説明

温熱電位治療器

【課題】暗い部屋で表示手段の光が気になる問題を解決するとともに、
部屋を暗くして横たわった直後の状態においても操作可能とする、温熱電位治療器の具現化を課題とする。
【解決手段】操作手段を照明する発光手段と、
制御手段からの制御で発光手段のON/OFF駆動及び減光駆動する駆動手段と、
治療開始から所定時間まで計時する減光タイマーとを用い、
治療動作を開始するとともに減光タイマーの計時を開始する処理と、
減光タイマーの計時が所定時間に達しと時に駆動手段を制御し発光手段を減光させ処理を制御手段が行うことで課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温熱電位治療器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
温熱電位治療器は、温熱電位治療器本体と、マット状(布団状)の電床から構成されるのが一般的であり、温熱電位治療器本体(特許文献1のコントローラー8に相当)及び電床(特許文献1の敷布団に相当)の基本的な技術は特許文献1において開示されている。
【0003】
使用方法は、使用者がマット状電床の上に横になり使用される場合が多い。
昨今では、治療効果を上げるために、部屋を薄暗くしてリラックスした状態で用いることもよくある。
【0004】
特許文献2は上述した、部屋を薄暗くしてリラックスした状態で用いるのに好適な技術が開示されている。
即ち、リモートコントロール装置5aに発光体54aを具備させると共に、マット本体1aの人体平均手長範囲の外周側面部12aに発光体54aを発光させる発光体作動スイッチ8aを設け、発光体作動スイッチ8aに対する使用者の手の接触によりこれを作動させて発光体54aが発光するように構成することにより、暗いなかでもリモートコントロール装置5aの操作が可能となる。
【特許文献1】特開2008−344号公報
【特許文献2】特開2008−36093号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献2のように、何かしらの操作により発光させる方式の物に対して、煩わしいとの苦情が寄せられる場合があった。
理由を調査したところ、治療中の再操作が行われる時期は、殆どが治療開始直後であり、ちょっと前にした設定を変更するだけなのに、治療に直接かかわりの無い操作(発光させる操作)を強いられることへの不満であった。
【0006】
そこで本発明では、部屋を暗くして横たわった、即ち治療開始直後の状態において、煩わしい補助的操作を要せず、治療に直接係る操作可能とする、温熱電位治療器の具現化を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
温熱電位治療器本体を、
治療動作を開始させるスタートスイッチを少なくとも含む操作手段と、
前記操作手段を照明する発光手段と、
動作状態や設定状態などを表示する発光式表示手段と、
制御手段からの制御により前記発光手段及び前記発光式表示手段のON/OFF駆動及び減光駆動する駆動手段と、
治療時間を決める動作タイマー手段と、
前記スタートスイッチが押されてから所定時間まで計時する減光タイマー手段と、
前記動作タイマー手段及び前記減光タイマー手段を有する前記制御手段で構成する。
【0008】
さらに、
電源が入れられると前記駆動手段を制御して前記発光手段及び前記発光式表示手段をONさせる第1のステップと、
前記スタートスイッチが押されると治療動作を開始するとともに前記動作タイマー手段及び前記減光タイマー手段の計時を開始する第2のステップと、
前記減光タイマー手段の計時が所定時間に達した時に前記駆動手段を制御し前記発光手段及び前記発光式表示手段を減光させる第3のステップと、
前記動作タイマー手段の計時が治療終了時間に達した時に治療を終了するとともに前記駆動手段を制御して前記発光手段及び前記発光式表示手段を消灯させる第4のステップからなる制御を、前記制御手段が行うことで課題を解決する。
請求項2記載の発明では、既第3のステップ後、使用頻度の低いスイッチを照明する発光手段を消灯する。
請求項3記載の発明では、既第3のステップ後、操作手段が操作された場合に、発光手段と発光式表示手段を点灯させる。
【発明の効果】
【0009】
治療開始から所定時間経過後に発光手段及び発光式表示手段を減光させるので、光が気になることも無く、且つ横になってから所定時間の間は操作に必要な十分な照明が得られる。
また、請求項2記載の発明では、不要な点灯をしないので、省電力の効果が有る。
さらに、請求項3記載の発明では、減光後の操作を必要とする事態に対応が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施例を図を用いて説明する。
図1は本発明による温熱電位治療器本体の外観である。
なお、電床は省いてある。
発光式表示手段は、温度、電位電圧、タイマー時間などの表示に用いる。
発光ダイオード7個を8字上に配置した、LEDアレイなどで構成する。
【0011】
治療は、操作手段のスタートスイッチを押すことで開始される。
スイッチの釦部、或いはスイッチの周囲に発光手段を配すことで照明される。
スタートスイッチは制御手段に接続され、制御手段に治療の開始を知らせる。
【0012】
操作手段のアップダウンスイッチは電位電圧や温度の設定に用いる。
アップダウンスイッチのツマミの周囲に発光手段を配すことで照明される。
アップダウンスイッチは制御手段に接続され、制御手段にアップ又はダウンを知らせる。
【0013】
図2は本発明のブロック図である。
駆動手段は、制御手段からの指示により、発光式表示手段及び発光手段を駆動する。
駆動方法は点灯、減光点灯、消灯がある。
【0014】
温熱信号出力手段は、電床内のヒーターに電力を供給する。
制御手段の制御により、ヒーターに供給する電力をコントロールする。
【0015】
電位信号出力手段は、電床内の電極に電位信号を印加する。
制御手段の制御により、電極に印加する電位信号の電圧や波形をコントロールする。
【0016】
電源は、商用電源(交流100V)より電力を得、各動作に必要な電圧に変換後、各部に電力を供給する。
【0017】
制御手段は、操作手段の操作に対応し、各部を制御する。
例えば、スタートスイッチが押されると、電位信号出力手段を制御して、電位信号を出力させる。 また、アップダウンスイッチのアップが押された場合には、電位信号出力手段を制御して、電位信号の出力を増加させるなどである。
【0018】
次に、実際に温熱電位治療器を使用する状況を想定して、制御手段の動作を図3を用いて説明する。
【0019】
使用者は、本発明による温熱電位治療器を準備し、電源を入れる。
次に使用者、部屋を暗くして電床の上に横たわる。
【0020】
制御手段は、駆動手段を制御して発光手段及び発光式表示手段を点灯させ、スタートスイッチの操作を監視する。
以上が第1のステップまでの動作である。
【0021】
次に使用者は、手を伸ばしスタートスイッチを押し、治療を開始させる。
【0022】
制御手段は、スタートスイッチが押されたことを検知し、電位信号出力手段を制御して電位信号を出力ささるとともに、温熱信号出力手段を制御して、温熱信号を出力させる。 さらには、動作タイマー手段及び減光タイマー手段の計時を開始する。
【0023】
制御手段は、減光タイマー手段の計時が所定時間(例えば10秒)に達するか監視する。
【0024】
治療を開始してから例えば10秒間は、操作手段が明るく照らされているので、使用者の再操作が可能である。
以上が第2のステップまでの動作である。
【0025】
制御手段は、減光タイマー手段の計時が所定時間(例えば10秒)に達すると、駆動手段を制御し発光手段及び発光式表示手段を、使用者が気にならないくらいの照度に減光させる。
以上が第3のステップまでの動作である。
【0026】
制御手段は、
動作タイマー手段の計時が治療終了時間(例えば8時間)に達した時に、駆動手段を制御して発光手段及び発光式表示手段を消灯させるとともに、電位信号出力手段を制御して電位信号を停止させるとともに、温熱信号出力手段を制御して温熱信号を停止させ、治療が終了する。
【0027】
第2の実施例によれば、
発光手段は第1の発光手段と第2の発光手段からなる。
第1の発光手段は比較的使用頻度高いスイッチを照明するものとする。
【0028】
既述の第3のステップ後、
制御手段は、第2の減光タイマー手段の計時が第2の所定時間(例えば60秒)に達するか監視する。
【0029】
制御手段は、減光から例えば60秒後に、駆動手段を制御して使用頻度低いスイッチを照光する第2の発光手段を消灯する。
以上が第2の実施例による第4のステップまでの動作である。
【0030】
実施例3では、減光後、制御手段は操作手段の操作を監視し、操作がなされた場合に、駆動手段を制御して、第1の発光手段、第2発光手段又は発光手段と発光式表示手段を点灯させる処理を行う。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明による温熱電位治療器の外観図
【図2】本発明による温熱電位治療器のブロック図
【図3】本発明による温熱電位治療器の動作フローチャート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療動作を開始させるスタートスイッチと、
少なくとも前記スタートスイッチを含む操作手段と、
前記操作手段を照明する発光手段と、
動作状態や設定状態などを表示する発光式表示手段と、
制御手段からの制御により前記発光手段及び前記発光式表示手段のON/OFF駆動及び減光駆動する駆動手段と、
治療時間を決める動作タイマー手段と、
前記スタートスイッチが押されてから所定時間まで計時する減光タイマー手段と、
前記動作タイマー手段及び前記減光タイマー手段を有する前記制御手段とからなり、
前記制御手段は、
電源が入れられると前記駆動手段を制御して前記発光手段及び前記発光式表示手段をONさせる第1のステップと、
前記スタートスイッチが押されると治療動作を開始するとともに前記動作タイマー手段及び前記減光タイマー手段の計時を開始する第2のステップと、
前記減光タイマー手段の計時が所定時間に達した時に前記駆動手段を制御し前記発光手段及び前記発光式表示手段を減光させる第3のステップと、
前記動作タイマー手段の計時が治療終了時間に達した時に治療を終了するとともに前記駆動手段を制御して前記発光手段及び前記発光式表示手段を消灯させる終了ステップの制御を行う事を特徴とす温熱電位治療器。
【請求項2】
治療動作を開始させるスタートスイッチと、
前記スタートスイッチと操作に係る複数のスイッチからなる操作手段と、
前記操作手段を照明する第1の発光手段及び第2の発光手段と、
前記第1の発光手段と前記第2の発光手段からなる発光手段と、
動作状態や設定状態などを表示する発光式表示手段と、
制御手段からの制御により前記発光手段及び前記発光式表示手段のON/OFF駆動及び減光駆動する駆動手段と、
治療時間を決める動作タイマー手段と、
前記スタートスイッチが押されてから第1の所定時間まで計時するとともに前記第1の所定時間から第2の所定時間まで計時する減光タイマー手段と、
前記動作タイマー手段と前記減光タイマー手段を有する前記制御手段とからなり、
前記制御手段は、
電源が入れられると前記駆動手段を制御して前記発光手段と前記発光式表示手段をONさせる第1のステップと、
前記スタートスイッチが押されると治療動作を開始するとともに前記動作タイマー手段及び前記減光タイマー手段の計時を開始する第2のステップと、
前記減光タイマー手段の計時が前記第1の所定時間に達した時に前記駆動手段を制御し前記発光手段と前記発光式表示手段を減光させる第3のステップと、
前記減光タイマー手段の計時が前記第2の所定時間に達した時に前記駆動手段を制御し前記第2の発光手段を消灯させる第4のステップの制御を行う事を特徴とす温熱電位治療器。
【請求項3】
前記発光手段と前記発光式表示手段を減光後に、前記操作手段が操作された場合において、
前記制御手段は、前記駆動手段を制御して前記発光手段と前記発光式表示手段をONさせることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の温熱電位治療器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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