説明

測定ユニットと搬送システム

【課題】測定ユニットとの通信手段を欠く搬送装置で測定ユニットを搬送して環境データを測定しても、測定データにユニットの状態データを付加できるようにする。また、無線LANなどの測定ユニットが利用できる通信経路が無い場合でも、測定ユニットから測定データを取り出せるようにする。
【解決手段】環境センサを搭載し、かつ搬送装置で搬送自在な測定ユニットであって、環境センサからの測定データを、測定ユニットの状態と紐付け自在に記憶するようにした測定ユニットにある。紐付けは、例えば測定データと、搬送装置などから得られる測定ユニットの状態データとを、時刻データなどで紐付け、紐付けの手法自体は任意である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は環境データを測定するための測定ユニット及び搬送システムに関し、特に周囲の環境、即ちユニットが置かれた状態が不明なまま測定ユニットが測定したデータを、解析できるようにすることに関する。
【背景技術】
【0002】
発明者は、パーティクルセンサ及び振動センサ等を搭載した測定ユニットを、スタッカークレーンなどの搬送装置で搬送することにより、搬送中及び棚などに保管中の環境データを取得することを提案した(特許文献1:JP4186123B)。特許文献1では、ユニットはスタッカークレーンなどの搬送装置へ測定データを出力し、搬送装置側で測定データにユニットの状態などのデータを付加して、システムコントローラへ出力する。しかしユニットとの通信装置を備えていない搬送装置では、ユニットは搬送中か保管中かなどの状態が分からないので、これらのデータを付加できない。従って地上側で測定データを解析できない。このため測定ユニットとの通信手段を備えていない搬送装置では、測定ユニットを用いた環境測定が行えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】JP4186123B
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明の課題は、測定ユニットとの通信手段を欠く搬送装置で測定ユニットを搬送して環境データを測定しても、測定データにユニットの状態データを付加できるようにすることにある。
この発明での追加の課題は、無線LANなどの測定ユニットが利用できる通信経路が無い場合でも、測定ユニットから測定データを取り出せるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、環境センサを搭載し、かつ搬送装置で搬送自在な測定ユニットであって、環境センサからの測定データを、測定ユニットの状態と紐付け自在に記憶するようにした測定ユニットにある。紐付けは、例えば測定データと、搬送装置などから得られる測定ユニットの状態データとを、時刻データなどで紐付け、紐付けの手法自体は任意である。
【0006】
この発明の測定ユニットでは、測定ユニットの状態データを測定データと紐付けることができるので、測定データ自体にユニットの状態データを含める必要が無い。従って搬送装置との通信ができない状況で測定したデータでも、搬送装置の動作などからどのような状態で測定したデータであるかを後で解析できる。
【0007】
好ましくは測定ユニットに、前記測定データを書き込むための着脱自在な電子記憶媒体、例えばUSBメモリ、コンパクトフラッシュ(登録商標)メモリなどと、これらの記憶媒体への書き込み端末とを設ける。このようにすると、電子記憶媒体を介して測定データをコントローラへ入力でき、測定ユニットとコントローラとを接続する無線LANなどが無い搬送システムでも、測定ユニットのデータの解析ができる。
【0008】
また好ましくは測定ユニットに、タイマと、タイマの時刻データを校正するための時刻信号の受信手段とを設けて、前記測定データを時刻データと共に記憶することにより、測定ユニットの状態と紐付け可能にする。このようにすると、校正済みのタイマからの時刻データを用いて、測定ユニットの状態データと簡単に紐付けることができる。
【0009】
またこの発明は、搬送装置と、環境センサを搭載し、搬送装置で搬送自在で、かつ環境センサからの測定データを時刻データと共に記憶する測定ユニットと、搬送装置で搬送する測定ユニットの状態データを時刻データと共に記憶し、かつ測定データと前記状態データとを時刻データにより紐付けるコントローラとを備えた搬送システムにある。
【0010】
この発明の搬送システムでは、搬送装置により測定ユニットを搬送し、測定データを時刻データと共にコントローラへ入力する。また搬送装置の状態データを時刻データと共に記憶し、時刻データにより、測定データと状態データとを紐付ける。このため測定ユニットと搬送装置との通信無しで、測定データを測定ユニットの状態と対応させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例の測定ユニットのブロック図
【図2】実施例の測定ユニットを収納したカセットの正面図
【図3】環境データを取得する搬送システムの例を示す図
【図4】実施例の解析用コンピュータのブロック図
【図5】実施例の測定ユニットでの処理を示す図
【図6】実施例の搬送装置での処理を示す図
【図7】実施例の解析用コンピュータでの処理を示す図
【図8】実施例での、測定データと測定ユニットの位置及び状態の紐付けを模式的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明を実施するための最適実施例を示す。
【実施例】
【0013】
図1〜図8に、実施例を示す。図1に測定ユニット2を示し、4は通信部で、アンテナ5を介して後述の無線LANを介して無線通信する。6はCPU(Central Processing Unit)で、測定ユニット2内のデータ処理を行い、7はUSBインターフェースで、USBメモリ8からの読み出しと書き込みとを行う。USBメモリ8に測定ユニット2で測定した測定データと時刻データとを書き込み、これ以外にUSBメモリ8から測定指令を読み出しても良い。ここで測定指令は、測定を行う時間範囲と測定データの種類、例えば全ての環境センサを用いて測定するか、指定した環境センサのみを用いるかと、その場合どのセンサを用いるか、及び測定データをUSBメモリ8に書き込む時間間隔からなっている。このように測定指令は、測定条件の指定でもある。なお無線LANを利用できる環境では、出力データをUSBメモリ8に書き込む代わりに、アンテナ5から無線LANに出力しても良く、また測定指令をアンテナ5から受信し、あるいはユーザインターフェース15から入力しても良い。9は電源装置で、バッテリーパック10からの電力により、測定ユニット2の各部を駆動し、11はタイマで、アンテナ5から取得したタイムスタンプデータで時刻を校正すると共に、その後の経過時間をカウントすることにより各時点での時刻を求め、測定データと共にUSBメモリ8もしくはアンテナ5へ出力する。12はIDタグで、バーコードラベルあるいはRFタグなどである。
【0014】
15はユーザインターフェースで、例えばタッチパネル、あるいはLEDと入力用のスイッチとの組み合わせなどから成り、測定開始と測定するデータ項目及び測定終了を入力し、あるいはこれらに加えて測定指令などを入力する。またユーザインターフェース15は、測定ユニット2が測定中か待機中か、及びバッテリーパック10の残量などを表示する。パーティクルカウンタ16は、測定ユニット2内を通過する気流中のパーティクルの数をカウントすることにより、パーティクルの密度を求め、振動センサ17は加速度センサで構成され、測定ユニット2が受ける振動を検出する。ローパスフィルタ18は、振動センサ17から低周波信号を取り出し、振動センサ17の低周波信号は測定ユニット2が搬送される際に受ける加速度に対応するので、測定ユニット2が静止中か搬送中かを判別できる。
【0015】
マイクロフォン19は周囲の騒音などを検出し、振動センサ17で検出した振動を解析する際に、周囲に高周波の騒音がある、突発的な強い騒音がある、低周波の騒音がある、騒音がない、などの補助データを提供して、振動の原因を解析しやすくする。風速気温センサ20は、測定ユニット2内を通過する気流の風速及び気温を検出し、風速は好ましくは風速の絶対値と向きからなるデータで、例えばクリーンルーム内のクリーンエアの風速と分布とを測定する。また測定ユニット2を棚などに配置した状態で、風速気温センサ20は測定ユニットの周囲を搬送装置が通過する際の、走行風の速度と向きとを測定する。なおパーティクルカウンタ16〜風速気温センサ20はそれ自体としては公知で、また測定ユニット2に搭載するセンサの種類は任意である。
【0016】
図2は測定ユニット2を収納したカセット22を示す。カセット22は例えばFPD(フラットパネルディスプレイ)搬送用のカセットであるが、半導体基板の搬送用のFOUPを骨格のみのスケルトン状にして6面とも通風自在にしたカセットなどでも良い。なお測定ユニット2を、カセットではなく、バケット,パレットなどの搬送システムで用いるキャリアに搭載しても良い。カセット22はスケルトン状の骨格で構成され、周囲6面を気流が通過自在である。そして例えばカセット22の正面から、ユーザはバッテリーパック10の交換、USBメモリ8の着脱、ユーザインターフェース15の操作、などができる。またカセット22は図3の天井走行車、無人搬送車、コンベヤ及びスタッカークレーンなどで搬送できる。
【0017】
図3に環境データの測定対象となる搬送システムのレイアウトの一例を示す。30は天井走行車システムで、クリーンルーム内の天井付近に沿って設けた走行レールに沿って、複数台の天井走行車31を周回走行させる。32はストッカで、例えば左右一対の棚34,34の間をスタッカークレーン33が走行し、カセット22を出し入れする。ストッカ32は、作業者が手押車(MGV:Manual Guided Vehicle)でカセット22を出し入れするための、MGVポート36を備えている。作業者はMGVポート36において、測定ユニット2のバッテリーの交換、USBメモリの着脱、ユーザインターフェース15の操作などを行う。なおMGVポート36に、無線LANの地上局としてのアンテナ38及びUSBインターフェース40を設けて、測定ユニット2と無線通信すると共に、USBメモリ8の読み出しと書き込みとを行うようにしても良い。
【0018】
42はコンベヤ、44は地上を走行する無人搬送車、45はFPDなどの処理装置で、例えばロードポート46を介して天井走行車システム30との間でカセットの受け渡しなどを行い、47はバッファでカセットを一時保管する。
【0019】
搬送システムのコントローラについて説明すると、48はストッカコントローラで、ストッカ32内の在庫管理と、スタッカークレーン33の制御、及びMGVポート36への測定ユニットを収納したカセット及び他のカセットの搬出入を管理する。50はコンベヤコントローラで、コンベヤ42を管理し、無人搬送車コントローラ52は無人搬送車44を管理し、天井走行車コントローラ54は天井走行車システム30とバッファ47上のカセットとを管理する。コントローラ48〜54は、搬送システム全体のコントローラであるシステムコントローラ56により管理されている。解析用コンピュータ62は、測定ユニット2から得られた時刻データ付きの測定データと、コントローラ48〜56から得られた測定ユニット2の時刻付きの位置及び状態のデータとを照合(紐付け)し、測定データに対し測定ユニット2の位置及び状態のデータを付加する。例えば棚に保管中の場合は、位置は棚アドレスで指定され、状態は保管中で、また天井走行車31で搬送中の場合は、状態は荷積み中、搬送中、荷下ろし中などであり、位置は搬送過程での測定ユニット2の位置である。
【0020】
解析用コンピュータ62はコントローラ48〜56からのデータを用いて、測定ユニット2からのデータにユニットの位置と状態のデータを付加し、付加したデータにより搬送システムの環境を解析する。環境の解析対象はクリーン度(パーティクル密度)、気流の向きと速さ(風速)、搬送中の振動の程度、気温などで、測定位置は搬送装置上と棚34中、バッファ49上、ロードポート46上などの任意の位置である。システムコントローラ56のタイムサーバ58は搬送システム全体の基準時刻となるタイムスタンプデータを発生させる。そしてコントローラ48〜56及び解析用コンピュータ62はLAN60に例えばハブ61を介して接続され、スタッカークレーン33,天井走行車31などの搬送装置は各々のコントローラからタイムスタンプデータを受信する。なおLAN60以外に、搬送システムの各部に無線LANの地上局を設けて、任意の位置でコントローラ48〜56のいずれかと無線通信可能にしても良い。
【0021】
図4に解析用コンピュータ62の構成を示し、64は照合解析部で測定ユニット2のUSBメモリ8からの時刻付きの測定データとコントローラ48〜56からの時刻データ付きの位置と状態のデータとを紐付けて、測定データに位置と状態のデータを付加する。LANインターフェース65は地上側のLANとのインターフェースで、コントローラ48〜56から測定ユニットを収納したカセットの時刻付きの位置及び状態のデータと、システムコントローラ56からのタイムスタンプデータを受信するため等に用いる。USBインターフェース66は測定ユニットから取り出したUSBメモリからの読み出し、あるいは読み出しと書き込みとを行う。ユーザインターフェース67は、USBメモリへ測定指令を入力するなどの操作を行う。
【0022】
図5に測定ユニット2での処理を示し、MGVポート36にユニット2を、作業者がマニュアルであるいはスタッカークレーンなどにより自動的にセットする。作業者はバッテリーパック10の交換やスタート入力などの処理を行い、測定ユニット2は無線LANを介して時刻データ(タイムスタンプ)を取得し、これに基づいてタイマを時刻合わせする。
【0023】
測定を開始すると、測定ユニット2は例えば所定の時間間隔で指定された測定データを取得し、時刻データと共にUSBメモリ8に書き込み、あるいは無線LANなどへ出力する。ここで振動センサ17の出力をローパスフィルタ18で処理し、例えば1秒以上持続する加速度を検出すると、搬送中であることが分かり、所定時間以上持続時間の長い加速度を検出しないと、静止中であることが分かる。これは測定ユニット2を搬送する場合、昇降や走行、移載などにより、例えば1秒以上持続する加速度が加わるためである。そこで搬送中の場合、例えば測定間隔を1秒毎、5秒毎などに短縮し、静止中の場合、測定間隔を例えば10秒毎、1分毎などに延長し、測定項目から振動を除外するなどのように測定項目を変更する。測定ユニット2のタイマはタイムスタンプデータで時刻合わせされており、USBインターフェース7は時刻データと共に測定データをUSBメモリ8に書き込む。このためUSBメモリ8のデータは、図5の右側に示すように、時刻と測定データとから成るレコードの配列となる。
【0024】
測定を終了する場合、搬送装置はMGVポート36へ測定ユニットを移載し、例えば作業者が測定終了を入力した、USBメモリ8に書き込まれた測定終了時刻に達した、あるいはバッテリーロウを検出したなどにより、測定を終了する。作業者はUSBメモリ8を測定ユニット2から取り外し、解析用コンピュータ62のUSBインターフェース66にセットして、USBメモリ8からデータを読み出す。なお任意の位置で無線LANが利用できる場合等には、測定データをUSBメモリ8ではなく無線LANで出力しても良い。
【0025】
図6に搬送装置側での処理を示し、搬送装置は測定ユニット2のIDを読み取り、読み取ったIDをその搬送装置を管理するコントローラ(該当コントローラ)へ報告(送信)し、該当コントローラは測定ユニットに関する搬送指令を実行するように搬送装置を制御する。測定ユニット2を搬送する間、搬送装置側で生じたイベントと位置、例えば荷積みの開始と荷積みの終了及び荷積みステーションなどのID、走行の開始と終了及び走行中の位置、荷下ろし開始と荷下ろし終了及び荷下ろしステーションなどのID、等のデータに各々の時刻を付加して、搬送装置は該当コントローラへ報告し、該当コントローラが記憶する。位置とイベントの記憶は、コントローラ48〜54が搬送装置を制御するために、従来から実行されているものである。測定ユニット2の搬送を終了すると、棚34、MGVポート36、あるいは次の搬送装置との受け渡し用のステーション、などに測定ユニット2を荷下ろしし、荷下ろしした位置と最後のイベント(荷下ろし)及びその時刻を該当コントローラは記憶する。
【0026】
図7に解析用コンピュータ62側の処理を示す。解析用コンピュータ62の照合解析部64では、測定ユニット2からのデータと搬送装置からのデータとを、時刻データをキーとして照合する。即ちいずれのデータにも時刻データが付加され、これらのデータはタイムスタンプにより時刻合わせがされているので、測定データが得られた際の測定ユニット2の位置及び状態を推定できる。そこで測定ユニット2からのデータにユニット2の位置と状態とを付加し、これに基づいて測定データを解析する。実施例では測定ユニット2の位置と状態を測定データに紐付けるが、最小限、荷積中、搬送中、荷下中、保管中などの状態を紐付ければよい。
【0027】
図8に測定データと搬送装置からのデータの照合例を示し、横軸は時刻で、図8の横軸の刻み毎に測定データが得られているものとする。測定データは多種類のデータであるが、そのうちの1種類のデータを図8に示し、搬送装置からはイベントの開始時刻と終了時刻及びイベントが生じた位置が時刻と共に報告され、測定データとイベントとを時刻データをキーに照合することにより、図8の下側のように、各時刻での測定ユニットの位置及び状態を決定できる。ここで測定データが得られた時刻での、搬送装置の位置(測定ユニット2の位置)と状態とは不明で、その前後の時刻での位置が分かる場合、前後の位置を補間することにより測定ユニット2の位置を推定できる。また一般に搬送装置は状態が変化したことをイベントとして報告するので、前後の時刻での状態が異なる場合、前側の時刻での状態が測定ユニット2の状態である。
【0028】
実施例の動作を示す。測定ユニット2をMGVポート36などにセットし、ユーザインターフェース15などから測定スタートを入力すると測定ユニット2は測定を開始し、時刻データと測定データとを記憶する。そして所定時間以上続く加速度信号から搬送に伴う加速度の有無を検出し、これに伴って測定間隔を変更する。搬送装置は該当コントローラからの指令に従って測定ユニット2を搭載し、測定ユニット2のIDを読み取り、該当コントローラ側へ報告することにより、搬送指令を受信する。これによって、環境データを測定する必要がある経路に沿って、測定ユニット2を搬送することができる。搬送装置は、搬送指令に従って測定ユニット2を搬送し、この間イベントの発生及び終了時刻と内容、及び走行中の位置を搬送装置のコントローラへ報告する。解析用コンピュータ62は搬送装置のコントローラ48〜54あるいはシステムコントローラ56から搬送装置の位置と状態のデータを時刻データと共に受信し、照合解析部64により測定ユニット2のUSBメモリ8からの時刻付きの測定データと照合し、環境データを解析する。
【0029】
一般に測定ユニット2は搬送装置と直接通信できないので、測定ユニット2の位置及び状態は測定ユニット2にとって不明である。この発明では、搬送装置と測定ユニットとが時刻合わせした時刻データを共有し、システムコントローラでこれらの時刻データをキーに、測定ユニット2の位置と状態を測定データに追付加することにより、測定データの解析が可能になる。このため測定ユニット2との通信ができない搬送装置を用いた既存の搬送システムに対しても、環境データを容易に測定できる。
【0030】
実施例では既存の搬送システムに対しても、例えば解析コンピュータ62を追加することで、測定ユニット2による環境測定ができる。なおMGVポート36などでは、測定ユニット2との接続用のコネクタを設けて、タイムスタンプデータを無線通信ではなく有線通信で供給しても良い。実施例ではクリーンルーム内のクリーン度と振動、風速、気温などを測定したが、これに代えて化学工場でのガス濃度及び気温などを測定しても良い。

【符号の説明】
【0031】
2 測定ユニット
4 通信部
5,38 アンテナ
6 CPU
7,40 USBインターフェース
8 USBメモリ
9 電源装置
10 バッテリーパック
11 タイマ
12 IDタグ
15 ユーザインターフェース
16 パーティクルカウンタ
17 振動センサ
18 ローパスフィルタ
19 マイクロフォン
20 風速気温センサ
22 カセット
24 フランジ
30 天井走行車システム
31 天井走行車
32 ストッカ
33 スタッカークレーン
34 棚
36 MGVポート(手押車用ポート)
42 コンベヤ
44 無人搬送車
45 処理装置
46 ロードポート
47 バッファ
48 ストッカコントローラ
50 コンベヤコントローラ
52 無人搬送車コントローラ
54 天井走行車コントローラ
56 システムコントローラ
58 タイムサーバ
60 LAN
61 ハブ
62 解析用コンピュータ
64 照合解析部
65 LANインターフェース
66 USBインターフェース
67 ユーザインターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境センサを搭載し、かつ搬送装置で搬送自在な測定ユニットであって、 環境センサからの測定データを、測定ユニットの状態と紐付け自在に記憶するようにした測定ユニット。
【請求項2】
前記測定データを書き込むための着脱自在な電子記憶媒体と、該記憶媒体への書き込み端末とを設けたことを特徴とする、請求項1の測定ユニット。
【請求項3】
タイマと、タイマの時刻データを校正するための時刻信号の受信手段とを設けて、前記測定データを時刻データと共に記憶することにより、測定ユニットの状態と紐付け可能にしたことを特徴とする、請求項1または2の測定ユニット。
【請求項4】
搬送装置と、
環境センサを搭載し、搬送装置で搬送自在で、かつ環境センサからの測定データを時刻データと共に記憶する測定ユニットと、
搬送装置で搬送する測定ユニットの状態データを時刻データと共に記憶し、かつ測定データと前記状態データとを時刻データにより紐付けるコントローラとを備えた搬送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−256170(P2010−256170A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−106585(P2009−106585)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】