説明

液状化粧品容器

【課題】気密性が向上して液体化粧品の揮発を防止できる、サイドノック式の液状化粧品容器を提供する。
【解決手段】押し釦ホルダー12の内側に沿って移動可能なカートリッジ式タンク23と、該カートリッジ式タンク23内に設けられその内周面に密接した状態で摺動可能であるシール用のディスク24とを備え、押し釦13のプッシュ操作で、前記カートリッジ式タンク23に収納された液体化粧品をブラシ14に所定量吐出させるようにした液体化粧品容器11である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マニキュア液等の液状化粧品を封入したカートリッジ式タンクをセットして使用する液状化粧品容器に関するものであり、更に詳しくは、押し釦を押すだけで、一定量のマニキュア液等をブラシに供給できる、サイドノック式の液状化粧品容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の液状化粧品容器としては、次のような構成のサイドノック式容器が知られている。この容器は、筒状で中空の容器本体と、この容器本体の先端側に設けたブラシと、容器本体の側部に設けたサイドボタンと、このサイドボタンの操作によってマニキュア液等をブラシに供給するバルブ機構とから構成されており、バルブ機構の後部には、マニキュア液等が充填されたカートリッジが着脱自在に設けられている(特許文献1参照)。
【0003】
このような構成のサイドノック式容器は、バルブ機構におけるシリンダー内の弁室を減圧することによって、マニキュア液等をカートリッジから吸引してブラシに供給すると同時に、カートリッジ内の可動底が所定圧分だけ前方に移動して、マニキュア液等を押し出す働きをなすものである。
【特許文献1】特開平11−206453号公報(第1頁、図1乃至図6)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この従来例のサイドノック式容器においては、シリンダー内の弁室の減圧力をもって可動底を移動させる仕組みであるために、可動底とカートリッジとを強固に密接することができない。従って、気密性が劣ることとなり、マニキュア等のような揮発性のある液状化粧品容器としては適さないという不都合がある。
【0005】
従って、従来例におけるサイドノック式容器においては、気密性を向上させて、液体化粧品の揮発を防止することに解決しなければならない課題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来例の課題を解決する具体的手段として本発明は、中空状に形成された押し釦ホルダーと、該押し釦ホルダーの側部にプッシュ操作自在に設けられた押し釦と、前記押し釦ホルダーの先端部に集束用のノーズピースを介して組み付けられたブラシと、前記押し釦ホルダーの後端部に取外し自在に連設したケースホルダーと、該ケースホルダーの後端部に被着したホルダーキャップと、一端部が前記ブラシに連通し、他端部が前記押し釦ホルダー内に延出するパイプと、該パイプが貫通すると共に、一端部に前記押し釦のプッシュ操作によって回転するギアを有し、他端部が前記押し釦ホルダー内に延出し、且つ外周面に沿って雄ネジ部が形成された送りネジ管と、該送りネジ管に螺合したナット部材と、一端部が開口し、他端部にタンクキャップが被着され、且つ前記押し釦ホルダーの内側に沿って移動可能なカートリッジ式タンクと、該カートリッジ式タンク内に設けられ、その内周面に密接した状態で摺動可能であると共に、中央部の挿通孔に合成樹脂膜が形成されたシール用のディスクと、を少なくとも備え、前記カートリッジ式タンクの一端部を前記ナット部材に係合させると同時に、前記パイプの他端部が前記ディスクの合成樹脂膜を突き破るように構成され、前記押し釦のプッシュ操作で、前記カートリッジ式タンクに収納された液体化粧品を前記ブラシに所定量吐出するように構成されたことを特徴とする液体化粧品容器を提供するものである。
【0007】
また、前記押し釦は、バネ材で付勢されている構成としたものであり、そして、前記カートリッジ式タンク及びケースホルダーは、透明な合成樹脂材で形成した構成としたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る液体化粧品容器は、押し釦のプッシュ操作で、ギアと共に送りネジ管を所定角度回転させることによって、この送りネジ管に螺合するナット部材がカートリッジ式タンクと一緒に所定幅だけ前進移動する。同時に、カートリッジ式タンクの移動方向と反対方向にディスクが送りネジ管の端部で押し出される。カートリッジ式タンクはディスクでシールされているので、容積の減少分だけ、液体化粧品がパイプを通ってブラシに吐出することとなる。
このように、送りネジ管の端部でディスクを強制的に押し出す仕組みなので、ディスクをカートリッジ式タンクの内周面に対して強固に密接させることができる。従って、カートリッジ式タンクの気密性が向上するので、液体化粧品の揮発を防止できるという優れた効果を奏する。
【0009】
また、送りネジ管の雄ネジ部とナット部材とを螺合させて、送りネジ管の回転でナット部材に係合したカートリッジ式タンクを所定幅だけ前進移動させる仕組みの利点は、ネジ山のピッチを設計変更すれば、カートリッジ式タンクが前進移動する幅を適宜に変更できることである。即ち、押し釦のワンプッシュ操作による液体化粧品の吐出量を設計通りに調整できるという優れた効果を奏する。
【0010】
そして、カートリッジ式タンクに空気が混入した場合は、ブラシを上に向けて押し釦のプッシュ操作を行うことによって、空気を排出することができる。つまり、液体化粧品と空気とが接触しないようにできるので、液体化粧品の酸化を防止できる。従って、品質保持のための酸化防止剤を低減できて、ひいては皮膚への刺激をなくすることができるという優れた効果を奏する。
【0011】
更に、前記押し釦は、バネ材で付勢されていることによって、押し釦のプッシュ操作が確実に行えるという優れた効果を奏する。
【0012】
また、カートリッジ式タンク及びケースホルダーは、透明な合成樹脂材で形成したことによって、カートリッジ式タンクに収納した液体化粧品の色、光沢又は残量等を外部から視認できるので便利であるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。まず、図1は、液体化粧品が充填された状態の液体化粧品容器11の横断面図であり、図2は、液体化粧品を吐出し終えた状態の液体化粧品容器11の横断面図である。
【0014】
この液体化粧品容器11は、中空状に形成された押し釦ホルダー12と、この押し釦ホルダー12の側部にプッシュ操作自在に設けられた押し釦13と、押し釦ホルダー12の先端部に組み付けられたブラシ14と、押し釦ホルダー12の先端部に取外し自在に被着するキャップ15と、押し釦ホルダー12の後端部に取外し自在に連設したケースホルダー16と、ケースホルダー16の後端部に被着したホルダーキャップ17と、一端部18aがブラシ14に連通し他端部18bが押し釦ホルダー12内に延出するパイプ18と、このパイプ18が貫通すると共に一端部20aに押し釦13のプッシュ操作によって回転するギア19を有し他端部20bが押し釦ホルダー12内に延出しする送りネジ管20と、この送りネジ管20に螺合したナット部材21と、一端部23aが開口し他端部23bにタンクキャップ22が被着され且つ押し釦ホルダー12の内側に沿って移動可能なカートリッジ式タンク23と、このカートリッジ式タンク23内に設けられその内周面に密接した状態で摺動可能であるシール用のディスク24とから構成される。
【0015】
押し釦ホルダー12は、図3から図5に示すように、両端部が開口した筒状に形成されており、側部に押し釦13を取り付ける楕円形状の開口部25が設けられている。また、内周面には、それぞれ突起79及び突起80が形成されており、この突起79及び突起80は、後述する押し釦ガイド部材55の凹部81及び凹部82がそれぞれ係合する。そして、内周面における両側部には、案内溝26が形成されており、この案内溝26にナット部材21の摺動突起部67が係合して摺動するように構成されている。更に、他端部12b側には、内周面の周方向に沿って凹状部27が形成されており、この凹状部27にケースホルダー16の凸状部60が嵌合している。
【0016】
押し釦13は、図6から図10に示すように、上部に押圧部28を有し、押圧部28の下部に空間部29が設けられている。この空間部29には送りネジ管20のギア19が配置される(図31参照)。
空間部29の一方の側部には、短形状の棒状片30が垂下しており、この棒状片30の先端には、複数の突起31が設けられている。この突起31は、下側に水平部31aを有し、上側にテーパー部31bを有する(図7及び図31参照)。
また、空間部29の他方の側部には、長形状の棒状片32が垂下しており、この棒状片32の先端には、複数の突起33が設けられている。この突起33は、下側にテーパー部33bを有し、上側に水平部33aを有する(図7及び図31参照)。
そして、押し釦13の中央部には、挿通孔34が形成されており、この挿通孔34にパイプ18が挿通している。また、押し釦13の底部には、円形凹部35が形成されており、この円形凹部35に後述するバネ材38の上端部38bを保持している(図10参照)。
更に、押し釦13の前部には、所定長さの垂下片36が垂下しており、この垂下片36の下端36aは所定角度に形成されている(図6参照)。また、垂下片36の下部には、切欠部37が形成されており、この切欠部37に後述するストッパ部材47のテーパー部52が配置される。
【0017】
押し釦13の後部には、図1に示すように、押し釦ガイド部材55が設けられている。この押し釦ガイド部材55は、図11から図14に示すように、円盤状の本体部56と、本体部56の上部に設けられる上板57と、本体部56の両側部に設けられると共に先端がL字状に折曲する側板58、58とを有する。この上板57と側板58、58とが、ギア19の上部と両側部とに配置される。そして、本体部56の縁部には、凹部81及び凹部82が形成されており、この凹部81及び凹部82が押し釦ホルダー12の突起79及び突起80とそれぞれ係合する。また、本体部56の中央部には、円形の挿通孔59が形成されており、この挿通孔59にパイプ18が挿通している。
【0018】
バネ材38は、図15に示すように、下端部38aから上端部38bに沿って拡開した円錐巻きに形成されており、図1に示すように、下端部38aが後述するノーズピースホルダー40の延出部46に当接し、上端部38bが押し釦13の円形凹部35に保持されている。
このように、バネ材38が配設されることによって、押し釦13が常に上部に付勢されると共に、押し釦13のプッシュ操作が確実に行えることとなる。
【0019】
ブラシ14は、図1、図16から図20に示すように、該ブラシ14の後部側がノーズピース39に集束されており、このノーズピース39がノーズピースホルダー40の一端部40aに嵌合している。また、ノーズピース39の他端部39bには、中空状のノーズピースキャップ41が嵌合している。
【0020】
このノーズピース39は、図16に示すように、中空状に形成されて、先端側にテーパー状部90が設けられている。テーパー状部90の後部には、段部91が形成され、この段部91がノーズピースホルダー40の一端部40aに当接する。また、段部91の後部には、周方向に沿って凹溝92が形成されており、更に、凹溝92の後部には、内周面の周方向に沿って凹溝93が形成されている。
【0021】
ノーズピースキャップ41は、中空状に形成されて、先端側にテーパー状部94が設けられている。テーパー状部94の後部には、周方向に沿って凸部95が形成されており、この凸部95がノーズピース39の凹溝93に嵌合する。凸部95の後部には、段部96が形成され、この段部96がノーズピース39の他端部39bに当接する。
【0022】
このように、ノーズピース39をノーズピースホルダー40に嵌合させる構成にしたことによって、種々な種類のブラシを取り付けたノーズピース39を、同一規格のノーズピースホルダー40に取り付けることができるので、製造上のコストダウンを図ることが可能となる。
【0023】
ノーズピースホルダー40は、図18から図20に示すように、中空状に形成されて、先端側にテーパー状部42が設けられている。また、途中にネジ部43が形成されており、このネジ部43にキャップ15の雌ネジ部53が螺合できる構成になっている。
そして、ネジ部43の後部側には、外周に沿って鍔部44が形成されており、この鍔部44が押し釦ホルダー12の一端部12aに当接している(図1参照)。
鍔部44の後部側には、略半円状の切欠部45が形成されており、切欠部45の下部には、延出部46が形成されている。
更に、ノーズピースホルダー40の内部には、図1に示すように、後述するストッパ部材47が移動可能に配置される。鍔部44の下部近傍には、図20に示すように、長孔49が設けられており、この長孔49から、ストッパ部材47の係止突起48が移動可能に突出している。
【0024】
ストッパ部材47は、図21から図23に示すように、円盤状の本体部50と、本体部50の下部に設けられた係止突起48と、本体部50の中央に設けられた筒状部51とを有しており、筒状部51の先端は所定角度のテーパー部52が形成されている。このテーパー部52が押し釦13の切欠部37に配置され、テーパー部52と前記垂下片36の下端36aとが当接する。また、ストッパ部材47の中央部には、小孔47aが形成されており、この小孔47aにパイプ18が挿通している。
【0025】
キャップ15は、図24に示すように、一端部15aが閉塞した筒状に形成され、他端部15bが開口しており、この他端部15bに段部54が形成されている。また、他端部15bの内周には、雌ネジ部53が形成されており、この雌ネジ部53がノーズピースホルダー40のネジ部43と螺合することによって、キャップ15が押し釦ホルダー12の先端部に被着される。このとき、他端部15bがノーズピースホルダー40の鍔部44に当接すると共に、段部54が長孔49から突出したストッパ部材47の係止突起48を固定状態に維持する(図1参照)。
【0026】
次に、押し釦13とストッパ部材47との動作について説明する。押圧部28を押圧すると垂下片36が下降する。この下降した垂下片36は、ストッパ部材47のテーパー部52を摺動状態で先端方向に押し出して、ストッパ部材47を先端方向に移動させる。このとき、長孔49から突出している係止突起48も先端方向に移動する。
一方、キャップ15の雌ネジ部53と、ノーズピースホルダー40のネジ部43とが螺合しているときは(図1及び図2参照)、段部54が係止突起48を固定状態に維持するので、押し釦13を押圧しようとしても、ストッパー部材47が先端方向に移動できないので、押し釦13を押圧できない。従って、キャップ15を被着している状態では、押し釦13を押圧できないので、収納時等における無用な押し釦13の押圧を防止できるのである。
【0027】
ケースホルダー16は、図25に示すように、両端部が開口した筒状に形成されており、一端部16a側には、周方向に沿って凸状部60が形成され、この凸状部60が押し釦ホルダー12の凹状部27に嵌合する。また、他端部16b側には、周方向に沿って凸状部61が形成され、この凸状部61がホルダーキャップ17の凹状部62に嵌合する。
【0028】
ホルダーキャップ17は、図26に示すように、一端部17aが開口し、他端部17bが閉塞した筒状に形成されている。一端部17aの内周には、周方向に沿って凹状部62が形成され、この凹状部62がケースホルダー16の凸状部61に嵌合する。
【0029】
パイプ18は、図1及び図27に示すように、一端部18aがブラシ14に連通し、他端部18bが押し釦ホルダー12内に延出している。また、他端部18bは、先端が鋭利に形成されている。そして、他端部18b側から液体化粧品が入って、一端部18aのブラシ14に吐出されるようになっている。
【0030】
送りネジ管20は、図1、図28及び図29に示すように、一端部20aに押し釦13のプッシュ操作によって回転するギア19を有し、他端部20bが押し釦ホルダー12内に延出すると共に、外周面に雄ネジ部63が形成されている。そして、この雄ネジ部63にナット部材21が螺合している(図1参照)。また、送りネジ管20の中心部には挿通孔64が形成されており、この挿通孔64にパイプ18が挿通している。
ギア19は、図29及び図30に示すように、一方に垂直部65aを有し、他方にテーパー部65bを有する突起65が外周面に沿って連続的に形成されている。
【0031】
次に、ギア19と押し釦13との係合関係を図31に示して説明する。押圧部28を押し下げたときに、突起31の水平部31aが、ギア19の垂直部65aを押し下げて、ギア19を所定角度回転させる。
押し釦13はバネ材38で上部に付勢されているので、押し釦13が上部に戻るときに、突起33の水平部33aが、ギア19の垂直部65aを押し上げて、ギア19をさらに所定角度回転させる。
このように、押し釦13の一回の押圧操作で、押し下げと、戻りとのダブル動作でギア19を回転させるので、ひいては、押し釦13のワンプッシュで液体化粧品の充分な吐出を図ることが可能となる。
【0032】
ナット部材21は、図32から図35に示すように、略環状に形成されており、その外周縁に沿って係止突部66が形成されている。また、ナット部材21の外周には、一対の摺動突起部67が設けられており、この摺動突起部67が押し釦ホルダー12の案内溝26に係合して摺動できる構成になっている。
また、ナット部材21の内周には、図32に示すように、段部68を有すると共に、段部68の後部側に雌ネジ部69が形成されている。この雌ネジ部69が、送りネジ管20の雄ネジ部63と螺合している。
更に、ナット部材21の後部側には、図33に示すように、所定の間隔を開けて4箇所の凹溝70が形成されている。
【0033】
カートリッジ式タンク23は、図36及び図37に示すように、両端部が開口した筒状に形成されており、一端部23aには、係止爪71が形成され、この係止爪71がナット部材21の係止突部66に係止できる構成になっている。
また、一端部23a側の内周面には、周方向に沿って係合段部72が設けられており、この係合段部72に、ディスク24の係合凹部89が係合できる構成である(図36、図39及び図42参照)。係合段部72の中央部には、円形の挿通孔73が形成されており、挿通孔73の両端部には、長孔部73aが延設されている(図37参照)。長孔部73aに隣接した位置には、突部74が設けられている。
また、カートリッジ式タンク23の他端部23b側は、内周の周方向に沿って凹状部75が形成されており、この凹状部75がタンクキャップ76の凸状部78に嵌合する。
【0034】
なお、カートリッジ式タンク23及び前述のケースホルダー16は、透明な合成樹脂材で形成することが望ましい。その場合には、カートリッジ式タンク23に収納した液体化粧品の色、光沢又は残量等を外部から視認できることとなる。
【0035】
タンクキャップ76は、図38に示すように、一端部76aが開口し、他端部76bが閉塞した蓋状に形成されており、他端部76bの外周縁に沿って縁部77が形成されている。また、タンクキャップ76の外周面には、周方向に沿って凸状部78が形成されており、タンクキャップ76をカートリッジ式タンク23の他端部23bに嵌め合せ、凸状部78と凹状部75とが嵌合する。
【0036】
ディスク24は、図39から図41に示すように、略筒状の外周部83と、外周部83の内側に設けられる略筒状の内周部84と、内周部84の反対側に設けられる筒部85とを有し、筒部85の縁部には一対の係止突起86が設けられている。この係止突起86と外周部83との間には、係合凹部89が形成されており(図39参照)、この係合凹部89が、カートリッジ式タンク23の係合段部72に係合する構成になっている(図42参照)。
また、内周部84の中央部には、挿通孔87が形成されており、挿通孔87の出口には、合成樹脂膜88が設けられている。この合成樹脂膜88は、パイプ18の他端部18bで突き破ることができるようになっている。そして、ディスク24は、カートリッジ式タンク23内に配置されて、その内周面に外周部83が密接した状態で摺動可能である。
【0037】
次に、以上のように構成された液体化粧品容器11の使用方法及び動作について説明する。まず、図42(イ)(ロ)(ハ)に示すように、カートリッジ式タンク23の一端部23aをナット部材21に押し付けて、係止爪71を係止突部66に係止する。このときディスク24の係止突起86がナット部材21の凹溝70に嵌り込んで保持される。
次に、カートリッジ式タンク23を回転させて、ディスク24の係止突起86と係合段部72の長孔部73aとを一致した位置に移動させる(図37及び図39参照)。この状態においては係合段部72と係合凹部89との係合状態が解消されているので、係止突起86を長孔部73aで通過させて、ディスク24をカートリッジ式タンク23の後部側に移動させることが可能である。
更に、図42(ハ)に示すように、ディスク24の合成樹脂膜88は、パイプ18の他端部18bで突き破られる。
【0038】
そして、既述のように、押し釦13のプッシュ操作で、ギア19を所定角度回転させると送りネジ管20も共に回転する。この送りネジ管20に螺合するナット部材21はカートリッジ式タンク23と一緒に所定幅だけ前進移動する。同時に、カートリッジ式タンク23の移動方向と反対方向にディスク24が送りネジ管20の他端部20bで押し出される。カートリッジ式タンク23はディスク24でシールされているので、容積の減少分だけ、液体化粧品がパイプ18を通ってブラシ14に吐出することとなる。
このように、送りネジ管20の他端部20bでディスク24を強制的に押し出す仕組みなので、ディスク24をカートリッジ式タンク23の内周面に対して強固に密接させることができて気密性が向上する。
【0039】
また、送りネジ管20の雄ネジ部63及びナット部材21の雌ネジ部69のネジ山のピッチを設計変更すれば、カートリッジ式タンク23が前進移動する幅を適宜に変更できるので、押し釦13のワンプッシュ操作による液体化粧品の吐出量を設計通りに調整できる。
【0040】
更に、カートリッジ式タンク23に空気が混入した場合は、ブラシ14を上に向けて押し釦13のプッシュ操作を行うことによって、空気を排出することができるので液体化粧品の酸化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】液体化粧品が充填された状態の液体化粧品容器11の横断面図である。
【図2】液体化粧品を吐出し終えた状態の液体化粧品容器11の横断面図である。
【図3】押し釦ホルダー12の一部を破断した状態の平面図である。
【図4】押し釦ホルダー12の一部を破断した状態の側面図である。
【図5】押し釦13の前部側を示す正面図である。
【図6】押し釦13の側面図である。
【図7】押し釦13の後部側を示す正面図である。
【図8】押し釦13の前部側を示す正面図である。
【図9】押し釦13の平面図である。
【図10】押し釦13の底面図である。
【図11】押し釦ガイド部材55の側面図である。
【図12】押し釦ガイド部材55の後部側を示す正面図である。
【図13】押し釦ガイド部材55の前部側を示す正面図である。
【図14】押し釦ガイド部材55の平面図である。
【図15】バネ材38の正面図である。
【図16】ノーズピース39の平面図である。
【図17】ノーズピースキャップ41の平面図である。
【図18】ノーズピースホルダー40の一部を破断した状態の平面図である。
【図19】ノーズピースホルダー40の側面図である。
【図20】ノーズピースホルダー40の長孔49を示す説明図である。
【図21】ストッパ部材47の側面図である。
【図22】ストッパ部材47の後部側を示す正面図である。
【図23】ストッパ部材47の平面図である。
【図24】キャップ15の一部を破断した状態の平面図である。
【図25】ケースホルダー16の一部を破断した状態の平面図である。
【図26】ホルダーキャップ17の一部を破断した状態の平面図である。
【図27】パイプ18の途中を省略した状態の平面図である。
【図28】送りネジ管20の平面図である。
【図29】ギア19の正面図である。
【図30】ギア19の一部を拡大した正面図である。
【図31】ギア19と押し釦13との係合関係を示す説明図である。
【図32】ナット部材21の一部を破断した状態の側面図である。
【図33】ナット部材21の後部側を示す正面図である。
【図34】ナット部材21の前部側を示す正面図である。
【図35】ナット部材21の平面図である。
【図36】カートリッジ式タンク23の一部を破断した状態の側面図である。
【図37】カートリッジ式タンク23の前部側を示す正面図である。
【図38】タンクキャップ76の一部を破断した状態の平面図である。
【図39】ディスク24の一部を破断した状態の平面図である。
【図40】ディスク24の前部側を示す正面図である。
【図41】ディスク24の側面図である。
【図42】(イ)(ロ)(ハ)カートリッジ式タンク23の一端部23aをナット部材21に係止する状態を説明する平面図である。
【符号の説明】
【0042】
11 液体化粧品容器
12 押し釦ホルダー
12a一端部
12b他端部
13 押し釦
14 ブラシ
15 キャップ
15a一端部
15b他端部
16 ケースホルダー
16a一端部
16b他端部
17 ホルダーキャップ
17a一端部
17b他端部
18 パイプ
18a一端部
18b他端部
19 ギア
20 送りネジ管
20a一端部
20b他端部
21 ナット部材
22 タンクキャップ
23 カートリッジ式タンク
23a一端部
23b他端部
24 ディスク
25 開口部
26 案内溝
27 凹状部
28 押圧部
29 空間部
30 棒状片
31 突起
31a水平部
31bテーパー部
32 棒状片
33 突起
33a水平部
33bテーパー部
34 挿通孔
35 円形凹部
36 垂下片
36a下端
37 切欠部
38 バネ材
38a下端部
38b上端部
39 ノーズピース
39b他端部
40 ノーズピースホルダー
40a一端部
41 ノーズピースキャップ
42 テーパー状部
43 ネジ部
44 鍔部
45 切欠部
46 延出部
47 ストッパ
47a小孔
48 係止突起
49 長孔
50 本体部
51 筒状部
52 テーパー部
53 雌ネジ部
54 段部
55 押し釦ガイド部材
56 本体部
57 上板
58 側板
59 挿通孔
60、61 凸状部
62 凹状部
63 雄ネジ部
64 挿通孔
65 突起
65a垂直部
65bテーパー部
66 係止突部
67 摺動突起部
68 段部
69 雌ネジ部
70 凹溝
71 係止爪
72 係合段部
73 挿通孔
73a長孔部
74 突部
75 凹状部
76 タンクキャップ
76a一端部
76b他端部
77 縁部
78 凸状部
79、80 突起
81、82 凹部
83 外周部
84 内周部
85 筒部
86 係止突起
87 挿通孔
88 合成樹脂膜
89 係合凹部
90 テーパー状部
91 段部
92、93 凹溝
94 テーパー状部
95 凸部
96 段部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空状に形成された押し釦ホルダーと、
該押し釦ホルダーの側部にプッシュ操作自在に設けられた押し釦と、
前記押し釦ホルダーの先端部に集束用のノーズピースを介して組み付けられたブラシと、
前記押し釦ホルダーの後端部に取外し自在に連設したケースホルダーと、
該ケースホルダーの後端部に被着したホルダーキャップと、
一端部が前記ブラシに連通し、他端部が前記押し釦ホルダー内に延出するパイプと、
該パイプが貫通すると共に、一端部に前記押し釦のプッシュ操作によって回転するギアを有し、他端部が前記押し釦ホルダー内に延出し、且つ外周面に沿って雄ネジ部が形成された送りネジ管と、
該送りネジ管に螺合したナット部材と、
一端部が開口し、他端部にタンクキャップが被着され、且つ前記押し釦ホルダーの内側に沿って移動可能なカートリッジ式タンクと、
該カートリッジ式タンク内に設けられ、その内周面に密接した状態で摺動可能であると共に、中央部の挿通孔に合成樹脂膜が形成されたシール用のディスクと、
を少なくとも備え、
前記カートリッジ式タンクの一端部を前記ナット部材に係合させると同時に、前記パイプの他端部が前記ディスクの合成樹脂膜を突き破るように構成され、
前記押し釦のプッシュ操作で、前記カートリッジ式タンクに収納された液体化粧品を前記ブラシに所定量吐出するように構成されたことを特徴とする液体化粧品容器。
【請求項2】
前記押し釦は、バネ材で付勢されていることを特徴とする請求項1に記載の液体化粧品容器。
【請求項3】
前記カートリッジ式タンク及びケースホルダーは、透明な合成樹脂材で形成したことを特徴とする請求項1に記載の液体化粧品容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【公開番号】特開2006−271653(P2006−271653A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−94564(P2005−94564)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(391056701)池田物産株式会社 (22)
【出願人】(397064634)ウイントレーディング有限会社 (1)