説明

温度制御を用いたポリメラーゼ連鎖反応の自動実施装置

【課題】所定量の液体試料混合物を収容した少なくとも1つの試料管内におけるポリメラーゼ連鎖反応の、制御装置付自動遂行装置の提供。
【解決手段】所定量の液体試料混合物を収容した少なくとも1つの試料管内におけるポリメラーゼ連鎖反応の、制御装置付自動遂行装置であって、a)前記少なくとも1つの試料管用の少なくとも1つのウェルを備えた試料ブロック、b)所定時間に亙る前記試料ブロックの温度の関数として前記液体試料混合物の温度を決定する手段を備えたコンピュータ、c)前記試料ブロックの温度を変化させるために前記コンピュータによって制御される加熱及び冷却手段、及び、d)前記試料ブロックへ熱的に連結され、前記所定時間に亙る該試料ブロックの温度を前記コンピュータへ送るブロック温度センサ、を具備した装置。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
既知量の液体試料混合物を収容した少なくとも1つの試料管内におけるポリメラーゼ連鎖反応の自動遂行装置を制御するためのシステムであって、前記システムは、
a)前記少なくとも1つの試料管(10)用の少なくとも1つのウェルを備えた試料ブロック(12)、
b)コンピュータ装置(20)、
c)前記試料ブロック(12)の温度を変化させるために前記コンピュータ装置(20)によって制御される加熱手段(14、156)及び冷却手段(34、40)、及び、
d)前記試料ブロック(12)へ熱的に連結され、経時的に前記試料ブロック(12)の温度を前記コンピュータ装置(20)に提供するブロック温度センサ(21)、
を具備し、前記コンピュータ装置(20)は、前記液体試料混合物の温度を決定するための手段を備え、前記液体試料混合物の温度を決定するための手段は、前記液体試料混合物の温度を、前記試料ブロック(12)の温度の関数として経時的に計算するために、システムの熱的時間定数(τ)を利用するように構成され、前記システムの熱的時間定数は、試料ウェルの壁から試料液体への熱伝導性で割った試料の熱容量から誘導される、
システム。
【請求項2】
前記システムの熱的時間定数をユーザに入力させるための手段を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであって、前記システムは、ユーザから試料の体積および試料管の型を受けとるための入力デバイスを備え、そして、前記コンピュータ装置は、前記入力された試料の体積および試料管の型から第1の熱的時間定数を決定するための手段を備える、システム。
【請求項4】
前記コンピュータ装置が、温度センサの時間定数を記憶するための手段を備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記コンピュータ装置が、前記第1の熱的時間定数および前記温度センサの時間定数から前記システムの熱的時間定数を計算するように構成された手段を備える、請求項4に記載
のシステム。
【請求項6】
前記システムの熱的時間定数を計算するように構成された手段が、前記第1の熱的時間定数から前記温度センサの時間定数を減ずるように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記液体試料混合物の温度を表示するように構成された、請求項1〜6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記コンピュータ装置(20)が、現在の時間nにおける現在の試料間隔において試料の温度を、以下の数式:
sampsampn−1+(sampn−1)*interval/τ
のように決定し、前記数式において、sampは、時間nにおける試料の温度であり、sampn−1は、時間n−1において発生した直前の試料間隔における試料の温度であり、は、時間nにおけるブロックの温度であり、intervalは、試料間隔間の秒数であり、そして、τは、前記システムの熱的時間定数である、
請求項1〜7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のシステムであって、前記入力デバイスが、ユーザが定めた設定点と、必要に応じて標的の試料温度とを受けとり、保持時間/温度プロフィルを定めるために提供され、前記コンピュータ装置(20)が、前記加熱手段(14、156)及び冷却手段(34、40)を、前記ユーザが定めた設定点および前記試料温度の関数として制御するための手段を備える、システム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムであって、前記加熱手段(14、156)及び冷却手段(34、40)の、前記ユーザが定めた設定点の関数としての前記制御が、前記プロフィルを1回のプロフィルの実行として実行させることから構成され、前記コンピュータ装置(20)がさらに、ユーザに前記プロフィルの実行を開始させるための手段を備える、システム。
【請求項11】
請求項9または10に記載のシステムであって、前記加熱手段(14、156)及び冷却手段(34、40)の、前記ユーザが定めた設定点の関数としての前記制御が、前記プロフィルを1回のプロフィルの実行として実行させることから構成され、前記コンピュータ装置(20)がさらに、複数のプロフィルを任意の順序でリンクして、実行されるべき前記プロフィルの順序を定めるプロトコルを形成するための手段を備え、前記実行されるべきプロフィルの順序の開始が、前記プロトコルを1回のプロトコルの実行として実行させることから構成される、システム。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれか1項に記載のシステムであって、前記加熱手段(14、156)及び冷却手段(34、40)の、前記ユーザが定めた設定点の関数としての前記制御が、前記プロフィルを1回のプロフィルの実行として実行させることから構成され、前記コンピュータ装置(20)がさらに、単一のプロトコルにおいて単一のプロフィルを複数回リンクするための手段を備える、システム。
【請求項13】
請求項9〜12のいずれか1項に記載のシステムであって、前記加熱手段(14、156)及び冷却手段(34、40)の、前記ユーザが定めた設定点の関数としての前記制御が、前記プロフィルを1回のプロフィルの実行として実行させることから構成され、前記コンピュータ装置(20)がさらに、複数のプロトコルを記憶するための手段を備える、システム。
【請求項14】
請求項9〜13のいずれか1項に記載のシステムであって、前記加熱手段(14、156)及び冷却手段(34、40)の、前記ユーザが定めた設定点の関数としての前記制御が、前記プロフィルを1回のプロフィルの実行として実行させることから構成され、前記コンピュータ装置(20)がさらに、任意の前記プロフィルを前記複数のプロトコルに含めるための手段を備える、システム。
【請求項15】
請求項9〜14のいずれか1項に記載のシステムであって、前記加熱手段(14、156)及び冷却手段(34、40)の、前記ユーザが定めた設定点の関数としての前記制御が、前記プロフィルを1回のプロフィルの実行として実行させることから構成され、前記入力デバイスがさらに、前記プロフィルの各々についてユーザが定めたサイクル数を受けとるための手段を備え、前記サイクル数は、前記プロフィルが開始されたときに、前記プロフィルが実行される回数から構成される、システム。
【請求項16】
請求項9〜15のいずれか1項に記載のシステムであって、前記加熱手段(14、156)及び冷却手段(34、40)の、前記ユーザが定めた設定点の関数としての前記制御が、前記プロフィルを1回のプロフィルの実行として実行させることから構成され、前記システムはさらに、前記サイクル数において、任意もしくは全ての設定点の前記保持時間をサイクルからサイクルへと自動的に増加および/または減少させるための手段を備える、システム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムであって、任意もしくは全ての設定点の前記保持時間をサイクルからサイクルへと自動的に増加させるための前記手段の始動が、前記入力デバイスを介したユーザレベルのオプションとして選択可能である、システム。
【請求項18】
請求項17に記載のシステムであって、任意もしくは全ての設定点の前記保持時間のサイクルからサイクルへの前記自動的な増加が、前記入力デバイスを介した第1および/または第2のユーザが定めた値の入力によるものであり、そして、前記自動的な増加は、幾何学的または線形的に、前記第1および/または第2のユーザが定めた値に基づき得る、システム。
【請求項19】
請求項9〜18のいずれか1項に記載のシステムであって、前記加熱手段(14、156)及び冷却手段(34、40)の、前記ユーザが定めた設定点の関数としての前記制御が、前記プロフィルを1回のプロフィルの実行として実行させることから構成され、前記システムはさらに、前記サイクル数において、任意もしくは全ての設定点の、前記設定点の温度をサイクルからサイクルへと自動的に増加および/または減少させるための手段を備える、システム。
【請求項20】
請求項19に記載のシステムであって、任意もしくは全ての設定点の、前記設定点の温度をサイクルからサイクルへと自動的に増加および/または減少させるための前記手段の始動が、前記入力デバイスを介したユーザレベルのオプションとして選択可能である、システム。
【請求項21】
請求項20に記載のシステムであって、任意もしくは全ての設定点の、前記設定点の温度のサイクルからサイクルへの前記自動的な増加および/または減少が、前記入力デバイスを介した第3および/または第4のユーザが定めた値の入力によるものであり、そして、前記自動的な増加および/または減少は、幾何学的または線形的に、前記第3および/または第4のユーザが定めた値に基づき得る、システム。
【請求項22】
請求項9〜21のいずれか1項に記載のシステムであって、前記加熱手段(14、156)及び冷却手段(34、40)の、前記ユーザが定めた設定点の関数としての前記制御が、前記プロフィルを1回のプロフィルの実行として実行させることから構成され、前記システムはさらに、ユーザが定めた期間にわたって実行を自動的に停止させるための、プログラムされたポーズオプションの手段を備える、システム。
【請求項23】
請求項22に記載のシステムであって、前記ポーズオプションの手段が、任意もしくは全ての設定点が完了した後、任意もしくは全てのサイクルの間、そして、プロトコルにおける任意もしくは全てのプロフィルが実行された後に、前記実行を停止させるための手段を含む、システム。
【請求項24】
請求項1〜23のいずれか1項に記載のシステムであって、前記システムの熱的時間定数が、3.5秒と12.5秒との間にある、システム。
【請求項25】
既知量の液体試料混合物を収容した少なくとも1つの試料管(10)内におけるポリメラーゼ連鎖反応の、コンピュータ装置(20)、前記少なくとも1つの試料管(10)用の少なくとも1つのウェルを備えた試料ブロック(12)、前記試料ブロック(12)へ熱的に連結されるブロック温度センサ(21)、及び前記試料ブロックの温度を変化させるために前記コンピュータ装置(20)によって制御される加熱手段(14、156)及び冷却手段(34、40)、を備えたコンピュータ制御式熱循環装置による自動遂行を、コンピュータ制御するための方法であって、
前記コンピュータ装置(20)による、以下のステップ:
a)所定の時刻における前記ブロックの温度を読むステップ、
b)前記試料ブロック(12)の温度の関数として前記液体試料混合物の温度を経時的に決定するステップであって、前記決定するステップは、以下:
現在の時間nにおける現在の試料間隔において試料の温度を、以下の数式:
sampsampn−1+(sampn−1)*interval/τ
に従って決定するステップ
を含み、前記数式において、sampは、時間nにおける試料の温度であり、sampn−1は、時間n−1において発生した直前の試料間隔における試料の温度であり、は、時間nにおけるブロックの温度であり、intervalは、試料間隔間の秒数であり、そして、τは、システムの熱的時間定数である、ステップ
を含む、方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法であって、さらに、前記加熱手段(14、156)及び冷却手段(34、40)を、前記試料の温度の関数として制御するステップを含み、前記加熱手段及び前記冷却手段を制御するステップが、以下のステップ:
(i)電力損失を考慮せずに、現在の時間nにおける現在の試料間隔において、前記ブロックに供給される合計の電力を表す理論的な第2の電力を決定するステップ、
(ii)前記理論的な第2の電力を、前記試料ブロックの加熱ゾーンの各々に供給される理論的な電力に分割するステップ、
(iii)前記現在の試料間隔における前記領域による電力損失を決定するステップ、および
(iv)前記現在の試料間隔における前記ゾーンの各々について、実際の第3の電力を決定して、前記ゾーンの各々による電力損失を明らかにするステップ
を含み、そして、必要に応じて、前記熱循環装置がさらに、前記試料ブロック(12)に絶えず加えられるバイアス冷却を備え、前記コンピュータ制御式の冷却手段が、前記試料ブロック(12)に冷却流体を選択的に運ぶための選択的に作動可能なランプ冷却手段を備え、そして、前記選択的に作動可能なランプ冷却手段を制御するステップが、以下のステップ:
(v)前記試料の温度の傾斜方向が下向きであることを決定するステップ、
(vi)前記冷却流体の温度を決定するステップ、
(vii)電力損失を考慮することなく、前記現在の試料間隔において前記ブロックに供給される合計の冷却電力を、前記試料の温度の関数として決定するステップ、
(viii)前記合計の冷却電力から、前記少なくとも1つのマニホールドおよび周囲への電力損失を減じることによって、中間の冷却電力を決定するステップ、
(x)前記現在の試料間隔における、前記ブロックの温度と前記冷却流体の温度との間の差の関数として、冷却ブレークポイントを決定するステップ、および
(xi)前記中間の冷却電力と前記冷却ブレークポイントとの差の関数として、前記ランプ冷却手段を選択的に作動させるステップ、
を含む、方法。
【請求項27】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を実施するための方法であって、
1つ以上の試料ウェルを備える試料ブロック、前記1つ以上の試料ウェル内に配置される1つ以上の有蓋反応管、および前記1つ以上の反応管の蓋に接触させるための加熱された定盤を備える熱循環装置を提供するステップであって、前記管の各々が、PCR反応混合物を収容する、ステップと、
前記試料ブロックの温度を循環させることによる複数の繰り返しのサイクルを含むPCRプロトコルに、前記反応混合物を供するステップであって、各サイクルが、少なくともプライマー伸長温度と変性温度とを含み、前記加熱された定盤が94℃〜110℃の温度で維持され、そして、前記PCRプロトコルの間に前記1つ以上の管の蓋と接触したままであることによって、前記蓋の内壁での水の凝縮が回避される、ステップと
を含む、方法。
【請求項28】
前記定盤が100℃〜110℃の温度で維持されている、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記PCRプロトコルが25〜30の繰り返しサイクルを含む、請求項27〜28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記管がそれらのそれぞれの試料ウェルに密に押し込まれるように、前記定盤が前記蓋に下向きの力を加える、請求項27〜29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記下向きの力が、少なくとも30グラムである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記下向きの力が、少なくとも50グラムである、請求項30〜31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記下向きの力が、50グラムと100グラムとの間である、請求項30〜32のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【公開番号】特開2011−19537(P2011−19537A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249217(P2010−249217)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【分割の表示】特願2009−151664(P2009−151664)の分割
【原出願日】平成3年11月29日(1991.11.29)
【出願人】(509130413)アプライド バイオシステムズ, エルエルシー (48)
【Fターム(参考)】