説明

液状化粧品塗布具

【課題】 異なる種類の穂先が集束したノーズピースを、所定形状の塗布具本体に保持させることにより、結果的に液状化粧品塗布具の製造コストを低下させる。
【解決手段】 内部に中綿13が収納された筒状の塗布具本体12と、該塗布具本体12の先端部12aに嵌め込むと共に穂先15が集束されたノーズピース14とを少なくとも有する液状化粧品塗布具11であって、前記塗布具本体12の先端部12aは、種々の種類の穂先15が集束されたノーズピース14を容易に嵌め込むことができるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイライナー液等の液状化粧品を塗布する液状化粧品塗布具に関するものであり、更には、先端部に穂先が設けられて筆形に形成された液状化粧品塗布具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の液状化粧品塗布具としては、次のような構成のものが知られている。この液状化粧品塗布具は、筒状で中空の塗布具本体と、この塗布具本体の先端部に保持された穂先と、この穂先を覆うキャップと、塗布具本体の後端部を閉塞する尾栓とから構成されており、塗布具本体の内部には、液状化粧品が含浸した中綿が収納されている(特許文献1参照)。
【0003】
このような構成の液状化粧品塗布具は、中綿に含浸した液状化粧品を穂先から吐出させて塗布するものである。
【特許文献1】実開平6−48521号公報(第4頁及び第5頁、図13)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この従来例の液状化粧品塗布具においては、液状化粧品の種類や液状化粧品を塗布する部位などの違いにより、形状等において最適な種類の穂先が選択される。その場合、選択した穂先の種類に応じて塗布具本体の先端部の保持形状を異ならせる必要がある。しかし、穂先の種類によって異なる保持形状の塗布具本体を使用すると、多数の種類の塗布具本体が必要であり、結果的に製造コストが増加することとなる。
【0005】
従って、従来例における液状化粧品塗布具においては、種々の異なる種類の穂先を所定形状の塗布具本体に保持できるようにして、製造コストを低下させることに解決しなければならない課題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来例の課題を解決する具体的手段として本発明は、内部に中綿が収納された筒状の塗布具本体と、該塗布具本体の先端部に嵌め込むと共に穂先が集束されたノーズピースとを少なくとも有する液状化粧品塗布具であって、前記塗布具本体の先端部は、種々の種類の穂先が集束されたノーズピースを容易に嵌め込むことができるように構成されていることを特徴とする液状化粧品塗布具を提供するものである。
【0007】
また、前記穂先の基部には、前記中綿に挿入する中経芯が設けられている構成としたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る液状化粧品塗布具は、内部に中綿が収納された筒状の塗布具本体と、該塗布具本体の先端部に嵌め込むと共に穂先が集束されたノーズピースとを少なくとも有する液状化粧品塗布具であって、前記塗布具本体の先端部は、種々の種類の穂先が集束されたノーズピースを容易に嵌め込むことができるように構成されていることによって、種類が異なる穂先を備えたノーズピースを所定形状の塗布具本体に容易に保持できる。従って、保持形状の異なる種類の塗布具本体を必要としないので、結果的に製造コストが低下するという優れた効果を奏する。
【0009】
また、穂先の基部には、前記中綿に挿入する中経芯が設けられていることによって、中綿に含浸された液状化粧品が中経芯を介して穂先から吐出するという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。まず、図1及び図2において、符号11は液状化粧品塗布具を示し、この液状化粧品塗布具11は、筒状の塗布具本体12と、この塗布具本体12の内部に収納される中綿13と、塗布具本体12の先端部12aに嵌め込むノーズピース14と、このノーズピース14に集束される穂先15と、塗布具本体12の先端部12aを覆うキャップ16と、塗布具本体12の後端部12bを閉塞する尾栓17とから構成される。
【0011】
塗布具本体12は、図3に示すように、先端部12a及び後端部12bが開口して筒状に形成されている。そして、先端部12a側には、周方向に沿って段部18が形成されており、この段部18にキャップ16の他端部16bが当接するようになっている。また、段部18には、縮径部19が延設されており、この縮径部19の外周面には、周方向に沿って凸条部20が形成されている。更に、縮径部19の内径は、所定の寸法に形成されている。
【0012】
中綿13は、略円柱状に形成されて、塗布具本体12の内部に収納されており、この中綿13にアイライナー液等の液状化粧品が含浸している。また、中綿13の後端部13bには、図1に示すように、リング状のアジャスター21が収納されており、このアジャスター21によって中綿13を固定状態に保持している。
【0013】
ノーズピース14は、図4及び図5に示すように、中空状に形成されて、先端側にテーパー状部22が設けられている。テーパー状部22の後部には、周方向に沿って段部23が形成されており、この段部23が塗布具本体12の先端部12aに当接する。また、テーパー状部22の後部には、筒部24が延設されており、筒部24の外周面には、凹溝25が形成されている。そして、筒部24の外径寸法は、縮径部19の内径寸法よりも僅かに小さめな所定の寸法に形成されている。つまり、筒部24を塗布具本体12の縮径部19の内側に容易に嵌め込むことができるように構成されているのである。
【0014】
穂先15は、ポリエステル繊維等の周知の材料で形成されており、図6及び図7に示すように、先端部15a側がノーズピース14の外部に突出している。また、基部15b側がノーズピース14の内部で集束されていると共に、基部15bの縁を接着固定して鍔状部15cに形成し、この鍔状部15cを筒部24の端部24aから僅かに膨出させている(図1及び図7参照)。
【0015】
穂先15の基部15bには、図1及び図7に示すように、中経芯26が挿入した状態に設けられており、この中経芯26は、中綿13の先端部13aに挿入される。このように、穂先15と中綿13との間に中経芯26が介在することにより、中綿13に含浸された液状化粧品がスムーズに穂先15から吐出する。
【0016】
なお、穂先15は、図6に示した形状のものに限らず、使用される液状化粧品の種類や、液状化粧品を塗布する目的、部位などの違いにより、形状等において種々な種類の穂先が選択される。
穂先の他の種類の一例を説明する。図8に示す穂先28は、ポーラスペンと云われ、ウレタン樹脂の連続した気泡で構成されており、その基部28bには中経芯26が挿入した状態に設けられている。図9に示す穂先29は、ナイロンペンと云われ、ナイロン繊維をウレタン樹脂で固化したものであり、主にアイブローに用いるもので、先端部29aが丸みを帯びて形成される。図10に示す穂先30もナイロンペンと云われ、ナイロン繊維をウレタン樹脂で固化したものであり、先端部30aが鋭く形成される。このような様々な種類の穂先から選択されてノーズピース14に集束されるのである。
【0017】
キャップ16は、図1に示すように、一端部16aが閉塞した筒状に形成され、他端部16bが開口しており、この他端部16bが塗布具本体12の段部18に当接するようになっている。また、キャップ16の内部における一端部16a側には、内キャップ27が設けられている。
【0018】
尾栓17は、図1に示すように、一端部17aが開口し、他端部17bが閉塞した栓状に形成されており、塗布具本体12の後端部12bに嵌め込んで施蓋する。
【0019】
このように構成される液状化粧品塗布具11は、ノーズピース14の筒部24を、塗布具本体12の縮径部19の内側に容易に嵌合できるように構成されているので、種々の種類の穂先が集束されたノーズピース14であっても、所定形状の塗布具本体12に容易に保持できる。従って、保持形状の異なる色々な塗布具本体12を必要としないので、結果的に製造コストが低下することとなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る液状化粧品塗布具11の半身を破断して示した断面図である。
【図2】本発明に係る液状化粧品塗布具11の平面図である。
【図3】塗布具本体12の半身を破断して示した断面図である。
【図4】ノーズピース14の平面図である。
【図5】ノーズピース14の断面図である。
【図6】穂先15の半身を破断して示した断面図である。
【図7】穂先15を集束したノーズピース14の斜視図である。
【図8】他の実施例の穂先28の半身を破断して示した断面図である。
【図9】他の実施例の穂先29の一部を省略した平面図である。
【図10】他の実施例の穂先30の半身を破断して示した断面図である。
【符号の説明】
【0021】
11 液状化粧品塗布具
12 塗布具本体
12a先端部
12b後端部
13 中綿
13a先端部
13b後端部
14 ノーズピース
15 穂先
15a先端部
15b基部
15c鍔状部
16 キャップ
16a一端部
16b他端部
17 尾栓
17a一端部
17b他端部
18 段部
19 縮径部
20 凸条部
21 アジャスター
22 テーパー状部
23 段部
24 筒部
24a端部
25 凹溝
26 中経芯
27 内キャップ
28 穂先
28b基部
29 穂先
29a先端部
30 穂先
30a先端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に中綿が収納された筒状の塗布具本体と、該塗布具本体の先端部に嵌め込むと共に穂先が集束されたノーズピースとを少なくとも有する液状化粧品塗布具であって、
前記塗布具本体の先端部は、種々の種類の穂先が集束されたノーズピースを容易に嵌め込むことができるように構成されていることを特徴とする液状化粧品塗布具。
【請求項2】
前記穂先の基部には、前記中綿に挿入する中経芯が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液状化粧品塗布具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−296936(P2006−296936A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−126464(P2005−126464)
【出願日】平成17年4月25日(2005.4.25)
【出願人】(391056701)池田物産株式会社 (22)