説明

液状の着色材をポリマー溶融物内に供給するための装置及び方法

本発明は、液状の着色材をポリマー溶融物内に供給するための装置及び方法に関する。このために、調量入口及び調量出口を有する調量ポンプが設けられている。調量入口がタンクに接続されており、調量出口がポリマー溶融物輸送のための輸送部材に接続されている。液状の着色材をできるだけ均一かつ正確な調量で輸送部材内のポリマー溶融物に加えるために、本発明に基づき調量ポンプの調量入口が輸送ポンプの輸送出口に接続されており、輸送ポンプの輸送入口がタンクに接続されている。これによって調量ポンプの調量入口に、調量ポンプの調量出口における供給圧力に適合された輸送圧力が生ぜしめられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状の着色材をポリマー溶融物内に供給するための請求項1の上位概念に記載の形式の装置、並びに液状の着色材をポリマー溶融物内に供給するための請求項20の上位概念に記載の形式の方法に関する。
【0002】
前記形式の装置並びに方法は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19956251A1号明細書により公知である。
【0003】
合成の糸の溶融紡糸に際してポリマー溶融物の着色を行うために、公知の装置においては液状の着色材若しくは着色料がポリマー溶融物に送られて、次いで混合される。このために液状の着色材は1つのタンク内に蓄えられている。タンクに調量ポンプを接続してある。調量ポンプは管路(ライン)を介して、ポリマー溶融物の送出のための紡糸ポンプに接続されている。紡糸ポンプは押し出し機を介してポリマー溶融物を受けるようになっている。ポリマー溶融物の着色のために、液状の着色材は調量ポンプによって調量された量でポリマー溶融物内に添加される。ポリマー溶融物の均一なかつ時間的にコンスタントな着色を行うために、液状の着色材を正確に所定の量で連続的にポリマー溶融物内へ供給することが必要である。公知の装置においては問題点として、調量ポンプが無圧状態の着色材と圧力下で送られる溶融物との間の圧力差を克服しなければならない。ポリマー溶融物は例えば押し出し機の出口においてほぼ100バールの圧力で送られる。従って調量ポンプは大きな容積損失を生ぜしめ、容積損失は着色材の量調節に不都合な影響を及ぼしている。公知の装置のさらなる欠点として、紡糸ポンプと調量ポンプとの直接的な接続に基づき、圧力下のポリマー溶融物は調量ポンプを無圧状態に切り換えた場合に流出してしまっている。
【0004】
本発明の課題は、冒頭に述べた形式の装置及び方法を改善して、液状の着色材が極めて高い調量精度でポリマー溶融物に加えられるようにすることである。
【0005】
本発明の別の目的は、冒頭に述べた形式の装置を改善して、該装置が極めてフレキシブルに紡糸装置若しくは別の溶融物輸送装置に適合されて、液状の着色材若しくは液状の添加剤を供給できるようにすることである。
【0006】
本発明の前記課題が、請求項1及び請求項13に記載の特徴を有する装置並びに請求項20に記載の特徴を有する方法によって解決される。
【0007】
本発明の有利な改良が、従属請求項に記載してある。
【0008】
本発明の利点として、液状の着色材は紡糸装置の溶融物輸送部分若しくは別の溶融物輸送装置の任意の箇所で極めて高い精度で調量されてポリマー溶融物内に送り込まれる。特に、ポリマー溶融物が高い圧力下で溶融物輸送部材内を送られる箇所で、着色材の確実かつ正確な導入を本発明によって問題なく実施することができる。このために、調量ポンプの調量ポンプ入口は輸送ポンプの輸送ポンプ出口に接続されており、輸送ポンプ自体は輸送ポンプ口を介してタンクに接続されている。これによって利点として、着色材を輸送する機能と着色材を調量する機能とを分離することができる。この場合には、輸送ポンプによって液状の着色材はタンクから取り出されて、圧力下で調量ポンプに送られる。調量ポンプの調量入口における適切な圧力調節によって、圧力差を最小に調節することができ、その結果、調量ポンプによる着色材の調量の際の容積損失を小さくすることができる。
【0009】
輸送ポンプの輸送量と調量ポンプの調節量とをできるだけ等しくするために、本発明の有利な実施態様では調量ポンプ及び輸送ポンプに対応して、制御可能なそれぞれ1つのポンプ駆動部を配置してある。ポンプ駆動部は共通の1つの制御装置を介して個別に制御されるようになっている。
【0010】
この場合に有利には輸送圧力の調節を調量ポンプの調量ポンプ入口で行うようになっており、このために圧力センサーを、輸送ポンプの輸送ポンプ出口と調量ポンプの調量ポンプ入口との間に配置してある。圧力センサーは信号ラインを介して制御装置に接続されており、これによって、制御装置内で実際値と目標値との比較を行うことができ、偏差に際して適切な修正を直接に輸送ポンプの制御によって実施することができる。
【0011】
調節及び制御のために必要な構成部材をできるだけ少なく保つために、調量ポンプ及び輸送ポンプは共通の唯一のポンプ駆動部によって駆動されるようになっていてよい。輸送ポンプと調量ポンプとの間に圧力を確実に形成するために、輸送ポンプは調量ポンプに対して大きな吐出量を生ぜしめるように形成されている。これによって、両方のポンプの同じ回転数でも着色材の輸送の際の余剰量を得ることができる。
【0012】
余剰量輸送(過剰量輸送)に際して輸送圧力を目標値のレベルに保つ必要があるので、本発明の有利な実施態様では、輸送ポンプの輸送ポンプ出口は輸送管路を介して調量ポンプの調量ポンプ入口に接続されている。この場合に、輸送管路は圧力調節弁を介してバイパス管路に接続されている。圧力調節弁によって、輸送管路内の輸送圧力の目標値は調節される。輸送圧力が目標値を超えると、液状の着色材の一部分は輸送管路から圧力調節弁及びバイパス管路を介して排出される。バイパス管路は有利には直接にタンクに接続され、若しくは輸送ポンプの輸送ポンプ入口に接続されており、従って液状の着色材の損失は生じない。
【0013】
本発明の請求項13に記載の構成においては特に利点として、液状の着色材の供給のために適した位置を紡糸装置若しくは別の溶融物輸送装置内に選ぶことができる。このために、調量ポンプは、調量ポンプ出口に対応して配置された溶融物接続部及び調量ポンプ入口に対応して配置された着色材接続部を備えた構成ユニットとして形成されている。構成ユニットは溶融物接続部を介して選択的に、紡糸装置の複数の溶融物輸送部材、例えば複数の管路のうちの1つに接続され、若しくは別の1つの溶融物輸送装置に接続されるようになっている。これによって、簡単な1つの調量ポンプを用いる場合にもポリマー溶融物内への着色材の十分に正確な供給混合を達成することができる。
【0014】
本発明の特に有利な実施態様では、調量ポンプの調量ポンプ出口に対応して逆流装置を配置してあり、逆流装置は溶融物接続部から調量ポンプ出口内へのポリマー溶融物の逆流を阻止するようになっている。これによって、処理過程及び調量ポンプの接続並びに停止は、ポリマー溶融物の不都合な流出を生じることなく可能である。逆流装置は有利には逆止弁若しくはフリーズ弁(freeze valve)によって形成されている。フリーズ弁は加熱可能な管片によって達成され、管片の長さは、逆流するポリマー溶融物が非加熱状態の管片内で凝固する寸法に規定されている。この場合に逆流装置を機能解除するために、管片は加熱される。確実にかつ迅速に作動する逆流装置は、着色材の流過のみを許す逆止弁によって形成されている。
【0015】
タンクからの着色材の取り出しを改善するために、本発明の有利な実施態様では、タンクに圧力源を接続してあり、圧力源は、タンク内に蓄えられた着色材上に作用するガスクッションを形成するようになっている。この場合にガスとしては空気若しくは窒素が特に適している。このことは、タンクが直接に構成ユニットの構成部分であるか若しくは別個に形成されていて、管路を介して調量ポンプ若しくは輸送ポンプに接続されているかに左右されない。
【0016】
原理的には、液状の着色材を輸送(案内)するすべての構成部分は、特に高粘性の着色材をも供給できるように加熱可能に形成されていてよい。構成ユニット並びに接続されたホースも加熱可能に形成されていてよい。
【0017】
本発明に基づく方法は特に、液状の着色材が調量の著しい変動なしに所定の量でポリマー溶融物に混入されることにある。本発明に基づく方法は特に、液状の着色材をできるだけ溶融紡糸若しくは押し出しの直前に、例えば合成繊維のためのポリマー溶融物に混入するために適している。この場合に、液状の着色材は輸送ポンプ(フィードポンプ)によってタンクから輸送されて、輸送圧力下で調量ポンプ内へ送られる。従って調量ポンプには、調量ポンプ内の供給圧力並びに輸送ポンプの輸送圧力に依存した圧力差が生じている。
【0018】
液状の着色材の調量の際の容積損失をできるだけ小さく保つために、調量ポンプ入口での液状の着色材の輸送圧力は、調量ポンプの調量ポンプ出口での着色材の供給圧力と同じか若しくは該供給圧力よりも低く調節されている。輸送圧力をわずかに高く調節することも可能である。
【0019】
輸送ポンプと調量ポンプとの協働作用は種々の方法で実施されてよい。1つの方法においては、輸送ポンプの輸送体積は調量ポンプ入口での液状の着色材の輸送圧力がほぼ一定であるように調節される。このような方法は、高い融通性及び調節可能性を達成している。
【0020】
別の方法においては、輸送ポンプの輸送体積は調量ポンプの送り体積よりも大きく選ばれている。これによって、輸送ポンプ及び調量ポンプの同じ駆動回転数で余剰量(過剰量)が輸送され、従って輸送圧力は簡単な圧力調節装置を介して余剰の着色材の排出によって調節される。該方法は、構成部材の少ないことによって傑出している。
【0021】
次に本発明に基づく方法を、本発明に基づく装置の図示の実施例に即して詳細に説明する。この場合に図面において、
図1は、本発明に基づく装置の1つの実施例の構成を概略的に示す図であり、
図2は、本発明に基づく装置の別の実施例の概略的な断面図であり、
図3は、紡糸装置の一部分の概略図であり、
図4は、本発明に基づく装置の別の実施例の概略的な断面図である。
【0022】
図1に、本発明に基づく方法の実施のための本発明に基づく装置の第1の実施例を示してある。
【0023】
装置は、供給ポンプ3及び調量ポンプ4を有している。供給ポンプ3は供給ポンプ入口9及び流入管路8を介してタンク1に接続されている。タンク1は液状の着色材2を受容していて、かつ加熱可能に形成されていてよい。タンク1は耐圧性に形成されていて、流入管路8と逆の側で圧力源16に接続されている。圧力源16は圧力媒体、例えば空気若しくは窒素をタンク1内の着色材2の上側の空間内に送り込み、ガスクッション17を形成するようになっている。
【0024】
供給ポンプ3は供給ポンプ出口10及び供給管路11を介して調量ポンプ4の調量ポンプ入口12に接続されている。調量ポンプ4は調量ポンプ出口及び調量管路15を介してポリマー溶液のための輸送部材(図示省略)に接続されている。調量管路15内に逆流装置14を配置してある。
【0025】
供給ポンプ3はポンプ駆動部6.1によって駆動され、かつ調量ポンプ4はポンプ駆動部6.2によって駆動される。ポンプ駆動部6.1,6.2の制御は制御装置5を介して行われる。制御装置5は圧力センサー7に接続されており、圧力センサーは輸送管路11に配置されていて、輸送管路11内の輸送圧力を測定するようになっている。
【0026】
液状の着色材2をタンク1から輸送部材内のポリマー溶融物に調量して添加するために、輸送ポンプ3と調量ポンプ4とは互いに個別にポンプ駆動部6.1,6.2によって駆動される。調量ポンプ4のポンプ駆動部6.2は制御装置5によって次のように制御され、即ち液状の着色材2は調量ポンプ4を介して所望の量で連続的に調量管路15を経てポリマー溶融物の輸送部材内へ送られる。この場合に、液状の着色材は供給圧力下で調量管路15内を案内され、即ち導かれる。調量ポンプ6.2内での容積損失をできるだけ小さくするために、輸送ポンプのポンプ駆動部6.1は制御装置5によって次のように制御され、即ち輸送ポンプ3の輸送量に基づき輸送管路11内の所定の輸送圧力を生ぜしめている。調量ポンプ4の調量ポンプ入口12における輸送圧力と調量ポンプ出口13における供給圧力とは、着色材の調量のために最適な圧力差を成している。圧力差の調節は輸送圧力の調節に依存して制御される。輸送管路11内の輸送圧力は圧力センサー7によって検出されて、制御装置5へ送信される。制御装置5は、輸送圧力の実際値を輸送圧力の、制御装置内に格納若しくは設定された目標値と比較するようになっている。輸送圧力の目標値と実際値との間の偏差を確認した場合には、制御装置5は輸送ポンプ3のポンプ駆動部6.1の駆動回転数の調節のために相応の制御信号を形成するようになっている。輸送ポンプ3はタンク1から着色材を輸送する。タンク1からの着色材2の取り出しを改善するために、着色材2の液面にガスクッション17を作用させてある。
【0027】
調量ポンプ4と図示省略の輸送部材との間で調量管路(供給管路)15内に逆流装置14を配置してある。逆流装置14は、輸送部材から調量ポンプ4内へのポリマー溶融物の逆流を阻止するように形成されている。従って、例えば着色材交換は輸送部材への接続を遮断することなしに容易に行われる。調量ポンプ4及び輸送ポンプ3の始動及び停止も、逆流装置14に基づきポリマー溶融物の溶融物圧力に左右されずに行われる。
【0028】
逆流装置14は逆止弁として形成されていてよく、この場合に弁座は、運動可能に案内された作動部材と協働するようになっている。これによって、調量ポンプ4を介して送られる着色材は妨げられることなく弁座を通過する。逆方向の流れは作動部材によって遮断され、このために作動部材は弁座を閉鎖するようになっている。逆流装置は加熱可能な管片として形成されていてよく、管片は低温状態では逆流するポリマー溶融物が管片内で凝固する長さに寸法を規定されている。管片は、管片内での溶融物の凝固に基づき両方の方向での流過が遮断されている場合に加熱される。管片内の凝固した溶融物は解けて、調量ポンプ4から吐出される着色材によって洗い流される。
【0029】
図1に示す構造の本発明の装置は、管路を介して互いに接続された個別の構成部分によって形成され、若しくは1つのユニットとして形成されていてよい。
【0030】
図2には、本発明に基づく装置の別の実施例の断面を示してある。同じ機能の構成部分には同じ符号を付けてある。該装置は調量ポンプ4及び分配ブロック26から成っており、調量ポンプと分配ブロックは1つの構成ユニット20に統合されている。調量ポンプ4と分配ブロック26とは互いに直接に接合されている。調量ポンプは歯車ポンプとして形成されていて、歯車対21を備えている。歯車対21はポンプ駆動部6及び駆動軸27を介して駆動される。
【0031】
分配ブロック26内に流入管路8を形成してあり、流入管路は調量ポンプ4の調量ポンプ入口12に接続されている。流入管路8は着色材接続部18に開口しており、着色材接続部は直接にタンク1に接続されている。着色材接続部18から側方へずらして分配ブロック26に溶融物接続部19を形成してある。溶融物接続部19は調量管路15を介して調量ポンプ4の調量ポンプ出口13に接続されている。分配ブロック26内で調量管路15に逆止弁の形の逆流装置14を形成してある。
【0032】
構成ユニット20の溶融物接続部19はホース通路、管路若しくはフランジ結合部を介して紡糸装置の任意の輸送部材に接続される。図3には紡糸装置の一部分を示してあり、輸送部材への可能な接続箇所28はそれぞれ矢印で示してある。紡糸装置内では、ポリマー溶融物はまず押し出し機23.1によって溶融される。このために押し出し機23.1にポリマーは粒状で装入される。押し出し機23.1の出口側に溶融物管路23.2を配置してあり、溶融物管路によってポリマー溶融物は複数の紡糸箇所へ送られる。各紡糸箇所はそれぞれ1つの紡糸ポンプ23.4を含んでいる。図3には例として4つの紡糸ポンプ23.4を示してある。該実施例では溶融物管路23.2内にミキサー23.3を付加的に設けてある。液状着色材によるポリマーの着色を実施するために、構成ユニット20は選択的に接続箇所28の1つに設けられる。即ち、着色材は押し出し機23.1の入口領域で供給されてもよく、また出口領域で供給されてもよい。しかしながら有利には、着色材は押し出し機23.1の直後にポリマー溶融物内に供給される。この場合に、図2に示す構成ユニットは直接に溶融物管路23.2に接続され、若しくはミキサー23.3或いは紡糸ポンプ23.4に接続される。この場合に紡糸ポンプ23.4は有利には、ミキサーの組み込まれたミキサーポンプとして形成されていてよい。
【0033】
図4に本発明に基づく装置の別の実施例を概略的に示してある。該実施例では輸送ポンプ3と調量ポンプ4とは1つの構成ユニット20にまとめられている。このために輸送ポンプ3と調量ポンプ4とをそれぞれ分配ブロック26の各側にフランジ結合してある。左側に調量ポンプ4を配置してあり、右側に輸送ポンプ3を配置してある。輸送ポンプ3は歯車対22を有しており、調量ポンプ4は歯車対21を有している。歯車対21及び歯車対22は駆動軸27及びポンプ駆動部6を介して一緒に駆動される。このために駆動軸27は分配ブロック26を貫通している。分配ブロック26の下側に着色材接続部18を形成してあり、着色材接続部は分配ブロック26内の流入管路8を介して輸送ポンプ入口9に接続されている。着色材接続部18はパイプ若しくはホースを介してタンク1に接続されている。
【0034】
分配ブロック26の下側で着色材接続部18の横に溶融物接続部19を配置してある。溶融物接続部19は調量管路15を介して流量ポンプ4の流量ポンプ出口13に接続されている。
【0035】
輸送ポンプ3の輸送ポンプ出口10と流量ポンプ4の流量ポンプ入口12とは、分配ブロック26内の輸送管路11を介して互いに接続されている。
【0036】
輸送管路11に戻し接続部29を配置してある。戻し接続部29はバイパス管路25に接続されており、バイパス管路は圧力調節弁24を含んでいてタンク1に通じている。タンク1は前述の実施例のものと同様に形成されている。
【0037】
運転に際して、輸送ポンプ3及び調量ポンプ4はポンプ駆動部6によって一緒に駆動される。輸送ポンプ3の歯車対22は調量ポンプ4の歯車対21に対して次のように選ばれており、即ち、輸送ポンプ3は調量ポンプ4よりも大きな吐出量を吐出するようになっている。駆動される歯車対22によって、液状の着色材はタンク1から輸送管路11内へ送られる。輸送管路11内の着色材は調量ポンプ4によって調量された量で溶融物接続部19へ導かれる。この場合に、輸送管路11内の輸送圧力は圧力調節弁24によって規定されている。
【0038】
輸送管路11内で輸送圧力の限界値が越えられると、着色材の一部分が圧力調節弁24を介してバイパス管路25を経てタンク1へ戻される。
【0039】
図4の実施例において圧力調節弁24及びバイパス管路25は構成ユニットの外側に別個に配置されている。しかしながら原理的には、圧力調節弁及びバイパス管路を分配ブロック26内に組み込んでいてよく、この場合にはバイパス管路は輸送管路11と輸送ポンプ3の輸送ポンプ入口9との間の接続部を形成するようになっている。
【0040】
実施例では逆流装置14は分配ブロック26の外側で直接に溶融接続部19に配置されている。この場合に、逆流装置14は管片及び加熱装置によって形成されている。輸送ポンプ3及び調量ポンプ4を無圧状態に切り換えると、逆に流れる溶融流は逆流装置14の管片内で凝固して、溶融物栓体を形成する。これによって調量ポンプ4への逆流は遮断される。溶融物栓体を溶かすためには、逆流装置14の加熱装置を作動させる。
【0041】
逆流装置として逆止弁を用いることも可能である。この場合には逆止弁は液状の着色材の圧力によって開かれる。逆流装置14は図示の実施例において分配ブロック26内で溶融物接続部19と調量ポンプ出口13との間に配置されていてよい。
【0042】
図1、図2及び図4に示す実施例において、溶融物を案内する構成部分はすべて加熱可能に形成されていてよい。これによって、高粘性着色材を十分に高い調量精度でポリマー溶融物内に混合することも可能である。もちろん着色材の代わりに、液状の別の添加剤を溶融物内に添加することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に基づく装置の1つの実施例の構成を概略的に示す図
【図2】本発明に基づく装置の別の実施例の概略的な断面図
【図3】紡糸装置の一部分の概略図
【図4】本発明に基づく装置の別の実施例の概略的な断面図
【符号の説明】
【0044】
1 タンク、 2 着色材、 3 輸送ポンプ、 4 調量ポンプ、 5 制御装置、 6,6.1,6.2 ポンプ駆動部、 7 圧力センサー、 8 流入管路、 9 輸送ポンプ入口、 10 輸送ポンプ出口、 11 輸送管路、 12 調量ポンプ入口、 13 調量ポンプ出口、 14 逆流装置、 15 調量管路、 17 ガスクッション、 18 着色材接続部、 19 溶融物接続部、 20 構成ユニット、 21,22 歯車対、 23.1 押し出し機、 23.2 溶融物管路、 23.3 ミキサー、 23.4 紡糸ポンプ、 24 圧力調節弁、 25 バイパス管路、 26 分配ブロック、 27 駆動軸、 28 接続箇所、 29 戻し接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状の着色材をポリマー溶融物内に供給するための装置であって、調量ポンプ(4)を備えており、調量ポンプが調量ポンプ入口(12)及び調量ポンプ出口(13)を有しており、調量ポンプ入口(12)がタンク(1)に接続されており、調量ポンプ出口(13)がポリマー溶融物輸送のための輸送部材(23)に接続されており、調量ポンプ(4)によって輸送部材(23)内のポリマー溶融物にタンク(1)から着色材(2)が調量された量で添加されるようになっている形式のものにおいて、調量ポンプ(4)の調量ポンプ入口(12)が輸送ポンプ(3)の輸送ポンプ出口(10)に接続されており、輸送ポンプ(3)がタンク(1)との接続のための輸送ポンプ入口(9)を有していることを特徴とする、液状の着色材をポリマー溶融物内に供給するための装置。
【請求項2】
調量ポンプ(4)及び輸送ポンプ(3)に対応して、制御可能なそれぞれ1つのポンプ駆動部(6.1,6.2)を配置してあり、ポンプ駆動部(6.1,6.2)が1つの制御装置(5)に接続されている請求項1記載の装置。
【請求項3】
輸送ポンプ(3)の輸送ポンプ出口(10)と調量ポンプ(4)の調量ポンプ入口(12)との間に圧力センサー(7)を配置してあり、圧力センサー(7)が制御装置(5)に接続されている請求項2記載の装置。
【請求項4】
調量ポンプ(4)及び輸送ポンプ(3)に対応して、共通の唯一のポンプ駆動部(6)を配置してあり、ポンプ駆動部(6)が制御装置(5)に接続されている請求項1記載の装置。
【請求項5】
輸送ポンプ(3)が調量ポンプ(4)よりも大きな吐出量を有している請求項4記載の装置。
【請求項6】
輸送ポンプ(3)の輸送ポンプ出口(10)が輸送管路(11)を介して調量ポンプ(4)の調量ポンプ入口(12)に接続されており、輸送管路(11)が圧力調節弁(24)を介してバイパス管路(25)に接続されている請求項5記載の装置。
【請求項7】
バイパス管路(25)が輸送ポンプ(3)の輸送ポンプ入口(9)若しくはタンク(1)に接続されている請求項6記載の装置。
【請求項8】
調量ポンプ(4)の調量ポンプ出口(13)に対応して逆流装置(14)が配置されており、逆流装置によって溶融物輸送部材(23)から調量ポンプ出口(13)内へのポリマー溶融物の逆流が阻止されるようになっている請求項1から7のいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
逆流装置(14)が逆止弁若しくはフリーズ弁によって形成されている請求項8記載の装置。
【請求項10】
タンク(1)が輸送ポンプ(3)の輸送ポンプ入口(9)に取り付けられている請求項1から9のいずれか1項記載の装置。
【請求項11】
タンク(1)が圧力源(16)に接続されており、圧力源(16)によって、タンク(1)内に蓄えられた着色材(2)上に作用するガスクッション(17)が形成されるようになっている請求項1から10のいずれか1項記載の装置。
【請求項12】
調量ポンプ(4)及び輸送ポンプ(3)並びに輸送管路(11)が加熱可能に形成されている請求項1から11のいずれか1項記載の装置。
【請求項13】
液状の着色材をポリマー溶融物内に供給するための装置であって、調量ポンプ(4)を備えており、調量ポンプが調量ポンプ入口(12)及び調量ポンプ出口(13)を有しており、調量ポンプ入口(12)がタンク(1)に接続されており、調量ポンプ出口(13)がポリマー溶融物輸送のための輸送部材(23)に接続されており、調量ポンプ(4)によって輸送部材(23)内のポリマー溶融物にタンク(1)から着色材(2)が調量された量で添加されるようになっている形式のものにおいて、調量ポンプ(4)が、調量ポンプ出口(13)に対応して配置された溶融物接続部(19)及び調量ポンプ入口(12)に対応して配置された着色材接続部(18)を備えた構成ユニット(20)として形成されており、構成ユニット(20)が溶融物接続部(19)を介して選択的に、紡糸装置若しくは溶融物輸送装置の複数の溶融物輸送部材(23)のうちの1つに接続されるようになっていることを特徴とする、液状の着色材をポリマー溶融物内に供給するための装置。
【請求項14】
調量ポンプ(4)の調量ポンプ出口(13)に対応して逆流装置(14)が配置されており、逆流装置によって調量ポンプ出口(13)内へのポリマー溶融物の逆流が阻止されるようになっている請求項13記載の装置。
【請求項15】
逆流装置(14)が逆止弁若しくはフリーズ弁によって形成されている請求項14記載の装置。
【請求項16】
タンク(1)が構成ユニット(20)の構成部分として直接に着色材接続部(18)に接続されている請求項13から15のいずれか1項記載の装置。
【請求項17】
タンク(1)が圧力源(16)に接続されており、圧力源(16)によって、タンク(1)内に蓄えられた着色材(2)上に作用するガスクッション(17)が形成されるようになっている請求項13から16のいずれか1項記載の装置。
【請求項18】
構成ユニット(20)が調量ポンプ(4)及び輸送ポンプ(3)から成っており、着色材接続部(18)に対応して、輸送ポンプ(3)の輸送ポンプ入口(9)を配置してあり、輸送ポンプ(3)の輸送ポンプ出口(10)が調量ポンプ(4)の調量ポンプ入口(12)に接続されている請求項13から17のいずれか1項記載の装置。
【請求項19】
構成ユニット(20)の、着色材を輸送する部分が加熱可能に形成されている請求項13から18のいずれか1項記載の装置。
【請求項20】
液状の着色材をポリマー溶融物内に供給するための方法であって、タンクから輸送された液状の着色材を調量ポンプによって供給圧力下でポリマー溶融物内へ調量して送り込み形式のものにおいて、液状の着色材を輸送ポンプ(フィードポンプ)によってタンクから輸送して、輸送圧力下で調量ポンプ内へ送ることを特徴とする、液状の着色材をポリマー溶融物内に供給するための方法。
【請求項21】
調量ポンプ入口での液状の着色材の輸送圧力を、調量ポンプの調量ポンプ出口での着色材の供給圧力と同じか若しくは該供給圧力よりも低くする請求項20記載の方法。
【請求項22】
輸送ポンプの輸送体積を次のように調節し、即ち調量ポンプ入口での液状の着色材の輸送圧力をほぼ一定にする請求項20又は21記載の方法。
【請求項23】
輸送ポンプの輸送体積を調量ポンプの送り体積よりも大きくして、調量ポンプ入口での液状の着色材の輸送圧力を圧力調節弁によって調節し、輸送ポンプによって輸送された余剰の着色材を排出する請求項20又は21記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状の着色材をポリマー溶融物内に供給するための装置であって、調量ポンプ(4)を備えており、調量ポンプが調量ポンプ入口(12)及び調量ポンプ出口(13)を有しており、調量ポンプ入口(12)がタンク(1)に接続されており、調量ポンプ出口(13)がポリマー溶融物輸送のための輸送部材(23)に接続されており、調量ポンプ(4)によって輸送部材(23)内のポリマー溶融物に、タンク(1)から着色材(2)が調量された量で添加されるようになっており、調量ポンプ(4)の調量ポンプ入口(12)が輸送ポンプ(3)の輸送ポンプ出口(10)に接続されており、かつ輸送ポンプ(3)がタンク(1)との接続のための輸送ポンプ入口(9)を有している形式のものにおいて、調量ポンプ(4)及び輸送ポンプ(3)に対応して、共通の唯一のポンプ駆動部(6)を配置してあり、ポンプ駆動部(6)が制御装置(5)に接続されていることを特徴とする、液状の着色材をポリマー溶融物内に供給するための装置。
【請求項2】
輸送ポンプ(3)が調量ポンプ(4)よりも大きな吐出量を有している請求項1記載の装置。
【請求項3】
輸送ポンプ(3)の輸送ポンプ出口(10)が輸送管路(11)を介して調量ポンプ(4)の調量ポンプ入口(12)に接続されており、輸送管路(11)が圧力調節弁(24)を介してバイパス管路(25)に接続されている請求項2記載の装置。
【請求項4】
バイパス管路(25)が輸送ポンプ(3)の輸送ポンプ入口(9)若しくはタンク(1)に接続されている請求項3記載の装置。
【請求項5】
調量ポンプ(4)の調量ポンプ出口(13)に対応して逆流装置(14)が配置されており、逆流装置によって溶融物輸送部材(23)から調量ポンプ出口(13)内へのポリマー溶融物の逆流が阻止されるようになっている請求項1から4のいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
逆流装置(14)が逆止弁若しくはフリーズ弁によって形成されている請求項5記載の装置。
【請求項7】
タンク(1)が輸送ポンプ(3)の輸送ポンプ入口(9)に取り付けられている請求項1から6のいずれか1項記載の装置。
【請求項8】
タンク(1)が圧力源(16)に接続されており、圧力源(16)によって、タンク(1)内に蓄えられた着色材(2)上に作用するガスクッション(17)が形成されるようになっている請求項1から7のいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
調量ポンプ(4)及び輸送ポンプ(3)並びに輸送管路(11)が加熱可能に形成されている請求項1から8のいずれか1項記載の装置。
【請求項10】
調量ポンプ(4)が、調量ポンプ出口(13)に対応して配置された溶融物接続部(19)及び調量ポンプ入口(12)に対応して配置された着色材接続部(18)を備えた構成ユニット(20)として形成されており、構成ユニット(20)が溶融物接続部(19)を介して選択的に、紡糸装置若しくは溶融物輸送装置の複数の溶融物輸送部材(23)のうちの1つに接続されるようになっている請求項1から9のいずれか1項記載の装置。
【請求項11】
調量ポンプ(4)の調量ポンプ出口(13)に対応して逆流装置(14)が配置されており、逆流装置によって調量ポンプ出口(13)内へのポリマー溶融物の逆流が阻止されるようになっている請求項10記載の装置。
【請求項12】
逆流装置(14)が逆止弁若しくはフリーズ弁によって形成されている請求項11記載の装置。
【請求項13】
タンク(1)が構成ユニット(20)の構成部分として直接に着色材接続部(18)に接続されている請求項10から12のいずれか1項記載の装置。
【請求項14】
タンク(1)が圧力源(16)に接続されており、圧力源(16)によって、タンク(1)内に蓄えられた着色材(2)上に作用するガスクッション(17)が形成されるようになっている請求項10から13のいずれか1項記載の装置。
【請求項15】
構成ユニット(20)が調量ポンプ(4)及び輸送ポンプ(3)から成っており、着色材接続部(18)が輸送ポンプ(3)の輸送ポンプ入口(9)に対応して配置されており、輸送ポンプ(3)の輸送ポンプ出口(10)が調量ポンプ(4)の調量ポンプ入口(12)に接続されている請求項10から14のいずれか1項記載の装置。
【請求項16】
構成ユニット(20)の、着色材を輸送する部分が加熱可能に形成されている請求項10から15のいずれか1項記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−502314(P2006−502314A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−525172(P2004−525172)
【出願日】平成15年7月9日(2003.7.9)
【国際出願番号】PCT/EP2003/007435
【国際公開番号】WO2004/013386
【国際公開日】平成16年2月12日(2004.2.12)
【出願人】(503420235)ザウラー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (51)
【Fターム(参考)】