減容機に於ける防止蓋

【課題】ドラム缶に投入された廃棄物を減容機で減容する際、廃棄物の一部がドラム缶外へ飛散するのを防止する。
【解決手段】ドラム缶２１の外周面上端に嵌着自在に嵌め込まれるスカート９と、スカートと連続する上部１０と、廃棄物２２を圧縮する圧縮板５の上方で、圧縮板を取付けた、減容機の駆動装置３のロッド４に摺動自在に挿嵌されて、上部と連続する軸受１１とからなる。ドラム缶は防止蓋８で閉塞されるので、減容時に廃棄物の一部がドラム缶外へ飛散することがない。

【考案の詳細な説明】
【０００１】
【考案の属する技術分野】
この考案は、ドラム缶に投入された廃棄物、とくに医療廃棄物を圧縮して容積を減らすために使用される減容機に取付けられて、減容の際に廃棄物の一部がドラム缶外へ飛散するのを防止するための蓋に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ドラム缶に投入された廃棄物を減容する減容機は、油圧シリンダのロッド端に取付けられた圧縮板で、ドラム缶内の廃棄物を油圧シリンダの作動により圧縮減容するものである。この圧縮板の下面には、圧縮板とドラム缶内周面との隙間をシールするためゴム板が固着されている。そして廃棄物が医療廃棄物であれば、ドラム缶が満杯になると蓋をして蓋をロックしたうえ、約２０００℃の高温でドラム缶ごと焼却処理される。
【０００３】
【考案が解決しようとする課題】
ところで医療廃棄物には、びんなど含まれているため、油圧シリンダを作動させて廃棄物を強力に圧縮すると、ゴム板５だけではシールが不十分で、びんのかけらなどがドラム缶の外へ飛散したり、注射針が飛び出して危険であった。
【０００４】
この考案が解決しようとする課題は、減容機で廃棄物を圧縮減容する際に、びんのかけらや注射針などが、ドラム缶外へ飛散するのを防止することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
この考案は、ドラム缶の外周面上端に嵌着自在に嵌め込まれるスカートと、スカートと連続する上部と、廃棄物を圧縮する圧縮板の上方で、圧縮板を取付けた、減容機の駆動装置のロッドに摺動自在に挿嵌されて、上部と連続する軸受とからなることに特徴がある。
【０００６】
【考案の実施の形態】
まず減容機について説明すると、１はドラム缶２１を載せる基台で、後端部にはフレーム２が立設されている。３はフレーム２の上端に取付けられた、駆動装置の油圧シリンダで、そのロッド４端には圧縮板５が取付けられている。６はゴム板で、押さえ板７を介して圧縮板５の下面に固着されている。前述のようにゴム板６は、圧縮板５とドラム缶２１の内周面との隙間をシールするものである。
なお、圧縮板２１の駆動装置は油圧シリンダに限られず、例えばエヤシリンダ、電気モータ等公知の駆動装置を用いることができ、又トグル機構を利用することも任意である。
【０００７】
８はこの考案に係る防止蓋で、下縁部は筒状のスカート９を形成し、スカート９と連続するその上部１０は、図示例では円錐状に形成されていが、円盤状、ドーム状などに形成してもよい。そして、上部１０と連続して上端部に形成された軸受１１には、油圧シリンダ３のロッド４が、摺動自在に挿入されている。この防止蓋８は、圧縮板５の上方でロッド４に取付けられ、廃棄物２２の減容時に、スカート１０はドラム缶２１の外周面上端に嵌着自在に嵌め込まれる。
【０００８】
なお、この考案の防止蓋は、医療廃棄物の減容のみならず、不衛生又は危険な液体、固体等が、減容機を使用した減容時に、ドラム缶外へ飛散するのを防止するのに利用できる。
【０００９】
【考案の効果】
廃棄物の減容時には、ドラム缶は防止蓋によって閉塞されることになり、液体等の出る廃棄物を駆動装置で強力に圧縮減容しても、廃棄物の一部がドラム缶外へ飛散することがない。
【図面の簡単な説明】
【図１】防止蓋をドラム缶に取付けた状態の断面図である。
【図２】減容機の側面図である。
【符号の説明】
３油圧シリンダ
５圧縮板
８防止蓋
２１ドラム缶
２２廃棄物

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項１】ドラム缶に投入された廃棄物を圧縮減容する減容機に取付けられてドラム缶を閉塞するもので、ドラム缶の外周面上端に嵌着自在に嵌め込まれるスカートと、スカートと連続する上部と、廃棄物を圧縮する圧縮板の上方で、圧縮板を取付けた、減容機の駆動装置のロッドに摺動自在に挿嵌されて、上部と連続する軸受とからなる減容機に於ける防止蓋。

【図１】