清掃具
【課題】汚れを除去しやすく、好感触であり、有効成分を容易に配合することができる清掃具を提供する。
【解決手段】軸1の少なくとも一端に清掃体部2を有し、上記清掃体部2の表面の少なくとも一部が水及び水溶性高分子を含む水溶性高分子組成物からなり、水溶性高分組成物は、含水率が30〜95質量%であり、水溶性高分子は、ポリアクリル酸及びその塩、ポリメタクリル酸及びその塩、並びに、アクリル酸及び/又はその塩を構成単位の一部とする共重合体からなる群から選択される1以上の重合体である清掃具。
【解決手段】軸1の少なくとも一端に清掃体部2を有し、上記清掃体部2の表面の少なくとも一部が水及び水溶性高分子を含む水溶性高分子組成物からなり、水溶性高分組成物は、含水率が30〜95質量%であり、水溶性高分子は、ポリアクリル酸及びその塩、ポリメタクリル酸及びその塩、並びに、アクリル酸及び/又はその塩を構成単位の一部とする共重合体からなる群から選択される1以上の重合体である清掃具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、軸部と清掃体部とを有する清掃具が一般的に利用されている。このような清掃具としては綿棒がよく知られており、耳、鼻等の身体各部の清掃具としてだけでなく、精密機器等の微細な部品の清掃具としても広く使用されている。しかし、一般的な綿棒の綿球部は単に綿繊維を軸に巻きつけただけであるため、汚れを完全に除去するのは容易ではない。そこで、このような綿棒を改良するものとして、綿球部に粘着剤を塗布した、いわゆる粘着綿棒が開発されている。
【0003】
特許文献1には、粘着剤としてアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤などを使用した綿棒が開示されている。また、特許文献2には、ロジン等の粘着付与剤を含有した種々の合成ゴム、合成樹脂からなる粘着剤を綿球部表面に保持した綿棒が開示されている。このような粘着綿棒は、汚れを除去しやすくなるものの、合成樹脂の感触が好ましいものではなかった。いずれも水を高配合したものではないため、特に水溶性の有効成分を配合し、放出する効果を期待できるものではなかった。更に、従来の綿棒においては綿球部に水溶性液体を含侵させたものは存在するが、水分の保持能力が充分ではないため、水分が垂れ落ちるという問題を生じることがあった。更に、表面に粘着性を有するものではないことから、汚れの除去能の向上が得られるわけではない。
【0004】
特許文献3には、殺菌剤をバインダーで含浸固着させた綿体が設けられている抗菌性綿棒が開示されている。上記バインダーとしては、メチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース系、澱粉、アクリル系エマルジョン、塩化ビニール系エマルジョンなどが用いられている。しかしながら、抗菌剤を綿体部に固着させることが目的であって、汚れの除去しやすさ、これらのバインダー自体の感触や機能等を期待したものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−34830号公報
【特許文献2】特表2001−346710号公報
【特許文献3】特開平5−137753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、汚れを除去しやすく、好感触であり、有効成分を容易に配合することができる清掃具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、軸の少なくとも一端に清掃体部を有し、上記清掃体部の表面の少なくとも一部が水及び水溶性高分子を含む水溶性高分子組成物からなることを特徴とする清掃具である。
上記水溶性高分子組成物は、含水率が30〜95質量%であることが好ましい。
上記水溶性高分子は、ポリアクリル酸及びその塩、ポリメタクリル酸及びその塩、並びに、アクリル酸及び/又はその塩を構成単位の一部とする共重合体からなる群から選択される1以上の重合体であることが好ましい。
上記ポリアクリル酸及びその塩、ポリメタクリル酸及びその塩、並びに、アクリル酸及び/又はその塩を構成単位の一部とする共重合体からなる群から選択される1以上の重合体は、アンモニウム塩、カリウム塩又はナトリウム塩であることが好ましい。
上記水溶性高分子組成物は、更に、多価アルコール及び/又は糖類を含むことが好ましい。
上記清掃体部は、略紡錘形状であることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によって、汚れをかき取りやすく、かつ、感触に優れ、有効成分を容易に配合することができる清掃具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の清掃具の一例を示す図である。
【図2】本発明の清掃具の一例を示す図である。
【図3】本発明の清掃具の一例を示す図である。
【図4】本発明の清掃具の一例を示す図である。
【図5】本発明の清掃具の一例を示す図である。
【図6】本発明の清掃具の一例を示す図である。
【図7】本発明の清掃具の一例を示す図である。
【図8】本発明の清掃具の一例を示す図である。
【図9】本発明の清掃具の一例を示す図である。
【図10】本発明の清掃具の一例を示す図である。
【図11】本発明の清掃具の一例を示す図である。
【図12】本発明の清掃具の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0010】
1 軸
2 清掃体部
4 環状溝
5 皮膜層
6 接着層
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の清掃具は、清掃体部の少なくとも表面に水及び水溶性高分子を含む水溶性高分子組成物を有することを特徴とするものであり、当該水溶性高分子組成物の含水率は30〜95質量%であることが好ましい。このように水を含む組成物からなる表面を有することにより、清涼感など良好な感触を与えつつ、汚れを好適に除去することができる。さらに、上記水溶性高分子組成物に有効成分を添加した場合、使用時に耳や鼻等に清掃具を押し付けた際に、有効成分が放出されるため、目的に応じた効果を得ることもできる。
【0012】
上記清掃体部は、一部又は全部が上記水溶性高分子組成物からなるものである。すなわち、棒形状の少なくとも一端を所定の形状に成形した成形体の清掃体部に上記水溶性高分子組成物による皮膜を形成させたもの(図4)、上記水溶性高分子組成物を略紡錘形状等の清掃に適した形状に成形したものを製造し、これを軸部と接着剤によって接着したもの(図5)、等を挙げることができる。これらの製造方法や、水溶性高分子以外に使用する原料(軸部、接着剤等)としては特に限定されず、公知の任意のものを使用することができる。
【0013】
上記水溶性高分子としては、組成物全体において含水した状態で自己形態保持性を有するゲル組成物を構成するものであれば、特にその種類は限定されない。上記水溶性高分子は、天然水溶性高分子及び合成水溶性高分子のいずれをも用いることができ、またこれらの混合物を用いることもできる。天然の水溶性高分子では特に多糖類が好ましい。天然の水溶性高分子の具体例としては、カラギーナン、ローカストビーンガム、グルコマンナン、寒天、アガロース、キサンタンガム、グアーガム、ジェランガム、タマリンドシードガム、カラヤガム、ペクチン、ゼラチン等が挙げられる。
【0014】
また、合成の水溶性高分子の具体例としては、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、ポリビニルアルコール、アルギン酸、グラフトデンプン、アガロース、ポリグルタミン酸、アーネストガム又はそれらの塩及び部分中和物等が挙げられる。必要に応じて、上記水溶性高分子と塩化カリウム、乳酸カルシウム等の架橋剤を併用してゲル強度を高めることもできる。
上記水溶性高分子は、1種又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0015】
上記水溶性高分子は、ポリアクリル酸及びその塩、ポリメタクリル酸及びその塩、並びに、アクリル酸及び/又はその塩を構成単位の一部とする共重合体からなる群から選択される1以上の重合体であることがより好ましく、アクリル酸・メタクリル酸共重合体が特に好ましい。上記ポリアクリル酸及びその塩、ポリメタクリル酸及びその塩、並びに、アクリル酸及び/又はその塩を構成単位の一部とする共重合体からなる群から選択される1以上の重合体を使用することにより、水を安定に含有することができるため好ましい。上記ポリアクリル酸及びその塩、ポリメタクリル酸及びその塩、並びに、アクリル酸及び/又はその塩を構成単位の一部とする共重合体からなる群から選択される1以上の重合体としては、これらのアンモニウム塩、カリウム塩又はナトリウム塩であることがより好ましく、なかでも、ナトリウム塩であることが好ましい。上記重合体の塩としては、2種以上の混合物として用いることもできる。
【0016】
上記水溶性高分子としては、ゲル強度が60〜100g程度のものが適当である。ここでのゲル強度は、例えば、直径0.5インチのプランジャーを備えたレオメーターを用いて、6cm/分の速度で、プランジャーを水溶性高分子のゲル体表面を4mm押し下げるのに必要な力をグラム数で表した強度を示す。
【0017】
上記水溶性高分子組成物は、含水率が30〜95質量%であることが好ましい。含水率が30質量%未満であると、良好な感触が得られないおそれがある。95質量%を超えると、汚れを除去するために必要なゲル強度が得られない場合がある。上記含水率は、40〜70質量%であることがより好ましい。
【0018】
上記水溶性高分子組成物は、更に、多価アルコール及び/又は糖類を含むことが好ましい。上記多価アルコール及び/又は糖類としては特に限定されず、例えば、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、濃グリセリン、ジプロピレングリコール、ソルビトール、トレハロース、マルチトール、マルトース、グルコース、キシリトール等を挙げることができる。上記多価アルコール及び/又は糖類は、1種又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0019】
上記多価アルコール及び/又は糖類を配合する場合、その配合量は水溶性高分子組成物全量に対して、1〜40質量%であることが好ましい。上記範囲内のものとすることで、使用時のしっとり感ややわらか感がよいという点で好ましいものである。
【0020】
本発明において、上記水溶性高分子組成物はシリカ粉体を含有するものであってもよい。シリカ粉体を添加することによって、上記水溶性高分子組成物のゲル強度が高くなるため、使用時にゲルが崩壊したりして、うまく洗浄できなくなることを防ぎやすくなる点で好ましい。
【0021】
上記シリカ粉体は、平均粒径2〜10μmの範囲のものが好適に用いられる。平均粒径が10μmよりも大きいときは水溶性高分子組成物中で沈降し易くて均一な混合物が得られ難く、最終的な基剤の強度に斑が生じる点で好ましくない。反対に、平均粒径が2μmよりも小さい場合は混合したゲル状組成物の粘度が高くなり過ぎて製剤性・成形性が乏しくなる点で好ましくない。特に多孔性である合成シリカ粉体はゲル基剤の透明性を阻害し難いので好ましい。尚、上記の平均粒径の測定はレーザー法(JIS K 1150)による。
【0022】
上記水溶性高分子組成物は、透明であってもよく、着色されたものであってもよい。透明にする場合は、上記水溶性高分子として透明度の高い高分子を選択すればよい。また、着色する場合は、上記水溶性高分子組成物に着色料を配合する等の方法により着色することができる。例えば、上記着色料としては特に限定されず、通常化粧料等に使用される着色料を挙げることができる。具体的には、黄色4号、黄色5号、青色1号、青色2号、赤色226号、カラメル、銅クロロフィル、クチナシ、ウコン、ベニバナなど天然由来の色素、酸化亜鉛、酸化チタン、カーボンブラック、薬用炭、酸化鉄、赤色227号などのアルミニウムレイキ顔料、銀、金等を挙げることができる。
【0023】
上記水溶性高分子組成物は、図4に示したもののように、所定の形状に成形した成形体上に皮膜を形成する方法で使用する場合は、上記水溶性高分子組成物を成形された清掃体部に、例えば塗布、噴霧、含浸処理等をすることにより得ることができる。また、シート状に成形した組成物を清掃体部の表面に貼付したものであってもよい。上記皮膜層の厚みとしては特に限定されないが、0.01〜5mmであることが好ましい。
【0024】
上記水溶性高分子組成物は、図5に示したもののように、清掃体部の形状に成形して使用する場合は、加熱した組成物を型に流し込んで冷却する方法等によって製造することができる。
【0025】
上記水溶性高分子組成物は、水溶性高分子を必要に応じて湿潤剤にて湿潤させた後、適量の水に懸濁させ、さらに所定量まで水を添加し、これを70〜100℃程度の温度雰囲気下にて溶解させることにより得ることができる。得られた組成物を塗布、噴霧、含浸処理等をした後で20〜60℃程度に冷却してゲル化しても、20〜60℃程度に冷却してゲル化させた上でシート状に成形してもよい。上記湿潤、懸濁の際や冷却の際に、アロマオイルや活性成分としての薬剤(例えば、消炎剤、鎮痛剤、鎮痒剤、ビタミン等)又は化粧料有効成分(収斂剤、痩身成分、コラーゲン等)を添加してもよいし、医薬、化粧品および食品の分野において使用される添加剤、例えば、防腐剤、殺菌剤、香料、着色剤、抗酸化剤、増粘剤、清涼剤(エタノール等)、界面活性剤等を添加してもよい。
【0026】
アロマオイルとしては、一般にアロマテラピーに用いられる精油成分(精油類)をそのまま用いることができる。この精油成分としては、例えば、ワンダー・セラー著「アロマテラピーのための84の精油成分」、フレグランスジャーナル社に記載されているものが挙げられる。具体的には、アニス、アンジェリカ、安息香、イモーテル、カモミール、ガーリック、カルモダン、ガルバナム、キャラウェイ、キャロットシード、グアヤックウッド、グレープフルーツ、サイブレス、シダーウッド、スターアニス、セージ、ゼラニウム、セロリ、タイム、タラゴン、テレピン、乳香、バイオレット、パイン、パセリ、フェンネル、ブラックペッパ、ボダイジュ花、レモン、レモングラス、ローズマリー、ローレル、シモツケギク、シモツケソウ、ヤグルマギク、アーモンド、アルニカ、ウイキョウ、エニシダ、クレソン、ゲンチアナ、ショウノウ、スモモ、セイヨウナシ、タイソウ、タンポポ、チモ、チョレイ、トウガシ、ノイバラ、ハッカ、トネリコ、ブクリョウ、メリッサ、モモ、ヤドリギ、ユーカリ、ヨクイニン、ラベンダ、レンギョウ等からの抽出物が挙げられる。
【0027】
化粧料有効成分や添加剤としては、当該分野で公知のものを使用することができる。収斂剤、痩身成分、コラーゲンなどで、ホスホジエステラーゼ活性阻害剤、脂肪細胞分化抑制剤、血行促進剤、リパーゼ活性促進剤等の痩身成分、具体的にはハマメリス、メントール及びその誘導体、キューカンバーエキス、ラズベリーケトンやカフェイン、テオフィリン、ハマメリスエキス、カカオエキス、大豆サポニン等のキサンチン誘導体や海草エキス、海藻エキス、カプサイシン、海洋性コラーゲン、植物性コラーゲンなどが好適なものとして挙げられるがこれらに限定されるものでもない。
【0028】
薬剤としては、例えば、金、銀、銅等からなる金属類から加工したイオン水、コロイド水及びその坦持体及び誘導体、塩化ベンザルコニウム、クロロヘキシジン誘導体、塩素系殺菌成分、メントール、カンフル、インドメタシン、ケトプロフェン、ジクロフェナック、オオバクエキス、グリチルリチン酸ジカリウム、ヒアルロン酸、アルブチン、酢酸トコフェロール、アラントイン、ビタミンC及びその誘導体並びにその塩類、水溶性アズレン、アクリノール等が挙げられる。これらの薬剤は、高分子膜で包んだ粒状体又は多孔性粒子に担持させた粒状体として用いてもよい。
【0029】
次に、本発明の清掃具の形状について、図を挙げて説明する。図1〜図5は、本発明の清掃具の例を示したものである。
上記清掃具は、軸1の一端又は両端に清掃体部2を有するものである、上記清掃体部の形状は、清掃を行うことができる形状であれば特に限定されないが、例えば、略紡錘形状とすることができる。略紡錘形状とは、およそ紡錘形状に近い形状をしたものを指し、厳密には紡錘形状ではないが、耳の中の清浄、電子機器の隙間の清浄等に適したような紡錘形状に類似した形状のものも包含するものである。その形状としては図2のような形状等を挙げることもできる。また、上記清掃体部は、汚れを取りやすくするために、図11のような先の尖った形状とすることもできる。更に、上記清掃体部は、図3に示したもののように紡錘形状に多数の環状溝4を横に形成したものであってもよく、図12のように多数の環状溝4を縦に形成したものであってもよい。
【0030】
上記清掃体部2は、軸1の端部に綿繊維を巻き付けて作るもの、樹脂成形体によって成形したもの、上記水溶性高分子によって形状を得たもの(図5)のいずれであってもよい。樹脂成形体によって成形したものは、図4に示したように、清掃体部に皮膜層5として、水溶性高分子組成物層を形成するものであってもよい。
【0031】
また、図6のように両端に清掃体部2を有するものであってもよく、図7のように一端に皮膜層5を有する清掃体部2を配し、もう一端に水溶性高分子組成物を有さない清掃体部を配したものであってもよい。また、図8のように軸の一端が耳かき形状を有していてもよく、図9のように軸の両端が湾曲し、清掃体部2を有するものであってもよい。
また、図10のように、軸の一端に耳かき形状で、かつ、水溶性高分子組成物を有する清掃体部を形成したものであってもよい。
【0032】
上記軸1としては特に限定されず、プラスチック芯、紙芯等の従来清掃具において使用されている軸を使用することができる。
【0033】
このようにして得られた清掃具は、流通・販売の際には、水溶性高分子組成物の水分量を一定に保つために、バリア性が高い容器中に充填することが好ましい。このようなバリア性が高い容器としては、アルミ層を有するシート状物をヒートシールすることによって得られるアルミパウチ等を挙げることができる。
【0034】
本発明の清掃具は、耳、鼻等の身体各部の清掃用具として好適に使用されるものであるが、精密機器などの清掃にも使用することができる。
【実施例】
【0035】
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(ゲル状組成物の調製)
ゲル状組成物の全量を100質量%として、以下の処方のゲル状組成物を調製した。なお、調製例1〜11において、共通するゲル状組成物の調製方法は次のとおりである。
先ず別の容器に試料量の水をとり、そこに架橋剤を添加しておく。別途、カッパーカラギーナン、ローカストビーンガム、グルコマンナン、ポリアクリル酸部分中和物等のゲル成分を、約半量のブチレングリコールによく攪拌しながら少量ずつ加えた後、これにシリカ粉体を少量ずつ添加してよく攪拌し、ゲル成分・シリカ粉体湿潤液を得る。なお、ゲル成分は予め少量のエタノールに湿潤・分散させておいてもよい。一方、残りのブチレングリコールに防腐剤(パラベン)及びポリエチレングリコール並びに有効成分(ラズベリケトン、カフェイン、茶エキス、海藻エキス、糖成分)を加え、加温下で攪拌しながら完全に溶解させ、ブチレングリコール溶液を得る。このブチレングリコール溶液の粗熱がとれたら、これを少量ずつ上記のゲル成分・シリカ粉体湿潤液によく攪拌しながら添加する。次いでこれを、残りの水にソルビトールを加えたものによく攪拌しながら加え、ゲル成分を膨潤させる。得られたゲル成分膨潤液を80〜85℃程度に加熱し、膨潤したゲル成分が均一に溶解したら、これに別途用意した架橋剤水溶液を攪拌下に滴下して加え、80〜85℃にて約30分間程維持する。その後、70〜75℃に調節したウォーターバスに浸して溶液温度を降下させると共に、この溶液内の気泡が排除されるのを待つ。このようにしてゲル状組成物の加熱溶液が調製される。
【0036】
(清掃具の製造)
清掃具の製造方法は以下の通りである。常法に従い.軸(プラスチック)を製造し、軸の端に接着剤を塗布し、冷却した調製液を巻き付け、成形、熟成、乾燥し、図1の清掃具を得た。
【0037】
実施例1
下記調製例1の処方において、カルボキシビニルポリマーとポリアクリル酸ナトリウムをソルビトール、ブチレングリコール、一部の水に分散させ、その他の成分を添加し練合し、その後乾燥させると同時に架橋反応を行わせた。次に、上述の方法により、図1の清掃具を得た。
【0038】
調製例1:
カルボキシビニルポリマー 0.6質量%
ポリアクリル酸ナトリウム 8.5質量%
架橋剤(メタケイ酸アルミン酸Mg) 0.02質量%
シリカ粉体(サイロピュア25) 3質量%
銀粉末 0.5質量%
ソルビトール 5質量%
ブチレングリコール 20質量%
ポリエチレングリコール 1質量%
パラベン 0.2質量%
水 残部
【0039】
(評価方法)
得られた清掃具を用いて、10名で耳内を清掃し、以下の項目について評価した。各項目につき1〜5点で評価し、その平均を表1に示す。比較例1として、綿を巻きつけた清掃具を用いた。なお、1点悪、5点良とし、点数が高いほど良好な結果である。
【0040】
【表1】
【0041】
実施例2、比較例2〜4
下記表2の処方にしたがい、常法にて一部の水に分散させ、その他の成分を添加し練合し、その後乾燥させると同時に架橋反応を行わせた。次に、上述の方法により、図2の清掃具を得た。
【0042】
得られた各清掃具について、11名で耳内を清掃し、表2に示した各項目について評価した。各項目につき1〜5点で評価し、その平均を表2に示す。なお、1点を悪、5点を良とし、点数が高いほど良好な結果である。離水については下記の基準にしたがって安定性を評価した。
得られた各清掃具を透明袋に入れ4方シールしたものを40℃、6ヶ月、湿度75%の恒温槽(暗所)にいれ、同様に室温にて暗所に保管したものとそれぞれ比較し、観察した。
◎:40℃、6ヶ月経過してもゲルの離水、形状、におい、色の変化全くなし
○:40℃、6ヶ月経過してもゲルの離水、形状、におい、色の変化なし
△:40℃、6ヶ月経過後室温に比べわずかにゲルの離水、形状、におい、色の変化あり
×:40℃、6ヶ月経過後室温に比べ明らかにゲルの離水、形状、におい、色の変化あり
【0043】
【表2】
【0044】
(実施例6〜14)
下記調製例6〜14の処方に従い、実施例1と同様の方法により、図1の清掃具を得た。
【0045】
調製例6:
塩化ジメチルジアリルアンモニウム・ アクリルアミド共重合体 5.0質量%
ポリビニルアルコール 1.5質量%
グルコマンナン 0.3質量%
カオリン 0.2質量%
ポリアクリル酸ナトリウム 0.05質量%
架橋剤(水酸化マグネシウム) 0.02質量%
金粉末 3質量%
コラーゲン 0.1質量%
ソルビトール 5質量%
濃グリセリン 15質量%
ポリエチレングリコール 1質量%
パラベン 0.2質量%
水 残部
【0046】
調製例7:
カルボキシビニルポリマー 1.0質量%
アクリル酸アルキルコポリマー 0.3質量%
ローカストビーンガム 0.2質量%
ポリアクリル酸ナトリウム 0.05質量%
架橋剤(メタケイ酸アルミン酸Mg) 0.02質量%
シリカ粉体(サイロピュア35) 3質量%
金イオン水 0.2%
銀イオン水 0.2%
ラズベリケトン 0.5質量%
ソルビトール 5質量%
ブチレングリコール 10質量%
ポリエチレングリコール 1質量%
パラベン 0.2質量%
水 残部
【0047】
調製例8:
カッパーカラギーナン 0.5質量%
グルコマンナン 0.3質量%
ローカストビーンガム 0.2質量%
ポリアクリル酸ナトリウム 0.05質量%
架橋剤(メタケイ酸アルミン酸Mg) 0.02質量%
シリカ粉体(サイロピュア35) 3質量%
塩化ベンザルコニウム 0.1質量%
マリンプラセンタエキス 0.1質量%
カフェイン 0.1質量%
さとうきびエキス 0.1質量%
濃グリセリン 5質量%
ブチレングリコール 10質量%
ポリエチレングリコール 1質量%
パラベン 0.2質量%
水 残部
【0048】
調製例9:
カッパーカラギーナン 0.6質量%
ポリグルタミン酸 0.4質量%
ローカストビーンガム 0.2質量%
ポリアクリル酸ナトリウム 0.05質量%
架橋剤(メタケイ酸アルミン酸Mg) 0.02質量%
シリカ粉体(サイロピュア35) 3質量%
甜菜粉末 0.5質量%
2水素化マグネシウム 0.1質量%
太古海水 0.1質量%
海藻エキス 0.1質量%
トレハロース(糖成分) 2質量%
ソルビトール 5質量%
ブチレングリコール 10質量%
ポリエチレングリコール 1質量%
パラベン 0.2質量%
水 残部
【0049】
調製例10:
カッパーカラギーナン 0.6質量%
グルコマンナン 0.4質量%
ローカストビーンガム 0.2質量%
ポリアクリル酸ナトリウム 0.05質量%
架橋剤(水酸化マグネシウム) 0.02質量%
シリカ粉体(サイロピュア35) 3質量%
ラズベリケトン 0.5質量%
茶エキス 0.1質量%
カフェイン 0.1質量%
海藻エキス 0.1質量%
マルチトール(糖成分) 2質量%
ソルビトール 5質量%
濃グリセリン 40質量%
ポリエチレングリコール 1質量%
パラベン 0.2質量%
水 残部
【0050】
調製例11:
ゼラチン 0.6質量%
酸化チタン 0.4質量%
ローカストビーンガム 0.2質量%
ポリアクリル酸ナトリウム 1.5質量%
架橋剤(メタケイ酸アルミン酸Mg) 0.02質量%
シリカ粉体(サイロピュア35) 3質量%
ニンジンエキス 0.5質量%
コラーゲン 0.1質量%
ウイキョウエキス 0.1質量%
栗皮エキス 0.1質量%
マルトース(糖成分) 2質量%
ソルビトール 5質量%
ジプロピレングリコール 25質量%
ポリエチレングリコール 1質量%
パラベン 0.2質量%
水 残部
【0051】
調製例12:
ポリアクリル酸・メタクリル酸共重合体 1.6質量%
酸化チタン 0.2質量%
ポリアクリル酸ナトリウム 0.05質量%
架橋剤(メタケイ酸アルミン酸Mg) 0.02質量%
シリカ粉体(サイロピュア35) 3質量%
ポリエチレン粉末 0.5質量%
ウレタンパウダー 0.1質量%
ビタミンC 0.1質量%
アスタキサンチン 0.1質量%
精製白糖 2質量%
ソルビトール 5質量%
ブチレングリコール 10質量%
ポリエチレングリコール 1質量%
パラベン 0.2質量%
水 残部
【0052】
調製例13:
ゼラチン 0.6質量%
カオリン 0.4質量%
シルクエキス 0.2質量%
ポリアクリル酸ナトリウム 2.5質量%
架橋剤(メタケイ酸アルミン酸Mg) 0.02質量%
シリカ粉体(サイロピュア35) 3質量%
シルクプロテイン 0.5質量%
シルク末 0.1質量%
金・銀コロイド液 0.1質量%
カカオ油 0.1質量%
GABA 0.2質量%
ソルビトール 5質量%
ブチレングリコール 10質量%
ポリエチレングリコール 1質量%
パラベン 0.2質量%
水 残部
【0053】
調製例14:
カッパーカラギーナン 0.6質量%
グルコマンナン 0.4質量%
ローカストビーンガム 0.2質量%
ポリアクリル酸ナトリウム 0.05質量%
架橋剤(メタケイ酸アルミン酸Mg) 0.02質量%
シリカ粉体(サイロピュア35) 3質量%
ラズベリケトン 0.5質量%
茶エキス 0.1質量%
カフェイン 0.1質量%
海藻エキス 0.1質量%
キシリトール(糖成分) 2質量%
ソルビトール 5質量%
ブチレングリコール 10質量%
ポリエチレングリコール 1質量%
パラベン 0.2質量%
水 残部
【0054】
各実施例によって得られた清掃具は、従来の綿棒とは異なり、清涼感、みずみずしさ、しっとり感、やわらかさ等の使用時の感触に優れ、簡単に汚れを落とすことができるものであった。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の清掃具は、良好な感触を有しつつ、汚れをかき取ることができるものである。また、皮膜層の含水率が高いことから、種々の有効成分を効果的に配合することが可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、軸部と清掃体部とを有する清掃具が一般的に利用されている。このような清掃具としては綿棒がよく知られており、耳、鼻等の身体各部の清掃具としてだけでなく、精密機器等の微細な部品の清掃具としても広く使用されている。しかし、一般的な綿棒の綿球部は単に綿繊維を軸に巻きつけただけであるため、汚れを完全に除去するのは容易ではない。そこで、このような綿棒を改良するものとして、綿球部に粘着剤を塗布した、いわゆる粘着綿棒が開発されている。
【0003】
特許文献1には、粘着剤としてアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤などを使用した綿棒が開示されている。また、特許文献2には、ロジン等の粘着付与剤を含有した種々の合成ゴム、合成樹脂からなる粘着剤を綿球部表面に保持した綿棒が開示されている。このような粘着綿棒は、汚れを除去しやすくなるものの、合成樹脂の感触が好ましいものではなかった。いずれも水を高配合したものではないため、特に水溶性の有効成分を配合し、放出する効果を期待できるものではなかった。更に、従来の綿棒においては綿球部に水溶性液体を含侵させたものは存在するが、水分の保持能力が充分ではないため、水分が垂れ落ちるという問題を生じることがあった。更に、表面に粘着性を有するものではないことから、汚れの除去能の向上が得られるわけではない。
【0004】
特許文献3には、殺菌剤をバインダーで含浸固着させた綿体が設けられている抗菌性綿棒が開示されている。上記バインダーとしては、メチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース系、澱粉、アクリル系エマルジョン、塩化ビニール系エマルジョンなどが用いられている。しかしながら、抗菌剤を綿体部に固着させることが目的であって、汚れの除去しやすさ、これらのバインダー自体の感触や機能等を期待したものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−34830号公報
【特許文献2】特表2001−346710号公報
【特許文献3】特開平5−137753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、汚れを除去しやすく、好感触であり、有効成分を容易に配合することができる清掃具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、軸の少なくとも一端に清掃体部を有し、上記清掃体部の表面の少なくとも一部が水及び水溶性高分子を含む水溶性高分子組成物からなることを特徴とする清掃具である。
上記水溶性高分子組成物は、含水率が30〜95質量%であることが好ましい。
上記水溶性高分子は、ポリアクリル酸及びその塩、ポリメタクリル酸及びその塩、並びに、アクリル酸及び/又はその塩を構成単位の一部とする共重合体からなる群から選択される1以上の重合体であることが好ましい。
上記ポリアクリル酸及びその塩、ポリメタクリル酸及びその塩、並びに、アクリル酸及び/又はその塩を構成単位の一部とする共重合体からなる群から選択される1以上の重合体は、アンモニウム塩、カリウム塩又はナトリウム塩であることが好ましい。
上記水溶性高分子組成物は、更に、多価アルコール及び/又は糖類を含むことが好ましい。
上記清掃体部は、略紡錘形状であることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によって、汚れをかき取りやすく、かつ、感触に優れ、有効成分を容易に配合することができる清掃具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の清掃具の一例を示す図である。
【図2】本発明の清掃具の一例を示す図である。
【図3】本発明の清掃具の一例を示す図である。
【図4】本発明の清掃具の一例を示す図である。
【図5】本発明の清掃具の一例を示す図である。
【図6】本発明の清掃具の一例を示す図である。
【図7】本発明の清掃具の一例を示す図である。
【図8】本発明の清掃具の一例を示す図である。
【図9】本発明の清掃具の一例を示す図である。
【図10】本発明の清掃具の一例を示す図である。
【図11】本発明の清掃具の一例を示す図である。
【図12】本発明の清掃具の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0010】
1 軸
2 清掃体部
4 環状溝
5 皮膜層
6 接着層
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の清掃具は、清掃体部の少なくとも表面に水及び水溶性高分子を含む水溶性高分子組成物を有することを特徴とするものであり、当該水溶性高分子組成物の含水率は30〜95質量%であることが好ましい。このように水を含む組成物からなる表面を有することにより、清涼感など良好な感触を与えつつ、汚れを好適に除去することができる。さらに、上記水溶性高分子組成物に有効成分を添加した場合、使用時に耳や鼻等に清掃具を押し付けた際に、有効成分が放出されるため、目的に応じた効果を得ることもできる。
【0012】
上記清掃体部は、一部又は全部が上記水溶性高分子組成物からなるものである。すなわち、棒形状の少なくとも一端を所定の形状に成形した成形体の清掃体部に上記水溶性高分子組成物による皮膜を形成させたもの(図4)、上記水溶性高分子組成物を略紡錘形状等の清掃に適した形状に成形したものを製造し、これを軸部と接着剤によって接着したもの(図5)、等を挙げることができる。これらの製造方法や、水溶性高分子以外に使用する原料(軸部、接着剤等)としては特に限定されず、公知の任意のものを使用することができる。
【0013】
上記水溶性高分子としては、組成物全体において含水した状態で自己形態保持性を有するゲル組成物を構成するものであれば、特にその種類は限定されない。上記水溶性高分子は、天然水溶性高分子及び合成水溶性高分子のいずれをも用いることができ、またこれらの混合物を用いることもできる。天然の水溶性高分子では特に多糖類が好ましい。天然の水溶性高分子の具体例としては、カラギーナン、ローカストビーンガム、グルコマンナン、寒天、アガロース、キサンタンガム、グアーガム、ジェランガム、タマリンドシードガム、カラヤガム、ペクチン、ゼラチン等が挙げられる。
【0014】
また、合成の水溶性高分子の具体例としては、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、ポリビニルアルコール、アルギン酸、グラフトデンプン、アガロース、ポリグルタミン酸、アーネストガム又はそれらの塩及び部分中和物等が挙げられる。必要に応じて、上記水溶性高分子と塩化カリウム、乳酸カルシウム等の架橋剤を併用してゲル強度を高めることもできる。
上記水溶性高分子は、1種又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0015】
上記水溶性高分子は、ポリアクリル酸及びその塩、ポリメタクリル酸及びその塩、並びに、アクリル酸及び/又はその塩を構成単位の一部とする共重合体からなる群から選択される1以上の重合体であることがより好ましく、アクリル酸・メタクリル酸共重合体が特に好ましい。上記ポリアクリル酸及びその塩、ポリメタクリル酸及びその塩、並びに、アクリル酸及び/又はその塩を構成単位の一部とする共重合体からなる群から選択される1以上の重合体を使用することにより、水を安定に含有することができるため好ましい。上記ポリアクリル酸及びその塩、ポリメタクリル酸及びその塩、並びに、アクリル酸及び/又はその塩を構成単位の一部とする共重合体からなる群から選択される1以上の重合体としては、これらのアンモニウム塩、カリウム塩又はナトリウム塩であることがより好ましく、なかでも、ナトリウム塩であることが好ましい。上記重合体の塩としては、2種以上の混合物として用いることもできる。
【0016】
上記水溶性高分子としては、ゲル強度が60〜100g程度のものが適当である。ここでのゲル強度は、例えば、直径0.5インチのプランジャーを備えたレオメーターを用いて、6cm/分の速度で、プランジャーを水溶性高分子のゲル体表面を4mm押し下げるのに必要な力をグラム数で表した強度を示す。
【0017】
上記水溶性高分子組成物は、含水率が30〜95質量%であることが好ましい。含水率が30質量%未満であると、良好な感触が得られないおそれがある。95質量%を超えると、汚れを除去するために必要なゲル強度が得られない場合がある。上記含水率は、40〜70質量%であることがより好ましい。
【0018】
上記水溶性高分子組成物は、更に、多価アルコール及び/又は糖類を含むことが好ましい。上記多価アルコール及び/又は糖類としては特に限定されず、例えば、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、濃グリセリン、ジプロピレングリコール、ソルビトール、トレハロース、マルチトール、マルトース、グルコース、キシリトール等を挙げることができる。上記多価アルコール及び/又は糖類は、1種又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0019】
上記多価アルコール及び/又は糖類を配合する場合、その配合量は水溶性高分子組成物全量に対して、1〜40質量%であることが好ましい。上記範囲内のものとすることで、使用時のしっとり感ややわらか感がよいという点で好ましいものである。
【0020】
本発明において、上記水溶性高分子組成物はシリカ粉体を含有するものであってもよい。シリカ粉体を添加することによって、上記水溶性高分子組成物のゲル強度が高くなるため、使用時にゲルが崩壊したりして、うまく洗浄できなくなることを防ぎやすくなる点で好ましい。
【0021】
上記シリカ粉体は、平均粒径2〜10μmの範囲のものが好適に用いられる。平均粒径が10μmよりも大きいときは水溶性高分子組成物中で沈降し易くて均一な混合物が得られ難く、最終的な基剤の強度に斑が生じる点で好ましくない。反対に、平均粒径が2μmよりも小さい場合は混合したゲル状組成物の粘度が高くなり過ぎて製剤性・成形性が乏しくなる点で好ましくない。特に多孔性である合成シリカ粉体はゲル基剤の透明性を阻害し難いので好ましい。尚、上記の平均粒径の測定はレーザー法(JIS K 1150)による。
【0022】
上記水溶性高分子組成物は、透明であってもよく、着色されたものであってもよい。透明にする場合は、上記水溶性高分子として透明度の高い高分子を選択すればよい。また、着色する場合は、上記水溶性高分子組成物に着色料を配合する等の方法により着色することができる。例えば、上記着色料としては特に限定されず、通常化粧料等に使用される着色料を挙げることができる。具体的には、黄色4号、黄色5号、青色1号、青色2号、赤色226号、カラメル、銅クロロフィル、クチナシ、ウコン、ベニバナなど天然由来の色素、酸化亜鉛、酸化チタン、カーボンブラック、薬用炭、酸化鉄、赤色227号などのアルミニウムレイキ顔料、銀、金等を挙げることができる。
【0023】
上記水溶性高分子組成物は、図4に示したもののように、所定の形状に成形した成形体上に皮膜を形成する方法で使用する場合は、上記水溶性高分子組成物を成形された清掃体部に、例えば塗布、噴霧、含浸処理等をすることにより得ることができる。また、シート状に成形した組成物を清掃体部の表面に貼付したものであってもよい。上記皮膜層の厚みとしては特に限定されないが、0.01〜5mmであることが好ましい。
【0024】
上記水溶性高分子組成物は、図5に示したもののように、清掃体部の形状に成形して使用する場合は、加熱した組成物を型に流し込んで冷却する方法等によって製造することができる。
【0025】
上記水溶性高分子組成物は、水溶性高分子を必要に応じて湿潤剤にて湿潤させた後、適量の水に懸濁させ、さらに所定量まで水を添加し、これを70〜100℃程度の温度雰囲気下にて溶解させることにより得ることができる。得られた組成物を塗布、噴霧、含浸処理等をした後で20〜60℃程度に冷却してゲル化しても、20〜60℃程度に冷却してゲル化させた上でシート状に成形してもよい。上記湿潤、懸濁の際や冷却の際に、アロマオイルや活性成分としての薬剤(例えば、消炎剤、鎮痛剤、鎮痒剤、ビタミン等)又は化粧料有効成分(収斂剤、痩身成分、コラーゲン等)を添加してもよいし、医薬、化粧品および食品の分野において使用される添加剤、例えば、防腐剤、殺菌剤、香料、着色剤、抗酸化剤、増粘剤、清涼剤(エタノール等)、界面活性剤等を添加してもよい。
【0026】
アロマオイルとしては、一般にアロマテラピーに用いられる精油成分(精油類)をそのまま用いることができる。この精油成分としては、例えば、ワンダー・セラー著「アロマテラピーのための84の精油成分」、フレグランスジャーナル社に記載されているものが挙げられる。具体的には、アニス、アンジェリカ、安息香、イモーテル、カモミール、ガーリック、カルモダン、ガルバナム、キャラウェイ、キャロットシード、グアヤックウッド、グレープフルーツ、サイブレス、シダーウッド、スターアニス、セージ、ゼラニウム、セロリ、タイム、タラゴン、テレピン、乳香、バイオレット、パイン、パセリ、フェンネル、ブラックペッパ、ボダイジュ花、レモン、レモングラス、ローズマリー、ローレル、シモツケギク、シモツケソウ、ヤグルマギク、アーモンド、アルニカ、ウイキョウ、エニシダ、クレソン、ゲンチアナ、ショウノウ、スモモ、セイヨウナシ、タイソウ、タンポポ、チモ、チョレイ、トウガシ、ノイバラ、ハッカ、トネリコ、ブクリョウ、メリッサ、モモ、ヤドリギ、ユーカリ、ヨクイニン、ラベンダ、レンギョウ等からの抽出物が挙げられる。
【0027】
化粧料有効成分や添加剤としては、当該分野で公知のものを使用することができる。収斂剤、痩身成分、コラーゲンなどで、ホスホジエステラーゼ活性阻害剤、脂肪細胞分化抑制剤、血行促進剤、リパーゼ活性促進剤等の痩身成分、具体的にはハマメリス、メントール及びその誘導体、キューカンバーエキス、ラズベリーケトンやカフェイン、テオフィリン、ハマメリスエキス、カカオエキス、大豆サポニン等のキサンチン誘導体や海草エキス、海藻エキス、カプサイシン、海洋性コラーゲン、植物性コラーゲンなどが好適なものとして挙げられるがこれらに限定されるものでもない。
【0028】
薬剤としては、例えば、金、銀、銅等からなる金属類から加工したイオン水、コロイド水及びその坦持体及び誘導体、塩化ベンザルコニウム、クロロヘキシジン誘導体、塩素系殺菌成分、メントール、カンフル、インドメタシン、ケトプロフェン、ジクロフェナック、オオバクエキス、グリチルリチン酸ジカリウム、ヒアルロン酸、アルブチン、酢酸トコフェロール、アラントイン、ビタミンC及びその誘導体並びにその塩類、水溶性アズレン、アクリノール等が挙げられる。これらの薬剤は、高分子膜で包んだ粒状体又は多孔性粒子に担持させた粒状体として用いてもよい。
【0029】
次に、本発明の清掃具の形状について、図を挙げて説明する。図1〜図5は、本発明の清掃具の例を示したものである。
上記清掃具は、軸1の一端又は両端に清掃体部2を有するものである、上記清掃体部の形状は、清掃を行うことができる形状であれば特に限定されないが、例えば、略紡錘形状とすることができる。略紡錘形状とは、およそ紡錘形状に近い形状をしたものを指し、厳密には紡錘形状ではないが、耳の中の清浄、電子機器の隙間の清浄等に適したような紡錘形状に類似した形状のものも包含するものである。その形状としては図2のような形状等を挙げることもできる。また、上記清掃体部は、汚れを取りやすくするために、図11のような先の尖った形状とすることもできる。更に、上記清掃体部は、図3に示したもののように紡錘形状に多数の環状溝4を横に形成したものであってもよく、図12のように多数の環状溝4を縦に形成したものであってもよい。
【0030】
上記清掃体部2は、軸1の端部に綿繊維を巻き付けて作るもの、樹脂成形体によって成形したもの、上記水溶性高分子によって形状を得たもの(図5)のいずれであってもよい。樹脂成形体によって成形したものは、図4に示したように、清掃体部に皮膜層5として、水溶性高分子組成物層を形成するものであってもよい。
【0031】
また、図6のように両端に清掃体部2を有するものであってもよく、図7のように一端に皮膜層5を有する清掃体部2を配し、もう一端に水溶性高分子組成物を有さない清掃体部を配したものであってもよい。また、図8のように軸の一端が耳かき形状を有していてもよく、図9のように軸の両端が湾曲し、清掃体部2を有するものであってもよい。
また、図10のように、軸の一端に耳かき形状で、かつ、水溶性高分子組成物を有する清掃体部を形成したものであってもよい。
【0032】
上記軸1としては特に限定されず、プラスチック芯、紙芯等の従来清掃具において使用されている軸を使用することができる。
【0033】
このようにして得られた清掃具は、流通・販売の際には、水溶性高分子組成物の水分量を一定に保つために、バリア性が高い容器中に充填することが好ましい。このようなバリア性が高い容器としては、アルミ層を有するシート状物をヒートシールすることによって得られるアルミパウチ等を挙げることができる。
【0034】
本発明の清掃具は、耳、鼻等の身体各部の清掃用具として好適に使用されるものであるが、精密機器などの清掃にも使用することができる。
【実施例】
【0035】
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(ゲル状組成物の調製)
ゲル状組成物の全量を100質量%として、以下の処方のゲル状組成物を調製した。なお、調製例1〜11において、共通するゲル状組成物の調製方法は次のとおりである。
先ず別の容器に試料量の水をとり、そこに架橋剤を添加しておく。別途、カッパーカラギーナン、ローカストビーンガム、グルコマンナン、ポリアクリル酸部分中和物等のゲル成分を、約半量のブチレングリコールによく攪拌しながら少量ずつ加えた後、これにシリカ粉体を少量ずつ添加してよく攪拌し、ゲル成分・シリカ粉体湿潤液を得る。なお、ゲル成分は予め少量のエタノールに湿潤・分散させておいてもよい。一方、残りのブチレングリコールに防腐剤(パラベン)及びポリエチレングリコール並びに有効成分(ラズベリケトン、カフェイン、茶エキス、海藻エキス、糖成分)を加え、加温下で攪拌しながら完全に溶解させ、ブチレングリコール溶液を得る。このブチレングリコール溶液の粗熱がとれたら、これを少量ずつ上記のゲル成分・シリカ粉体湿潤液によく攪拌しながら添加する。次いでこれを、残りの水にソルビトールを加えたものによく攪拌しながら加え、ゲル成分を膨潤させる。得られたゲル成分膨潤液を80〜85℃程度に加熱し、膨潤したゲル成分が均一に溶解したら、これに別途用意した架橋剤水溶液を攪拌下に滴下して加え、80〜85℃にて約30分間程維持する。その後、70〜75℃に調節したウォーターバスに浸して溶液温度を降下させると共に、この溶液内の気泡が排除されるのを待つ。このようにしてゲル状組成物の加熱溶液が調製される。
【0036】
(清掃具の製造)
清掃具の製造方法は以下の通りである。常法に従い.軸(プラスチック)を製造し、軸の端に接着剤を塗布し、冷却した調製液を巻き付け、成形、熟成、乾燥し、図1の清掃具を得た。
【0037】
実施例1
下記調製例1の処方において、カルボキシビニルポリマーとポリアクリル酸ナトリウムをソルビトール、ブチレングリコール、一部の水に分散させ、その他の成分を添加し練合し、その後乾燥させると同時に架橋反応を行わせた。次に、上述の方法により、図1の清掃具を得た。
【0038】
調製例1:
カルボキシビニルポリマー 0.6質量%
ポリアクリル酸ナトリウム 8.5質量%
架橋剤(メタケイ酸アルミン酸Mg) 0.02質量%
シリカ粉体(サイロピュア25) 3質量%
銀粉末 0.5質量%
ソルビトール 5質量%
ブチレングリコール 20質量%
ポリエチレングリコール 1質量%
パラベン 0.2質量%
水 残部
【0039】
(評価方法)
得られた清掃具を用いて、10名で耳内を清掃し、以下の項目について評価した。各項目につき1〜5点で評価し、その平均を表1に示す。比較例1として、綿を巻きつけた清掃具を用いた。なお、1点悪、5点良とし、点数が高いほど良好な結果である。
【0040】
【表1】
【0041】
実施例2、比較例2〜4
下記表2の処方にしたがい、常法にて一部の水に分散させ、その他の成分を添加し練合し、その後乾燥させると同時に架橋反応を行わせた。次に、上述の方法により、図2の清掃具を得た。
【0042】
得られた各清掃具について、11名で耳内を清掃し、表2に示した各項目について評価した。各項目につき1〜5点で評価し、その平均を表2に示す。なお、1点を悪、5点を良とし、点数が高いほど良好な結果である。離水については下記の基準にしたがって安定性を評価した。
得られた各清掃具を透明袋に入れ4方シールしたものを40℃、6ヶ月、湿度75%の恒温槽(暗所)にいれ、同様に室温にて暗所に保管したものとそれぞれ比較し、観察した。
◎:40℃、6ヶ月経過してもゲルの離水、形状、におい、色の変化全くなし
○:40℃、6ヶ月経過してもゲルの離水、形状、におい、色の変化なし
△:40℃、6ヶ月経過後室温に比べわずかにゲルの離水、形状、におい、色の変化あり
×:40℃、6ヶ月経過後室温に比べ明らかにゲルの離水、形状、におい、色の変化あり
【0043】
【表2】
【0044】
(実施例6〜14)
下記調製例6〜14の処方に従い、実施例1と同様の方法により、図1の清掃具を得た。
【0045】
調製例6:
塩化ジメチルジアリルアンモニウム・ アクリルアミド共重合体 5.0質量%
ポリビニルアルコール 1.5質量%
グルコマンナン 0.3質量%
カオリン 0.2質量%
ポリアクリル酸ナトリウム 0.05質量%
架橋剤(水酸化マグネシウム) 0.02質量%
金粉末 3質量%
コラーゲン 0.1質量%
ソルビトール 5質量%
濃グリセリン 15質量%
ポリエチレングリコール 1質量%
パラベン 0.2質量%
水 残部
【0046】
調製例7:
カルボキシビニルポリマー 1.0質量%
アクリル酸アルキルコポリマー 0.3質量%
ローカストビーンガム 0.2質量%
ポリアクリル酸ナトリウム 0.05質量%
架橋剤(メタケイ酸アルミン酸Mg) 0.02質量%
シリカ粉体(サイロピュア35) 3質量%
金イオン水 0.2%
銀イオン水 0.2%
ラズベリケトン 0.5質量%
ソルビトール 5質量%
ブチレングリコール 10質量%
ポリエチレングリコール 1質量%
パラベン 0.2質量%
水 残部
【0047】
調製例8:
カッパーカラギーナン 0.5質量%
グルコマンナン 0.3質量%
ローカストビーンガム 0.2質量%
ポリアクリル酸ナトリウム 0.05質量%
架橋剤(メタケイ酸アルミン酸Mg) 0.02質量%
シリカ粉体(サイロピュア35) 3質量%
塩化ベンザルコニウム 0.1質量%
マリンプラセンタエキス 0.1質量%
カフェイン 0.1質量%
さとうきびエキス 0.1質量%
濃グリセリン 5質量%
ブチレングリコール 10質量%
ポリエチレングリコール 1質量%
パラベン 0.2質量%
水 残部
【0048】
調製例9:
カッパーカラギーナン 0.6質量%
ポリグルタミン酸 0.4質量%
ローカストビーンガム 0.2質量%
ポリアクリル酸ナトリウム 0.05質量%
架橋剤(メタケイ酸アルミン酸Mg) 0.02質量%
シリカ粉体(サイロピュア35) 3質量%
甜菜粉末 0.5質量%
2水素化マグネシウム 0.1質量%
太古海水 0.1質量%
海藻エキス 0.1質量%
トレハロース(糖成分) 2質量%
ソルビトール 5質量%
ブチレングリコール 10質量%
ポリエチレングリコール 1質量%
パラベン 0.2質量%
水 残部
【0049】
調製例10:
カッパーカラギーナン 0.6質量%
グルコマンナン 0.4質量%
ローカストビーンガム 0.2質量%
ポリアクリル酸ナトリウム 0.05質量%
架橋剤(水酸化マグネシウム) 0.02質量%
シリカ粉体(サイロピュア35) 3質量%
ラズベリケトン 0.5質量%
茶エキス 0.1質量%
カフェイン 0.1質量%
海藻エキス 0.1質量%
マルチトール(糖成分) 2質量%
ソルビトール 5質量%
濃グリセリン 40質量%
ポリエチレングリコール 1質量%
パラベン 0.2質量%
水 残部
【0050】
調製例11:
ゼラチン 0.6質量%
酸化チタン 0.4質量%
ローカストビーンガム 0.2質量%
ポリアクリル酸ナトリウム 1.5質量%
架橋剤(メタケイ酸アルミン酸Mg) 0.02質量%
シリカ粉体(サイロピュア35) 3質量%
ニンジンエキス 0.5質量%
コラーゲン 0.1質量%
ウイキョウエキス 0.1質量%
栗皮エキス 0.1質量%
マルトース(糖成分) 2質量%
ソルビトール 5質量%
ジプロピレングリコール 25質量%
ポリエチレングリコール 1質量%
パラベン 0.2質量%
水 残部
【0051】
調製例12:
ポリアクリル酸・メタクリル酸共重合体 1.6質量%
酸化チタン 0.2質量%
ポリアクリル酸ナトリウム 0.05質量%
架橋剤(メタケイ酸アルミン酸Mg) 0.02質量%
シリカ粉体(サイロピュア35) 3質量%
ポリエチレン粉末 0.5質量%
ウレタンパウダー 0.1質量%
ビタミンC 0.1質量%
アスタキサンチン 0.1質量%
精製白糖 2質量%
ソルビトール 5質量%
ブチレングリコール 10質量%
ポリエチレングリコール 1質量%
パラベン 0.2質量%
水 残部
【0052】
調製例13:
ゼラチン 0.6質量%
カオリン 0.4質量%
シルクエキス 0.2質量%
ポリアクリル酸ナトリウム 2.5質量%
架橋剤(メタケイ酸アルミン酸Mg) 0.02質量%
シリカ粉体(サイロピュア35) 3質量%
シルクプロテイン 0.5質量%
シルク末 0.1質量%
金・銀コロイド液 0.1質量%
カカオ油 0.1質量%
GABA 0.2質量%
ソルビトール 5質量%
ブチレングリコール 10質量%
ポリエチレングリコール 1質量%
パラベン 0.2質量%
水 残部
【0053】
調製例14:
カッパーカラギーナン 0.6質量%
グルコマンナン 0.4質量%
ローカストビーンガム 0.2質量%
ポリアクリル酸ナトリウム 0.05質量%
架橋剤(メタケイ酸アルミン酸Mg) 0.02質量%
シリカ粉体(サイロピュア35) 3質量%
ラズベリケトン 0.5質量%
茶エキス 0.1質量%
カフェイン 0.1質量%
海藻エキス 0.1質量%
キシリトール(糖成分) 2質量%
ソルビトール 5質量%
ブチレングリコール 10質量%
ポリエチレングリコール 1質量%
パラベン 0.2質量%
水 残部
【0054】
各実施例によって得られた清掃具は、従来の綿棒とは異なり、清涼感、みずみずしさ、しっとり感、やわらかさ等の使用時の感触に優れ、簡単に汚れを落とすことができるものであった。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の清掃具は、良好な感触を有しつつ、汚れをかき取ることができるものである。また、皮膜層の含水率が高いことから、種々の有効成分を効果的に配合することが可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸の少なくとも一端に清掃体部を有し、前記清掃体部の表面の少なくとも一部が水及び水溶性高分子を含む水溶性高分子組成物からなることを特徴とする清掃具。
【請求項2】
水溶性高分子組成物は、含水率が30〜95質量%である請求項1記載の清掃具。
【請求項3】
水溶性高分子は、ポリアクリル酸及びその塩、ポリメタクリル酸及びその塩、並びに、アクリル酸及び/又はその塩を構成単位の一部とする共重合体からなる群から選択される1以上の重合体である請求項1又は2記載の清掃具。
【請求項4】
ポリアクリル酸及びその塩、ポリメタクリル酸及びその塩、並びに、アクリル酸及び/又はその塩を構成単位の一部とする共重合体からなる群から選択される1以上の重合体は、アンモニウム塩、カリウム塩又はナトリウム塩である請求項3記載の清掃具。
【請求項5】
水溶性高分子組成物は、更に、多価アルコール及び/又は糖類を含む請求項1、2、3又は4記載の清掃具。
【請求項6】
前記清掃体部は、略紡錘形状である請求項1、2、3、4又は5記載の清掃具。
【請求項1】
軸の少なくとも一端に清掃体部を有し、前記清掃体部の表面の少なくとも一部が水及び水溶性高分子を含む水溶性高分子組成物からなることを特徴とする清掃具。
【請求項2】
水溶性高分子組成物は、含水率が30〜95質量%である請求項1記載の清掃具。
【請求項3】
水溶性高分子は、ポリアクリル酸及びその塩、ポリメタクリル酸及びその塩、並びに、アクリル酸及び/又はその塩を構成単位の一部とする共重合体からなる群から選択される1以上の重合体である請求項1又は2記載の清掃具。
【請求項4】
ポリアクリル酸及びその塩、ポリメタクリル酸及びその塩、並びに、アクリル酸及び/又はその塩を構成単位の一部とする共重合体からなる群から選択される1以上の重合体は、アンモニウム塩、カリウム塩又はナトリウム塩である請求項3記載の清掃具。
【請求項5】
水溶性高分子組成物は、更に、多価アルコール及び/又は糖類を含む請求項1、2、3又は4記載の清掃具。
【請求項6】
前記清掃体部は、略紡錘形状である請求項1、2、3、4又は5記載の清掃具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−165942(P2012−165942A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30568(P2011−30568)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(306018365)クラシエホームプロダクツ株式会社 (188)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(306018365)クラシエホームプロダクツ株式会社 (188)
【Fターム(参考)】
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