が1つの画素となっている。
【0033】
図4は、液晶パネル3に形成される画素の一つを回路図により示したものである。図中に示した映像信号線Yn及びYn+1、並びに走査信号線Xn及びXn+1に囲まれた領域が一つの画素となっている。ここで注目する画素は、映像信号線Yn及び走査信号線Xnにより駆動されるものとする。各画素のTFT基板側には、TFT(Thin Film Transistor)3aが設けられている。TFT3aは走査信号線Xnから入力される走査信号によってオン状態となる。映像信号線Ynは当該画素の画素電極3bに、オン状態のTFT3aを介して電圧(各画素の階調値を表す信号)を加える。
【0034】
一方、透明基板の他方の基板であるカラーフィルタ基板にはカラーフィルタが形成されており、TFT基板とカラーフィルタ基板の間に液晶3cが封入されている。そして、画素電極3bと液晶3cを介して容量を形成するように共通電極3dが形成されている。共通電極3dは、共通電位に電気的に接続される。そのため、画素電極3bに印加された電圧に応じて、画素電極3bと共通電極3dの間の電界が変化し、それにより液晶3cの配向状態が変化し、液晶パネル3を透過する光線の偏光状態を制御する。そして、液晶パネル3の表示面と表示面とは反対側の面である裏面には偏光フィルタが貼り付けられている。これにより、液晶パネル3に形成された各画素は、光の透過率を制御する素子として機能する。そして、各画素の光の透過率を入力された画像データに応じて制御することにより画像が形成される。従って、液晶パネル3において、画素が形成されている領域が画像形成領域となる。
【0035】
なお、共通電極3dはTFT基板及びカラーフィルタ基板のいずれに設けてもよい。共通電極3dの配置は液晶の駆動方式に依存する。例えば、IPS(In Plane Switching)方式であれば共通電極3dはTFT基板上に設けられる。VA(Vertical Alignment)方式やTN(Twisted Nematic)方式であれば、共通電極はカラーフィルタ基板上に設けられる。本実施形態では、IPS方式を用いているため、共通電極3dはTFT基板上に設けられている。また、透明基板は本実施形態ではガラスであるが、樹脂など他の材質を用いてもよい。
【0036】
図3に戻り、制御装置16には、不図示のチューナやアンテナで受信した映像データや、映像再生装置など別の装置が生成した映像データが入力される。制御装置16は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Randam Access Memoly)などのメモリとを備えたマイクロコンピュータであってよい。制御装置16は入力された映像データに対して色調整などの各種画像処理を行い、各画素の階調値を示す映像信号を生成する。制御装置16は生成した映像信号を映像線駆動回路17bに出力する。また、制御装置16は入力された映像データに基づいて、映像線駆動回路17b、走査線駆動回路17a、バックライト駆動回路18が同期を取るためのタイミング信号を生成し、各駆動回路に向けて出力する。ただし、本実施形態は制御装置16の形態を特に限定するものではない。例えば、制御装置16は複数のLSI(Large Scale Integration)から構成されてもよいし、単体であってもよい。また、バックライト駆動回路18とその他の回路との同期を取らないものとしてもよい。
【0037】
バックライト駆動回路18は、バックライトユニット10の光源である複数の発光ダイオード13に必要な電流を供給する回路である。本実施形態では、制御装置16は入力される映像データに基づいて発光ダイオード13の輝度を制御するための信号を生成し、バックライト駆動回路18に向けて出力する。そして、バックライト駆動回路18は、当該生成された信号に応じて発光ダイオード13に流れる電流の量を制御し、発光ダイオード13の輝度を調節する。発光ダイオード13の輝度は、発光ダイオード13毎に調節してもよいし、複数の発光ダイオード13をいくつかのグループに分け、グループ毎に調節するものとしてもよい。なお、発光ダイオード13の輝度を制御する方法として、電流量を一定として、発光期間で明るさを制御するPWM(Pulse Width Modulation)方式としてもよい。あるいは、発光ダイオード13の輝度を制御せず、一定の光量で発光するように電流量を一定としてもよい。
【0038】
走査線駆動回路17aはTFT基板に形成された走査信号線Xに接続されている。走査線駆動回路17aは制御装置16から入力されるタイミング信号に応じて走査信号線Xを順番に選択し、選択した走査信号線Xに電圧を印加する。走査信号線Xに電圧が印加されると、当該走査信号線Xに接続されたTFTがオン状態となる。
【0039】
映像線駆動回路17bはTFT基板に形成された映像信号線Yに接続されている。映像線駆動回路17bは走査線駆動回路17aによる走査信号線Xの選択に合わせて、当該選択された走査信号線Xに設けられるTFTのそれぞれに、各画素の階調値を表す映像信号に応じた電圧を印加する。
【0040】
なお、本実施形態では、図3に示した制御装置16及びバックライト駆動回路18は、いずれも図2の制御基板12上に形成されている。また、走査線駆動回路17a及び映像線駆動回路17bからなる液晶パネル駆動回路17は、液晶パネル3(図3)に電気的に接続されたFPC(Flexible Printed Circuits)上あるいは、液晶パネル3を構成する基板上に形成されている(いわゆる、SOG(System On Glass))。なお、これらの配置は一例であり、各回路をどの部分に設けるかは任意である。
【0041】
図5は、液晶表示装置1の反射シート6、発光ダイオード基板7及び放熱板8を前面側からみた図である。なお、同図では、発光ダイオード基板7及び放熱板8が反射シート6に隠れて見えない部分を破線で示した。
【0042】
反射シート6の周縁には、舌状に突出する固定部6aが適宜の間隔で適宜の数設けられている。これは、反射シート6の周縁部を固定するためのものであり、本実施形態では、中間枠4に設けられた突起(図示せず)に引っ掛けて固定するよう各々穴が設けられている。しかしながら、反射シート6の周縁部を固定する構造はどのようなものであってもよい。
【0043】
また、反射シート6の幅方向の中央部の領域には、発光ダイオード13を反射シート6の前面側に露出させる穴6bが、発光ダイオード13の配列に相応して設けられている。図示の通り、発光ダイオード13及び穴6bは長手方向に沿って配列されている。本実施形態では、発光ダイオード13及び穴6bは、幅方向に2列となるように配列されており、互いの列に属する発光ダイオード13及び穴6bは、図示のように互い違いになるように配列されている。また、発光ダイオード13の配列密度は、反射シート6の長手方向中央部近辺で高く、両端部付近で低くなっている。すなわち、隣り合う発光ダイオード13同士の間隔は、画像形成領域の中央部より、画像形成領域の周辺部の方が大きい。なお、図5では、発光ダイオード13及び穴6bは、代表として1つのみ符号を付した。
【0044】
発光ダイオード基板7は、本実施形態では、画像形成領域の中央に相当する位置において2つに分割されており、同じ形状の2つの発光ダイオード基板7が180度対称の位置に配置される。このような構造とすると、発光ダイオード基板7の一枚当たりの長さが短くなるため、発光ダイオード基板7を製造する装置や発光ダイオード13を実装する実装機に小型のものが使用できる。しかしながら、発光ダイオード基板7の分割については任意であり、全く分割せず一枚の連続した基板としてもよいし、3枚以上に分割してもよい。
【0045】
また、発光ダイオード基板7は、その幅方向の長さが発光ダイオード基板7より大きい放熱板8上に固定される。本実施形態の液晶表示装置1では、発光ダイオード13が液晶表示装置1の幅方向の中央近辺に集中して配置される。また画像形成領域の全域を集中配置された発光ダイオード13で照射するため、それぞれの発光ダイオード13の光量も大きい。そのため、発光ダイオード13が配置されている領域における単位面積当たりの発熱量が大きくなるので、熱伝導性に優れた放熱板8の面積を発光ダイオード基板7より大きくすることで、効率よく熱を放散するようになされている。反射シート6は、幅方向の中央付近では、反射シート固定具19により放熱板8に固定される。
【0046】
図6は、図5のVI−VI線による部分拡大断面図である。図6では、下枠9を同時に示した。また、同図左側が前面側、右側が背面側である。
【0047】
放熱板8は、その前面に設けられた段差により形成された凹部である発光ダイオード基板収容部8aを有している。発光ダイオード基板収容部8aは、発光ダイオード基板7を収容する凹みであり、その幅方向の長さは、発光ダイオード基板7の幅方向の長さと略同じか、若干大きい。また、発光ダイオード基板収容部8aの深さ、すなわち、発光ダイオード基板収容部8aを形成する段差の高さは、発光ダイオード基板7の厚さと略等しい。好ましくは、発光ダイオード基板7の厚さに対し、±0.5mm以内とする。これにより、発光ダイオード基板7の前面と、発光ダイオード基板7の幅方向外側における放熱板8の前面とが略面一となる。
【0048】
また、同図には、反射シート6に設けられた穴6bを貫通して、発光ダイオード基板7上に実装された発光ダイオード13が、反射シート6の前面側に露出している様子が示されている。さらに、反射シート6には、固定穴6cが設けられており、この固定穴6cを貫通する反射シート固定具19により、発光ダイオード基板7の幅方向外側の領域において放熱板8に固定される。固定穴6cの大きさは、反射シート固定具19の貫通部分の断面よりやや大きい。これは、発光ダイオード13の発熱による熱膨張において、各部材の線膨張係数の差による寸法の相対的な変化を許容するためである。また、発光ダイオード基板7及び放熱板8の前面が略面一となっているため、その前面側では、反射シート6は波打つことなく平坦に保持される。
【0049】
反射シート固定具19はどのようなものであってもよく特に限定はないが、本実施形態では、図示するようなスナップ止め機構を有する固定ピンを用いており、反射シート6の固定を簡便に行える。反射シート固定具19の材質は、反射シート6と同じか、若しくは同様の白色の合成樹脂製とすることが好ましい。これにより、反射シート固定具19が配置されている位置における輝度むらが最小に抑えられる。また、反射シート固定具19の前面側の部分、すなわち、固定ピンのいわゆる頭の部分の高さはできるだけ小さくし、反射シート固定具19の前面の位置の位置が発光ダイオード13の前面の位置より背面側となるようにする。これにより、反射シート固定具19の幅方向外側に、発光ダイオード13からの光が十分照射されない影の領域が形成されることを防止する。
【0050】
また、下枠9の発光ダイオード基板7と対応する領域には、前面側に向かい突出する凸部である、放熱板接触部9aが設けられている。放熱板接触部9aは、放熱板8の背面と接触し、伝熱により発光ダイオード13からの発熱を下枠9の背面側の外部へと放散する。本実施形態では、熱の冷却は自然対流により行われる。
【0051】
図7は、発光ダイオード基板7の部分拡大図である。同図に示されている部分は、分割された発光ダイオード基板7のうち、図5の左側に配置されているものの、液晶表示装置1の中央寄りの部分である。同図において、レンズ20に覆われた部分は破線で示した。また、図示が煩雑になるのをさけるため、符号は代表して1つのみの発光ダイオード13に関して付した。
【0052】
同図に示すように、本実施形態では、レンズ20を固定する足21の全てが、電極23の直上に配置されている。ここで、足21が電極23の直上に配置されているとは、足21を発光ダイオード基板7の前面に向かい投影すると、その像の全ての部分が電極23の前面に投影されることを言う。このように配置することにより、足21と発光ダイオード基板7とを接着する接着層の厚みが全て均一となり、レンズ20は安定に固定される。また、電極23を切り欠く必要はないので、放熱性は損なわれない。なお、「レンズ20を固定する足21」とは、接着層を介してレンズ20の固定に寄与する足21のみを指す。すなわち、レンズ20が多数の、例えば4本以上の足21を有する場合において、接着固定されない足21がある場合には、かかる足21は無視して差し支えなく、その位置はどこであってもよいことになる。また、足21は必ずしも直接電極23に接着層を介して固定されなくともよく、例えば、電極23の前面に形成されたレジスト層等の絶縁層をさらに介して固定されるものであってもよい。
【0053】
また、同図に示されるように、レンズ20の向き、すなわち、平面視における(前面側からみた際の)足21の配置は、単一の発光ダイオード基板7上に配置される全てのレンズ20において等しい。このようにすると、レンズ20を単一の発光ダイオード基板7に実装する際にレンズ20を個別に回転させる必要がないため、製造リードタイムが短縮され、製造単価の軽減に寄与する。ここで、単一の発光ダイオード基板7に限定しているのは、発光ダイオード基板7が本実施形態のように複数に分割されている場合には、液晶表示装置1の組み立て時に分割された発光ダイオード基板7それぞれが回転される場合があるからである。例えば、本実施形態の場合、図5に示されているように分割された発光ダイオード基板7は左右でそれぞれ180度回転された関係にある。従って、レンズ20の向きも、左右に分割された発光ダイオード基板7のそれぞれで180度回転された関係にあることになる。
【0054】
また、レンズ20を固定する足21の全てを電極23の直上に配置する方法には種々のものがある。以下これらの方法を列挙し説明する。なお、以降の説明では、足21はレンズ20の外周に沿って均等な間隔で配置されるものとする。すなわち、足21は正多角形の頂点を構成するものとする。
【0055】
図8A及び8Bは、レンズ20を固定する足21が奇数本である場合を示す図である。図8Aは、レンズ20を固定する足21が3本の場合、図8Bはレンズ20を固定する足21が5本の場合である。これらの場合、一のレンズ20における、当該レンズ20を固定する足21を、当該レンズ20に対応する発光ダイオード素子22のアノード及びカソードに接続される電極23を隔てるギャップ25が伸びる方向(これらの例では、図中上下方向であり、幅方向に一致する)に対し非対称に配置すればよい。
【0056】
図8Cは、レンズ20を固定する足21が偶数本であり、4本の場合を示す図である。偶数本の場合、ギャップ25上を避けて、各足21をギャップ25が伸びる方向に対し対称に配置すればよい。
【0057】
図8Dは、レンズ20を固定する足21が3本の場合の別の例を示す図である。同図に示すように、電極23のギャップ25に面する辺において、足21に対応する位置に凸部23aを設け、凸部23aに対応して凹部23bを設けることによっても、レンズ20を固定する足21の全てを電極23の直上に配置することができる。もちろん、この方法はレンズ20を固定する足21が4本以上の任意の数の場合にも同様に用いてよい。
【0058】
なお、以上示した方法は、レンズ20を固定する足21の全てを電極23の直上に配置する種々の方法の一例である。他の配置を採用するのは任意である。また、足21はレンズ20の外周に沿って均等な間隔で配置されなくともよいし、レンズ20の平面形状は必ずしも円形でなくともよい。
【0059】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の説明のために示した具体例であって、これらの実施形態に本発明を限定するものではない。
【0060】
例えば、実施形態において、液晶表示装置1は発光ダイオード基板7を液晶表示装置1の幅方向中央に1つのみ有する構成として示したが、発光ダイオード基板7を2つ以上有し、幅方向に並列に配置される構成としてもよい。また、複数の発光ダイオード素子22は必ずしも直列に接続されなくともよく、並列に接続されてもよい。さらに、実施形態において示した発光ダイオード13の数や配置、その他各部材の数、形状及び配置は、実施形態において示したものに限定されず、必要に応じ適宜最適化すべきものである。
【符号の説明】
【0061】
1 液晶表示装置、2 上枠、2a 緩衝材、3 液晶パネル、4 中間枠、4a 緩衝材、5 光学シート群、6 反射シート、6a 固定部、6b 穴、6c 固定穴、7 発光ダイオード基板、8 放熱板、8a 発光ダイオード基板収容部、9 下枠、9a 放熱板接触部、10 バックライトユニット、11 スピーカ、12 制御基板、13 発光ダイオード、14,15 光線、16 制御装置、17 液晶パネル駆動回路、17a 走査線駆動回路、17b 映像線駆動回路、18 バックライト駆動回路、19 反射シート固定具、20 レンズ、21,21a,21b,21c 足、22 発光ダイオード素子、23 電極、23a 凸部、23b 凹部、24a,24b 接着層、25 ギャップ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶パネルと、
前記液晶パネルの背面側に配置され、複数の発光ダイオード素子が長手方向に沿って配置され、前記発光ダイオード素子の前記液晶パネル側に複数の足を有するレンズが配置されるとともに、前記発光ダイオード素子に電気的に接続される電極が表面に形成された発光ダイオード基板と、
を備え、
前記レンズを前記発光ダイオード基板に固定する前記足の全てが、前記電極の直上に配置されている液晶表示装置。
【請求項2】
前記足は、
前記レンズを固定する前記足が奇数本の場合は、当該レンズに対応する前記発光ダイオード素子に接続される前記電極を隔てるギャップが伸びる方向に対し非対称に配置され、
前記レンズを固定する前記足が偶数本の場合は、前記足は、前記ギャップ上を避けて、前記ギャップが伸びる方向に対し対称に配置される、
請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記電極は、前記発光ダイオード素子に接続される前記電極を隔てるギャップに面する辺において、前記足に対応する位置に凸部を有するとともに、前記凸部に対応して凹部を有する請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項4】
平面視における前記足の配置は、単一の前記発光ダイオード基板上に配置される全ての前記レンズにおいて等しい請求項1記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−155034(P2012−155034A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12384(P2011−12384)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】