説明

測地計器の鉛直設定のための装置

【課題】 周囲の明るさ条件に依存することなく、地上点に対して測地計器を正確に定位させる。
【解決手段】 地上点に関する測地計器の鉛直設定のための装置は、本考案は目標ビーム(B)を備えた地上点の視覚的な照準調整のための光学式観測装置(10)と、レーザービーム(L)を生成するためのレーザー装置(11)と、それによってレーザービーム(L)と目標ビーム(B)とが目標地点に鉛直に突き当たる目標軸線(Z)に対して整合され得る光学的整合要素(12)とを備える。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、地上点(Bodenpunkt)に対する測地計器の鉛直設定(lotrechten Ausrichten)のための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
測量を目的とする場合、測地計器、例えば、経緯儀またはタキメーターは、特に測地学的な定点であり得る地上点に関して、可能な限り正確にセンタリングを行う必要がある。最も正確であり得る測量のためには、同様に、反射器または照準目標を含む付属品も地上点に関して整列されなければならず、地上点が位置する平面に対して縦軸を鉛直に定位する必要がある。
【0003】
光学式鉛直器(optiche Lote)は、地上点に関する鉛直設定を補助するために頻繁に使用される。これらの光学式鉛直器は一般に、例えば、それによって地上点が観測される小さな望遠鏡の形態をなす観測装置を備える。観測装置の視準線は、測地計器の縦軸に関して、限定的な方法で定位されるか、または一致させられる。
【0004】
さらに、多くの場合、光学マークは観測ビームに光学的に整合させられ、作動モードによって、地上点に方向を合わせられるか、またはこの地上点を特徴づけなければならない。前者の場合は、所望の結合が達成されるまで、地上点に関する測地計器の位置が変更される。後者の場合は、地上点が測地計器の位置から決定される。測地計器に関して定義された目標ビームの位置に基づいて、測地計器は、地上点に関して正確に定義できる位置に配置される。
【0005】
上述した型式の光学式鉛直器は、通常、測地計器に直接組み込まれる。三脚に挿入されるタキメーターまたは経緯儀の場合には、連結されるべきタキメーターまたは経緯儀を受容するための三脚または三脚の機構は、初めに別個の下げ振りによって、地上点に関してセンタリングされることが可能である。その後、前記振り下げ要素は取り外されて、タキメーターまたは経緯儀と取り替えられる。
【0006】
不都合な状況おいては、光学式鉛直器によって、上述した種類の計器を地上点に関して正確に定位することが困難なことが時折ある。この理由のために、レーザー鉛直器と呼ばれるものが、既に提案されている。これらのレーザー鉛直器により、レーザービームを使用して、測地計器を地上点が位置する目標平面に対して鉛直に定位させることが可能である。この目的のために、レーザービームの入射光スポットは地上点と一致させられる。地上点に関して測地計器を十分正確に定位することは、計器に関して所定の方法で延びるレーザービームに基づいて達成される。
【0007】
しかしながら、この種のレーザー鉛直器は、非常に明るい環境、例えば厳しい日光の下においては、レーザースポットが掻き消されてしまうので、目標平面中に投影されるレーザースポットが明確に検知可能でない、すなわち十分に検知可能でないという問題を有している。より強力なレーザー発生器を使用することによって、レーザースポットの明るさを改善して、周囲が非常に明るい場合の知覚性を増大させることができるだろう。しかしながら、より高出力なレーザーの使用は、測地計器の利用者を負傷させる可能性を増大させる。不正な使用に起因する人員の負傷を防止するために付加的な設計工程が要求されるであろう。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
上記に基づいて、本考案の目的は、あらゆる視覚的条件下において、地上点に関して測地計器を正確に定位させる、地上点に関して測地計器を鉛直に定位するための装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的は、地上点を測地計器に関して空間的に規定された位置において延びる目標ビームによって視覚的に照準する光学式観測装置と、測地計器に関して空間的に規定された位置において延びるレーザービームを生成するためのレーザー装置と、それによりレーザービーム及び目標ビームが、地上点に関して鉛直設定された共通の光学目標軸線に対して光学的に整合させられ得る光学的整合要素とからなる装置によって達成される。
【0010】
本考案による装置は、不都合な照明条件及び視野条件の下でさえ、測地計器の正確な定位を単純な方法で実現することが可能である。従って、視界が劣る状態においては、計器の定位は、目標軸線に整合または合致させられるレーザービームによって行われる。一方、非常に明るい環境においては、この場合より高出力のレーザーを必要とすることなく、目標ビームを目標軸線に整合させることにより、光学式観測装置によって、定位を行なうことが可能である。
【0011】
共通光学的整合要素の使用により、本考案による装置は技術的により低コストで実現され得る。
本考案の有利な構成においては、測地計器内の光学的整合要素の位置は2つの位置の間で切り替えることが可能である。第1の位置では、目標ビームのみが目標軸線に対して整合させられるが、第2の位置では、レーザービームのみが目標軸線に対して整合させられる。
【0012】
従って、測地計器の定位は、光学式観測装置によって行われるか、または、光学的整合要素が一方の位置から別の位置へ切り替えられた後、地上点が位置する目標平面内にレーザー装置によって生成されたレーザースポットによって行われる。特に簡易な方法でこの切り替えを扱うために、レーザー装置の作動及び停止を光学的整合要素の切り替えに直接関連させ得る。
【0013】
光学的整合要素は、好ましくは、目標ビームを目標軸線に対して整合させるための第1の反射面と、レーザービームを目標軸線に対して整合させるための第2の反射面とを有するプリズムである。第1の位置と第2の位置との間で切り替えるために、プリズムは測地計器に対して移動可能に配置される。移動可能なプリズムの使用により、一方では、測地計器に関して、目標ビーム、レーザービームおよび目標軸線を高度に正確に定位することが可能であり、他方では、選択可能な鉛直器を作動させる場合には、取り扱いは簡単なままである。
【0014】
別の有利な構成では、観測装置およびレーザー装置は、それらの間に配置されたプリズムを備える共通スリーブ内に配置される。切り替えを目的として、スリーブは、測地計器に関して、その長手軸線に沿って軸線方向に移動可能である。
さらに、スリーブの調節路における2つの規定された終端位置において、測地計器に関するスリーブの定位は確実に保証される。スリーブにおけるこれらの2つの終端位置は、光学的整合要素、つまり、例えばプリズムの2つの切り替え位置と関連付けられる。その結果、スリーブの軸線方向の移動によって、レーザー鉛直器作動モードと光学式鉛直器作動モードとの間で選択することが可能である。
定位プロセスのために必要とされる構造上の構成要素をすべて共通スリーブ内に配置することによって、このスリーブはモジュールとして予め組み立てられ、様々な方法で異なる測地計器内において使用され得る。さらに、モジュール構造は、目標軸線に関する目標ビームおよびレーザービームの特に正確な定位を可能にする。その後、スリーブの軸受支持部によって、測地計器に関してセンタリングが行われる。
【0015】
設計の点から特に有利な構造上の別例においては、目標ビームおよびレーザービームは、スリーブの長手軸線方向に指向させられるが、目標軸線はスリーブの長手軸線に対して直角をなす。
【0016】
さらに、目標ビームまたはレーザービームを第1の調節角度で目標軸線に対して整合させ、別の各ビームを第2の調節角度で目標軸線に指向させる、回動可能な鏡として光学的整合要素を構成することが可能である。鏡は、回転鏡、または折り畳み式鏡として構成することが可能である。後者の場合、鏡は目標ビームまたはレーザービームのいずれかを第1の調節角度で偏向させると同時に、他方のビームは中断される。その後、中断されたビームは偏向することなく第2の調節角度で目標軸線に対して整合させられ、同時にもう一方のビームは遮断される。
【0017】
別の実施形態においては、光学的整合要素は、測地計器に関して定義された方法で定位され、かつ光学的に選択性を有する被膜を有する静止光学偏向要素として構成される。第1の別例では、光学的選択性被膜は、所定の角度で入射する可視域にある日光を透過させるが、偏向した角度で入射するレーザー光を反射する。反対に、第2の構造的な別例においては、光学的選択性被膜は、傾斜した入射角で入射する可視域の光を反射するが、同一の傾斜した入射角で入射するレーザー光を透過させる。
【0018】
従って、光学的整合要素の位置を変更する必要はない。むしろ、機械的摩耗を防止するように、光学的整合要素は固定的に配置されて、測地計器に対するビーム経路の定位が恒久的に高精度に保証される。次に、視覚的光学式鉛直器作動モードとレーザー鉛直器作動モードとの間の切り替えは、単にレーザー装置を切り替えることによって行われこともある。さらに、この実施形態においては、目標平面上に投射されるレーザースポットも光学式観測装置によって視覚的に観測することが可能である。
【0019】
レーザー装置を使用して、測地計器の定位が行われる場合、目標軸線または投射された光点に対して整合させられるレーザービームは、地上点と整合させられるべきマークの役目を果たす。この場合、特別な方向マーク、例えば、レチクルすなわち十字線は不要となり得る。その結果、対応する方法で、計器の構成を単純化することが可能である。
【0020】
目標軸線が鉛直方向に定位されるので、人間工学に関して有利な別の構成においては、目標ビームは目標軸線に直交して指向させられるべきである。これは、本質的に地上点の視覚的な照準調整を容易にする。
【0021】
他方では、レーザービームも目標軸線と同様に、レーザー供給源から発出して鉛直方向に指向させられることが可能であり、従って、方向を変更する必要なく、目標軸線に直接整合させられることが可能である。しかしながら、レーザービーム並びに目標ビームは直角方向から進行して、光学的整合要素にて、目標軸線に対して整合させられることも可能である。
【0022】
レーザー供給源は、光学式観測装置の構成要素群が配置されるのと同じ側の測地計器上に配置され得る。レーザー供給源はこれらの構成要素群の下方または上方に配置されることが可能であり、それにより設計者が最適の計器構成を見いだすことを可能にする。
【0023】
さらに、目標軸線の方向から見て、目標軸線に直交するレーザービームが、同じく目標軸線に直交する目標ビームと、0°に相当しない角度をなすことは可能である。
【0024】
本考案について、図面に示した3つの実施形態に関して、以下により詳細に説明する。
【0025】
【考案の実施の形態】
図1における第1の実施形態は、タキメーター1の形態をなす測地計器を示しており、タキメーター1の支持部2の下方部分のみが詳細に示されている。タキメーター1は、例えば三脚すなわちスタンドの台座に、支持部2の下側に設けられた挿入ピン3によって挿入され得る。この点において、挿入ピン3はセンタリング機能を果たす。
【0026】
地上点に関してタキメーター1を鉛直に定位させる装置は支持部2の内部に設けられ、かつ光学式鉛直器、並びにレーザー鉛直器を備える。この装置は、支持部2に挿入され、かつ支持部2に関して正確に定位され、その結果、地上点に対して定位されることになっている光学目標軸線Zが地上点に関する鉛直線においてタキメーターをセンタリングさせる内蔵型モジュール4を形成する。
【0027】
目標軸線Zに関して回転可能であり、かつ目標軸線Zの方向において軸線方向に支持されるように、モジュール4は、ピボット7によって支持部2に設けられたブッシング8に取り付けられた軸プレート6に軸受スリーブ5を介して固定される。
【0028】
その長手軸線が目標軸線Zに直交して延びる別のスリーブ9が、モジュール4の軸受スリーブ5内に配置される。スリーブ9は、その長手軸線に沿って摺動可能となるように、軸受スリーブ5の内部に案内される。この場合、スリーブ9は互いに関して同軸線上に配置され、かつスリーブ9内に位置する光学的整合要素12によって分離されている光学式観測装置10およびレーザー装置11のための保持部材の役目を果たす。
【0029】
この光学的整合要素12は、スリーブ9によって、タキメーター1の他の機能素子に関して正確に定位され、光学式観測装置10の目標ビームBおよびレーザー装置11のレーザービームLを地上点に関して鉛直に定位されることになっている目標軸線Zに対して光学的に整合または合致させる。
【0030】
光学式観測装置10は光学望遠鏡を備え、該光学望遠鏡はスリーブ9内に配置され、かつ観測目標13と、十字線の形態をなす方向マークを有する視野レンズ14と、接眼鏡15とを備える。接眼鏡15を介して見た場合に、視覚的に知覚することが可能である方向マークとして、前記十字線の代わりに、グリッドまたはレチクルスケールのような他の幾何学模様も使用され得る。
【0031】
地上点に関してタキメーター1を定位させる目的のために、地上点が方向マークに関して所望の位置に位置するまで、このタキメーター1はその三脚と共に変位させられる。異なる構成の測地計器においては、反対に、地面において所望の地上点をマークすることが可能であるが、測地計器の位置は周囲の付加的な地点に関して正確に決定されなければならない。
【0032】
光学式観測装置10に対して同軸上に配置されたレーザー装置11は、スリーブ9の長手軸線上に配置されたレーザーダイオード16を備える。該レーザーダイオード16は、作動電圧を供給するために、スリーブ9の終端に配置されたレーザーダイオード16のプリント回路基板17に接続される。レーザー装置11はレーザービームLのための投射目標18をさらに備える。
【0033】
レーザービームLおよび目標ビームBは、この場合には後視プリズム(ruecksichtigen Prismas)19の形態に構成された光学的整合要素12に入射する。このプリズム19は、各々が目標軸線Zに対して45°の角度で傾斜している2つの反射面を有している。第1の反射面が光学式観測装置10に面しており、対向して位置する第2の反射面はレーザー装置11に面しており、これら2つの反射面はともに90°の角度をなす。
【0034】
反射面は、目標ビームBおよびレーザービームLを目標軸線Zと平行なビーム経路に偏向させる。第1の終端位置では、スリーブ9の長手軸線方向への変位によって、目標ビームBを目標軸線Zに対して整合させることが可能である。この状態は図1に示される。
【0035】
一方、図1に示されるように、スリーブ9を右に変位させると達する第2の終端位置において、レーザービームLを目標軸線Zへ整合させることが可能である。この目的のために、スリーブ9と軸受スリーブの5は適切な光路開口部26を有している。
【0036】
これは、スリーブを軸線方向に変位させることにより、光学式鉛直器作動モードとレーザー鉛直器作動モードとを切り替えることを可能にする。この目的のためには、スリーブ9を所望位置へ引っ張るだけでよい。さらに、プリズム19がレーザービームLを目標軸線Zに対して整合させるための位置に位置する場合に限り、作動電圧がレーザーダイオード16に印加されるように、レーザー装置11の起動・停止を軸受スリーブ5内のスリーブ9の位置と連携させることが可能である。
【0037】
プリズム19の上述した2つの位置を制御し易くするために、スリーブ9と軸受スリーブ5との間に適切な軸線方向の止め具が設けられ、その結果、スリーブ9を手動で変位させることにより、2つの切り替え位置を簡単かつ確実に調整することが可能である。
【0038】
本実施形態において、この目的のために、スリーブ9の外側にストップピン20が設けられ、このストップピン20は軸受スリーブ5に形成された長手方向の溝21内に案内される。ストップピン20の幅または直径と、長手方向の溝21の幅とが、対応するように互いに適合している場合、ストップピン20は同時に、軸受スリーブ5に対するスリーブ9の回転を防止する役目を果たし得る。ストップピン20の軸線方向の位置を再調整するために、支持部2上のストップピン20の変位経路の領域に開口部22が設けられる。開口部22は、タキメーター1の通常作動中にはロック(図示せず)によって被覆されている。
【0039】
図2は、本考案による、地上点に関する測地計器の鉛直設定のための装置の別の実施形態を示している。この場合も、測地計器はタキメーター1である。
装置は、同様に光学式観測装置10およびレーザー装置11を備え、それらのビームBおよびビームLは、第1の実施形態とは対照的に、静止している光学的整合要素12によって、地上点に対して定位されることになっている目標軸線Zに対して同時に整合される。光学的整合要素12は、所定の方法で、測地計器またはタキメーター1に定位されている。
【0040】
この目的のために、光学的整合要素12は、レーザー光は反射するが、可視域の光は透過させる、光学的選択性被膜24を備えた分割立方体23として形成される。
【0041】
図2から分かるように、目標ビームBおよびレーザービームLは、目標軸線Zに直交して配置され、接眼鏡15を備えた光学式観測装置10はレーザー装置11の上方に配置される。分割立方体23上に目標ビームBを偏向させるために、光学式観測装置10は、目標軸線Zの延長上に配置される光学偏向要素25を備える。光学偏向要素25は、例えば、偏向鏡またはプリズムとして構成され得る。
【0042】
図3に第3の実施形態として概略的に示される別の実施形態においては、分割立方体23は目標軸線Zと目標ビームBとの交差領域に位置する。レーザービームLは、分割立方体23によって、目標軸線Zの延長方向から整合させられる。
この目的のために、レーザー装置は、そのレーザーダイオード16とともに目標軸線Zに対して同軸上に配置され得る。
【0043】
しかしながら、目標軸線Zに直交する軸線上にレーザーダイオード16を配置して、図2の目標ビームBに対応するレーザービームLを分割立方体23上に偏向させることも可能である。しかしながら、第3の実施形態において、分割立方体23の選択性被膜24は、被膜24を通過するレーザー光には影響しないが、可視域の光は目標軸線Zから目標ビームBの方向に反射されるように形成される。
【0044】
静止光学的整合要素12を使用する場合、第2および第3の実施形態において示したように、光学式観測装置10及びレーザー装置11は互いに関して比較的自由に空間的に配置されることが可能である。図2に示されるタキメーター1において、例えば、光学式観測装置10はタキメーター1の支持部2に位置するが、レーザー装置11は、例えば、スタンドすなわち三脚として構成され得る基部(図示せず)の一部に配置される。しかしながら、光学式観測装置10を前記基部内に配置し、レーザー装置11を支持部2内に配置するか、または2つの構成要素群をともに支持部2の内部または基部の内部に配置することも可能である。
【0045】
図2及び図3に示された装置は、明るさ条件によって、光学式鉛直器またはレーザー鉛直器として使用することが可能である。さらに、レーザー装置11によって目標平面内に生成された光点を観測装置10によって観測することが可能であり、その結果、非常に正確な方法で光点と地上点との整合を監視し得る。
【0046】
さらに、これらの場合においては、光点も方向マークとして使用することが可能である。その結果、簡略化された構造上の別例において、別な方法では好ましくは光学式鉛直器作動モード用の目標ビームBまたは目標軸線Zに対して整合させられるだろう方向マークが不要となり得る。
【0047】
【考案の効果】
本考案によれば、周囲の明るさ条件に依存することなく、地上点に対して測地計器の正確な定位を可能にする。また、測地計器はその小型な寸法を維持するとともに、より強力なレーザーの使用を回避することが可能であるといった優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 地上点に関する測地計器の鉛直設定のための装置における第1の実施形態を示す部分断面図。
【図2】 地上点に関する測地計器の鉛直設定のための装置の第2の実施形態を示す部分断面図。
【図3】 目標ビーム、レーザービームおよび目標軸線に関して、光学式観測装置、レーザー装置および光学的整合要素のみを示した第3の実施形態の概略図。
【符号の説明】
B…目標ビーム、L…レーザービーム、Z…光学的目標軸線、10…光学式観測装置、11…レーザー装置、12…光学的整合要素。

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 地上点に関して測地計器を鉛直に定位するための装置であって、目標ビーム(B)によって地上点を視覚的に照準するための光学式観測装置(10)と、レーザービーム(L)を生成するためのレーザー装置(11)と、それによってレーザービーム(L)と目標ビーム(B)とが、地上点に鉛直に突き当たる光学的目標軸線(Z)に対して光学的に整合される光学的整合要素(12)とからなる装置。
【請求項2】 光学的整合要素(12)は、目標ビーム(B)が目標軸線(Z)に対して光学的に整合させられる第1の位置と、レーザービーム(L)が目標軸線(Z)に対して光学的に整合させられる第2の位置との間で切り替え可能であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】 光学的整合要素(12)は、目標ビーム(B)を目標軸線(Z)に光学的に整合させるための第1の反射面と、レーザービーム(L)を目標軸線(Z)に光学的に整合させるための第2の反射面とを有するプリズム(19)であることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】 観測装置(10)およびレーザー装置(11)はともにスリーブ(9)内に配置され、スリーブ(9)は観測装置(10)とレーザー装置(11)との間に配置されたプリズム(19)を備え、スリーブ(9)はその長手軸線に沿って移動可能であり、かつその調節路の2つの終端位置において目標軸線(Z)に関して確実に定位されることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】 目標ビーム(B)およびレーザービーム(L)は、スリーブ(9)の長手軸線方向に指向させられ、目標軸線(Z)はスリーブ(9)の長手軸線に対して90°をなすことを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】 光学的整合要素(12)は、回転軸線に関して回転可能であり、かつ、目標ビーム(B)またはレーザービーム(L)のいずれかを目標軸線(Z)に第1の調節角度で結合させ、他方の各ビームを目標軸線(Z)に第2の調節角度で指向させる鏡であることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項7】 光学的整合要素(12)は、測地計器に関して静止するように定位され、かつ光学的選択性被膜(24)を有する光学偏向要素であり、被膜(24)が、傾斜した入射角で入射する可視域の日光は透過させるが、この入射角で入射するレーザーは反射させるか、または、傾斜した入射角で入射する可視域の光は反射させるが、入射レーザー光は透過させることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】 目標ビーム(B)および目標軸線(Z)は互いに直交するように配置されることを特徴とする請求項6または7に記載の装置。
【請求項9】 レーザービーム(L)および目標軸線(Z)が互いに直交するように配置されることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】 地上点に定位されることになっている十字線マークが目標ビーム(B)上に配置されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の装置。

【図3】
image rotate


【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【登録番号】実用新案登録第3084531号(U3084531)
【登録日】平成13年12月26日(2001.12.26)
【発行日】平成14年3月29日(2002.3.29)
【考案の名称】測地計器の鉛直設定のための装置
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願2001−5877(U2001−5877)
【出願日】平成13年9月5日(2001.9.5)
【出願人】(301033422)ツェットエスペー ゲオデーティッシェ ジステーメ ゲーエムベーハー (1)
【氏名又は名称原語表記】ZSP GEODAETISCHE SYSTEME GmbH