温水循環式浴槽装置に使用される濾過粒の袋詰め方法
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、温水循環式浴槽装置に使用される濾過粒を、輸送のために袋詰めする方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】浴槽の温水を清澄に、また、一定の温度に保持する温水循環式浴槽装置は開発されている。この温水循環式浴槽装置は、温水の温度を一定に保持する加熱手段と、温水を清澄にする微生物濾過器とを備えている。加熱手段は、温水温度を一定の温度に保持する。微生物濾過器は、温水を連続的に濾過して、垢等の異物を除去して清澄に保持する。微生物濾過器は、微生物の作用で温水を清澄に保持する。ここに生息する微生物は、温水に含まれる汗や垢等の成分を分解して綺麗にするので、長期間にわたって温水を清澄に保持できる特長がある。従って、この構造の温水循環式浴槽装置は、浴槽内の温水を毎日交換することなく、２４時間いつでも好きなときに入浴でき、極めて便利に使用できると共に、節水効果も高い。
【０００３】微生物濾過器は、微生物を生息させるために、濾過タンクの内部に濾過粒を充填している。濾過粒に生息する微生物は、温水を清澄に保持する。濾過粒には、多孔質の天然石を所定の粒状に破砕したもの、あるいは、多孔質または多孔質でない天然石等の無機質材を、そのままの状態で使用せずにこれを粉砕して多孔質状態に焼結したもの等が使用されている。とくに、無機質材を多孔質に焼結した濾過粒は、天然石を所定の粒状に破砕したものに比較して、微生物に快適な生息環境を実現できる特長がある。それは、多孔質に焼結した濾過粒が、豊富な原料を使用して、天然石よりも多くの微細な空隙を設けることができるからである。濾過粒は、表面に無数の微細な空隙を設けることが大切である。ここに微生物が好んで生息するからである。多孔質に焼結した濾過粒は、無数の隙間に微生物が生息しやすく、微生物のはたらきによって微生物濾過器に循環する温水を長期間にわたって清澄にできる。
【０００４】これらの濾過粒は、たとえば粒状に成形されて微生物濾過器の濾過タンクに充填される。濾過粒を充填している濾過タンクには、浴槽の温水が循環される。温水は、濾過粒の間を通過して、濾過粒の表面に生息する微生物に接触して清澄化される。温水に含まれる汗や垢等を、濾過粒の表面に生息する微生物が分解するからである。ところで、濾過粒は全体が多孔質になるように焼結して製造される。ただ、多孔質な濾過粒は、全体に均一に微生物が生息して、温水を清澄にするのではない。濾過粒の表面に生息する微生物が、内部に生息する微生物に比較して、効率よく温水を清澄にする。微生物が温水に効率よく接触するからである。さらに、濾過粒の表面には、好気性の微生物が生息する。２４時間連続して温水が循環されるので、温水に含まれる酸素が供給されるからである。濾過粒の表面に生息する好気性の微生物が、効率よく温水を清澄に保持する。このとは、たとえば、１日に一定時間温水の循環を停止すると、好気性の微生物の作用が著しく低下して、温水が白濁することから明白である。このため、濾過粒は、いかに好気性の微生物の生息環境を理想的な状態にできるかが極めて大切である。好気性の微生物は、濾過粒の表面に生息するので、濾過粒の表面状態を理想的な環境にすることが特に大切である。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】多孔質に焼結した濾過粒は、製造された状態では、表面に多数の微細な空隙がある。しかしながら、実際に使用される状態では、濾過粒の表面は必ずしも理想的な多孔質状態にできない。それは、濾過粒を製品として出荷するときに、ポリ袋等の袋に封入して搬出するからである。袋に封入されて搬出される濾過粒は、図１に示すように、袋１の内部で濾過粒２が動いてしまい、輸送中に袋１内の濾過粒２同士が擦れ合う欠点がある。互いに擦れ合う濾過粒２は、表面が損傷を受けて無数の微細な空隙の開口部が潰れてしまう。濾過粒２の表面の凸部が押し潰されて、空隙に押し込まれるからである。このため、微生物を生息させるために理想的な無数の空隙が減少してしまう。さらに、擦れ合う濾過粒２は、表面が破損して微粉３を発生し、あるいは、細かく割れることがある。これらの分離された微細な粒子が、空隙に詰まることも、空隙を少なくする原因となっている。とくに、無機質材を多孔質に焼結した濾過粒は、天然石に比べて、表面が損傷しやすく、しかも微粉が発生しやすい。それは、天然石が硬い材質であるのに対して、無機質材を多孔質に焼結した濾過粒は、材質が柔らかく、しかも、より微細な多孔質に成形されているため、表面がもろくなっているからである。
【０００６】濾過粒の微細な空隙が減少することは、温水循環式浴槽装置にとって、極めて大きな問題点となる。それは、このタイプの温水循環式浴槽装置が、濾過粒の表面に無数の微生物を生息させて、これらの微生物のはたらきによって温水を清澄にしているからである。濾過粒表面の微細な空隙が減少すると、ここに生息する好気性の微生物の固体数は極端に減少してしまい、微生物による微生物濾過器の浄化能力が著しく低下する。したがって、温水に含まれる、汗や垢等の成分を十分に除去できず、温水循環式浴槽装置を理想の状態で使用できなくなってしまう。つまり、濾過粒は、製造した状態で表面に無数の空隙があっても、袋詰めして輸送するときに、表面が損傷されると、微生物の作用で温水を清澄にする濾過粒にとって極めて大切な表面付近の微細な空隙が潰されてしまう。
【０００７】さらに、困ったことに、輸送中に袋内で擦れ合って、微粉を発生した濾過粒を、そのまま微生物濾過器の濾過タンクに充填して使用すると、温水を濁らせてしまう弊害がある。それは、微生物濾過器を循環する温水中に、濾過粒の微粉が流入するからである。温水に流入する微粉は、温水と一緒に浴槽内に排出される。とくに、温水循環式浴槽装置から浴槽に排出された濾過粒の微粉は、重いので底に沈降して、簡単に除去することができない。底に沈降する濾過粒の微粉は、浴槽の底に設けた排水口を開いて排出できるが、浴槽水で排出すると、多量の浴槽水が排出される欠点がある。とくに、排水口の近くにある微粉は、温水に吸い込まれて迅速に排出されるが、排水口から離れた部分の微粉は、排水口に吸い込まれる作用が極めて弱く、速やかには排水できない。さらに、大きな微粉は、手で簡単に排水口に移動できるが、微細に割れた微粉は、手でかき寄せると、水中に浮遊するので、簡単に排水口に移動させることができない。このため、浴槽の底に濾過粒の微粉が沈降すると、簡単に除去できない。さらに、浴槽の底に微粉が堆積した状態で入浴すると、足の裏がざらざらして快適に入浴できない。
【０００８】本発明は、これらの欠点を解消するために開発されたものである。本発明の重要な目的は、簡単かつ容易に、運搬中の濾過粒同士が擦れ合うのを防止して、多孔質の濾過粒の無数の微細な空隙が減少するのを防ぎ、微生物の快適な生息環境を保持できる温水循環式浴槽装置に使用される濾過粒の袋詰め方法を提供することにある。
【０００９】さらに、本発明の他の大切な目的は、濾過粒を機器に使用したときに微粉が流出して温水が濁るのを有効に防止できる温水循環式浴槽装置に使用される濾過粒の袋詰め方法を提供することにある。
【００１０】
【課題を解決するための手段】本発明の濾過粒の袋詰め方法は、粉粒体を多孔質な粒状に結合してなる温水循環式浴槽装置用の濾過粒２を、輸送のために袋詰めする方法である。本発明の方法は、濾過粒２を、気密に密閉可能な可撓性のシート材からなる袋１内に充填し、その後、袋１内の空気を強制的に吸い出し、袋１を濾過粒２に密着させることによって、袋１で濾過粒２を押圧状態に保持する。互いに押圧状態に保持される濾過粒２は、相互に動き難い状態に保持されており、この状態で袋１を気密に密閉する。濾過粒２は、微生物を植え付けた状態で袋１に入れて気密に密閉する。微生物が植え付けられた濾過粒は、浴槽に入れて短期間で微生物が増殖して温水を清澄にする作用がある。
【００１１】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための温水循環式浴槽装置に使用される濾過粒の袋詰め方法を例示するものであって、本発明は濾過粒の袋詰め方法を下記のものに特定しない。
【００１２】さらに、この明細書は、特許請求の範囲が理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に記述される部材を、実施例に示す部材に特定するものでは決してない。
【００１３】本発明の方法で袋詰めされる濾過粒は、温水循環式浴槽装置の微生物清澄器の濾過タンクに充填して使用される。温水循環式浴槽装置の一例を図２に示す。この装置は、浴槽５の貫通孔に温水循環路６を連結している。温水循環路６の途中には、温水を強制的に循環させる循環ポンプ７と、循環ポンプ７の排出側に連結されて循環温水を清澄に保持する微生物清澄器８と、微生物清澄器８の排出側に連結されて温水を一定の温度に加熱する加熱手段９とを連結している。この装置は、浴槽５内の温水を、循環ポンプ７によって強制的に温水循環路６に循環させて、微生物清澄器８で清澄にし、加熱手段９で加熱している。濾過粒２は、微生物清澄器８の濾過タンク８Ａに充填されて、濾過粒２に生息する微生物の作用によって循環する温水を清澄にしている。
【００１４】本発明の方法により、袋に詰められた濾過粒を図３に示す。この図に示すように、多数の濾過粒２が、袋１の内部に隙間なく充填されている。袋１は、濾過粒２を充填された後、内部の空気を強制的に吸い出されて、濾過粒２に密着する状態で気密に密閉されている。濾過粒２は、密着する袋１で押圧状態に保持され、相互に動き難い状態となっている。
【００１５】濾過粒２は、無機質材を多孔質な粒状に成形したものである。無機質材には、それ自体に無数の空隙のある天然石、例えば、「麦飯石」等を、平均粒径が１００μｍ〜数ｍｍに粉砕したものを使用する。無機質材には、多孔質でない天然石等の無機質材を粉砕したもの、あるいは、微細な砂や泥等を使用することもできる。濾過粒２は、これ等の無機質材をバインダーで結合して金型で球形に成形して焼成する。バインダーには、焼成工程において溶融して無機質材を結合する無機質の融材を使用する。微細な無機質材は、接点がバインダーで結合されて、全体の形状が粒状となる。バインダーは、多量に使用すると無機質材を強固に結合できるが、微細な空隙が少なくなる。逆に、バインダーを少量にすると、微細な空隙を多くすることができるが、無機質材の結合力が弱くなって表面が損傷されやすくなる。したがって、バインダーは、最適量を使用して、無機質材を多孔質な状態に結合し、焼成された濾過粒の内部および表面に微細な空隙を無数に成形する。ただ、無機質材は、焼結によらず、発泡プラスチック製のバインダー、たとえばエポキシ系の接着剤を使用して多孔質な状態に結合することもできる。濾過粒２の粒径は、通常３ｍｍφ〜３０ｍｍφ、好ましくは５ｍｍφ〜２０ｍｍφの範囲に設計される。
【００１６】濾過粒２は、好ましくは、球形状に成形される。球形状に成形された濾過粒２は、外周面が効率よく温水に接触し、微生物に汗や垢等の成分を十分に供給することができる。ただ、濾過粒は、完全な球形とせずに多少は球形からずれる粒状とすることもできる。
【００１７】袋１は、気密に密閉可能な可撓性のシート材を袋状に成形したものである。袋１には、たとえば、ポリエチレン、塩化ビニール製のものが使用できる。これ等の材質で製造された袋１は、気密性に優れ、理想の状態で濾過粒２を密封できるからである。しかも、これ等の材質の袋１は、簡単に開封できると共に、安価に製造できる特長もある。袋１の大きさは、充填する濾過粒２の大きさと個数によって決定される。
【００１８】袋１は、好ましくは、真空パックされる。真空パックされる袋１は、袋１内の気圧が下がるため、図に示すように、袋１の内面が濾過粒２に密着し、濾過粒２を押圧状態に保持する。このように、袋１の内面に挟着される濾過粒２は、相互に動き難い状態となって、袋１の内部を移動することなく所定の位置に保持される。したがって、隣接する濾過粒２と擦れ合うことなく表面の損傷を極減できる。ただ、本発明は、袋を、かならずしも完全な真空状態に密閉する必要はない。本発明は、濾過粒を動かずに保持できる状態まで袋内の空気を吸い出して、濾過粒同士が相互に動き難い状態にすることもできる。
【００１９】さらに、本発明の方法は、図４に示すように、複数個の濾過粒２を、一段に敷設して袋１内に充填することもできる。図において、濾過粒２は、上下方向から袋１の内面で押圧されている。いいかえると、一つの濾過粒２の上面と下面を袋１の内面で押圧状態に保持している。したがって、濾過粒２は、より動き難い状態に保持され、表面の損傷が防止されている。
【００２０】とくに、一段に敷設する濾過粒を図５に示すように、所定の間隔を設けて配置すると、濾過粒２は、さらに表面が保護される。それは、袋１内の空気を吸い出したときに、袋１の内面が濾過粒２に密着し、濾過粒２を押圧状態で所定の位置に保持すると同時に、隣接する濾過粒２の間の部分では、袋１の内面同士が直接密着する密着部４となっているからである。この密着部４は、濾過粒２が移動するのを有効に阻止し、隣接する濾過粒２同士が接触するのを防止している。すなわち、濾過粒２は、上下方向から袋１の内面で押圧されると共に、周辺部分では、密着部４で濾過粒２同士の接触が阻止されて、これ等の相乗効果で非接触状態に保持されている。したがって、この方法で袋詰めされた濾過粒２は、より確実に、輸送中に濾過粒２同士が擦れ合うのを防止できる特長がある。ただ、図４と図５に示す状態で袋１に充填される濾過粒２は、図３に示す状態で充填される濾過粒２に比べて、一定の大きさの袋に充填できる個数が大きく減少してしまう。いいかえると、一定量の濾過粒を充填するには、大きな袋が必要となる。したがって、密封される濾過粒の配置状態は、袋に充填する濾過粒の大きさと個数、及び、袋の大きさを充分に考慮した上で決定される。
【００２１】本発明の方法は、以下のようにして濾過粒を袋詰めする。■ 球形状に成形された複数個の濾過粒２をポリエチレン製の袋１に入れる。このとき、袋に入れる濾過粒２には、微生物を植え付けしたものが使用される。■ 濾過粒２を所定の個数だけ袋１に挿入した後に、袋１内の空気を吸い出す。好ましくは、袋１内が真空状態となるまで空気を吸引する。■ 袋１内の空気が吸引されて気圧が下がると、袋１の内面が濾過粒２の表面に密着する。濾過粒２は、袋１の内面に押圧された状態に保持されて、相互に動き難い状態となる。■ 袋１の内面が濾過粒２に密着した状態で、袋１の開口部を溶着等により密着し、袋１を密封する。
【００２２】以上のようにして袋詰めされた濾過粒２は、運搬されて、温水循環式浴槽装置等の微生物濾過器に使用される。濾過粒２を袋１から取り出すときは、濾過粒２が密封された袋１を、はさみやナイフ等で開封する。開封された袋１には空気が侵入し、濾過粒２は押圧状態を解かれる。この状態で、濾過粒２は、簡単に袋１から取り出すことができ、微生物濾過器の濾過タンクに充填される。濾過タンクに充填された濾過粒は、植え付けした微生物が繁殖して、温水を清澄にする。
【００２３】
【発明の効果】本発明の濾過粒の袋詰め方法は、簡単かつ容易に、運搬中の濾過粒同士がこすれ合うのを防止して、多孔質の濾過粒の無数の微細な空隙が潰されて減少するのを防ぎ、微生物の快適な生息環境を保持できる特長がある。それは、本発明の方法が、気密に密閉可能な可撓性のシート材からなる袋の内部に、濾過粒を充填すると共に、袋内の空気を強制的に吸い出して密閉しているからである。袋内の空気が吸い出されると、袋の内面が濾過粒に密着し、濾過粒を押圧状態に保持する。互いに押圧状態に保持される濾過粒は、相互に動き難い状態に保持されて、輸送中に濾過粒同士が擦れ合うことがない。このように、擦れ合うことのない濾過粒は、表面が損傷を受けず、多孔質な濾過粒の無数の微細な空隙が潰されて減少するのを防ぐことができる。
【００２４】とくに、温水循環式浴槽装置に使用される濾過粒は、これ等の無数の微細な空隙に生息する微生物のはたらきによって循環する温水を清澄に保持している。このため、微細な空隙が減少すると、微生物にとって快適な環境とならず、微生物を理想の状態で生息させることができなくなる。このことは、温水循環式浴槽装置にとって極めて大きな問題となる。それは、濾過粒に生息する微生物の固体数が減少すると、微生物濾過器の浄化能力が著しく低下するからである。本発明の方法は、製造した状態で、表面に無数の空隙があっても、袋詰めして輸送するときに、表面が損傷されて空隙が潰されていた従来の袋詰め方法を、極めて簡単な方法で改善するものである。本発明の方法は、多孔質な濾過粒の無数の微細な空隙が潰されて減少するのを有効に防止し、ここに生息する微生物にとって、快適な環境である多孔質の状態を保持して、微生物のはたらきで温水を清澄にする機能を維持し、循環する温水を長期間にわたって清澄にできる特長がある。
【００２５】さらに、本発明の方法で袋詰めされる濾過粒は、動き難い状態に保持されるため、濾過粒同士が擦れ合って表面が損傷されることがなく、輸送中に微粉や屑等が発生しない特長がある。輸送中に微粉や屑が発生しない濾過粒は、これ等の微粉等による濾過粒の空隙の目詰まりを防止でき、これに起因する空隙の減少を有効に防止することができる。しかも、微粉が発生しない濾過粒は、機器に使用したときに温水が濁るのを有効に防止でき、快適に使用できる特長もある。
【００２６】さらにまた、本発明の方法は、袋内の空気を強制的に吸い出し、袋を濾過粒に密着させているので、袋が余分な空気で膨れることがなく、全体の体積を小さくできる特長がある。体積が小さい袋は、輸送時にかさばることがなく便利に運搬できる。しかも、密着する袋で押圧状態に保持される濾過粒は、輸送中に袋内で移動することがなく、濾過粒が擦れ合うことによって発生する騒音を皆無にできる特長もある。
【００２７】さらにまた、本発明の濾過粒の袋詰め方法は、袋詰めする濾過粒に微生物を植え付けているので、袋から出して濾過タンクに入れて使用するとき、極めて短時間に微生物が増殖して、温水を清澄にできる特長がある。とくに、この方法は、運搬中ら濾過粒同士がこすれ合うのを防止して、濾過粒の損傷を防止するので、植え付けた微生物を使用するまで保護できる。このため、植え付けした微生物が使用すると直ちに増殖して、浴槽の初期濁りを解消できる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】従来の方法により袋に詰められた濾過粒を示す断面図
【図２】温水循環式浴槽装置の一例を示す概略図
【図３】本発明の実施例の方法により袋に詰められた濾過粒を示す断面図
【図４】本発明の他の実施例の方法により袋に詰められた濾過粒を示す断面図
【図５】本発明の他の実施例の方法により袋に詰められた濾過粒を示す断面図
【符号の説明】
１…袋
２…濾過粒
３…微粉
４…密着部
５…浴槽
６…温水循環路
７…循環ポンプ
８…微生物清澄器 ８Ａ…濾過タンク
９…加熱手段
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、温水循環式浴槽装置に使用される濾過粒を、輸送のために袋詰めする方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】浴槽の温水を清澄に、また、一定の温度に保持する温水循環式浴槽装置は開発されている。この温水循環式浴槽装置は、温水の温度を一定に保持する加熱手段と、温水を清澄にする微生物濾過器とを備えている。加熱手段は、温水温度を一定の温度に保持する。微生物濾過器は、温水を連続的に濾過して、垢等の異物を除去して清澄に保持する。微生物濾過器は、微生物の作用で温水を清澄に保持する。ここに生息する微生物は、温水に含まれる汗や垢等の成分を分解して綺麗にするので、長期間にわたって温水を清澄に保持できる特長がある。従って、この構造の温水循環式浴槽装置は、浴槽内の温水を毎日交換することなく、２４時間いつでも好きなときに入浴でき、極めて便利に使用できると共に、節水効果も高い。
【０００３】微生物濾過器は、微生物を生息させるために、濾過タンクの内部に濾過粒を充填している。濾過粒に生息する微生物は、温水を清澄に保持する。濾過粒には、多孔質の天然石を所定の粒状に破砕したもの、あるいは、多孔質または多孔質でない天然石等の無機質材を、そのままの状態で使用せずにこれを粉砕して多孔質状態に焼結したもの等が使用されている。とくに、無機質材を多孔質に焼結した濾過粒は、天然石を所定の粒状に破砕したものに比較して、微生物に快適な生息環境を実現できる特長がある。それは、多孔質に焼結した濾過粒が、豊富な原料を使用して、天然石よりも多くの微細な空隙を設けることができるからである。濾過粒は、表面に無数の微細な空隙を設けることが大切である。ここに微生物が好んで生息するからである。多孔質に焼結した濾過粒は、無数の隙間に微生物が生息しやすく、微生物のはたらきによって微生物濾過器に循環する温水を長期間にわたって清澄にできる。
【０００４】これらの濾過粒は、たとえば粒状に成形されて微生物濾過器の濾過タンクに充填される。濾過粒を充填している濾過タンクには、浴槽の温水が循環される。温水は、濾過粒の間を通過して、濾過粒の表面に生息する微生物に接触して清澄化される。温水に含まれる汗や垢等を、濾過粒の表面に生息する微生物が分解するからである。ところで、濾過粒は全体が多孔質になるように焼結して製造される。ただ、多孔質な濾過粒は、全体に均一に微生物が生息して、温水を清澄にするのではない。濾過粒の表面に生息する微生物が、内部に生息する微生物に比較して、効率よく温水を清澄にする。微生物が温水に効率よく接触するからである。さらに、濾過粒の表面には、好気性の微生物が生息する。２４時間連続して温水が循環されるので、温水に含まれる酸素が供給されるからである。濾過粒の表面に生息する好気性の微生物が、効率よく温水を清澄に保持する。このとは、たとえば、１日に一定時間温水の循環を停止すると、好気性の微生物の作用が著しく低下して、温水が白濁することから明白である。このため、濾過粒は、いかに好気性の微生物の生息環境を理想的な状態にできるかが極めて大切である。好気性の微生物は、濾過粒の表面に生息するので、濾過粒の表面状態を理想的な環境にすることが特に大切である。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】多孔質に焼結した濾過粒は、製造された状態では、表面に多数の微細な空隙がある。しかしながら、実際に使用される状態では、濾過粒の表面は必ずしも理想的な多孔質状態にできない。それは、濾過粒を製品として出荷するときに、ポリ袋等の袋に封入して搬出するからである。袋に封入されて搬出される濾過粒は、図１に示すように、袋１の内部で濾過粒２が動いてしまい、輸送中に袋１内の濾過粒２同士が擦れ合う欠点がある。互いに擦れ合う濾過粒２は、表面が損傷を受けて無数の微細な空隙の開口部が潰れてしまう。濾過粒２の表面の凸部が押し潰されて、空隙に押し込まれるからである。このため、微生物を生息させるために理想的な無数の空隙が減少してしまう。さらに、擦れ合う濾過粒２は、表面が破損して微粉３を発生し、あるいは、細かく割れることがある。これらの分離された微細な粒子が、空隙に詰まることも、空隙を少なくする原因となっている。とくに、無機質材を多孔質に焼結した濾過粒は、天然石に比べて、表面が損傷しやすく、しかも微粉が発生しやすい。それは、天然石が硬い材質であるのに対して、無機質材を多孔質に焼結した濾過粒は、材質が柔らかく、しかも、より微細な多孔質に成形されているため、表面がもろくなっているからである。
【０００６】濾過粒の微細な空隙が減少することは、温水循環式浴槽装置にとって、極めて大きな問題点となる。それは、このタイプの温水循環式浴槽装置が、濾過粒の表面に無数の微生物を生息させて、これらの微生物のはたらきによって温水を清澄にしているからである。濾過粒表面の微細な空隙が減少すると、ここに生息する好気性の微生物の固体数は極端に減少してしまい、微生物による微生物濾過器の浄化能力が著しく低下する。したがって、温水に含まれる、汗や垢等の成分を十分に除去できず、温水循環式浴槽装置を理想の状態で使用できなくなってしまう。つまり、濾過粒は、製造した状態で表面に無数の空隙があっても、袋詰めして輸送するときに、表面が損傷されると、微生物の作用で温水を清澄にする濾過粒にとって極めて大切な表面付近の微細な空隙が潰されてしまう。
【０００７】さらに、困ったことに、輸送中に袋内で擦れ合って、微粉を発生した濾過粒を、そのまま微生物濾過器の濾過タンクに充填して使用すると、温水を濁らせてしまう弊害がある。それは、微生物濾過器を循環する温水中に、濾過粒の微粉が流入するからである。温水に流入する微粉は、温水と一緒に浴槽内に排出される。とくに、温水循環式浴槽装置から浴槽に排出された濾過粒の微粉は、重いので底に沈降して、簡単に除去することができない。底に沈降する濾過粒の微粉は、浴槽の底に設けた排水口を開いて排出できるが、浴槽水で排出すると、多量の浴槽水が排出される欠点がある。とくに、排水口の近くにある微粉は、温水に吸い込まれて迅速に排出されるが、排水口から離れた部分の微粉は、排水口に吸い込まれる作用が極めて弱く、速やかには排水できない。さらに、大きな微粉は、手で簡単に排水口に移動できるが、微細に割れた微粉は、手でかき寄せると、水中に浮遊するので、簡単に排水口に移動させることができない。このため、浴槽の底に濾過粒の微粉が沈降すると、簡単に除去できない。さらに、浴槽の底に微粉が堆積した状態で入浴すると、足の裏がざらざらして快適に入浴できない。
【０００８】本発明は、これらの欠点を解消するために開発されたものである。本発明の重要な目的は、簡単かつ容易に、運搬中の濾過粒同士が擦れ合うのを防止して、多孔質の濾過粒の無数の微細な空隙が減少するのを防ぎ、微生物の快適な生息環境を保持できる温水循環式浴槽装置に使用される濾過粒の袋詰め方法を提供することにある。
【０００９】さらに、本発明の他の大切な目的は、濾過粒を機器に使用したときに微粉が流出して温水が濁るのを有効に防止できる温水循環式浴槽装置に使用される濾過粒の袋詰め方法を提供することにある。
【００１０】
【課題を解決するための手段】本発明の濾過粒の袋詰め方法は、粉粒体を多孔質な粒状に結合してなる温水循環式浴槽装置用の濾過粒２を、輸送のために袋詰めする方法である。本発明の方法は、濾過粒２を、気密に密閉可能な可撓性のシート材からなる袋１内に充填し、その後、袋１内の空気を強制的に吸い出し、袋１を濾過粒２に密着させることによって、袋１で濾過粒２を押圧状態に保持する。互いに押圧状態に保持される濾過粒２は、相互に動き難い状態に保持されており、この状態で袋１を気密に密閉する。濾過粒２は、微生物を植え付けた状態で袋１に入れて気密に密閉する。微生物が植え付けられた濾過粒は、浴槽に入れて短期間で微生物が増殖して温水を清澄にする作用がある。
【００１１】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための温水循環式浴槽装置に使用される濾過粒の袋詰め方法を例示するものであって、本発明は濾過粒の袋詰め方法を下記のものに特定しない。
【００１２】さらに、この明細書は、特許請求の範囲が理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に記述される部材を、実施例に示す部材に特定するものでは決してない。
【００１３】本発明の方法で袋詰めされる濾過粒は、温水循環式浴槽装置の微生物清澄器の濾過タンクに充填して使用される。温水循環式浴槽装置の一例を図２に示す。この装置は、浴槽５の貫通孔に温水循環路６を連結している。温水循環路６の途中には、温水を強制的に循環させる循環ポンプ７と、循環ポンプ７の排出側に連結されて循環温水を清澄に保持する微生物清澄器８と、微生物清澄器８の排出側に連結されて温水を一定の温度に加熱する加熱手段９とを連結している。この装置は、浴槽５内の温水を、循環ポンプ７によって強制的に温水循環路６に循環させて、微生物清澄器８で清澄にし、加熱手段９で加熱している。濾過粒２は、微生物清澄器８の濾過タンク８Ａに充填されて、濾過粒２に生息する微生物の作用によって循環する温水を清澄にしている。
【００１４】本発明の方法により、袋に詰められた濾過粒を図３に示す。この図に示すように、多数の濾過粒２が、袋１の内部に隙間なく充填されている。袋１は、濾過粒２を充填された後、内部の空気を強制的に吸い出されて、濾過粒２に密着する状態で気密に密閉されている。濾過粒２は、密着する袋１で押圧状態に保持され、相互に動き難い状態となっている。
【００１５】濾過粒２は、無機質材を多孔質な粒状に成形したものである。無機質材には、それ自体に無数の空隙のある天然石、例えば、「麦飯石」等を、平均粒径が１００μｍ〜数ｍｍに粉砕したものを使用する。無機質材には、多孔質でない天然石等の無機質材を粉砕したもの、あるいは、微細な砂や泥等を使用することもできる。濾過粒２は、これ等の無機質材をバインダーで結合して金型で球形に成形して焼成する。バインダーには、焼成工程において溶融して無機質材を結合する無機質の融材を使用する。微細な無機質材は、接点がバインダーで結合されて、全体の形状が粒状となる。バインダーは、多量に使用すると無機質材を強固に結合できるが、微細な空隙が少なくなる。逆に、バインダーを少量にすると、微細な空隙を多くすることができるが、無機質材の結合力が弱くなって表面が損傷されやすくなる。したがって、バインダーは、最適量を使用して、無機質材を多孔質な状態に結合し、焼成された濾過粒の内部および表面に微細な空隙を無数に成形する。ただ、無機質材は、焼結によらず、発泡プラスチック製のバインダー、たとえばエポキシ系の接着剤を使用して多孔質な状態に結合することもできる。濾過粒２の粒径は、通常３ｍｍφ〜３０ｍｍφ、好ましくは５ｍｍφ〜２０ｍｍφの範囲に設計される。
【００１６】濾過粒２は、好ましくは、球形状に成形される。球形状に成形された濾過粒２は、外周面が効率よく温水に接触し、微生物に汗や垢等の成分を十分に供給することができる。ただ、濾過粒は、完全な球形とせずに多少は球形からずれる粒状とすることもできる。
【００１７】袋１は、気密に密閉可能な可撓性のシート材を袋状に成形したものである。袋１には、たとえば、ポリエチレン、塩化ビニール製のものが使用できる。これ等の材質で製造された袋１は、気密性に優れ、理想の状態で濾過粒２を密封できるからである。しかも、これ等の材質の袋１は、簡単に開封できると共に、安価に製造できる特長もある。袋１の大きさは、充填する濾過粒２の大きさと個数によって決定される。
【００１８】袋１は、好ましくは、真空パックされる。真空パックされる袋１は、袋１内の気圧が下がるため、図に示すように、袋１の内面が濾過粒２に密着し、濾過粒２を押圧状態に保持する。このように、袋１の内面に挟着される濾過粒２は、相互に動き難い状態となって、袋１の内部を移動することなく所定の位置に保持される。したがって、隣接する濾過粒２と擦れ合うことなく表面の損傷を極減できる。ただ、本発明は、袋を、かならずしも完全な真空状態に密閉する必要はない。本発明は、濾過粒を動かずに保持できる状態まで袋内の空気を吸い出して、濾過粒同士が相互に動き難い状態にすることもできる。
【００１９】さらに、本発明の方法は、図４に示すように、複数個の濾過粒２を、一段に敷設して袋１内に充填することもできる。図において、濾過粒２は、上下方向から袋１の内面で押圧されている。いいかえると、一つの濾過粒２の上面と下面を袋１の内面で押圧状態に保持している。したがって、濾過粒２は、より動き難い状態に保持され、表面の損傷が防止されている。
【００２０】とくに、一段に敷設する濾過粒を図５に示すように、所定の間隔を設けて配置すると、濾過粒２は、さらに表面が保護される。それは、袋１内の空気を吸い出したときに、袋１の内面が濾過粒２に密着し、濾過粒２を押圧状態で所定の位置に保持すると同時に、隣接する濾過粒２の間の部分では、袋１の内面同士が直接密着する密着部４となっているからである。この密着部４は、濾過粒２が移動するのを有効に阻止し、隣接する濾過粒２同士が接触するのを防止している。すなわち、濾過粒２は、上下方向から袋１の内面で押圧されると共に、周辺部分では、密着部４で濾過粒２同士の接触が阻止されて、これ等の相乗効果で非接触状態に保持されている。したがって、この方法で袋詰めされた濾過粒２は、より確実に、輸送中に濾過粒２同士が擦れ合うのを防止できる特長がある。ただ、図４と図５に示す状態で袋１に充填される濾過粒２は、図３に示す状態で充填される濾過粒２に比べて、一定の大きさの袋に充填できる個数が大きく減少してしまう。いいかえると、一定量の濾過粒を充填するには、大きな袋が必要となる。したがって、密封される濾過粒の配置状態は、袋に充填する濾過粒の大きさと個数、及び、袋の大きさを充分に考慮した上で決定される。
【００２１】本発明の方法は、以下のようにして濾過粒を袋詰めする。
【００２２】以上のようにして袋詰めされた濾過粒２は、運搬されて、温水循環式浴槽装置等の微生物濾過器に使用される。濾過粒２を袋１から取り出すときは、濾過粒２が密封された袋１を、はさみやナイフ等で開封する。開封された袋１には空気が侵入し、濾過粒２は押圧状態を解かれる。この状態で、濾過粒２は、簡単に袋１から取り出すことができ、微生物濾過器の濾過タンクに充填される。濾過タンクに充填された濾過粒は、植え付けした微生物が繁殖して、温水を清澄にする。
【００２３】
【発明の効果】本発明の濾過粒の袋詰め方法は、簡単かつ容易に、運搬中の濾過粒同士がこすれ合うのを防止して、多孔質の濾過粒の無数の微細な空隙が潰されて減少するのを防ぎ、微生物の快適な生息環境を保持できる特長がある。それは、本発明の方法が、気密に密閉可能な可撓性のシート材からなる袋の内部に、濾過粒を充填すると共に、袋内の空気を強制的に吸い出して密閉しているからである。袋内の空気が吸い出されると、袋の内面が濾過粒に密着し、濾過粒を押圧状態に保持する。互いに押圧状態に保持される濾過粒は、相互に動き難い状態に保持されて、輸送中に濾過粒同士が擦れ合うことがない。このように、擦れ合うことのない濾過粒は、表面が損傷を受けず、多孔質な濾過粒の無数の微細な空隙が潰されて減少するのを防ぐことができる。
【００２４】とくに、温水循環式浴槽装置に使用される濾過粒は、これ等の無数の微細な空隙に生息する微生物のはたらきによって循環する温水を清澄に保持している。このため、微細な空隙が減少すると、微生物にとって快適な環境とならず、微生物を理想の状態で生息させることができなくなる。このことは、温水循環式浴槽装置にとって極めて大きな問題となる。それは、濾過粒に生息する微生物の固体数が減少すると、微生物濾過器の浄化能力が著しく低下するからである。本発明の方法は、製造した状態で、表面に無数の空隙があっても、袋詰めして輸送するときに、表面が損傷されて空隙が潰されていた従来の袋詰め方法を、極めて簡単な方法で改善するものである。本発明の方法は、多孔質な濾過粒の無数の微細な空隙が潰されて減少するのを有効に防止し、ここに生息する微生物にとって、快適な環境である多孔質の状態を保持して、微生物のはたらきで温水を清澄にする機能を維持し、循環する温水を長期間にわたって清澄にできる特長がある。
【００２５】さらに、本発明の方法で袋詰めされる濾過粒は、動き難い状態に保持されるため、濾過粒同士が擦れ合って表面が損傷されることがなく、輸送中に微粉や屑等が発生しない特長がある。輸送中に微粉や屑が発生しない濾過粒は、これ等の微粉等による濾過粒の空隙の目詰まりを防止でき、これに起因する空隙の減少を有効に防止することができる。しかも、微粉が発生しない濾過粒は、機器に使用したときに温水が濁るのを有効に防止でき、快適に使用できる特長もある。
【００２６】さらにまた、本発明の方法は、袋内の空気を強制的に吸い出し、袋を濾過粒に密着させているので、袋が余分な空気で膨れることがなく、全体の体積を小さくできる特長がある。体積が小さい袋は、輸送時にかさばることがなく便利に運搬できる。しかも、密着する袋で押圧状態に保持される濾過粒は、輸送中に袋内で移動することがなく、濾過粒が擦れ合うことによって発生する騒音を皆無にできる特長もある。
【００２７】さらにまた、本発明の濾過粒の袋詰め方法は、袋詰めする濾過粒に微生物を植え付けているので、袋から出して濾過タンクに入れて使用するとき、極めて短時間に微生物が増殖して、温水を清澄にできる特長がある。とくに、この方法は、運搬中ら濾過粒同士がこすれ合うのを防止して、濾過粒の損傷を防止するので、植え付けた微生物を使用するまで保護できる。このため、植え付けした微生物が使用すると直ちに増殖して、浴槽の初期濁りを解消できる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】従来の方法により袋に詰められた濾過粒を示す断面図
【図２】温水循環式浴槽装置の一例を示す概略図
【図３】本発明の実施例の方法により袋に詰められた濾過粒を示す断面図
【図４】本発明の他の実施例の方法により袋に詰められた濾過粒を示す断面図
【図５】本発明の他の実施例の方法により袋に詰められた濾過粒を示す断面図
【符号の説明】
１…袋
２…濾過粒
３…微粉
４…密着部
５…浴槽
６…温水循環路
７…循環ポンプ
８…微生物清澄器 ８Ａ…濾過タンク
９…加熱手段
【特許請求の範囲】
【請求項１】 温水循環式浴槽装置用の濾過粒(2)を、気密に密閉可能な可撓性のシート材からなる袋(1)内に充填し、その後、袋(1)内の空気を強制的に吸い出し、袋(1)を濾過粒(2)に密着させることによって、袋(1)で濾過粒(2)を押圧状態に保持し、互いに押圧状態に保持されることによって濾過粒(2)が、相互に動き難い状態に保持され、この状態で袋(1)を気密に密閉する濾過粒の袋詰め方法において、粉粒体を多孔質な粒状に結合してなる濾過粒(2)に微生物を植え付け、微生物を植え付けた濾過粒(2)を袋(1)に入れて袋(1)を気密に密閉することを特徴とする温水循環式浴槽装置に使用される濾過粒の袋詰め方法。
【請求項１】 温水循環式浴槽装置用の濾過粒(2)を、気密に密閉可能な可撓性のシート材からなる袋(1)内に充填し、その後、袋(1)内の空気を強制的に吸い出し、袋(1)を濾過粒(2)に密着させることによって、袋(1)で濾過粒(2)を押圧状態に保持し、互いに押圧状態に保持されることによって濾過粒(2)が、相互に動き難い状態に保持され、この状態で袋(1)を気密に密閉する濾過粒の袋詰め方法において、粉粒体を多孔質な粒状に結合してなる濾過粒(2)に微生物を植え付け、微生物を植え付けた濾過粒(2)を袋(1)に入れて袋(1)を気密に密閉することを特徴とする温水循環式浴槽装置に使用される濾過粒の袋詰め方法。
【図２】
【図１】
【図３】
【図４】
【図５】
【図１】
【図３】
【図４】
【図５】
【特許番号】第２９７５５６６号
【登録日】平成１１年（１９９９）９月３日
【発行日】平成１１年（１９９９）１１月１０日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平８−３５８７５０
【出願日】平成８年（１９９６）１２月２８日
【公開番号】特開平１０−１９２８７９
【公開日】平成１０年（１９９８）７月２８日
【審査請求日】平成８年（１９９６）１２月２８日
【出願人】（０００１０５７５２）コロナ工業株式会社 (6)
【参考文献】
【文献】特開 平９−７０５０８（ＪＰ，Ａ）
【登録日】平成１１年（１９９９）９月３日
【発行日】平成１１年（１９９９）１１月１０日
【国際特許分類】
【出願日】平成８年（１９９６）１２月２８日
【公開番号】特開平１０−１９２８７９
【公開日】平成１０年（１９９８）７月２８日
【審査請求日】平成８年（１９９６）１２月２８日
【出願人】（０００１０５７５２）コロナ工業株式会社 (6)
【参考文献】
【文献】特開 平９−７０５０８（ＪＰ，Ａ）
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