説明

温度変化に迅速に応答する低質量試料ブロック

本発明は、試料ブロックに関する。本発明の試料ブロック(11)は、PCR、DNAシーケンス、及び、試料ブロック(11)の底面に接触する部材を加熱したり冷却したりすることによる温度制御を用いて、多数試料の同時反応を行う処置に使用される。試料ブロック(11)は、試料ウエル(16)を有し、試料ウエル(16)は、平面アレイをなして配列され、試料ブロック(11)の一番上の面(15)のところで開口する。試料ブロック(11)は、その中に中空部(17, 18)を含む。この中空部(17, 18)は、試料ブロックの質量を削減するように、試料ウエル(16)に近接して配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幾何学的アレイをなして配列された多数の小さい試料に同時温度制御を必要とする処置を実施する実験室装置の分野に関する。本発明の特定の興味の対象となるのは、「試料ブロック」として普通に知られている単一輪郭の多数試料支持体を、試料ブロックの全体又はその部分の温度の調節及び制御のための熱電モジュールと結合させて利用するシステムである。
【0002】
本願は、2006年6月29日に出願し且つ係属している米国特許出願第11/479,426号の一部継続出願であり、上記米国特許出願の内容全体を本明細書に援用する。
【背景技術】
【0003】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、処置の異なる工程間で迅速な温度変化を伴う正確な温度制御を必要とする化学プロセスの多数の例のうちの1つである。PCRは、DNAを増幅し、即ち、PCRは、DNA配列の単一の複製から多数の複製を生成する。PCRは、典型的には、器具を用いて、多数の試料について同時に並行して行われ、上記器具は、試薬を転写し、温度制御を行い、ウエル、管、毛細管等の多数の反応容器の光学検査を行う。プロセス中の各試料に、温度に敏感なプロセス工程のシーケンスが行われ、異なる工程は、異なる温度で行われ且つ指定時間だけ維持され、上記シーケンスは、サイクル式に繰り返される。典型的には、最初、2本鎖を「溶融させる」(melt:分離する:separate)ために、試料を約95℃に加熱し、次いで、分離した鎖にプライマーをアニーリング(aneal:雑種形成:hybridize)するために、約55℃に冷却し、次いで、更に、プライマーの延長(extension)を達成するために、ヌクレオチド塩基及びDNAポリメラーゼを含有する反応混合物中において約72℃に再加熱する。上記シーケンスを繰り返すことによって、多数のDNA生成物を得るが、各サイクルが消費する時間は、設備、反応のスケール(scale)及び自動化の程度に応じて、1分の何分の1か〜2分まで変動することがある。
【0004】
核酸シーケンス法は、温度変化と高度の制御を使用する化学プロセスの他の実施例であり、異なる温度が、核酸を変性したり復元したりする等の工程及び酵素塩基の反応に必要とされる。
【0005】
異なる温度の工程が連続するPCR、核酸シーケンス法、及びその他任意のプロセスの成功は、正確な温度制御と迅速な温度変化を必要とする。先に注目したように、これらのプロセスの大半が、多数の試料の同時処理を含んでおり、各試料は、比較的小さい容量を有し、かかる容量は、しばしば、マイクロリットルの程度である。いくつかの場合、或る試料を1つの温度に維持しながら、他の試料を別の温度に維持する手順が必要であり、かくして、ブロックの異なる領域を異なる温度に維持することを必要とし、いくつかの場合、温度勾配を必要とする。PCRと核酸シーケンス法の両方において、温度を制御する自動化実験器具が、温度サイクラーとして知られており、先に注目したように、大半の自動化システムは、多数のウエルが幾何学的アレイに配列された試料ブロックを利用する。ウエルは、その中に試料を直接設置することによって試料の各々のための個別反応容器として使用されるか、試料ブロックのウエルと一致する形状を有するウエルのアレイを含む使い捨て可能なプラスチックプレートのための支持体として使用されるかのいずれかである。使い捨て可能なプレートを使用するとき、プレートは、プレートの輪郭と試料ブロックの輪郭が完全に接触するように、試料ブロック上に直接配置される。この場合、プレートのウエルは、反応容器として機能し、プレートの下に位置する試料ブロックは、密な表面接触により、プレートに対する剛性支持を行い、緊密な温度制御を行う。
【0006】
これらのシステムの大半における試料ブロックの温度、従って、個々の試料ブロックの温度は、普通、熱電モジュールを使用することによって変更されるけれども、電気加熱、空気冷却、液体冷却、冷蔵処理などが使用されてもよい。熱電モジュールは、ペルティエ効果を利用することによって小型熱ポンプとして機能する半導体ベースの電子構成要素であり、電流が構成要素の中を流れる方向によって決められる方向に熱を流す。熱電モジュールが特に有用なのは、局所温度制御を迅速な応答で行う性能、及び、高度の制御を行う電気駆動式である事実による。熱電モジュールは、典型的には、それらの熱移送面が試料ブロックの平坦な下面と完全に接触するように、縁から縁まで配列される。
【0007】
熱電モジュール、及び熱交換器として作用する任意の構成要素は、それらが試料ブロックにしっかりと押し付けられるときに、最も有効に機能する。最適な熱応答を得るために、試料ブロックは、こわさが大きくなければならず、高熱移送係数と低熱質量を有する材料で作られなければならない。こわさ(stiffness)また、ウエルを平面の整列に保つことによって、及び、試料ブロックに働く機械的圧力に応答して試料ブロックが曲がったりそれ以外に歪んだりすることを防止することによって、反応自体に利益を与える。ウエル内の試料を加熱したり冷却したりする速度は、試料ブロックの質量とともに変化する。試料ブロックの質量が低いほど、温度変化が試料に速く伝わる。従って、アルミニウム等の金属が必要なこわさ有していても、特に試料ブロックの底面付近において、金属の質量により、試料への熱移送を遅らせる。このことは、試料がブロックのウエルの中に存在していようと、ブロックと接触している使い捨て可能なプレートの中に存在していようと真実である。上述の関心事及びそれ以外の関心事が、本発明によって対処される。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、試料ブロックが熱移送構成要素によって加熱又は冷却される速度を最大にするために質量を削減させた試料ブロックに関する。本明細書及び特許請求の範囲において、試料ブロックは、「多数試料支持体」とも呼ばれ、この用語は、個々の試料のための反応容器として直接的に使用されるウエルを有する試料ブロック、及び、ウエルを有する使い捨て可能な反応プレートの支持ベースとして使用され且つ反応プレートのウエルが嵌るウエルを有する試料ブロックを含むことを意図している。後者の場合、上に位置する使い捨て可能なプレートのウエルは、反応容器として機能し、試料ブロックは、プレートに剛性及び温度制御を与える。
【0009】
試料ブロックの質量の削減を、ブロック内の一連の中空部によって達成し、一連の中空部は、試料ウエルの周りに且つ試料ウエルを無傷のままに保つ適所に配列されるが、試料ブロックの質量を削減するように試料ウエルに直ぐ近接して配置される。或る実施形態では、中空部は、試料ブロックの一番上の面及び底面に平行に延びる平行で交差しないチャネルを形成し、他の実施形態では、試料ブロック内により大きい開放容積を形成するために、交差する通路網を形成し、この通路の全てが、試料ブロックの一番上の面及び底面に平行である。更に別な実施形態では、中空部は、試料ウエルと試料ウエルの間に配置され且つ試料ブロックの底面に開口を有する反転したウエルであり、反転したウエルは、試料ブロックの一番上の面及び底面に対して垂直な、即ち、試料ウエルの中心線に対して平行な中心線を有する。これら実施形態の全て及び本発明全体として、上述した通路は、試料ウエルと交差しないように配列されることが好ましい。従って、試料ブロックは、使い捨て可能な試料プレートと最大の表面接触を行い、或いは、試料ブロック自体が試料を直接受入れる場合、一番上の面に開口する試料ブロックのウエルが試料を維持することができる。中空部が、試料ブロックの一番上の面及び底面に対して平行に延びる延長チャネルである好ましい実施形態では、試料ブロックは剛性であり、チャネルは、試料ブロックの中立面、即ち、曲げ応力が上方又は下方のいずれかから試料ブロックに付与されるときに圧縮力も引張り力も受けない面の上又はその近くに配置されることが好ましい。これにより、上述した実施形態において、かかる曲げ応力を受けるときに最大のこわさを有するブロックを構成する。この効果は、建築工学におけるI型鋼によって達成される効果と類似している。中空部が、試料ブロックの底面で開口する反転したウエルである実施形態において、かかる中空部が、一番上の面及び底面に対して平行に延びる通路に勝る利点は、より広範囲のブロック寸法に対するより大きい速度である。これらの実施形態は、例えば、384個(16×24)のウエルを有し且つウエルの中心間隔が4.5mmであるブロックに適していることが理想的である。
【0010】
混乱を最小にするために、本明細書において、用語「試料ウエル」を、試料ブロックの一番上の面で開口するウエルを意味するのに使用し、このウエルは、試料それ自体のための受容体として機能するか、又は、使い捨て可能な試料プレートを使用するときに、試料プレートのウエルの下部を受入れる凹部として機能するかの何れかを意図している。用語「試料ウエル」はまた、反転したウエルを含む実施形態の「反転ウエル」と区別するためにも使用され、試料ブロックの一番上の面に開口し且つ試料を維持したり使い捨て可能なプレートのウエルを受入れたりすること以外の目的で設けられたその他のウエルと区別するためにも使用される。試料ブロックの質量を削減する機能を有する反転ウエル及び任意その他のウエルを、「反転した質量削減用ウエル」とも称する。
【0011】
本発明の或る多数試料支持体(即ち、試料ブロック)の追加の且つ独立して新規な特徴は、表面接触を拡張し且つ温度応答を高めるために試料ブロックのウエルと相補的な形状を有するウエルを形成するように輪郭決めされた使い捨て可能な試料プレートと組合せて、多数試料支持体を使用するときに生じる。試料ブロックが、試料プレートのウエルを受入れるように設計されたウエルに加えて、質量削減の目的で凹部を試料ブロックの上面に有するとき、使用者が、試料プレートを試料ブロックに対して間違って整列させ、試料プレートのウエルを受入れるための試料ブロックのウエルではなく、試料プレートのウエルを、一番上の面で開口する質量削減用凹部に挿入するように、試料プレートを位置決めするおそれがある。本発明の或る側面では、この間違った整列のおそれを回避するのに、試料ブロックの質量削減用の凹部を、使い捨て可能な試料プレートの試料ウエルのアレイと完全には相補的でないアレイをなして配列する。従って、両方の組のウエルを、同じ中心間距離を有する矩形のアレイにしてもよいけれども、試料ブロックの一番上の面で開口する1つ又は2つ以上の質量削減用の凹部を省略して、その箇所に、プラットフォーム又は使い捨て可能なプレートのウエルを受入れない輪郭部のいずれかを残しておいてもよい。このように、使い捨て可能なプレートのウエルが、相補的なウエルではなく質量削減用の凹部の上方に位置するように、使い捨て可能なプレートの向きを決めると、使い捨て可能な試料プレートのウエルのうち少なくとも1つは、試料ブロックの一番上の面のプラットフォーム又は上記プレートのウエルを受入れない輪郭部に当接する。
【0012】
本発明はまた、PCRによって多数ウエル型試料プレートのウエル内のDNAの複数の試料を増幅するための方法に関し、この方法は、試料プレートのウエル内の試料に温度サイクルを付与することにより、DNAの2本鎖を分離して、1本鎖にし、オリゴヌクレオチドのプライマーを、1本鎖の標的シーケンスにアニーリングし、プライマーをDNAポリメラーゼの存在中に延長する。これら工程の全ては、従来のPCR条件下で実施されるが、試料ブロックは、上述した実施形態の1つの多数試料支持体によって支持される。
【0013】
本発明のこれらの及びその他の特徴、実施形態、目的、及び利点は、以下の説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による試料ブロックの上方からの斜視図である。
【図2】図1の試料ブロックを反転させた、図1の試料ブロックの斜視図である。
【図3】図1の試料ブロックの平面図である。
【図4】図1〜図3の試料ブロックの図3の線4−4における断面図である。
【図5】図1〜図3の試料ブロックの図3の線5−5における断面図である。
【図6】図3の断面の別の図である。
【図7】図4の断面の別の図である。
【図8】本発明による別の試料ブロックの平面図である。
【図9】図8の試料ブロックの底面図である。
【図10】図8及び図9の試料ブロックの図8及び図9の線10−10における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の試料ブロック、又は、多数試料支持体は、単体構造であるのが好ましく、その意味するところは、試料ブロックが、機械加工又は化学的手段によって個別に形成された部分を互いに接合することによって形成されるのではなく、機械加工又は成形等によって単一部品として形成されるのが好ましいということである。試料ブロックは剛性であり、大きいこわさと大きい熱伝導率を有する材料で作られることが好ましい。好適な金属の例は、アルミニウム、銅、鉄、マグネシウム、銀、及び、これらの合金を含む。酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、カーボン等の非金属材料、特に、これら材料の合成物が使用されてもよい。現在、アルミ金属が好ましい。従来技術の試料ブロックにおける試料ウエルは、矩形アレイ、例えば、規則的な間隔の行と列を有するアレイに配列されることが最も普通であり、本発明の好ましい試料ブロックも同様に、平面のアレイ、好ましくは矩形のアレイをなすウエルを有することが好ましい。試料ウエルの個数は、大きく変動してもよく、本発明に重要ではない。4個程度の試料ウエルしか有していない試料ブロックも、数千を数える試料ウエルを有する試料ブロックと同様、本発明の利益を受ける。試料ウエルの個数の好ましい範囲は、4個〜4000個であり、12個〜400個であるのがより好ましく、16個〜400個であるのが更により好ましく、最も普通の実施例では、12×8のアレイをなす96個の試料ウエルを有する試料ブロック、及び、6×8のアレイをなす48個の試料ウエルを有する試料ブロックであることが予想される。同様に、試料ウエルと試料ウエルの間隔も変化してもよく、多くの場合、中心から中心までの間隔は、4mm(0.15インチ)〜12mm(0.45インチ)の範囲内にある。
【0016】
中空部が細長く、且つ、試料ブロックの一番上の面及び底面と平行に延びている実施形態では、中空部は、閉鎖した空洞であってもよいし、開口した通路であってもよい。開口した通路が好ましい理由として、製造が容易であることと、これら通路によってより多くの質量削減が行えることが挙げられる。通路は、試料ブロックの縁部のところで開口し、試料ブロックの全長又は全幅にわたって延びることが好ましい。通路は、試料ウエルの隣接した1対の列の各々の間を試料ブロックに沿ってその長さ方向に延びる真直ぐな通路であってもよいし、1対の行の各々の間をその幅方向に延びる真直ぐな通路であってもよい。より大きく質量を削減するために、両方向に延びる通路が設けられ、各接続部のところで交差し、試料ブロックの内部に開口容積網を形成するのがよい。更に大きく質量を削減するために、通路、即ち、開口容積網に通じる開口が、試料ブロックの一番上の面に設けるのがよい。
【0017】
現在考えられている一実施形態おいて、試料ブロックの全体としての厚さは、約9.5mm(0.375インチ)であり、中空部は、一番上の面及び底面に平行である細長い通路であり、通路の断面は、直径4.5mm(0.18インチ)の円形であり、通路の中心は、試料ブロックの底面から6mm(0.24インチ)の位置にある。
【0018】
中空部が、反転した質量削減用ウエルとして形成され、質量削減用ウエルが、試料ブロックの底面側に開口し、試料ウエルの中心線と平行である中心線を有する実施形態において、特に中空部が試料ウエルの中心と中心を結ぶ対角線の交点に位置している場合、試料ウエルと中空部の両方が、試料ブロックの中間平面を横切る。この実施形態においても、試料ウエルと反転した質量削減用ウエルの両方の断面が円形であり、試料ウエルが、その底側よりも開口側が幅広になるようにテーパすることが好ましい。反転した質量削減用ウエルは、反転した底側よりも開口側が幅広になるように反対方向にテーパし、試料ウエルの開口は、試料ブロックの一番上の面に位置し、質量削減用ウエルの開口は、底面に位置する。両方の組のウエルのテーパは、滑らかなテーパであってもよいし、段階的なテーパであってもよい。段階的なテーパは、連続的に直径が小さくなる2つ以上の一連の非テーパ部分から構成されていてもよいし、テーパ部分と非テーパ部分の組合せから構成されていてもよい。また、これらの実施形態において、試料ブロックの一番上の面に、他にウエル又は開口が存在していないことが好ましい。
【0019】
上述の可能性の範囲に鑑みて、本発明は、ウエルと中空部の形態及び配列に関する変更を行うことができる。例えば、中空部の断面形状は任意であり、形状の任意の組合せであってもよい。しかしながら、1つの特定の実施形態の詳細な検討により、本発明の実施形態の各々における本発明の機能及び動作を理解することができる。添付した図面は、2つの実施形態を示す。
【0020】
図1は、標準的な間隔の12×8のアレイ(行列)のウエルを有する試料ブロック11の斜視図である。試料ブロック11は、機械加工された金属の単体片であり、比較的厚いベース12を有し、このベース12は、フランジ13を形成するように、試料ブロック11の残部よりも僅かに長く且つ幅広である。Oリングを収容する溝14が、ベース12の縁を包囲している。フランジ13によって境界決めされている試料ブロック11の中心部分は、試料ブロック11の一番上の面15まで隆起している。一番上の面15は、平面であり、試料ウエル16の開口によって途切れている。中空部(より明瞭に図3〜図7に示す)は、一番上の面15よりも下に位置する複数通路のネットワークである。通路の中心線、即ち、その長手方向軸線(図示せず)は、一番上の面15に対して平行であり、複数通路の開放端17、18は、隆起した中心部分の縁部(図1では、2つの縁部を見ることができる)に沿って見ることができる。更に、開口19が、試料ウエル16と試料ウエル16の間に設けられており、中空部を試料ブロック11の一番上の面15まで通じさせている。中央のプラットフォーム20が占有している空間は、このプラットフォーム20が無ければ、開口19に類似し且つ質量を削減するための孔が占めることになる空間である。試料ブロック11が、使い捨て可能なプラスチック製ウエルプレート(図示せず)の支持ブロックとして使用され、使い捨て可能なプラスチック製ウエルプレートのウエルが試料ブロック11の個々の試料ウエル16に対応しているとき、プラットフォーム20により、使い捨て可能なプラスチック製ウエルプレートのウエルが、試料ウエル16の中ではなく、質量削減用の孔19の中に間違って配置されることを防止する。この特徴を、図6及び図7を参照して、後でより明瞭に説明する。
【0021】
一連の非連結平行中空部、及び、試料ブロック11の一番上の面15に達する開口19がない中空部は、図1に示す中空部の変形例の範囲内にある。交差する中空部、及び、一番上の面15に達する開口19が存在するか存在しないかは、こわさと削減質量との間の所望のバランスに依り、かかるバランスは、構造体の材料、試料ブロックの寸法、及び、試料ブロックの使用方法で変化する。
【0022】
図2は、図1の試料ブロック11の下側を示す。試料ブロック11の底面21は、図1の一番上の面15と平行な平面であり、図示していないけれども、熱電モジュール、又は、それ以外の加熱部材又は冷却部材が、この底面21に押圧される。底面21は、温度センサー及びそれへの電気接続部を収容する一連の凹部22を有している。この構成の試料ブロック11において効果的に機能するサーミスター又はそれ以外のセンサーが、一般に、温度測定又は実験器具の当業者にとって直ちに明らかである。各凹部22は、センサー自体のために底面21の中心寄りに位置決めされた内側ウエル23と、センサーへの電線を収容するスロット24と、外部回路への電気接続のために試料ブロック11の周囲寄りに位置する外側ウエル25とを含んでいる。
【0023】
図3に、上から見た試料ブロック11の平面図を示す。フランジ13、試料ウエル16及び、中空部の上側開口19を、この平面図で見ることができる。中空部に通じている開口19の直径が、質量の最大の削減のために試料ウエル16の口よりも大きいにも関わらず、試料ウエル16の一体性と剛性を維持するのに十分な連結壁を試料ウエル16と試料ウエル16との間に構成する。各試料ウエル16は、床31に向かってテーパし、即ち、先細りになり、床31の直径は、試料ウエル16の開口の直径よりも小さく、床31は、テーパしていてもよい。中空部に通じている開口19は、テーパしておらず、各開口19の下に位置する床は、平坦であるかテーパしているかのいずれかであり、このことは、開口19をどのように形成するかに依る。
【0024】
図4は、図1〜図3の試料ブロック11の、図3の線4−4における断面図である。この断面は、試料ウエル16の中心を通っており、試料ウエル16の床31自体がテーパしていることを示している。試料ウエル16のテーパ形状、とりわけ、試料ウエル16の床31のテーパ形状により、流体を試料ウエルから除去することを必要とする反応プロセス工程において、流体の除去を容易にする。また、断面は、試料ブロック11の質量を削減する中空部の一部を形成する第1組の通路41を示している。第1組の通路41は、試料ブロック11の上面15及び下面21と平行であり、試料ブロック11の全長にわたって延び、試料ウエル16の列と列の間を通っている。第1組の通路41の中心は、試料ブロック11の中立面42に可能な限り近い。本明細書において、用語「中立面」を、上又は下からの曲げ力が作用するように試料ブロック11を配置したときに最も小さい応力が作用する試料ブロック11の平面を意味するために使用する。より詳細には、力が上から矢印43の方向に試料ブロック11の中心に作用し、且つ、試料ブロック11の縁部が上記力に抗するように静止状態に維持されるとき、中立面42よりも上の試料ブロック11の部分は、水平方向内向きに圧縮され、中立面よりも下の試料ブロック11の部分は、水平方向外向きの応力が作用する。同様に、力が下から矢印44の方向に試料ブロック11に作用し、且つ、試料ブロック11の縁部が上記力に抗するように静止状態に維持されるとき、中立面42よりも下の試料ブロック11の部分は水平方向内向きに圧縮され、中立面よりも上の試料ブロック11の部分は、水平方向外向きの応力が作用する。両方の場合において、中立面42自体は、内向き(圧縮)と外向き(拡張)のいずれかの水平方向応力を少し受けるか、又は、全く受けない。中立面は、一般的には、試料ブロック11の厚さの中間点又はその近くに位置するが、その位置は、試料ブロック11全体にわたる質量分布に応じて変化する。中立面の位置は、標準的な応力解析によって、容易に決定される。
【0025】
図5は、図3の線5−5における断面図である。この断面図において、試料ウエル16は見えない。この断面図は、図4に示した第1組の通路41を示すと共に、第1組の通路41に直交して延びる第2組の通路51を示し、第2組の通路51は、試料ブロック11の質量を削減する中空部の一部を形成している。第2組の通路51は、列ではなく隣接した行(縦列)と行の間を通り、試料ブロックの長さ方向ではなくその幅方向に延び、第1組の通路41と交差している。一番上の面15に達する開口19及び開口19と反対側の凹部52は、通路の各交差部に位置している。第1組の通路41と同様、第2組の通路51は、試料ブロック11の一番上の面15と底面21の両方に対して平行であり、試料ウエル16と試料ウエル16の間を通り、試料ブロック11内において、一番上の面15及び底面21に対して第1組の通路41と同じレベルに位置している。かくして、両方の組の通路の中心は、中立面42内に又はその近くに位置している。また、この図において、温度センサーのための複数の凹部を底面21内に見ることができ、各凹部は、センサーウエル23と、外部回路への電気接続部のための周囲ウエル25と、センサーウエル23と周囲ウエル25を連結するスロット24とを含んでいる。
【0026】
図4及び図5の第1組の通路41、及び、それと同様の図5の第2組の通路51の断面は円形であるけれども、非円形断面の通路を同じように使用してもよいし、いくつかの場合には、試料ウエル16と試料ウエル16の間のより良い配置による利益を提供しても良い。従って、台形、三角形、正方形、又は、矩形の断面を用いてもよい。また、各組の通路41、51は単一層で構成されているけれども、多層の水平方向通路を使用してもよい。非円形断面の通路の場合と同様、層にされた又は積重ねられた通路は、試料ブロック11及びその試料ウエル16の幾何学的形状に応じて、試料ウエル16特にテーパした試料ウエル16の列と列の間又は行と行の間のより良い配置による利益を提供する。
【0027】
図6及び図7はそれぞれ、使い捨て可能な試料プレート61を一緒に示した、図4及び図5に示した断面と同じ断面の別な図である。試料プレート61は、プラスチック又はそれ以外の使い捨て可能な材料の薄いシートで形成され、試料ウエル62を形成するように輪郭決めされている。試料ウエル62は、底面63を有し(図7で最も明瞭に見ることができる)、この底面63に対して、試料ブロック11の試料ウエル16の輪郭は相補的である。従って、試料ブロック11に設けられた試料ウエル16は、試料プレート61の試料ウエル62と密に表面接触し、試料プレート61内の反応混合物への迅速な熱移送を可能にする。図6は、試料プレート61の試料ウエル62と試料ブロック11の試料ウエル16の適切な整列を示している。試料ブロック11の質量削減用の開口19が試料プレート61のウエル62を受入れるのに十分に大きいので、使用者は、適切な試料ウエル16の中ではなく質量削減用の開口19の中に試料プレート61の試料ウエル62を配置することを試みることによって、試料プレート61と試料ブロック11とを予期せずに間違った整列にしてしまうかもしれない。間違った整列により、試料ブロック11の熱移送機能を損なうであろう。プラットフォーム20は、そこに中央の試料ウエル62の底面を当接させることによって、上述した間違った整列を防止する。一般的には、この防止策は、試料プレート61の試料ウエル62の個数よりも少ない数の質量削減用の開口19、同様に、試料ブロック11の温度制御用ウエル16の個数よりも少ない質量削減用の開口19を使用することによって行われる。従って、少なくとも1個のプラットフォーム20が、それがなければ凹部が存在することになる試料ブロック表面に存在し、このプラットフォーム20により、連続する凹部パターンを途切れさせる。プラットフォーム20は、凹部アレイの中心に位置することが好ましい。
【0028】
図8、図9、及び図10は本発明による別の試料ブロック101を示す図である。図8は、試料ブロック101の一番上の面102を示し、図9は、底面103を示し、図10は、対角断面を示している。試料ウエル104が一番上の面102に開口しているので、試料ウエル104を図8で見ることができる。試料ウエル104は、15×23の矩形アレイ(行列)を形成し、中心から中心までの間隔は、4.5mm(0.18インチ)である。質量削減用ウエル105が底面103に開口しているので、質量削減用ウエル105を図9で見ることができる。質量削減ウエル105は、試料ウエル104の中心を結ぶ対角線106、107(図8に示す)の交点のところで、試料ウエル104と試料ウエル104の間に設置されている。これにより、試料ウエル104と質量削減用ウエル105の両方の最大密度を達成する。
【0029】
図10の断面図は、図8及び図9の線10−10における断面図であり、試料ウエル104と質量削減用ウエル105の相対位置とそれらの輪郭を示している。両方の組のウエルの各々は、中心軸線111、112を中心とする回転体キャビティ(空洞)である。各試料ウエル104は、テーパし、試料ブロック101の一番上の面102の試料ウエル104の開口に隣接した円錐台形部分113と、試料ウエル104のベースのところの円錐形部分114とを有している。各質量削減用ウエル105もテーパしているが、質量削減用ウエル105が反転しているので、反対向きになっている。質量削減用ウエル105のテーパは、試料ブロック101の底面103の各質量削減用ウエル105の開口のところに位置し且つ円錐台形部分116に連続するように接合された真直ぐな円筒形部分115と、第1の真直ぐな円筒形部分よりも直径が小さい第2の真直ぐな円筒形部分117と、反転した質量削減用ウエル105の天井のところに位置する短い円錐形部分118とによって形成されている。試料ウエル104と質量削減用ウエル105の互いに対向するテーパにより、試料ブロック101の容積の最大利用を可能にする。
【0030】
特許請求の範囲において、原文の“a”及び“an”は「1つ又はそれ以上」を意味することを意図している。原文の“comprise”及びその変化形“comprises”及び“comprising,”等は、工程又は要素の記載の前に使用されるとき、更なる工程又は要素が選択的であり且つ排他的ではないことを意味することを意図している。本明細書で引用するすべての特許、特許出願、及び刊行された参照材料を、本明細書に援用する。本明細書で引用する任意の参照材料と本明細書の明示的な教示との間の任意の不一致は、本明細書の教示に賛成して解決すべきである。このことは、用語又は語句の当該技術で理解されている定義と、同じ用語又は語句の本明細書において明示された定義との間の任意の不一致も含む。
【0031】
図面に示し且つ先に詳細に説明した構造が本発明の単なる例であり、本発明の範囲が特許請求の範囲によって定められることを強調しておく。特許請求の範囲に記載したような本発明の基本要素を組入れた本発明の実施例に使用される形状、構成、寸法、及び材料の更なる変更は、実験設備の設計、構造、及び使用の当業者に容易に明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の化学反応を同時に制御温度で行うのに使用される多数試料支持体であって、
一番上の面及び底面として定められる2つの平行な平面によって境界決めされる単体構造のブロックと、
平面アレイをなして配列され、前記一番上の面のところで開口する、前記ブロック内の一連の試料ウエルと、
前記試料ウエルの間に存在し、前記試料ウエルと交差しないように前記ブロック内で周期的な間隔で配列される、前記ブロック内の一連の中空部と、を有する多数試料支持体。
【請求項2】
前記中空部は、前記一番上の面及び前記底面に対して平行に延びる細長い中空部である、請求項1に記載の多数試料支持体。
【請求項3】
前記ブロックは、剛性であり、中立面を有し、
前記中空部は、前記中立面に対して平行であり、前記中立面と交差する、請求項2に記載の多数試料支持体。
【請求項4】
前記ブロックは、剛性であり、長さ及び幅を有し、
前記中空部は、前記ブロックを貫いて長さ方向に延びる第1組の真直ぐな通路と、前記第1組の通路を横切り且つ交差して延びる第2組の真直ぐな通路とを有し、それにより、交差する通路網を形成する、請求項2に記載の多数試料支持体。
【請求項5】
更に、前記一番上の面に設けられた開口を有し、前記開口は、前記交差する通路網と連通する、請求項4に記載の多数試料支持体。
【請求項6】
前記交差する通路は、ノードのところで交差し、前記開口の各々は、前記ノードと整列し、前記ブロックは、更に、前記ノードの少なくとも1つの上方のところに且つ前記一番上の面にプラットフォームを有する、請求項4に記載の多数試料支持体。
【請求項7】
前記一連の試料ウエルは、4〜4000個のウエルで構成される、請求項2〜5のいずれか1項に記載の多数試料支持体。
【請求項8】
前記一連の試料ウエルは、12〜400個のウエルで構成される、請求項2〜5のいずれか1項に記載の多数試料支持体。
【請求項9】
前記試料ウエルの中心から中心までの間隔は、約4〜約12mmの範囲内にある、請求項2〜5のいずれか1項に記載の多数試料支持体。
【請求項10】
前記ブロックは、アルミニウム、銅、鉄、マグネシウム、銀、アルミニウム合金、銅合金、鉄合金、マグネシウム合金、銀合金、ならびに、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、及び、カーボンの合成物からなるグループから選択された材料で形成される、請求項2〜5のいずれか1項に記載の多数試料支持体。
【請求項11】
前記中空部は、前記底面で開口し且つ前記一番上の面で孔あけされていない反転したウエルであり、前記反転したウエルの各々は、前記一番上の面及び前記底面に対して垂直な中心線を有する、請求項1に記載の多数試料支持体。
【請求項12】
前記試料ウエル及び前記反転したウエルは、円形断面を有し、前記試料ウエルの平面アレイは、矩形アレイであり、前記矩形アレイにおいて、前記試料ウエルは、真直ぐな列と真直ぐな行をなして配列され、前記反転したウエルは、前記試料ウエルの中心を結ぶ対角線に沿って配列される、請求項11に記載の多数試料支持体。
【請求項13】
前記試料ウエル及び前記反転したウエルは両方ともテーパしているが、反対向きである、請求項12に記載の多数試料支持体。
【請求項14】
複数の化学反応を同時に制御温度で行うのに使用される、試料プレートと支持ブロックの組立体であって、
試料プレートと、単体構造体の支持ブロックとを有し、
前記試料プレートは、試料ウエルのアレイを形成するように形状決めされ、前記試料ウエルは、選択された輪郭を有する下部を有し、
支持ブロックは、面と、前記面に開口する支持ウエルのアレイとを有し、前記支持ウエルの個数は、前記試料ウエルの個数と等しく、前記支持ウエルの輪郭は、前記試料ウエルの下部の輪郭と相補的であり、
前記面は、更に、前記支持ウエルの間に配置された凹部のアレイを有し、前記凹部のアレイは、前記凹部の1つ、又は全部ではないが2つ以上が欠如すること以外、前記試料ウエルのアレイと相補的であり、それにより、前記試料ウエルを前記支持ウエルの中に配置することを許しながら、前記試料ウエルを前記凹部の中に配置することを防止する、組立体。
【請求項15】
前記試料ブロックのアレイ及び前記試料ウエルのアレイは、矩形アレイである、請求項14に記載の組立体。
【請求項16】
1つ又は2つ以上の前記凹部の欠如は、前記凹部のアレイの中心に配置された単一のプラットフォームによって達成される、請求項15に記載の組立体。
【請求項17】
DNAの複数の試料を多数ウエル試料プレートのアレイをなす試料ウエル内で増幅させる方法であって、
(a)DNAの2本鎖を1本鎖に分離する工程と、
(b)オリゴヌクレオチドのプライマーを前記1本鎖のターゲット配列にアニーリングする工程と、
(c)DNAポリメラーゼが存在する状態で、前記プライマーをヌクレオチド塩基で延長する工程と、を有し、
前記工程(a)、(b)及び(c)は、温度サイクルを用いて、前記試料ウエル内で行われ、
前期多数ウエル試料プレートは、多数試料支持体によって支持され、前記多数試料支持体は、
一番上の面及び底面として定められる2つの平行な平面によって境界決めされる単体構造の剛性ブロックと、
平面アレイをなして配列され、前記一番上の面のところで開口する、前記ブロック内の一連の試料ウエルと、
前記試料ウエルの間に存在し、前記試料ウエルと交差しないように前記ブロック内で周期的な間隔で配列される、前記ブロック内の一連の中空部と、を有する方法。
【請求項18】
前記中空部は、前記一番上の面及び前記底面に対して平行に延びる細長い中空部である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記剛性ブロックは、中立面を有し、
前記中空部は、前記中立面に対して平行であり、前記中立面と交差する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記剛性ブロックは、長さ及び幅を有し、
前記中空部は、前記剛性ブロックを貫いて長さ方向に延びる第1組の真直ぐな通路と、前記第1組の通路を横切り且つ交差して延びる第2組の真直ぐな通路とを有し、それにより、交差する通路網を形成する、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
更に、前記一番上の面に設けられた開口を有し、前記開口は、前記交差する通路網と連通する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記交差する通路は、ノードのところで交差し、前記開口の各々は、前記ノードと整列し、前記ブロックは、更に、前記ノードの少なくとも1つの上方のところに且つ前記一番上の面にプラットフォームを有する、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記中空部は、前記底面で開口し且つ前記一番上の面で孔あけされていない反転したウエルであり、前記反転したウエルの各々は、前記一番上の面及び前記底面に対して垂直な中心線を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記試料ウエル及び前記反転したウエルは、円形断面を有し、前記試料ウエルの平面アレイは、矩形アレイであり、前記矩形アレイにおいて、前記試料ウエルは、真直ぐな列と真直ぐな行をなして配列され、前記反転したウエルは、前記試料ウエルの中心を結ぶ対角線に沿って配列される、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記試料ウエル及び前記反転したウエルは両方ともテーパしているが、反対向きである、請求項24に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−543064(P2009−543064A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518541(P2009−518541)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【国際出願番号】PCT/US2007/072261
【国際公開番号】WO2008/002991
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(591131844)バイオ−ラッド ラボラトリーズ インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】