説明

清掃具

【課題】 清掃具において、粘着ロールを容易に交換可能にすること。
【解決手段】 清掃具110Aであって、粘着ロール121が回転自在に支持される粘着ロールカバー202をフレーム115に対して閉じ位置と開き位置の間で平行移動可能に設け、粘着ロールカバー202を隔離手段200とし、粘着ロールカバー202は閉じ位置に位置付けられるときに粘着ロール121を覆い、粘着ロール121を清掃ロール116、118に接触させ、開き位置に位置付けられるときに粘着ロール121を外界に臨ませ、粘着ロール121を清掃ロール116、118に非接触にするもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
清掃具として、特許文献1に記載の如く、フレームに床面のゴミを掻き上げる掻き上げロールと、掻き上げロールが掻き上げたゴミを捕捉する粘着ロールとを有するものがある。粘着ロールは、掻き上げロールとこれに相並ぶ回転体とに跨るように載せ置かれ、回転体の回転に連れ回りつつゴミを捕捉する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-230083
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、フレームの窓枠両側部に設けたロール支軸に粘着ロールを回転自在に支持している。
【0005】
そこで、粘着ロールを交換するに際しては、掻き上げロールや回転体に粘着している粘着ロールをそれらの粘着相手から剥離しながら、該粘着ロールをロール支軸から外す必要があり、煩雑である。
【0006】
また、粘着ロールが粘着シートの巻取ロールにて構成されていて、その粘着ロールの使用済粘着シートの1周巻き分を剥離除去するときには、粘着ロールのシート端を引張り、粘着ロールを掻き上げロールと回転体の上で1回転させることになる。しかしながら、粘着ロールは掻き上げロールと回転体に粘着しており、粘着ロールを床面との摩擦により止まっている掻き上げロールと回転体に対して無理矢理回転させる必要があり、粘着シートの剥離除去性が悪い。
【0007】
本発明の課題は、清掃具において、粘着ロールを容易に交換可能にすることにある。
【0008】
本発明の他の課題は、清掃具に粘着ロールを支持したまま、粘着ロールの使用済粘着シートを剥離可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、フレームに清掃ロールと、清掃ロールの上方の粘着ロールを回動自在に支持し、清掃ロールは回転によって床面からとりあげたゴミを粘着ロールに導き、粘着ロールは清掃時に清掃ロールの外周に接しながら清掃ロールと一緒に回転するように配置し、清掃ロールと粘着ロールをフレームに支持された状態を維持して両ロールの接触状態と非接触状態を切り替える隔離手段を備える清掃具であって、粘着ロールが回転自在に支持される粘着ロールカバーをフレームに対して閉じ位置と開き位置の間で平行移動可能に設け、粘着ロールカバーを隔離手段とし、粘着ロールカバーは閉じ位置に位置付けられるときに粘着ロールを覆い、粘着ロールを清掃ロールに接触させ、開き位置に位置付けられるときに粘着ロールを外界に臨ませ、粘着ロールを清掃ロールに非接触にするようにしたものである。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記粘着ロールが粘着シートの巻取りロールにて構成されるようにしたものである。
【0011】
【0012】
【0013】
【発明の効果】
【0014】
(a)清掃ロールと粘着ロールをフレームに支持された状態を維持して両ロールの接触状態と非接触状態を切り替える隔離手段を備える。従って、粘着ロールを交換するに際しては、隔離手段により粘着ロールを清掃ロールから非接触にし、その後、該粘着ロールをロール支軸から容易に取外しできる。
【0015】
(b)清掃具に粘着ロールを支持したまま、粘着ロールの使用済粘着シートを剥離除去するに際しては、隔離手段により粘着ロールを清掃ロールから非接触にし、その後、粘着ロールのシート端を引張れば、粘着ロールはロール支軸に対して回転し、1周巻き分の使用済粘着シートを剥離除去できる。このとき、粘着ロールは、清掃ロールから隔離されており、スムースに回転できるから、使用済粘着シートの剥離除去性は良い。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
(c)粘着ロールカバーにより粘着ロールを覆うことにより、粘着ロールをほこりから隔離できるし、人の手指や物品が不用意に粘着ロールに触れる不手際を防止できる。そして、粘着ロールの交換や粘着シートの更新のための粘着ロールカバーの開き操作により、直ちに粘着ロールを清掃ロールから離し、粘着ロールを容易に回転し得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は清掃具を示す断面図である。
【図2】図2は清掃具の前進状態を示す側面図である。
【図3】図3は清掃具の後退状態を示す側面図である。
【図4】図4は清掃具を示す正面図である。
【図5】図5は図4のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図6は塵取部の後蓋閉じ状態を示す斜視図である。
【図7】図7は塵取部の後蓋開き状態を示す斜視図である。
【図8】図8は塵取部の後蓋係止解除状態を示す断面図である。
【図9】図9は塵取部の後蓋開き状態を示す断面図である。
【図10】図10は粘着ロールホルダのカバー閉じ状態を示す斜視図である。
【図11】図11は粘着ロールホルダのカバー開き状態を示す斜視図である。
【図12】図12は粘着ロールホルダのカバー閉じ状態を示す断面図である。
【図13】図13は粘着ロールホルダのカバー開き状態を示す断面図である。
【図14】図14は粘着ロールのセット状態を示す断面図である。
【図15】図15は粘着ロールの着脱状態を示す断面図である。
【図16】図16は粘着ロールホルダのカバー閉じ状態を示す斜視図である。
【図17】図17は粘着ロールホルダのカバー開き状態を示す斜視図である。
【図18】図18は粘着ロールホルダのカバー閉じ状態を示す断面図である。
【図19】図19は粘着ロールホルダのカバー開き状態を示す断面図である。
【図20】図20は粘着ロールのセット状態を示す断面図である。
【図21】図21は粘着ロールの着脱状態を示す断面図である。
【図22】図22は粘着ロールホルダのカバー開き状態を示す斜視図である。
【図23】図23は図22の要部断面図である。
【図24】図24は粘着ロールホルダのカバー開き状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
参考例1)
清掃具10は、床面1等の清掃面上のゴミ、例えば大粒、小粒の粒ゴミ、又はカーペット等の繊維に絡み付いた髪の毛等のゴミを捕集するものであり、図1〜図6に示す如く、柄11の先端部に左右揺動軸12を介して支持アーム13を清掃方向に交差する左右方向に揺動自在に結合し、支持アーム13の両側アーム部13Aに前後揺動軸14を介してフレーム15を清掃方向に沿う前後方向に揺動自在に支持している。
【0022】
清掃具10は、床面1と転接する硬質の左右前輪21と左右後輪22(接地部)をフレーム15の前後の両側部に回転自在に設ける。尚、前輪21の回転軸21Aは、図3に示す如く、フレーム15の清掃方向の前後に沿って設けた長孔15Aに支持され、前輪21は前進時には長孔15Aの後方側に、後進時には長孔15Aの前方側に位置付けられる。清掃具10は、床面1に摺接する硬質シューを接地部として設けるものでも良い。
【0023】
清掃具10は、フレーム15の清掃方向に沿う前後に弾性押さえロール30(清掃ロール)と弾性掻き上げロール40を平行に並べて配置し、それら両ロール30、40を前輪21と後輪22の接地線(前輪21の接地点と後輪22の接地点を結ぶ直線)よりも外方(床面に入る側)へ張り出る大径にする。
【0024】
押さえロール30は、フレーム15のゴミ導入側に配置され、清掃方向に直交する横方向において、左右の前輪21、後輪22に挟まれる概ね全域に渡って床面1に接する範囲で、フレーム15に支持される前輪21の回転軸21Aに支持され、床面1に接しながら転がる。押さえロール30は、前輪21の回転力により同軸駆動されるものであり、前輪21の回転軸21Aに固定的に結合されても良いが、床面1と掻き上げロール40に対して大きくこすれ回転することのないように、回転軸21Aに摩擦接触して駆動される。押さえロール30は、床面1に接する表面を弾性たわみできる材質(弾性可撓材料)にて構成する。押さえロール30としては、筒状のスポンジロール、可撓プラスチックロール、ゴムロール、ブラシロール等を採用できるが、スポンジロール等のクッションロールが最適である。
【0025】
掻き上げロール40は、フレーム15の押さえロール30に対するゴミ導入側と反対側に配置され、清掃方向に直交する横方向において、押さえロール30に相並ぶ範囲で、フレーム15の両側部に支持される左右伝動輪41の回転軸41Aに支持され、床面1に転接する。左右の各伝動輪41は、左右の各前輪21の後方に回転自在に支持され、前進時の前輪21に接して該前輪21に連れ回り駆動される(図2)。前輪21に同軸駆動される押さえロール30と、前輪21に伝動輪41を介して駆動される掻き上げロール40とは、互いに反対回転するものになる。尚、後退時の前輪21は、前述した如く、フレーム15に設けた長孔15Aの前方側に移動し、伝動輪41から離れるため、伝動輪41を連れ回り駆動させることがない(図3)。掻き上げロール40は、床面1に接する少なくとも表面を弾性たわみできる材質(弾性可撓材料)にて構成する。掻き上げロール40としては、筒状のスポンジロール、可撓プラスチックロール、ゴムロール、ブラシロール等を採用できるが、押さえロール30を構成するスポンジロールとの組合せにおいて、ブラシロールが最適である。
【0026】
清掃具10は、押さえロール30の半径と掻き上げロール40の半径の和を、フレーム15に支持されたそれら両ロール30、40の軸間距離より大きくし、結果としてそれら両ロール30、40をそれらの接触部の弾性たわみ変形によって互いに食い込ませ接触させる接触部を形成し、該接触部の下端から床までの高さを押さえロール30が取り込もうとするゴミの大きさより小さくする(図1)。
【0027】
清掃具10は、床面1に前輪21と後輪22を転接させる清掃時に、図1に示す如く、床面1に接する押さえロール30と掻き上げロール40を床面1との接触部で前輪21と後輪22の接地線よりも張り出た大外径部分を大きく弾性たわみ変形させるとともに、それら両ロール30、40を互いに概ね同一周速で反対回転させる。両ロール30、40は互いに食い込み、かつ床面1に対して大きく弾性たわみ変形して食い込み、また押さえロール30に対して掻き上げロール40の径を小さくし、両ロール30、40の会合点Aと床面1との間に側面視三角形状のデッドスペース(隙間)を概ねなくし、両ロール30、40は床面1上で概ね隙間なく会合する。
【0028】
従って、清掃具10による清掃時に、押さえロール30は床面1に対して大きくこすれずに回転しつつ床面1上のゴミを逃げないように押さえ込む。押さえロール30を変形させて後方に導かれた床面上のゴミを、押さえロール30と掻き上げロール40の間に挟みとり、両ロール30、40の回転によって床面より上方に導いて、挟み力が解除されると押さえロール30の弾性復元力、及び/又は掻き上げロール40の掻き上げ力によって捕集する。即ち、押さえロール30が押さえた床面上のゴミは該押さえロール30と掻き上げロール40の会合点Aでそれら両ロール30、40の間に挟み取られて床面1からつまみ上げられ、それら両ロール30、40の離隔点Bで押さえロール30の弾性復元力により押し出されるとともに、掻き上げロール40の弾性復元力により弾き飛ばされる。このゴミは、後述する塵取部50に捕集される。
【0029】
清掃具10は、具体例として示せば、図2に示す如く、押さえロール30の直径を40mm(前輪21の直径を34mm)、掻き上げロール40の直径を25mm、押さえロール30と掻き上げロール40の軸間距離Lを25mm、伝動輪41の直径を16mm、両ロール30、40を床面に食い込ませたときの両ロール30、40の中心軸と床面との距離Hを8〜10mmとする。
【0030】
清掃具10は、押さえロール30としてクッションロールを用いるとき、押さえロール30の表面のクッション部の厚みを好適には5mm以上にし、押さえロール30の軸芯を除く全体をクッション部とするものでも良い。
【0031】
清掃具10は、図1に示す如く、フレーム15における掻き上げロール40に対する清掃方向の後部に塵取部50(ゴミ捕集部)を配置する。塵取部50は、フレーム15と一体の箱状のゴミ受け部51を有し、ゴミ受け部51の前方下部から下ゴミ止め部52を立ち上げ、前方上部に上ゴミ止め部53を設ける。下ゴミ止め部52は掻き上げロール40の外周に沿う円弧状をなし、上ゴミ止め部53は後述する粘着ロールホルダ60の回転カバー62の回転進入時の外周に沿う円弧状をなし、上ゴミ止め部53の下縁は押さえロール30の外周に近接する。下ゴミ止め部52の上縁と上ゴミ止め部53の下縁の間をゴミ送り間隔(ゴミ送り込み口)54とする。押さえロール30と掻き上げロール40が弾き飛ばすゴミがゴミ送り込み口54経由でゴミ受け部51に捕集される。
【0032】
塵取部50は、ゴミ受け部51の後部開口51Aに後蓋55を開閉自在に備える。後蓋55は、ゴミ受け部51の後方下部に設けた支軸55Aに下端部を揺動自在に支持し、上端部に係止レバー56を備える。係止レバー56は、不図示のばね力によりゴミ受け部51の後方上部に設けた係止爪57に係止し(図1、図6)、手動操作によって回動されて係止爪57との係止を解除する(図8)。塵取部50へのゴミ捕集時には、後蓋55によりゴミ受け部51の後部開口51Aを閉じ、ゴミ払い出し時には、係止レバー56により開き操作される後蓋55によりゴミ受け部51の後部開口51Aを開き(図7、図9)、後部開口51Aからゴミ除去する。塵取部50のゴミ受け部51、後蓋55等は、ゴミの捕集状態を視認できるような透明材料にて構成されるのが良い。
【0033】
清掃具10は、フレーム15における押さえロール30の上部に粘着ロールホルダ60を設け、押さえロール30の上に粘着ロール70を載置する。粘着ロール70は、粘着ロールホルダ60の後述する両ロール支軸63、64に径方向遊びをもってセットされながら、押さえロール30の上に載置され、清掃時に押さえロール30の外周に接しながら押さえロール30の回転に連れ回る。粘着ロール70は、粘着シート71の巻取りロールの構成、又は表面が粘着性のエラストマーからなり、その表面を洗浄して再使用可能にする構成を含む。本参考例の粘着ロール70は、粘着シート71をコア72に巻き回し、粘着シート71の粘着面を外側に向けて巻出し可能にかつ切断可能にした巻取りロールにて構成される。粘着ロール70は押さえロール30の回転に連れ回りつつ、押さえロール30の表面に巻きついた髪の毛等のゴミを粘着捕捉する。
【0034】
粘着ロールホルダ60は、図14、図15に示す如く、フレーム15の前方上面で清掃方向に直交する横方向において、押さえロール30に相並ぶ範囲に渡る、概ね矩形枠状をなす窓枠61を設け、この窓枠61の左右両側部内面に回転カバー62を回転可能に設ける。回転カバー62は、半円弧状断面又はU字状断面等の透明材料からなる略半割筒状体をなし、両側壁を有する。回転カバー62の左右一方の側壁に固定側ロール支軸63を設けるとともに、左右他方の側壁にスライド側ロール支軸64を設け、両ロール支軸63、64に粘着ロール70のコア72を回転自在に支持する。
【0035】
粘着ロールホルダ60にあっては、固定側ロール支軸63が回転カバー62の一方の側壁を貫通し、窓枠61の一方の側壁に挿通した固定ピン65を固定側ロール支軸63に螺着し、固定側ロール支軸63を固定する。回転カバー62は窓枠61と固定側ロール支軸63の間で隙間を有し、固定側ロール支軸63に対して軽く回転できる。また、スライド側ロール支軸64は窓枠61の他方の側壁、回転カバー62の他方の側壁を貫通し、その貫通端にスペーサ66、コイルばね67、スライドプレート68を挿入後、固定ピン69をスライド側ロール支軸64に螺着し、スライド側ロール支軸64を固定する。
【0036】
粘着ロールホルダ60は、押さえロール30と粘着ロール70をフレーム15に支持された状態を維持して両ロール30、70の接触状態と非接触状態を切り替える隔離手段を構成する。具体的には、粘着ロールホルダ60は、回転カバー62の回転支軸としてのピン65と支軸64を、ロール支軸63、64と同芯にし、回転カバー62をそれらの回転支軸まわりで開閉回転できる。
【0037】
回転カバー62は、図10、図12に示す如く、回転カバー62の半円弧状断面又はU字状断面等の半割断面の前縁フランジ62Aを窓枠61の前部上縁に当接する閉じ位置に位置付けられた状態で、窓枠61を閉じ、両ロール支軸63、64に支持されている粘着ロール70を覆い、両ロール30、70を接触状態にする。他方、図11、図13に示す如く、回転カバー62の前縁フランジ62Aを窓枠61の後部上縁に当接する開き位置に位置付けられた状態で、窓枠61を開き、回転カバー62を押さえロール30と粘着ロール70の間に介在して粘着ロール70を外界に臨ませ、両ロール30、70を非接触状態にし、両ロール支軸63、64に新旧粘着ロール70のコア72を着脱し、又は両ロール支軸63、64にセットされている粘着ロール70の使用済粘着シート71を剥離除去可能にする。即ち、回転カバー62は閉じ位置から開き位置へ移行するとき、回転カバー62の前縁フランジ62Aと反対側の後縁部を押さえロール30の上部外周にめり込ませ、これによって弾性たわみ変形せしめられた押さえロール30の上部外周と粘着ロール70の間に介在する。即ち、回転カバー62は、押さえロール30を変形させて両ロール30、70を接触状態と非接触状態に切り替える。これにより、回転カバー62を開き状態にして、両ロール支軸63、64にセットされている粘着ロール70の粘着シート71の使用済の1周巻き分を剥離除去しようとするとき、粘着シート71を押さえロール30の外周に粘着させずにスムースに剥離できる。粘着シート71の剥離端は、回転カバー62の前縁又は後縁のエッジを用いて切断できる。
【0038】
粘着ロールホルダ60は、粘着ロール70を両ロール支軸63、64にセットした状態で、図14に示す如く、スライドプレート68をコイルばね67により固定ピン69のフランジ側に押付け、スライドプレート68とこれに相対する窓枠61の一方の側壁との間隔を小さくし、粘着ロール70が固定ピン69から外れる軸方向ずれを防止する。他方、粘着ロール70を両ロール支軸63、64から外すときには、図15に示す如く、粘着ロール70をスライドプレート68の側に押す(P1)ことで、コイルばね67を圧縮し、スライドプレート68を窓枠61の他方の側壁の側にスライドさせ、スライドプレート68とこれに相対する窓枠61の一方の側壁との間隔を大きくし、固定側ロール支軸63側の粘着ロール70の一端を持ち上げる(P2)ことで、粘着ロール70を外す(粘着ロール70を両ロール支軸63、64に取付ける場合も同じ)。
【0039】
清掃具10による清掃動作は以下の如くなされる。
(1)清掃具10が柄11に加える押付け操作力により前輪21と後輪22を床面1に押付けて前進せしめられると、前輪21がフレーム15の長孔15Aの後方側に移動して伝動輪41にしっかり接し、前輪21の回転力によって直に押さえロール30を回転させるとともに、前輪21の回転力を伝動輪41経由で掻き上げロール40に伝え、掻き上げロール40を押さえロール30と反対方向に回転させる。
【0040】
このとき、両ロール30、40は互いに食い込み、かつ床面1に接地する両ロール30、40の外径部分を大きく弾性たわみ変形させ、特に前輪21の回転軸21Aと一緒に後方に移動するスポンジ製押さえロール30が床面1との接触により後方に引きずられて掻き上げロール40との隙間を殆どなくす。
【0041】
これにより、両ロール30、40の会合点Aと床面1との間に側面視三角形状のデッドスペースを概ねなくし、両ロール30、40は床面1上で概ね隙間なく会合する。
【0042】
(2)上述(1)により、押さえロール30は床面1に対して大きくこすれずに回転しつつ床面1上のゴミを逃げないように押さえ込む。押さえロール30が押さえた床面1上のゴミは該押さえロール30と掻き上げロール40の会合点Aでそれら両ロール30、40の間に挟み取られて床面1からつかみ上げられ、それら両ロール30、40の離隔点Bで押さえロール30の弾性復元力により押し出されるとともに、掻き上げロール40の弾性復元力により弾き飛ばされ、ゴミ送り込み口54経由で塵取部50のゴミ受け部51に捕集される。
【0043】
同時に、押さえロール30の表面に巻き付いた髪の毛等のゴミが、押さえロール30の上の粘着ロール70の粘着シート71に粘着捕捉される。
これにより、小さな紙片やスパゲッティ等の細長いゴミも捕集される。
【0044】
(3)清掃具10が後退せしめられるときには、床面11からの押付け操作力が解放されて押さえロール30と掻き上げロール40が床面1に対する反発力が前輪21を床面1から浮かし、また前輪21がフレーム15の長孔15Aの前方側へ移動して伝動輪41から離れ、押さえロール30と掻き上げロール40が逆回転しない。従って、塵取部50のゴミ受け部51に取り込んだゴミを、押さえロール30と掻き上げロール40の逆転によりゴミ受け部51から吐き出すことがない。
【0045】
(4)塵取部50のゴミ受け部51に多量のゴミがたまったことを視認したら、後蓋55を開いてゴミ受け部51の後部開口51Aからゴミを除去する。
【0046】
(5)粘着ロール70の粘着シート71に多量のゴミが捕捉されたことを視認したら、粘着ロールホルダ60の回転カバー62を開き、1周巻き分の粘着シート71を剥離切断除去し、新規粘着面を露出せしめる。
【0047】
参考例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)押さえロール30と粘着ロール70をフレーム15に支持された状態を維持して両ロール30、70の接触状態と非接触状態を切り替える粘着ロールホルダ60(隔離手段)を備える。従って、粘着ロール70を交換するに際しては、粘着ロールホルダ60(隔離手段)により粘着ロール70を押さえロール30から非接触にし、その後、該粘着ロール70をロール支軸63、64から容易に取外しできる。
【0048】
(b)清掃具10に粘着ロール70を支持したまま、粘着ロール70の使用済粘着シート71を剥離除去するに際しては、粘着ロールホルダ60(隔離手段)により粘着ロール70を押さえロール30から非接触にし、その後、粘着ロール70のシート端を引張れば、粘着ロール70はロール支軸63、64に対して回転し、1周巻き分の使用済粘着シート71を剥離除去できる。このとき、粘着ロール70は、押さえロール30から隔離されており、スムースに回転できるから、使用済粘着シート71の剥離除去性は良い。
【0049】
(c)粘着ロールホルダ60(隔離手段)は、押さえロール30を変形させて押さえロール30と粘着ロール70の接触状態と非接触状態を容易に切り替えできる。
【0050】
(d)回転カバー62により粘着ロール70を覆うことにより、粘着ロール70をほこりから隔離できるし、人の手指や物品が不用意に粘着ロール70に触れる不手際を防止できる。そして、粘着ロール70の交換や粘着シートの更新のための回転カバー62の開き操作により、直ちに粘着ロール70を押さえロール30から離し、粘着ロール70を容易に回転し得る。
【0051】
尚、本参考例によれば以下の作用効果も奏する。
(a)押さえロール30としてクッションロールを用いており、押さえロール30のクッション部の厚みを最大径とする大きなゴミも小さなゴミもクッション部の変形によって包み込み、掻き上げロール40の側に導き、押さえロール30と掻き上げロール40によって挟み込むから、清掃面にある大小様々のゴミをもらさず捕集することができる。
【0052】
(b)押さえロール30と掻き上げロール40が互いに食い込んで接触する接触部を形成し、接触部の下端から床までの高さが取り込もうとするゴミの大きさより小さい。従って、ゴミは、押さえロール30と掻き上げロール40の接触部に必ず挟み込まれ、床面上の一定以上の大きさのゴミを捕集することができる。
【0053】
(c)押さえロール30に対して掻き上げロール40の径を小さくすることにより、掻き上げロール40と押さえロール30と床面の間の隙間を小さくし、床面上のゴミを押さえロール30と掻き上げロール40によって挟み込み易くする。
【0054】
(d)掻き上げロール40及び/又はクッションロールが弾性たわみ変形によって床面に食い込むようにしたから、床面上のゴミを押さえロール30と掻き上げロール40によって挟み込み易くする。
【0055】
(e)押さえロール30の上方に粘着ロール70を配置し、清掃時に両ロール30、70が接触して一緒に回転するようにしたから、押さえロール30の回転に粘着ロール70を連れ回り回転させて駆動できる。粘着ロール70の駆動ロールを格別に必要としない。塵取部50等のゴミ回収スペースを大きくとることができる。
【0056】
(f)押さえロール30と掻き上げロール40によって挟み込まれて弾き飛ばされるゴミを、掻き上げロール40の後部の塵取部50に回収できる。
【0057】
(g)押さえロール30と掻き上げロール40が互いに食い込み、かつ床面1に対して大きくたわみ変形するから、両ロール30、40の会合点Aと床面1との間に側面視三角形状のデッドスペースを概ねなくし、両ロール30、40を床面1上で概ね隙間なく会合させ得るものとなる。このため、押さえロール30が押さえた床面1上のゴミを余すことなく掻き上げロール40との会合点Aに移送し、その会合点Aで両ロール30、40の間に挟み取り、それら両ロール30、40の離隔点Bで押さえロール30が押し出すゴミを掻き上げロール40にて弾き飛ばして捕集できる。
【0058】
(h)押さえロール30の下をすり抜ける薄い紙シート等のゴミは、反対回転中の掻き上げロール40により押し戻されると、この押し戻された部分を両ロール30、40の会合点Aで直ちに両ロール30、40の間に摘みとり、それら両ロール30、40の離隔点Bで押さえロール30に押し出され、掻き上げロール40にて弾き飛ばされて捕集される。
【0059】
(i)筒状スポンジからなる押さえロール30が、床面1の凹凸の全面に隙間なく倣うようにやわらかく変形して該凹凸床面内のゴミを押さえ、又は床面上の大きなゴミに対してはやわらかくへこんでこれを包むようにして該大きなゴミを押さえ、それらのゴミを掻き上げロール40との会合点Aの側に確実に移送できる。
【0060】
(j)筒状スポンジからなる押さえロール30は、髪の毛等のゴミが表面にからみつき、これに接する粘着ロール70に粘着させて回収できる。押さえロール30がブラシからなるときには、髪の毛等がブラシの芯にからみついて除去困難になる。
【0061】
(k)筒状スポンジからなる押さえロール30は、粘着ロール70を支えてこれを確実に連れ回りさせることができる。押さえロール30がブラシからなるときには、粘着ロール70の重量によりブラシが座屈し、粘着ロール70を連れ回りさせることができない。
【0062】
尚、清掃具10にあっては、塵取部50のゴミ受け部51が掻き上げロール40の外周に沿って高く立上がる下ゴミ止め部52と、押さえロール30の外周に近接して粘着ロール70の側を完全に遮断する上ゴミ止め部53を備え、ゴミ送り込み口54から後蓋55の側に渡るゴミ受け空間の全域を閉塞状にするから、押さえロール30及び掻き上げロール40が弾き飛ばすゴミの捕集性が良い。
【0063】
また、清掃具10にあっては、前輪21の回転軸21Aに押さえロール30を直に結合するものに限らず、前輪21と押さえロール30の間に増速ギアを介するものでも良い。また、押さえロール30は前輪21の回転力を駆動源とするものに限らず、他の駆動源により回転せしめられるものでも良い。
【0064】
参考例2)
清掃具110は、床面等の清掃面上のゴミ、例えば大粒、小粒の粒ゴミ、又はカーペット等の繊維に絡み付いた髪の毛等のゴミを捕集するものであり、図16〜図19に示す如く、柄111の先端部に左右揺動軸112を介して支持アーム113を清掃方向に交差する左右方向に揺動自在に結合し、支持アーム113の両側アーム部113Aに前後揺動軸114を介してフレーム115を清掃方向に沿う前後方向に揺動自在に支持している。
【0065】
フレーム115の清掃方向に沿う前部には可撓掻き上げ体116(清掃ロール)が回動自在に支持され、フレーム115の清掃方向に沿う後部には接触回転体118(清掃ロール)が回動自在に支持され、掻き上げ体116と接触回転体118は平行に並べられて配置される。
【0066】
掻き上げ体116は、回転軸116Aと、回転軸116Aの軸方向の全長に渡って植設されたブラシからなる掻き上げ部116Bと、回転軸116Aの両端部に結合された両側の増速タイヤ117(変速タイヤ)からなる。掻き上げ部116Bは粘着ロール121に接触しても、接触しなくても良い。両側のタイヤ117は該タイヤ117にゴミがかみ込まないようにフレーム115の両外側に配置されるが、フレーム115の内側に設けても良い。
【0067】
接触回転体118は、粘着ロール121のための駆動手段であり、回転軸118Aと、回転軸118Aの軸方向の両端側2位置(軸方向3位置等の複数位置でも可)に固定される円盤状の回転子118Bと、回転軸118Aの両端部に結合された両側の増速タイヤ119(変速タイヤ)からなる。回転子118Bは粘着ロール121に接触する。両側のタイヤ119はフレーム115の両外側に配置される。
【0068】
掻き上げ体116の掻き上げ部と接触回転体118の回転子18Bの上には、それらに跨がる粘着ロール121が乗せられて載置され、粘着ロール121は掻き上げ体116と接触回転体118の回転に連れ回る。粘着ロール121は、粘着シートの巻取りロールの構成、又は表面が粘着性のエラストマーからなり、その表面を洗浄して再使用可能とする構成等を含む。本参考例の粘着ロール121は、粘着シート121Aをコア121Bに巻き回し、粘着シート121Aの粘着面を外側に向けて巻出し可能かつ切断可能にした巻取りロールにて構成される。
【0069】
フレーム115における掻き上げ体116の掻き上げ部116Bの後部には塵取部123が支持されている。塵取部123は、フレーム115に着脱可能にされ、接触回転体118の回転子118Bの下方の前後に渡る範囲に延在されて透明材料からなるトレイ状のゴミ受け部124と、ゴミ受け部124の前縁側に設けられて掻き上げ体116の掻き上げ部116Bの全巾に沿って隙間なく(又は隙間を介して)相対するゴミすくい部125とを備える。
【0070】
清掃具110は、フレーム115における掻き上げ体116と接触回転体118の上部に粘着ロールホルダ130を設け、掻き上げ体116と接触回転体118の上に粘着ロール121を載置する。粘着ロール121は、粘着ロールホルダ130の後述する両ロール支軸133、134に径方向遊びをもってセットされながら、掻き上げ体116と接触回転体118の上に載置され、掻き上げ体116と接触回転体118の回転に連れ回る。
【0071】
粘着ロールホルダ130は、図20、図21に示す如く、フレーム115の前方寄り上面で清掃方向に直交する横方向において、掻き上げ体116と接触回転体118に相並ぶ範囲に渡る、概ね矩形枠状をなす窓枠131を設け、この窓枠131の左右両側部内面に回転カバー132を回転可能に設ける。回転カバー132は、半円弧状段面又はU字状断面等の透明材料からなる略半割筒状体をなし、両側壁を有する。回転カバー132の左右一方の側壁に固定側ロール支軸133を設けるとともに、左右他方の側壁にスライド側ロール支軸134を設け、両ロール支軸133、134に粘着ロール121のコア121Bを回転自在に支持する。
【0072】
粘着ロールホルダ130にあっては、固定側ロール支軸133が回転カバー132の一方の側壁にねじ135により固定される。また、スライダ側ロール支軸134は、スライドプレート136、コイルばね137、スペーサ138を挿入後、ねじ139により回転カバー132の他方の側壁に固定される。
【0073】
粘着ホルダ130は、掻き上げ体116及び接触回転体118と粘着ロール121をフレーム115に支持された状態を維持してそれらの掻き上げ体116及び接触回転体118と粘着ロール121の接触状態と非接触状態を切り替える隔離手段を構成する。具体的には、粘着ロールホルダ130は、回転カバー132の両側壁の外面に突設させた左右の回転支軸141、142を、窓枠131の左右両側部に設けた軸孔141A、142Aに嵌合し、回転カバー132をそれらの回転支軸141、142まわりで開閉回転できる。このとき、回転カバー132の回転支軸141、142を、ロール支軸133、134に対し偏芯させる。回転カバー132の後述する閉じ状態(図18)で、回転支軸141、142よりも、ロール支軸133、134を掻き上げ体116と接触回転体118に近づける(回転支軸141、142が掻き上げ体116、接触回転体118に対する距離よりも、ロール支軸133、134が掻き上げ体116、接触回転体118に対する距離を小さくする)。これにより、回転カバー132の回転時に、回転カバー132が掻き上げ体116、接触回転体118に干渉しない。
【0074】
回転カバー132は、図16、図18に示す如く、回転カバー132の半円弧状断面又はU字状断面等の半割断面の前縁フランジ132A(磁石150を具備する)を窓枠131の前部上縁の鉄板151に当接する閉じ位置に位置付けられた状態で、窓枠131を閉じ、両ロール支軸133、134に支持されている粘着ロール121を覆い、掻き上げ体116及び接触回転体118と粘着ロール121を接触状態にする。他方、図17、図19に示す如く、回転カバー132の前縁フランジ132Aを窓枠131の後部上縁の鉄板152に当接する開き位置に位置付けられた状態で、窓枠131を開き、回転カバー132を掻き上げ体116、接触回転体118と粘着ロール121の間に介在して粘着ロール121を外界に臨ませ、掻き上げ体116及び接触回転体118と粘着ロール121を非接触状態にし、両支軸133、134に新旧粘着ロール121のコア121Bを着脱し、又は両ロール支軸133、134にセットされている粘着ロール121の使用済粘着シート121Aを剥離除去可能にする。即ち、回転カバー132は閉じ位置から開き位置へ移行するとき、回転カバー132の前縁フランジ132Aと反対側の後縁部を掻き上げ体116、接触回転体118の上方に通過させ、これによって掻き上げ体116、接触回転体118と粘着ロール121の間に介在する。これにより、回転カバー132を開き状態にして、両支軸133、134にセットされている粘着ロール121の粘着シート121Aの使用済の1周巻き分を剥離除去しようとするとき、粘着シート121Aを掻き上げ体116、接触回転体118の外周に粘着させずにスムースに剥離できる。粘着シート121Aの剥離端は、回転カバー132の前縁又は後縁のエッジを用いて切断できる。
【0075】
粘着ロールホルダ130は、粘着ロール121を両ロール支軸133、134にセットした状態で、図20に示す如く、スライドプレート136をコイルばね137によりスライド側ロール支軸134の自由端フランジ側に押付け、スライドプレート136とこれに相対する窓枠131の一方の側壁との間隔を小さくし、粘着ロール121がスライド側ロール支持134から外れる軸方向ずれを防止する。他方、粘着ロール121を両ロール支軸133、134から外すときには、図21に示す如く、粘着ロール121をスライドプレート136の側に押す(P1)ことで、コイルばね137を圧縮し、スライドプレート136を窓枠131の他方の側壁の側にスライドさせ、スライドプレート136とこれに相対する窓枠131の一方の側壁との間隔を大きくし、固定側ロール支軸133側の粘着ロール121の一端を持ち上げる(P2)ことで、粘着ロール121を外す(粘着ロール121を両ロール支軸133、134に取付ける場合も同じ)。
【0076】
清掃具10による清掃動作は以下の通りなされる。
(1)柄111の軸方向に加える操作力によりフレーム115を介して掻き上げ体116のタイヤ117及び接触回転体118のタイヤ119を床面に加圧しながら清掃具10を前進させ、掻き上げ体116及び接触回転体118を回動させ、同時に粘着ロール121を連れ回り回転させる。
【0077】
(2)掻き上げ体116の掻き上げ部116Bが床面上のゴミを掻き上げると、このゴミは塵取部123のゴミすくい部125にガイドされて粘着ロール121の側に送り出され、粘着ロール121の粘着面に吸着捕捉される。大きなゴミはゴミすくい部125からゴミ受け部124に送り込まれて捕捉される。
【0078】
(3)粘着ロール121の粘着面の全周に多量のゴミが捕捉されたことが視認されたら、粘着ロールホルダ130の回転カバー132を開き、粘着シート121Aの1周分を剥離切断除去し、新規粘着面を露出せしめる。
【0079】
(4)塵取部123のゴミ受け部124に多量のゴミがたまったことを視認したら、塵取部123をフレーム115から外し、ゴミ受け部124のゴミを廃棄する。
尚、清掃具10は前進だけでなく、後進もできる。
【0080】
参考例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)掻き上げ体116及び接触回転体118と粘着ロール121をフレーム115に支持された状態を維持してそれらの掻き上げ体116及び接触回転体118と粘着ロール121の接触状態と非接触状態を切り替える粘着ロールホルダ130(隔離手段)を備える。従って、粘着ロール121を交換するに際しては、粘着ロールホルダ130(隔離手段)により粘着ロール121を掻き上げ体116及び接触回転体118から非接触にし、その後、該粘着ロール121をロール支軸133、134から容易に取外しできる。
【0081】
(b)清掃具110に粘着ロール121を支持したまま、粘着ロール121の使用済粘着シート121Aを剥離除去するに際しては、粘着ロールホルダ130(隔離手段)により粘着ロール121を掻き上げ体116及び接触回転体118から非接触にし、その後、粘着ロール121のシート端を引張れば、粘着ロール121はロール支軸133、134に対して回転し、1周巻き分の使用済粘着シート121Aを剥離除去できる。このとき、粘着ロール121は、掻き上げ体116及び接触回転体118から隔離されており、スムースに回転できるから、使用済粘着シート121Aの剥離除去性は良い。
【0082】
(c)回転カバー132により粘着ロール121を覆うことにより、粘着ロール121をほこりから隔離できるし、人の手指や物品が不用意に粘着ロール121に触れる不手際を防止できる。そして、粘着ロール121の交換や粘着シートの更新のための回転カバー132の開き操作により、直ちに粘着ロール121を掻き上げ体116及び接触回転体118から離し、粘着ロール121を容易に回転し得る。
【0083】
(実施例
清掃具110Aが図16〜図21の清掃具110と異なる点は、粘着ロールホルダ130に代わる粘着ロールホルダ200を、フレーム115に対し上下に平行移動するものとしたことにある。
【0084】
粘着ロールホルダ200は、図22、図23に示す如く、フレーム115の窓枠131の左右両側部内面の上下方向にガイド溝201を延在し、カバー202の左右両側部に設けたガイドレール203をガイド溝201に沿ってスライド自在にし、カバー202をフレーム115に対し上下に平行移動可能にする。ガイドレール203は上下2箇所にロック溝203A、203Bを設け、ガイド溝201側に設けたバネ204で付勢されているボール205をロック溝203A、203Bに選択的に入れることで、カバー202を窓枠131から上昇させた開き位置と窓枠131上に下降させた閉じ位置にロックできる。カバー202は、左右両側部の内面にロール支軸202A、202Bを備え、両ロール支軸202A、202Bに、粘着ロール121のコア121Bを回転自在に支持し、かつ着脱自在にする。
【0085】
粘着ロールホルダ200は、粘着ロールホルダ130と同様に、掻き上げ体116及び接触回転体118と粘着ロール121をフレーム115に支持された状態を維持してそれらの掻き上げ体116及び接触回転体118と粘着ロール121の接触状態と非接触状態を切り替える隔離手段を構成する。具体的には、カバー202を閉じた状態で、掻き上げ体116及び接触回転体118と粘着ロール121を接触状態にする。他方、カバー202を開いた状態で、粘着ロール121を外界に臨ませ、掻き上げ体116及び接触回転体118と粘着ロール121を非接触状態にし、両支軸202A、202Bに新旧粘着ロール121のコア121Bを着脱し、又は両ロール支軸202A、202Bにセットされている粘着ロール121の使用済粘着シート121Aを剥離除去可能にする。
【0086】
本実施例によれば、粘着ロールホルダ130は、粘着ロール121の軸を掻き上げ体116及び接触回転体118に対して平行移動させてそれらの掻き上げ体116及び接触回転体118と粘着ロール121の接触状態と非接触状態を切り替えでき、参考例2の作用効果と同一の作用効果を奏する。
【0087】
参考例3
清掃具110Bが図16〜図21の清掃具110と異なる点は、粘着ロールホルダ130に代わる粘着ロールホルダ300を、フレーム115に対し揺動(回転)するものとしたことにある。
【0088】
粘着ロールホルダ300は、図24に示す如く、フレーム115の窓枠131の左右一側部にカバー301の基端部を揺動(回転)自在に枢支し、カバー301をフレーム115に対し揺動(回転)可能にし、カバー301を窓枠131から起立させた開き位置と窓枠131上に伏せた閉じ位置にロック可能にする。カバー301は、基端部と先端部の内面にロール支軸301A、301Bを備え、両ロール支軸301A、301Bに、粘着ロール121のコア121Bを回転自在に支持し、かつ着脱自在にする。
【0089】
粘着ロールホルダ300は、粘着ロールホルダ130と同様に、掻き上げ体116及び接触回転体118と粘着ロール121をフレーム115に支持された状態を維持してそれらの掻き上げ体116及び接触回転体118と粘着ロール121の接触状態と非接触状態を切り替える隔離手段を構成する。具体的には、カバー301を閉じた状態で、掻き上げ体116及び接触回転体118と粘着ロール121を接触状態にする。他方、カバー301を開いた状態で、粘着ロール121を外界に臨ませ、掻き上げ体116及び接触回転体118と粘着ロール121を非接触状態にし、両ロール支軸301A、301Bに新旧粘着ロール121のコア121Bを着脱し、又は両ロール支軸301A、301Bにセットされている粘着ロール121の使用済粘着シート121Aを剥離除去可能にする。
【0090】
参考例によれば、粘着ロールホルダ300は、粘着ロール121の軸を揺動させて粘着ロール121と掻き上げ体116及び接触回転体118の接触状態と非接触状態を切り替えでき、参考例2の作用効果と同一の作用効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明によれば、清掃具において、粘着ロールを容易に交換できる。また、清掃具に粘着ロールを支持したまま、粘着ロールの使用済粘着シートを剥離できる。
【符号の説明】
【0092】
110A 清掃具
115 フレーム
116 掻き上げ体(清掃ロール)
118 接触回転体(清掃ロール)
121 粘着ロール
200 粘着ロールホルダ(隔離手段)
202 カバー(粘着ロールカバー)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームに清掃ロールと、清掃ロールの上方の粘着ロールを回動自在に支持し、
清掃ロールは回転によって床面からとりあげたゴミを粘着ロールに導き、
粘着ロールは清掃時に清掃ロールの外周に接しながら清掃ロールと一緒に回転するように配置し、
清掃ロールと粘着ロールをフレームに支持された状態を維持して両ロールの接触状態と非接触状態を切り替える隔離手段を備える清掃具であって、
粘着ロールが回転自在に支持される粘着ロールカバーをフレームに対して閉じ位置と開き位置の間で平行移動可能に設け、
粘着ロールカバーを隔離手段とし、粘着ロールカバーは閉じ位置に位置付けられるときに粘着ロールを覆い、粘着ロールを清掃ロールに接触させ、開き位置に位置付けられるときに粘着ロールを外界に臨ませ、粘着ロールを清掃ロールに非接触にする清掃具
【請求項2】
前記粘着ロールが粘着シートの巻取りロールにて構成される請求項1に記載の清掃具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2010−188214(P2010−188214A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133930(P2010−133930)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【分割の表示】特願2005−171451(P2005−171451)の分割
【原出願日】平成17年6月10日(2005.6.10)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】