測量装置を使用して測量データを供給する方法
【課題】迅速に且つ快適に測量データを供給する測量装置を提供する。
【解決手段】測量装置は、水平及び垂直軸周りに回転し且つ結像光学系及び光学的検知器要素からなるアレイを具備している望遠鏡ユニットを有し、更に、望遠鏡ユニットのオリエンテーション信号を発生するオリエンテーションセンサー及び測量すべきオブジェクトとの間の距離信号を発生する測定ユニットを有する。処理ユニットは、命令及び各光学的検知器要素の位置を視準方向と関連付けるキャリブレーションデータを格納するメモリとプロセッサを有する。プロセッサは、測量すべきターゲット領域データを得、投影表面データを得、ターゲット領域の少なくとも一部の二次元画像を表わす光学的検知器アレイにより発生された1組のピクセルデータを採取し、キャリブレーションデータを使用して画像の投影表面への投影を表わす1組の投影された画像データへ変換し測量データとしてメモリに格納する。
【解決手段】測量装置は、水平及び垂直軸周りに回転し且つ結像光学系及び光学的検知器要素からなるアレイを具備している望遠鏡ユニットを有し、更に、望遠鏡ユニットのオリエンテーション信号を発生するオリエンテーションセンサー及び測量すべきオブジェクトとの間の距離信号を発生する測定ユニットを有する。処理ユニットは、命令及び各光学的検知器要素の位置を視準方向と関連付けるキャリブレーションデータを格納するメモリとプロセッサを有する。プロセッサは、測量すべきターゲット領域データを得、投影表面データを得、ターゲット領域の少なくとも一部の二次元画像を表わす光学的検知器アレイにより発生された1組のピクセルデータを採取し、キャリブレーションデータを使用して画像の投影表面への投影を表わす1組の投影された画像データへ変換し測量データとしてメモリに格納する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は測量装置を使用して測量データを供給する方法、該方法を実施する手段及び対応する測量装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
測量は、しばしば、例えば地形におけるリフレクタ(トリプルリフレクタ)又はターゲット等の点の位置又は角度の決定を包含する。これらの角度又は位置はテオドライト又はタキオメーター等の測量装置を使用して測定することが可能である。
【0003】
空間内の位置は適宜の座標系における座標により定義することが可能である。例えば、1つの点の位置はそのカーテシアン座標により定義することが可能であり、該カーテシアン座標は互いに直交する3つの軸を有するカーテシアン座標系に関して定義される。然しながら、位置を測定する場合には、球座標がより適切である。図1に示したように、点Pの位置は、直交座標系の原点に対するその距離d、該座標系の水平軸のうちの1つと該座標系の原点とその水平面上への点Pの投影とを接続する線との間の角度α、及び最後に該水平面に直交する座標系軸と該座標系の原点と該点とを接続する線との間の垂直角度θによって球座標で定義することが可能である。当該技術において良く知られているように、カーテシアン座標は球座標へ変換することが可能であり且つその逆も又は真である。
【0004】
タキメーター又はトータルステーションとしても知られているテオドライト又はタキオメーター等の測量装置は、球座標を利用している。図1に模式的に示したように、既知のテオドライト又はタキオメーターは望遠鏡1を有しており、それはテオドライト又はタキオメーターのベース要素3へ固定されている垂直軸2周りに回転可能であり且つ垂直軸2周りの望遠鏡1の回転と共に回転され水平軸とも呼ばれるチルト用軸4周りに回転可能である。垂直軸2周りの回転角度及びチルト用軸周りのチルト角度は対応する水平円5及び垂直円6から読取ることが可能である。
【0005】
図1に示したような理想的なタキオメーターにおいては、チルト用軸4は垂直軸2に対して直交しており且つ両方の軸は1つの点で交差する。更に、視準用軸又は視準軸とも呼ばれる望遠鏡1の視準線7はチルト用軸4に対して直交しており且つ更にチルト用軸4と垂直軸2との交点を通過する。
【0006】
1つの点の位置を測定するために、理想的には、垂直軸2が完全に垂直である、即ちそれが重力の方向に向いているようにタキオメーターを配向させる。次いで、垂直軸2に直交する面によって球座標系を定義することが可能であり、その原点はチルト用軸4と垂直軸2との交点である。水平円5によって該座標系の1つの軸を定義することが可能であり、それはベース要素3に関して固定されている。上述した角度α及びθを測定するために、望遠鏡1の視準用軸7が垂直軸2周りに望遠鏡1を回転させ且つチルト用軸4周りに望遠鏡1をチルトさせることにより測定されるべき点に対して方向付けされる。角度αは該水平円から読取ることが可能であり且つ角度θは垂直円6から読取ることが可能である。該装置からのターゲット点の距離を測定するために、タキオメーターは距離測定ユニットを有しており、それは該装置から視準されたターゲット点の距離の測定を行うことを可能とする。該装置からの該点の距離を知ることにより、該カーテシアン座標を容易に得ることが可能である。
【0007】
ビデオタキオメーターは、例えば、望遠鏡全体を置き換えるか又は望遠鏡の接眼レンズのみを置き換えるか又は望遠鏡に加えて設けることが可能なカメラを有しているという点において従来のタキオメーターと異なっている。図2に模式的に示したように、カメラ8は光学系9及びイメージセンサー10を有している。光学系9は1つの場面における点の画像をイメージセンサー10上に形成する。従って、測定されるべき点Pはイメージセンサー10上の或る位置P´の上に結像される。イメージセンサー10はその上に形成される画像に応答して夫々の検知信号を発生する光検知器要素10′からなるアレイを有している。
【0008】
ターゲット領域を測量するために既知のタキオメーター又はビデオタキオメーターが使用される場合には、そのターゲット領域に関しての測量データを得るために望遠鏡ユニットを該ターゲット領域内の興味のある全ての点に対して別々に向け直すことが必要である。従って、ターゲット領域、特にターゲット領域における与えられたオブジェクトの測量は著しく時間のかかるものである場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
測量データを供給する従来の方法及び従来の測量装置をより迅速に且つ快適に測量データを与えるために更に改善することが可能であることが判明した。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上述した問題点を考慮して為されたものである。
【0011】
本発明の実施例はより迅速に且つ快適に測量データを提供する測量装置を提供している。更に、本発明の実施例は、向上された精度で簡単な態様でパノラマ画像を与える測量装置を提供している。
【0012】
更に、本発明の実施例は、より迅速に且つ快適に測量データを供給する測量装置を使用して測量データを供給する方法を提供している。本発明の更なる実施例は、向上された精度で簡単な態様でパノラマ画像を提供する方法を提供している。
【0013】
本発明の1実施例によれば、距離測定ユニットの測定方法に沿って測量されるべきオブジェクトと距離測定ユニットとの間の距離を表わす距離データを発生し、水平軸及び垂直軸周りに回転すべく装着されている距離測定ユニットと、該水平軸及び垂直軸周りの該距離測定ユニットのオリエンテーション即ち配向を表わすオリエンテーションデータを生成するオリエンテーションセンサー、該オブジェクトの二次元画像に関する画像データを発生し該距離測定ユニットに関して定義された空間関係を有している望遠鏡ユニットと、処理ユニットとを有している。前記処理ユニットは、画像データを生成するために該望遠鏡ユニットを制御し、該オブジェクトにおける少なくとも3つの異なるロケーションに対する距離データであって対応するオリエンテーションデータと共に該処理ユニットによって受取られる距離データを生成するために該距離測定ユニットを制御し、該オブジェクトにおける該少なくとも3つの異なるロケーションと関連するオリエンテーションデータ及び距離データにより定義される表面を表わす表面データを得、且つ該画像データを該表面データに基づいて該表面に対して該画像の投影を表わす投影された画像データへ変換させる形態とされている。
【0014】
従って、これらの実施例においては、本測量装置は、該オブジェクトにおける少なくとも3つのロケーションの位置及び距離の測定により画像データが投影される表面を決定する。これらのロケーションの位置は該距離測定ユニットのオリエンテーションに基づいて計算される。
【0015】
本特許出願に関して、強調されるべきことは、「投影(projection)」という用語はグラフィック又は物理的な投影へ制限されるべきものではなく「変換(transformation)」として理解されるべきことである。更に、該距離測定ユニットの測定方向は、例えば、望遠鏡ユニットの光学的検知器の光軸又は中心軸に対応することが可能である。
【0016】
例示的実施例によれば、本装置は、更に、該オブジェクトの二次元画像内の該オブジェクトにおける異なるロケーションのユーザ選択に対するインターフェースを有している。代替的に、本装置は、例えば三面体を記述するために該オブジェクトにおける異なるロケーションを予め定義する場合がある。
【0017】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、更に、測量データとして、該表面の距離に関する情報と共に、少なくとも投影された画像データを受信装置へ格納及び送信の少なくとも1つに対する形態とされている。該表面の形状及び/又はオリエンテーション等の付加的な情報も例えば該処理ユニットにより格納及び送信される場合がある。
【0018】
例示的実施例によれば、該表面は面、球、円筒のうちの1つである。例えば三次元空間内において1つの面のロケーション及びオリエンテーションを完全に定義するためには3つのロケーションの測定で充分であることは自明である。1つの面を定義するために3つを超えるロケーションの測定が実施される場合には、その面の定義の精度は既知の補正方法により増加される場合がある。4つのロケーションの測定は例えば三次元空間内において1つの球のロケーション及びオリエンテーションを定義するために充分である。例えば更により多数のロケーションの測定により自由形状表面が記述される。この自由形状表面に関して、ロケーションの数は、例えば、その表面の複雑性及び意図された精度に依存する。
【0019】
本発明の実施例によれば、測量装置が、距離測定ユニットの測定方向に沿って測定されるべきオブジェクトと該距離測定ユニットとの間の距離を表わす距離データを生成するための距離測定ユニットと、該距離測定ユニットに関して定義されている空間関係を有しており該オブジェクトの二次元画像に関する画像データを発生する望遠鏡ユニットと、処理ユニットとを有している。前記処理ユニットは、画像データを生成するために該望遠鏡ユニットを制御し、距離データを生成するために該距離測定ユニットを制御し、そのロケーションが該距離データに基づいて選択され且つそれが該オブジェクトの該二次元画像内の該オブジェクトにおける少なくとも1つの楕円形及び菱形要素を識別し且つ解析することにより画像処理により選択されたオリエンテーションを有している1つの面を表わす表面データを得、且つ該画像データを該表面データに基づいて該面に対する該画像の投影を表わす投影された画像データへ変換させる形態とされている。
【0020】
従って、これらの実施例においては、本測量装置は画像データが画像処理により投影される表面を決定する。該距離測定ユニットと該オブジェクトとの間の距離が測定される該オブジェクトにおけるロケーションは、例えば三次元空間内において該面のオリエンテーションを調節する場合にブレークオーバー点として使用することが可能である。代替的に、該面のオリエンテーションを最初に決定し且つ該面をその後に測定された距離に配置させることが可能である。少なくとも1個の楕円形又は菱形要素を識別し且つ該楕円形を円へ又は該菱形要素を矩形へ投影させるために必要な変形を決定することは、例えば、画像処理期間中に実施することが可能である。
【0021】
例示的実施例によれば、本装置は、更に、二次元画像における該オブジェクトにおいての少なくとも1つの楕円形及び菱形要素のユーザ選択に対するインターフェースを有しており、該処理ユニットは該面のオリエンテーションの選択に対して該選択された要素を使用する形態とされている。
【0022】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、更に、測量データとして該面の距離に関する情報と共に少なくとも該投影された画像データを受信装置へ格納及び送信の少なくとも1つに対する形態とされている。該面のオリエンテーション等の付加的な情報も、例えば、該処理ユニットにより格納及び送信される場合がある。
【0023】
例示的実施例によれば、該距離測定ユニットは水平軸及び垂直軸周りに回転すべく装着されており、本装置は、更に、該水平軸及び垂直軸周りの該距離測定ユニットのオリエンテーションを表わすオリエンテーションデータを生成するオリエンテーションセンサーを有しており、且つ該処理ユニットは、更に、該オブジェクトにおける異なるロケーションに対する距離データを生成するために該距離測定ユニットを制御する形態とされており、該距離データは対応するオリエンテーションデータと共に該処理ユニットにより受取られる。該異なるロケーションは本装置内において予め定めておくか、又は、例えば、ユーザに対して該二次元画像を表示し且つユーザが該オブジェクトの二次元画像内の所望のロケーションを選択することを可能とさせることによりユーザインターフェースを介してユーザにより入力される場合がある。
【0024】
本発明の実施例によれば、測量装置が距離測定ユニットの測定方向に沿って測定されるべきオブジェクトと該距離測定ユニットとの間の距離を表わす距離データを生成する距離測定ユニットと、該オブジェクトの二次元画像に関する画像データを発生し該距離測定ユニットに関して定義された空間関係を有している望遠鏡ユニットと、該オブジェクトの三次元データを受取るインターフェースと、処理ユニットとを有している。前記処理ユニットは、画像データを生成するために該望遠鏡ユニットを制御し、距離データを生成するために該距離測定ユニットを制御し、そのロケーションが該距離データに基づいて選択され且つそれが該三次元データにおいて定義されているような形状を有している1つの表面を表わす表面データを得、且つ該画像データを該表面データに基づいて該画像の該表面への投影を表わす投影された画像データへ変換する形態とされている。
【0025】
従って、これらの実施例においては、本測量装置は、例えば、CADデータ等の外部三次元データ又はデジタル地形モデルを使用することにより画像データが投影される表面を決定する。
【0026】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、更に、該三次元データ及び該画像データの両方に包含されている少なくとも1つの同一の特性要素を識別し且つ分析することにより画像処理により該表面のオリエンテーションを選択する形態とされている。
【0027】
例示的実施例によれば、該距離測定ユニットは、水平軸及び垂直軸周りに回転すべく装着されており、本装置は、更に、該水平軸及び垂直軸周りの該距離測定ユニットのオリエンテーションを表わすオリエンテーションデータを発生するオリエンテーションセンサーを有しており、該処理ユニットは、更に、該オブジェクトにおける少なくとも3つの異なるロケーションに対する距離データであって対応するオリエンテーションデータと共に該処理ユニットにより受取られる距離データを生成するために該距離測定ユニットを制御する形態とされており、且つ該処理ユニットは、更に、該オブジェクトにおける該少なくとも3つの異なるロケーションと関連しているオリエンテーションデータ及び距離データを使用することにより該表面のオリエンテーションを決定する形態とされている。
【0028】
該オブジェクトにおける該異なるロケーションは本装置内において予め定めておくか、又は、例えば、ユーザに対して該オブジェクトの二次元画像を表示し且つ該二次元画像内の所望のロケーションをユーザが選択することを可能とすることによりユーザインターフェースを介してユーザにより入力される場合がある。代替的に、前記異なるロケーションは、例えば、該三次元データに基づいて自動的に決定する場合がある。
【0029】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、更に、測量データとして該表面の距離に関する情報と共に少なくとも投影された画像データを受信装置へ格納及び送信する少なくとも1つに対する形態とされている。例えば、該表面の形状及び/又はオリエンテーション等の付加的な情報も該処理ユニットにより格納及び送信される場合がある。
【0030】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、更に、該投影された画像データにより表わされる画像の投影におけるユーザが選択した点を認識し且つ該オブジェクトにおける該選択された点の位置を決定する形態とされている。従って、該投影された画像は、例えば、該オブジェクトにおける距離を測定するために使用することが可能である。
【0031】
例示的実施例によれば、該望遠鏡ユニットは水平軸及び垂直軸周りに回転すべく装着されている。該望遠鏡は、更に、該水平軸及び垂直軸周りの該望遠鏡ユニットのオリエンテーションを表わすオリエンテーションデータを生成するオリエンテーションセンサーを有している。該処理ユニットは、更に、画像データが得られるべき方向であって複数の部分画像がターゲット領域をカバーするようにターゲット領域の複数の二次元部分画像を識別する方向を決定し、各方向における部分画像であって対応するオリエンテーションデータと共に該処理ユニットにより受取られる部分画像データを採取するために該望遠鏡ユニットを制御し、円錐、円筒、球からなるグループから選択される形状を有しているパノラマ表面を表わすパノラマ表面データを得、各方向に対する該部分画像データを各々が該パノラマ表面に対する夫々の部分画像データの投影を表わしている1組の投影された部分画像データへ変換し、該1組の投影された部分画像データ及び夫々の投影された部分画像データに対応するオリエンテーションデータに基づいて該パノラマ表面へ投影された該ターゲット領域のパノラマ画像を表わすパノラマ画像データを発生する形態とされている。
【0032】
従って、本測量装置は、パノラマ画像を発生するために使用することが可能である。上の例示的実施例においては、本装置は該パノラマ表面に対する夫々の部分画像データの投影中心に位置決めされている。前記パノラマ表面の形状は本装置内に格納することが可能である。該パノラマ表面は、予め定義した距離、又は、例えば、該距離測定ユニットと測量されるべきオブジェクトとの間の測定された距離に位置決めさせることが可能である。該望遠鏡ユニット及び該距離測定ユニットを共通のケーシング内に位置決めさせ且つ、例えば、同一のオリエンテーションセンサーを使用することが可能であることは自明である。代替的に、該望遠鏡ユニット及び該距離測定ユニットは、別々のケーシング内に位置決めさせ且つ、例えば、同一の又は別個のオリエンテーションセンサーを使用することが可能である。
【0033】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、更に、測量データとして、得られたパノラマ画像データを受信装置に対して格納及び送信のうちの少なくとも1つに対する形態とされている。該表面の距離及び/又は形状に関する情報等の付加的な情報も、例えば、該処理ユニットにより格納及び送信される場合がある。
【0034】
本発明の実施例によれば、測量装置が、測量すべきオブジェクト即ち物体の二次元画像に関する画像データを発生し水平軸及び垂直軸周りに回転すべく装着されている望遠鏡ユニットと、該水平軸及び垂直軸周りの該望遠鏡ユニットのオリエンテーションを表わすオリエンテーションデータを発生するオリエンテーションセンサーと、処理ユニットとを有している。前記処理ユニットは、画像データが得られるべき方向であって、複数個の二次元部分画像がターゲット領域をカバーするようにターゲット領域の複数の二次元部分画像を識別する方向を決定し、各方向における部分画像データであって対応するオリエンテーションデータと共に該処理ユニットによって受取られる部分画像データを採取するために該望遠鏡ユニットを制御し、円錐、円筒、球からなるグループから選択される形状を有しているパノラマ表面を表わすパノラマ表面データを得、各方向に対する該部分画像データを各々が夫々の部分画像データの該パノラマ表面への投影を表わしている1組の投影された部分画像データへ変換し、該1組の投影された部分画像データ及び夫々の投影された部分画像データに対応するオリエンテーションデータに基づいて該パノラマ表面へ投影されたターゲット領域のパノラマ画像を表わすパノラマ画像データを発生する形態とされている。
【0035】
従って、本測量装置は、パノラマ画像を発生するために使用することが可能である。上の実施例においては、本装置は夫々の部分画像データの該パノラマ表面への投影の中心に位置決めされている。前記パノラマ表面の形状は本装置内に格納することが可能である。
【0036】
例示的実施例によれば、本装置は、更に、距離測定装置の測定方向に沿って測量されるべきオブジェクトと本装置との間の距離を表わす距離データを発生し該望遠鏡ユニットに関して定義された空間関係を有している距離測定ユニットを有している。該処理ユニットは、更に、該距離データに基づいて該表面のロケーションを得るために該オブジェクトにおける少なくとも1つのロケーションに対する距離データを発生するために該距離測定ユニットを制御する形態とされている。
【0037】
従って、該パノラマ表面は、例えば、該距離測定ユニットと該測定されるべきオブジェクトとの間の測定された距離に位置決めさせることが可能である。代替的に、該パノラマ表面は、例えば、予め定めた距離に位置決めさせることが可能である。該望遠鏡ユニット及び該距離測定ユニットは、共通のケーシング内に位置決めさせることが可能であり、且つ、例えば、同一のオリエンテーションセンサーを使用することが可能であることは自明である。代替的に、該望遠鏡ユニット及び該距離測定ユニットは、別々のケーシング内に位置決めさせ且つ、例えば、同一の又は別々のオリエンテーションセンサーを使用することが可能である。
【0038】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、測量データとして発生されたパノラマ画像データを受信装置に対し格納及び送信の少なくとも1つに対して適合されている。例えば、該表面の距離及び/又は形状に関する情報等の付加的な情報が該処理ユニットにより格納され及び送信される場合がある。
【0039】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、更に、二次元部分画像がオーバーラップするように方向を決定し、且つ該オーバーラップ領域における該部分画像データ又は投影された部分画像の投影された部分画像データのピクセルデータを使用することによりオーバーラップ領域における二次元部分画像のうちの少なくとも1つの部分画像データ及び投影された部分画像データのうちの少なくとも1つにおけるピクセルデータを調節すべく適合されている。
【0040】
例示的実施例によれば、本装置は、更に、該水平軸及び垂直軸周りに該距離測定ユニット及び該望遠鏡ユニットのうちの少なくとも1つを回転させるための回転ドライバを有しており、且つ、夫々、該距離測定ユニット及び該望遠鏡ユニットを所定の方向へ回転させるために該回転ドライバを制御する形態とされている。
【0041】
例示的実施例によれば、本装置は、該二次元画像及び該画像の投影をディスプレイユニット及びタッチスクリーン上に夫々表示するため、及び夫々、該二次元画像及び該画像の投影においての該オブジェクトにおけるロケーションを選択するために、ディスプレイユニット及びポインティング装置用のインターフェース及びタッチスクリーン用のインターフェースのうちの少なくとも1つを有しており、且つ該処理ユニットは、更に、該距離測定ユニット及び該望遠鏡ユニットの測定方向が、夫々、読取位置に対応する該オブジェクトにおけるロケーションを指し示すように該距離測定ユニット及び該望遠鏡ユニットのうちの少なくとも1つのオリエンテーションを計算するために該ポインティング装置の位置及び該タッチスクリーンにタッチすることにより定義される位置を夫々読取り、且つ該距離測定ユニット及び該望遠鏡ユニットを、夫々、計算されたオリエンテーションへ移動させるために該回転ドライバを制御すべく適合されている。
【0042】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは命令を格納しているメモリとプロセッサとを有している。
【0043】
例示的実施例によれば、該望遠鏡ユニットは結像光学系と光学的検知器要素からなるアレイとを具備しており、各検知器要素は該アレイ内における1つのロケーションを有しており且つ該結像光学系による該アレイ上に投影された画像に応答して該画像の1つの点を表わすピクセルのデータを発生し、且つ該処理ユニットは各光学的検知器要素のロケーションを光路と関連づけるためのキャリブレーションデータを格納している。
【0044】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、該キャリブレーションデータに基づいて、各光学的検知器要素の光路と該表面データにより表わされる表面及び該パノラマ表面データにより表わされるパノラマ表面の夫々との間の交点を解析的に検知し、且つ、夫々、該表面及び該パノラマ表面における検知された交差に対する該二次元画像の各ピクセル値を格納することにより、該画像データを投影された画像データへ変換すべく適合されている。
【0045】
例示的実施例によれば、本装置は、デジタル画像を表示するためのディスプレイユニット及びタッチスクリーンのうちの少なくとも1つに対するインターフェースを有しており、且つ該処理ユニットは、夫々、該ディスプレイユニット及びタッチスクリーン上に該二次元画像及び該画像の投影のうちの少なくとも1つを表示すべく適合されている。
【0046】
例示的実施例によれば、該二次元画像又は該画像の投影においての該オブジェクトにおけるロケーションを選択するために、ポインティング装置用のインターフェースが設けられるか又は該ディスプレイインターフェースがタッチスクリーン用のインターフェースであり、且つ該処理ユニットは、該ポインティング装置の位置又は該タッチスクリーンのタッチングにより定義される表示されている画像内の1つの点を表わす少なくとも1個のピクセルを定義するデータを読取るために適合されている。
【0047】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、該二次元画像においての又は該画像の投影においてのターゲット領域及び/又は位置を制限する方向、及び、好ましくは、該ターゲット領域の範囲を定義するユーザ入力を読取ることにより該ターゲット領域を表わすターゲット領域データを採取すべく適合されている。
【0048】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、該ポインティング装置によって又は該タッチスクリーンのタッチングによって選択される該画像の表示されている投影における2つの位置を読取り、該画像の該投影における該選択されたロケーションに対応する該オブジェクトにおける2つのロケーションの間の距離を決定し、且つその決定された距離又はその決定された距離から計算された値を表示すべく適合されている。
【0049】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、更に、該ポインティング装置によって又は該タッチスクリーンのタッチングによって選択される該画像の表示された投影における3つの位置を読取り、該オブジェクトにおける対応するロケーションにより定義される2つの線の間の角度を決定し、且つその決定された角度又はその決定された角度から計算された値を表示すべく適合されている。
【0050】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、該ディスプレイユニット上に該処理ユニットにより得られたか又は該処理ユニット内に格納されている付加的な情報を表示すべく適合されている。
【0051】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、既に測量されたターゲット領域内のロケーションを表わす測量データを格納し、且つ該測量されたロケーションのうちの少なくとも1つを表わすマークを該ディスプレイユニット上にディスプレイさせるべく適合されている。
【0052】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、測量されるべきロケーションを表わす座標データを採取し、且つ未だに測量されるべき少なくとも1個の点を表わすマークを該ディスプレイユニット上に表示すべく適合されている。
【0053】
本発明の実施例によれば、測量装置を使用して測量データを供給する方法が、測量されるべきオブジェクトの二次元画像に関する画像データを発生し、水平軸及び垂直軸周りの該測量装置のオリエンテーションを表わす対応するオリエンテーションデータと共に該オブジェクトにおける少なくとも3個の異なるロケーションに対して該測量装置の測定方向に沿って該測量装置と該オブジェクトとの間の距離を表わす距離データを発生し、該距離データ及び該オブジェクトにおける該少なくとも3個の異なるロケーションと関連しているオリエンテーションデータにより定義される表面を表わす表面データを得、且つ該画像データを該表面データに基づいて該画像の該表面に対する投影を表わす投影された画像データへ変換する、上記各ステップを有している。
【0054】
本発明の実施例によれば、測量装置を使用して測量データを供給する方法が、測量されるべきオブジェクトの二次元画像に関する画像データを発生し、該測量装置の測定方向に沿っての該測量装置と該オブジェクトとの間の距離を表わす距離データを発生し、該距離データに基づいて面の1つのロケーションを選択することにより且つ該オブジェクトの二次元画像内の該オブジェクトにおける少なくとも1個の楕円形及び菱形要素を識別し且つ解析することにより画像処理によって該面のオリエンテーションを選択することにより該面を表わす表面データを得、且つ該画像データを該表面データに基づいて該画像の該面に対する投影を表わす投影された画像データへ変換する、上記各ステップを有している。
【0055】
本発明の実施例によれば、測量装置を使用して測量データを供給する方法が、測量すべきオブジェクトの二次元画像に関する画像データを発生し、該測量装置の測定方向に沿って該測量装置と該オブジェクトとの間の距離を表わす距離データを発生し、該オブジェクトの三次元データを受取り、該距離データに基づいて表面の1つのロケーションを選択し且つ該三次元データにおいて定義されているような該表面の形状を選択することにより該表面を表わす表面データを得、該画像データを該表面データに基づいて該画像の該表面に対する投影を表わす投影された画像データへ変換する、上記各ステップを包含している。
【0056】
例示的実施例によれば、本方法は、更に、該三次元データ及び該イメージデータの両方に包含されている少なくとも1個の同一の特性要素を識別し且つ解析することにより画像処理によって該表面のオリエンテーションを決定するステップを有している。
【0057】
例示的実施例によれば、本方法は、更に、水平軸及び垂直軸周りの該測量装置のオリエンテーションを表わす対応するオリエンテーションデータと共に該オブジェクトにおける少なくとも3つの異なるロケーションに対する距離データを発生し、且つ該距離データ及び該オブジェクトにおける該少なくとも3つの異なるロケーションと関連するオリエンテーションデータを使用することにより該表面のオリエンテーションを決定する、上記各ステップを包含している。
【0058】
例示的実施例によれば、本方法は、更に、投影された画像データにより表わされる画像の投影におけるユーザが選択した点を認識し、且つその選択した点の該オブジェクトにおける位置を決定する、上記各ステップを包含している。
【0059】
本発明の実施例によれば、測量装置を使用して測量データを供給する方法が、各々が測量されるべきオブジェクトの二次元部分画像に関連している部分画像データが得られるべき方向であって複数の二次元部分画像がターゲット領域をカバーするように該オブジェクトにおけるターゲット領域の複数の二次元部分画像を識別する方向を決定し、水平軸及び垂直軸周りの該測量装置のオリエンテーションを表わす対応するオリエンテーションデータと共に各方向における部分画像データを発生し、円錐と円筒と球とからなるグループからパノラマ表面の形状を選択することによりパノラマ表面を表わすパノラマ表面データを得、各方向に対する該部分画像データを各々が該パノラマ表面への夫々の部分画像データの投影を表わしている1組の投影された部分画像データへ変換し、且つ該1組の投影された部分画像データ及び夫々の投影された部分画像データに対応するオリエンテーションデータに基づいて該パノラマ表面へ投影されたターゲット領域のパノラマ画像を表わすパノラマ画像データを発生する、上記各ステップを有している。
【0060】
例示的実施例によれば、本方法は、更に、二次元部分画像がオーバーラップ領域においてオーバーラップするように方向を決定し、且つ、夫々、該オーバーラップ領域においての該部分画像データ又は該投影された部分画像の投影された部分画像データのピクセルデータを使用することによって該オーバーラップ領域における二次元部分画像のうちの少なくとも1つの部分画像データ及び投影された部分画像データのうちの少なくとも1つにおけるピクセルデータを調節する、上記各ステップを包含している。
【0061】
例示的実施例によれば、該望遠鏡ユニットは結像光学系と光学的検知器要素からなるアレイとを具備しており、各検知器要素は該アレイ内の1つのロケーションを有しており且つ該結像光学系により該アレイ上に投影された画像に応答して該画像の1つの点を表わすピクセルのデータを発生し、各光学的検知器要素の光路に対する割り付けがキャリブレーションデータ内に格納されており、且つ画像データを投影された画像データへ変換するステップが、該キャリブレーションデータに基づいて、夫々、該表面データにより表わされる表面及び該パノラマ表面データにより表わされるパノラマ表面と各光学的検知器要素の光路との間の交点を解析的に検知し、且つ該二次元画像の各ピクセル値を、夫々、該表面及び該パノラマ表面における検知された交点へ格納することにより実施される。
【0062】
例示的実施例によれば、本方法は、更に、該画像の表示された投影においてユーザにより選択された2つの位置を読取り、該画像の投影における選択されたロケーションに対応する該オブジェクトにおける2つのロケーションの間の距離を決定し、且つその決定された距離又はその決定された距離から計算された値を表示する、上記各ステップを包含している。
【0063】
例示的実施例によれば、本方法は、更に、ユーザにより選択された該画像の表示された投影における3つの位置を読取り、該オブジェクトにおける対応するロケーションによって定義される2つの線の間の角度を決定し、且つその決定された角度又はその決定された角度から計算された値を表示する、上記各ステップを包含している。
【0064】
本発明の実施例によれば、測量装置の処理ユニット用のコンピュータプログラムが提供され、該コンピュータプログラムは、該測量装置が上述した方法を実施することを可能とすべく適合されている。
【0065】
本発明の実施例によれば、コンピュータにより読取可能な格納媒体が提供され、該媒体は上のコンピュータプログラムを格納している。
【0066】
本発明の実施例によれば、測量装置と共に使用するか又は測量装置の一部である処理ユニットが提供され、該測量装置は、水平軸及び垂直軸周りに制御可能に回転すべく装着されており且つ結像光学系と光学的検知器要素からなるアレイとを具備している望遠鏡ユニットを有しており、各検知器要素は該アレイ内の1つのロケーションを有しており且つ該結像光学系により該アレイ上に投影された画像に応答して該画像の1つの点を表わすピクセルのデータを発生し、本装置は、更に、該望遠鏡ユニットのオリエンテーションを表わすオリエンテーション信号を発生するオリエンテーションセンサー及び該水平軸及び垂直軸周りに該望遠鏡ユニットを回転させるための制御可能な回転ドライバを有しており、該処理ユニットは、各光学的検知器要素のロケーションを視準方向へ関連づけるキャリブレーションデータ及び命令を格納しているメモリ、及び該処理ユニットが測量装置へ接続されている場合に該命令に応答して以下の動作:測量すべきターゲット領域を表わすターゲット領域データを得ること、投影表面を表わす投影表面データを得ること、該ターゲット領域の少なくとも一部の二次元画像を表わす光学的検知器アレイにより発生される1組のピクセルデータを採取すること、該1組のピクセルデータを該キャリブレーションデータを使用して該イメージの該投影表面への投影を表わす1組の投影された画像データへ変換すること、及び測量データとして少なくとも該投影された画像データを受信装置へ格納及び/又は送信すること、を実施するためのプロセッサを有している。
【0067】
本発明の実施例によれば、測量装置が提供され、該測量装置は、水平軸及び垂直軸周りに制御可能に回転すべく装着されており結像光学系と光学的検知器要素からなるアレイとを具備している望遠鏡ユニットを有しており、各検知器要素は該アレイ内の1つのロケーションを有しており且つ該結像光学系により該アレイ上に投影された画像に応答して該画像の1つの点を表わすピクセルのデータを発生させ、本装置は、更に、該望遠鏡ユニットのオリエンテーションを表わすオリエンテーション信号を発生するオリエンテーションセンサー、及び該水平軸及び垂直軸周りに該望遠鏡ユニットを回転させるための制御可能な回転ドライバ、及び処理ユニットを有しており、該処理ユニットは該ドライバ、該オリエンテーションセンサー及び該回転ドライバへ接続されている。
【0068】
本発明の実施例によれば、測量装置を使用してターゲット領域の測量データを供給する方法が提供され、該測量装置は、水平軸及び垂直軸周りに制御可能に回転すべく装着されており且つ結像光学系と光学的検知器要素からなるアレイとを具備している望遠鏡ユニットを有しており、各検知器要素は該アレイ内の1つのロケーションを有しており且つ該結像光学系により該アレイ上に投影された画像に応答して該画像の1つの点を表わすピクセルのデータを発生させる。本装置は、更に、該望遠鏡ユニットのオリエンテーションを表わすオリエンテーション信号を発生するオリエンテーションセンサー及び該水平軸及び垂直軸周りに該望遠鏡ユニットを回転させるための制御可能な回転ドライバを有しており、本方法は、測量すべきターゲット領域を表わすターゲット領域データを得、投影表面を表わす投影表面データを得、該ターゲット領域の少なくとも一部の二次元画像を表わすピクセルからなる1組のピクセルデータを採取し、該1組のピクセルデータを該キャリブレーションデータを使用して該画像の該投影表面への投影を表わす1組の投影された画像データへ変換し、且つ測量データとして少なくとも該投影された画像データを受信装置へ格納及び/又は送信する、上記各ステップを包含している。
【0069】
本発明の実施例によれば、測量装置へ接続されている処理ユニット又は測量装置の処理ユニット用のコンピュータプログラムが提供され、該処理ユニットは、キャリブレーションデータを格納しているメモリとプロセッサとを有しており、本測量装置は、水平軸及び垂直軸周りに制御可能に回転すべく装着されており且つ結像光学系と光学的検知器要素からなるアレイとを具備している望遠鏡ユニットを有しており、各検知器要素は該アレイ内の1つのロケーションを有しており且つ該結像光学系により該アレイ上に投影された画像に応答して該画像の1つの点を表わすピクセルのデータを発生し、本装置は、更に、該望遠鏡ユニットのオリエンテーションを表わすオリエンテーション信号を発生するオリエンテーションセンサー及び該水平軸及び垂直軸周りに該望遠鏡ユニットを回転させるための制御可能な回転ドライバを有しており、該コンピュータプログラムは測量されるべきターゲット領域を表わすターゲット領域データを得、投影表面を表わす投影表面データを得、該ターゲット領域の少なくとも一部の二次元画像を表わす該光学的検知器アレイにより発生された1組のピクセルデータを採取し、該1組のピクセルデータを該キャリブレーションデータを使用して該画像の該投影表面への投影を表わす1組の投影された画像データへ変換し、且つ該命令が該プロセッサにより実施される場合に測量データとして少なくとも該投影された画像データを受信装置へ格納及び/又は送信するための命令を有している。
【0070】
特に、該コンピュータプログラムの命令及び該処理ユニットにおける命令は、該命令が該プロセッサにより実施される場合には、本発明に基づく方法を実施すべく適合させることが可能である。
【0071】
本発明の実施例は、望遠鏡ユニットを有する測量装置を使用する。該望遠鏡ユニットは水平軸及び垂直軸周りに回転可能である。当該技術において一般的であるように、垂直軸という用語は、測量装置が適切にセットアップされる場合にのみ垂直であることを必要とする軸のことを意味している。チルト用軸とも呼ばれる水平軸は、最大でチルト用軸エラーまで該垂直軸に対して直交している。該望遠鏡ユニットは、水平軸周りにそれをチルト即ち傾斜させることが可能であるようにアリダード上に装着させることが可能である。該アリダード、及びそれと共に、該望遠鏡ユニットは、該垂直軸周りに回転させることが可能である。該アリダード自身は、それに対して装置座標系を定義することが可能な適宜のベース要素上の垂直軸周りに回転すべく装着させることが可能である。
【0072】
該望遠鏡ユニットは、例えば適宜の制御ユニットにより制御される電気モータのような駆動部によって該垂直軸及び水平軸周りに制御された態様で回転させることが可能である。該望遠鏡ユニットのオリエンテーションは、夫々、該垂直軸及び水平軸周りの垂直及び水平回転角度により定義することが可能である。好適には、これらの角度は所定の方向に対して定義される。
【0073】
該オリエンテーションセンサーは該望遠鏡ユニットのオリエンテーション即ち配向を測定すべく作用し且つ対応するオリエンテーション信号を発生する。特に、該オリエンテーションセンサーは、垂直及び水平回転角度を測定し且つ対応するオリエンテーション信号を発生する角度センサーを有することが可能である。
【0074】
該望遠鏡ユニットは検知器要素からなるアレイ上に測量すべき興味のある区域を結像させる結像光学系を有している。該検知器要素は光学的照射、特に可視光照射、即ち光に対して感受性があり、且つ、好適には、カラー感受性があるものとすることが可能である。特に、CCD又はCMOS検知器アレイを使用することが可能である。
【0075】
該結像光学系は、興味のある区域においてオブジェクトの所望の倍率を与える望遠鏡光学系を有することが可能である。然しながら、該結像光学系がファインダーカメラに対して適切な広い視野を提供すべく設計されたものとすることも可能である。特に、この場合には、該望遠鏡ユニットは従来の態様でターゲット点を視準するための接眼レンズを具備する望遠鏡を有することが可能である。該結像光学系は該望遠鏡の一部とすることが可能であり、又は該望遠鏡とは別個のものとすることが可能である。
【0076】
該望遠鏡ユニットは、更に、該装置と視準される特定の点との間の距離を測定し且つ対応する距離信号を発生すべく作用する距離測定装置を有している。好適には、該距離測定ユニットは、特に高い反射率を有する特別のリフレクタのような与えられた共同のターゲットのみではなく任意の反射性のオブジェクトの距離のリフレクタのない測定にも適している。
【0077】
該距離測定装置は、望遠鏡ユニット16に関して定義された特定の関係を有している。従って、水平軸及び垂直軸周りの該距離測定装置のオリエンテーションは目盛りが付けられた水平円24及び目盛りが付けられた垂直円26によって明示的に又は暗示的に決定される。代替的に、該距離測定装置は、水平軸及び垂直軸周りの該距離測定装置のオリエンテーションを表わすオリエンテーションデータを発生するための別個のオリエンテーションセンサーを使用することが可能である。
【0078】
本測量装置は、更に、装置制御コンピュータ、又はプロセッサと該駆動部及びオリエンテーションセンサーへの接続のための物理的及び/又はソフトウエアインターフェースとを具備している装置制御ユニットを有することが可能である。該装置制御コンピュータは、測定されたデータを処理又は評価すべく適合させることが可能である。又、別個の評価ユニットをその目的のために設けることが可能である。
【0079】
該処理ユニットは、本測量装置内に一体化させることが可能であり、又は本測量装置とは別体とすることが可能である。後者の場合には、該処理ユニットは、該装置制御コンピュータへのインターフェース及び/又は該駆動部、該オリエンテーションセンサー及び該検知器アレイへのインターフェースのうちの少なくとも1つを有することが可能である。該処理ユニットが本測量装置の一部である場合には、それは、好適には、本装置から着脱自在である。
【0080】
少なくとも、該処理ユニットが本測量装置から遠隔的に使用することが可能である場合には、それは通信リンク、好適には無線通信リンク、を介してそれへリンクさせることが可能であり、且つ適宜の通信インターフェースを有することが可能である。
【0081】
それは本測量装置を制御し且つ本測量装置によって、特に該オリエンテーションセンサー及び該検知器アレイによって得られた信号又はデータを処理すべく作用する。該メモリは、例えばRAM、ROM、フラッシュROM、ハードディスク又は着脱自在の格納媒体(例えば、コンパクトディスク、DVD、USBスティック等のフラッシュROM、メモリカード)又はそれらの組合わせの形態で設けることが可能である。着脱自在の格納媒体が使用される場合には、該処理ユニットは、更に、該格納媒体用の適宜のドライブを有することが可能である。処理のために、該処理ユニットは少なくとも1個のプロセッサを有しており、それは、例えば、多目的マイクロプロセッサ又はビデオ情報を処理するのに特に適したDSP(デジタル信号プロセッサ)とすることが可能である。以下においては、簡単化のために、「プロセッサ」という用語は少なくとも2つの結合されたプロセッサの結合のことを意味する場合もある。
【0082】
該処理ユニットは本発明に基づく本方法の少なくとも一部を実施すべく作用し且つ、更に、本測量装置がその他の動作モードで使用される場合に付加的な作業を実施することも可能である。その場合には、該メモリ内に格納されている命令はその付加的な作業を実施するための命令を有することが可能である。特に、該処理ユニットは、上述したように制御及び評価ユニットとして作用することが可能である。
【0083】
導入部分で記載したように、該検知器要素のいずれもが該検知器要素に対して結像されたオブジェクト点に対する方向と関連づけることが可能であることが望ましい。その目的のために、本測量装置がキャリブレーションされているものと仮定する。結果的に得られるキャリブレーションは、該アレイ内又は該望遠鏡ユニット内における該検知器要素の位置の該オブジェクト点の対応する方向、且つ該オブジェクト点の距離が既知である場合には、装置座標系における該オブジェクト点の対応する座標に対してのマッピングを与えることが可能である。一般的には、キャリブレーションのために、最適なマッピングを与えるべく調節されているキャリブレーションパラメータを有しており該検知器要素の位置と該方向との間の依存性をモデリングするモデルを使用することが可能である。該キャリブレーションパラメータはキャリブレーションデータとして該メモリ内に格納され、該モデルは該メモリ内に格納されている命令のうちの幾つかにより少なくとも暗示的に実現される。ドイツ特許出願DE10359415.9及びPCT/EP2004/014365の内容を引用によりここに取込むが、これらはキャリブレーションのための適切な方法を開示している。
【0084】
該メモリ内に格納されている命令は、本発明に基づくコンピュータプログラムの少なくとも一部とすることが可能である。それは、任意のプログラミング言語で実現することが可能であり、且つ、更に、本測量装置を制御するための制御ソフトウエアを包含することが可能である。
【0085】
ターゲット領域を測量するために、ターゲット領域データが得られる。ターゲット領域データは、ターゲット領域を定義することを可能とする任意のデータとすることが可能である。特に、例えば対応する垂直及び水平角度により与えられる1組の少なくとも3つの方向を使用することが可能であり、その場合に本測量装置から開始し且つ該方向に沿って延在する光線が三次元とすることが可能なターゲット領域の端部を形成する。代替的に、該ターゲット領域の範囲及び形状及び少なくとも1つの方向をターゲット領域データとして使用することが可能である。更に、該ターゲット領域データは、該望遠鏡ユニットの現在のオリエンテーション及び該結像光学系及び検知器アレイにより形成されるカメラの視野によって該ターゲット領域が定義されることを表わすデータにより与えることが可能である。
【0086】
ターゲット領域データを得る前、それと同時又はその後に、投影表面データが得られる。ここで、投影表面データは、三次元空間内において二次元表面を定義する任意のデータとすることが可能である。
【0087】
該ターゲット領域データ及び該投影表面データは任意の座標系で定義することが可能である。然しながら、好適には、該ターゲット領域データ及び該投影表面データは同一の座標系において定義される。
【0088】
該ターゲット領域データを得た後に、該駆動部は、該望遠鏡ユニットが該ターゲット領域を結像させるためのオリエンテーションに既にない場合には、該ターゲット領域の少なくとも一部を該検知器アレイ上に結像させることが可能なオリエンテーションに該望遠鏡ユニットを移動させるべく制御させることが可能である。該オリエンテーションは、得られたターゲット領域データに基づいて決定することが可能である。
【0089】
次いで、該ターゲット領域の少なくとも一部の二次元画像を表わすピクセル、即ち画像要素からなる1組のピクセルデータが得られる。該ピクセルデータを得るために、該処理ユニットは、該検知器アレイにより発生された対応する信号又はデータをキャプチャ即ち捕獲することが可能である。1個のピクセルに対するピクセルデータは、ビジュアル情報又はデータを有することが可能である。検知器要素の種類に依存して、該ビジュアル情報又はデータは、エンコードされた形態におけるカラー及び/又はグレイスケール情報を表わすことが可能である。更に、該アレイ内の対応する検知器要素の位置を、例えば、各位置が検知器要素の位置に対応しているピクセルデータのシーケンス又は明示的なデータによる位置により1組のピクセルデータでエンコードさせることが可能である。更に、該データは、好適には損失のない態様で圧縮させる。
【0090】
次いで、該ピクセルデータは投影表面に対する該ターゲット領域の少なくとも一部の二次元画像の投影を表わす1組の投影された画像データへ変換される。この変換のために、該キャリブレーションデータ及びキャリブレーションのために使用したモデル、又はキャリブレーションのために使用したモデルの一部であるカメラモデルを使用して各検知器要素又は対応するピクセルの位置を対応する方向、従って、投影表面上の位置へリンクさせる。
【0091】
該投影された画像データは、与えられた又は計算された要素に対するカラー及び/又はグレイスケール情報又は該投影された画像の位置を表わすビジュアルデータを有することが可能である。該投影された画像の該要素の位置は、三次元座標系における座標又は該投影表面の1つの位置を決定する2つの座標により表わすことが可能である。
【0092】
更に、該投影表面上の要素に対する座標の代わりに、該投影された画像データは該投影表面のディスプレイ面への投影を表わすデータを有することが可能である。
【0093】
次いで、該投影された画像データは、該処理ユニットのメモリ又はその他の格納媒体上に少なくとも一時的に測量データとして格納される。次いで、該投影された画像データは更なる測量目的のために使用することが可能である。更に又は代替的に、該投影された画像データは、例えばその他の適用において該データを使用する遠隔コンピュータ等の受信装置へ送信することが可能である。
【0094】
好適には、該投影された画像データのみが測量データとして格納されるのではなく、例えば該望遠鏡ユニットの対応する配向、使用された該投影表面データ及び/又は倍率等の該投影のために使用された更なるパラメータ等の該イメージをキャプチャする場合に使用されたパラメータに関連するデータも格納される。該投影された画像データは、任意の適宜のグラフィックフォーマット、特に該投影された画像データと同一のファイル内に付加的なデータを格納する可能性を提供するグラフィックフォーマットで格納及び/又は送信させることが可能である。
【0095】
本発明の実施例は、結像される限り該ターゲット領域内の多くの方向に対する測量情報が該投影された画像内に包含されており、且つこの情報を得るために、1つの画像をとらねばならないに過ぎず、従って測量動作は極めて高速とすることが可能であるという利点を有している。更に、更なる測量作業は投影させた画像データを使用してオフィスにおいて実施することが可能である。
【0096】
一般的に、本測量装置はビデオテオドライトとすることが可能である。然しながら、好適には、本測量装置は、更に、視準軸に沿って測量されるべきオブジェクトと本装置との間の距離を表わす距離信号を発生する制御可能な距離測量ユニットを有しており、該距離測定ユニットは信号を送信し且つ受信するための処理ユニットへ接続されている。従って、距離測定ユニットの視準方向に沿って測量されるべきオブジェクトと本装置との間の距離を表わす距離信号を発生する制御可能な距離測定ユニットを有する測量装置用の処理ユニットにおいては、該命令は、該距離信号又は該距離信号から発生される距離データを読取るための命令を有している。コンピュータプログラムにおいては、視準方向に沿って測量されるべきオブジェクトと本装置との間の距離を表わす距離信号を発生する制御可能な距離測定ユニットを更に有する測量装置の場合に、該命令は、該距離信号又は該距離信号から発生される距離データを読取るための命令を有することが可能である。このことは、本測量装置及び該処理ユニットが視準されるターゲット点への距離を測量するために使用することが可能であり、単に1個の装置でより完全な測量を行うことを可能とするという利点を有している。
【0097】
該測量データは地形における更なる測量のために使用されることは必要ではない。然しながら、本方法においては、該処理ユニット又は本装置はデジタル画像を表示するためのディスプレイユニット及び/又はタッチスクリーンを有することが可能であり、且つ本方法は、更に、該検知器アレイによりキャプチャされた画像及び/又は該投影された画像を、夫々、ディスプレイユニット及び/又はタッチスクリーン上に表示させることを包含することが可能である。該処理ユニットにおいては、好適には、デジタル画像を表示するためのディスプレイユニット又はタッチスクリーン用の少なくとも1つのインターフェースが設けられ、且つ該命令は、該検知器アレイによりキャプチャされた画像及び/又は該投影された画像を、夫々、該ディスプレイユニット及び/又は該タッチスクリーン上に表示させる命令を有することが可能である。該コンピュータプログラムにおいては、該命令は、該検知器アレイによりキャプチャされた画像及び/又は該投影された画像を、特に、該処理ユニット又は本測量装置のディスプレイユニット又はタッチスクリーン上に表示させる命令を有することが可能である。本測量装置は、更に、該処理装置から表示データを受取るために、該処理装置へ接続されている少なくとも1つのディスプレイユニット又は1つのタッチスクリーンを有することが可能である。この実施例は、測定の直後にユーザが測量動作の結果をチェックすることが可能であるという利点を有している。
【0098】
該画像及び/又は該投影した画像を表示するために、該コンピュータプログラムにおいては、該命令が、該投影した画像データを表示データへ変換する命令を有することが可能であり、該表示データは該投影した画像の表示面上への投影を表わしており且つ該表示データにより表わされる画像を表示する。該処理装置においては、該命令は、該投影された画像データを表示データへ変換する命令を有することが可能であり、該表示データは該投影された画像の表示面上への投影を表わしており且つ該表示データにより表わされる画像を表示する。本方法は、更に、該投影された画像を表示データへ変換することを包含することが可能であり、該表示データは該投影された画像の表示面上への投影を表わしており、且つ該表示データにより表わされる画像を表示する。
【0099】
好適には、該処理ユニットは、該インターフェースへ接続されている該ディスプレイユニット及び/又はタッチスクリーンを有している。
【0100】
更に、この場合には、更なる測量のため又は本方法において使用される更なるデータを入力するために該表示された画像又は表示された投影された画像を使用することが可能である。
【0101】
その目的のために、該処理ユニットにおいては、該キャプチャされた又は投影された画像における点を選択するために、ポインティング装置用のインターフェースを設けることが可能であり及び/又は該表示インターフェースはタッチスクリーン用のインターフェースとすることが可能であり且つ該メモリ内に格納されている命令は該ポインティング装置の位置又は該タッチスクリーンのタッチングにより定義される表示された画像における1つの点を表わす少なくとも1個のピクセルを定義するデータに対し且つそれを読取る命令を有している。該コンピュータプログラムにおいては、該キャプチャされた又は投影された画像における点を選択するために、該命令は、夫々、該ポインティング装置の位置又は該タッチスクリーンのタッチングにより定義される表示された画像における1つの点を表わす少なくとも1個のピクセルを定義するデータを読取るための命令を有することが可能である。本方法は、更に、該ポインティング装置の位置又はタッチスクリーンのタッチングにより夫々定義される表示された画像における1つの点を表わす少なくとも1個のピクセルを定義するデータを読取ることを包含することが可能である。この実施例は、該ポインティング装置又は該タッチスクリーンのタッチングによって該表示された画像又は表示された投影された画像におけるターゲットをユーザが容易に選択することが可能であるという利点を有している。特に、該命令は、グラフィカルユーザインターフェースを表わす命令を有することが可能である。該ポインティング装置は、好適には、マウス、トラックボール、トラックポイント、タッチパッド又はジョイスティックのうちの1つとすることが可能である。タッチスクリーンの使用は、ディスプレイと位置決め手段とが単一の装置に結合されているという利点を有しており、そのことは該処理ユニットを簡単化させ且つよりコンパクトなデザインとすることを可能とする。ポインティング装置を使用する場合には、その操作は、好適には、該ポインティング装置の位置に対応する位置にマークを表示させることを包含している。該コンピュータプログラムは、対応する命令を有することが可能である。更に、該ポインティング装置の位置は、通常、該ポインティング装置の動作要素、例えばマウスボタンが動作される場合に読取られる。
【0102】
該投影表面データは、該処理ユニットのメモリ内に永久的に格納させることが可能であり且つそれから得ることが可能である。本方法において該投影表面をより柔軟性を持って定義することを可能とするために、該投影表面データを得るステップは、該投影表面を定義するために該投影された画像における点のデータを採取すること、該望遠鏡ユニットを該データにより定義されるオリエンテーションへ移動させること、該投影された画像における点に対応する該ターゲット領域における点と該望遠鏡ユニットとの間の距離を表わす各オリエンテーションに対する距離データを得ること、及び該オリエンテーションからの投影表面データ及び関連する距離データを決定し且つ格納すること、を包含することが可能である。該処理ユニットにおいては、該メモリ内に格納される命令は、該プロセッサが該1組の命令に応答して該投影表面を定義する該投影された画像における点のデータを採取し、該望遠鏡ユニットを該データにより定義されるオリエンテーションへ移動させるために駆動部を制御すること、各オリエンテーションに対する距離データを得るために該距離測定ユニットを制御すること、及び該オリエンテーション及び関連する距離データから決定される投影表面データを決定し且つ格納すること等の1組の命令を包含することが可能である。該コンピュータプログラムにおいては、投影表面を定義するために該投影された画像における点のデータを採取し、該データにより定義されるオリエンテーションに該望遠鏡ユニットを移動し、該望遠鏡ユニットと該投影された画像における点に対応する該ターゲット領域における点との間の距離を表わす各オリエンテーションに対する距離データを得るための命令を有することが可能である。本発明のこの実施例は、投影表面を極めて容易に選択することが可能であるという利点を有している。ここでは、該投影表面の形状は、例えば該プログラムにおける対応する命令及び/又は処理ユニットによって予め決定することが可能であり、又は1つのタイプの投影表面を選択することが可能である。投影表面データの容易な入力を可能とさせるために、該処理ユニットは装置ユニット及び入力装置を有することが可能であり、且つ該メモリ内に格納されている命令はユーザの入力を読取るためのグラフィカルユーザインターフェース用の命令を有することが可能である。該投影表面は任意の形状を有することが可能である。特に、該形状は面、円形断面を有する円筒表面、又は球とすることが可能である。更に、例えば、装置座標系と関係する場合がある表面上の点の適宜の組の座標によりデジタル地形モデル又はデジタル表面モデルを使用することが可能である。少なくとも後者の場合においては、該投影表面データはネットワーク接続を介して外部メモリから又は着脱自在な格納媒体から得ることが可能である。該処理ユニットは、ネットワークインターフェース及び/又は着脱自在な格納媒体を読取るためのドライブを有することが可能である。このことは、データを容易に得ることが可能であるという利点を有している。特に、本方法においては、本装置は視準軸に沿って測量されるべきオブジェクトと該ユニットとの間の距離を表わす距離信号を発生するために制御可能な距離測定ユニットを有することが可能であり、且つ該投影表面データを得るためのステップは、該ピクセルデータにより表わされる画像を該ディスプレイユニット及び/又はタッチスクリーン上に夫々表示させ、該タッチスクリーンをタッチすることにより定義される位置又は該ポインティング装置の位置を読取り、該距離測定ユニットの視準軸が読取位置に対応するターゲット領域における方向を指し示すように該望遠鏡ユニットのオリエンテーションを計算し、該望遠鏡ユニットをその計算された位置へ移動させるために駆動部を制御し、該ユニットと該視準軸上のオブジェクトとの間の距離を表わす距離データを得且つ該距離データ及び該オリエンテーションを表わすデータに基づいている投影表面データを格納することを包含することが可能である。本測量装置が該装置と視準軸に沿って測量されるべきオブジェクトとの間の距離を表わす距離信号を発生するために制御可能な距離測定ユニットを有している場合には、該処理ユニット及び投影表面データを得るステップに対するコンピュータプログラムにおいて、該命令は該ピクセルデータにより表わされる画像をディスプレイユニット又はタッチスクリーン上に夫々表示させ、該ポインティング装置の位置又は該タッチスクリーンのタッチングにより定義される位置を読み取り該距離測定ユニットの視準軸が読取位置に対応するターゲット領域における1つの方向を指し示すように該望遠鏡ユニットのオリエンテーションを計算し、該望遠鏡ユニットを計算された位置へ移動させるために駆動部を制御し、該ユニットと該視準軸上のオブジェクトとの間の距離を表わす距離データを得るために該距離測定ユニットを制御し、且つ該距離データ及び該オリエンテーションを表わすデータに基づいて投影表面データを格納するための命令を包含している。投影表面を表わすために選択されるべき点の数は該投影表面の幾何学的形状に依存する。該投影表面が面(plane)である場合には、同一線上ではない3つの点に対して測定値をとることで充分である。該投影表面が球又は垂直である円筒の表面である場合には、本測量装置がその球又は円筒の断面の中心に位置決めされている場合には、該投影表面上の少なくとも1つの点の方向及び距離を得ることで充分である。この実施例は該投影表面データの少なくとも幾つかの非常に簡単な入力を可能としている。
【0103】
該投影された画像の情報内容は、該投影表面の形状が画像形成されるべき特定のオブジェクトの表面の形状に対応している場合には、特に高い。該投影表面の幾何学的形状が測量されるべきオブジェクトの幾何学的形状に対応している場合には、該画像の投影された画像への投影は所謂正射投影に対応しており、その場合には、キャプチャした画像の該投影表面上への平行投影となる。該投影表面がディスプレイユニット上に表示される表示面ではない場合には、投影された画像をその表示面へ変換させるために付加的な変換を使用することが可能である。従って、本方法は、更に、該投影された画像データを表示データへ変換させ且つ該表示データにより表わされる画像を表示することを包含することが可能である。該処理装置及び/又はコンピュータプログラムにおいて、該命令は、該投影された画像データを表示データへ変換し且つ該表示データにより表わされる画像を表示する命令を有することが可能である。該投影表面が例えば円筒表面等の面上に展開することが可能である場合には、該変換はそれに従って選択することが可能であり、且つ、特に、ピクセルの配置をそれに従って選択することが可能である。そうでない場合には、該変換は投影とすることが可能である。好適には、該変換は、角度及び/又は距離が該変換により歪まれるものでないようなものである。特に、球の場合には、球上の画像を面へ投影するために当該技術において幾つかの異なる投影が知られている。これらの投影の例は、Kuntz, Eugen: Kartenetzentwurfslehre:Grundlagen und Anwendungen, Karlsruhe,ドイツ、 Wichmann、1990、ISBN 3−87907−186−1において開示されており、その内容を引用によりここに包含させる。
【0104】
該ターゲット領域データは単純にメモリから読取ることが可能であり、該メモリ内には別の装置から適宜の通信リンクを介して受取った後にそれらは永久的に格納されるか又は一時的に格納される。代替的に、本方法においては、ターゲット領域データを採取するステップは、該ターゲット領域及び/又は該投影した画像における位置を制限する方向、及び、好適には、該ターゲット領域の範囲を定義するユーザ入力を読取ることを包含することが可能である。該処理ユニット及び該コンピュータプログラムにおいて、ターゲット領域データを得るステップに対して、該命令は、該プロセッサが該1組の命令に応答して該検知器アレイにより検知された画像又は該投影された画像におけるターゲット領域及び/又は位置を制限する方向、及び、好適には、該ターゲット領域の範囲を定義するユーザ入力を読取ることにより該ターゲット領域データを採取するような1組の命令を包含することが可能である。このことは、該ターゲット領域を容易に入力することが可能であるという利点を有している。該方向、即ち本装置から方向に沿っての光線は、該装置座標系に対して、又は、該装置の位置が知られている場合には、地形的方向に関連する外部座標系に対して入力させることが可能である。代替的には、該方向は該画像又は該投影された画像における対応する位置を読取り且つ前のパラグラフにおいて説明したステップを使用してキャリブレーションデータを使用して該方向を決定することにより得ることが可能である。
【0105】
しばしば、該ターゲット領域が該検知器装置によりキャプチャされたただ1つの画像内に結像させるのには大き過ぎる場合がある。従って、本方法においては、該ピクセルデータを採取するステップは、部分二次元画像が該ターゲット領域をカバーするように該ターゲット領域の部分二次元画像を表わすピクセルデータが得られる望遠鏡ユニットのオリエンテーションを決定し、該望遠鏡ユニットを該決定したオリエンテーションへ移動し、且つ各オリエンテーションにおいてピクセルデータを採取することを包含することが可能であり、且つ該ピクセルデータを変換するステップが、各オリエンテーションに対するピクセルデータを、キャリブレーションデータを使用して、夫々の部分画像の該投影表面への投影を表わしている1組の投影した部分画像データへ変換し、且つ投影した部分画像データから該投影表面へ投影したターゲット領域のパノラマ画像を表わすパノラマ画像データを発生することを包含することが可能である。該処理ユニット又はコンピュータプログラムにおいて、該命令は、部分的二次元画像がターゲット領域をカバーするように該ターゲット領域の部分的二次元画像を表わすピクセルデータが得られるオリエンテーションを決定し、該望遠鏡ユニットを決定したオリエンテーション内へ移動させ且つ各オリエンテーションにおけるピクセルデータを採取するために駆動部を制御し、キャリブレーションデータを使用して各オリエンテーションに対するピクセルデータを該投影表面に対する夫々の部分画像の投影を表わす1組の投影した部分画像データへ変換させ、且つ投影した部分画像データから投影表面へ投影されたターゲット領域のパノラマ画像を表わすパノラマ画像データを発生するために該プロセッサが1組の命令に応答するように1組の命令を包含することが可能である。この実施例は、殆ど努力なしで大きなターゲット領域を測量することも可能であるという利点を有している。特に、そのターゲット領域を測量してユーザは、パノラマ画像を得るためにターゲット領域データを発生及び/又は入力することが必要であるに過ぎない。
【0106】
好適には、該望遠鏡ユニットは、部分画像がオーバーラップすることが必要でないような精度で制御可能である。然しながら、高品質のパノラマ画像を得るためには、本方法においては、部分的二次元画像がオーバーラップするようにオリエンテーションが決定され、且つ本方法は、更に、夫々、オーバーラップ領域においての部分的画像又は投影された部分的画像の投影された画像データのピクセルデータを使用してオーバーラップ領域における部分的画像及び投影された部分的画像のうちの少なくとも1つの投影された画像データのうちの少なくとも1つにおけるピクセルデータを調節することを包含している。該処理ユニット及び該コンピュータプログラムにおいて、該命令は、該プロセッサが部分的な二次元画像がオーバーラップするようにオリエンテーションを決定するために1組の命令に対して、且つ、夫々、オーバーラップ領域における部分的画像又は投影した部分的画像の投影した画像データのピクセルデータを使用してオーバーラップ領域における投影した部分的画像のうちの少なくとも1つの投影した画像データ及び部分的画像のうちの少なくとも1つにおけるピクセルデータに対して応答するように1組の命令を包含することが可能である。特に、ピクセルデータ又は投影した画像データの調節は、ラジオメトリック調節による例えばカラー及び/又は輝度及び/又はグレイスケール情報等のその中に包含されるビジュアルデータを調節することを包含することが可能である。
【0107】
通常、該ターゲット領域において、測量動作を阻害する場合がある移動するオブジェクトが存在する場合がある。従って、本方法においては、該ピクセルデータを採取するステップが、爾後の時間において同一のターゲット領域に対応する予備的ピクセルデータを採取し且つ平均化することにより異なる時間において同一のターゲット点に対応する予備的ピクセルデータからピクセルデータを計算することを包含することが可能である。該処理ユニットにおいて及び/又は該コンピュータプログラムにおいて、該命令は、爾後の時間において同一のターゲット領域に対応する予備的ピクセルデータを採取し且つ平均化により異なる時間においての同一のターゲット点に対応する予備的ピクセルデータからピクセルデータを計算するために該プロセッサが1組の命令に応答するような1組の命令を包含することが可能である。同一の場面の画像の繰り返しのキャプチャ動作及び平均化は、移動するオブジェクトを見つけ出すための高度な画像処理アルゴリズムを使用することなしに画像又は部分的画像から少なくとも近似的に移動するオブジェクトを除去することが可能であるという利点を有している。更に、変換のために使用されるピクセルデータのより高い精度を得ることが可能である。
【0108】
通常、投影した画像データは検知器アレイによりキャプチャされた二次元画像のピクセルの投影表面に対する直接的投影により得ることが可能である。然しながら、本方法においては、該投影した画像は投影した画像ピクセルの配置によって表わすことが可能であり、該投影した画像ピクセルの各々は関連するビジュアルデータを有しており、且つ該ピクセルデータを変換するステップは、該1組のピクセルのうちの少なくとも1個のピクセルのピクセルデータにおけるビジュアル情報から少なくとも1つの投影した画像ピクセルに対するビジュアルデータを決定することを包含することが可能であり、該少なくとも1個のピクセルは検知器要素又は該画像のピクセルのロケーションによって定義される画像表面に対して逆投影された画像の投影された画像ピクセルのロケーションに最も近いロケーションを有している。該処理ユニットにおいて及び/又は該コンピュータプログラムにおいて、該投影された画像は投影された画像ピクセルの配置により表わすことが可能であり、該投影された画像ピクセルの各々は関連するビジュアルデータを有しており、且つ該ピクセルデータを変換するために、該命令は、該1組のピクセルのうちの少なくとも1個のピクセルのピクセルデータにおけるビジュアル情報から少なくとも1個の投影した画像ピクセルに対するビジュアルデータに対して1組の命令を包含することが可能であり、該少なくとも1個のピクセルは該検知器要素又は該画像のピクセルのロケーションにより定義される画像表面に対して逆投影された画像の投影された画像ピクセルのロケーションに最も近いロケーションを有している。この種類の投影は間接又は逆投影に対応している。投影された画像における与えられた投影された画像ピクセルロケーションから開始して、画像面、即ち検知器アレイの面内において対応する位置が決定され、該面はキャプチャされた画像又は投影表面上の投影された画像ピクセル位置に対して直接的に投影されるようなカメラモデルのピクセルを定義するために使用される。この間接又は逆投影を使用することは、ビジュアルデータ又はカラー及び/又は輝度及び/又はグレイスケール情報等のビジュアル情報の決定が直接投影におけるよりも一層高速であるという利点を有している。好適には、少なくとも1つの投影された画像ピクセルに対して、該ビジュアル情報は検知器アレイによりキャプチャされた画像における対応する位置を決定し且つ隣り合うピクセルのビジュアルデータの間での補間によりビジュアルデータを計算することにより決定される。好適には、バイリニア補間が使用される。
【0109】
間接投影技術の1つの利点は、隣り合うピクセルの間のギャップ又はオーバーラップを回避することが可能であるということである。別の利点は、投影表面内のピクセルが適切に選択される場合には、ディスプレイユニット上に投影した画像を表示するために更なる操作は必要ではないということである。
【0110】
得られた測量データ、即ち投影した画像は更なる測量作業のために使用することが可能である。これらは格納され、次いで適宜のデータ処理システムにより読取られた後に例えばオフィス等の遠隔の場所において実施することも可能である。然しながら、本方法は、又、ポインティング装置により又はタッチスクリーンをタッチすることにより選択された表示されている画像における2つの位置を読取り、投影した画像における選択した点に対応する投影した画像における2つの点の間の距離を決定し且つその決定した距離又はその決定した距離から計算した値を表示する動作を包含することが可能である。該処理ユニット及び/又はコンピュータプログラムにおいて、該命令は、ポインティング装置により又はタッチスクリーンをタッチすることにより選択された表示されている画像における2つの位置を読取り、該投影された画像における対応する点の間の距離を決定し、且つその決定された距離又はその決定された距離から計算された値を表示するための命令を包含することが可能である。この実施例は、夫々、投影した画像及び表示した画像のみを使用して測量を実施することが可能であり、従って更なる望遠鏡の移動は必要ではないという利点を有している。測定されたデータは、又、好適には該距離を定義する点と関連して格納させることが可能である。格納されている投影した画像データに基づいて別のコンピュータ上でこれらの動作を実施することも可能である。
【0111】
更に、本方法は、ポインティング装置によって又はタッチスクリーンをタッチすることによって選択された表示されている画像における3つを位置を読取り、該投影された画像における対応する点により定義される2つの線の間の角度を決定し、且つその決定された角度又はその決定された角度から計算された値を表示する動作を包含することが可能である。該処理ユニット及び/又はコンピュータプログラムにおいて、該命令は、ポインティング装置によって又はタッチスクリーンをタッチすることによって選択された表示されている画像内の3つの位置を読取り、投影された画像における対応する点により定義される2つの線の間の角度を決定し、且つその決定された角度又はその決定された角度から計算された値を表示するための命令を包含することが可能である。この実施例は、夫々、投影した画像及び表示した画像のみを使用して測量を実施することが可能であり、従って望遠鏡ユニットの更なる移動は必要ではないという利点を有している。測定されたデータは、又、好適には、該距離を定義する点と関連して格納することが可能である。格納されている投影した画像データに基づいて別個のコンピュータ上でこれらの動作を実施することも可能である。
【0112】
別の実施例においては、本方法は、ディスプレイユニット上に付加的な情報を表示する動作を有している。該処理ユニット及び/又はコンピュータプログラムにおいて、該命令は、ディスプレイユニット上に該処理ユニットによって得られるか又はその中に格納されている付加的な情報を表示するための1組の命令を包含することが可能である。この実施例は、同一のディスプレイからユーザが付加的な情報を読取ることが可能であり、従って該処理ユニット又は本装置を動作させることが一層快適なものとなり且つよりエラーの少ないものとなるという利点を有している。該付加的な情報は、例えば、該オリエンテーションセンサーにより検知される水平軸及び垂直軸により定義される望遠鏡ユニットの現在のオリエンテーションに関係することが可能である。
【0113】
別の実施例においては、本方法は、既に測量したターゲット領域内の点を表わす測量データを格納し、且つ投影した画像内の測量した点のうちの少なくとも1つを表わすマークをディスプレイユニット上に付加的な情報として表示する動作を包含している。該処理ユニット及び/又はコンピュータプログラムにおいて、該命令は、既に測量したターゲット領域における点を表わす測量データを格納し、且つ該投影した画像内の測量した点のうちの少なくとも1つを表わすマークをディスプレイユニット上に表示するための1組の命令を包含することが可能である。この実施例は、ユーザが測量の進捗をモニタすることを可能とする。特に、測量の中断の後に、最後に測量したターゲット点を認識することを一層簡単なものとさせる。好適には、全ての測量点がディスプレイユニット上に表示される。
【0114】
本方法は、又、測量すべきターゲット領域内の点を表わす座標データを採取し、且つディスプレイユニット上に投影した画像において未だに測量されるべき少なくとも1つの点を表わすマークを表示する動作を包含することが可能である。該処理ユニット及び/又はコンピュータプログラムにおいて、該命令は、測量すべきターゲット領域内の点を表わす座標データを採取し、且つディスプレイユニット上に投影した画像内の未だに測量すべき少なくとも1つの点を表わすマークを表示させるための1組の命令を包含することが可能である。この実施例の1つの利点は、測量すべき点の全体的なシーケンスを表示し、従って人は例えばリフレクタを測量すべき位置へより容易に移動させることが可能であるという可能性にある。好適には、未だに測量すべき点を接続する曲線が示される。このことは測量すべき幾つかのターゲット点がある状態においてより良い総括を可能とさせる。
【0115】
投影した画像、即ち投影した画像データを格納すること又は表示することとは別に、該投影した画像を印刷することが可能である。その目的のために、該処理ユニットはプリンタインターフェースを有することが可能であり、それは、例えば、適宜のソフトウエアインターフェースと結合してパラレルポート、USBインターフェース、又はIRDAインターフェースとすることが可能である。
【0116】
該処理ユニットにおいて、更に、リフレクタユニットに対してデータを送信し且つそれからのコマンドを受取るための無線通信ユニットを設けることが可能であり、該リフレクタユニットは該処理ユニットからデータを受取り且つコマンドを該処理ユニット、ディスプレイユニット及びポインティング装置又はタッチスクリーン及びディスプレイユニット及びポインティング装置又はタッチスクリーンへ接続されているプロセッサへ夫々送信するための無線通信ユニットを具備しており、且つ該命令は、リフレクタユニットのディスプレイユニット又はタッチスクリーンの夫々に表示されるべくピクセルデータ又は投影した画像データをリフレクタユニットへ送信し、リフレクタユニットのポインティング装置又はタッチスクリーンによって選択された表示された投影された画像におけるピクセルのピクセルデータを表わすコマンドデータを読取り、選択したピクセルに対応する水平軸Hz及び垂直軸Vzを決定し、且つ水平角度Hz−180゜及び垂直角度Vz−180゜へ夫々望遠鏡ユニットを回転させるために駆動部を制御するための命令を包含することが可能である。本方法は、更に、リフレクタユニットの夫々ディスプレイユニット又はタッチスクリーン上に表示されるために夫々ディスプレイユニット及びポインティング装置又はタッチスクリーンへ接続されているプロセッサ及びディスプレイユニット及びポインティング装置又はタッチスクリーンを具備しているリフレクタユニットへピクセルデータ又は投影した画像データを送り、リフレクタユニットのポインティング装置又はタッチスクリーンによって選択された表示された投影した画像内の投影された画像ピクセルの投影した画像ピクセルデータを表わすコマンドデータを受取り、選択した投影した画像ピクセルに対応する水平角度Hz及び垂直角度Vzを決定し、且つ夫々水平角度Hz−180゜及び垂直角度Vz−180゜へ該望遠鏡ユニットを回転させるために駆動部を制御する動作を包含することが可能である。該コンピュータプログラムは、ピクセルデータ又は投影した画像データをディスプレイユニット及びポインティング装置又はタッチスクリーンを具備しているリフレクタユニット及びリフレクタユニットの夫々ディスプレイユニット又はタッチスクリーン上に表示されるためのプロセッサへ送り、該リフレクタユニットのポインティング装置又はタッチスクリーンによって選択される表示した投影した画像内の投影した画像ピクセルの投影した画像ピクセルデータを表わすコマンドデータを受取り、選択した投影した画像ピクセルに対応する水平角度Hz及び垂直角度Vzを決定し、且つ夫々水平角度Hz−180゜及び垂直角度Vz−180゜へ該望遠鏡ユニットを回転させるために駆動部を制御するための命令を包含することが可能である。この実施例は、望遠鏡ユニットを処理のターゲットに対して少なくとも概略的に差し向けさせるためにユーザがリフレクタユニットを有益的な態様で使用することを可能とする。好適には、本測量装置は望遠鏡ユニットが移動するリフレクタを追跡するようなオリエンテーションに望遠鏡ユニットを移動させるために駆動部を制御することが可能な追跡装置を有している。
【0117】
本発明の別の側面によれば、コンピュータにより読取可能な格納媒体が提供され、該媒体は本発明に基づくコンピュータプログラムを格納している。該格納媒体は、例えば、RAM、ROM、フラッシュROM、USBスティック、メモリカード、CD、DVD、ブルーレイディスク等の光学的格納媒体、磁気光学的格納媒体又はテープ、フロッピィディスク又はハードディスク等の磁気格納媒体とすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】対応する座標系及びオブジェクト点を付したタキオメーターの概略斜視図。
【図2】ビデオタキオメーターの簡単化した斜視図。
【図3】本発明の第一例示的実施例に基づくビデオタキオメーターの正面図。
【図4】図3におけるビデオタキオメーターの望遠鏡ユニットの側面図。
【図5】図3におけるビデオタキオメーターの概略ブロック図。
【図6A】本装置がコリメーションエラーを有している場合の図1におけるタキオメーターの平面図。
【図6B】本装置がチルト用軸エラーを有している場合の図1に置けるタキオメーターの正面図。
【図6C】本装置が垂直高さ指数エラーを有している場合の図1におけるタキオメーターの側面図。
【図7】図3乃至5におけるビデオタキオメーターのキャリブレーション用のセットアップを示した概略図。
【図8】図7におけるコリメーターの概略断面図。
【図9】ピンホールカメラモデルを例示した概略図。
【図10】図3の装置のキャリブレーションに使用されるモデルにおいて使用される座標系及び軸の配置及び画像面を例示した斜視図。
【図11】図10における配置の平面図。
【図12】図11における配置の側面図。
【図13】キャリブレーション方法の概観を示したフローチャート。
【図14】仮想画像点の仮想距離の計算を例示した概略図。
【図15】図4乃至6におけるビデオタキオメーターの第一イメージセンサーの1つのセクション及び該イメージセンサーの該セクションをカバーするセルの配置を示した概略図。
【図16】装置中心に関しての方向の計算を例示した概略図。
【図17】図3におけるビデオタキオメーターのディスプレイユニット及び該ディスプレイユニット上に表示された視準軸を表わすマークを示した概略図。
【図18】本発明の第一好適例示的実施例に基づく測量データを供給する方法を例示したフローチャート。
【図19】図18におけるステップS13のサブステップを例示したフローチャート。
【図20】投影面へ投影された画像を得るためのセットアップを示した概略図。
【図21】投影面の場合に対し図20におけるステップS18のサブステップを例示したフローチャート。
【図22】投影面の場合に対し図20におけるステップS19のサブステップを示したフローチャート。
【図23】投影面の場合に対し図20におけるステップS20のサブステップを示したフローチャート。
【図24】図20における投影ステップS19及びS20の例示のための画像面及び投影面を示した概略図。
【図25】円筒へ投影された画像を得るためのセットアップを示した概略図。
【図26】円筒への投影の場合の図20におけるステップS19のサブステップを例示したフローチャート。
【図27】円筒への投影の場合の図20におけるステップS20のサブステップを例示したフローチャート。
【図28】自由形状表面へ投影された画像を得るためのセットアップを示した概略図。
【図29】本発明の第二好適例示的実施例に基づくビデオタキオメーターの望遠鏡ユニットの概略断面側面図。
【図30】投影された画像において既に測量された点及びこれから測量されるべき点を表示するステップを例示したフローチャート。
【図31】投影面へ投影された画像及び測量すべき点を得るためのセットアップを例示した概略図。
【図32】図29における本装置のカメラを所定のターゲットへ指向させる方法を説明するための画面を示した概略図。
【図33】図29における本装置のカメラを所定のターゲットへ指向させる方法のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0119】
以下に説明する例示的実施例においては、機能及び構造が類似しているコンポーネントには可能である限り同様の参照番号で示してある。従って、特定の実施例の個々のコンポーネントの特徴を理解するために、その他の実施例の及び本発明の要約の説明を参照すべきである。
【0120】
本発明の第一実施例に基づくビデオタキオメーター11を模式的且つ簡単化した態様で図3乃至5に示してある。
【0121】
アリダード12が、ビデオタキオメーター11に対するスタンドとして作用する三脚14のベース要素13上に配置されている。アリダード12は垂直軸15周りに回転可能であり、該垂直軸は、ビデオタキオメーター11が地面に関し正確に配向されている場合には地面に対して垂直に配向されている。アリダード12は望遠鏡ユニット16を担持しており、それはハウジング17(図4参照)内において、広い視野を有するファインダーカメラ18及びテレカメラ19を有している。望遠鏡ユニット16はチルト用軸20周りに回転可能であり、その軸は最大でチルト用軸エラーまで垂直軸15に対して直交している。従って、チルト用軸20は垂直軸15の周りにカメラ18及び19のうちの1つの回転と共に回転する。制御パネル21(図5参照)がアリダード12に対して着脱自在に装着されている。アリダード12はハンドル86によって取扱うことが可能である。
【0122】
回転及びチルト用駆動部22及び23が、夫々、垂直軸15の周りにアリダード12を回転させるため及びチルト用軸20の周りに望遠鏡ユニット16をチルト即ち傾斜させるために設けられている。
【0123】
垂直軸15周りの回転角度即ち水平角度の測定のために、水平角度用のメモリ付き水平円24及び検知用ヘッド25が設けられている。水平円24は垂直軸15と同心円状である。検知用ヘッド25はアリダード12上に保持されており且つベース要素13に対してのアリダード12、従って望遠鏡ユニット16及びカメラ18及び19の角度位置を検知することが可能である。
【0124】
回転角度、即ちチルト用軸20周りのチルト、即ち垂直角度の測定のために、垂直角度用のメモリ付き垂直円26がチルト用軸20と同軸状にチルト用軸20に対応的に装着されている。垂直角度用の検知ヘッド27もアリダード12上に保持されており、望遠鏡ユニット16の角度位置を検知することが可能である。
【0125】
従って、メモリ付き水平円24及びメモリ付き垂直円26はオリエンテーションセンサーであって、水平軸及び垂直軸周りの望遠鏡ユニット16のオリエンテーションを表わすオリエンテーションデータを生成する。
【0126】
ビデオタキオメーター11は、更に、アリダード12内に配置されている光学的下げ振り28を有しており、それは垂直方向下方に向いた小型の望遠鏡を有している。該小型望遠鏡の光軸は実質的に垂直軸12と同軸状である。従って、光学的下げ振り28は例えば境界石等の地面上の点の上方にビデオタキオメーター11を中心に置くか又は位置決めするために使用することが可能である。代替として、垂直下方に光ビームを射出する光学的下げ振りを使用することが可能であり、その光ビームは実質的に垂直軸15と同軸状である。
【0127】
傾斜センサー即ちクリノメーター29もアリダード12内に配置されており、それはアリダード12の、従ってビデオタキオメーター11の互いに直交している2つの方向における傾斜を測定し、従って垂直軸15が与えられた測定精度内において真の垂直方向にあるか否かをチェックし且つ従ってチルト用軸20が最大でチルト用軸エラーまで地面に対して真の水平方向にあるか否かをチェックすることを可能とする。
【0128】
3個の光学的装置が、図3において正面から示されており且つ図4において横断面図で示されている望遠鏡ユニット16内に配置されている。これらはファインダーカメラ18と、テレカメラ即ちテレビジョンカメラ19と距離測定装置30である。
【0129】
テレカメラ19は対物レンズ31とフォーカシングレンズ32を有しており、第一結像光学系及び第一イメージセンサー33を形成している。オブジェクト又はオブジェクト点が対物レンズ31及びフォーカシングレンズ32によってイメージセンサー33上に結像され、その場合に画像をイメージセンサー上にフォーカシングさせるために、フォーカシングレンズ32は図4における矢印で示したように対物レンズ31及びフォーカシングレンズ32の光軸に沿って移動される。テレカメラ19の視野はむしろ狭く且つ図4に示したように境界光線34によって境界が決められている。
【0130】
ファインダーカメラ18はテレカメラ19の光学的要素のうちの幾つかを使用する。ファインダーカメラ18は対物レンズ31、対物レンズ31の光路内に配置されているビーム分割用プリズム35、第二結像光学系を形成している補充的対物レンズ36及びダイヤフラム37、及び第二イメージセンサー38を有している。対物レンズ31と補充的対物レンズ36とによって形成されている結合型対物レンズはファインダーカメラ18によってキャプチャされた場面からの光を第二イメージセンサー38上にフォーカスさせる。該結合型対物レンズにおいて、対物レンズ31を通過する光はビーム分割用プリズム35の半反射性表面39によって補充的対物レンズ36へ反射される。補充的対物レンズ36はファインダーカメラ18に対する結合型対物レンズの焦点距離を減少させている。ダイヤフラム37は数メートルより離れた距離にあるオブジェクトに対して第二イメージセンサー38上に基本的にフォーカスされたイメージング即ち結像を確保しており、従ってファインダーカメラ18に対してフォーカシングレンズは必要ではない。該結合型対物レンズの減少された焦点距離のために、ファインダーカメラ18の視野(図4において制限用光線40により示してある)はテレカメラ19のものよりも一層大きい。好適には、ファインダーカメラ18の視界はテレカメラ19の視界の10倍又はそれ以上とすることが可能である。
【0131】
第一及び第二イメージセンサー33及び38は、両方共、CCDマトリクスセンサーであり、それは光検知器要素33′からなるアレイを有しており、それは非常に良い近似で矩形状である。該イメージセンサーによりキャプチャされた画像は以下に更に説明するユニットにより処理される。該検知器要素の各々は該アレイ内の1つのロケーション(location)を有しており、それは対応するロケーションデータにより表わされる。更に、該検知器要素の各々は第一及び第二結像光学系により該アレイ上に投影された画像に応答し、夫々、1個の要素即ち画像の点を表わす対応するピクセルのデータを発生する。
【0132】
距離測定装置(距離測定ユニット)30は、光学的ラジエーション射出/受取ユニット41、ビーム分割用層43を具備するダイクロイックビーム分割用プリズム42及び対物レンズ31を有している。射出用/受取用ユニット41は赤外線ラジエーション即ち照射を射出し、それはダイクロイックビーム分割用層43によって対物レンズ31へ向かって選択的に反射される。該赤外線照射は、次いで、地形におけるリフレクタ即ちターゲットに衝突することが可能であり、そこから帰還される。対物レンズ31は帰還された赤外線照射をビーム分割用プリズム42を介して射出用/受取用ユニット41へフォーカスさせる。射出用/受取用ユニット41は赤外線照射のパルスを射出し且つ射出用/受取用ユニット41からターゲットへ及びそこから射出用/受取用ユニット41へ戻るパルスの飛行時間を測定し且つその飛行時間からビデオタキオメーター11からターゲットへの距離を決定する。
【0133】
ビデオタキオメーター11のコンポーネントの何等かの動きは電子的に作り出される。図5はブロック図を示しており、そこにはビデオタキオメーター11の種々の機能的ブロックが模式的に示されており、それらの互いの接続が含まれている。破線は夫々のコンポーネント及び装置が配置されている物理的ユニットを示している。
【0134】
アリダード12内に配置されているバッテリ44は電源ユニット45に電力を供給し、それはビデオタキオメーター11にパワーを供給すべく作用する。電源ユニット45はアリダード12及び望遠鏡ユニット16内の全てのコンポーネント及び装置、及びそれに接続されている全てのモジュールに所要の動作電圧を供給する。説明の便宜上、これらの接続線は示していない。個々のコンポーネントはアリダード12内のコンポーネントに対する場合のように別々の線を介して又はアリダード12と望遠鏡ユニット16との間のデータ及び電源線を与える中央バス46によって接続することが可能である。チルト用軸20上に配置されているスリップリング47´はアリダード12及び望遠鏡ユニット16におけるバス46の部分を接続している。これらのスリップリング47´によって、望遠鏡ユニット16内の電子的及び電気的コンポーネントはパワーを供給されることが可能であり且つアリダード12内のコンポーネントとデータを交換することが可能である。
【0135】
垂直軸15上に配置されているスリップリング47(図3参照)は外部からの電源供給を可能とすると共に図示していないプラグを介して外部装置へ又はそれからのデータ転送を可能としている。
【0136】
ビデオタキオメーター11の制御又は動作のために、ビデオタキオメーター11は制御パネル21及び対応するノブにより動作可能なアリダード12上に配置されている角度エンコーダーの形態における動作要素48,49,50が設けられている。
【0137】
ビデオタキオメーター11の動作を制御するための重要な電気的装置は、装置制御コンピュータ即ち装置制御ユニット51であり、それはアリダード12内に配置されており且つ電源ユニット45によりパワーが供給される。
【0138】
装置制御コンピュータ51は揮発性メモリ、非揮発性メモリ、該非揮発性メモリ内に格納されているプログラムを実行するプロセッサを有している。該プログラムは該ビデオタキオメーターの種々のコンポーネントの動作のための命令を包含しており、特に、イメージセンサー33及び38の夫々から得られた画像データを予備処理し且つ制御パネル21へ転送するための命令を有しており、そこで画像データは更に処理される。
【0139】
動作要素48,49,50は対応するインターフェース57を介して装置制御コンピュータ51へ接続されている。このインターフェース57は動作要素48,49,50の夫々の回転位置に対応する信号を発生することを可能とし、それらは装置制御コンピュータ51へ送信される。
【0140】
動作要素48及び49は垂直軸15周りのアリダード12の回転及びチルト用軸20周りの望遠鏡ユニット16のチルト動作を夫々制御すべく作用する。動作要素48及び49の夫々及びインターフェース57からの信号に応答し、装置制御コンピュータ51はアリダード12内の制御回路58及び59を介して駆動部22及び23を制御しアリダード12を垂直軸15周りに回転させ且つ望遠鏡ユニット16をチルト用軸20周りにチルトさせる。角度測定は駆動部22及び23を制御するために使用することが可能である。
【0141】
駆動部22及び23は夫々動作要素48及び49によって単独に制御されることは必要ではないが、装置制御コンピュータ51内に格納されており且つ実行されるプログラムに基づいて又は例えば制御パネル21から装置制御コンピュータ51へ送られるコマンドに基づいて制御することも可能である。
【0142】
駆動部22及び23は角度測定装置、即ち水平角度用のメモリ付き水平円24及び対応する検知ヘッド25、又は垂直角度用のメモリ付き垂直円26及び対応する検知ヘッド27と夫々共働し、従って望遠鏡ユニット16を具備するアリダード12は垂直軸15周りに所望により回転させることが可能であり且つ望遠鏡ユニット16は測定可能な態様でチルト用軸20周りに回転させることが可能であり、且つ所望の水平及び垂直角度位置とさせることが可能である。この目的は、就中、装置制御コンピュータ51により達成され、それは検知用ヘッド25及び27から信号を受取り且つ前記信号に応答して水平駆動部22に対する制御回路58及び垂直駆動部23に対する制御回路59を制御する。
【0143】
アリダード12が垂直軸15周りに回転されるべきであり且つ望遠鏡ユニット16がチルト用軸20周りに回転されるべきである角度は3つの態様で供給することが可能である。第一に、動作要素48及び49は対応する角度を装置制御コンピュータ51へ入力することを可能とする。第二に、装置制御コンピュータ51は例えば制御パネル21等のビデオタキオメーター11のその他のコンポーネントからのデータの関数として設定すべき角度を決定することが可能であり、且つ夫々制御回路58及び59を制御することが可能である。第三に、対応するデータを例えばRS232インターフェース等のインターフェース69(図7参照)を介して制御装置ユニット51へ入力させることが可能である。
【0144】
装置制御コンピュータ51へ接続されており且つアンテナ62を具備している無線モジュール61は遠隔制御等の遠隔装置とデータを交換すべく作用する。例えば、ビデオタキオメーター11は図には示していないが測定のターゲット点に位置されている遠隔制御又はステーションにより遠隔制御することが可能である。
【0145】
イメージセンサー33及び38の信号を処理するために、データ圧縮ユニット63が望遠鏡ユニット16内に設けられており、それはイメージセンサー33及び38から受取ったイメージデータを圧縮させる。圧縮されたデータは装置制御コンピュータ51へ送ることが可能であり、それはデータを予備処理及び/又は制御パネル21へ転送することが可能である。
【0146】
フォーカシングレンズ32の位置を制御するために、アリダード12に配置されている動作要素48及び49と同一のタイプの動作要素50(図5参照)がインターフェース57を介して装置制御コンピュータ51へ信号を供給し、該コンピュータは望遠鏡ユニット16内に配置されているサーボ制御ユニット64へ対応する制御信号を供給し、フォーカシングレンズ32を移動させるための対応するフォーカシング駆動部を駆動する。この駆動部は図には示していない。
【0147】
装置制御コンピュータ51は、更に、上述した光学的下げ振り28及び傾斜センサー29へ接続されている。
【0148】
本発明に基づく第一好適実施例に基づく処理ユニットを表わす制御パネル21は、オペレータとビデオタキオメーターとの間の通信を行い且つ入力用のキーボード52、例えばLCD等のカメラ18又は19の夫々の1つによりキャプチャされたイメージ及びデータの出力のためのディスプレイユニット53、ポインティング装置114としてのマウス及びディスプレイユニット53とポインティング装置114とキーボード52とが接続されているコンピュータ54が設けられている。
【0149】
制御パネル21はアリダード12内に配置されている装置制御コンピュータ51及び電源ユニット45へ解除可能な接続部55を介して接続されている。制御パネル21は着脱自在であるので、それはそれ自身のバッテリを装備することが可能であり、そのことは、制御パネル21がアリダード12から取り外された場合であってもコンピュータ54が継続して動作することを確保する。
【0150】
コンピュータ54は揮発性及び非揮発性セクションを具備するメモリ112を有している。非揮発性セクションはキャリブレーションデータ及びコンピュータプログラムの命令を格納している。コンピュータ54は、更に、該命令に応答して後述する本発明の第一好適実施例に基づく方法を実施するためのプロセッサ113を有している。コンピュータ54は、又、それ自身のプログラム及びデータメモリによって多数の測地計算を実施することが可能である。
【0151】
コンピュータ54は接続部55を介して装置制御コンピュータ51へ接続されており、従ってコマンド及びデータは装置制御コンピュータ51へ転送することが可能であり、且つデータ、特にイメージデータ及び角度データをコンピュータ54へ送ることが可能である。
【0152】
プロセッサ113はメモリ112及びディスプレイユニット53に対するハードウエアとソフトウエアとを有するインターフェース116へ接続されている。
【0153】
更に、プロセッサ113は対応するインターフェース115を介してポインティング装置114へ接続されている。メモリ112内の命令は、ディスプレイ53を制御し且つマウス及びキーボード52からの入力を読取るための命令を有しており、従ってグラフィカルユーザインターフェースが形成される。
【0154】
該コンピュータプログラムは更なるプログラムモジュール、即ち命令を有しており、それは、プロセッサ113がオブジェクト点の方向を計算するためにプロセッサ113が実行することが可能であり、該オブジェクト点の画像はイメージセンサー33上のオブジェクト点のイメージの位置の関数としてテレカメラ19によりキャプチャされたものであり且つ水平及び垂直角度はメモリ112内に格納されているキャリブレーションデータを使用して水平及び垂直円24及び26から読取られる。その目的のため及び逆計算のために、ビデオタキオメーター11の特性によって与えられるモデルパラメータを有するモデルが使用される。
【0155】
制御パネル21は本発明の第一好適実施例に基づく処理ユニットを表わしている。
【0156】
これらの計算の高精度を達成するために、該モデルパラメータは特定のビデオタキオメーター11に対して決定される。以下においてはキャリブレーションデータとも呼ばれるモデルパラメータの値を決定するために、ビデオタキオメーターのキャリブレーションが実施される。このタイプのキャリブレーションは幾つかの理由により実施される。導入部において説明したように、タキオメーターの軸は理想的には垂直及び水平であるべきである。然しながら、実際には、理想的なタキオメーターに対する上述した条件は満足されることはない。そうではなく、測定精度は夫々11及び13の装置に対して簡単化した態様で図6A乃至6C及び3において例示したような異なるタイプのエラーによって減少される場合がある。
【0157】
第一のエラーは垂直軸2のオリエンテーションに関するものである。それは地面に対して完全に垂直であるべきであり、即ち重力の方向に沿って指向すべきであるが、実際には、そうでない場合がある。このエラーは機械自身によってもたらされるものではなく、従って測量装置の適切なオリエンテーションによってのみ開示することが可能なものである。第二のエラーとして、視準エラー即ちコリメーションエラーが発生する場合があり、それは正しい角度からの視準軸7及び傾斜用軸4の間の角度gの逸れである(図6A参照)。第三のエラーは所謂チルト用軸エラーであり(図6B参照)、それは正しい角度からのチルト用軸と垂直軸との間の角度の逸れである。最後に、所謂高さ指数エラーz0が発生する場合があり、それは視準軸と垂直軸との間の真の角度と垂直円上で読取られた対応する角度との間の逸れである(図6C参照)。これらの最後の3つのエラーは測量装置のトレランスにより発生される。正確な測定値をあたえることが可能であるためには、測量装置はキャリブレーションすることが必要であり、即ち水平円及び垂直円上で読取られる角度と対応する真の角度との間の関係が確立されねばならない。
【0158】
ビデオタキオメーターは、例えば、望遠鏡全体又は望遠鏡の接眼レンズのみを置き換えるか又は望遠鏡に付加して設けることが可能なカメラを有しているという点において従来のタキオメーターと異なっている。図2に模式的に示したように、測定されるべき点Pはイメージセンサー10上のある位置の上に結像され、該イメージセンサーは検知器要素10′からなる矩形状のアレイを有しており、該アレイ上の形成された画像に応答して画像のピクセルを表わすピクセルデータを生成する。該イメージセンサー上のポイント即ち点の画像の位置から測量装置からその点への方向を決定するために、該方向は真の垂直角度及び水平角度により定義されるものであり、画像センサー上の位置と空間内の対応する方向との間の関係を知ることが必要である。
【0159】
理想的なカメラの光軸は画像センサーの面に対して垂直であるべきであり且つ光学系は収差又は歪みのないものとすべきである。更に、該光軸はカメラの基準軸と平行であるべきである。
【0160】
然しながら、実際のカメラはこれらの理想的な特性を有するものではない。従って、キャリブレーション、即ち空間内の方向と画像センサー上のこれらの方向の画像の対応する位置との間のマッピングが実施される。
【0161】
図7に示した如く、ビデオタキオメーター11はデータ処理システム65及び伸縮可能なコリメーター66を使用する測量装置をキャリブレーションする方法によりキャリブレーションすることが可能である。測量装置のキャリブレーション方法は係属中の特許出願PCT/EP2004/014365において開示されており、その内容を引用によりここに包含させる。その他のキャリブレーション方法を使用することも可能である。
【0162】
キャリブレーションセットアップを図7に模式的に示してある。
【0163】
データ処理システム65はプロセッサ67、プロセッサ67により実行されるべきプログラム及び永久的及び一次的なデータを格納するメモリ68、及びキャリブレーションに使用するためのデータを読取り且つキャリブレーションされるべき測量装置、即ちビデオタキオメーター11へコマンドを送るためのインターフェース69を有している。この例においては、インターフェース69はRS232インターフェースである。データ処理システム65は、更に、キャリブレーション用のコンピュータプログラムが格納されているCD71の形態における格納媒体からキャリブレーション用のコンピュータプログラムを読取るためにこの場合にはCD−ROMドライブ70である格納媒体用の読取器を有している。コンピュータプログラムがCD−ROMドライブ70によってCD71から読取られ且つメモリ68内に格納されると、それはデータ処理システムにより実行されるべきキャリブレーション方法のステップを実施するためにプロセッサ67により実行することが可能である。
【0164】
データ処理システム65は、更に、この例においては適宜のケーブルである接続部72及びインターフェース69を介してビデオタキオメーター11へ接続されている。
【0165】
データ処理システム65はコマンドを出力するために別の出力インターフェース85を介してコリメーター66へ接続されている。
【0166】
伸縮自在なコリメーター66(図8参照)は仮想キャリブレーション点を発生すべく作用する。より詳細に図8に示してあるコリメーター66は、案内管要素73及び被案内管要素74を有している。被案内管要素74は、案内管要素73により案内されたままで案内管要素73内を摺動可能である。
【0167】
案内管要素73は図には示していない装着手段によって地面に対して固定した位置に装着することが可能である。被案内管要素74は出力インターフェース85へ接続されており且つデータ処理システム65により制御される例えばステップモータ等の電気的駆動部84によって案内管要素73と相対的に制御可能に摺動させることが可能である。
【0168】
案内管要素73に対する被案内管要素74の位置は電気的駆動部84の位置によって完全に決定され、従って測定することは必要ではない。
【0169】
被案内管要素74内に配置されている照明装置76がスリガラススクリーン77を照明する。照明されたスリガラススクリーン77は第一クロスヘア即ち十字線78を照明する。
【0170】
照明装置76により射出された光の光路内に配置されているビームスプリッター79が第一クロスヘア78を通過した光を案内管要素73内に装着されている対物レンズ80へ向け直す。対物レンズ80はクロスヘア78を対物レンズ80と第一クロスヘア78との間の距離により決定される距離に実際の又は仮想の画像として結像させる。キャリブレーション目的のために、第一クロスヘア78は対物レンズ80とその対物レンズ側焦点との間に位置決めされる。従って、クロスヘア78は仮想キャリブレーション点を発生するために使用することが可能なフローティングマークを表わす。
【0171】
第二クロスヘア81がビームスプリッター79を超えた対物レンズ80の光軸上に配置されており且つ接眼レンズ82によって観察することが可能である。
【0172】
更に、メモリ68内に格納されているコンピュータプログラムはプログラムコードを包含しており、それは、プロセッサ67上で稼動されると、プロセッサ67をして出力インターフェース85を介して制御コマンドを駆動部84へ発行させてクロスヘア78を所定の位置へ移動させ且つ後述するように仮想キャリブレーション点の対応する仮想距離を計算する。
【0173】
テレカメラ19がアクティブであるビデオタキオメーター11のキャリブレーションの場合には、キャリブレーションのために調節すべきモデルパラメータを包含するモデルが使用される。モデルパラメータを包含しているこのモデルは、又、更に後述するようにイメージセンサーによりキャプチャされた画像の処理を行うための基礎を形成する。このモデルは2つのサブモデルを有している。
【0174】
第一サブモデルはベース要素13に固定されている座標系内の座標のテレカメラ19であるカメラに固定されているカメラ座標系へ変換するためのモデルであり、それはパラメータとして該装置に設定された水平角度及び垂直角度を包含しており且つ導入部において説明したような軸エラー、即ちチルト用軸エラー及び何等かの形態のコリメーションエラー及び垂直指数エラーに関するパラメータを包含している。
【0175】
第二サブモデルはカメラモデルであり、それはカメラによるオブジェクト点のカメラのイメージセンサー上へのイメージング即ち結像を表わしている。この実施例においては、ピンホールモデルが使用される。
【0176】
該モデルにおいて、基本的に2つの座標系が使用される。第一座標系は装置座標系と呼ばれるものであり、それはベース要素13に関して固定されている(図3参照)。それはカーテシアン座標系であり、その原点は垂直軸15とチルト用軸20との交点にあり且つX軸、Y軸、Z軸は互いに直交している。これらの軸が交差しない場合には、これらの軸の最も近付いた点が該座標系の原点として使用される。X軸及びY軸は垂直軸15に対して直交しており従って垂直軸15が地面に対して垂直である場合には水平である。この座標系においては、点Pはカーテシアン座標(X,Y,Z)を有している。
【0177】
2番目に、カメラ座標系が使用され、それはカメラ19に関して固定されている。それはx軸、y軸、z軸により定義され、これら3つの軸全ては互いに直交している。点Pの位置はカメラ座標系内の座標(x,y,z)により記述することが可能である。
【0178】
以下において、装置座標系における座標は常に大文字で示してあり、一方カメラ系内の座標は常に小文字で示してある。
【0179】
第一に、カメラモデルを図9を参照してより詳細に説明する。
【0180】
カメラモデルとして使用されるピンホールモデルは、イメージセンサー上にカメラにより結像される点Pがイメージセンサー33と関連しており且つ特に同一の面内にある場合がある画像面IP上への投影中心Oを介してこの点の投影により記述することが可能であるということを仮定している。
【0181】
従って、このピンホールモデルは画像面IP及び画像面と相対的な投影中心Oの位置により決定される。投影中心と相対的な投影中心の位置が結像光学系、即ちカメラ光学系、ここでは対物レンズ31及びフォーカシングレンズ32によって決定されるので、その位置は該カメラの光学的特性、特に、該カメラの結像特性を表わしている。画像面へのオブジェクト点Pの結像は投影中心Oを介しての該オブジェクト点の画像面への投影により表わされる(図9参照)。該画像面は基本的にはイメージセンサーの面であると仮定され、従ってカメラ座標系のx軸及びy軸は画像面に対して平行である。矩形状カメラ座標系のz軸は画像面と直交する投影中心を貫通する線である。画像は常に画像面内にあるので、その位置はx及びy座標によってのみ特性付けることが可能である。
【0182】
(x,y,z)がカメラ座標系内の点Pの座標であり且つx0,y0,z0がカメラ座標系内の投影中心座標であるとする。従って、投影中心Oを介して画像面IPに直交な線の貫通点Hp、即ちz軸は、x−y面内において座標x0及びy0を有している。更に、(x′,y′,z′)は画像面内にカメラにより発生された点Pの画像P′の座標を示している。カメラ光学系が歪みを発生するものでない場合には、簡単な幾何学的議論によって以下の関係が得られる(図9参照)。
【0183】
【数1】
【0184】
尚、ckは投影中心と画像面との間の距離を表わす所謂カメラ定数である。従って、z′=ckが成立する。
【0185】
カメラ光学系は画像内に歪みを形成する場合があり、その歪みはカメラ光学系において使用されるレンズの不完全性及び/又はそれらのアライメントに起因するものである。一次半径方向歪みを考慮するために、別のパラメータνを導入する。歪みにより発生される画像の位置における相対的変化は定数vと貫通点HPから画像の半径距離の平方との積としてモデル化される。点(x,y,z)の画像が歪みなしで画像面内の(x′,y′)に対応する場合には、貫通点HPから画像点の平方した半径方向距離は(x′−x0)2+(y′−y0)2である。従って、歪み補正Δx′及びΔy′が加えられ(図9参照)、その結果次式の如くになる。
【0186】
【数2】
【0187】
及び、vはカメラの光学系の上述した一次半径方向歪みを表わすカメラモデルパラメータである。
【0188】
これらの式はカメラ座標系内においてのみ有効である。オブジェクト点の座標が装置座標系内において表現されるべきである場合には、これらの座標系の間の変換が行われる。これは座標の変換用サブモデルである。
【0189】
通常、該変換は、座標系軸周りの3つの回転のシーケンス及び空間内のトランスレーションベクトルによって表わすことが可能である。従って、カメラ座標系内の点Pの座標pt=(x,y,z)は次式により装置座標系内の座標Pt=(X,Y,Z)へ変換される。
【0190】
【数3】
【0191】
尚、Tはトランスレーションベクトルであり且つR−1は回転行列の積Rの逆数である。キャリブレーション期間中に投影中心の位置及びイメージプレーン即ち画像面の位置及びオリエンテーションは調節されるので、カメラ座標系の原点は投影中心に選択することが可能であり、その結果次式が得られる。
【0192】
【数4】
【0193】
この関係をx′及びy′に対する式に挿入すると所謂共線条件式が次式の如くに得られる。
【0194】
【数5】
【0195】
尚、rij,i,j=1,...,3はRの行列要素であり且つ装置座標系における投影中心Oの座標は(X0,Y0,Z0)である。
【0196】
カメラ座標系の原点は投影中心に選択されており且つz軸は画像面に対して直交であると仮定されているので、CCDセンサーのマトリクス即ち行列の行及び列に沿って指向されているx″軸及びy″軸を有しているイメージセンサー座標系内のイメージセンサー上で読取られる画像位置(x″,y″)はx′=x″−xs″及びy′=y″−ys″により与えられるカメラ座標系内の画像位置に対応しており、(xs″,ys″)はイメージセンサーにより測定される画像面とz軸との交差位置の座標であり、即ちその位置はイメージセンサー上の対応するピクセルの位置である。従って、上述した式において、x′及びy′はx″−xs及びy″−ysで置換される。
【0197】
要約すると、カメラモデルのパラメータは貫通点の座標xs,ysであり、カメラ定数及びパラメータvはカメラ光学系の歪み特性を表わしている。カメラ座標系の定義によりx0=y0=0が成立する。
【0198】
カメラ座標系と装置座標系との間の変換は、種々の態様で派生させることが可能であり、例えば、以下に説明するように装置座標系と一致するオリエンテーションから開始してカメラ座標系の逐次的な回転を実施することにより派生させることが可能である。
【0199】
図10は、座標軸x,y,zを有するカメラ座標系と、座標x″,y″及び座標(xs″,ys″,ck)の原点を有する画像座標系を示しており、尚x″軸及びy″軸はx軸及びy軸と平行であり、且つそれらの装置座標系(X,Y,Z)との関係が示されている。図10において、装置座標系の原点は理論的なチルト用軸と垂直軸と視準軸との交点に存在している(即ち、装置中心即ちタキオメーター中心にある)。これらの理論的な軸に対し、上述した条件が満足され、理論的垂直軸15は地面に対して垂直であると仮定され、理論的チルト用軸20′と理論的垂直軸15との間の角度及び理論的視準軸83と理論的チルト用軸20′との間の角度は直角であると仮定される。3つの軸全てが1つの点で交差し、それは装置座標系の原点である。更に仮定されることは、実際の垂直軸が理論的垂直軸であるということである。装置座標系のZ軸は装置の垂直軸と一致し且つY軸は水平円24上にマーク付けされているゼロ方向と一致する。
【0200】
カメラ座標系の原点は投影中心Oである。然しながら、図10においては、説明の便宜上、その原点は画像面へシフトして示されている。主要な点HP、即ち投影中心を貫通し且つ画像面IPに対して直交な線の貫通点は画像面内の画像座標系において座標xs″及びys″を有している。
【0201】
図10乃至12に示したように、実際のチルト用軸20は角度iだけ理論的チルト用軸20′から逸れる場合があり、それは実際のチルト用軸20と垂直軸15との間の角度の直角からの逸れである。従って、角度iはチルト用軸エラーを表わしている。
【0202】
更に、理論的視準軸83は投影中心Oを介して走行することは必要ではない。この逸れは2つの角度c0及びz0により表わすことが可能である。角度c0は、理論的チルト用軸20′と理論的視準軸83によって与えられる面内において、理論的チルト用軸20′と投影中心O及び理論的視準軸83と理論的チルト用軸20′との交点を通過する線との間の角度として定義される。角度z0は垂直軸15と理論的視準軸83とによって与えられる面内において、理論的視準軸83と投影中心O及び理論的視準軸83と理論的チルト用軸20′との交点を通過する線との間の角度として定義される。
【0203】
カメラレンズのレンズマウンティングによって定義される望遠鏡軸110の理論的視準軸83からの逸れは、望遠鏡軸110と理論的視準軸83との間の角度cFによって定義される。
【0204】
カメラ座標系は、又、ビデオタキオメーター11の方向及びどのようなエラーとも独立的であると仮定されるω、φ、κによって装置座標系の軸周りに回転させることが可能である。
【0205】
上述した逸れは水平円24及び垂直円26から読取られるように夫々の角度からの実際又は真の水平及び垂直角度の逸れを発生させる。
【0206】
カメラ座標系の実際の又は実効的なチルト角度は次式により与えられる。
【0207】
V0=Vm+z0
これは図10及び12から決定することが可能である。その中で、Vmは垂直円26から読取られた垂直角度を示している。
【0208】
角度c0cFは次式の如くコリメーションエラーとして夫々投影中心及び実際の水平角度球座標上において同一の影響を有している。
【0209】
【数6】
【0210】
角度iはicot(V0)の水平角度における逸れを発生させる。
【0211】
それにより垂直軸周りにカメラ座標系が回転される実効水平角度Hzeffは次式の如くである。
【0212】
【数7】
【0213】
尚、Hzmは水平円24から読取った水平角度を示している。
【0214】
これらの式の詳細な導出はDeumlich, F., Staiger, R.、「
Instrumentenkunde der Vermessungstechnik」、ハイデルベルグ、ドイツ、第9版、206−208頁において見出すことが可能である。
【0215】
回転行列R−1は、装置座標系と一致するオリエンテーションにおいて開始してカメラ座標系の以下のような回転のシーケンスを考慮することにより得ることが可能である。
【0216】
第一に、カメラ座標系を実効水平角度Hzeffだけ垂直軸周りに回転させる。回転された座標系における対応する座標は回転行列により得ることが可能である。
【0217】
【数8】
【0218】
チルト用軸エラーは角度iだけ変換された、即ち回転されたカメラ座標系のy軸周りの回転により説明される。
【0219】
対応する座標変換は次の回転行列により与えられる。
【0220】
【数9】
【0221】
二度回転されたカメラ座標系を、更に、実効垂直角度V0だけ二度回転されたカメラ座標系のx軸周りに回転させる。測地においては垂直角度が天頂から測定されることを考慮すると、この座標変換用の対応する回転行列は次式の如くになる。
【0222】
【数10】
【0223】
4番目のステップにおいて、これまで回転されて来たカメラ座標系を、更に、現在のy軸周りに角度cFだけ回転させる。対応する座標変換は次式の回転行列によって書くことが可能である。
【0224】
【数11】
【0225】
最後に、最後の回転により得られたカメラ座標系を角度ωだけx軸周りに回転させ、角度φだけy軸周りに回転させ、且つ角度κだけz軸周りに回転させる。対応する回転行列は次式の如くである。
【0226】
【数12】
【0227】
従って、行列要素rij,i,j=1,...,3を有する完全な回転行列は次式の如くである。
【0228】
【数13】
【0229】
図10から、装置座標系内の投影中心Oの座標は次式の如くに書くことが可能である。
【0230】
【数14】
【0231】
尚、S0は装置座標系の原点からの投影中心の距離を示している。
【0232】
従って、完全な変換は回転行列R及び投影中心の位置によって与えられる。この変化において使用されている変換パラメータ、即ちその変換をパラメータ化している変換パラメータはi,c0,cF,z0,S0,ω,φ,κである。該変換は、又、水平円上で読取られるような水平及び垂直角度Hzm及びVmに依存する。
【0233】
共線条件式及び座標変換を使用して、球座標Hz、V、S、従って装置座標系におけるカーテシアン座標(Scos(Hz)sin(V),Ssin(Hz)sin(V),Scos(V))を有しており、且つカメラモデルパラメータ及び以下の変換パラメータを使用して水平及び垂直角度Hzm及びVmにおいて結像されるオブジェクト点の画像の位置x″及びy″を計算することが可能である。
【0234】
【数15】
【0235】
上の式は簡単化のために次のように書くことが可能である。
【0236】
【数16】
【0237】
実際に、イメージセンサー33の検知器要素の各々は該アレイ内において固定したロケーションを有しており、従ってイメージセンサー座標系内において対応する固定した座標を有している。従って、測定された座標は離散的な値を有することが可能であるに過ぎない。検知器要素の各々は結像光学系により該アレイ上に投影された画像に応答して該画像の1つの点を表わす1個のピクセルのデータを発生する。この例においては、RGBチャンネルを具備する検知器要素からなるアレイを使用しており、従ってピクセルデータは各チャンネルに対して対応する強度データを有している。
【0238】
キャリブレーション方法を図13を参照して説明する。
【0239】
最初に、ユーザがビデオタキオメーター11をコリメーター66と相対的に所定の、例えばマークを付けた位置に設置し、その場合に、クロスヘア78の仮想画像をイメージセンサー33へ結像させることが可能である。その位置はコリメーターの及びカメラの特性に依存して決定され且つ仮想キャリブレーション点がクロスヘア78を移動させることにより与えることが可能であるように選択される。更に、ビデオタキオメーター11はその垂直軸を地球に対し垂直に、即ち地球の重力に対して平行な方向に配向される。
【0240】
この方法は3つの主要なセクションS1乃至S4へ分割細分化することが可能である。データ処理システム65、即ちプロセッサ67が自動的にセクションSC1乃至SC3の全てのステップを実施し、コリメーター電気的駆動部84及び測量装置11へコマンドを発行し、必要である場合には、測量装置11から画像位置データ及び対応するオリエンテーションデータを受取り、且つ後述する計算を実施する。キャリブレーションのために使用されるこの方法はデータ処理システム65において実行されるコンピュータプログラムのプログラムコードの形態で設けられている。
【0241】
第一セクションSC1において、キャリブレーション用の測定されたデータがコリメーター66、データ処理システム65及びビデオタキオメーター11によって得られる。
【0242】
コリメーター66によって、幾つかの仮想キャリブレーション点Pi,尚i=1,...,NでありNは正の整数である、が与えられる。これらの仮想キャリブレーション点に対する距離データが電気的駆動部の位置又はメモリ68内の対応するデータ、即ち光路に沿ってのクロスヘア78と対物レンズ80との間の距離、及び対物レンズ80とビデオタキオメーター11との間の既知の距離によって与えられる。更に、各キャリブレーション点に対して、キャリブレーション点の画像が異なる位置に発生され且つ該イメージセンサー及びイメージセンサー上の画像の位置を表わす対応する画像位置データ及び対応する水平角度及び垂直角度を表わすオリエンテーションデータがビデオタキオメーター11の両方の面内において得られる。
【0243】
第二セクションSC2において、装置座標系内のキャリブレーション点と関連している方向を表わすデータ及びモデルパラメータに対する値が最小二乗推定方法によって推定される。このセクションにおける全てのステップもデータ処理システム65内のコンピュータプログラムによって実施される。
【0244】
第三セクションSC3においては、得られたモデルパラメータを、測量装置、即ちビデオタキオメーター11内にキャリブレーションデータとして格納し、それは、イメージセンサー上の与えられた位置に対して、装置座標系において、且つ、イメージセンサー33上に結像された点のビデオタキオメーターからの距離が既知である場合には、対応するカーテシアン座標における対応する方向を計算するために使用される。
【0245】
データ処理システム65上で、キャリブレーション用のコンピュータプログラムが開始され、且つ最初に図には示していないディスプレイ及びキーボードを介して正の整数Nを入力することを必要とする。整数Nを入力した後に、該プログラムは第一キャリブレーション点と関連している距離データの入力を要求する。これらのデータの入力の後に、プロセッサ67は該データを該データ処理システムのメモリ68内に格納する。
【0246】
セクションSC1において、各測定された点に対して、即ちN回以下のステップが実行される。
【0247】
最初に、対物レンズ80に関してその位置を変化させることによりコリメーター66内のクロスヘア78の仮想画像を発生させることにより新たなキャリブレーション点が与えられる。その目的のために、プロセッサ67は電気的駆動部84を制御して対物レンズ80の焦点と対物レンズ80との間で距離ΔFだけクロスヘア78を移動させる。
【0248】
次いで、測量装置、即ちビデオタキオメーター11と仮想キャリブレーション点との間の距離Dが得られる。図14はこの計算を示している。この図において、第一クロスヘア78が簡単化のために対物レンズ80の光軸上に示されている。距離Dを計算するために、対物レンズ80、より精密にはビデオタキオメーター側上の対物レンズ80の主面Hからのクロスヘア78の仮想画像の距離sが対物レンズ80の焦点距離及び対物レンズ80の焦点からのクロスヘア78の距離Δfから次のように計算される。
【0249】
【数17】
【0250】
次いで、仮想画像距離sを対物レンズ80、即ち上述した主面Hと測量装置、即ちビデオタキオメーター11の垂直軸との間の距離STh/Hへ加算される。
【0251】
次いで、与えられたキャリブレーション点に対して、異なる画像がイメージセンサー33上に発生され且つ対応する画像位置データ及びオリエンテーションデータが得られ且つデータ処理システム65内に格納される。
【0252】
キャリブレーションのために必要とされるキャリブレーション点の画像の発生及びデータの発生は以下の如くである。
【0253】
第一発生ステップは第一キャリブレーション点に対して行われる。次続のキャリブレーション点に対して、この発生ステップは、少なくとも、コリメーターがキャリブレーション点を与えるために使用されており且つ測量装置即ちビデオタキオメーター11と相対的なコリメーターのオリエンテーションが、望遠鏡ユニット16、即ちカメラ19の再オリエンテーションを除いて、不変のままである場合には、必要である場合に行うことが必要であるに過ぎない。この発生ステップにおいて、カメラ19は発生されたキャリブレーション点に対して指向される。この実施例においては、キャリブレーション点の画像がイメージセンサー33上に表われれば充分である。
【0254】
更に、カメラを第一面とさせ、そのことは、カメラ19の垂直角度が0ゴンと200ゴンとの間にあることを意味し、尚0ゴン(gon)は垂直円26により決定される天頂である。
【0255】
次に、第二発生ステップにおいて、カメラ19が回転され且つチルトされてイメージセンサー33上のキャリブレーション点の画像をイメージセンサー33上の所定の開始位置へ移動させる。好適には、その開始位置は画像センサー33の角部のうちの1つ近くに位置されている。この目的のために、データ処理システム65内に格納されているコンピュータプログラムは、イメージセンサー33によりキャプチャされた画像のような画像におけるオブジェクト認識用のプログラムモジュールを有している。データ処理システム65のメモリ68内において、クロスヘア78を表わすテンプレートが格納されている。既知のオブジェクト認識技術、例えばテンプレートマッチングアルゴリズムを使用することにより、キャプチャされた画像、即ちイメージセンサー33上のキャリブレーション点の画像の位置が得られる。コンピュータプログラムは、キャリブレーション点の画像を開始位置近くへ移動させるためにカメラ19を垂直軸15周りに与えられたインクリメントだけ回転させ及び/又はチルト用軸20周りにチルトさせるべきであるか否かを計算する。次いでそれは測量装置に対して対応するコマンドを発行し、その場合に装置制御コンピュータ51は対応するコマンドを受取り且つカメラ19を駆動部22及び/又は23によって夫々の角度だけ移動させる。次いで、キャリブレーション点の画像が開始位置に到達するまで新たな画像がキャプチャされ且つ該プロセスが繰り返される。それにより、キャリブレーション点の画像が開始位置に近付くに従い角度インクリメントの寸法を減少させることが可能である。
【0256】
第三発生ステップにおいて、該プログラムはキャリブレーション点の画像のターゲット位置としてイメージセンサーをカバーするマトリクス即ち行列のセル内のランダムな位置を計算する。その目的のために、該イメージセンサーは所定の正の整数L及びMでL×M行列に分割されており且つ該セルの幾何学的中心が計算される。図15において、セル88はイメージセンサー33をカバーする矩形状のアレイに配列されている。これらのセルの幾何学的中心は×印で示されている。幾何学的中心の各々に対して且つ該行列内の各方向に対して、擬似ランダム数発生器を使用してランダム数が決定され、そのランダム数の大きさは対応する方向におけるセルの寸法の半分未満であり且つ夫々の方向における幾何学的中心の座標へ加算される。その結果得られる該セルの各々におけるランダム位置が白色の○印で図15において示されている。このランダム数の使用はイメージセンサーにおける欠陥性の光検知要素の影響を著しく減少させる。何故ならば、画像位置が常に欠陥性ピクセル上にあることを回避することが可能だからである。これらの位置はデータ処理システム65のメモリ68内に格納される。
【0257】
第四発生ステップにおいて、望遠鏡ユニット16、従ってカメラ19が回転され且つチルトされてイメージセンサー33上のキャリブレーション点の画像をターゲット位置へ移動させる。その目的のために、第二発生ステップにおけるものと同一のアルゴリズムを使用することが可能である。キャリブレーション点の画像がターゲット位置に到達すると、画像位置データ、即ち画像面内の画像の座標x″及びy″が格納され且つオリエンテーションデータ、即ち水平円及び垂直円により夫々決定される水平角度Hzm及び垂直角度Vmがデータ処理システム65から測量装置へ送られる対応するコマンドに応答して測量装置から読み取られる。
【0258】
画像位置データ及びオリエンテーションデータが各ターゲット位置に対して格納された後に、第五発生ステップにおいて、カメラ19は第二面内のキャリブレーション点へ指向され、即ち垂直円によって決定される垂直角度は200及び400ゴンの間である。該キャリブレーション点の画像が該第二面内にあるイメージセンサー33上に表われることを確保するために、カメラは、好適には、垂直軸15周りに200ゴンだけ回転され次いで400ゴン−第四発生ステップにおける最後のターゲット位置に対して得られた垂直角度だけチルトさせる。
【0259】
以下の2つの発生ステップは第三及び第四ステップに対応しており、その唯一の差異はカメラ19が第二面内にあるということである。
【0260】
セクションSC2のステップはコンピュータプログラムによって実行される。各キャリブレーション点Pi,i=1,...,Nに対して、Q個の画像j,j=1,...,Q、尚Qは正の整数、が発生され且つ対応する画像位置及びオリエンテーションデータがこれらのデータを読取ることが得られると、モデルパラメータが調節され、従ってモデルパラメータ、装置座標系におけるキャリブレーション点の方向、及び夫々のオリエンテーションデータの関数としてキャリブレーション点の画像の位置を予測するモデルは、測定された画像位置データを当て嵌める。この推定方法、即ち最小二乗による古典的な調節方法と均等な最小二乗推定は、全てのキャリブレーション点i及び該キャリブレーション点の全ての画像jにわたっての次式の和により与えられる誤差関数E(i,c0,cF,z0,ω,φ,κ;S0,ck,xs,ys,v;{Sl,{xlj″,ylj″,Vmlj,Hzmlj}})に基づいている。
【0261】
【数18】
【0262】
ここで、Sl,{xlj″,ylj″,Vmlj,Hzmlj}はキャリブレーション点lに対する距離及び該キャリブレーション点の全ての画像に対するデータセットj=1,...,Qを示しており、画像jに対するデータセットは画像位置データxlj″,ylj″及び垂直及び水平角度Vmlj,Hzmljセットを有している。
【0263】
誤差関数Eは、Benning, Wilhelm「Statistik in Geodasie, Geoinformation und Bauwesen」、ハイデルベルグ、ドイツ、2002、ISBN 3−87907−383−X、140頁に記載されているようなガウス・ニュートンアルゴリズム等の適宜の最小化手順を使用して最小化される。
【0264】
セクションSC3において、コンピュータプログラムにより得られたモデルデータが制御パネル、即ち処理ユニットのメモリ内にキャリブレーションデータとして格納される。その目的のために、データ処理システム65はこれらのデータをインターフェース69及び接続部72を介して測量装置、即ちビデオタキオメーター11へ送り、該ビデオタキオメーターはこれらのデータをコンピュータ54のメモリ112の非揮発性メモリ部分内に格納する。
【0265】
本方法の性能は、以下の例により例示することが可能である。この例においては、上述した方法の変形例が使用されるが、その場合に、各角度結合に対して1つを超える測定が行われる。角度測定精度1″を有する装置に組込まれている固定焦点が100mで焦点距離が300mmを有するカメラをキャリブレーションするためには、例えば20m、80m、500mの距離における3つのキャリブレーション点及び、例えば、8×6個の位置のグリッド内に配置されている望遠鏡位置当たり全部で48個の角度の組合わせを使用することが可能である。ランダムな逸れが0.05ピクセルを超えるものではない角度組み合わせ当たり30個の測定値がとられ且つ対応するデータが使用される場合には、その装置を垂直方向及び水平方向において約1″の方向測定精度でキャリブレーションすることが可能である。従って、本方法は、又、比較的大きな焦点距離を有するカメラのキャリブレーションに適している。
【0266】
該モデルを使用して、イメージセンサー上のオブジェクト点の画像の画像位置データから、装置座標系に関するオブジェクト点の方向を計算することが可能である(図16参照)。式(2)を使用して、
【0267】
【数19】
【0268】
尚、
【0269】
【数19a】
【0270】
は装置座標系の原点から投影中心Oへのベクトルを示しており、結像されたオブジェクト点Tに対応する測定された画像位置データxP′,yP′を該装置、即ちビデオタキオメーター11の座標系へ変換することが可能である。PT′は測定した画像位置に対応する方向を表わす装置座標系におけるベクトルである。投影中心O及び点PT′は両方共測量装置に関する座標によって既知であり、且つ結像光線aを定義し、その上にxP′,yP′により表わされるイメージセンサー上の位置に結像されるオブジェクト点が位置される。該光線はビデオタキオメーター中心、即ち装置座標系の原点を交差することは必要ではないので、ビデオタキオメーター中心からのオブジェクト点Pの距離(近似的距離)はビデオタキオメーター中心に関しての方向の正しい計算のために与えられなければならない。この距離はビデオタキオメーター中心、即ち装置座標系の原点周りに伸びる球の半径として使用され、且つ結像光線aによって交差される。このように、2つの座標トリプレットが得られて、それはカメラの機能を具備している望遠鏡ユニット16の位置に依存して方向計算のために使用することが可能である。ビデオタキオメーター中心が該結像光線に近ければ近い程、この方法は与えられた距離からの依存性はより少なくなる。
【0271】
メモリ112は更に、上のパラグラフにおいて説明した手順及び式(1)に基づいて位置又は方向を計算するためにプロセッサ113に対する命令を格納している。
【0272】
ビデオテオドライト11のコンピュータ54、即ちメモリ112内において、距離測定装置30が距離を測定する方向と一致する視準軸をディスプレイ53上に表示する(図17参照)例えばクロスヘアである視準軸マーク111を表示するためにプログラムコードが格納されている。ディスプレイ53上の対応する位置は、該装置内に格納されているキャリブレーションパラメータから計算することが可能であり、又は一度計算し、次いで該装置内に、例えばコンピュータ54の非揮発性メモリ内に永久的に格納することが可能である。ファインダーカメラ18も、上述した本方法、データ処理システム、コリメーター及びコンピュータプログラムを使用してキャリブレーションすることが可能である。投影中心の位置が該モデルにおける単なる1組のパラメータとして見えるかも知れないが、光路が真っ直ぐではないという事実はキャリブレーション方法の修正を必要とするものではない。
【0273】
別の実施例においては、カメラの歪みに対するより詳細なモデルが使用され、その場合にも、より高い次数及び/又は半径対称的でないものが使用される。Luhmann, Thomas「Nahbereichsphotogrammetrie: Grundlagen, Methoden und Anwendungen」、ハイデルベルグ、ドイツ、2000、ISBM 3−87907−321−X、119乃至122頁は上述した方法の対応する修正を開示している。
【0274】
キャリブレーションされたビデオタキオメーター11は、本発明の第一好適実施例に基づく方法に従って測量情報を与えるために使用することが可能である。
【0275】
その目的のために、メモリ112は、命令がプロセッサ113により実行される場合に本方法を実行するための命令を格納している。
【0276】
第一に、ユーザ134(図20参照)はビデオタキオメーター11を所望の位置、例えば任意の位置又は所定の座標により定義された位置にセットアップし且つその垂直軸を垂直のオリエンテーションとさせ、その場合に、該垂直軸は地球の重力に対して平行である。その作業のために、ユーザは光学的下げ振り28を使用することが可能である。
【0277】
次いで、ユーザ134はコンピュータ54のメモリ112内のコンピュータプログラムを開始させることにより測量を開始する。実施されるステップは図18におけるフローチャートに例示されている。一点鎖線の左側の部分はユーザによる動作を示しており、一方中央のコラムはプロセッサ113による動作を例示している。右側のコラムはこの方法において発生され及び/又は使用されるデータの幾つかを例示している。
【0278】
この方法は基本的に4つのセクションS10乃至S13に細分化することが可能であり、それに続くセクションS14乃至S16は5番目のセクションを形成している。
【0279】
ユーザがセクションS10においてキーボード52又はポインティング装置114を介して開始コマンドを入力すると、プロセッサ113はメモリ112の非揮発性部分からキャリブレーションデータを得る。
【0280】
セクションS11において、該プロセッサは三次元空間における(パノラマ)投影表面を表わすデータを得る。この投影表面は、第一イメージセンサー33によって得られる画像が投影される表面である。プロセッサ113はこれらのデータをメモリ112内に投影表面データとして格納する。
【0281】
セクションS12において、該プロセッサはターゲット領域を表わすデータを得ることにより測量すべきターゲット領域を決定する。次いで、該プロセッサはターゲット領域を定義するターゲット領域データをメモリ112内に格納する。
【0282】
セクションS13において、プロセッサ113は検知器要素からなるアレイ、即ちテレカメラ19の第一イメージセンサー33を使用してターゲット領域の少なくとも一部の二次元画像を表わす光学的検知器アレイによって発生された1組のピクセルデータを採取する。次いで、それは該1組のピクセルデータをキャリブレーションデータ、ターゲット領域データ及び投影表面データを使用して、該投影表面への該画像の投影を表わす1組の投影した画像データへ変換する。該ピクセルデータの幾つかの採取及び該変換は逐次的又は同時的に発生することが可能である。
【0283】
ピクセルデータを採取し且つ該ピクセルデータを変換するためのセクションS13は、3つの主要な動作に分割することが可能であり、即ちターゲット領域をカバーするために部分画像をキャプチャすべき望遠鏡ユニットのオリエンテーションのシーケンスを決定すること、部分画像の各々に対しピクセルデータを得ること、及びキャリブレーションデータ及び投影表面データを使用してピクセルデータにより表わされる画像を投影表面への投影を表わす投影された画像データへ変換すること、及び、1つを超えるキャプチャ部分画像の場合には、部分画像をマウントすることにより得られるターゲット領域の(パノラマ)画像を表わす変換されたピクセルデータのサブセットを決定することである。投影された部分画像は矩形132によって図20及び25において例示してある。
【0284】
ターゲット領域をカバーするために部分画像をキャプチャすべき望遠鏡ユニットのオリエンテーションのシーケンスに対して、プロセッサ113はターゲット領域データ、即ちターゲット領域を取囲む端部又は角部方向を定義する水平及び垂直角度、結像光学系及び検知器アレイ13により形成されるテレカメラ19の水平及び垂直ビューイング角度、及び隣りの部分画像の間の所望のオーバーラップ、からターゲット領域をカバーするのに必要な部分画像の数を決定する。この例においては、水平角度の間の最大差及び垂直角度の間の最大差が決定され、且つ水平ビューイング角度及び垂直ビューイング角度と夫々比較される。その差をメモリ112内に永久的に格納されている所望のオーバーラップにより減算された対応するビューイング角度によって割算することにより、水平及び垂直方向において必要な部分画像の数が計算される。完全なパノラマ画像の場合には、水平角度範囲は400ゴン、即ち360゜をカバーする。
【0285】
更に、プロセッサ113は望遠鏡ユニット16のオリエンテーションのシーケンスを決定し且つ格納し、従って該オリエンテーションの各々においてキャプチャされた1組の部分画像はターゲット領域をカバーし、2つの隣り合う部分画像は、所定量だけそれらの端部に沿ってオーバーラップしており、そのことはオーバーラップのピクセルの数が与えられ且つ所定数としてメモリ112内に格納される。例えば、第一部分画像、即ち第一オリエンテーションは、該部分画像の左上角部がカメラによって見られるターゲット領域の角部を取囲む最も小さな矩形の左上角部と一致するように選択することが可能である。次いで、次続のオリエンテーションは、部分画像が図31に示されるような蛇行経路に沿ってとられるように選択することが可能である。ターゲット領域が充分に小さい場合には、該シーケンスは単一の部分画像、従って単一のオリエンテーションを包含するに過ぎない場合がある。
【0286】
通常、ピクセルデータを得る動作及びピクセルデータを変換する動作は、最初にピクセルデータが得られ、次いで全ての変換が実施されるように行うことが可能である。然しながら、この例においては、1つの部分画像に対するピクセルデータを得た後に、次の部分画像に対するピクセルデータを得る前に又は得ている間に対応するピクセルデータが投影表面へ変換される。
【0287】
1つの部分画像に対するピクセルデータを得るステップは、望遠鏡ユニット16をその後にオリエンテーションの決定されたシーケンスにおけるオリエンテーションへ移動させるべく駆動部を制御すること、及びオリエンテーションの各々に対する検知器アレイからピクセルデータを読取ることを包含している。次いで、該ピクセルデータは一次的にメモリ112内に格納される。
【0288】
この例においては、部分画像を表わすピクセルデータの殆どを投影面へ変換させるために間接的な投影技術が使用される。その目的のために、投影された画像は与えられた数の投影された画像ピクセルによって表現され、それらは、投影表面として面又は円筒である場合に、所定の配列で投影表面上に位置される。
【0289】
図19に示した如く、検知器要素からなるアレイによりキャプチャされた画像又は部分画像のピクセルデータを変換するステップは、投影表面を表わすパラメータを決定するためのステップS18、該画像の角部ピクセルを投影表面へ直接的に投影するステップS19、及び間接投影により投影された画像の投影された画像ピクセルに対するビジュアルデータを決定するステップS20を有している(図28参照)。
【0290】
直接的に角部ピクセルを投影するステップS19は、画像又は部分画像の角部ピクセルを決定し且つ式(2)により角部ピクセルと関連する方向により定義される投影表面上の投影された画像角部ピクセルの位置を決定し且つ、装置座標系の原点を通過する夫々の角部ピクセルと関連する方向に沿っての光線が投影表面と交差するこの例においては、式(2)の後に説明したステップを包含している。それは、更に、夫々の角部ピクセルのビジュアルデータを結果的に得られる投影された画像角部ピクセルへ割当てることを包含している。
【0291】
間接投影により投影された画像の投影された画像ピクセルに対するビジュアルデータを決定するステップS20は、投影された画像角部ピクセルでない各投影された画像ピクセルに対して、式(1)を使用して投影されるべき画像の面内の位置の座標を決定し、決定された位置におけるピクセル及び、オプションとして、隣りのピクセルのビジュルデータを使用してその位置に対するビジュアルデータを計算し、且つ該ビジュルデータを投影された画像ピクセルへ割当てることを包含している。
【0292】
ステップS19乃至S20の詳細について以下に説明する。
【0293】
1個を超える部分画像がキャプチャされる場合には、ステップS13は、更に、パノラマ画像データにより定義される合体された投影された画像を得るために投影された部分画像のマウンティングを包含している。この動作は極めて簡単であり、というのは、全ての投影された画像データは同一の投影表面内に定義されており、従って投影された画像データにより投影された(部分)画像の表現の場合には、投影された画像ピクセルの位置は既知であるからである。投影された部分画像の配置は図20及び25に例示してある。部分画像がオーバーラップしない場合には、マウントされるべき投影された部分画像の投影された部分画像データは単一の画像を表わすデータ構造に配置される。オーバーラップが存在する場合には、2つのオーバーラップする投影された部分画像のうちの1つのオーバーラップするピクセルが省略される。省略されないオーバーラップするピクセルへ割当てられた投影された画像ピクセルデータは、維持されたピクセルの投影された画像ピクセルデータか又はオーバーラップするピクセルのピクセルデータの平均とすることが可能である。
【0294】
ターゲット領域をカバーするために1つを超える画像がキャプチャされる場合には、ステップS14において、プロセッサ113はオーバーラップする投影された部分画像のオーバーラップするピクセルの間のオーバーラップ情報を使用して投影された画像データを調節する。
【0295】
ステップS15において、該プロセッサは投影した画像、即ち投影した画像データ、及び付加的な情報をメモリ112内のデータ構造内に測量データとして格納する。
【0296】
更なる処理に依存して、該投影された画像データ及び付加的な情報は無線モジュール61を介して例えば遠隔コンピュータの別の格納装置へ転送することが可能である。更に、該投影された画像データ及び該付加的な情報は図には示していない制御パネル21のPCMCIAスロット内のアダプタを介して挿入されるコンパクトフラッシュカード等の着脱自在な格納装置上に格納することが可能である。該付加的な情報は、例えば、画像がキャプチャされた場合のキャリブレーションデータ及び角度センサー24,25及び22,23により検知されるような水平及び垂直角度Hz及びVzを包含することが可能である。好適には、該投影された画像は、又、投影ピクセルに分解される。次いで、投影された画像データは投影ピクセルの特性を表わす1組の投影ピクセルデータを有している。次いで、該付加的な情報は更に方向情報、例えば各投影されたピクセルに対して決定された水平及び垂直角度を包含することが可能である。
【0297】
該格納されたデータは、更なる測量作業のため又は遠隔コンピュータにおいて、例えばオフィスにおいて、得られた測量データに基づいてのみ更なる測量動作S17を実施するためにプロセッサにより使用することが可能である。
【0298】
ステップS16において、該プロセッサは投影された画像を表示するためにディスプレイユニット53を制御する。その目的のために、それは投影された画像データから表示データを作成し且つこれらのデータを対応する画像を表示するディスプレイユニット53へ送る。
【0299】
明らかに、セクションS11乃至S13において実施されるべき詳細な動作は投影表面のタイプに依存する。従って、詳細なステップを異なるタイプの投影表面に対して以下に説明する。投影した部分画像のマウンティングは全てのタイプの投影表面に対して同一であるのでこのサブステップについては更に説明することは必要ではない。
【0300】
セクションS11の第一ステップにおいて、該プロセッサは4つのタイプの投影表面、即ち面、円筒、球、自由形状表面の選択を表示するためにディスプレイユニット53を制御する。次いで、それはキーボード52からの入力として又はポインティング装置、例えばマウスボタンの選択ボタンを動作する場合のポインティング装置の位置として読取り、4つのタイプの投影表面のうちの1つを定義するデータを選択する。その他の実施例においては、単に1つのタイプの表面が使用可能である場合がある。その場合には、この選択ステップは省略される。表面のタイプは投影表面データの一部として格納されている。
【0301】
以下のステップは、選択のタイプに依存して異なる。読み易くするために、選択ステップに続くステップのシーケンスを各タイプの投影表面に対して別々に説明する。
【0302】
図21は面である投影表面の場合に対するステップを示している。この場合は図20に模式的に示してあり、それはターゲット領域の前方にビデオタキオメーター11を有するユーザ134を示している。
【0303】
プロセッサ113は、面を定義する投影表面データを入力するための3つの代案を表示するためにディスプレイユニット53を制御し、即ち、キーボード52を使用しての数字入力、遠隔格納装置又はコンピュータから無線モジュール61を介してのデータの読取、又は測量装置11と相対的に該面を定義する3つの点の位置の測定による定義である。いずれの場合においても、共線状ではない3つの点の座標が読取られ、それが投影表面135を定義する(図20参照)。
【0304】
ユーザによる対応する選択を読取った後に、プロセッサ113は、水平及び垂直角度の形態における投影表面データ及び測量装置11からの距離をキーボード52から読取り且つそのデータを投影表面データのデータとして格納する。
【0305】
又は、プロセッサ113は無線モジュール61、装置制御コンピュータ21及び接続部55を介して水平及び垂直角度の形態におけるデータ及び測量装置11からの距離を読取り且つ該データを投影表面データのデータとして格納する。
【0306】
又は、プロセッサ113はディスプレイユニット53を制御してテレカメラ19により現在キャプチャされた画像を表示させ且つその選択要素が動作された場合にポインティング装置からの入力を読取り、該入力はディスプレイユニット53上に表示された画像上の位置、即ち対応するピクセルを定義する。該入力を読取る間に、ユーザは望遠鏡ユニット16を新しい方向に向けることが可能である。従って、ユーザは表示された画像内の適宜の点を選択することにより点を選択することが可能である。図20においては、対応する点は参照番号133で示してある。該画像点は共線上のものであってはならない。好適には、ユーザは、最初に、投影された画像の左下角部の点の位置を入力し、次いで投影された画像における垂直線を表わす2つの点の位置を入力する。
【0307】
これら3つの点133の各々に対して、プロセッサ113はその方向、即ちキャリブレーションデータ及び式(2)の後に説明したステップを含む式(2)を使用してその位置と関連する水平及び垂直角度を決定し、その場合にx″及びy″はポインティング装置を使用して得られる座標により与えられる。
【0308】
次いで、プロセッサ113は駆動部22及び23を制御して望遠鏡ユニット16を回転させその視準軸を決定した水平及び垂直角度により与えられるオリエンテーションに設定する。望遠鏡ユニット16が所望のオリエンテーションに到達すると、プロセッサ113は距離測定装置30を制御して距離測定装置30から該視準軸上のオブジェクトへの距離を測定し且つ対応する距離信号を生成する。処理ユニット21、特に、プロセッサ113がその距離信号を受取り且つそれを距離データへ変換する。次いで、プロセッサ113がその距離データを装置座標光学系内の点の位置を定義する夫々の点に対して投影表面データとして対応する水平及び垂直角度と関連してメモリ112内に格納する。
【0309】
次に、ステップS12において、ターゲット領域が定義される。最初に、該プロセッサは400ゴンの完全なパノラマを得るべきであるか又はその一部のみを得るべきであるかの情報をグラフィカルユーザインターフェースを介して得る。
【0310】
第一の場合においては、プロセッサ113はキーボード52から又はポインティング装置114の位置として垂直方向におけるパノラマ画像の中心の位置を定義する角度データを読取る。更に、それは、キーボード52から対応するデータを読取ることにより該パノラマ画像の高さを読取り、該データは該パノラマ画像の境界の垂直位置を表わすか、又は垂直方向における少なくとも一方の境界又は中心とその高さとを表わす。プロセッサ113はこれらのデータをターゲット領域データとしてメモリ112内に格納する。
【0311】
第二の場合においては、少なくとも2つ、通常は4つの角部点が投影面を定義する点133の場合と同じ態様で得られ、その場合に距離データは得ることは必要ではない。ターゲット領域が矩形状断面を有している場合には、単に2つの点、図20においては左下角部点130及び右上角部点131を決定することが必要であるに過ぎない。というのは、他の2つの点は幾何学的計算により得られるからである。4つの点の場合には、水平角度の最大絶対差を有する点がパノラマ画像の水平角度及びその水平角度位置を定義し、且つ垂直角度の最大絶対差を有する点がパノラマ画像の高さ及び垂直位置を定義する。次いで、これらのデータはターゲット領域データとしてメモリ112内に格納される。
【0312】
投影された画像ピクセルにより投影された画像を定義するために、プロセッサ113はターゲット領域における長さ当たり、例えばm当たりの投影された画像のピクセル数を定義する倍率を読取る。
【0313】
この目的のために、最初に、最適倍率が決定される。該プロセッサは該面に対して直交な方向に沿っての該装置への該投影面の距離Dortho及び次式の比を計算する。
【0314】
【数20】
【0315】
尚、fは結像光学系の焦点距離を示している。fの値は該メモリ内に格納される。
【0316】
該プロセッサは最適倍率を計算し且つ格納する。
【0317】
【数21】
【0318】
尚、Ipixelは検知器アレイの検知器要素、即ちキャプチャした画像におけるピクセルの長さを示している。この倍率の使用は、本装置とオブジェクト面との間の最も小さな距離に対して、カメラの最大分解能が使用されることを確保する。この値を増加することは推奨されない。何故ならば、分解能を増加させることが出来ないからである。倍率を減少させることは減少させた精度となる。
【0319】
プロセッサ113はディスプレイユニット53を制御して最適なスケールを表示し且つキーボード52又はグラフィカルユーザインターフェースを介しての確認情報又は異なる倍率を読取る。
【0320】
投影面を表わすパラメータを決定し且つ1つの部分画像に対するピクセルデータを対応する投影した部分画像データへ変換するステップS18乃至S20が面投影表面の場合に対して図21乃至23においてより詳細に示されている。
【0321】
最初に、ステップS21乃至S27において、投影表面の表現が上述した少なくとも3つの点を定義する投影表面データを使用して得られる(図21参照)。
【0322】
ステップS21において、プロセッサ113が投影された画像の左下角部を定義する第一点及び投影された画像における好適には垂直線を定義するその他の2つの点を決定する。
【0323】
ステップS22において、プロセッサ113は全ての3つの点に対して装置座標系における垂直角度Vz及び水平角度Hzを計算する。
【0324】
ステップS23において、プロセッサ113は装置座標系における3つの対応する投影した点のカーテシアン座標を計算し、該座標はステップS21において決定された点と関連する計算された水平及び垂直角度Hz及びVzを有する光線と該投影表面との交差を表わす。
【0325】
ステップS24において、プロセッサ113はステップS23における第二及び第三の投影された点を接続する装置座標系における第一ベクトルを計算する。
【0326】
次いで、ステップS25において、プロセッサ113は第一ベクトルに直交し且つ投影面内を延在する第二ベクトルを計算する。その目的のために、第一ベクトルと第一の投影した点と第二及び第三の投影した点のうちの1つとを接続するベクトルとの間のベクトル積を使用することが可能である。
【0327】
ステップS26において、プロセッサ113は第一及び第二ベクトルを長さ1へスケーリングさせて該座標をこれらのベクトルの長さにより割算することにより単位ベクトルE2及びE1の座標を得る。次いで、該投影面は以下のパラメトリック表現を有している。
【0328】
【数22】
【0329】
装置座標系においては、RULは第一点に対応する投影表面上の点へのベクトルを示し且つa及びbは任意の実数であり且つRabは投影面内の点Rabの座標(a,b)として見ることが可能なパラメータa及びbによって定義される投影表面内の点へのベクトルである。
【0330】
ステップS27において、プロセッサ113は第一点のカーテシアン座標及び該2つの単位ベクトルをメモリ112内に格納する。
【0331】
投影した画像の表現のために、投影した画像ピクセルが使用され、それらは所望の分解能、即ち上で読まれた倍率で定義される。この例においては、投影面上の矩形状アレイ内のクワドラチック即ち二次ピクセルが使用される(図24参照)。各投影された画像ピクセルUijは式(3)により与えられる位置が割当てられる。
【0332】
【数23】
【0333】
尚、i=1,...,N,j=1,...,Mは、N及びMが投影された画像の水平及び垂直方向におけるピクセルの最大数を示す場合には、負でない整数である。従って、上の表現a=i/N及びb=j/Mを使用する。以下においてピクセル又は投影したピクセルの位置とはその幾何学的中心の位置を意味している。
【0334】
その投影は図24に示されており、それはキャプチャされた部分画像を左側に示しており且つ投影した部分画像を右側に示している。各画像は正方形により視覚化したピクセルから構成されている。
【0335】
角部ピクセルC1,...,C4を直接的に投影するステップS19は、画像又は部分画像の角部ピクセルを決定すること、及び式(2)の後に説明したステップを含む式(2)による角部ピクセルと関連する方向により定義される投影表面上の投影された画像角部ピクセルの位置を決定することを包含している。矩形状の投影された画像に対してそれまで単に2個の角部ピクセルが決定されている場合には、その他の2つの角部ピクセルが決定され、それは既に得られた角部ピクセルにより定義される矩形の角部を形成する。従って、いずれにおいても4個の角部ピクセルが存在する。図22は各角部ピクセルに対するステップS19のサブステップを示している。プロセッサ113は、角部ピクセルの各々に対して2つのステップで投影された画像角部ピクセルの位置を表わす座標を計算する。
【0336】
ステップS28において、プロセッサ113は画像面内の夫々の角部ピクセルの座標及び式(2)の後のパラグラフにおいて説明したステップを含む式(2)、即ちキャリブレーションデータの幾つか及びキャリブレーションのために使用したモデルに基づく式を使用して、夫々の角部ピクセルと関連する水平及び垂直角度Hz及びVzを計算する。これらの角度はターゲット領域の端部に対応する角部方向を定義する。
【0337】
ステップS29において、プロセッサ113は装置座標系の原点から開始し且つ角度Hz及びVz及び投影表面により定義される方向を有する光線の交点の座標を決定する。これらの座標は角部ピクセルの投影、即ち夫々の投影された画像角部ピクセルを定義する。該光線は次式で表わすことが可能である。
【0338】
【数24】
【0339】
尚、Rは装置座標系の原点から距離c(cは任意の実数)を有する線上の点に向かうベクトルである。上述したように、該面は以下の表現を有している。
【0340】
【数25】
【0341】
従って、上述した式の左側を等置することにより、与えられた角度Hz及びVzに対するa,b,cに対する3つの式が得られ、それらは標準的な公式を使用して解くことが可能である。その解はa,b,cを計算するための対応する命令によってコンピュータプログラムにおいて表現することが可能である。
【0342】
ステップS30において、プロセッサ113は夫々の角部ピクセルのビジュアルデータを結果的に得られる投影された画像角部ピクセルPC1,...,PC4へ割当てる。
【0343】
従って、投影された画像角部ピクセルはa及びbに対する値、即ち、夫々i,j、及び割当てられたビジュアルデータによって定義される。
【0344】
ステップS20の間接投影が投影された画像角部ピクセルではない投影された画像ピクセルの各々に対して実施される。投影された画像ピクセルはオーバーラップ無しで完全に投影された画像区域をカバーするように配置されているので、間接投影を使用することは投影表面におけるピクセルの直接投影のオーバーラップに起因する問題を回避する。
【0345】
これらの投影した画像ピクセルの各々に対するステップが図23においてより詳細に示されている。
【0346】
ステップS31において、該プロセッサは、投影した画像ピクセルPUijのRijの与えられた位置に対して、式(3)を使用して装置座標系における対応する座標を計算する。
【0347】
ステップS32において、プロセッサ113は装置座標系における計算された座標及び式(1)を使用して投影された座標ピクセルに対応する画像面内の位置を決定する。この目的のために、プロセッサ113は計算された座標から水平及び垂直角度Hz及びVzを計算し、次いで、式(1)を使用して得られた値から画像面における座標を計算する。この計算のためにもキャリブレーションデータの幾つかが使用される。
【0348】
ステップS33Aにおいて、該プロセッサは計算された位置に対するビジュアル情報を決定する。該ビジュアル情報はピクセルPUijへ割当てられるべきものである。この目的のために、プロセッサ113は図24においてハッチングした正方形として示されている計算された位置に最も近いキャプチャした画像に対するピクセル間でビジュアルデータのバイリニア補間を実施する。バイリニア補間は、通常、当該技術において既知である。Press,W. H., et al.「Numerical Recipes in C」第二版、1992年、ISBN 0−521−43108−5、123−124頁、又はLuhmann, T.「Nahbereichsphotogrammetrie」、ハイデルベルグ、Wichmann、2000年、ISBN 3−87907−321−X、385−386頁の部分はバイリニア補間を記載しており且つ引用によりここに取込む。ビジュアル情報が、例えば、RGBチャンネルにおいてコード化されたカラー情報である場合には、補間はチャンネルR,G,Bの各々に対して行われる。
【0349】
ステップS33Bにおいて、プロセッサ113は計算したビジュアルデータをi及びjへ割当て且つビジュアルデータ及びi及びjが投影した画像データを表わすように該ビジュアルデータを格納する。
【0350】
次いで、部分画像をマウントさせてパノラマ画像を形成する。その目的のために、各部分画像において、右及び底部のオーバーラップ領域におけるピクセルは最も右側及び底部の部分画像を除いて全て省略する。
【0351】
次のステップS14において、プロセッサ113は省略したピクセルの情報を使用してオーバーラップ領域における投影した部分画像データのラジオメトリック調節を実施する。より詳細には、それは同じ位置に対応する部分的投影画像のピクセルにおける強度を比較する。次いで、それは、倍率で乗算することにより全てのピクセルに対して、該部分画像、蛇行シーケンスが使用される場合には、その経路に沿っての次の投影した画像のうちの1つにおける強度を調節し、従ってオーバーラップ領域における強度は一致する。
【0352】
結果的に得られる投影した画像ピクセルデータはステップS15において投影した画像データとして格納される。このステップにおいても、付加的なデータ、例えば投影表面及び/又はその画像又は部分画像をキャプチャする場合に使用された水平及び垂直角度を格納することが可能である。
【0353】
ステップ16において、プロセッサ113がディスプレイユニット53を制御して投影された画像データに基づいて画像を表示する。
【0354】
代替的に、ユーザは投影表面として円筒表面を選択することが可能である。これは図25に例示してあり、その場合には、円筒表面が参照番号191で示してある。
【0355】
該円筒の軸は垂直である、即ち装置の垂直軸と平行であると仮定されており、且つ装置座標系の原点を介して走行している。従って、それは装置座標系のZ軸である。この円筒表面への投影の場合には、円筒表面上の位置が円周方向に沿って延在するx座標及び円筒軸に沿って延在し、従ってx方向に対して直交するy座標によって定義される。
【0356】
投影された画像のピクセルは矩形状のアレイを形成し、該ピクセルの幾何学的中心はx及びy方向において等距離である。このピクセルの配置はディスプレイユニット53上に簡単な表示を可能とする。というのは、面ディスプレイユニット53上の投影した画像ピクセルの表示は円筒表面を面上に展開することに対応しているからである。
【0357】
次に、S12において、ターゲット領域を定義せねばならない。プロセッサ113は、最初に、完全なパノラマを得るのか又は一部のみかの情報をグラフィカルユーザインターフェースを介して得る。
【0358】
第一の場合においては、プロセッサ113はキーボード52から又は位置決め装置の位置として垂直方向におけるパノラマ画像の中心の位置を定義する角度データを読取る。更に、それは、キーボード52から対応するデータを読取ることによりパノラマ画像の高さを読取り、該データはパノラマ画像の境界の垂直位置を表わすか、又は垂直方向における少なくとも一方の境界又は中心及び高さを表わしている。プロセッサ113はこれらのデータをターゲット領域データとして該メモリ内に格納する。
【0359】
2番目の場合においては、4つの角部点が面に対して投影の場合と同じように得られる。水平角度の最大の絶対差を有している点がパノラマ画像の水平角度及びその水平角度位置を定義し、且つ垂直角度の最大絶対差を有している点がパノラマ画像の高さ及びその垂直位置を定義する。これらのデータはターゲット領域データとしてメモリ112内に格納される。
【0360】
ステップS18において、投影表面として円筒表面の場合には、投影ピクセルによって投影した画像を定義するために、プロセッサ113は、倍率を読取り、該倍率は、水平方向における例えば度当たり又はゴン当たり等の単位角度当たりの投影した部分画像のピクセル数と、結像光学系と検知器用アレイとに依存し且つ既知である水平方向における例えば度当たり又はゴン当たり等の単位角度当たりの検知器アレイによりキャプチャされた画像のピクセル数との比を定義する。
【0361】
更に、プロセッサ113は、単位角度当たりの検知器要素の対応する数によって与えられる単位角度、例えばゴン当たりの水平方向おけるピクセル数を倍率と乗算することによりこの例においてはゴン当たりである単位角度当たりの投影した画像のピクセル数である係数qを計算する。更に、該プロセッサは投影した画像のピクセルの単位で投影表面、即ち円筒表面Rpanの半径を計算し且つ格納する。
【0362】
【数26】
【0363】
ステップS19において、円筒状の投影表面の場合には、プロセッサ113はキャプチャした画像の全ての4つの角部ピクセルの投影表面に対する直接投影を行う。このステップは、各角部ピクセルに対して、図26に示したステップを有している。
【0364】
ステップS34及びS36は投影面の場合に対するステップS28及びS30に対応して、従ってこれらのステップはより明らかに定義することが必要なものではない。
【0365】
然しながら、ステップS35において、それはステップS29に類似したものであり、プロセッサ113は、ステップS34において計算された水平及び垂直角度Hz及びVzにより与えられる方向における投影中心の原点から延在する光線の及び該投影表面の交点を表わす座標を決定する。より詳細には、プロセッサ113は次式を使用して投影した画像のピクセルの単位における夫々の角度ピクセルのx座標xpanを計算する。
【0366】
xpan=q・Hz
又、プロセッサ113は次式を使用して投影した画像のピクセルの単位で4つの角部ピクセルのy座標ypanを計算する。
【0367】
【数27】
【0368】
ここで、hpanはピクセル単位でのパノラマ画像の高さ、即ち垂直方向におけるその広がりを示している。マイナスの記号は、使用されているグラフィックシステムにおいてはy軸が下方へ向いているという事実に起因している。
【0369】
その結果、角部ピクセルのピクセル位置xpan,ypanは既知である。
【0370】
面投影表面の場合におけるように、投影された画像を形成する全てのその他の投影された画像ピクセルに対する投影された画像ピクセルデータは、ステップS20における間接投影により得られる。これらのピクセルの各々に対して実施されるステップは図27に示してある。
【0371】
ステップS37において、プロセッサ113は夫々の投影された画像ピクセルの座標を決定する。
【0372】
ステップS38において、プロセッサ113は装置座標系における決定された座標から画像面における1つの位置を決定する。それは、最初に、装置座標系の原点を介して投影された画像ピクセルから走行する光線の水平及び垂直角度Hz,Vを計算する。
【0373】
【数28】
【0374】
次いで、プロセッサ113はキャリブレーションデータ及び式(1)を使用してHz及びVからキャプチャした画像の画像面における座標x″及びy″を計算する。
【0375】
面投影表面の場合におけるように、ステップS39において、プロセッサ113は該座標により定義される位置に最も近いキャプチャした画像に対するピクセルの間でのバイリニア補間により計算された座標x″,y″に対するビジュアルデータを計算する。
【0376】
ステップS40において、それは該ビジュアルデータを座標xpan及びypanへ割当て且つ該ビジュアルデータを投影した画像データとして格納する。投影した画像の全てのピクセルのピクセルデータが1つのパターン内に格納される場合にはxpan−ypan座標を省略することが可能であり、従って該パターンにおける該位置から該座標を派生させることが可能である。
【0377】
面投影表面の場合におけるように、部分画像をマウントさせてパノラマ画像を形成する。
【0378】
投影表面として球状表面が選択されている場合には、該プロセッサは以下の式を使用する。
【0379】
【数29】
【0380】
ここで、cpanは選択された角度単位、例えばゴンにおいてのパノラマ画像の中心である。
【0381】
投影された画像の1つの面への投影は、例えば、Kuntz, Eugen「Kartennetzentwurfslehre: Grundlagen und Auwendungen」、カールスルーエ、ドイツ、Wichmann、1990年、ISBN 3−87907−186−1に開示されているような標準的な投影方法を使用して得ることが可能であり、尚この文献を引用によりここに包含させる。
【0382】
4番面の代替案として、該投影表面は自由形状表面、例えば図28に例示してあるようなデジタル表面モデル又はデジタル地形モデルとすることが可能である。
【0383】
投影表面データを得るためのステップS11は、ここでは、例えば無線モジュール61を使用して格納媒体から投影表面データを読取ることを包含している。
【0384】
デジタル地形モデル又はCADデータとすることが可能な自由形状表面は、1つの面内の格子点の四角形格子及び夫々の格子点にわたる該面に対して直交する方向における各表面点に対する高さデータにより定義することが可能であり、該高さデータは格子点、即ち該面からの表面点Gの距離を表わしている。本特許出願においては、デジタル地形モデル又はCADデータが一般的に三次元データを表わすために使用されている。
【0385】
該投影した画像はその他のタイプの表面の場合におけるように得られる。
【0386】
デジタル地形モデルの場合には、自由形状表面への投影はキャプチャした画像の直交投影となり、それはデジタル地形モデル、即ち投影表面上の平行投影におけるターゲット領域を示す。キャプチャした画像において見えない地形の部分又はキャプチャした部分画像のうちの1つは投影した画像において空白区域へ通じ且つ任意の所望のカラー又は輝度、例えば黒で示すことが可能である。
【0387】
更なる測量動作として、例えば、特に投影面が使用される場合には、投影した画像において距離を測定することが可能である。対応するステップは、ポインティング装置により選択された表示されている投影された画像における2つの位置を読取り、投影した画像における選択した点に対応する装置座標系における点間の距離を決定し、且つその決定した距離をディスプレイユニット53上に表示する動作を包含している。この目的のために、プロセッサ113は例えばマウスボタンを押すことにより選択信号が与えられる場合にポインティング装置の位置を読取リ、且つ投影面内における座標(a,b)を決定する。それは、次いで、式(3)を使用して選択された点の各々に対するカーテシアン座標を計算する。それは、最後に、当業者に既知の標準的な公式を使用して点間の線の長さを計算し、その長さをメモリ112内に格納し、且つ付加的なデータとして該投影した画像においてディスプレイユニット53上にその長さを表示する。
【0388】
特に、投影面(plane)の場合には、測量動作は、又、ポインティング装置により選択された表示された投影された画像における3つの位置を読取り、該投影された画像における対応する点により定義される2つの線の間の角度を決定し、且つその決定されたものをディスプレイユニット53上に表示することを包含することが可能である。最初にプロセッサ113が表示されている投影された画像における位置、例えばa及びb、を装置座標系におけるカーテシアン座標へ変換する。次いで、選択した1つの点に対応する装置座標系における同一の点において開始し且つ残された選択された点のうちの1つに対応する装置座標系における他方の点のうちの1つで終了することにより2つのベクトルを決定する。標準の公式を使用して、これらの線の間の角度をプロセッサ113が計算することが可能である。
【0389】
更に、デジタル地形モデルに基づく自由形状表面として提示された投影表面137(図28参照)の場合には、本装置は、該モデルに対し更なる点を与えるために使用することが可能である。この目的のために、ユーザは、ポインティング装置を使用して、該デジタル地形モデルの別の点を形成する1つの点を投影された画像において選択する。プロセッサ113は選択動作が行われた場合にポインティング装置により示されている位置を読取ることにより表示されている投影された画像における選択された点PSの位置データを得る。それは、次いで、式(2)の後のパラグラフにおいて説明したステップを含む式(2)から装置座標系における光線L及びその光線の投影表面との交点の座標を計算する。これらの座標はデジタル地形モデルを定義するために使用することが可能な別の点を表わす。
【0390】
代替的に、式(2)の後のパラグラフで説明したステップを含む式(2)により水平及び垂直角度を決定した後に、プロセッサ113は視準軸を具備する望遠鏡ユニット16を駆動部22及び23を制御することにより計算した方向へ向けさせることが可能である。それは、次いで、選択した点に対応する地形内の点への距離を測定し且つこの距離及び対応する水平及び垂直角度又は等価なカーテシアン座標をデジタル地形モデルにおける別の点のデータとしてメモリ11内に格納させるために距離測定装置30を制御することが可能である。
【0391】
望遠鏡ユニット16′を具備する本発明の第二好適実施例に基づくビデオタキオメーター11′を図29に示してある。望遠鏡ユニット16′は上述した望遠鏡ユニット16とは異なっている。更に、装置制御コンピュータ51及びメモリ112内に格納されているコンピュータプログラムは第一の例のビデオタキオメーター11におけるものと異なっている。
【0392】
それは第一の例示的実施例におけるような対物レンズ31、フォーカシングレンズ91、反転プリズム92、クロスヘア93、接眼レンズ94によって形成される望遠鏡89を有している。図29における矢印によって示したように望遠鏡の光軸に沿ってフォーカシングレンズ91を移動させることによりクロスヘア93上に画像をフォーカスさせる。この望遠鏡はターゲットを視準するために使用される。
【0393】
望遠鏡ユニット16′における更なる装置は、追跡装置即ちトラッカーによって構成されており、それはターゲット点に位置されているリフレクタを自動的に視準し且つそれが1つの点から別の点へ運ばれる場合にそれを追跡すべく作用する。該トラッカーは、光学的照射の幅狭の束を射出する送信器と、該束がそれを介して送信方向に入射され且つ該ターゲットで反射した後に受光方向へ入射する対物レンズ31と、受光光学系と、ターゲットにより反射して戻され且つ受光光学系によりフォーカスされる該束の位置を検知する受光器95と、ターゲットにより反射して戻される光線束の位置が受光器95上で一定であるように望遠鏡ユニット16′又はアリダード12夫々を案内する閉ループ制御部とを有している。
【0394】
より詳細には、該トラッカーの送信器は例えばレーザダイオード等の好適には赤外である光学的照射を射出する照射供給源96、及び第一コリメーティング光学系97及びプリズム98を有する送信光学系を有しており、プリズム98の傾斜面108において、照射供給源96から供給され且つ第一コリメーター光学系97によりコリメートされた光線束は対物レンズ31の光軸の方向に反射される。該受光光学系は分割用プリズム99及び第二コリメーター光学系100によって形成されている。最後に、受光器95は該送信器からの照射に対して感受性のある幾つかの検知要素を有している。受光器95に対して、例えば、クオドラントダイオード又はカメラ回路を使用することが可能である。
【0395】
該トラッカーの送信器は光線束を送信し、それは照射供給源96により射出され、第一コリメーター光学系97によりコリメートされ且つプリズム98によって対物レンズ31の光学系上へ偏向されて対物レンズ31の中心を介してターゲットへ向けられる。該光線束は例えばトリプルミラー又はリフレクタ等のターゲットによってタキオメーターへ反射して戻され、次いで対物レンズ31を介して再度望遠鏡ユニット16′へ入る。そのターゲットへ及びそれから戻る経路上において、最初は幅狭であった光線束は該ターゲットから充分に離れた距離においてかなり広がり、その帰路において対物レンズ31の直径全体を占めることとなり、従ってプリズム98へ入射することのない光線束の部分はダイクロイックミラー101をパスする。該送信器によって射出された光線束の波長は、実質的な反射なしで該光線束がダイクロイックミラー101をパスするように選択されており、従って前記ミラーは前記束に関して実際的に何等影響を有するものではない。ダイクロイックミラー101を通過した光線束は、次いで、分割用プリズム99へ入る。その分割用層は該送信器により射出された照射の波長において選択的に反射させ、従ってそれは分割用プリズム99へ入って来た光線束を第二コリメーター光学系110の方向に偏向させるが可視光は通過させる。第二コリメーター光学系100は該送信器からの光線束であってターゲットにより反射された光線束を該トラッカーの受光器95上へフォーカスさせる。受光器95上のターゲットの画像の位置が所定位置、例えば中心から逸れる場合には、該トラッカーはそのような逸れの量及び方向に関する信号を装置制御コンピュータ(図3には示していない)へ供給し、それは受光器95上の画像がこの例においては中心である所定位置に再度来るように、必要である場合には、アリダード12と共に、望遠鏡ユニット16′を回転させるために駆動部を制御する。
【0396】
更に、ファインダーカメラ102が望遠鏡ユニット16′内に設けられている。ファインダーカメラ102はカメラ対物レンズ103とイメージセンサー104とを有している。イメージセンサー104の信号は装置制御コンピュータ51へ接続されている画像処理回路105によって処理される。ファインダーカメラ102は測定すべきターゲットをより容易に見つけ出すために使用することが可能である。ファインダーカメラ102は、ピンホールカメラモデルの投影中心は、原理的に、垂直軸に関して任意に位置させることが可能であるので、第一の例示的実施例において記載したのと同一の方法を使用してキャリブレーションすることが可能である。
【0397】
距離測定装置106はターゲットに対して照射を指向させ且つそれによって反射して戻される照射を受取ることによりターゲットからタキオメーターへの距離を測定する。距離測定装置106は該望遠鏡のコンポーネントによって及び更なるコンポーネントによって形成されている。図29においては明示的に示しておらず且つ例えばレーザーダイオード等の所定の波長範囲内の赤外線照射をパルスモードで射出する赤外光供給源が赤外照射を、送信/受光光学系107によりフォーカシングした後に、プリズム98の表面108へ指向させ、それは赤外光供給源からの光に対して反射性であり且つそれをそこからダイクロイックミラー101へ通過させ、それは距離測定装置106の赤外光供給源からの赤外光に対して反射性であり、従って、その赤外光を対物レンズ31へ偏向させる。該赤外光供給源及び送信/受光光学系107は、赤外光供給源により射出される光線束が距離測定装置106の光路に沿って対物レンズ31の焦点幅である対物レンズ31からの距離においてフォーカスされるように配置され且つ形成されており、従って、ほぼ平行な光線束が対物レンズ31によって射出され、前記光線束は、次いで、例えばトリプルミラー等のリフレクターであるターゲット、又は例えば家屋の壁等の自然のターゲットへ入射する。反射された光線束は対物レンズ31、ダイクロイックミラー101及びプリズム98の表面108を介してターゲットから同一の経路に沿って送信/受光光学系107へ戻り、該光学系は該光線束を該照射を検知する距離測定装置106の受光要素(図29には示していない)上へフォーカスさせる。従って、ターゲットへの距離は射出と受光との間のパルスの経過時間から決定され、その経過時間は対応する電子回路によって決定される。該光線束は対物レンズ31の光軸に沿って射出されるので、該望遠鏡により視準されたターゲットへの距離はその光軸上で決定される。
【0398】
その他のコンポーネントは第一の例示的実施例のものに対応しており且つ対応するコンポーネントに対して同一の参照番号を使用している。更に、第一例示的実施例の説明におけるこれらのコンポーネントに対する説明はこの例示的実施例にも適用される。
【0399】
通常、本装置は上述したのと同一の方法を使用して且つテレカメラ19の代わりにファインダーカメラを使用してキャリブレーションすることが可能である。
【0400】
投影した画像の発生は上述したのと同一の態様で行われる。
【0401】
更に、図31に示したように、遠隔制御ユニット121及びポールに装着されたリフレクタ122を有するリフレクタステーション120が使用される。
【0402】
遠隔制御ユニット121はディスプレイユニット190、グラフィックタブレット及びポインティング装置としての対応する点及び制御セクションを有している。代替的に、それは該ディスプレイユニット、グラフィックテーブル及び対応するペンの代わりにディスプレイ及びポインティング装置としてタッチスクリーン及びペンを有することが可能である。該制御セクションはビデオタキオメーター11′の無線モジュール61と共に動作するのに適した無線ネットワークインターフェースを具備している。特に、該制御セクションは無線接続を介して投影された画像データを受取り且つ対応する画像をディスプレイユニット上に表示させることが可能である。それはユーザがペンを使用してタブレット上の1つの点にタッチする場合に、該タブレットから位置情報を得ることが可能である。それは無線接続を介して対応するデータをビデオタキオメーター11′、特に、コンピュータ54へ転送することが可能であり、従ってコンピュータ54と遠隔制御ユニット121との結合は本発明の更なる好適な例示的実施例に基づく処理ユニットを表わすものとして見ることが可能である。
【0403】
測量のために、ユーザはビデオタキオメーター11′を遠隔モードで使用することが可能であり、その場合には本装置はリフレクタステーション120から制御される。本発明の第二好適実施例に基づく以下の方法は少なくとも1つ、通常幾つかのターゲット点が調査されるべき場合に特に適している。
【0404】
最初に、ターゲット領域の投影された画像が第一実施例において説明したように発生される。
【0405】
測量作業についてのより良い概観を得るために、測量すべき、即ち調査すべき点及び既に測量された、即ち調査された、は投影された画像においてマーク付けすることが可能である。全ての制御コマンド、信号及びデータは無線インターフェースを介して本装置と動作ユニットとの間で転送される。対応するステップは図30に示してある。
【0406】
投影された画像を発生し且つ表示した後に、ステップS41において、プロセッサ113は測量すべき点の座標を読取る。プロセッサ113はこれらを座標をキーボードから、格納媒体、即ち動作パネル21のPCMCIAスロット内に挿入したコンパクトフラッシュメモリカードから、又は無線モジュール61を介して読取り且つそれらをメモリ112内に格納する。
【0407】
ステップS42において、プロセッサ113は投影された画像データ、即ち測量すべき点に対応する投影された画像のピクセルの位置を計算し且つディスプレイユニット53及び遠隔制御ユニット121を制御して投影された画像において測量すべき点に対し第一マーク124を表示させる。それは、更に、ディスプレイユニットを制御して該点を接続するポリゴン即ち多角形を表示させる。
【0408】
プロセッサ113は本装置の装置制御コンピュータ51を制御して調査モードで動作させ、即ち本装置は追跡装置を使用してリフレクタステーション120のリフレクタ122を追跡するために自動的に制御される。ユーザは、ここで、リフレクタ制御ユニット121のディスプレイユニット上の位置をモニタしながら調査すべき位置に対してリフレクタステーション120を移動させる。該制御ユニットは、望遠鏡ユニット16′をリフレクタ122の方向へ自動的に移動させる。
【0409】
ユーザが遠隔制御ユニット121上の動作要素ディスプレイを動作してその点の測量、即ち調査を完了すると、ステップS43において、プロセッサ113は例えばキーボードからのユーザの測定コマンド入力を読取り且つ本装置を制御して水平及び垂直角度及びリフレクタ122と本装置との間の距離を測定し、対応する信号を発生し且つそれらをプロセッサ113へ送る。プロセッサ113は該信号をデータへ変換し且つディスプレイユニット53及び遠隔制御ユニット121のディスプレイを制御して測定したデータを表示させ、該データもメモリ112内に格納される。
【0410】
次いで、ユーザはリフレクタステーション120を調査すべき次の点近くの位置へ移動させ且つ測定を繰り返すことが可能である。
【0411】
このプロセスは、リフレクタステーション120が与えられたトレランスで調査すべき点に到達するまで繰り返すことが可能である。点及びリフレクタステーションのビジュアルディスプレイのために、非常に僅かな数のサイクルが必要とされるに過ぎない。所望の精度に何時到達したかを決定するために、プロセッサ113は実際の測定した水平及び垂直角度と測定した距離とを対応する格納されているデータに対して比較する。
【0412】
該角度及び距離データが所定の最大エラー未満だけ異なるものである場合には、ステップS44において、プロセッサ113は第一マーク124の代わりに第二マーク125を表示する。該第二マークは、その点が調査の対象であることを表わす。
【0413】
別の適用例においては、望遠鏡ユニット16′をリフレクタステーション120へ向けて少なくとも近似的に指向させるために画像を使用する(図32及び図33参照)。
【0414】
その目的のために、上述したリフレクタステーション120も使用される。
【0415】
図32に示した如く、投影表面として円筒表面136が選択される。次いで、ターゲット領域の投影されたパノラマ画像が上述した如くに発生され且つ遠隔制御ユニット121へ転送される。
【0416】
ステップS45において、該プロセッサは表示された投影されている画像における基準点の位置データを得る。ユーザはリフレクタステーション120と本装置11′とを接続する線に沿ってターゲット領域におけるターゲット点126を視準する。次いで、ユーザはポインティング装置を使用して投影されている画像内の選択されているターゲット点を選択する。プロセッサ113はポインティング装置が操作された場合のポインティング装置の位置を読取る。
【0417】
ステップS46において、プロセッサ113は位置データからの位置に対応する水平及び垂直角度Hz及びVzを計算する。
【0418】
ステップS47において、プロセッサ113は水平及び垂直角度の形態で本装置と相対的にリフレクタステーションが近似的に位置されている方向を決定する。
【0419】
Hzreflector=180゜−Hz
Vzreflector=180゜−Vz
次いで、ステップS48において、該プロセッサは計算された水平及び垂直角度Hzreflector及びVzreflectorにより定義させるオリエンテーションに望遠鏡ユニットを移動させるべく駆動部を制御する。
【0420】
ここでユーザは望遠鏡ユニット16′の決定されたオリエンテーションにおいて開始して更なる測量作業を実施することが可能である。
【0421】
本発明をある例示的実施例に関して説明したが、多くの代替例、修正例、及び変形例が当業者にとって明らかなものであることを自明である。従って、ここで記載した本発明の例示的実施例は如何なる場合においても例示的なものであり、制限的なものでないことが意図されている。特許請求の範囲に定義されているように本発明の精神及び範囲を逸脱することなしに種々の変更を行うことを可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は測量装置を使用して測量データを供給する方法、該方法を実施する手段及び対応する測量装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
測量は、しばしば、例えば地形におけるリフレクタ(トリプルリフレクタ)又はターゲット等の点の位置又は角度の決定を包含する。これらの角度又は位置はテオドライト又はタキオメーター等の測量装置を使用して測定することが可能である。
【0003】
空間内の位置は適宜の座標系における座標により定義することが可能である。例えば、1つの点の位置はそのカーテシアン座標により定義することが可能であり、該カーテシアン座標は互いに直交する3つの軸を有するカーテシアン座標系に関して定義される。然しながら、位置を測定する場合には、球座標がより適切である。図1に示したように、点Pの位置は、直交座標系の原点に対するその距離d、該座標系の水平軸のうちの1つと該座標系の原点とその水平面上への点Pの投影とを接続する線との間の角度α、及び最後に該水平面に直交する座標系軸と該座標系の原点と該点とを接続する線との間の垂直角度θによって球座標で定義することが可能である。当該技術において良く知られているように、カーテシアン座標は球座標へ変換することが可能であり且つその逆も又は真である。
【0004】
タキメーター又はトータルステーションとしても知られているテオドライト又はタキオメーター等の測量装置は、球座標を利用している。図1に模式的に示したように、既知のテオドライト又はタキオメーターは望遠鏡1を有しており、それはテオドライト又はタキオメーターのベース要素3へ固定されている垂直軸2周りに回転可能であり且つ垂直軸2周りの望遠鏡1の回転と共に回転され水平軸とも呼ばれるチルト用軸4周りに回転可能である。垂直軸2周りの回転角度及びチルト用軸周りのチルト角度は対応する水平円5及び垂直円6から読取ることが可能である。
【0005】
図1に示したような理想的なタキオメーターにおいては、チルト用軸4は垂直軸2に対して直交しており且つ両方の軸は1つの点で交差する。更に、視準用軸又は視準軸とも呼ばれる望遠鏡1の視準線7はチルト用軸4に対して直交しており且つ更にチルト用軸4と垂直軸2との交点を通過する。
【0006】
1つの点の位置を測定するために、理想的には、垂直軸2が完全に垂直である、即ちそれが重力の方向に向いているようにタキオメーターを配向させる。次いで、垂直軸2に直交する面によって球座標系を定義することが可能であり、その原点はチルト用軸4と垂直軸2との交点である。水平円5によって該座標系の1つの軸を定義することが可能であり、それはベース要素3に関して固定されている。上述した角度α及びθを測定するために、望遠鏡1の視準用軸7が垂直軸2周りに望遠鏡1を回転させ且つチルト用軸4周りに望遠鏡1をチルトさせることにより測定されるべき点に対して方向付けされる。角度αは該水平円から読取ることが可能であり且つ角度θは垂直円6から読取ることが可能である。該装置からのターゲット点の距離を測定するために、タキオメーターは距離測定ユニットを有しており、それは該装置から視準されたターゲット点の距離の測定を行うことを可能とする。該装置からの該点の距離を知ることにより、該カーテシアン座標を容易に得ることが可能である。
【0007】
ビデオタキオメーターは、例えば、望遠鏡全体を置き換えるか又は望遠鏡の接眼レンズのみを置き換えるか又は望遠鏡に加えて設けることが可能なカメラを有しているという点において従来のタキオメーターと異なっている。図2に模式的に示したように、カメラ8は光学系9及びイメージセンサー10を有している。光学系9は1つの場面における点の画像をイメージセンサー10上に形成する。従って、測定されるべき点Pはイメージセンサー10上の或る位置P´の上に結像される。イメージセンサー10はその上に形成される画像に応答して夫々の検知信号を発生する光検知器要素10′からなるアレイを有している。
【0008】
ターゲット領域を測量するために既知のタキオメーター又はビデオタキオメーターが使用される場合には、そのターゲット領域に関しての測量データを得るために望遠鏡ユニットを該ターゲット領域内の興味のある全ての点に対して別々に向け直すことが必要である。従って、ターゲット領域、特にターゲット領域における与えられたオブジェクトの測量は著しく時間のかかるものである場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
測量データを供給する従来の方法及び従来の測量装置をより迅速に且つ快適に測量データを与えるために更に改善することが可能であることが判明した。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上述した問題点を考慮して為されたものである。
【0011】
本発明の実施例はより迅速に且つ快適に測量データを提供する測量装置を提供している。更に、本発明の実施例は、向上された精度で簡単な態様でパノラマ画像を与える測量装置を提供している。
【0012】
更に、本発明の実施例は、より迅速に且つ快適に測量データを供給する測量装置を使用して測量データを供給する方法を提供している。本発明の更なる実施例は、向上された精度で簡単な態様でパノラマ画像を提供する方法を提供している。
【0013】
本発明の1実施例によれば、距離測定ユニットの測定方法に沿って測量されるべきオブジェクトと距離測定ユニットとの間の距離を表わす距離データを発生し、水平軸及び垂直軸周りに回転すべく装着されている距離測定ユニットと、該水平軸及び垂直軸周りの該距離測定ユニットのオリエンテーション即ち配向を表わすオリエンテーションデータを生成するオリエンテーションセンサー、該オブジェクトの二次元画像に関する画像データを発生し該距離測定ユニットに関して定義された空間関係を有している望遠鏡ユニットと、処理ユニットとを有している。前記処理ユニットは、画像データを生成するために該望遠鏡ユニットを制御し、該オブジェクトにおける少なくとも3つの異なるロケーションに対する距離データであって対応するオリエンテーションデータと共に該処理ユニットによって受取られる距離データを生成するために該距離測定ユニットを制御し、該オブジェクトにおける該少なくとも3つの異なるロケーションと関連するオリエンテーションデータ及び距離データにより定義される表面を表わす表面データを得、且つ該画像データを該表面データに基づいて該表面に対して該画像の投影を表わす投影された画像データへ変換させる形態とされている。
【0014】
従って、これらの実施例においては、本測量装置は、該オブジェクトにおける少なくとも3つのロケーションの位置及び距離の測定により画像データが投影される表面を決定する。これらのロケーションの位置は該距離測定ユニットのオリエンテーションに基づいて計算される。
【0015】
本特許出願に関して、強調されるべきことは、「投影(projection)」という用語はグラフィック又は物理的な投影へ制限されるべきものではなく「変換(transformation)」として理解されるべきことである。更に、該距離測定ユニットの測定方向は、例えば、望遠鏡ユニットの光学的検知器の光軸又は中心軸に対応することが可能である。
【0016】
例示的実施例によれば、本装置は、更に、該オブジェクトの二次元画像内の該オブジェクトにおける異なるロケーションのユーザ選択に対するインターフェースを有している。代替的に、本装置は、例えば三面体を記述するために該オブジェクトにおける異なるロケーションを予め定義する場合がある。
【0017】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、更に、測量データとして、該表面の距離に関する情報と共に、少なくとも投影された画像データを受信装置へ格納及び送信の少なくとも1つに対する形態とされている。該表面の形状及び/又はオリエンテーション等の付加的な情報も例えば該処理ユニットにより格納及び送信される場合がある。
【0018】
例示的実施例によれば、該表面は面、球、円筒のうちの1つである。例えば三次元空間内において1つの面のロケーション及びオリエンテーションを完全に定義するためには3つのロケーションの測定で充分であることは自明である。1つの面を定義するために3つを超えるロケーションの測定が実施される場合には、その面の定義の精度は既知の補正方法により増加される場合がある。4つのロケーションの測定は例えば三次元空間内において1つの球のロケーション及びオリエンテーションを定義するために充分である。例えば更により多数のロケーションの測定により自由形状表面が記述される。この自由形状表面に関して、ロケーションの数は、例えば、その表面の複雑性及び意図された精度に依存する。
【0019】
本発明の実施例によれば、測量装置が、距離測定ユニットの測定方向に沿って測定されるべきオブジェクトと該距離測定ユニットとの間の距離を表わす距離データを生成するための距離測定ユニットと、該距離測定ユニットに関して定義されている空間関係を有しており該オブジェクトの二次元画像に関する画像データを発生する望遠鏡ユニットと、処理ユニットとを有している。前記処理ユニットは、画像データを生成するために該望遠鏡ユニットを制御し、距離データを生成するために該距離測定ユニットを制御し、そのロケーションが該距離データに基づいて選択され且つそれが該オブジェクトの該二次元画像内の該オブジェクトにおける少なくとも1つの楕円形及び菱形要素を識別し且つ解析することにより画像処理により選択されたオリエンテーションを有している1つの面を表わす表面データを得、且つ該画像データを該表面データに基づいて該面に対する該画像の投影を表わす投影された画像データへ変換させる形態とされている。
【0020】
従って、これらの実施例においては、本測量装置は画像データが画像処理により投影される表面を決定する。該距離測定ユニットと該オブジェクトとの間の距離が測定される該オブジェクトにおけるロケーションは、例えば三次元空間内において該面のオリエンテーションを調節する場合にブレークオーバー点として使用することが可能である。代替的に、該面のオリエンテーションを最初に決定し且つ該面をその後に測定された距離に配置させることが可能である。少なくとも1個の楕円形又は菱形要素を識別し且つ該楕円形を円へ又は該菱形要素を矩形へ投影させるために必要な変形を決定することは、例えば、画像処理期間中に実施することが可能である。
【0021】
例示的実施例によれば、本装置は、更に、二次元画像における該オブジェクトにおいての少なくとも1つの楕円形及び菱形要素のユーザ選択に対するインターフェースを有しており、該処理ユニットは該面のオリエンテーションの選択に対して該選択された要素を使用する形態とされている。
【0022】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、更に、測量データとして該面の距離に関する情報と共に少なくとも該投影された画像データを受信装置へ格納及び送信の少なくとも1つに対する形態とされている。該面のオリエンテーション等の付加的な情報も、例えば、該処理ユニットにより格納及び送信される場合がある。
【0023】
例示的実施例によれば、該距離測定ユニットは水平軸及び垂直軸周りに回転すべく装着されており、本装置は、更に、該水平軸及び垂直軸周りの該距離測定ユニットのオリエンテーションを表わすオリエンテーションデータを生成するオリエンテーションセンサーを有しており、且つ該処理ユニットは、更に、該オブジェクトにおける異なるロケーションに対する距離データを生成するために該距離測定ユニットを制御する形態とされており、該距離データは対応するオリエンテーションデータと共に該処理ユニットにより受取られる。該異なるロケーションは本装置内において予め定めておくか、又は、例えば、ユーザに対して該二次元画像を表示し且つユーザが該オブジェクトの二次元画像内の所望のロケーションを選択することを可能とさせることによりユーザインターフェースを介してユーザにより入力される場合がある。
【0024】
本発明の実施例によれば、測量装置が距離測定ユニットの測定方向に沿って測定されるべきオブジェクトと該距離測定ユニットとの間の距離を表わす距離データを生成する距離測定ユニットと、該オブジェクトの二次元画像に関する画像データを発生し該距離測定ユニットに関して定義された空間関係を有している望遠鏡ユニットと、該オブジェクトの三次元データを受取るインターフェースと、処理ユニットとを有している。前記処理ユニットは、画像データを生成するために該望遠鏡ユニットを制御し、距離データを生成するために該距離測定ユニットを制御し、そのロケーションが該距離データに基づいて選択され且つそれが該三次元データにおいて定義されているような形状を有している1つの表面を表わす表面データを得、且つ該画像データを該表面データに基づいて該画像の該表面への投影を表わす投影された画像データへ変換する形態とされている。
【0025】
従って、これらの実施例においては、本測量装置は、例えば、CADデータ等の外部三次元データ又はデジタル地形モデルを使用することにより画像データが投影される表面を決定する。
【0026】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、更に、該三次元データ及び該画像データの両方に包含されている少なくとも1つの同一の特性要素を識別し且つ分析することにより画像処理により該表面のオリエンテーションを選択する形態とされている。
【0027】
例示的実施例によれば、該距離測定ユニットは、水平軸及び垂直軸周りに回転すべく装着されており、本装置は、更に、該水平軸及び垂直軸周りの該距離測定ユニットのオリエンテーションを表わすオリエンテーションデータを発生するオリエンテーションセンサーを有しており、該処理ユニットは、更に、該オブジェクトにおける少なくとも3つの異なるロケーションに対する距離データであって対応するオリエンテーションデータと共に該処理ユニットにより受取られる距離データを生成するために該距離測定ユニットを制御する形態とされており、且つ該処理ユニットは、更に、該オブジェクトにおける該少なくとも3つの異なるロケーションと関連しているオリエンテーションデータ及び距離データを使用することにより該表面のオリエンテーションを決定する形態とされている。
【0028】
該オブジェクトにおける該異なるロケーションは本装置内において予め定めておくか、又は、例えば、ユーザに対して該オブジェクトの二次元画像を表示し且つ該二次元画像内の所望のロケーションをユーザが選択することを可能とすることによりユーザインターフェースを介してユーザにより入力される場合がある。代替的に、前記異なるロケーションは、例えば、該三次元データに基づいて自動的に決定する場合がある。
【0029】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、更に、測量データとして該表面の距離に関する情報と共に少なくとも投影された画像データを受信装置へ格納及び送信する少なくとも1つに対する形態とされている。例えば、該表面の形状及び/又はオリエンテーション等の付加的な情報も該処理ユニットにより格納及び送信される場合がある。
【0030】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、更に、該投影された画像データにより表わされる画像の投影におけるユーザが選択した点を認識し且つ該オブジェクトにおける該選択された点の位置を決定する形態とされている。従って、該投影された画像は、例えば、該オブジェクトにおける距離を測定するために使用することが可能である。
【0031】
例示的実施例によれば、該望遠鏡ユニットは水平軸及び垂直軸周りに回転すべく装着されている。該望遠鏡は、更に、該水平軸及び垂直軸周りの該望遠鏡ユニットのオリエンテーションを表わすオリエンテーションデータを生成するオリエンテーションセンサーを有している。該処理ユニットは、更に、画像データが得られるべき方向であって複数の部分画像がターゲット領域をカバーするようにターゲット領域の複数の二次元部分画像を識別する方向を決定し、各方向における部分画像であって対応するオリエンテーションデータと共に該処理ユニットにより受取られる部分画像データを採取するために該望遠鏡ユニットを制御し、円錐、円筒、球からなるグループから選択される形状を有しているパノラマ表面を表わすパノラマ表面データを得、各方向に対する該部分画像データを各々が該パノラマ表面に対する夫々の部分画像データの投影を表わしている1組の投影された部分画像データへ変換し、該1組の投影された部分画像データ及び夫々の投影された部分画像データに対応するオリエンテーションデータに基づいて該パノラマ表面へ投影された該ターゲット領域のパノラマ画像を表わすパノラマ画像データを発生する形態とされている。
【0032】
従って、本測量装置は、パノラマ画像を発生するために使用することが可能である。上の例示的実施例においては、本装置は該パノラマ表面に対する夫々の部分画像データの投影中心に位置決めされている。前記パノラマ表面の形状は本装置内に格納することが可能である。該パノラマ表面は、予め定義した距離、又は、例えば、該距離測定ユニットと測量されるべきオブジェクトとの間の測定された距離に位置決めさせることが可能である。該望遠鏡ユニット及び該距離測定ユニットを共通のケーシング内に位置決めさせ且つ、例えば、同一のオリエンテーションセンサーを使用することが可能であることは自明である。代替的に、該望遠鏡ユニット及び該距離測定ユニットは、別々のケーシング内に位置決めさせ且つ、例えば、同一の又は別個のオリエンテーションセンサーを使用することが可能である。
【0033】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、更に、測量データとして、得られたパノラマ画像データを受信装置に対して格納及び送信のうちの少なくとも1つに対する形態とされている。該表面の距離及び/又は形状に関する情報等の付加的な情報も、例えば、該処理ユニットにより格納及び送信される場合がある。
【0034】
本発明の実施例によれば、測量装置が、測量すべきオブジェクト即ち物体の二次元画像に関する画像データを発生し水平軸及び垂直軸周りに回転すべく装着されている望遠鏡ユニットと、該水平軸及び垂直軸周りの該望遠鏡ユニットのオリエンテーションを表わすオリエンテーションデータを発生するオリエンテーションセンサーと、処理ユニットとを有している。前記処理ユニットは、画像データが得られるべき方向であって、複数個の二次元部分画像がターゲット領域をカバーするようにターゲット領域の複数の二次元部分画像を識別する方向を決定し、各方向における部分画像データであって対応するオリエンテーションデータと共に該処理ユニットによって受取られる部分画像データを採取するために該望遠鏡ユニットを制御し、円錐、円筒、球からなるグループから選択される形状を有しているパノラマ表面を表わすパノラマ表面データを得、各方向に対する該部分画像データを各々が夫々の部分画像データの該パノラマ表面への投影を表わしている1組の投影された部分画像データへ変換し、該1組の投影された部分画像データ及び夫々の投影された部分画像データに対応するオリエンテーションデータに基づいて該パノラマ表面へ投影されたターゲット領域のパノラマ画像を表わすパノラマ画像データを発生する形態とされている。
【0035】
従って、本測量装置は、パノラマ画像を発生するために使用することが可能である。上の実施例においては、本装置は夫々の部分画像データの該パノラマ表面への投影の中心に位置決めされている。前記パノラマ表面の形状は本装置内に格納することが可能である。
【0036】
例示的実施例によれば、本装置は、更に、距離測定装置の測定方向に沿って測量されるべきオブジェクトと本装置との間の距離を表わす距離データを発生し該望遠鏡ユニットに関して定義された空間関係を有している距離測定ユニットを有している。該処理ユニットは、更に、該距離データに基づいて該表面のロケーションを得るために該オブジェクトにおける少なくとも1つのロケーションに対する距離データを発生するために該距離測定ユニットを制御する形態とされている。
【0037】
従って、該パノラマ表面は、例えば、該距離測定ユニットと該測定されるべきオブジェクトとの間の測定された距離に位置決めさせることが可能である。代替的に、該パノラマ表面は、例えば、予め定めた距離に位置決めさせることが可能である。該望遠鏡ユニット及び該距離測定ユニットは、共通のケーシング内に位置決めさせることが可能であり、且つ、例えば、同一のオリエンテーションセンサーを使用することが可能であることは自明である。代替的に、該望遠鏡ユニット及び該距離測定ユニットは、別々のケーシング内に位置決めさせ且つ、例えば、同一の又は別々のオリエンテーションセンサーを使用することが可能である。
【0038】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、測量データとして発生されたパノラマ画像データを受信装置に対し格納及び送信の少なくとも1つに対して適合されている。例えば、該表面の距離及び/又は形状に関する情報等の付加的な情報が該処理ユニットにより格納され及び送信される場合がある。
【0039】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、更に、二次元部分画像がオーバーラップするように方向を決定し、且つ該オーバーラップ領域における該部分画像データ又は投影された部分画像の投影された部分画像データのピクセルデータを使用することによりオーバーラップ領域における二次元部分画像のうちの少なくとも1つの部分画像データ及び投影された部分画像データのうちの少なくとも1つにおけるピクセルデータを調節すべく適合されている。
【0040】
例示的実施例によれば、本装置は、更に、該水平軸及び垂直軸周りに該距離測定ユニット及び該望遠鏡ユニットのうちの少なくとも1つを回転させるための回転ドライバを有しており、且つ、夫々、該距離測定ユニット及び該望遠鏡ユニットを所定の方向へ回転させるために該回転ドライバを制御する形態とされている。
【0041】
例示的実施例によれば、本装置は、該二次元画像及び該画像の投影をディスプレイユニット及びタッチスクリーン上に夫々表示するため、及び夫々、該二次元画像及び該画像の投影においての該オブジェクトにおけるロケーションを選択するために、ディスプレイユニット及びポインティング装置用のインターフェース及びタッチスクリーン用のインターフェースのうちの少なくとも1つを有しており、且つ該処理ユニットは、更に、該距離測定ユニット及び該望遠鏡ユニットの測定方向が、夫々、読取位置に対応する該オブジェクトにおけるロケーションを指し示すように該距離測定ユニット及び該望遠鏡ユニットのうちの少なくとも1つのオリエンテーションを計算するために該ポインティング装置の位置及び該タッチスクリーンにタッチすることにより定義される位置を夫々読取り、且つ該距離測定ユニット及び該望遠鏡ユニットを、夫々、計算されたオリエンテーションへ移動させるために該回転ドライバを制御すべく適合されている。
【0042】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは命令を格納しているメモリとプロセッサとを有している。
【0043】
例示的実施例によれば、該望遠鏡ユニットは結像光学系と光学的検知器要素からなるアレイとを具備しており、各検知器要素は該アレイ内における1つのロケーションを有しており且つ該結像光学系による該アレイ上に投影された画像に応答して該画像の1つの点を表わすピクセルのデータを発生し、且つ該処理ユニットは各光学的検知器要素のロケーションを光路と関連づけるためのキャリブレーションデータを格納している。
【0044】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、該キャリブレーションデータに基づいて、各光学的検知器要素の光路と該表面データにより表わされる表面及び該パノラマ表面データにより表わされるパノラマ表面の夫々との間の交点を解析的に検知し、且つ、夫々、該表面及び該パノラマ表面における検知された交差に対する該二次元画像の各ピクセル値を格納することにより、該画像データを投影された画像データへ変換すべく適合されている。
【0045】
例示的実施例によれば、本装置は、デジタル画像を表示するためのディスプレイユニット及びタッチスクリーンのうちの少なくとも1つに対するインターフェースを有しており、且つ該処理ユニットは、夫々、該ディスプレイユニット及びタッチスクリーン上に該二次元画像及び該画像の投影のうちの少なくとも1つを表示すべく適合されている。
【0046】
例示的実施例によれば、該二次元画像又は該画像の投影においての該オブジェクトにおけるロケーションを選択するために、ポインティング装置用のインターフェースが設けられるか又は該ディスプレイインターフェースがタッチスクリーン用のインターフェースであり、且つ該処理ユニットは、該ポインティング装置の位置又は該タッチスクリーンのタッチングにより定義される表示されている画像内の1つの点を表わす少なくとも1個のピクセルを定義するデータを読取るために適合されている。
【0047】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、該二次元画像においての又は該画像の投影においてのターゲット領域及び/又は位置を制限する方向、及び、好ましくは、該ターゲット領域の範囲を定義するユーザ入力を読取ることにより該ターゲット領域を表わすターゲット領域データを採取すべく適合されている。
【0048】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、該ポインティング装置によって又は該タッチスクリーンのタッチングによって選択される該画像の表示されている投影における2つの位置を読取り、該画像の該投影における該選択されたロケーションに対応する該オブジェクトにおける2つのロケーションの間の距離を決定し、且つその決定された距離又はその決定された距離から計算された値を表示すべく適合されている。
【0049】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、更に、該ポインティング装置によって又は該タッチスクリーンのタッチングによって選択される該画像の表示された投影における3つの位置を読取り、該オブジェクトにおける対応するロケーションにより定義される2つの線の間の角度を決定し、且つその決定された角度又はその決定された角度から計算された値を表示すべく適合されている。
【0050】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、該ディスプレイユニット上に該処理ユニットにより得られたか又は該処理ユニット内に格納されている付加的な情報を表示すべく適合されている。
【0051】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、既に測量されたターゲット領域内のロケーションを表わす測量データを格納し、且つ該測量されたロケーションのうちの少なくとも1つを表わすマークを該ディスプレイユニット上にディスプレイさせるべく適合されている。
【0052】
例示的実施例によれば、該処理ユニットは、測量されるべきロケーションを表わす座標データを採取し、且つ未だに測量されるべき少なくとも1個の点を表わすマークを該ディスプレイユニット上に表示すべく適合されている。
【0053】
本発明の実施例によれば、測量装置を使用して測量データを供給する方法が、測量されるべきオブジェクトの二次元画像に関する画像データを発生し、水平軸及び垂直軸周りの該測量装置のオリエンテーションを表わす対応するオリエンテーションデータと共に該オブジェクトにおける少なくとも3個の異なるロケーションに対して該測量装置の測定方向に沿って該測量装置と該オブジェクトとの間の距離を表わす距離データを発生し、該距離データ及び該オブジェクトにおける該少なくとも3個の異なるロケーションと関連しているオリエンテーションデータにより定義される表面を表わす表面データを得、且つ該画像データを該表面データに基づいて該画像の該表面に対する投影を表わす投影された画像データへ変換する、上記各ステップを有している。
【0054】
本発明の実施例によれば、測量装置を使用して測量データを供給する方法が、測量されるべきオブジェクトの二次元画像に関する画像データを発生し、該測量装置の測定方向に沿っての該測量装置と該オブジェクトとの間の距離を表わす距離データを発生し、該距離データに基づいて面の1つのロケーションを選択することにより且つ該オブジェクトの二次元画像内の該オブジェクトにおける少なくとも1個の楕円形及び菱形要素を識別し且つ解析することにより画像処理によって該面のオリエンテーションを選択することにより該面を表わす表面データを得、且つ該画像データを該表面データに基づいて該画像の該面に対する投影を表わす投影された画像データへ変換する、上記各ステップを有している。
【0055】
本発明の実施例によれば、測量装置を使用して測量データを供給する方法が、測量すべきオブジェクトの二次元画像に関する画像データを発生し、該測量装置の測定方向に沿って該測量装置と該オブジェクトとの間の距離を表わす距離データを発生し、該オブジェクトの三次元データを受取り、該距離データに基づいて表面の1つのロケーションを選択し且つ該三次元データにおいて定義されているような該表面の形状を選択することにより該表面を表わす表面データを得、該画像データを該表面データに基づいて該画像の該表面に対する投影を表わす投影された画像データへ変換する、上記各ステップを包含している。
【0056】
例示的実施例によれば、本方法は、更に、該三次元データ及び該イメージデータの両方に包含されている少なくとも1個の同一の特性要素を識別し且つ解析することにより画像処理によって該表面のオリエンテーションを決定するステップを有している。
【0057】
例示的実施例によれば、本方法は、更に、水平軸及び垂直軸周りの該測量装置のオリエンテーションを表わす対応するオリエンテーションデータと共に該オブジェクトにおける少なくとも3つの異なるロケーションに対する距離データを発生し、且つ該距離データ及び該オブジェクトにおける該少なくとも3つの異なるロケーションと関連するオリエンテーションデータを使用することにより該表面のオリエンテーションを決定する、上記各ステップを包含している。
【0058】
例示的実施例によれば、本方法は、更に、投影された画像データにより表わされる画像の投影におけるユーザが選択した点を認識し、且つその選択した点の該オブジェクトにおける位置を決定する、上記各ステップを包含している。
【0059】
本発明の実施例によれば、測量装置を使用して測量データを供給する方法が、各々が測量されるべきオブジェクトの二次元部分画像に関連している部分画像データが得られるべき方向であって複数の二次元部分画像がターゲット領域をカバーするように該オブジェクトにおけるターゲット領域の複数の二次元部分画像を識別する方向を決定し、水平軸及び垂直軸周りの該測量装置のオリエンテーションを表わす対応するオリエンテーションデータと共に各方向における部分画像データを発生し、円錐と円筒と球とからなるグループからパノラマ表面の形状を選択することによりパノラマ表面を表わすパノラマ表面データを得、各方向に対する該部分画像データを各々が該パノラマ表面への夫々の部分画像データの投影を表わしている1組の投影された部分画像データへ変換し、且つ該1組の投影された部分画像データ及び夫々の投影された部分画像データに対応するオリエンテーションデータに基づいて該パノラマ表面へ投影されたターゲット領域のパノラマ画像を表わすパノラマ画像データを発生する、上記各ステップを有している。
【0060】
例示的実施例によれば、本方法は、更に、二次元部分画像がオーバーラップ領域においてオーバーラップするように方向を決定し、且つ、夫々、該オーバーラップ領域においての該部分画像データ又は該投影された部分画像の投影された部分画像データのピクセルデータを使用することによって該オーバーラップ領域における二次元部分画像のうちの少なくとも1つの部分画像データ及び投影された部分画像データのうちの少なくとも1つにおけるピクセルデータを調節する、上記各ステップを包含している。
【0061】
例示的実施例によれば、該望遠鏡ユニットは結像光学系と光学的検知器要素からなるアレイとを具備しており、各検知器要素は該アレイ内の1つのロケーションを有しており且つ該結像光学系により該アレイ上に投影された画像に応答して該画像の1つの点を表わすピクセルのデータを発生し、各光学的検知器要素の光路に対する割り付けがキャリブレーションデータ内に格納されており、且つ画像データを投影された画像データへ変換するステップが、該キャリブレーションデータに基づいて、夫々、該表面データにより表わされる表面及び該パノラマ表面データにより表わされるパノラマ表面と各光学的検知器要素の光路との間の交点を解析的に検知し、且つ該二次元画像の各ピクセル値を、夫々、該表面及び該パノラマ表面における検知された交点へ格納することにより実施される。
【0062】
例示的実施例によれば、本方法は、更に、該画像の表示された投影においてユーザにより選択された2つの位置を読取り、該画像の投影における選択されたロケーションに対応する該オブジェクトにおける2つのロケーションの間の距離を決定し、且つその決定された距離又はその決定された距離から計算された値を表示する、上記各ステップを包含している。
【0063】
例示的実施例によれば、本方法は、更に、ユーザにより選択された該画像の表示された投影における3つの位置を読取り、該オブジェクトにおける対応するロケーションによって定義される2つの線の間の角度を決定し、且つその決定された角度又はその決定された角度から計算された値を表示する、上記各ステップを包含している。
【0064】
本発明の実施例によれば、測量装置の処理ユニット用のコンピュータプログラムが提供され、該コンピュータプログラムは、該測量装置が上述した方法を実施することを可能とすべく適合されている。
【0065】
本発明の実施例によれば、コンピュータにより読取可能な格納媒体が提供され、該媒体は上のコンピュータプログラムを格納している。
【0066】
本発明の実施例によれば、測量装置と共に使用するか又は測量装置の一部である処理ユニットが提供され、該測量装置は、水平軸及び垂直軸周りに制御可能に回転すべく装着されており且つ結像光学系と光学的検知器要素からなるアレイとを具備している望遠鏡ユニットを有しており、各検知器要素は該アレイ内の1つのロケーションを有しており且つ該結像光学系により該アレイ上に投影された画像に応答して該画像の1つの点を表わすピクセルのデータを発生し、本装置は、更に、該望遠鏡ユニットのオリエンテーションを表わすオリエンテーション信号を発生するオリエンテーションセンサー及び該水平軸及び垂直軸周りに該望遠鏡ユニットを回転させるための制御可能な回転ドライバを有しており、該処理ユニットは、各光学的検知器要素のロケーションを視準方向へ関連づけるキャリブレーションデータ及び命令を格納しているメモリ、及び該処理ユニットが測量装置へ接続されている場合に該命令に応答して以下の動作:測量すべきターゲット領域を表わすターゲット領域データを得ること、投影表面を表わす投影表面データを得ること、該ターゲット領域の少なくとも一部の二次元画像を表わす光学的検知器アレイにより発生される1組のピクセルデータを採取すること、該1組のピクセルデータを該キャリブレーションデータを使用して該イメージの該投影表面への投影を表わす1組の投影された画像データへ変換すること、及び測量データとして少なくとも該投影された画像データを受信装置へ格納及び/又は送信すること、を実施するためのプロセッサを有している。
【0067】
本発明の実施例によれば、測量装置が提供され、該測量装置は、水平軸及び垂直軸周りに制御可能に回転すべく装着されており結像光学系と光学的検知器要素からなるアレイとを具備している望遠鏡ユニットを有しており、各検知器要素は該アレイ内の1つのロケーションを有しており且つ該結像光学系により該アレイ上に投影された画像に応答して該画像の1つの点を表わすピクセルのデータを発生させ、本装置は、更に、該望遠鏡ユニットのオリエンテーションを表わすオリエンテーション信号を発生するオリエンテーションセンサー、及び該水平軸及び垂直軸周りに該望遠鏡ユニットを回転させるための制御可能な回転ドライバ、及び処理ユニットを有しており、該処理ユニットは該ドライバ、該オリエンテーションセンサー及び該回転ドライバへ接続されている。
【0068】
本発明の実施例によれば、測量装置を使用してターゲット領域の測量データを供給する方法が提供され、該測量装置は、水平軸及び垂直軸周りに制御可能に回転すべく装着されており且つ結像光学系と光学的検知器要素からなるアレイとを具備している望遠鏡ユニットを有しており、各検知器要素は該アレイ内の1つのロケーションを有しており且つ該結像光学系により該アレイ上に投影された画像に応答して該画像の1つの点を表わすピクセルのデータを発生させる。本装置は、更に、該望遠鏡ユニットのオリエンテーションを表わすオリエンテーション信号を発生するオリエンテーションセンサー及び該水平軸及び垂直軸周りに該望遠鏡ユニットを回転させるための制御可能な回転ドライバを有しており、本方法は、測量すべきターゲット領域を表わすターゲット領域データを得、投影表面を表わす投影表面データを得、該ターゲット領域の少なくとも一部の二次元画像を表わすピクセルからなる1組のピクセルデータを採取し、該1組のピクセルデータを該キャリブレーションデータを使用して該画像の該投影表面への投影を表わす1組の投影された画像データへ変換し、且つ測量データとして少なくとも該投影された画像データを受信装置へ格納及び/又は送信する、上記各ステップを包含している。
【0069】
本発明の実施例によれば、測量装置へ接続されている処理ユニット又は測量装置の処理ユニット用のコンピュータプログラムが提供され、該処理ユニットは、キャリブレーションデータを格納しているメモリとプロセッサとを有しており、本測量装置は、水平軸及び垂直軸周りに制御可能に回転すべく装着されており且つ結像光学系と光学的検知器要素からなるアレイとを具備している望遠鏡ユニットを有しており、各検知器要素は該アレイ内の1つのロケーションを有しており且つ該結像光学系により該アレイ上に投影された画像に応答して該画像の1つの点を表わすピクセルのデータを発生し、本装置は、更に、該望遠鏡ユニットのオリエンテーションを表わすオリエンテーション信号を発生するオリエンテーションセンサー及び該水平軸及び垂直軸周りに該望遠鏡ユニットを回転させるための制御可能な回転ドライバを有しており、該コンピュータプログラムは測量されるべきターゲット領域を表わすターゲット領域データを得、投影表面を表わす投影表面データを得、該ターゲット領域の少なくとも一部の二次元画像を表わす該光学的検知器アレイにより発生された1組のピクセルデータを採取し、該1組のピクセルデータを該キャリブレーションデータを使用して該画像の該投影表面への投影を表わす1組の投影された画像データへ変換し、且つ該命令が該プロセッサにより実施される場合に測量データとして少なくとも該投影された画像データを受信装置へ格納及び/又は送信するための命令を有している。
【0070】
特に、該コンピュータプログラムの命令及び該処理ユニットにおける命令は、該命令が該プロセッサにより実施される場合には、本発明に基づく方法を実施すべく適合させることが可能である。
【0071】
本発明の実施例は、望遠鏡ユニットを有する測量装置を使用する。該望遠鏡ユニットは水平軸及び垂直軸周りに回転可能である。当該技術において一般的であるように、垂直軸という用語は、測量装置が適切にセットアップされる場合にのみ垂直であることを必要とする軸のことを意味している。チルト用軸とも呼ばれる水平軸は、最大でチルト用軸エラーまで該垂直軸に対して直交している。該望遠鏡ユニットは、水平軸周りにそれをチルト即ち傾斜させることが可能であるようにアリダード上に装着させることが可能である。該アリダード、及びそれと共に、該望遠鏡ユニットは、該垂直軸周りに回転させることが可能である。該アリダード自身は、それに対して装置座標系を定義することが可能な適宜のベース要素上の垂直軸周りに回転すべく装着させることが可能である。
【0072】
該望遠鏡ユニットは、例えば適宜の制御ユニットにより制御される電気モータのような駆動部によって該垂直軸及び水平軸周りに制御された態様で回転させることが可能である。該望遠鏡ユニットのオリエンテーションは、夫々、該垂直軸及び水平軸周りの垂直及び水平回転角度により定義することが可能である。好適には、これらの角度は所定の方向に対して定義される。
【0073】
該オリエンテーションセンサーは該望遠鏡ユニットのオリエンテーション即ち配向を測定すべく作用し且つ対応するオリエンテーション信号を発生する。特に、該オリエンテーションセンサーは、垂直及び水平回転角度を測定し且つ対応するオリエンテーション信号を発生する角度センサーを有することが可能である。
【0074】
該望遠鏡ユニットは検知器要素からなるアレイ上に測量すべき興味のある区域を結像させる結像光学系を有している。該検知器要素は光学的照射、特に可視光照射、即ち光に対して感受性があり、且つ、好適には、カラー感受性があるものとすることが可能である。特に、CCD又はCMOS検知器アレイを使用することが可能である。
【0075】
該結像光学系は、興味のある区域においてオブジェクトの所望の倍率を与える望遠鏡光学系を有することが可能である。然しながら、該結像光学系がファインダーカメラに対して適切な広い視野を提供すべく設計されたものとすることも可能である。特に、この場合には、該望遠鏡ユニットは従来の態様でターゲット点を視準するための接眼レンズを具備する望遠鏡を有することが可能である。該結像光学系は該望遠鏡の一部とすることが可能であり、又は該望遠鏡とは別個のものとすることが可能である。
【0076】
該望遠鏡ユニットは、更に、該装置と視準される特定の点との間の距離を測定し且つ対応する距離信号を発生すべく作用する距離測定装置を有している。好適には、該距離測定ユニットは、特に高い反射率を有する特別のリフレクタのような与えられた共同のターゲットのみではなく任意の反射性のオブジェクトの距離のリフレクタのない測定にも適している。
【0077】
該距離測定装置は、望遠鏡ユニット16に関して定義された特定の関係を有している。従って、水平軸及び垂直軸周りの該距離測定装置のオリエンテーションは目盛りが付けられた水平円24及び目盛りが付けられた垂直円26によって明示的に又は暗示的に決定される。代替的に、該距離測定装置は、水平軸及び垂直軸周りの該距離測定装置のオリエンテーションを表わすオリエンテーションデータを発生するための別個のオリエンテーションセンサーを使用することが可能である。
【0078】
本測量装置は、更に、装置制御コンピュータ、又はプロセッサと該駆動部及びオリエンテーションセンサーへの接続のための物理的及び/又はソフトウエアインターフェースとを具備している装置制御ユニットを有することが可能である。該装置制御コンピュータは、測定されたデータを処理又は評価すべく適合させることが可能である。又、別個の評価ユニットをその目的のために設けることが可能である。
【0079】
該処理ユニットは、本測量装置内に一体化させることが可能であり、又は本測量装置とは別体とすることが可能である。後者の場合には、該処理ユニットは、該装置制御コンピュータへのインターフェース及び/又は該駆動部、該オリエンテーションセンサー及び該検知器アレイへのインターフェースのうちの少なくとも1つを有することが可能である。該処理ユニットが本測量装置の一部である場合には、それは、好適には、本装置から着脱自在である。
【0080】
少なくとも、該処理ユニットが本測量装置から遠隔的に使用することが可能である場合には、それは通信リンク、好適には無線通信リンク、を介してそれへリンクさせることが可能であり、且つ適宜の通信インターフェースを有することが可能である。
【0081】
それは本測量装置を制御し且つ本測量装置によって、特に該オリエンテーションセンサー及び該検知器アレイによって得られた信号又はデータを処理すべく作用する。該メモリは、例えばRAM、ROM、フラッシュROM、ハードディスク又は着脱自在の格納媒体(例えば、コンパクトディスク、DVD、USBスティック等のフラッシュROM、メモリカード)又はそれらの組合わせの形態で設けることが可能である。着脱自在の格納媒体が使用される場合には、該処理ユニットは、更に、該格納媒体用の適宜のドライブを有することが可能である。処理のために、該処理ユニットは少なくとも1個のプロセッサを有しており、それは、例えば、多目的マイクロプロセッサ又はビデオ情報を処理するのに特に適したDSP(デジタル信号プロセッサ)とすることが可能である。以下においては、簡単化のために、「プロセッサ」という用語は少なくとも2つの結合されたプロセッサの結合のことを意味する場合もある。
【0082】
該処理ユニットは本発明に基づく本方法の少なくとも一部を実施すべく作用し且つ、更に、本測量装置がその他の動作モードで使用される場合に付加的な作業を実施することも可能である。その場合には、該メモリ内に格納されている命令はその付加的な作業を実施するための命令を有することが可能である。特に、該処理ユニットは、上述したように制御及び評価ユニットとして作用することが可能である。
【0083】
導入部分で記載したように、該検知器要素のいずれもが該検知器要素に対して結像されたオブジェクト点に対する方向と関連づけることが可能であることが望ましい。その目的のために、本測量装置がキャリブレーションされているものと仮定する。結果的に得られるキャリブレーションは、該アレイ内又は該望遠鏡ユニット内における該検知器要素の位置の該オブジェクト点の対応する方向、且つ該オブジェクト点の距離が既知である場合には、装置座標系における該オブジェクト点の対応する座標に対してのマッピングを与えることが可能である。一般的には、キャリブレーションのために、最適なマッピングを与えるべく調節されているキャリブレーションパラメータを有しており該検知器要素の位置と該方向との間の依存性をモデリングするモデルを使用することが可能である。該キャリブレーションパラメータはキャリブレーションデータとして該メモリ内に格納され、該モデルは該メモリ内に格納されている命令のうちの幾つかにより少なくとも暗示的に実現される。ドイツ特許出願DE10359415.9及びPCT/EP2004/014365の内容を引用によりここに取込むが、これらはキャリブレーションのための適切な方法を開示している。
【0084】
該メモリ内に格納されている命令は、本発明に基づくコンピュータプログラムの少なくとも一部とすることが可能である。それは、任意のプログラミング言語で実現することが可能であり、且つ、更に、本測量装置を制御するための制御ソフトウエアを包含することが可能である。
【0085】
ターゲット領域を測量するために、ターゲット領域データが得られる。ターゲット領域データは、ターゲット領域を定義することを可能とする任意のデータとすることが可能である。特に、例えば対応する垂直及び水平角度により与えられる1組の少なくとも3つの方向を使用することが可能であり、その場合に本測量装置から開始し且つ該方向に沿って延在する光線が三次元とすることが可能なターゲット領域の端部を形成する。代替的に、該ターゲット領域の範囲及び形状及び少なくとも1つの方向をターゲット領域データとして使用することが可能である。更に、該ターゲット領域データは、該望遠鏡ユニットの現在のオリエンテーション及び該結像光学系及び検知器アレイにより形成されるカメラの視野によって該ターゲット領域が定義されることを表わすデータにより与えることが可能である。
【0086】
ターゲット領域データを得る前、それと同時又はその後に、投影表面データが得られる。ここで、投影表面データは、三次元空間内において二次元表面を定義する任意のデータとすることが可能である。
【0087】
該ターゲット領域データ及び該投影表面データは任意の座標系で定義することが可能である。然しながら、好適には、該ターゲット領域データ及び該投影表面データは同一の座標系において定義される。
【0088】
該ターゲット領域データを得た後に、該駆動部は、該望遠鏡ユニットが該ターゲット領域を結像させるためのオリエンテーションに既にない場合には、該ターゲット領域の少なくとも一部を該検知器アレイ上に結像させることが可能なオリエンテーションに該望遠鏡ユニットを移動させるべく制御させることが可能である。該オリエンテーションは、得られたターゲット領域データに基づいて決定することが可能である。
【0089】
次いで、該ターゲット領域の少なくとも一部の二次元画像を表わすピクセル、即ち画像要素からなる1組のピクセルデータが得られる。該ピクセルデータを得るために、該処理ユニットは、該検知器アレイにより発生された対応する信号又はデータをキャプチャ即ち捕獲することが可能である。1個のピクセルに対するピクセルデータは、ビジュアル情報又はデータを有することが可能である。検知器要素の種類に依存して、該ビジュアル情報又はデータは、エンコードされた形態におけるカラー及び/又はグレイスケール情報を表わすことが可能である。更に、該アレイ内の対応する検知器要素の位置を、例えば、各位置が検知器要素の位置に対応しているピクセルデータのシーケンス又は明示的なデータによる位置により1組のピクセルデータでエンコードさせることが可能である。更に、該データは、好適には損失のない態様で圧縮させる。
【0090】
次いで、該ピクセルデータは投影表面に対する該ターゲット領域の少なくとも一部の二次元画像の投影を表わす1組の投影された画像データへ変換される。この変換のために、該キャリブレーションデータ及びキャリブレーションのために使用したモデル、又はキャリブレーションのために使用したモデルの一部であるカメラモデルを使用して各検知器要素又は対応するピクセルの位置を対応する方向、従って、投影表面上の位置へリンクさせる。
【0091】
該投影された画像データは、与えられた又は計算された要素に対するカラー及び/又はグレイスケール情報又は該投影された画像の位置を表わすビジュアルデータを有することが可能である。該投影された画像の該要素の位置は、三次元座標系における座標又は該投影表面の1つの位置を決定する2つの座標により表わすことが可能である。
【0092】
更に、該投影表面上の要素に対する座標の代わりに、該投影された画像データは該投影表面のディスプレイ面への投影を表わすデータを有することが可能である。
【0093】
次いで、該投影された画像データは、該処理ユニットのメモリ又はその他の格納媒体上に少なくとも一時的に測量データとして格納される。次いで、該投影された画像データは更なる測量目的のために使用することが可能である。更に又は代替的に、該投影された画像データは、例えばその他の適用において該データを使用する遠隔コンピュータ等の受信装置へ送信することが可能である。
【0094】
好適には、該投影された画像データのみが測量データとして格納されるのではなく、例えば該望遠鏡ユニットの対応する配向、使用された該投影表面データ及び/又は倍率等の該投影のために使用された更なるパラメータ等の該イメージをキャプチャする場合に使用されたパラメータに関連するデータも格納される。該投影された画像データは、任意の適宜のグラフィックフォーマット、特に該投影された画像データと同一のファイル内に付加的なデータを格納する可能性を提供するグラフィックフォーマットで格納及び/又は送信させることが可能である。
【0095】
本発明の実施例は、結像される限り該ターゲット領域内の多くの方向に対する測量情報が該投影された画像内に包含されており、且つこの情報を得るために、1つの画像をとらねばならないに過ぎず、従って測量動作は極めて高速とすることが可能であるという利点を有している。更に、更なる測量作業は投影させた画像データを使用してオフィスにおいて実施することが可能である。
【0096】
一般的に、本測量装置はビデオテオドライトとすることが可能である。然しながら、好適には、本測量装置は、更に、視準軸に沿って測量されるべきオブジェクトと本装置との間の距離を表わす距離信号を発生する制御可能な距離測量ユニットを有しており、該距離測定ユニットは信号を送信し且つ受信するための処理ユニットへ接続されている。従って、距離測定ユニットの視準方向に沿って測量されるべきオブジェクトと本装置との間の距離を表わす距離信号を発生する制御可能な距離測定ユニットを有する測量装置用の処理ユニットにおいては、該命令は、該距離信号又は該距離信号から発生される距離データを読取るための命令を有している。コンピュータプログラムにおいては、視準方向に沿って測量されるべきオブジェクトと本装置との間の距離を表わす距離信号を発生する制御可能な距離測定ユニットを更に有する測量装置の場合に、該命令は、該距離信号又は該距離信号から発生される距離データを読取るための命令を有することが可能である。このことは、本測量装置及び該処理ユニットが視準されるターゲット点への距離を測量するために使用することが可能であり、単に1個の装置でより完全な測量を行うことを可能とするという利点を有している。
【0097】
該測量データは地形における更なる測量のために使用されることは必要ではない。然しながら、本方法においては、該処理ユニット又は本装置はデジタル画像を表示するためのディスプレイユニット及び/又はタッチスクリーンを有することが可能であり、且つ本方法は、更に、該検知器アレイによりキャプチャされた画像及び/又は該投影された画像を、夫々、ディスプレイユニット及び/又はタッチスクリーン上に表示させることを包含することが可能である。該処理ユニットにおいては、好適には、デジタル画像を表示するためのディスプレイユニット又はタッチスクリーン用の少なくとも1つのインターフェースが設けられ、且つ該命令は、該検知器アレイによりキャプチャされた画像及び/又は該投影された画像を、夫々、該ディスプレイユニット及び/又は該タッチスクリーン上に表示させる命令を有することが可能である。該コンピュータプログラムにおいては、該命令は、該検知器アレイによりキャプチャされた画像及び/又は該投影された画像を、特に、該処理ユニット又は本測量装置のディスプレイユニット又はタッチスクリーン上に表示させる命令を有することが可能である。本測量装置は、更に、該処理装置から表示データを受取るために、該処理装置へ接続されている少なくとも1つのディスプレイユニット又は1つのタッチスクリーンを有することが可能である。この実施例は、測定の直後にユーザが測量動作の結果をチェックすることが可能であるという利点を有している。
【0098】
該画像及び/又は該投影した画像を表示するために、該コンピュータプログラムにおいては、該命令が、該投影した画像データを表示データへ変換する命令を有することが可能であり、該表示データは該投影した画像の表示面上への投影を表わしており且つ該表示データにより表わされる画像を表示する。該処理装置においては、該命令は、該投影された画像データを表示データへ変換する命令を有することが可能であり、該表示データは該投影された画像の表示面上への投影を表わしており且つ該表示データにより表わされる画像を表示する。本方法は、更に、該投影された画像を表示データへ変換することを包含することが可能であり、該表示データは該投影された画像の表示面上への投影を表わしており、且つ該表示データにより表わされる画像を表示する。
【0099】
好適には、該処理ユニットは、該インターフェースへ接続されている該ディスプレイユニット及び/又はタッチスクリーンを有している。
【0100】
更に、この場合には、更なる測量のため又は本方法において使用される更なるデータを入力するために該表示された画像又は表示された投影された画像を使用することが可能である。
【0101】
その目的のために、該処理ユニットにおいては、該キャプチャされた又は投影された画像における点を選択するために、ポインティング装置用のインターフェースを設けることが可能であり及び/又は該表示インターフェースはタッチスクリーン用のインターフェースとすることが可能であり且つ該メモリ内に格納されている命令は該ポインティング装置の位置又は該タッチスクリーンのタッチングにより定義される表示された画像における1つの点を表わす少なくとも1個のピクセルを定義するデータに対し且つそれを読取る命令を有している。該コンピュータプログラムにおいては、該キャプチャされた又は投影された画像における点を選択するために、該命令は、夫々、該ポインティング装置の位置又は該タッチスクリーンのタッチングにより定義される表示された画像における1つの点を表わす少なくとも1個のピクセルを定義するデータを読取るための命令を有することが可能である。本方法は、更に、該ポインティング装置の位置又はタッチスクリーンのタッチングにより夫々定義される表示された画像における1つの点を表わす少なくとも1個のピクセルを定義するデータを読取ることを包含することが可能である。この実施例は、該ポインティング装置又は該タッチスクリーンのタッチングによって該表示された画像又は表示された投影された画像におけるターゲットをユーザが容易に選択することが可能であるという利点を有している。特に、該命令は、グラフィカルユーザインターフェースを表わす命令を有することが可能である。該ポインティング装置は、好適には、マウス、トラックボール、トラックポイント、タッチパッド又はジョイスティックのうちの1つとすることが可能である。タッチスクリーンの使用は、ディスプレイと位置決め手段とが単一の装置に結合されているという利点を有しており、そのことは該処理ユニットを簡単化させ且つよりコンパクトなデザインとすることを可能とする。ポインティング装置を使用する場合には、その操作は、好適には、該ポインティング装置の位置に対応する位置にマークを表示させることを包含している。該コンピュータプログラムは、対応する命令を有することが可能である。更に、該ポインティング装置の位置は、通常、該ポインティング装置の動作要素、例えばマウスボタンが動作される場合に読取られる。
【0102】
該投影表面データは、該処理ユニットのメモリ内に永久的に格納させることが可能であり且つそれから得ることが可能である。本方法において該投影表面をより柔軟性を持って定義することを可能とするために、該投影表面データを得るステップは、該投影表面を定義するために該投影された画像における点のデータを採取すること、該望遠鏡ユニットを該データにより定義されるオリエンテーションへ移動させること、該投影された画像における点に対応する該ターゲット領域における点と該望遠鏡ユニットとの間の距離を表わす各オリエンテーションに対する距離データを得ること、及び該オリエンテーションからの投影表面データ及び関連する距離データを決定し且つ格納すること、を包含することが可能である。該処理ユニットにおいては、該メモリ内に格納される命令は、該プロセッサが該1組の命令に応答して該投影表面を定義する該投影された画像における点のデータを採取し、該望遠鏡ユニットを該データにより定義されるオリエンテーションへ移動させるために駆動部を制御すること、各オリエンテーションに対する距離データを得るために該距離測定ユニットを制御すること、及び該オリエンテーション及び関連する距離データから決定される投影表面データを決定し且つ格納すること等の1組の命令を包含することが可能である。該コンピュータプログラムにおいては、投影表面を定義するために該投影された画像における点のデータを採取し、該データにより定義されるオリエンテーションに該望遠鏡ユニットを移動し、該望遠鏡ユニットと該投影された画像における点に対応する該ターゲット領域における点との間の距離を表わす各オリエンテーションに対する距離データを得るための命令を有することが可能である。本発明のこの実施例は、投影表面を極めて容易に選択することが可能であるという利点を有している。ここでは、該投影表面の形状は、例えば該プログラムにおける対応する命令及び/又は処理ユニットによって予め決定することが可能であり、又は1つのタイプの投影表面を選択することが可能である。投影表面データの容易な入力を可能とさせるために、該処理ユニットは装置ユニット及び入力装置を有することが可能であり、且つ該メモリ内に格納されている命令はユーザの入力を読取るためのグラフィカルユーザインターフェース用の命令を有することが可能である。該投影表面は任意の形状を有することが可能である。特に、該形状は面、円形断面を有する円筒表面、又は球とすることが可能である。更に、例えば、装置座標系と関係する場合がある表面上の点の適宜の組の座標によりデジタル地形モデル又はデジタル表面モデルを使用することが可能である。少なくとも後者の場合においては、該投影表面データはネットワーク接続を介して外部メモリから又は着脱自在な格納媒体から得ることが可能である。該処理ユニットは、ネットワークインターフェース及び/又は着脱自在な格納媒体を読取るためのドライブを有することが可能である。このことは、データを容易に得ることが可能であるという利点を有している。特に、本方法においては、本装置は視準軸に沿って測量されるべきオブジェクトと該ユニットとの間の距離を表わす距離信号を発生するために制御可能な距離測定ユニットを有することが可能であり、且つ該投影表面データを得るためのステップは、該ピクセルデータにより表わされる画像を該ディスプレイユニット及び/又はタッチスクリーン上に夫々表示させ、該タッチスクリーンをタッチすることにより定義される位置又は該ポインティング装置の位置を読取り、該距離測定ユニットの視準軸が読取位置に対応するターゲット領域における方向を指し示すように該望遠鏡ユニットのオリエンテーションを計算し、該望遠鏡ユニットをその計算された位置へ移動させるために駆動部を制御し、該ユニットと該視準軸上のオブジェクトとの間の距離を表わす距離データを得且つ該距離データ及び該オリエンテーションを表わすデータに基づいている投影表面データを格納することを包含することが可能である。本測量装置が該装置と視準軸に沿って測量されるべきオブジェクトとの間の距離を表わす距離信号を発生するために制御可能な距離測定ユニットを有している場合には、該処理ユニット及び投影表面データを得るステップに対するコンピュータプログラムにおいて、該命令は該ピクセルデータにより表わされる画像をディスプレイユニット又はタッチスクリーン上に夫々表示させ、該ポインティング装置の位置又は該タッチスクリーンのタッチングにより定義される位置を読み取り該距離測定ユニットの視準軸が読取位置に対応するターゲット領域における1つの方向を指し示すように該望遠鏡ユニットのオリエンテーションを計算し、該望遠鏡ユニットを計算された位置へ移動させるために駆動部を制御し、該ユニットと該視準軸上のオブジェクトとの間の距離を表わす距離データを得るために該距離測定ユニットを制御し、且つ該距離データ及び該オリエンテーションを表わすデータに基づいて投影表面データを格納するための命令を包含している。投影表面を表わすために選択されるべき点の数は該投影表面の幾何学的形状に依存する。該投影表面が面(plane)である場合には、同一線上ではない3つの点に対して測定値をとることで充分である。該投影表面が球又は垂直である円筒の表面である場合には、本測量装置がその球又は円筒の断面の中心に位置決めされている場合には、該投影表面上の少なくとも1つの点の方向及び距離を得ることで充分である。この実施例は該投影表面データの少なくとも幾つかの非常に簡単な入力を可能としている。
【0103】
該投影された画像の情報内容は、該投影表面の形状が画像形成されるべき特定のオブジェクトの表面の形状に対応している場合には、特に高い。該投影表面の幾何学的形状が測量されるべきオブジェクトの幾何学的形状に対応している場合には、該画像の投影された画像への投影は所謂正射投影に対応しており、その場合には、キャプチャした画像の該投影表面上への平行投影となる。該投影表面がディスプレイユニット上に表示される表示面ではない場合には、投影された画像をその表示面へ変換させるために付加的な変換を使用することが可能である。従って、本方法は、更に、該投影された画像データを表示データへ変換させ且つ該表示データにより表わされる画像を表示することを包含することが可能である。該処理装置及び/又はコンピュータプログラムにおいて、該命令は、該投影された画像データを表示データへ変換し且つ該表示データにより表わされる画像を表示する命令を有することが可能である。該投影表面が例えば円筒表面等の面上に展開することが可能である場合には、該変換はそれに従って選択することが可能であり、且つ、特に、ピクセルの配置をそれに従って選択することが可能である。そうでない場合には、該変換は投影とすることが可能である。好適には、該変換は、角度及び/又は距離が該変換により歪まれるものでないようなものである。特に、球の場合には、球上の画像を面へ投影するために当該技術において幾つかの異なる投影が知られている。これらの投影の例は、Kuntz, Eugen: Kartenetzentwurfslehre:Grundlagen und Anwendungen, Karlsruhe,ドイツ、 Wichmann、1990、ISBN 3−87907−186−1において開示されており、その内容を引用によりここに包含させる。
【0104】
該ターゲット領域データは単純にメモリから読取ることが可能であり、該メモリ内には別の装置から適宜の通信リンクを介して受取った後にそれらは永久的に格納されるか又は一時的に格納される。代替的に、本方法においては、ターゲット領域データを採取するステップは、該ターゲット領域及び/又は該投影した画像における位置を制限する方向、及び、好適には、該ターゲット領域の範囲を定義するユーザ入力を読取ることを包含することが可能である。該処理ユニット及び該コンピュータプログラムにおいて、ターゲット領域データを得るステップに対して、該命令は、該プロセッサが該1組の命令に応答して該検知器アレイにより検知された画像又は該投影された画像におけるターゲット領域及び/又は位置を制限する方向、及び、好適には、該ターゲット領域の範囲を定義するユーザ入力を読取ることにより該ターゲット領域データを採取するような1組の命令を包含することが可能である。このことは、該ターゲット領域を容易に入力することが可能であるという利点を有している。該方向、即ち本装置から方向に沿っての光線は、該装置座標系に対して、又は、該装置の位置が知られている場合には、地形的方向に関連する外部座標系に対して入力させることが可能である。代替的には、該方向は該画像又は該投影された画像における対応する位置を読取り且つ前のパラグラフにおいて説明したステップを使用してキャリブレーションデータを使用して該方向を決定することにより得ることが可能である。
【0105】
しばしば、該ターゲット領域が該検知器装置によりキャプチャされたただ1つの画像内に結像させるのには大き過ぎる場合がある。従って、本方法においては、該ピクセルデータを採取するステップは、部分二次元画像が該ターゲット領域をカバーするように該ターゲット領域の部分二次元画像を表わすピクセルデータが得られる望遠鏡ユニットのオリエンテーションを決定し、該望遠鏡ユニットを該決定したオリエンテーションへ移動し、且つ各オリエンテーションにおいてピクセルデータを採取することを包含することが可能であり、且つ該ピクセルデータを変換するステップが、各オリエンテーションに対するピクセルデータを、キャリブレーションデータを使用して、夫々の部分画像の該投影表面への投影を表わしている1組の投影した部分画像データへ変換し、且つ投影した部分画像データから該投影表面へ投影したターゲット領域のパノラマ画像を表わすパノラマ画像データを発生することを包含することが可能である。該処理ユニット又はコンピュータプログラムにおいて、該命令は、部分的二次元画像がターゲット領域をカバーするように該ターゲット領域の部分的二次元画像を表わすピクセルデータが得られるオリエンテーションを決定し、該望遠鏡ユニットを決定したオリエンテーション内へ移動させ且つ各オリエンテーションにおけるピクセルデータを採取するために駆動部を制御し、キャリブレーションデータを使用して各オリエンテーションに対するピクセルデータを該投影表面に対する夫々の部分画像の投影を表わす1組の投影した部分画像データへ変換させ、且つ投影した部分画像データから投影表面へ投影されたターゲット領域のパノラマ画像を表わすパノラマ画像データを発生するために該プロセッサが1組の命令に応答するように1組の命令を包含することが可能である。この実施例は、殆ど努力なしで大きなターゲット領域を測量することも可能であるという利点を有している。特に、そのターゲット領域を測量してユーザは、パノラマ画像を得るためにターゲット領域データを発生及び/又は入力することが必要であるに過ぎない。
【0106】
好適には、該望遠鏡ユニットは、部分画像がオーバーラップすることが必要でないような精度で制御可能である。然しながら、高品質のパノラマ画像を得るためには、本方法においては、部分的二次元画像がオーバーラップするようにオリエンテーションが決定され、且つ本方法は、更に、夫々、オーバーラップ領域においての部分的画像又は投影された部分的画像の投影された画像データのピクセルデータを使用してオーバーラップ領域における部分的画像及び投影された部分的画像のうちの少なくとも1つの投影された画像データのうちの少なくとも1つにおけるピクセルデータを調節することを包含している。該処理ユニット及び該コンピュータプログラムにおいて、該命令は、該プロセッサが部分的な二次元画像がオーバーラップするようにオリエンテーションを決定するために1組の命令に対して、且つ、夫々、オーバーラップ領域における部分的画像又は投影した部分的画像の投影した画像データのピクセルデータを使用してオーバーラップ領域における投影した部分的画像のうちの少なくとも1つの投影した画像データ及び部分的画像のうちの少なくとも1つにおけるピクセルデータに対して応答するように1組の命令を包含することが可能である。特に、ピクセルデータ又は投影した画像データの調節は、ラジオメトリック調節による例えばカラー及び/又は輝度及び/又はグレイスケール情報等のその中に包含されるビジュアルデータを調節することを包含することが可能である。
【0107】
通常、該ターゲット領域において、測量動作を阻害する場合がある移動するオブジェクトが存在する場合がある。従って、本方法においては、該ピクセルデータを採取するステップが、爾後の時間において同一のターゲット領域に対応する予備的ピクセルデータを採取し且つ平均化することにより異なる時間において同一のターゲット点に対応する予備的ピクセルデータからピクセルデータを計算することを包含することが可能である。該処理ユニットにおいて及び/又は該コンピュータプログラムにおいて、該命令は、爾後の時間において同一のターゲット領域に対応する予備的ピクセルデータを採取し且つ平均化により異なる時間においての同一のターゲット点に対応する予備的ピクセルデータからピクセルデータを計算するために該プロセッサが1組の命令に応答するような1組の命令を包含することが可能である。同一の場面の画像の繰り返しのキャプチャ動作及び平均化は、移動するオブジェクトを見つけ出すための高度な画像処理アルゴリズムを使用することなしに画像又は部分的画像から少なくとも近似的に移動するオブジェクトを除去することが可能であるという利点を有している。更に、変換のために使用されるピクセルデータのより高い精度を得ることが可能である。
【0108】
通常、投影した画像データは検知器アレイによりキャプチャされた二次元画像のピクセルの投影表面に対する直接的投影により得ることが可能である。然しながら、本方法においては、該投影した画像は投影した画像ピクセルの配置によって表わすことが可能であり、該投影した画像ピクセルの各々は関連するビジュアルデータを有しており、且つ該ピクセルデータを変換するステップは、該1組のピクセルのうちの少なくとも1個のピクセルのピクセルデータにおけるビジュアル情報から少なくとも1つの投影した画像ピクセルに対するビジュアルデータを決定することを包含することが可能であり、該少なくとも1個のピクセルは検知器要素又は該画像のピクセルのロケーションによって定義される画像表面に対して逆投影された画像の投影された画像ピクセルのロケーションに最も近いロケーションを有している。該処理ユニットにおいて及び/又は該コンピュータプログラムにおいて、該投影された画像は投影された画像ピクセルの配置により表わすことが可能であり、該投影された画像ピクセルの各々は関連するビジュアルデータを有しており、且つ該ピクセルデータを変換するために、該命令は、該1組のピクセルのうちの少なくとも1個のピクセルのピクセルデータにおけるビジュアル情報から少なくとも1個の投影した画像ピクセルに対するビジュアルデータに対して1組の命令を包含することが可能であり、該少なくとも1個のピクセルは該検知器要素又は該画像のピクセルのロケーションにより定義される画像表面に対して逆投影された画像の投影された画像ピクセルのロケーションに最も近いロケーションを有している。この種類の投影は間接又は逆投影に対応している。投影された画像における与えられた投影された画像ピクセルロケーションから開始して、画像面、即ち検知器アレイの面内において対応する位置が決定され、該面はキャプチャされた画像又は投影表面上の投影された画像ピクセル位置に対して直接的に投影されるようなカメラモデルのピクセルを定義するために使用される。この間接又は逆投影を使用することは、ビジュアルデータ又はカラー及び/又は輝度及び/又はグレイスケール情報等のビジュアル情報の決定が直接投影におけるよりも一層高速であるという利点を有している。好適には、少なくとも1つの投影された画像ピクセルに対して、該ビジュアル情報は検知器アレイによりキャプチャされた画像における対応する位置を決定し且つ隣り合うピクセルのビジュアルデータの間での補間によりビジュアルデータを計算することにより決定される。好適には、バイリニア補間が使用される。
【0109】
間接投影技術の1つの利点は、隣り合うピクセルの間のギャップ又はオーバーラップを回避することが可能であるということである。別の利点は、投影表面内のピクセルが適切に選択される場合には、ディスプレイユニット上に投影した画像を表示するために更なる操作は必要ではないということである。
【0110】
得られた測量データ、即ち投影した画像は更なる測量作業のために使用することが可能である。これらは格納され、次いで適宜のデータ処理システムにより読取られた後に例えばオフィス等の遠隔の場所において実施することも可能である。然しながら、本方法は、又、ポインティング装置により又はタッチスクリーンをタッチすることにより選択された表示されている画像における2つの位置を読取り、投影した画像における選択した点に対応する投影した画像における2つの点の間の距離を決定し且つその決定した距離又はその決定した距離から計算した値を表示する動作を包含することが可能である。該処理ユニット及び/又はコンピュータプログラムにおいて、該命令は、ポインティング装置により又はタッチスクリーンをタッチすることにより選択された表示されている画像における2つの位置を読取り、該投影された画像における対応する点の間の距離を決定し、且つその決定された距離又はその決定された距離から計算された値を表示するための命令を包含することが可能である。この実施例は、夫々、投影した画像及び表示した画像のみを使用して測量を実施することが可能であり、従って更なる望遠鏡の移動は必要ではないという利点を有している。測定されたデータは、又、好適には該距離を定義する点と関連して格納させることが可能である。格納されている投影した画像データに基づいて別のコンピュータ上でこれらの動作を実施することも可能である。
【0111】
更に、本方法は、ポインティング装置によって又はタッチスクリーンをタッチすることによって選択された表示されている画像における3つを位置を読取り、該投影された画像における対応する点により定義される2つの線の間の角度を決定し、且つその決定された角度又はその決定された角度から計算された値を表示する動作を包含することが可能である。該処理ユニット及び/又はコンピュータプログラムにおいて、該命令は、ポインティング装置によって又はタッチスクリーンをタッチすることによって選択された表示されている画像内の3つの位置を読取り、投影された画像における対応する点により定義される2つの線の間の角度を決定し、且つその決定された角度又はその決定された角度から計算された値を表示するための命令を包含することが可能である。この実施例は、夫々、投影した画像及び表示した画像のみを使用して測量を実施することが可能であり、従って望遠鏡ユニットの更なる移動は必要ではないという利点を有している。測定されたデータは、又、好適には、該距離を定義する点と関連して格納することが可能である。格納されている投影した画像データに基づいて別個のコンピュータ上でこれらの動作を実施することも可能である。
【0112】
別の実施例においては、本方法は、ディスプレイユニット上に付加的な情報を表示する動作を有している。該処理ユニット及び/又はコンピュータプログラムにおいて、該命令は、ディスプレイユニット上に該処理ユニットによって得られるか又はその中に格納されている付加的な情報を表示するための1組の命令を包含することが可能である。この実施例は、同一のディスプレイからユーザが付加的な情報を読取ることが可能であり、従って該処理ユニット又は本装置を動作させることが一層快適なものとなり且つよりエラーの少ないものとなるという利点を有している。該付加的な情報は、例えば、該オリエンテーションセンサーにより検知される水平軸及び垂直軸により定義される望遠鏡ユニットの現在のオリエンテーションに関係することが可能である。
【0113】
別の実施例においては、本方法は、既に測量したターゲット領域内の点を表わす測量データを格納し、且つ投影した画像内の測量した点のうちの少なくとも1つを表わすマークをディスプレイユニット上に付加的な情報として表示する動作を包含している。該処理ユニット及び/又はコンピュータプログラムにおいて、該命令は、既に測量したターゲット領域における点を表わす測量データを格納し、且つ該投影した画像内の測量した点のうちの少なくとも1つを表わすマークをディスプレイユニット上に表示するための1組の命令を包含することが可能である。この実施例は、ユーザが測量の進捗をモニタすることを可能とする。特に、測量の中断の後に、最後に測量したターゲット点を認識することを一層簡単なものとさせる。好適には、全ての測量点がディスプレイユニット上に表示される。
【0114】
本方法は、又、測量すべきターゲット領域内の点を表わす座標データを採取し、且つディスプレイユニット上に投影した画像において未だに測量されるべき少なくとも1つの点を表わすマークを表示する動作を包含することが可能である。該処理ユニット及び/又はコンピュータプログラムにおいて、該命令は、測量すべきターゲット領域内の点を表わす座標データを採取し、且つディスプレイユニット上に投影した画像内の未だに測量すべき少なくとも1つの点を表わすマークを表示させるための1組の命令を包含することが可能である。この実施例の1つの利点は、測量すべき点の全体的なシーケンスを表示し、従って人は例えばリフレクタを測量すべき位置へより容易に移動させることが可能であるという可能性にある。好適には、未だに測量すべき点を接続する曲線が示される。このことは測量すべき幾つかのターゲット点がある状態においてより良い総括を可能とさせる。
【0115】
投影した画像、即ち投影した画像データを格納すること又は表示することとは別に、該投影した画像を印刷することが可能である。その目的のために、該処理ユニットはプリンタインターフェースを有することが可能であり、それは、例えば、適宜のソフトウエアインターフェースと結合してパラレルポート、USBインターフェース、又はIRDAインターフェースとすることが可能である。
【0116】
該処理ユニットにおいて、更に、リフレクタユニットに対してデータを送信し且つそれからのコマンドを受取るための無線通信ユニットを設けることが可能であり、該リフレクタユニットは該処理ユニットからデータを受取り且つコマンドを該処理ユニット、ディスプレイユニット及びポインティング装置又はタッチスクリーン及びディスプレイユニット及びポインティング装置又はタッチスクリーンへ接続されているプロセッサへ夫々送信するための無線通信ユニットを具備しており、且つ該命令は、リフレクタユニットのディスプレイユニット又はタッチスクリーンの夫々に表示されるべくピクセルデータ又は投影した画像データをリフレクタユニットへ送信し、リフレクタユニットのポインティング装置又はタッチスクリーンによって選択された表示された投影された画像におけるピクセルのピクセルデータを表わすコマンドデータを読取り、選択したピクセルに対応する水平軸Hz及び垂直軸Vzを決定し、且つ水平角度Hz−180゜及び垂直角度Vz−180゜へ夫々望遠鏡ユニットを回転させるために駆動部を制御するための命令を包含することが可能である。本方法は、更に、リフレクタユニットの夫々ディスプレイユニット又はタッチスクリーン上に表示されるために夫々ディスプレイユニット及びポインティング装置又はタッチスクリーンへ接続されているプロセッサ及びディスプレイユニット及びポインティング装置又はタッチスクリーンを具備しているリフレクタユニットへピクセルデータ又は投影した画像データを送り、リフレクタユニットのポインティング装置又はタッチスクリーンによって選択された表示された投影した画像内の投影された画像ピクセルの投影した画像ピクセルデータを表わすコマンドデータを受取り、選択した投影した画像ピクセルに対応する水平角度Hz及び垂直角度Vzを決定し、且つ夫々水平角度Hz−180゜及び垂直角度Vz−180゜へ該望遠鏡ユニットを回転させるために駆動部を制御する動作を包含することが可能である。該コンピュータプログラムは、ピクセルデータ又は投影した画像データをディスプレイユニット及びポインティング装置又はタッチスクリーンを具備しているリフレクタユニット及びリフレクタユニットの夫々ディスプレイユニット又はタッチスクリーン上に表示されるためのプロセッサへ送り、該リフレクタユニットのポインティング装置又はタッチスクリーンによって選択される表示した投影した画像内の投影した画像ピクセルの投影した画像ピクセルデータを表わすコマンドデータを受取り、選択した投影した画像ピクセルに対応する水平角度Hz及び垂直角度Vzを決定し、且つ夫々水平角度Hz−180゜及び垂直角度Vz−180゜へ該望遠鏡ユニットを回転させるために駆動部を制御するための命令を包含することが可能である。この実施例は、望遠鏡ユニットを処理のターゲットに対して少なくとも概略的に差し向けさせるためにユーザがリフレクタユニットを有益的な態様で使用することを可能とする。好適には、本測量装置は望遠鏡ユニットが移動するリフレクタを追跡するようなオリエンテーションに望遠鏡ユニットを移動させるために駆動部を制御することが可能な追跡装置を有している。
【0117】
本発明の別の側面によれば、コンピュータにより読取可能な格納媒体が提供され、該媒体は本発明に基づくコンピュータプログラムを格納している。該格納媒体は、例えば、RAM、ROM、フラッシュROM、USBスティック、メモリカード、CD、DVD、ブルーレイディスク等の光学的格納媒体、磁気光学的格納媒体又はテープ、フロッピィディスク又はハードディスク等の磁気格納媒体とすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】対応する座標系及びオブジェクト点を付したタキオメーターの概略斜視図。
【図2】ビデオタキオメーターの簡単化した斜視図。
【図3】本発明の第一例示的実施例に基づくビデオタキオメーターの正面図。
【図4】図3におけるビデオタキオメーターの望遠鏡ユニットの側面図。
【図5】図3におけるビデオタキオメーターの概略ブロック図。
【図6A】本装置がコリメーションエラーを有している場合の図1におけるタキオメーターの平面図。
【図6B】本装置がチルト用軸エラーを有している場合の図1に置けるタキオメーターの正面図。
【図6C】本装置が垂直高さ指数エラーを有している場合の図1におけるタキオメーターの側面図。
【図7】図3乃至5におけるビデオタキオメーターのキャリブレーション用のセットアップを示した概略図。
【図8】図7におけるコリメーターの概略断面図。
【図9】ピンホールカメラモデルを例示した概略図。
【図10】図3の装置のキャリブレーションに使用されるモデルにおいて使用される座標系及び軸の配置及び画像面を例示した斜視図。
【図11】図10における配置の平面図。
【図12】図11における配置の側面図。
【図13】キャリブレーション方法の概観を示したフローチャート。
【図14】仮想画像点の仮想距離の計算を例示した概略図。
【図15】図4乃至6におけるビデオタキオメーターの第一イメージセンサーの1つのセクション及び該イメージセンサーの該セクションをカバーするセルの配置を示した概略図。
【図16】装置中心に関しての方向の計算を例示した概略図。
【図17】図3におけるビデオタキオメーターのディスプレイユニット及び該ディスプレイユニット上に表示された視準軸を表わすマークを示した概略図。
【図18】本発明の第一好適例示的実施例に基づく測量データを供給する方法を例示したフローチャート。
【図19】図18におけるステップS13のサブステップを例示したフローチャート。
【図20】投影面へ投影された画像を得るためのセットアップを示した概略図。
【図21】投影面の場合に対し図20におけるステップS18のサブステップを例示したフローチャート。
【図22】投影面の場合に対し図20におけるステップS19のサブステップを示したフローチャート。
【図23】投影面の場合に対し図20におけるステップS20のサブステップを示したフローチャート。
【図24】図20における投影ステップS19及びS20の例示のための画像面及び投影面を示した概略図。
【図25】円筒へ投影された画像を得るためのセットアップを示した概略図。
【図26】円筒への投影の場合の図20におけるステップS19のサブステップを例示したフローチャート。
【図27】円筒への投影の場合の図20におけるステップS20のサブステップを例示したフローチャート。
【図28】自由形状表面へ投影された画像を得るためのセットアップを示した概略図。
【図29】本発明の第二好適例示的実施例に基づくビデオタキオメーターの望遠鏡ユニットの概略断面側面図。
【図30】投影された画像において既に測量された点及びこれから測量されるべき点を表示するステップを例示したフローチャート。
【図31】投影面へ投影された画像及び測量すべき点を得るためのセットアップを例示した概略図。
【図32】図29における本装置のカメラを所定のターゲットへ指向させる方法を説明するための画面を示した概略図。
【図33】図29における本装置のカメラを所定のターゲットへ指向させる方法のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0119】
以下に説明する例示的実施例においては、機能及び構造が類似しているコンポーネントには可能である限り同様の参照番号で示してある。従って、特定の実施例の個々のコンポーネントの特徴を理解するために、その他の実施例の及び本発明の要約の説明を参照すべきである。
【0120】
本発明の第一実施例に基づくビデオタキオメーター11を模式的且つ簡単化した態様で図3乃至5に示してある。
【0121】
アリダード12が、ビデオタキオメーター11に対するスタンドとして作用する三脚14のベース要素13上に配置されている。アリダード12は垂直軸15周りに回転可能であり、該垂直軸は、ビデオタキオメーター11が地面に関し正確に配向されている場合には地面に対して垂直に配向されている。アリダード12は望遠鏡ユニット16を担持しており、それはハウジング17(図4参照)内において、広い視野を有するファインダーカメラ18及びテレカメラ19を有している。望遠鏡ユニット16はチルト用軸20周りに回転可能であり、その軸は最大でチルト用軸エラーまで垂直軸15に対して直交している。従って、チルト用軸20は垂直軸15の周りにカメラ18及び19のうちの1つの回転と共に回転する。制御パネル21(図5参照)がアリダード12に対して着脱自在に装着されている。アリダード12はハンドル86によって取扱うことが可能である。
【0122】
回転及びチルト用駆動部22及び23が、夫々、垂直軸15の周りにアリダード12を回転させるため及びチルト用軸20の周りに望遠鏡ユニット16をチルト即ち傾斜させるために設けられている。
【0123】
垂直軸15周りの回転角度即ち水平角度の測定のために、水平角度用のメモリ付き水平円24及び検知用ヘッド25が設けられている。水平円24は垂直軸15と同心円状である。検知用ヘッド25はアリダード12上に保持されており且つベース要素13に対してのアリダード12、従って望遠鏡ユニット16及びカメラ18及び19の角度位置を検知することが可能である。
【0124】
回転角度、即ちチルト用軸20周りのチルト、即ち垂直角度の測定のために、垂直角度用のメモリ付き垂直円26がチルト用軸20と同軸状にチルト用軸20に対応的に装着されている。垂直角度用の検知ヘッド27もアリダード12上に保持されており、望遠鏡ユニット16の角度位置を検知することが可能である。
【0125】
従って、メモリ付き水平円24及びメモリ付き垂直円26はオリエンテーションセンサーであって、水平軸及び垂直軸周りの望遠鏡ユニット16のオリエンテーションを表わすオリエンテーションデータを生成する。
【0126】
ビデオタキオメーター11は、更に、アリダード12内に配置されている光学的下げ振り28を有しており、それは垂直方向下方に向いた小型の望遠鏡を有している。該小型望遠鏡の光軸は実質的に垂直軸12と同軸状である。従って、光学的下げ振り28は例えば境界石等の地面上の点の上方にビデオタキオメーター11を中心に置くか又は位置決めするために使用することが可能である。代替として、垂直下方に光ビームを射出する光学的下げ振りを使用することが可能であり、その光ビームは実質的に垂直軸15と同軸状である。
【0127】
傾斜センサー即ちクリノメーター29もアリダード12内に配置されており、それはアリダード12の、従ってビデオタキオメーター11の互いに直交している2つの方向における傾斜を測定し、従って垂直軸15が与えられた測定精度内において真の垂直方向にあるか否かをチェックし且つ従ってチルト用軸20が最大でチルト用軸エラーまで地面に対して真の水平方向にあるか否かをチェックすることを可能とする。
【0128】
3個の光学的装置が、図3において正面から示されており且つ図4において横断面図で示されている望遠鏡ユニット16内に配置されている。これらはファインダーカメラ18と、テレカメラ即ちテレビジョンカメラ19と距離測定装置30である。
【0129】
テレカメラ19は対物レンズ31とフォーカシングレンズ32を有しており、第一結像光学系及び第一イメージセンサー33を形成している。オブジェクト又はオブジェクト点が対物レンズ31及びフォーカシングレンズ32によってイメージセンサー33上に結像され、その場合に画像をイメージセンサー上にフォーカシングさせるために、フォーカシングレンズ32は図4における矢印で示したように対物レンズ31及びフォーカシングレンズ32の光軸に沿って移動される。テレカメラ19の視野はむしろ狭く且つ図4に示したように境界光線34によって境界が決められている。
【0130】
ファインダーカメラ18はテレカメラ19の光学的要素のうちの幾つかを使用する。ファインダーカメラ18は対物レンズ31、対物レンズ31の光路内に配置されているビーム分割用プリズム35、第二結像光学系を形成している補充的対物レンズ36及びダイヤフラム37、及び第二イメージセンサー38を有している。対物レンズ31と補充的対物レンズ36とによって形成されている結合型対物レンズはファインダーカメラ18によってキャプチャされた場面からの光を第二イメージセンサー38上にフォーカスさせる。該結合型対物レンズにおいて、対物レンズ31を通過する光はビーム分割用プリズム35の半反射性表面39によって補充的対物レンズ36へ反射される。補充的対物レンズ36はファインダーカメラ18に対する結合型対物レンズの焦点距離を減少させている。ダイヤフラム37は数メートルより離れた距離にあるオブジェクトに対して第二イメージセンサー38上に基本的にフォーカスされたイメージング即ち結像を確保しており、従ってファインダーカメラ18に対してフォーカシングレンズは必要ではない。該結合型対物レンズの減少された焦点距離のために、ファインダーカメラ18の視野(図4において制限用光線40により示してある)はテレカメラ19のものよりも一層大きい。好適には、ファインダーカメラ18の視界はテレカメラ19の視界の10倍又はそれ以上とすることが可能である。
【0131】
第一及び第二イメージセンサー33及び38は、両方共、CCDマトリクスセンサーであり、それは光検知器要素33′からなるアレイを有しており、それは非常に良い近似で矩形状である。該イメージセンサーによりキャプチャされた画像は以下に更に説明するユニットにより処理される。該検知器要素の各々は該アレイ内の1つのロケーション(location)を有しており、それは対応するロケーションデータにより表わされる。更に、該検知器要素の各々は第一及び第二結像光学系により該アレイ上に投影された画像に応答し、夫々、1個の要素即ち画像の点を表わす対応するピクセルのデータを発生する。
【0132】
距離測定装置(距離測定ユニット)30は、光学的ラジエーション射出/受取ユニット41、ビーム分割用層43を具備するダイクロイックビーム分割用プリズム42及び対物レンズ31を有している。射出用/受取用ユニット41は赤外線ラジエーション即ち照射を射出し、それはダイクロイックビーム分割用層43によって対物レンズ31へ向かって選択的に反射される。該赤外線照射は、次いで、地形におけるリフレクタ即ちターゲットに衝突することが可能であり、そこから帰還される。対物レンズ31は帰還された赤外線照射をビーム分割用プリズム42を介して射出用/受取用ユニット41へフォーカスさせる。射出用/受取用ユニット41は赤外線照射のパルスを射出し且つ射出用/受取用ユニット41からターゲットへ及びそこから射出用/受取用ユニット41へ戻るパルスの飛行時間を測定し且つその飛行時間からビデオタキオメーター11からターゲットへの距離を決定する。
【0133】
ビデオタキオメーター11のコンポーネントの何等かの動きは電子的に作り出される。図5はブロック図を示しており、そこにはビデオタキオメーター11の種々の機能的ブロックが模式的に示されており、それらの互いの接続が含まれている。破線は夫々のコンポーネント及び装置が配置されている物理的ユニットを示している。
【0134】
アリダード12内に配置されているバッテリ44は電源ユニット45に電力を供給し、それはビデオタキオメーター11にパワーを供給すべく作用する。電源ユニット45はアリダード12及び望遠鏡ユニット16内の全てのコンポーネント及び装置、及びそれに接続されている全てのモジュールに所要の動作電圧を供給する。説明の便宜上、これらの接続線は示していない。個々のコンポーネントはアリダード12内のコンポーネントに対する場合のように別々の線を介して又はアリダード12と望遠鏡ユニット16との間のデータ及び電源線を与える中央バス46によって接続することが可能である。チルト用軸20上に配置されているスリップリング47´はアリダード12及び望遠鏡ユニット16におけるバス46の部分を接続している。これらのスリップリング47´によって、望遠鏡ユニット16内の電子的及び電気的コンポーネントはパワーを供給されることが可能であり且つアリダード12内のコンポーネントとデータを交換することが可能である。
【0135】
垂直軸15上に配置されているスリップリング47(図3参照)は外部からの電源供給を可能とすると共に図示していないプラグを介して外部装置へ又はそれからのデータ転送を可能としている。
【0136】
ビデオタキオメーター11の制御又は動作のために、ビデオタキオメーター11は制御パネル21及び対応するノブにより動作可能なアリダード12上に配置されている角度エンコーダーの形態における動作要素48,49,50が設けられている。
【0137】
ビデオタキオメーター11の動作を制御するための重要な電気的装置は、装置制御コンピュータ即ち装置制御ユニット51であり、それはアリダード12内に配置されており且つ電源ユニット45によりパワーが供給される。
【0138】
装置制御コンピュータ51は揮発性メモリ、非揮発性メモリ、該非揮発性メモリ内に格納されているプログラムを実行するプロセッサを有している。該プログラムは該ビデオタキオメーターの種々のコンポーネントの動作のための命令を包含しており、特に、イメージセンサー33及び38の夫々から得られた画像データを予備処理し且つ制御パネル21へ転送するための命令を有しており、そこで画像データは更に処理される。
【0139】
動作要素48,49,50は対応するインターフェース57を介して装置制御コンピュータ51へ接続されている。このインターフェース57は動作要素48,49,50の夫々の回転位置に対応する信号を発生することを可能とし、それらは装置制御コンピュータ51へ送信される。
【0140】
動作要素48及び49は垂直軸15周りのアリダード12の回転及びチルト用軸20周りの望遠鏡ユニット16のチルト動作を夫々制御すべく作用する。動作要素48及び49の夫々及びインターフェース57からの信号に応答し、装置制御コンピュータ51はアリダード12内の制御回路58及び59を介して駆動部22及び23を制御しアリダード12を垂直軸15周りに回転させ且つ望遠鏡ユニット16をチルト用軸20周りにチルトさせる。角度測定は駆動部22及び23を制御するために使用することが可能である。
【0141】
駆動部22及び23は夫々動作要素48及び49によって単独に制御されることは必要ではないが、装置制御コンピュータ51内に格納されており且つ実行されるプログラムに基づいて又は例えば制御パネル21から装置制御コンピュータ51へ送られるコマンドに基づいて制御することも可能である。
【0142】
駆動部22及び23は角度測定装置、即ち水平角度用のメモリ付き水平円24及び対応する検知ヘッド25、又は垂直角度用のメモリ付き垂直円26及び対応する検知ヘッド27と夫々共働し、従って望遠鏡ユニット16を具備するアリダード12は垂直軸15周りに所望により回転させることが可能であり且つ望遠鏡ユニット16は測定可能な態様でチルト用軸20周りに回転させることが可能であり、且つ所望の水平及び垂直角度位置とさせることが可能である。この目的は、就中、装置制御コンピュータ51により達成され、それは検知用ヘッド25及び27から信号を受取り且つ前記信号に応答して水平駆動部22に対する制御回路58及び垂直駆動部23に対する制御回路59を制御する。
【0143】
アリダード12が垂直軸15周りに回転されるべきであり且つ望遠鏡ユニット16がチルト用軸20周りに回転されるべきである角度は3つの態様で供給することが可能である。第一に、動作要素48及び49は対応する角度を装置制御コンピュータ51へ入力することを可能とする。第二に、装置制御コンピュータ51は例えば制御パネル21等のビデオタキオメーター11のその他のコンポーネントからのデータの関数として設定すべき角度を決定することが可能であり、且つ夫々制御回路58及び59を制御することが可能である。第三に、対応するデータを例えばRS232インターフェース等のインターフェース69(図7参照)を介して制御装置ユニット51へ入力させることが可能である。
【0144】
装置制御コンピュータ51へ接続されており且つアンテナ62を具備している無線モジュール61は遠隔制御等の遠隔装置とデータを交換すべく作用する。例えば、ビデオタキオメーター11は図には示していないが測定のターゲット点に位置されている遠隔制御又はステーションにより遠隔制御することが可能である。
【0145】
イメージセンサー33及び38の信号を処理するために、データ圧縮ユニット63が望遠鏡ユニット16内に設けられており、それはイメージセンサー33及び38から受取ったイメージデータを圧縮させる。圧縮されたデータは装置制御コンピュータ51へ送ることが可能であり、それはデータを予備処理及び/又は制御パネル21へ転送することが可能である。
【0146】
フォーカシングレンズ32の位置を制御するために、アリダード12に配置されている動作要素48及び49と同一のタイプの動作要素50(図5参照)がインターフェース57を介して装置制御コンピュータ51へ信号を供給し、該コンピュータは望遠鏡ユニット16内に配置されているサーボ制御ユニット64へ対応する制御信号を供給し、フォーカシングレンズ32を移動させるための対応するフォーカシング駆動部を駆動する。この駆動部は図には示していない。
【0147】
装置制御コンピュータ51は、更に、上述した光学的下げ振り28及び傾斜センサー29へ接続されている。
【0148】
本発明に基づく第一好適実施例に基づく処理ユニットを表わす制御パネル21は、オペレータとビデオタキオメーターとの間の通信を行い且つ入力用のキーボード52、例えばLCD等のカメラ18又は19の夫々の1つによりキャプチャされたイメージ及びデータの出力のためのディスプレイユニット53、ポインティング装置114としてのマウス及びディスプレイユニット53とポインティング装置114とキーボード52とが接続されているコンピュータ54が設けられている。
【0149】
制御パネル21はアリダード12内に配置されている装置制御コンピュータ51及び電源ユニット45へ解除可能な接続部55を介して接続されている。制御パネル21は着脱自在であるので、それはそれ自身のバッテリを装備することが可能であり、そのことは、制御パネル21がアリダード12から取り外された場合であってもコンピュータ54が継続して動作することを確保する。
【0150】
コンピュータ54は揮発性及び非揮発性セクションを具備するメモリ112を有している。非揮発性セクションはキャリブレーションデータ及びコンピュータプログラムの命令を格納している。コンピュータ54は、更に、該命令に応答して後述する本発明の第一好適実施例に基づく方法を実施するためのプロセッサ113を有している。コンピュータ54は、又、それ自身のプログラム及びデータメモリによって多数の測地計算を実施することが可能である。
【0151】
コンピュータ54は接続部55を介して装置制御コンピュータ51へ接続されており、従ってコマンド及びデータは装置制御コンピュータ51へ転送することが可能であり、且つデータ、特にイメージデータ及び角度データをコンピュータ54へ送ることが可能である。
【0152】
プロセッサ113はメモリ112及びディスプレイユニット53に対するハードウエアとソフトウエアとを有するインターフェース116へ接続されている。
【0153】
更に、プロセッサ113は対応するインターフェース115を介してポインティング装置114へ接続されている。メモリ112内の命令は、ディスプレイ53を制御し且つマウス及びキーボード52からの入力を読取るための命令を有しており、従ってグラフィカルユーザインターフェースが形成される。
【0154】
該コンピュータプログラムは更なるプログラムモジュール、即ち命令を有しており、それは、プロセッサ113がオブジェクト点の方向を計算するためにプロセッサ113が実行することが可能であり、該オブジェクト点の画像はイメージセンサー33上のオブジェクト点のイメージの位置の関数としてテレカメラ19によりキャプチャされたものであり且つ水平及び垂直角度はメモリ112内に格納されているキャリブレーションデータを使用して水平及び垂直円24及び26から読取られる。その目的のため及び逆計算のために、ビデオタキオメーター11の特性によって与えられるモデルパラメータを有するモデルが使用される。
【0155】
制御パネル21は本発明の第一好適実施例に基づく処理ユニットを表わしている。
【0156】
これらの計算の高精度を達成するために、該モデルパラメータは特定のビデオタキオメーター11に対して決定される。以下においてはキャリブレーションデータとも呼ばれるモデルパラメータの値を決定するために、ビデオタキオメーターのキャリブレーションが実施される。このタイプのキャリブレーションは幾つかの理由により実施される。導入部において説明したように、タキオメーターの軸は理想的には垂直及び水平であるべきである。然しながら、実際には、理想的なタキオメーターに対する上述した条件は満足されることはない。そうではなく、測定精度は夫々11及び13の装置に対して簡単化した態様で図6A乃至6C及び3において例示したような異なるタイプのエラーによって減少される場合がある。
【0157】
第一のエラーは垂直軸2のオリエンテーションに関するものである。それは地面に対して完全に垂直であるべきであり、即ち重力の方向に沿って指向すべきであるが、実際には、そうでない場合がある。このエラーは機械自身によってもたらされるものではなく、従って測量装置の適切なオリエンテーションによってのみ開示することが可能なものである。第二のエラーとして、視準エラー即ちコリメーションエラーが発生する場合があり、それは正しい角度からの視準軸7及び傾斜用軸4の間の角度gの逸れである(図6A参照)。第三のエラーは所謂チルト用軸エラーであり(図6B参照)、それは正しい角度からのチルト用軸と垂直軸との間の角度の逸れである。最後に、所謂高さ指数エラーz0が発生する場合があり、それは視準軸と垂直軸との間の真の角度と垂直円上で読取られた対応する角度との間の逸れである(図6C参照)。これらの最後の3つのエラーは測量装置のトレランスにより発生される。正確な測定値をあたえることが可能であるためには、測量装置はキャリブレーションすることが必要であり、即ち水平円及び垂直円上で読取られる角度と対応する真の角度との間の関係が確立されねばならない。
【0158】
ビデオタキオメーターは、例えば、望遠鏡全体又は望遠鏡の接眼レンズのみを置き換えるか又は望遠鏡に付加して設けることが可能なカメラを有しているという点において従来のタキオメーターと異なっている。図2に模式的に示したように、測定されるべき点Pはイメージセンサー10上のある位置の上に結像され、該イメージセンサーは検知器要素10′からなる矩形状のアレイを有しており、該アレイ上の形成された画像に応答して画像のピクセルを表わすピクセルデータを生成する。該イメージセンサー上のポイント即ち点の画像の位置から測量装置からその点への方向を決定するために、該方向は真の垂直角度及び水平角度により定義されるものであり、画像センサー上の位置と空間内の対応する方向との間の関係を知ることが必要である。
【0159】
理想的なカメラの光軸は画像センサーの面に対して垂直であるべきであり且つ光学系は収差又は歪みのないものとすべきである。更に、該光軸はカメラの基準軸と平行であるべきである。
【0160】
然しながら、実際のカメラはこれらの理想的な特性を有するものではない。従って、キャリブレーション、即ち空間内の方向と画像センサー上のこれらの方向の画像の対応する位置との間のマッピングが実施される。
【0161】
図7に示した如く、ビデオタキオメーター11はデータ処理システム65及び伸縮可能なコリメーター66を使用する測量装置をキャリブレーションする方法によりキャリブレーションすることが可能である。測量装置のキャリブレーション方法は係属中の特許出願PCT/EP2004/014365において開示されており、その内容を引用によりここに包含させる。その他のキャリブレーション方法を使用することも可能である。
【0162】
キャリブレーションセットアップを図7に模式的に示してある。
【0163】
データ処理システム65はプロセッサ67、プロセッサ67により実行されるべきプログラム及び永久的及び一次的なデータを格納するメモリ68、及びキャリブレーションに使用するためのデータを読取り且つキャリブレーションされるべき測量装置、即ちビデオタキオメーター11へコマンドを送るためのインターフェース69を有している。この例においては、インターフェース69はRS232インターフェースである。データ処理システム65は、更に、キャリブレーション用のコンピュータプログラムが格納されているCD71の形態における格納媒体からキャリブレーション用のコンピュータプログラムを読取るためにこの場合にはCD−ROMドライブ70である格納媒体用の読取器を有している。コンピュータプログラムがCD−ROMドライブ70によってCD71から読取られ且つメモリ68内に格納されると、それはデータ処理システムにより実行されるべきキャリブレーション方法のステップを実施するためにプロセッサ67により実行することが可能である。
【0164】
データ処理システム65は、更に、この例においては適宜のケーブルである接続部72及びインターフェース69を介してビデオタキオメーター11へ接続されている。
【0165】
データ処理システム65はコマンドを出力するために別の出力インターフェース85を介してコリメーター66へ接続されている。
【0166】
伸縮自在なコリメーター66(図8参照)は仮想キャリブレーション点を発生すべく作用する。より詳細に図8に示してあるコリメーター66は、案内管要素73及び被案内管要素74を有している。被案内管要素74は、案内管要素73により案内されたままで案内管要素73内を摺動可能である。
【0167】
案内管要素73は図には示していない装着手段によって地面に対して固定した位置に装着することが可能である。被案内管要素74は出力インターフェース85へ接続されており且つデータ処理システム65により制御される例えばステップモータ等の電気的駆動部84によって案内管要素73と相対的に制御可能に摺動させることが可能である。
【0168】
案内管要素73に対する被案内管要素74の位置は電気的駆動部84の位置によって完全に決定され、従って測定することは必要ではない。
【0169】
被案内管要素74内に配置されている照明装置76がスリガラススクリーン77を照明する。照明されたスリガラススクリーン77は第一クロスヘア即ち十字線78を照明する。
【0170】
照明装置76により射出された光の光路内に配置されているビームスプリッター79が第一クロスヘア78を通過した光を案内管要素73内に装着されている対物レンズ80へ向け直す。対物レンズ80はクロスヘア78を対物レンズ80と第一クロスヘア78との間の距離により決定される距離に実際の又は仮想の画像として結像させる。キャリブレーション目的のために、第一クロスヘア78は対物レンズ80とその対物レンズ側焦点との間に位置決めされる。従って、クロスヘア78は仮想キャリブレーション点を発生するために使用することが可能なフローティングマークを表わす。
【0171】
第二クロスヘア81がビームスプリッター79を超えた対物レンズ80の光軸上に配置されており且つ接眼レンズ82によって観察することが可能である。
【0172】
更に、メモリ68内に格納されているコンピュータプログラムはプログラムコードを包含しており、それは、プロセッサ67上で稼動されると、プロセッサ67をして出力インターフェース85を介して制御コマンドを駆動部84へ発行させてクロスヘア78を所定の位置へ移動させ且つ後述するように仮想キャリブレーション点の対応する仮想距離を計算する。
【0173】
テレカメラ19がアクティブであるビデオタキオメーター11のキャリブレーションの場合には、キャリブレーションのために調節すべきモデルパラメータを包含するモデルが使用される。モデルパラメータを包含しているこのモデルは、又、更に後述するようにイメージセンサーによりキャプチャされた画像の処理を行うための基礎を形成する。このモデルは2つのサブモデルを有している。
【0174】
第一サブモデルはベース要素13に固定されている座標系内の座標のテレカメラ19であるカメラに固定されているカメラ座標系へ変換するためのモデルであり、それはパラメータとして該装置に設定された水平角度及び垂直角度を包含しており且つ導入部において説明したような軸エラー、即ちチルト用軸エラー及び何等かの形態のコリメーションエラー及び垂直指数エラーに関するパラメータを包含している。
【0175】
第二サブモデルはカメラモデルであり、それはカメラによるオブジェクト点のカメラのイメージセンサー上へのイメージング即ち結像を表わしている。この実施例においては、ピンホールモデルが使用される。
【0176】
該モデルにおいて、基本的に2つの座標系が使用される。第一座標系は装置座標系と呼ばれるものであり、それはベース要素13に関して固定されている(図3参照)。それはカーテシアン座標系であり、その原点は垂直軸15とチルト用軸20との交点にあり且つX軸、Y軸、Z軸は互いに直交している。これらの軸が交差しない場合には、これらの軸の最も近付いた点が該座標系の原点として使用される。X軸及びY軸は垂直軸15に対して直交しており従って垂直軸15が地面に対して垂直である場合には水平である。この座標系においては、点Pはカーテシアン座標(X,Y,Z)を有している。
【0177】
2番目に、カメラ座標系が使用され、それはカメラ19に関して固定されている。それはx軸、y軸、z軸により定義され、これら3つの軸全ては互いに直交している。点Pの位置はカメラ座標系内の座標(x,y,z)により記述することが可能である。
【0178】
以下において、装置座標系における座標は常に大文字で示してあり、一方カメラ系内の座標は常に小文字で示してある。
【0179】
第一に、カメラモデルを図9を参照してより詳細に説明する。
【0180】
カメラモデルとして使用されるピンホールモデルは、イメージセンサー上にカメラにより結像される点Pがイメージセンサー33と関連しており且つ特に同一の面内にある場合がある画像面IP上への投影中心Oを介してこの点の投影により記述することが可能であるということを仮定している。
【0181】
従って、このピンホールモデルは画像面IP及び画像面と相対的な投影中心Oの位置により決定される。投影中心と相対的な投影中心の位置が結像光学系、即ちカメラ光学系、ここでは対物レンズ31及びフォーカシングレンズ32によって決定されるので、その位置は該カメラの光学的特性、特に、該カメラの結像特性を表わしている。画像面へのオブジェクト点Pの結像は投影中心Oを介しての該オブジェクト点の画像面への投影により表わされる(図9参照)。該画像面は基本的にはイメージセンサーの面であると仮定され、従ってカメラ座標系のx軸及びy軸は画像面に対して平行である。矩形状カメラ座標系のz軸は画像面と直交する投影中心を貫通する線である。画像は常に画像面内にあるので、その位置はx及びy座標によってのみ特性付けることが可能である。
【0182】
(x,y,z)がカメラ座標系内の点Pの座標であり且つx0,y0,z0がカメラ座標系内の投影中心座標であるとする。従って、投影中心Oを介して画像面IPに直交な線の貫通点Hp、即ちz軸は、x−y面内において座標x0及びy0を有している。更に、(x′,y′,z′)は画像面内にカメラにより発生された点Pの画像P′の座標を示している。カメラ光学系が歪みを発生するものでない場合には、簡単な幾何学的議論によって以下の関係が得られる(図9参照)。
【0183】
【数1】
【0184】
尚、ckは投影中心と画像面との間の距離を表わす所謂カメラ定数である。従って、z′=ckが成立する。
【0185】
カメラ光学系は画像内に歪みを形成する場合があり、その歪みはカメラ光学系において使用されるレンズの不完全性及び/又はそれらのアライメントに起因するものである。一次半径方向歪みを考慮するために、別のパラメータνを導入する。歪みにより発生される画像の位置における相対的変化は定数vと貫通点HPから画像の半径距離の平方との積としてモデル化される。点(x,y,z)の画像が歪みなしで画像面内の(x′,y′)に対応する場合には、貫通点HPから画像点の平方した半径方向距離は(x′−x0)2+(y′−y0)2である。従って、歪み補正Δx′及びΔy′が加えられ(図9参照)、その結果次式の如くになる。
【0186】
【数2】
【0187】
及び、vはカメラの光学系の上述した一次半径方向歪みを表わすカメラモデルパラメータである。
【0188】
これらの式はカメラ座標系内においてのみ有効である。オブジェクト点の座標が装置座標系内において表現されるべきである場合には、これらの座標系の間の変換が行われる。これは座標の変換用サブモデルである。
【0189】
通常、該変換は、座標系軸周りの3つの回転のシーケンス及び空間内のトランスレーションベクトルによって表わすことが可能である。従って、カメラ座標系内の点Pの座標pt=(x,y,z)は次式により装置座標系内の座標Pt=(X,Y,Z)へ変換される。
【0190】
【数3】
【0191】
尚、Tはトランスレーションベクトルであり且つR−1は回転行列の積Rの逆数である。キャリブレーション期間中に投影中心の位置及びイメージプレーン即ち画像面の位置及びオリエンテーションは調節されるので、カメラ座標系の原点は投影中心に選択することが可能であり、その結果次式が得られる。
【0192】
【数4】
【0193】
この関係をx′及びy′に対する式に挿入すると所謂共線条件式が次式の如くに得られる。
【0194】
【数5】
【0195】
尚、rij,i,j=1,...,3はRの行列要素であり且つ装置座標系における投影中心Oの座標は(X0,Y0,Z0)である。
【0196】
カメラ座標系の原点は投影中心に選択されており且つz軸は画像面に対して直交であると仮定されているので、CCDセンサーのマトリクス即ち行列の行及び列に沿って指向されているx″軸及びy″軸を有しているイメージセンサー座標系内のイメージセンサー上で読取られる画像位置(x″,y″)はx′=x″−xs″及びy′=y″−ys″により与えられるカメラ座標系内の画像位置に対応しており、(xs″,ys″)はイメージセンサーにより測定される画像面とz軸との交差位置の座標であり、即ちその位置はイメージセンサー上の対応するピクセルの位置である。従って、上述した式において、x′及びy′はx″−xs及びy″−ysで置換される。
【0197】
要約すると、カメラモデルのパラメータは貫通点の座標xs,ysであり、カメラ定数及びパラメータvはカメラ光学系の歪み特性を表わしている。カメラ座標系の定義によりx0=y0=0が成立する。
【0198】
カメラ座標系と装置座標系との間の変換は、種々の態様で派生させることが可能であり、例えば、以下に説明するように装置座標系と一致するオリエンテーションから開始してカメラ座標系の逐次的な回転を実施することにより派生させることが可能である。
【0199】
図10は、座標軸x,y,zを有するカメラ座標系と、座標x″,y″及び座標(xs″,ys″,ck)の原点を有する画像座標系を示しており、尚x″軸及びy″軸はx軸及びy軸と平行であり、且つそれらの装置座標系(X,Y,Z)との関係が示されている。図10において、装置座標系の原点は理論的なチルト用軸と垂直軸と視準軸との交点に存在している(即ち、装置中心即ちタキオメーター中心にある)。これらの理論的な軸に対し、上述した条件が満足され、理論的垂直軸15は地面に対して垂直であると仮定され、理論的チルト用軸20′と理論的垂直軸15との間の角度及び理論的視準軸83と理論的チルト用軸20′との間の角度は直角であると仮定される。3つの軸全てが1つの点で交差し、それは装置座標系の原点である。更に仮定されることは、実際の垂直軸が理論的垂直軸であるということである。装置座標系のZ軸は装置の垂直軸と一致し且つY軸は水平円24上にマーク付けされているゼロ方向と一致する。
【0200】
カメラ座標系の原点は投影中心Oである。然しながら、図10においては、説明の便宜上、その原点は画像面へシフトして示されている。主要な点HP、即ち投影中心を貫通し且つ画像面IPに対して直交な線の貫通点は画像面内の画像座標系において座標xs″及びys″を有している。
【0201】
図10乃至12に示したように、実際のチルト用軸20は角度iだけ理論的チルト用軸20′から逸れる場合があり、それは実際のチルト用軸20と垂直軸15との間の角度の直角からの逸れである。従って、角度iはチルト用軸エラーを表わしている。
【0202】
更に、理論的視準軸83は投影中心Oを介して走行することは必要ではない。この逸れは2つの角度c0及びz0により表わすことが可能である。角度c0は、理論的チルト用軸20′と理論的視準軸83によって与えられる面内において、理論的チルト用軸20′と投影中心O及び理論的視準軸83と理論的チルト用軸20′との交点を通過する線との間の角度として定義される。角度z0は垂直軸15と理論的視準軸83とによって与えられる面内において、理論的視準軸83と投影中心O及び理論的視準軸83と理論的チルト用軸20′との交点を通過する線との間の角度として定義される。
【0203】
カメラレンズのレンズマウンティングによって定義される望遠鏡軸110の理論的視準軸83からの逸れは、望遠鏡軸110と理論的視準軸83との間の角度cFによって定義される。
【0204】
カメラ座標系は、又、ビデオタキオメーター11の方向及びどのようなエラーとも独立的であると仮定されるω、φ、κによって装置座標系の軸周りに回転させることが可能である。
【0205】
上述した逸れは水平円24及び垂直円26から読取られるように夫々の角度からの実際又は真の水平及び垂直角度の逸れを発生させる。
【0206】
カメラ座標系の実際の又は実効的なチルト角度は次式により与えられる。
【0207】
V0=Vm+z0
これは図10及び12から決定することが可能である。その中で、Vmは垂直円26から読取られた垂直角度を示している。
【0208】
角度c0cFは次式の如くコリメーションエラーとして夫々投影中心及び実際の水平角度球座標上において同一の影響を有している。
【0209】
【数6】
【0210】
角度iはicot(V0)の水平角度における逸れを発生させる。
【0211】
それにより垂直軸周りにカメラ座標系が回転される実効水平角度Hzeffは次式の如くである。
【0212】
【数7】
【0213】
尚、Hzmは水平円24から読取った水平角度を示している。
【0214】
これらの式の詳細な導出はDeumlich, F., Staiger, R.、「
Instrumentenkunde der Vermessungstechnik」、ハイデルベルグ、ドイツ、第9版、206−208頁において見出すことが可能である。
【0215】
回転行列R−1は、装置座標系と一致するオリエンテーションにおいて開始してカメラ座標系の以下のような回転のシーケンスを考慮することにより得ることが可能である。
【0216】
第一に、カメラ座標系を実効水平角度Hzeffだけ垂直軸周りに回転させる。回転された座標系における対応する座標は回転行列により得ることが可能である。
【0217】
【数8】
【0218】
チルト用軸エラーは角度iだけ変換された、即ち回転されたカメラ座標系のy軸周りの回転により説明される。
【0219】
対応する座標変換は次の回転行列により与えられる。
【0220】
【数9】
【0221】
二度回転されたカメラ座標系を、更に、実効垂直角度V0だけ二度回転されたカメラ座標系のx軸周りに回転させる。測地においては垂直角度が天頂から測定されることを考慮すると、この座標変換用の対応する回転行列は次式の如くになる。
【0222】
【数10】
【0223】
4番目のステップにおいて、これまで回転されて来たカメラ座標系を、更に、現在のy軸周りに角度cFだけ回転させる。対応する座標変換は次式の回転行列によって書くことが可能である。
【0224】
【数11】
【0225】
最後に、最後の回転により得られたカメラ座標系を角度ωだけx軸周りに回転させ、角度φだけy軸周りに回転させ、且つ角度κだけz軸周りに回転させる。対応する回転行列は次式の如くである。
【0226】
【数12】
【0227】
従って、行列要素rij,i,j=1,...,3を有する完全な回転行列は次式の如くである。
【0228】
【数13】
【0229】
図10から、装置座標系内の投影中心Oの座標は次式の如くに書くことが可能である。
【0230】
【数14】
【0231】
尚、S0は装置座標系の原点からの投影中心の距離を示している。
【0232】
従って、完全な変換は回転行列R及び投影中心の位置によって与えられる。この変化において使用されている変換パラメータ、即ちその変換をパラメータ化している変換パラメータはi,c0,cF,z0,S0,ω,φ,κである。該変換は、又、水平円上で読取られるような水平及び垂直角度Hzm及びVmに依存する。
【0233】
共線条件式及び座標変換を使用して、球座標Hz、V、S、従って装置座標系におけるカーテシアン座標(Scos(Hz)sin(V),Ssin(Hz)sin(V),Scos(V))を有しており、且つカメラモデルパラメータ及び以下の変換パラメータを使用して水平及び垂直角度Hzm及びVmにおいて結像されるオブジェクト点の画像の位置x″及びy″を計算することが可能である。
【0234】
【数15】
【0235】
上の式は簡単化のために次のように書くことが可能である。
【0236】
【数16】
【0237】
実際に、イメージセンサー33の検知器要素の各々は該アレイ内において固定したロケーションを有しており、従ってイメージセンサー座標系内において対応する固定した座標を有している。従って、測定された座標は離散的な値を有することが可能であるに過ぎない。検知器要素の各々は結像光学系により該アレイ上に投影された画像に応答して該画像の1つの点を表わす1個のピクセルのデータを発生する。この例においては、RGBチャンネルを具備する検知器要素からなるアレイを使用しており、従ってピクセルデータは各チャンネルに対して対応する強度データを有している。
【0238】
キャリブレーション方法を図13を参照して説明する。
【0239】
最初に、ユーザがビデオタキオメーター11をコリメーター66と相対的に所定の、例えばマークを付けた位置に設置し、その場合に、クロスヘア78の仮想画像をイメージセンサー33へ結像させることが可能である。その位置はコリメーターの及びカメラの特性に依存して決定され且つ仮想キャリブレーション点がクロスヘア78を移動させることにより与えることが可能であるように選択される。更に、ビデオタキオメーター11はその垂直軸を地球に対し垂直に、即ち地球の重力に対して平行な方向に配向される。
【0240】
この方法は3つの主要なセクションS1乃至S4へ分割細分化することが可能である。データ処理システム65、即ちプロセッサ67が自動的にセクションSC1乃至SC3の全てのステップを実施し、コリメーター電気的駆動部84及び測量装置11へコマンドを発行し、必要である場合には、測量装置11から画像位置データ及び対応するオリエンテーションデータを受取り、且つ後述する計算を実施する。キャリブレーションのために使用されるこの方法はデータ処理システム65において実行されるコンピュータプログラムのプログラムコードの形態で設けられている。
【0241】
第一セクションSC1において、キャリブレーション用の測定されたデータがコリメーター66、データ処理システム65及びビデオタキオメーター11によって得られる。
【0242】
コリメーター66によって、幾つかの仮想キャリブレーション点Pi,尚i=1,...,NでありNは正の整数である、が与えられる。これらの仮想キャリブレーション点に対する距離データが電気的駆動部の位置又はメモリ68内の対応するデータ、即ち光路に沿ってのクロスヘア78と対物レンズ80との間の距離、及び対物レンズ80とビデオタキオメーター11との間の既知の距離によって与えられる。更に、各キャリブレーション点に対して、キャリブレーション点の画像が異なる位置に発生され且つ該イメージセンサー及びイメージセンサー上の画像の位置を表わす対応する画像位置データ及び対応する水平角度及び垂直角度を表わすオリエンテーションデータがビデオタキオメーター11の両方の面内において得られる。
【0243】
第二セクションSC2において、装置座標系内のキャリブレーション点と関連している方向を表わすデータ及びモデルパラメータに対する値が最小二乗推定方法によって推定される。このセクションにおける全てのステップもデータ処理システム65内のコンピュータプログラムによって実施される。
【0244】
第三セクションSC3においては、得られたモデルパラメータを、測量装置、即ちビデオタキオメーター11内にキャリブレーションデータとして格納し、それは、イメージセンサー上の与えられた位置に対して、装置座標系において、且つ、イメージセンサー33上に結像された点のビデオタキオメーターからの距離が既知である場合には、対応するカーテシアン座標における対応する方向を計算するために使用される。
【0245】
データ処理システム65上で、キャリブレーション用のコンピュータプログラムが開始され、且つ最初に図には示していないディスプレイ及びキーボードを介して正の整数Nを入力することを必要とする。整数Nを入力した後に、該プログラムは第一キャリブレーション点と関連している距離データの入力を要求する。これらのデータの入力の後に、プロセッサ67は該データを該データ処理システムのメモリ68内に格納する。
【0246】
セクションSC1において、各測定された点に対して、即ちN回以下のステップが実行される。
【0247】
最初に、対物レンズ80に関してその位置を変化させることによりコリメーター66内のクロスヘア78の仮想画像を発生させることにより新たなキャリブレーション点が与えられる。その目的のために、プロセッサ67は電気的駆動部84を制御して対物レンズ80の焦点と対物レンズ80との間で距離ΔFだけクロスヘア78を移動させる。
【0248】
次いで、測量装置、即ちビデオタキオメーター11と仮想キャリブレーション点との間の距離Dが得られる。図14はこの計算を示している。この図において、第一クロスヘア78が簡単化のために対物レンズ80の光軸上に示されている。距離Dを計算するために、対物レンズ80、より精密にはビデオタキオメーター側上の対物レンズ80の主面Hからのクロスヘア78の仮想画像の距離sが対物レンズ80の焦点距離及び対物レンズ80の焦点からのクロスヘア78の距離Δfから次のように計算される。
【0249】
【数17】
【0250】
次いで、仮想画像距離sを対物レンズ80、即ち上述した主面Hと測量装置、即ちビデオタキオメーター11の垂直軸との間の距離STh/Hへ加算される。
【0251】
次いで、与えられたキャリブレーション点に対して、異なる画像がイメージセンサー33上に発生され且つ対応する画像位置データ及びオリエンテーションデータが得られ且つデータ処理システム65内に格納される。
【0252】
キャリブレーションのために必要とされるキャリブレーション点の画像の発生及びデータの発生は以下の如くである。
【0253】
第一発生ステップは第一キャリブレーション点に対して行われる。次続のキャリブレーション点に対して、この発生ステップは、少なくとも、コリメーターがキャリブレーション点を与えるために使用されており且つ測量装置即ちビデオタキオメーター11と相対的なコリメーターのオリエンテーションが、望遠鏡ユニット16、即ちカメラ19の再オリエンテーションを除いて、不変のままである場合には、必要である場合に行うことが必要であるに過ぎない。この発生ステップにおいて、カメラ19は発生されたキャリブレーション点に対して指向される。この実施例においては、キャリブレーション点の画像がイメージセンサー33上に表われれば充分である。
【0254】
更に、カメラを第一面とさせ、そのことは、カメラ19の垂直角度が0ゴンと200ゴンとの間にあることを意味し、尚0ゴン(gon)は垂直円26により決定される天頂である。
【0255】
次に、第二発生ステップにおいて、カメラ19が回転され且つチルトされてイメージセンサー33上のキャリブレーション点の画像をイメージセンサー33上の所定の開始位置へ移動させる。好適には、その開始位置は画像センサー33の角部のうちの1つ近くに位置されている。この目的のために、データ処理システム65内に格納されているコンピュータプログラムは、イメージセンサー33によりキャプチャされた画像のような画像におけるオブジェクト認識用のプログラムモジュールを有している。データ処理システム65のメモリ68内において、クロスヘア78を表わすテンプレートが格納されている。既知のオブジェクト認識技術、例えばテンプレートマッチングアルゴリズムを使用することにより、キャプチャされた画像、即ちイメージセンサー33上のキャリブレーション点の画像の位置が得られる。コンピュータプログラムは、キャリブレーション点の画像を開始位置近くへ移動させるためにカメラ19を垂直軸15周りに与えられたインクリメントだけ回転させ及び/又はチルト用軸20周りにチルトさせるべきであるか否かを計算する。次いでそれは測量装置に対して対応するコマンドを発行し、その場合に装置制御コンピュータ51は対応するコマンドを受取り且つカメラ19を駆動部22及び/又は23によって夫々の角度だけ移動させる。次いで、キャリブレーション点の画像が開始位置に到達するまで新たな画像がキャプチャされ且つ該プロセスが繰り返される。それにより、キャリブレーション点の画像が開始位置に近付くに従い角度インクリメントの寸法を減少させることが可能である。
【0256】
第三発生ステップにおいて、該プログラムはキャリブレーション点の画像のターゲット位置としてイメージセンサーをカバーするマトリクス即ち行列のセル内のランダムな位置を計算する。その目的のために、該イメージセンサーは所定の正の整数L及びMでL×M行列に分割されており且つ該セルの幾何学的中心が計算される。図15において、セル88はイメージセンサー33をカバーする矩形状のアレイに配列されている。これらのセルの幾何学的中心は×印で示されている。幾何学的中心の各々に対して且つ該行列内の各方向に対して、擬似ランダム数発生器を使用してランダム数が決定され、そのランダム数の大きさは対応する方向におけるセルの寸法の半分未満であり且つ夫々の方向における幾何学的中心の座標へ加算される。その結果得られる該セルの各々におけるランダム位置が白色の○印で図15において示されている。このランダム数の使用はイメージセンサーにおける欠陥性の光検知要素の影響を著しく減少させる。何故ならば、画像位置が常に欠陥性ピクセル上にあることを回避することが可能だからである。これらの位置はデータ処理システム65のメモリ68内に格納される。
【0257】
第四発生ステップにおいて、望遠鏡ユニット16、従ってカメラ19が回転され且つチルトされてイメージセンサー33上のキャリブレーション点の画像をターゲット位置へ移動させる。その目的のために、第二発生ステップにおけるものと同一のアルゴリズムを使用することが可能である。キャリブレーション点の画像がターゲット位置に到達すると、画像位置データ、即ち画像面内の画像の座標x″及びy″が格納され且つオリエンテーションデータ、即ち水平円及び垂直円により夫々決定される水平角度Hzm及び垂直角度Vmがデータ処理システム65から測量装置へ送られる対応するコマンドに応答して測量装置から読み取られる。
【0258】
画像位置データ及びオリエンテーションデータが各ターゲット位置に対して格納された後に、第五発生ステップにおいて、カメラ19は第二面内のキャリブレーション点へ指向され、即ち垂直円によって決定される垂直角度は200及び400ゴンの間である。該キャリブレーション点の画像が該第二面内にあるイメージセンサー33上に表われることを確保するために、カメラは、好適には、垂直軸15周りに200ゴンだけ回転され次いで400ゴン−第四発生ステップにおける最後のターゲット位置に対して得られた垂直角度だけチルトさせる。
【0259】
以下の2つの発生ステップは第三及び第四ステップに対応しており、その唯一の差異はカメラ19が第二面内にあるということである。
【0260】
セクションSC2のステップはコンピュータプログラムによって実行される。各キャリブレーション点Pi,i=1,...,Nに対して、Q個の画像j,j=1,...,Q、尚Qは正の整数、が発生され且つ対応する画像位置及びオリエンテーションデータがこれらのデータを読取ることが得られると、モデルパラメータが調節され、従ってモデルパラメータ、装置座標系におけるキャリブレーション点の方向、及び夫々のオリエンテーションデータの関数としてキャリブレーション点の画像の位置を予測するモデルは、測定された画像位置データを当て嵌める。この推定方法、即ち最小二乗による古典的な調節方法と均等な最小二乗推定は、全てのキャリブレーション点i及び該キャリブレーション点の全ての画像jにわたっての次式の和により与えられる誤差関数E(i,c0,cF,z0,ω,φ,κ;S0,ck,xs,ys,v;{Sl,{xlj″,ylj″,Vmlj,Hzmlj}})に基づいている。
【0261】
【数18】
【0262】
ここで、Sl,{xlj″,ylj″,Vmlj,Hzmlj}はキャリブレーション点lに対する距離及び該キャリブレーション点の全ての画像に対するデータセットj=1,...,Qを示しており、画像jに対するデータセットは画像位置データxlj″,ylj″及び垂直及び水平角度Vmlj,Hzmljセットを有している。
【0263】
誤差関数Eは、Benning, Wilhelm「Statistik in Geodasie, Geoinformation und Bauwesen」、ハイデルベルグ、ドイツ、2002、ISBN 3−87907−383−X、140頁に記載されているようなガウス・ニュートンアルゴリズム等の適宜の最小化手順を使用して最小化される。
【0264】
セクションSC3において、コンピュータプログラムにより得られたモデルデータが制御パネル、即ち処理ユニットのメモリ内にキャリブレーションデータとして格納される。その目的のために、データ処理システム65はこれらのデータをインターフェース69及び接続部72を介して測量装置、即ちビデオタキオメーター11へ送り、該ビデオタキオメーターはこれらのデータをコンピュータ54のメモリ112の非揮発性メモリ部分内に格納する。
【0265】
本方法の性能は、以下の例により例示することが可能である。この例においては、上述した方法の変形例が使用されるが、その場合に、各角度結合に対して1つを超える測定が行われる。角度測定精度1″を有する装置に組込まれている固定焦点が100mで焦点距離が300mmを有するカメラをキャリブレーションするためには、例えば20m、80m、500mの距離における3つのキャリブレーション点及び、例えば、8×6個の位置のグリッド内に配置されている望遠鏡位置当たり全部で48個の角度の組合わせを使用することが可能である。ランダムな逸れが0.05ピクセルを超えるものではない角度組み合わせ当たり30個の測定値がとられ且つ対応するデータが使用される場合には、その装置を垂直方向及び水平方向において約1″の方向測定精度でキャリブレーションすることが可能である。従って、本方法は、又、比較的大きな焦点距離を有するカメラのキャリブレーションに適している。
【0266】
該モデルを使用して、イメージセンサー上のオブジェクト点の画像の画像位置データから、装置座標系に関するオブジェクト点の方向を計算することが可能である(図16参照)。式(2)を使用して、
【0267】
【数19】
【0268】
尚、
【0269】
【数19a】
【0270】
は装置座標系の原点から投影中心Oへのベクトルを示しており、結像されたオブジェクト点Tに対応する測定された画像位置データxP′,yP′を該装置、即ちビデオタキオメーター11の座標系へ変換することが可能である。PT′は測定した画像位置に対応する方向を表わす装置座標系におけるベクトルである。投影中心O及び点PT′は両方共測量装置に関する座標によって既知であり、且つ結像光線aを定義し、その上にxP′,yP′により表わされるイメージセンサー上の位置に結像されるオブジェクト点が位置される。該光線はビデオタキオメーター中心、即ち装置座標系の原点を交差することは必要ではないので、ビデオタキオメーター中心からのオブジェクト点Pの距離(近似的距離)はビデオタキオメーター中心に関しての方向の正しい計算のために与えられなければならない。この距離はビデオタキオメーター中心、即ち装置座標系の原点周りに伸びる球の半径として使用され、且つ結像光線aによって交差される。このように、2つの座標トリプレットが得られて、それはカメラの機能を具備している望遠鏡ユニット16の位置に依存して方向計算のために使用することが可能である。ビデオタキオメーター中心が該結像光線に近ければ近い程、この方法は与えられた距離からの依存性はより少なくなる。
【0271】
メモリ112は更に、上のパラグラフにおいて説明した手順及び式(1)に基づいて位置又は方向を計算するためにプロセッサ113に対する命令を格納している。
【0272】
ビデオテオドライト11のコンピュータ54、即ちメモリ112内において、距離測定装置30が距離を測定する方向と一致する視準軸をディスプレイ53上に表示する(図17参照)例えばクロスヘアである視準軸マーク111を表示するためにプログラムコードが格納されている。ディスプレイ53上の対応する位置は、該装置内に格納されているキャリブレーションパラメータから計算することが可能であり、又は一度計算し、次いで該装置内に、例えばコンピュータ54の非揮発性メモリ内に永久的に格納することが可能である。ファインダーカメラ18も、上述した本方法、データ処理システム、コリメーター及びコンピュータプログラムを使用してキャリブレーションすることが可能である。投影中心の位置が該モデルにおける単なる1組のパラメータとして見えるかも知れないが、光路が真っ直ぐではないという事実はキャリブレーション方法の修正を必要とするものではない。
【0273】
別の実施例においては、カメラの歪みに対するより詳細なモデルが使用され、その場合にも、より高い次数及び/又は半径対称的でないものが使用される。Luhmann, Thomas「Nahbereichsphotogrammetrie: Grundlagen, Methoden und Anwendungen」、ハイデルベルグ、ドイツ、2000、ISBM 3−87907−321−X、119乃至122頁は上述した方法の対応する修正を開示している。
【0274】
キャリブレーションされたビデオタキオメーター11は、本発明の第一好適実施例に基づく方法に従って測量情報を与えるために使用することが可能である。
【0275】
その目的のために、メモリ112は、命令がプロセッサ113により実行される場合に本方法を実行するための命令を格納している。
【0276】
第一に、ユーザ134(図20参照)はビデオタキオメーター11を所望の位置、例えば任意の位置又は所定の座標により定義された位置にセットアップし且つその垂直軸を垂直のオリエンテーションとさせ、その場合に、該垂直軸は地球の重力に対して平行である。その作業のために、ユーザは光学的下げ振り28を使用することが可能である。
【0277】
次いで、ユーザ134はコンピュータ54のメモリ112内のコンピュータプログラムを開始させることにより測量を開始する。実施されるステップは図18におけるフローチャートに例示されている。一点鎖線の左側の部分はユーザによる動作を示しており、一方中央のコラムはプロセッサ113による動作を例示している。右側のコラムはこの方法において発生され及び/又は使用されるデータの幾つかを例示している。
【0278】
この方法は基本的に4つのセクションS10乃至S13に細分化することが可能であり、それに続くセクションS14乃至S16は5番目のセクションを形成している。
【0279】
ユーザがセクションS10においてキーボード52又はポインティング装置114を介して開始コマンドを入力すると、プロセッサ113はメモリ112の非揮発性部分からキャリブレーションデータを得る。
【0280】
セクションS11において、該プロセッサは三次元空間における(パノラマ)投影表面を表わすデータを得る。この投影表面は、第一イメージセンサー33によって得られる画像が投影される表面である。プロセッサ113はこれらのデータをメモリ112内に投影表面データとして格納する。
【0281】
セクションS12において、該プロセッサはターゲット領域を表わすデータを得ることにより測量すべきターゲット領域を決定する。次いで、該プロセッサはターゲット領域を定義するターゲット領域データをメモリ112内に格納する。
【0282】
セクションS13において、プロセッサ113は検知器要素からなるアレイ、即ちテレカメラ19の第一イメージセンサー33を使用してターゲット領域の少なくとも一部の二次元画像を表わす光学的検知器アレイによって発生された1組のピクセルデータを採取する。次いで、それは該1組のピクセルデータをキャリブレーションデータ、ターゲット領域データ及び投影表面データを使用して、該投影表面への該画像の投影を表わす1組の投影した画像データへ変換する。該ピクセルデータの幾つかの採取及び該変換は逐次的又は同時的に発生することが可能である。
【0283】
ピクセルデータを採取し且つ該ピクセルデータを変換するためのセクションS13は、3つの主要な動作に分割することが可能であり、即ちターゲット領域をカバーするために部分画像をキャプチャすべき望遠鏡ユニットのオリエンテーションのシーケンスを決定すること、部分画像の各々に対しピクセルデータを得ること、及びキャリブレーションデータ及び投影表面データを使用してピクセルデータにより表わされる画像を投影表面への投影を表わす投影された画像データへ変換すること、及び、1つを超えるキャプチャ部分画像の場合には、部分画像をマウントすることにより得られるターゲット領域の(パノラマ)画像を表わす変換されたピクセルデータのサブセットを決定することである。投影された部分画像は矩形132によって図20及び25において例示してある。
【0284】
ターゲット領域をカバーするために部分画像をキャプチャすべき望遠鏡ユニットのオリエンテーションのシーケンスに対して、プロセッサ113はターゲット領域データ、即ちターゲット領域を取囲む端部又は角部方向を定義する水平及び垂直角度、結像光学系及び検知器アレイ13により形成されるテレカメラ19の水平及び垂直ビューイング角度、及び隣りの部分画像の間の所望のオーバーラップ、からターゲット領域をカバーするのに必要な部分画像の数を決定する。この例においては、水平角度の間の最大差及び垂直角度の間の最大差が決定され、且つ水平ビューイング角度及び垂直ビューイング角度と夫々比較される。その差をメモリ112内に永久的に格納されている所望のオーバーラップにより減算された対応するビューイング角度によって割算することにより、水平及び垂直方向において必要な部分画像の数が計算される。完全なパノラマ画像の場合には、水平角度範囲は400ゴン、即ち360゜をカバーする。
【0285】
更に、プロセッサ113は望遠鏡ユニット16のオリエンテーションのシーケンスを決定し且つ格納し、従って該オリエンテーションの各々においてキャプチャされた1組の部分画像はターゲット領域をカバーし、2つの隣り合う部分画像は、所定量だけそれらの端部に沿ってオーバーラップしており、そのことはオーバーラップのピクセルの数が与えられ且つ所定数としてメモリ112内に格納される。例えば、第一部分画像、即ち第一オリエンテーションは、該部分画像の左上角部がカメラによって見られるターゲット領域の角部を取囲む最も小さな矩形の左上角部と一致するように選択することが可能である。次いで、次続のオリエンテーションは、部分画像が図31に示されるような蛇行経路に沿ってとられるように選択することが可能である。ターゲット領域が充分に小さい場合には、該シーケンスは単一の部分画像、従って単一のオリエンテーションを包含するに過ぎない場合がある。
【0286】
通常、ピクセルデータを得る動作及びピクセルデータを変換する動作は、最初にピクセルデータが得られ、次いで全ての変換が実施されるように行うことが可能である。然しながら、この例においては、1つの部分画像に対するピクセルデータを得た後に、次の部分画像に対するピクセルデータを得る前に又は得ている間に対応するピクセルデータが投影表面へ変換される。
【0287】
1つの部分画像に対するピクセルデータを得るステップは、望遠鏡ユニット16をその後にオリエンテーションの決定されたシーケンスにおけるオリエンテーションへ移動させるべく駆動部を制御すること、及びオリエンテーションの各々に対する検知器アレイからピクセルデータを読取ることを包含している。次いで、該ピクセルデータは一次的にメモリ112内に格納される。
【0288】
この例においては、部分画像を表わすピクセルデータの殆どを投影面へ変換させるために間接的な投影技術が使用される。その目的のために、投影された画像は与えられた数の投影された画像ピクセルによって表現され、それらは、投影表面として面又は円筒である場合に、所定の配列で投影表面上に位置される。
【0289】
図19に示した如く、検知器要素からなるアレイによりキャプチャされた画像又は部分画像のピクセルデータを変換するステップは、投影表面を表わすパラメータを決定するためのステップS18、該画像の角部ピクセルを投影表面へ直接的に投影するステップS19、及び間接投影により投影された画像の投影された画像ピクセルに対するビジュアルデータを決定するステップS20を有している(図28参照)。
【0290】
直接的に角部ピクセルを投影するステップS19は、画像又は部分画像の角部ピクセルを決定し且つ式(2)により角部ピクセルと関連する方向により定義される投影表面上の投影された画像角部ピクセルの位置を決定し且つ、装置座標系の原点を通過する夫々の角部ピクセルと関連する方向に沿っての光線が投影表面と交差するこの例においては、式(2)の後に説明したステップを包含している。それは、更に、夫々の角部ピクセルのビジュアルデータを結果的に得られる投影された画像角部ピクセルへ割当てることを包含している。
【0291】
間接投影により投影された画像の投影された画像ピクセルに対するビジュアルデータを決定するステップS20は、投影された画像角部ピクセルでない各投影された画像ピクセルに対して、式(1)を使用して投影されるべき画像の面内の位置の座標を決定し、決定された位置におけるピクセル及び、オプションとして、隣りのピクセルのビジュルデータを使用してその位置に対するビジュアルデータを計算し、且つ該ビジュルデータを投影された画像ピクセルへ割当てることを包含している。
【0292】
ステップS19乃至S20の詳細について以下に説明する。
【0293】
1個を超える部分画像がキャプチャされる場合には、ステップS13は、更に、パノラマ画像データにより定義される合体された投影された画像を得るために投影された部分画像のマウンティングを包含している。この動作は極めて簡単であり、というのは、全ての投影された画像データは同一の投影表面内に定義されており、従って投影された画像データにより投影された(部分)画像の表現の場合には、投影された画像ピクセルの位置は既知であるからである。投影された部分画像の配置は図20及び25に例示してある。部分画像がオーバーラップしない場合には、マウントされるべき投影された部分画像の投影された部分画像データは単一の画像を表わすデータ構造に配置される。オーバーラップが存在する場合には、2つのオーバーラップする投影された部分画像のうちの1つのオーバーラップするピクセルが省略される。省略されないオーバーラップするピクセルへ割当てられた投影された画像ピクセルデータは、維持されたピクセルの投影された画像ピクセルデータか又はオーバーラップするピクセルのピクセルデータの平均とすることが可能である。
【0294】
ターゲット領域をカバーするために1つを超える画像がキャプチャされる場合には、ステップS14において、プロセッサ113はオーバーラップする投影された部分画像のオーバーラップするピクセルの間のオーバーラップ情報を使用して投影された画像データを調節する。
【0295】
ステップS15において、該プロセッサは投影した画像、即ち投影した画像データ、及び付加的な情報をメモリ112内のデータ構造内に測量データとして格納する。
【0296】
更なる処理に依存して、該投影された画像データ及び付加的な情報は無線モジュール61を介して例えば遠隔コンピュータの別の格納装置へ転送することが可能である。更に、該投影された画像データ及び該付加的な情報は図には示していない制御パネル21のPCMCIAスロット内のアダプタを介して挿入されるコンパクトフラッシュカード等の着脱自在な格納装置上に格納することが可能である。該付加的な情報は、例えば、画像がキャプチャされた場合のキャリブレーションデータ及び角度センサー24,25及び22,23により検知されるような水平及び垂直角度Hz及びVzを包含することが可能である。好適には、該投影された画像は、又、投影ピクセルに分解される。次いで、投影された画像データは投影ピクセルの特性を表わす1組の投影ピクセルデータを有している。次いで、該付加的な情報は更に方向情報、例えば各投影されたピクセルに対して決定された水平及び垂直角度を包含することが可能である。
【0297】
該格納されたデータは、更なる測量作業のため又は遠隔コンピュータにおいて、例えばオフィスにおいて、得られた測量データに基づいてのみ更なる測量動作S17を実施するためにプロセッサにより使用することが可能である。
【0298】
ステップS16において、該プロセッサは投影された画像を表示するためにディスプレイユニット53を制御する。その目的のために、それは投影された画像データから表示データを作成し且つこれらのデータを対応する画像を表示するディスプレイユニット53へ送る。
【0299】
明らかに、セクションS11乃至S13において実施されるべき詳細な動作は投影表面のタイプに依存する。従って、詳細なステップを異なるタイプの投影表面に対して以下に説明する。投影した部分画像のマウンティングは全てのタイプの投影表面に対して同一であるのでこのサブステップについては更に説明することは必要ではない。
【0300】
セクションS11の第一ステップにおいて、該プロセッサは4つのタイプの投影表面、即ち面、円筒、球、自由形状表面の選択を表示するためにディスプレイユニット53を制御する。次いで、それはキーボード52からの入力として又はポインティング装置、例えばマウスボタンの選択ボタンを動作する場合のポインティング装置の位置として読取り、4つのタイプの投影表面のうちの1つを定義するデータを選択する。その他の実施例においては、単に1つのタイプの表面が使用可能である場合がある。その場合には、この選択ステップは省略される。表面のタイプは投影表面データの一部として格納されている。
【0301】
以下のステップは、選択のタイプに依存して異なる。読み易くするために、選択ステップに続くステップのシーケンスを各タイプの投影表面に対して別々に説明する。
【0302】
図21は面である投影表面の場合に対するステップを示している。この場合は図20に模式的に示してあり、それはターゲット領域の前方にビデオタキオメーター11を有するユーザ134を示している。
【0303】
プロセッサ113は、面を定義する投影表面データを入力するための3つの代案を表示するためにディスプレイユニット53を制御し、即ち、キーボード52を使用しての数字入力、遠隔格納装置又はコンピュータから無線モジュール61を介してのデータの読取、又は測量装置11と相対的に該面を定義する3つの点の位置の測定による定義である。いずれの場合においても、共線状ではない3つの点の座標が読取られ、それが投影表面135を定義する(図20参照)。
【0304】
ユーザによる対応する選択を読取った後に、プロセッサ113は、水平及び垂直角度の形態における投影表面データ及び測量装置11からの距離をキーボード52から読取り且つそのデータを投影表面データのデータとして格納する。
【0305】
又は、プロセッサ113は無線モジュール61、装置制御コンピュータ21及び接続部55を介して水平及び垂直角度の形態におけるデータ及び測量装置11からの距離を読取り且つ該データを投影表面データのデータとして格納する。
【0306】
又は、プロセッサ113はディスプレイユニット53を制御してテレカメラ19により現在キャプチャされた画像を表示させ且つその選択要素が動作された場合にポインティング装置からの入力を読取り、該入力はディスプレイユニット53上に表示された画像上の位置、即ち対応するピクセルを定義する。該入力を読取る間に、ユーザは望遠鏡ユニット16を新しい方向に向けることが可能である。従って、ユーザは表示された画像内の適宜の点を選択することにより点を選択することが可能である。図20においては、対応する点は参照番号133で示してある。該画像点は共線上のものであってはならない。好適には、ユーザは、最初に、投影された画像の左下角部の点の位置を入力し、次いで投影された画像における垂直線を表わす2つの点の位置を入力する。
【0307】
これら3つの点133の各々に対して、プロセッサ113はその方向、即ちキャリブレーションデータ及び式(2)の後に説明したステップを含む式(2)を使用してその位置と関連する水平及び垂直角度を決定し、その場合にx″及びy″はポインティング装置を使用して得られる座標により与えられる。
【0308】
次いで、プロセッサ113は駆動部22及び23を制御して望遠鏡ユニット16を回転させその視準軸を決定した水平及び垂直角度により与えられるオリエンテーションに設定する。望遠鏡ユニット16が所望のオリエンテーションに到達すると、プロセッサ113は距離測定装置30を制御して距離測定装置30から該視準軸上のオブジェクトへの距離を測定し且つ対応する距離信号を生成する。処理ユニット21、特に、プロセッサ113がその距離信号を受取り且つそれを距離データへ変換する。次いで、プロセッサ113がその距離データを装置座標光学系内の点の位置を定義する夫々の点に対して投影表面データとして対応する水平及び垂直角度と関連してメモリ112内に格納する。
【0309】
次に、ステップS12において、ターゲット領域が定義される。最初に、該プロセッサは400ゴンの完全なパノラマを得るべきであるか又はその一部のみを得るべきであるかの情報をグラフィカルユーザインターフェースを介して得る。
【0310】
第一の場合においては、プロセッサ113はキーボード52から又はポインティング装置114の位置として垂直方向におけるパノラマ画像の中心の位置を定義する角度データを読取る。更に、それは、キーボード52から対応するデータを読取ることにより該パノラマ画像の高さを読取り、該データは該パノラマ画像の境界の垂直位置を表わすか、又は垂直方向における少なくとも一方の境界又は中心とその高さとを表わす。プロセッサ113はこれらのデータをターゲット領域データとしてメモリ112内に格納する。
【0311】
第二の場合においては、少なくとも2つ、通常は4つの角部点が投影面を定義する点133の場合と同じ態様で得られ、その場合に距離データは得ることは必要ではない。ターゲット領域が矩形状断面を有している場合には、単に2つの点、図20においては左下角部点130及び右上角部点131を決定することが必要であるに過ぎない。というのは、他の2つの点は幾何学的計算により得られるからである。4つの点の場合には、水平角度の最大絶対差を有する点がパノラマ画像の水平角度及びその水平角度位置を定義し、且つ垂直角度の最大絶対差を有する点がパノラマ画像の高さ及び垂直位置を定義する。次いで、これらのデータはターゲット領域データとしてメモリ112内に格納される。
【0312】
投影された画像ピクセルにより投影された画像を定義するために、プロセッサ113はターゲット領域における長さ当たり、例えばm当たりの投影された画像のピクセル数を定義する倍率を読取る。
【0313】
この目的のために、最初に、最適倍率が決定される。該プロセッサは該面に対して直交な方向に沿っての該装置への該投影面の距離Dortho及び次式の比を計算する。
【0314】
【数20】
【0315】
尚、fは結像光学系の焦点距離を示している。fの値は該メモリ内に格納される。
【0316】
該プロセッサは最適倍率を計算し且つ格納する。
【0317】
【数21】
【0318】
尚、Ipixelは検知器アレイの検知器要素、即ちキャプチャした画像におけるピクセルの長さを示している。この倍率の使用は、本装置とオブジェクト面との間の最も小さな距離に対して、カメラの最大分解能が使用されることを確保する。この値を増加することは推奨されない。何故ならば、分解能を増加させることが出来ないからである。倍率を減少させることは減少させた精度となる。
【0319】
プロセッサ113はディスプレイユニット53を制御して最適なスケールを表示し且つキーボード52又はグラフィカルユーザインターフェースを介しての確認情報又は異なる倍率を読取る。
【0320】
投影面を表わすパラメータを決定し且つ1つの部分画像に対するピクセルデータを対応する投影した部分画像データへ変換するステップS18乃至S20が面投影表面の場合に対して図21乃至23においてより詳細に示されている。
【0321】
最初に、ステップS21乃至S27において、投影表面の表現が上述した少なくとも3つの点を定義する投影表面データを使用して得られる(図21参照)。
【0322】
ステップS21において、プロセッサ113が投影された画像の左下角部を定義する第一点及び投影された画像における好適には垂直線を定義するその他の2つの点を決定する。
【0323】
ステップS22において、プロセッサ113は全ての3つの点に対して装置座標系における垂直角度Vz及び水平角度Hzを計算する。
【0324】
ステップS23において、プロセッサ113は装置座標系における3つの対応する投影した点のカーテシアン座標を計算し、該座標はステップS21において決定された点と関連する計算された水平及び垂直角度Hz及びVzを有する光線と該投影表面との交差を表わす。
【0325】
ステップS24において、プロセッサ113はステップS23における第二及び第三の投影された点を接続する装置座標系における第一ベクトルを計算する。
【0326】
次いで、ステップS25において、プロセッサ113は第一ベクトルに直交し且つ投影面内を延在する第二ベクトルを計算する。その目的のために、第一ベクトルと第一の投影した点と第二及び第三の投影した点のうちの1つとを接続するベクトルとの間のベクトル積を使用することが可能である。
【0327】
ステップS26において、プロセッサ113は第一及び第二ベクトルを長さ1へスケーリングさせて該座標をこれらのベクトルの長さにより割算することにより単位ベクトルE2及びE1の座標を得る。次いで、該投影面は以下のパラメトリック表現を有している。
【0328】
【数22】
【0329】
装置座標系においては、RULは第一点に対応する投影表面上の点へのベクトルを示し且つa及びbは任意の実数であり且つRabは投影面内の点Rabの座標(a,b)として見ることが可能なパラメータa及びbによって定義される投影表面内の点へのベクトルである。
【0330】
ステップS27において、プロセッサ113は第一点のカーテシアン座標及び該2つの単位ベクトルをメモリ112内に格納する。
【0331】
投影した画像の表現のために、投影した画像ピクセルが使用され、それらは所望の分解能、即ち上で読まれた倍率で定義される。この例においては、投影面上の矩形状アレイ内のクワドラチック即ち二次ピクセルが使用される(図24参照)。各投影された画像ピクセルUijは式(3)により与えられる位置が割当てられる。
【0332】
【数23】
【0333】
尚、i=1,...,N,j=1,...,Mは、N及びMが投影された画像の水平及び垂直方向におけるピクセルの最大数を示す場合には、負でない整数である。従って、上の表現a=i/N及びb=j/Mを使用する。以下においてピクセル又は投影したピクセルの位置とはその幾何学的中心の位置を意味している。
【0334】
その投影は図24に示されており、それはキャプチャされた部分画像を左側に示しており且つ投影した部分画像を右側に示している。各画像は正方形により視覚化したピクセルから構成されている。
【0335】
角部ピクセルC1,...,C4を直接的に投影するステップS19は、画像又は部分画像の角部ピクセルを決定すること、及び式(2)の後に説明したステップを含む式(2)による角部ピクセルと関連する方向により定義される投影表面上の投影された画像角部ピクセルの位置を決定することを包含している。矩形状の投影された画像に対してそれまで単に2個の角部ピクセルが決定されている場合には、その他の2つの角部ピクセルが決定され、それは既に得られた角部ピクセルにより定義される矩形の角部を形成する。従って、いずれにおいても4個の角部ピクセルが存在する。図22は各角部ピクセルに対するステップS19のサブステップを示している。プロセッサ113は、角部ピクセルの各々に対して2つのステップで投影された画像角部ピクセルの位置を表わす座標を計算する。
【0336】
ステップS28において、プロセッサ113は画像面内の夫々の角部ピクセルの座標及び式(2)の後のパラグラフにおいて説明したステップを含む式(2)、即ちキャリブレーションデータの幾つか及びキャリブレーションのために使用したモデルに基づく式を使用して、夫々の角部ピクセルと関連する水平及び垂直角度Hz及びVzを計算する。これらの角度はターゲット領域の端部に対応する角部方向を定義する。
【0337】
ステップS29において、プロセッサ113は装置座標系の原点から開始し且つ角度Hz及びVz及び投影表面により定義される方向を有する光線の交点の座標を決定する。これらの座標は角部ピクセルの投影、即ち夫々の投影された画像角部ピクセルを定義する。該光線は次式で表わすことが可能である。
【0338】
【数24】
【0339】
尚、Rは装置座標系の原点から距離c(cは任意の実数)を有する線上の点に向かうベクトルである。上述したように、該面は以下の表現を有している。
【0340】
【数25】
【0341】
従って、上述した式の左側を等置することにより、与えられた角度Hz及びVzに対するa,b,cに対する3つの式が得られ、それらは標準的な公式を使用して解くことが可能である。その解はa,b,cを計算するための対応する命令によってコンピュータプログラムにおいて表現することが可能である。
【0342】
ステップS30において、プロセッサ113は夫々の角部ピクセルのビジュアルデータを結果的に得られる投影された画像角部ピクセルPC1,...,PC4へ割当てる。
【0343】
従って、投影された画像角部ピクセルはa及びbに対する値、即ち、夫々i,j、及び割当てられたビジュアルデータによって定義される。
【0344】
ステップS20の間接投影が投影された画像角部ピクセルではない投影された画像ピクセルの各々に対して実施される。投影された画像ピクセルはオーバーラップ無しで完全に投影された画像区域をカバーするように配置されているので、間接投影を使用することは投影表面におけるピクセルの直接投影のオーバーラップに起因する問題を回避する。
【0345】
これらの投影した画像ピクセルの各々に対するステップが図23においてより詳細に示されている。
【0346】
ステップS31において、該プロセッサは、投影した画像ピクセルPUijのRijの与えられた位置に対して、式(3)を使用して装置座標系における対応する座標を計算する。
【0347】
ステップS32において、プロセッサ113は装置座標系における計算された座標及び式(1)を使用して投影された座標ピクセルに対応する画像面内の位置を決定する。この目的のために、プロセッサ113は計算された座標から水平及び垂直角度Hz及びVzを計算し、次いで、式(1)を使用して得られた値から画像面における座標を計算する。この計算のためにもキャリブレーションデータの幾つかが使用される。
【0348】
ステップS33Aにおいて、該プロセッサは計算された位置に対するビジュアル情報を決定する。該ビジュアル情報はピクセルPUijへ割当てられるべきものである。この目的のために、プロセッサ113は図24においてハッチングした正方形として示されている計算された位置に最も近いキャプチャした画像に対するピクセル間でビジュアルデータのバイリニア補間を実施する。バイリニア補間は、通常、当該技術において既知である。Press,W. H., et al.「Numerical Recipes in C」第二版、1992年、ISBN 0−521−43108−5、123−124頁、又はLuhmann, T.「Nahbereichsphotogrammetrie」、ハイデルベルグ、Wichmann、2000年、ISBN 3−87907−321−X、385−386頁の部分はバイリニア補間を記載しており且つ引用によりここに取込む。ビジュアル情報が、例えば、RGBチャンネルにおいてコード化されたカラー情報である場合には、補間はチャンネルR,G,Bの各々に対して行われる。
【0349】
ステップS33Bにおいて、プロセッサ113は計算したビジュアルデータをi及びjへ割当て且つビジュアルデータ及びi及びjが投影した画像データを表わすように該ビジュアルデータを格納する。
【0350】
次いで、部分画像をマウントさせてパノラマ画像を形成する。その目的のために、各部分画像において、右及び底部のオーバーラップ領域におけるピクセルは最も右側及び底部の部分画像を除いて全て省略する。
【0351】
次のステップS14において、プロセッサ113は省略したピクセルの情報を使用してオーバーラップ領域における投影した部分画像データのラジオメトリック調節を実施する。より詳細には、それは同じ位置に対応する部分的投影画像のピクセルにおける強度を比較する。次いで、それは、倍率で乗算することにより全てのピクセルに対して、該部分画像、蛇行シーケンスが使用される場合には、その経路に沿っての次の投影した画像のうちの1つにおける強度を調節し、従ってオーバーラップ領域における強度は一致する。
【0352】
結果的に得られる投影した画像ピクセルデータはステップS15において投影した画像データとして格納される。このステップにおいても、付加的なデータ、例えば投影表面及び/又はその画像又は部分画像をキャプチャする場合に使用された水平及び垂直角度を格納することが可能である。
【0353】
ステップ16において、プロセッサ113がディスプレイユニット53を制御して投影された画像データに基づいて画像を表示する。
【0354】
代替的に、ユーザは投影表面として円筒表面を選択することが可能である。これは図25に例示してあり、その場合には、円筒表面が参照番号191で示してある。
【0355】
該円筒の軸は垂直である、即ち装置の垂直軸と平行であると仮定されており、且つ装置座標系の原点を介して走行している。従って、それは装置座標系のZ軸である。この円筒表面への投影の場合には、円筒表面上の位置が円周方向に沿って延在するx座標及び円筒軸に沿って延在し、従ってx方向に対して直交するy座標によって定義される。
【0356】
投影された画像のピクセルは矩形状のアレイを形成し、該ピクセルの幾何学的中心はx及びy方向において等距離である。このピクセルの配置はディスプレイユニット53上に簡単な表示を可能とする。というのは、面ディスプレイユニット53上の投影した画像ピクセルの表示は円筒表面を面上に展開することに対応しているからである。
【0357】
次に、S12において、ターゲット領域を定義せねばならない。プロセッサ113は、最初に、完全なパノラマを得るのか又は一部のみかの情報をグラフィカルユーザインターフェースを介して得る。
【0358】
第一の場合においては、プロセッサ113はキーボード52から又は位置決め装置の位置として垂直方向におけるパノラマ画像の中心の位置を定義する角度データを読取る。更に、それは、キーボード52から対応するデータを読取ることによりパノラマ画像の高さを読取り、該データはパノラマ画像の境界の垂直位置を表わすか、又は垂直方向における少なくとも一方の境界又は中心及び高さを表わしている。プロセッサ113はこれらのデータをターゲット領域データとして該メモリ内に格納する。
【0359】
2番目の場合においては、4つの角部点が面に対して投影の場合と同じように得られる。水平角度の最大の絶対差を有している点がパノラマ画像の水平角度及びその水平角度位置を定義し、且つ垂直角度の最大絶対差を有している点がパノラマ画像の高さ及びその垂直位置を定義する。これらのデータはターゲット領域データとしてメモリ112内に格納される。
【0360】
ステップS18において、投影表面として円筒表面の場合には、投影ピクセルによって投影した画像を定義するために、プロセッサ113は、倍率を読取り、該倍率は、水平方向における例えば度当たり又はゴン当たり等の単位角度当たりの投影した部分画像のピクセル数と、結像光学系と検知器用アレイとに依存し且つ既知である水平方向における例えば度当たり又はゴン当たり等の単位角度当たりの検知器アレイによりキャプチャされた画像のピクセル数との比を定義する。
【0361】
更に、プロセッサ113は、単位角度当たりの検知器要素の対応する数によって与えられる単位角度、例えばゴン当たりの水平方向おけるピクセル数を倍率と乗算することによりこの例においてはゴン当たりである単位角度当たりの投影した画像のピクセル数である係数qを計算する。更に、該プロセッサは投影した画像のピクセルの単位で投影表面、即ち円筒表面Rpanの半径を計算し且つ格納する。
【0362】
【数26】
【0363】
ステップS19において、円筒状の投影表面の場合には、プロセッサ113はキャプチャした画像の全ての4つの角部ピクセルの投影表面に対する直接投影を行う。このステップは、各角部ピクセルに対して、図26に示したステップを有している。
【0364】
ステップS34及びS36は投影面の場合に対するステップS28及びS30に対応して、従ってこれらのステップはより明らかに定義することが必要なものではない。
【0365】
然しながら、ステップS35において、それはステップS29に類似したものであり、プロセッサ113は、ステップS34において計算された水平及び垂直角度Hz及びVzにより与えられる方向における投影中心の原点から延在する光線の及び該投影表面の交点を表わす座標を決定する。より詳細には、プロセッサ113は次式を使用して投影した画像のピクセルの単位における夫々の角度ピクセルのx座標xpanを計算する。
【0366】
xpan=q・Hz
又、プロセッサ113は次式を使用して投影した画像のピクセルの単位で4つの角部ピクセルのy座標ypanを計算する。
【0367】
【数27】
【0368】
ここで、hpanはピクセル単位でのパノラマ画像の高さ、即ち垂直方向におけるその広がりを示している。マイナスの記号は、使用されているグラフィックシステムにおいてはy軸が下方へ向いているという事実に起因している。
【0369】
その結果、角部ピクセルのピクセル位置xpan,ypanは既知である。
【0370】
面投影表面の場合におけるように、投影された画像を形成する全てのその他の投影された画像ピクセルに対する投影された画像ピクセルデータは、ステップS20における間接投影により得られる。これらのピクセルの各々に対して実施されるステップは図27に示してある。
【0371】
ステップS37において、プロセッサ113は夫々の投影された画像ピクセルの座標を決定する。
【0372】
ステップS38において、プロセッサ113は装置座標系における決定された座標から画像面における1つの位置を決定する。それは、最初に、装置座標系の原点を介して投影された画像ピクセルから走行する光線の水平及び垂直角度Hz,Vを計算する。
【0373】
【数28】
【0374】
次いで、プロセッサ113はキャリブレーションデータ及び式(1)を使用してHz及びVからキャプチャした画像の画像面における座標x″及びy″を計算する。
【0375】
面投影表面の場合におけるように、ステップS39において、プロセッサ113は該座標により定義される位置に最も近いキャプチャした画像に対するピクセルの間でのバイリニア補間により計算された座標x″,y″に対するビジュアルデータを計算する。
【0376】
ステップS40において、それは該ビジュアルデータを座標xpan及びypanへ割当て且つ該ビジュアルデータを投影した画像データとして格納する。投影した画像の全てのピクセルのピクセルデータが1つのパターン内に格納される場合にはxpan−ypan座標を省略することが可能であり、従って該パターンにおける該位置から該座標を派生させることが可能である。
【0377】
面投影表面の場合におけるように、部分画像をマウントさせてパノラマ画像を形成する。
【0378】
投影表面として球状表面が選択されている場合には、該プロセッサは以下の式を使用する。
【0379】
【数29】
【0380】
ここで、cpanは選択された角度単位、例えばゴンにおいてのパノラマ画像の中心である。
【0381】
投影された画像の1つの面への投影は、例えば、Kuntz, Eugen「Kartennetzentwurfslehre: Grundlagen und Auwendungen」、カールスルーエ、ドイツ、Wichmann、1990年、ISBN 3−87907−186−1に開示されているような標準的な投影方法を使用して得ることが可能であり、尚この文献を引用によりここに包含させる。
【0382】
4番面の代替案として、該投影表面は自由形状表面、例えば図28に例示してあるようなデジタル表面モデル又はデジタル地形モデルとすることが可能である。
【0383】
投影表面データを得るためのステップS11は、ここでは、例えば無線モジュール61を使用して格納媒体から投影表面データを読取ることを包含している。
【0384】
デジタル地形モデル又はCADデータとすることが可能な自由形状表面は、1つの面内の格子点の四角形格子及び夫々の格子点にわたる該面に対して直交する方向における各表面点に対する高さデータにより定義することが可能であり、該高さデータは格子点、即ち該面からの表面点Gの距離を表わしている。本特許出願においては、デジタル地形モデル又はCADデータが一般的に三次元データを表わすために使用されている。
【0385】
該投影した画像はその他のタイプの表面の場合におけるように得られる。
【0386】
デジタル地形モデルの場合には、自由形状表面への投影はキャプチャした画像の直交投影となり、それはデジタル地形モデル、即ち投影表面上の平行投影におけるターゲット領域を示す。キャプチャした画像において見えない地形の部分又はキャプチャした部分画像のうちの1つは投影した画像において空白区域へ通じ且つ任意の所望のカラー又は輝度、例えば黒で示すことが可能である。
【0387】
更なる測量動作として、例えば、特に投影面が使用される場合には、投影した画像において距離を測定することが可能である。対応するステップは、ポインティング装置により選択された表示されている投影された画像における2つの位置を読取り、投影した画像における選択した点に対応する装置座標系における点間の距離を決定し、且つその決定した距離をディスプレイユニット53上に表示する動作を包含している。この目的のために、プロセッサ113は例えばマウスボタンを押すことにより選択信号が与えられる場合にポインティング装置の位置を読取リ、且つ投影面内における座標(a,b)を決定する。それは、次いで、式(3)を使用して選択された点の各々に対するカーテシアン座標を計算する。それは、最後に、当業者に既知の標準的な公式を使用して点間の線の長さを計算し、その長さをメモリ112内に格納し、且つ付加的なデータとして該投影した画像においてディスプレイユニット53上にその長さを表示する。
【0388】
特に、投影面(plane)の場合には、測量動作は、又、ポインティング装置により選択された表示された投影された画像における3つの位置を読取り、該投影された画像における対応する点により定義される2つの線の間の角度を決定し、且つその決定されたものをディスプレイユニット53上に表示することを包含することが可能である。最初にプロセッサ113が表示されている投影された画像における位置、例えばa及びb、を装置座標系におけるカーテシアン座標へ変換する。次いで、選択した1つの点に対応する装置座標系における同一の点において開始し且つ残された選択された点のうちの1つに対応する装置座標系における他方の点のうちの1つで終了することにより2つのベクトルを決定する。標準の公式を使用して、これらの線の間の角度をプロセッサ113が計算することが可能である。
【0389】
更に、デジタル地形モデルに基づく自由形状表面として提示された投影表面137(図28参照)の場合には、本装置は、該モデルに対し更なる点を与えるために使用することが可能である。この目的のために、ユーザは、ポインティング装置を使用して、該デジタル地形モデルの別の点を形成する1つの点を投影された画像において選択する。プロセッサ113は選択動作が行われた場合にポインティング装置により示されている位置を読取ることにより表示されている投影された画像における選択された点PSの位置データを得る。それは、次いで、式(2)の後のパラグラフにおいて説明したステップを含む式(2)から装置座標系における光線L及びその光線の投影表面との交点の座標を計算する。これらの座標はデジタル地形モデルを定義するために使用することが可能な別の点を表わす。
【0390】
代替的に、式(2)の後のパラグラフで説明したステップを含む式(2)により水平及び垂直角度を決定した後に、プロセッサ113は視準軸を具備する望遠鏡ユニット16を駆動部22及び23を制御することにより計算した方向へ向けさせることが可能である。それは、次いで、選択した点に対応する地形内の点への距離を測定し且つこの距離及び対応する水平及び垂直角度又は等価なカーテシアン座標をデジタル地形モデルにおける別の点のデータとしてメモリ11内に格納させるために距離測定装置30を制御することが可能である。
【0391】
望遠鏡ユニット16′を具備する本発明の第二好適実施例に基づくビデオタキオメーター11′を図29に示してある。望遠鏡ユニット16′は上述した望遠鏡ユニット16とは異なっている。更に、装置制御コンピュータ51及びメモリ112内に格納されているコンピュータプログラムは第一の例のビデオタキオメーター11におけるものと異なっている。
【0392】
それは第一の例示的実施例におけるような対物レンズ31、フォーカシングレンズ91、反転プリズム92、クロスヘア93、接眼レンズ94によって形成される望遠鏡89を有している。図29における矢印によって示したように望遠鏡の光軸に沿ってフォーカシングレンズ91を移動させることによりクロスヘア93上に画像をフォーカスさせる。この望遠鏡はターゲットを視準するために使用される。
【0393】
望遠鏡ユニット16′における更なる装置は、追跡装置即ちトラッカーによって構成されており、それはターゲット点に位置されているリフレクタを自動的に視準し且つそれが1つの点から別の点へ運ばれる場合にそれを追跡すべく作用する。該トラッカーは、光学的照射の幅狭の束を射出する送信器と、該束がそれを介して送信方向に入射され且つ該ターゲットで反射した後に受光方向へ入射する対物レンズ31と、受光光学系と、ターゲットにより反射して戻され且つ受光光学系によりフォーカスされる該束の位置を検知する受光器95と、ターゲットにより反射して戻される光線束の位置が受光器95上で一定であるように望遠鏡ユニット16′又はアリダード12夫々を案内する閉ループ制御部とを有している。
【0394】
より詳細には、該トラッカーの送信器は例えばレーザダイオード等の好適には赤外である光学的照射を射出する照射供給源96、及び第一コリメーティング光学系97及びプリズム98を有する送信光学系を有しており、プリズム98の傾斜面108において、照射供給源96から供給され且つ第一コリメーター光学系97によりコリメートされた光線束は対物レンズ31の光軸の方向に反射される。該受光光学系は分割用プリズム99及び第二コリメーター光学系100によって形成されている。最後に、受光器95は該送信器からの照射に対して感受性のある幾つかの検知要素を有している。受光器95に対して、例えば、クオドラントダイオード又はカメラ回路を使用することが可能である。
【0395】
該トラッカーの送信器は光線束を送信し、それは照射供給源96により射出され、第一コリメーター光学系97によりコリメートされ且つプリズム98によって対物レンズ31の光学系上へ偏向されて対物レンズ31の中心を介してターゲットへ向けられる。該光線束は例えばトリプルミラー又はリフレクタ等のターゲットによってタキオメーターへ反射して戻され、次いで対物レンズ31を介して再度望遠鏡ユニット16′へ入る。そのターゲットへ及びそれから戻る経路上において、最初は幅狭であった光線束は該ターゲットから充分に離れた距離においてかなり広がり、その帰路において対物レンズ31の直径全体を占めることとなり、従ってプリズム98へ入射することのない光線束の部分はダイクロイックミラー101をパスする。該送信器によって射出された光線束の波長は、実質的な反射なしで該光線束がダイクロイックミラー101をパスするように選択されており、従って前記ミラーは前記束に関して実際的に何等影響を有するものではない。ダイクロイックミラー101を通過した光線束は、次いで、分割用プリズム99へ入る。その分割用層は該送信器により射出された照射の波長において選択的に反射させ、従ってそれは分割用プリズム99へ入って来た光線束を第二コリメーター光学系110の方向に偏向させるが可視光は通過させる。第二コリメーター光学系100は該送信器からの光線束であってターゲットにより反射された光線束を該トラッカーの受光器95上へフォーカスさせる。受光器95上のターゲットの画像の位置が所定位置、例えば中心から逸れる場合には、該トラッカーはそのような逸れの量及び方向に関する信号を装置制御コンピュータ(図3には示していない)へ供給し、それは受光器95上の画像がこの例においては中心である所定位置に再度来るように、必要である場合には、アリダード12と共に、望遠鏡ユニット16′を回転させるために駆動部を制御する。
【0396】
更に、ファインダーカメラ102が望遠鏡ユニット16′内に設けられている。ファインダーカメラ102はカメラ対物レンズ103とイメージセンサー104とを有している。イメージセンサー104の信号は装置制御コンピュータ51へ接続されている画像処理回路105によって処理される。ファインダーカメラ102は測定すべきターゲットをより容易に見つけ出すために使用することが可能である。ファインダーカメラ102は、ピンホールカメラモデルの投影中心は、原理的に、垂直軸に関して任意に位置させることが可能であるので、第一の例示的実施例において記載したのと同一の方法を使用してキャリブレーションすることが可能である。
【0397】
距離測定装置106はターゲットに対して照射を指向させ且つそれによって反射して戻される照射を受取ることによりターゲットからタキオメーターへの距離を測定する。距離測定装置106は該望遠鏡のコンポーネントによって及び更なるコンポーネントによって形成されている。図29においては明示的に示しておらず且つ例えばレーザーダイオード等の所定の波長範囲内の赤外線照射をパルスモードで射出する赤外光供給源が赤外照射を、送信/受光光学系107によりフォーカシングした後に、プリズム98の表面108へ指向させ、それは赤外光供給源からの光に対して反射性であり且つそれをそこからダイクロイックミラー101へ通過させ、それは距離測定装置106の赤外光供給源からの赤外光に対して反射性であり、従って、その赤外光を対物レンズ31へ偏向させる。該赤外光供給源及び送信/受光光学系107は、赤外光供給源により射出される光線束が距離測定装置106の光路に沿って対物レンズ31の焦点幅である対物レンズ31からの距離においてフォーカスされるように配置され且つ形成されており、従って、ほぼ平行な光線束が対物レンズ31によって射出され、前記光線束は、次いで、例えばトリプルミラー等のリフレクターであるターゲット、又は例えば家屋の壁等の自然のターゲットへ入射する。反射された光線束は対物レンズ31、ダイクロイックミラー101及びプリズム98の表面108を介してターゲットから同一の経路に沿って送信/受光光学系107へ戻り、該光学系は該光線束を該照射を検知する距離測定装置106の受光要素(図29には示していない)上へフォーカスさせる。従って、ターゲットへの距離は射出と受光との間のパルスの経過時間から決定され、その経過時間は対応する電子回路によって決定される。該光線束は対物レンズ31の光軸に沿って射出されるので、該望遠鏡により視準されたターゲットへの距離はその光軸上で決定される。
【0398】
その他のコンポーネントは第一の例示的実施例のものに対応しており且つ対応するコンポーネントに対して同一の参照番号を使用している。更に、第一例示的実施例の説明におけるこれらのコンポーネントに対する説明はこの例示的実施例にも適用される。
【0399】
通常、本装置は上述したのと同一の方法を使用して且つテレカメラ19の代わりにファインダーカメラを使用してキャリブレーションすることが可能である。
【0400】
投影した画像の発生は上述したのと同一の態様で行われる。
【0401】
更に、図31に示したように、遠隔制御ユニット121及びポールに装着されたリフレクタ122を有するリフレクタステーション120が使用される。
【0402】
遠隔制御ユニット121はディスプレイユニット190、グラフィックタブレット及びポインティング装置としての対応する点及び制御セクションを有している。代替的に、それは該ディスプレイユニット、グラフィックテーブル及び対応するペンの代わりにディスプレイ及びポインティング装置としてタッチスクリーン及びペンを有することが可能である。該制御セクションはビデオタキオメーター11′の無線モジュール61と共に動作するのに適した無線ネットワークインターフェースを具備している。特に、該制御セクションは無線接続を介して投影された画像データを受取り且つ対応する画像をディスプレイユニット上に表示させることが可能である。それはユーザがペンを使用してタブレット上の1つの点にタッチする場合に、該タブレットから位置情報を得ることが可能である。それは無線接続を介して対応するデータをビデオタキオメーター11′、特に、コンピュータ54へ転送することが可能であり、従ってコンピュータ54と遠隔制御ユニット121との結合は本発明の更なる好適な例示的実施例に基づく処理ユニットを表わすものとして見ることが可能である。
【0403】
測量のために、ユーザはビデオタキオメーター11′を遠隔モードで使用することが可能であり、その場合には本装置はリフレクタステーション120から制御される。本発明の第二好適実施例に基づく以下の方法は少なくとも1つ、通常幾つかのターゲット点が調査されるべき場合に特に適している。
【0404】
最初に、ターゲット領域の投影された画像が第一実施例において説明したように発生される。
【0405】
測量作業についてのより良い概観を得るために、測量すべき、即ち調査すべき点及び既に測量された、即ち調査された、は投影された画像においてマーク付けすることが可能である。全ての制御コマンド、信号及びデータは無線インターフェースを介して本装置と動作ユニットとの間で転送される。対応するステップは図30に示してある。
【0406】
投影された画像を発生し且つ表示した後に、ステップS41において、プロセッサ113は測量すべき点の座標を読取る。プロセッサ113はこれらを座標をキーボードから、格納媒体、即ち動作パネル21のPCMCIAスロット内に挿入したコンパクトフラッシュメモリカードから、又は無線モジュール61を介して読取り且つそれらをメモリ112内に格納する。
【0407】
ステップS42において、プロセッサ113は投影された画像データ、即ち測量すべき点に対応する投影された画像のピクセルの位置を計算し且つディスプレイユニット53及び遠隔制御ユニット121を制御して投影された画像において測量すべき点に対し第一マーク124を表示させる。それは、更に、ディスプレイユニットを制御して該点を接続するポリゴン即ち多角形を表示させる。
【0408】
プロセッサ113は本装置の装置制御コンピュータ51を制御して調査モードで動作させ、即ち本装置は追跡装置を使用してリフレクタステーション120のリフレクタ122を追跡するために自動的に制御される。ユーザは、ここで、リフレクタ制御ユニット121のディスプレイユニット上の位置をモニタしながら調査すべき位置に対してリフレクタステーション120を移動させる。該制御ユニットは、望遠鏡ユニット16′をリフレクタ122の方向へ自動的に移動させる。
【0409】
ユーザが遠隔制御ユニット121上の動作要素ディスプレイを動作してその点の測量、即ち調査を完了すると、ステップS43において、プロセッサ113は例えばキーボードからのユーザの測定コマンド入力を読取り且つ本装置を制御して水平及び垂直角度及びリフレクタ122と本装置との間の距離を測定し、対応する信号を発生し且つそれらをプロセッサ113へ送る。プロセッサ113は該信号をデータへ変換し且つディスプレイユニット53及び遠隔制御ユニット121のディスプレイを制御して測定したデータを表示させ、該データもメモリ112内に格納される。
【0410】
次いで、ユーザはリフレクタステーション120を調査すべき次の点近くの位置へ移動させ且つ測定を繰り返すことが可能である。
【0411】
このプロセスは、リフレクタステーション120が与えられたトレランスで調査すべき点に到達するまで繰り返すことが可能である。点及びリフレクタステーションのビジュアルディスプレイのために、非常に僅かな数のサイクルが必要とされるに過ぎない。所望の精度に何時到達したかを決定するために、プロセッサ113は実際の測定した水平及び垂直角度と測定した距離とを対応する格納されているデータに対して比較する。
【0412】
該角度及び距離データが所定の最大エラー未満だけ異なるものである場合には、ステップS44において、プロセッサ113は第一マーク124の代わりに第二マーク125を表示する。該第二マークは、その点が調査の対象であることを表わす。
【0413】
別の適用例においては、望遠鏡ユニット16′をリフレクタステーション120へ向けて少なくとも近似的に指向させるために画像を使用する(図32及び図33参照)。
【0414】
その目的のために、上述したリフレクタステーション120も使用される。
【0415】
図32に示した如く、投影表面として円筒表面136が選択される。次いで、ターゲット領域の投影されたパノラマ画像が上述した如くに発生され且つ遠隔制御ユニット121へ転送される。
【0416】
ステップS45において、該プロセッサは表示された投影されている画像における基準点の位置データを得る。ユーザはリフレクタステーション120と本装置11′とを接続する線に沿ってターゲット領域におけるターゲット点126を視準する。次いで、ユーザはポインティング装置を使用して投影されている画像内の選択されているターゲット点を選択する。プロセッサ113はポインティング装置が操作された場合のポインティング装置の位置を読取る。
【0417】
ステップS46において、プロセッサ113は位置データからの位置に対応する水平及び垂直角度Hz及びVzを計算する。
【0418】
ステップS47において、プロセッサ113は水平及び垂直角度の形態で本装置と相対的にリフレクタステーションが近似的に位置されている方向を決定する。
【0419】
Hzreflector=180゜−Hz
Vzreflector=180゜−Vz
次いで、ステップS48において、該プロセッサは計算された水平及び垂直角度Hzreflector及びVzreflectorにより定義させるオリエンテーションに望遠鏡ユニットを移動させるべく駆動部を制御する。
【0420】
ここでユーザは望遠鏡ユニット16′の決定されたオリエンテーションにおいて開始して更なる測量作業を実施することが可能である。
【0421】
本発明をある例示的実施例に関して説明したが、多くの代替例、修正例、及び変形例が当業者にとって明らかなものであることを自明である。従って、ここで記載した本発明の例示的実施例は如何なる場合においても例示的なものであり、制限的なものでないことが意図されている。特許請求の範囲に定義されているように本発明の精神及び範囲を逸脱することなしに種々の変更を行うことを可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測量装置において、
距離測定ユニットと該距離測定ユニットの測定方向に沿って測量されるべきオブジェクトとの間の距離を表わす距離データを発生する距離測定ユニット、
該オブジェクトの二次元画像に関する画像データを発生し、該距離測定ユニットに関して定義された空間関係を具備している望遠鏡ユニット、
該オブジェクトの三次元データを受取るインターフェース、
処理ユニットであって、
画像データを発生するために該望遠鏡ユニットを制御し、
距離データを発生するために該距離測定ユニットを制御し、
表面であって、該表面の位置が該距離データに基づいて選択され且つ該表面が該三次元データにおいて定義されている形状を持っている該表面を表わす表面データを得、
該画像データを該表面データに基づいて該表面への該画像の投影を表わす投影された画像データへ変換させる、
形態とされている処理ユニット、
を有している測量装置。
【請求項2】
請求項1において、該処理ユニットが、更に、該三次元データ及び該画像データの両方において包含されている少なくとも1つの同一の特性要素を識別し且つ分析することにより画像処理によって該表面のオリエンテーションを選択する形態とされている測量装置。
【請求項3】
請求項1において、
該距離測定ユニットが水平軸及び垂直軸周りに回転すべく装着されており、
本装置が、更に、該水平軸及び垂直軸周りの該距離測定ユニットのオリエンテーションを表わすオリエンテーションデータを発生するオリエンテーションセンサーを有しており、
該処理ユニットが、更に、該オブジェクトにおける少なくとも3つの異なる位置に対して距離データを発生するために該距離測定ユニットを制御する形態とされており、該距離データは対応するオリエンテーションデータと共に該処理ユニットによって受取られ、
該処理ユニットは、更に、該オブジェクトにおける該少なくとも3つの異なる位置と関連するオリエンテーションデータ及び距離データを使用することにより該表面のオリエンテーションを決定する形態とされている、
測量装置。
【請求項4】
請求項1において、該処理ユニットが、更に、測量データとして該表面の距離に関する情報と共に少なくとも該投影された画像データを受信装置に対する格納及び送信のうちの少なくとも1つに対する形態とされている測量装置。
【請求項5】
請求項1において、前記処理ユニットが、更に、該投影された画像データによって表わされる画像の投影におけるユーザが選択した点を認識し且つ該オブジェクトにおける該選択された点の位置を決定する形態とされている測量装置。
【請求項6】
請求項1において、
該望遠鏡ユニットが水平軸及び垂直軸周りに回転すべく装着されており、
該望遠鏡が水平軸及び垂直軸周りの該望遠鏡ユニットのオリエンテーションを表わすオリエンテーションデータを発生するオリエンテーションセンサーを有しており、
該処理ユニットが、更に、
画像データが得られるべき方向であって、複数の部分的な画像がターゲット領域をカバーするようにターゲット領域の複数の二次元の部分的画像を識別する方向を決定し、
各方向における部分的画像データであって、対応するオリエンテーションデータと共に該処理ユニットによって受取られる部分的画像データを採取するために該望遠鏡ユニットを制御し、
パノラマ表面であって、円錐、円筒、球からなるグループから選択される形状を有しているパノラマ表面を表わすパノラマ表面データを得、
各々が夫々の部分的画像データの該パノラマ表面への投影を表わしている1組の投影された部分的画像データへ各方向に対する該部分的画像データを変換し、
該1組の投影された部分的画像データ及び夫々の投影された部分的画像データに対応するオリエンテーションデータに基づいて該パノラマ表面へ投影される該ターゲット領域のパノラマ画像を表わすパノラマ画像データを発生する、
形態とされている測量装置。
【請求項7】
請求項6において、該処理ユニットが、更に、測量データとして該得られたパノラマ画像データを受信装置へ格納及び送信のうちの少なくとも1つに対しての形態とされている測量装置。
【請求項8】
測量装置において、
距離測定ユニットと該距離測定ユニットの測定方向に沿って測量すべき物体との間の距離を表わす距離データを発生する距離測定ユニット、
該オブジェクトの二次元画像に関する画像データを発生し、該距離測定ユニットに関して定義された空間関係を具備している望遠鏡ユニット、
距離ユニットであって、
画像データを発生するために該望遠鏡ユニットを制御し、
距離データを発生するために該距離測定ユニットを制御し、
面であって、該面の位置は該距離データに基づいて選択され且つ該面は該オブジェクトの該二次元画像における該オブジェクトにおける少なくとも1つの楕円形及び菱形要素を識別し且つ分析することにより画像処理によって選択されたオリエンテーションを有している該面を表わす表面データを得、
該画像データを該表面データに基づいて該面に対して該画像の投影を表わす投影された画像データへ変換する、
形態とされている処理ユニット、
を有している測量装置。
【請求項9】
請求項8において、本装置は、更に、該オブジェクトにおける少なくとも1つの楕円形及び菱形要素のユーザ選択に対するインターフェースを有しており、該処理ユニットは該面のオリエンテーションの選択のために該選択された要素を使用する形態とされている測量装置。
【請求項10】
請求項8において、該処理ユニットが、更に、測量データとして該面の距離に関する情報と共に少なくとも該投影された画像データを受信装置に対して格納及び送信のうちの少なくとも1つに対する形態とされている測量装置。
【請求項11】
請求項8において、
該距離測定ユニットが水平軸及び垂直軸周りに回転すべく装着されており、
本装置が、更に、該水平軸及び垂直軸周りの該距離測定ユニットのオリエンテーションを表わすオリエンテーションデータを発生するためのオリエンテーションセンサーを有しており、
該処理ユニットが、更に、該オブジェクトにおける異なる位置に対して距離データを発生するために該距離測定ユニットを制御する形態とされており、該距離データが対応するオリエンテーションデータと共に該処理ユニットによって受取られる、
測量装置。
【請求項12】
測量装置において、
測量すべきオブジェクトの二次元画像に関する画像データを発生し、水平軸及び垂直軸周りに回転すべく装着されている望遠鏡ユニット、
該水平軸及び垂直軸周りの該望遠鏡ユニットのオリエンテーションを表わすオリエンテーションデータを発生するオリエンテーションセンサー、
処理ユニットであって、
画像データが得られるべき方向であって、複数の二次元部分画像がターゲット領域をカバーするように該ターゲット領域の複数の二次元部分画像を識別する方向を決定し、
各方向における部分的画像データであって対応するオリエンテーションデータと共に該処理ユニットにより受取られる部分的画像データを採取するために該望遠鏡ユニットを制御し、
パノラマ表面であって、円錐、円筒、球からなるグループから選択される形状を有しているパノラマ表面を表わすパノラマ表面データを得、
各方向に対する該部分画像を、各々が夫々の部分的画像データの該パノラマ表面への投影を表わしている1組の投影された部分的画像データへ変換させ、
該1組の投影された部分的画像データ及び夫々の投影された部分的画像データに対応するオリエンテーションデータに基づいて該パノラマ表面へ投影されるターゲット領域のパノラマ画像を表わすパノラマ画像データを発生する、
形態とされている処理ユニット、
を有している測量装置。
【請求項13】
請求項12において、
本装置が、更に、本装置と該距離測定ユニットの測定方向に沿って測量されるべきオブジェクトとの間の距離を表わす距離データを発生する距離測定ユニットであって、該望遠鏡ユニットに関して定義された空間関係を具備している距離測定ユニットを有しており、
該処理ユニットが、該距離データに基づいて該表面の1つの位置を得るために該オブジェクトにおける少なくとも1つの位置に対する距離データを発生するために該距離測定ユニットを制御する形態とされている、
測量装置。
【請求項14】
請求項12において、該処理ユニットが測量データとして該発生されたパノラマ画像データを受信装置へ格納及び送信のうちの少なくとも1つに対して適合されている測量装置。
【請求項15】
請求項12において、該処理ユニットが、更に、該二次元部分画像がオーバーラップするように該方向を決定し、且つ該部分画像データのピクセルデータ又は該オーバーラップ領域における投影された部分画像の部分画像データを夫々使用することにより該オーバーラップ領域における二次元部分画像のうちの少なくとも1つの投影された部分画像データ及び部分画像データのうちの少なくとも1つにおけるピクセルデータを調節する形態とされている測量装置。
【請求項16】
請求項3において、
本装置が、更に、該水平軸及び垂直軸周りに該距離測定ユニット及び該望遠鏡ユニットのうちの少なくとも1つを回転させるための回転ドライバを有しており、
該処理ユニットが決定された方向に該距離測定ユニット及び該望遠鏡ユニットを夫々回転させるために該回転ドライバを制御すべく適合されている、
測量装置。
【請求項17】
請求項16において、
本装置が該二次元画像及び該画像の投影をディスプレイユニット及びタッチスクリーン上に夫々表示するため及び該二次元画像及び該画像の投影において夫々該オブジェクトにおける位置を選択するために、ディスプレイユニット及びポインティング装置用のインターフェース及びタッチスクリーン用のインターフェースのうちの少なくとも1つを有しており、
該処理ユニットが、更に、該距離測定ユニット及び該望遠鏡ユニットの測定方向が、夫々、読取位置に対応する該オブジェクトにおける1つの位置を指し示すように該距離測定ユニット及び該望遠鏡ユニットのうちの少なくとも1つのオリエンテーションを計算し、且つ該距離測定ユニット及び該望遠鏡ユニットを夫々計算されたオリエンテーションへ移動させるために該回転ドライバを制御するために該ポインティング装置の位置及びタッチスクリーンをタッチすることにより定義される位置を読取るべく適合されている、
処理ユニット。
【請求項18】
請求項1において、該処理ユニットが命令を格納するメモリ及びプロセッサを有している測量装置。
【請求項19】
請求項1において、
該望遠鏡ユニットが結像光学系及び光学的検知器要素からなるアレイを具備しており、各検知器要素は該アレイ内において1つの位置を有しており且つ該結像光学系により該アレイ上に投影される画像に応答して該画像の点を表わすピクセルのデータを発生し、
該処理ユニットは各光学的検知器要素の位置を光路に関連づけるためのキャリブレーションデータを格納している、
測量装置。
【請求項20】
請求項19において、該処理ユニットは、
該キャリブレーションデータに基づいて、各光学的検知器要素の光路と該表面データにより表わされる表面及び該パノラマ表面データにより表わされるパノラマ表面の夫々との間の交点を解析的に検知し、且つ
該二次元画像の各ピクセル値を該表面へ夫々パノラマ表面における検知された交点へ格納する、
ことによって画像データを投影した画像データへ変換させるべく適合されている測量装置。
【請求項21】
請求項1において、
本装置がデジタル画像を表示するためのディスプレイユニット及びタッチスクリーンのうちの少なくとも1つに対するインターフェースを有しており、
該処理ユニットが該ディスプレイユニット及び該タッチスクリーンの夫々の上に該二次元画像及び該画像の投影のうちの少なくとも1つを表示すべく適合されている、
測量装置。
【請求項22】
請求項21において、
該二次元画像又は該画像の投影における該オブジェクトにおいての位置を選択するために、ポインティング装置用のインターフェースが設けられているか又は該ディスプレイインターフェースがタッチスクリーン用のインターフェースであり、
該処理ユニットが該ポインティング装置の位置又は該タッチスクリーンのタッチにより定義される表示されている画像における点を表わす少なくとも1つのピクセルを定義するデータを読取るべく適合されている、
測量装置。
【請求項23】
請求項21において、該処理ユニットが該ターゲット領域を制限する方向及び/又は該二次元画像における又は該画像の投影における位置及び好適には該ターゲット領域の範囲を定義するユーザ入力を読取ることにより該ターゲット領域を表わすターゲット領域データを採取すべく適合されている測量装置。
【請求項24】
請求項21において、該処理ユニットが、該ポインティング装置により又は該タッチスクリーンをタッチすることにより選択される画像の表示された投影における2つの位置を読取り、該画像の投影における選択された位置に対応する該オブジェクトにおける2つの位置の間の距離を決定し且つ決定された距離又は決定された距離から計算された値を表示すべく適合されている測量装置。
【請求項25】
請求項21において、該処理ユニットが、更に、該ポインティング装置により又は該タッチスクリーンをタッチすることにより選択される該画像の表示されている投影における3つの位置を読取り、該オブジェクトにおける対応する位置により定義される2つの線の間の角度を決定し且つ決定された角度又は決定された角度から計算された値を表示すべく適合されている測量装置。
【請求項26】
請求項21において、該処理ユニットが該ディスプレイユニット上に該処理ユニットにより得られたか又は格納されている付加的な情報を表示すべく適合されている測量装置。
【請求項27】
請求項21において、該処理ユニットが既に測量されたターゲット領域における位置を表わす測量データを格納し、且つ測量された位置のうちの少なくとも1つを表わすマークをディスプレイユニット上に表示させるべく適合されている測量装置。
【請求項28】
請求項21において、該処理ユニットが測量されるべき位置を表わす座標データを採取し、且つ未だに測量されるべき少なくとも1つの点を表わすマークを該ディスプレイユニット上に表示させるべく適合されている測量装置。
【請求項29】
測量装置を使用して測量データを供給する方法において、
測量すべきオブジェクトの二次元画像に関する画像データを発生し、
該測量装置の測定方向に沿って該測量装置と該オブジェクトとの間の距離を表わす距離データを生成し、
該オブジェクトの三次元データを受取り、
該距離データに基づいて面の位置を選択し且つ該三次元データにおいて定義されるような該表面の形状を選択することにより該表面を表わす表面データを得、
該イメージデータを、該表面データに基づいて該表面への該画像の投影を表わす投影した画像データへ変換する、
上記各ステップを有している方法。
【請求項30】
請求項29において、更に、該三次元データ及び該画像データの両方に包含されている少なくとも1つの同一の特性要素を識別し且つ分析することにより画像処理により該表面のオリエンテーションを決定するステップを有している方法。
【請求項31】
請求項29において、更に、
水平軸及び垂直軸周りの該測量装置のオリエンテーションを表わす対応するオリエンテーションデータと共に該オブジェクトにおける少なくとも3つの異なる位置に対する距離データを生成し、
該オブジェクトにおける該少なくとも3つの異なる位置と関連するオリエンテーションデータ及び距離データを使用することにより該表面のオリエンテーションを決定する、
上記各ステップを有している方法。
【請求項32】
請求項29において、更に、
該投影した画像データにより表わされる画像の投影におけるユーザが選択した点を認識し、
該オブジェクトにおける該選択された点の位置を決定する、
上記各ステップを有している方法。
【請求項33】
測量装置を使用して測量データを供給する方法において、
測量すべきオブジェクトの二次元画像に関する画像データを発生し、
該測量装置の測定方向に沿って該測量装置と該オブジェクトとの間の距離を表わす距離データを生成し、
該距離データに基づいて面の位置を選択することにより且つ該オブジェクトの二次元画像内の該オブジェクトにおける少なくとも1つの楕円形及び菱形要素を識別し且つ分析することにより画像処理により該面のオリエンテーションを選択することにより該面を表わす表面データを得、
該画像データを該表面データに基づいて該面への該画像の投影を表わす投影した画像データへ変換する、
上記各ステップを有している方法。
【請求項34】
測量装置を使用して測量データを供給する方法において、
各々が測量されるべきオブジェクトの二次元部分画像に関連している部分画像データが得られるべき方向を決定し、該方向は複数の二次元部分画像がターゲット領域をカバーするように該オブジェクトにおけるターゲット領域の複数の二次元部分画像を識別し、
水平軸及び垂直軸周りの該測量装置のオリエンテーションを表わす対応するオリエンテーションデータと共に各方向における部分画像データを発生し、
円錐、円筒、球からなるグループからパノラマ表面の形状を選択することにより該パノラマ表面を表わすパノラマ表面データを得、
各方向に対する該部分画像データを各々が夫々の部分画像データの該パノラマ表面への投影を表わしている1組の投影された部分画像データへ変換し、
該1組の投影された部分画像データ及び夫々の投影された部分画像データに対応するオリエンテーションデータに基づいて該パノラマ表面へ投影された該ターゲット領域のパノラマ画像を表わすパノラマ画像データを発生する、
上記各ステップを有している方法。
【請求項35】
請求項34において、更に、
該二次元部分画像がオーバーラップ領域においてオーバーラップするように該方向を決定し、
該オーバーラップ領域における投影された部分画像の投影された部分画像データ又は該部分画像データの夫々のピクセルデータを使用することにより該オーバーラップ領域における該二次元部分画像のうちの少なくとも1つの該部分画像データ及び該投影された部分画像データのうちの少なくとも1つにおけるピクセルデータを調節する、
上記各ステップを有している方法。
【請求項36】
請求項29において、
望遠鏡ユニットが結像光学系及び光学的検知器要素からなるアレイを有しており、各検知器要素は該アレイ内の位置を有しており且つ該結像光学系により該アレイ上に投影された画像に応答して該画像の1つの点を表わすピクセルのデータを発生し、光路に対する各光学的検知器要素の割り付けがキャリブレーションデータ内に格納されており、
該画像データを投影された画像データへ変換するステップが、
該キャリブレーションデータに基づいて、夫々、該表面データにより表わされる該表面及び該パノラマ表面データにより表わされる該パノラマ表面と各光学的検知器要素の光路との間の交点を解析的に検知し、
該表面及び該パノラマ表面の夫々における該検知された交点に対する該二次元画像の各ピクセル値を格納する、
ことにより実施される方法。
【請求項37】
請求項29において、更に、
該画像の表示された投影においてユーザにより選択された2つの位置を読取り、
該画像の投影における該選択された位置に対応する該オブジェクトにおける2つの位置の間の距離を決定し、
該決定された距離又は該決定された距離から計算された値を表示する、
上記各ステップを有している方法。
【請求項38】
請求項29において、更に、
ユーザにより選択された該画像の表示された投影における3つの位置を読取り、
該オブジェクトにおける対応する位置により定義される2つの線の間の角度を決定し、
該決定された角度又は該決定された角度から計算された値を表示する、
上記各ステップを有している方法。
【請求項39】
請求項29において、該測量装置が請求項1において定義されている装置である方法。
【請求項40】
測量装置の処理ユニットに対するコンピュータプログラムであって、該コンピュータプログラムが請求項29の方法を該測量装置が実施することを可能とすべく適合されているコンピュータプログラム。
【請求項41】
請求項40に基づくコンピュータプログラムを格納しているコンピュータ読取可能格納媒体。
【請求項1】
測量装置において、
距離測定ユニットと該距離測定ユニットの測定方向に沿って測量されるべきオブジェクトとの間の距離を表わす距離データを発生する距離測定ユニット、
該オブジェクトの二次元画像に関する画像データを発生し、該距離測定ユニットに関して定義された空間関係を具備している望遠鏡ユニット、
該オブジェクトの三次元データを受取るインターフェース、
処理ユニットであって、
画像データを発生するために該望遠鏡ユニットを制御し、
距離データを発生するために該距離測定ユニットを制御し、
表面であって、該表面の位置が該距離データに基づいて選択され且つ該表面が該三次元データにおいて定義されている形状を持っている該表面を表わす表面データを得、
該画像データを該表面データに基づいて該表面への該画像の投影を表わす投影された画像データへ変換させる、
形態とされている処理ユニット、
を有している測量装置。
【請求項2】
請求項1において、該処理ユニットが、更に、該三次元データ及び該画像データの両方において包含されている少なくとも1つの同一の特性要素を識別し且つ分析することにより画像処理によって該表面のオリエンテーションを選択する形態とされている測量装置。
【請求項3】
請求項1において、
該距離測定ユニットが水平軸及び垂直軸周りに回転すべく装着されており、
本装置が、更に、該水平軸及び垂直軸周りの該距離測定ユニットのオリエンテーションを表わすオリエンテーションデータを発生するオリエンテーションセンサーを有しており、
該処理ユニットが、更に、該オブジェクトにおける少なくとも3つの異なる位置に対して距離データを発生するために該距離測定ユニットを制御する形態とされており、該距離データは対応するオリエンテーションデータと共に該処理ユニットによって受取られ、
該処理ユニットは、更に、該オブジェクトにおける該少なくとも3つの異なる位置と関連するオリエンテーションデータ及び距離データを使用することにより該表面のオリエンテーションを決定する形態とされている、
測量装置。
【請求項4】
請求項1において、該処理ユニットが、更に、測量データとして該表面の距離に関する情報と共に少なくとも該投影された画像データを受信装置に対する格納及び送信のうちの少なくとも1つに対する形態とされている測量装置。
【請求項5】
請求項1において、前記処理ユニットが、更に、該投影された画像データによって表わされる画像の投影におけるユーザが選択した点を認識し且つ該オブジェクトにおける該選択された点の位置を決定する形態とされている測量装置。
【請求項6】
請求項1において、
該望遠鏡ユニットが水平軸及び垂直軸周りに回転すべく装着されており、
該望遠鏡が水平軸及び垂直軸周りの該望遠鏡ユニットのオリエンテーションを表わすオリエンテーションデータを発生するオリエンテーションセンサーを有しており、
該処理ユニットが、更に、
画像データが得られるべき方向であって、複数の部分的な画像がターゲット領域をカバーするようにターゲット領域の複数の二次元の部分的画像を識別する方向を決定し、
各方向における部分的画像データであって、対応するオリエンテーションデータと共に該処理ユニットによって受取られる部分的画像データを採取するために該望遠鏡ユニットを制御し、
パノラマ表面であって、円錐、円筒、球からなるグループから選択される形状を有しているパノラマ表面を表わすパノラマ表面データを得、
各々が夫々の部分的画像データの該パノラマ表面への投影を表わしている1組の投影された部分的画像データへ各方向に対する該部分的画像データを変換し、
該1組の投影された部分的画像データ及び夫々の投影された部分的画像データに対応するオリエンテーションデータに基づいて該パノラマ表面へ投影される該ターゲット領域のパノラマ画像を表わすパノラマ画像データを発生する、
形態とされている測量装置。
【請求項7】
請求項6において、該処理ユニットが、更に、測量データとして該得られたパノラマ画像データを受信装置へ格納及び送信のうちの少なくとも1つに対しての形態とされている測量装置。
【請求項8】
測量装置において、
距離測定ユニットと該距離測定ユニットの測定方向に沿って測量すべき物体との間の距離を表わす距離データを発生する距離測定ユニット、
該オブジェクトの二次元画像に関する画像データを発生し、該距離測定ユニットに関して定義された空間関係を具備している望遠鏡ユニット、
距離ユニットであって、
画像データを発生するために該望遠鏡ユニットを制御し、
距離データを発生するために該距離測定ユニットを制御し、
面であって、該面の位置は該距離データに基づいて選択され且つ該面は該オブジェクトの該二次元画像における該オブジェクトにおける少なくとも1つの楕円形及び菱形要素を識別し且つ分析することにより画像処理によって選択されたオリエンテーションを有している該面を表わす表面データを得、
該画像データを該表面データに基づいて該面に対して該画像の投影を表わす投影された画像データへ変換する、
形態とされている処理ユニット、
を有している測量装置。
【請求項9】
請求項8において、本装置は、更に、該オブジェクトにおける少なくとも1つの楕円形及び菱形要素のユーザ選択に対するインターフェースを有しており、該処理ユニットは該面のオリエンテーションの選択のために該選択された要素を使用する形態とされている測量装置。
【請求項10】
請求項8において、該処理ユニットが、更に、測量データとして該面の距離に関する情報と共に少なくとも該投影された画像データを受信装置に対して格納及び送信のうちの少なくとも1つに対する形態とされている測量装置。
【請求項11】
請求項8において、
該距離測定ユニットが水平軸及び垂直軸周りに回転すべく装着されており、
本装置が、更に、該水平軸及び垂直軸周りの該距離測定ユニットのオリエンテーションを表わすオリエンテーションデータを発生するためのオリエンテーションセンサーを有しており、
該処理ユニットが、更に、該オブジェクトにおける異なる位置に対して距離データを発生するために該距離測定ユニットを制御する形態とされており、該距離データが対応するオリエンテーションデータと共に該処理ユニットによって受取られる、
測量装置。
【請求項12】
測量装置において、
測量すべきオブジェクトの二次元画像に関する画像データを発生し、水平軸及び垂直軸周りに回転すべく装着されている望遠鏡ユニット、
該水平軸及び垂直軸周りの該望遠鏡ユニットのオリエンテーションを表わすオリエンテーションデータを発生するオリエンテーションセンサー、
処理ユニットであって、
画像データが得られるべき方向であって、複数の二次元部分画像がターゲット領域をカバーするように該ターゲット領域の複数の二次元部分画像を識別する方向を決定し、
各方向における部分的画像データであって対応するオリエンテーションデータと共に該処理ユニットにより受取られる部分的画像データを採取するために該望遠鏡ユニットを制御し、
パノラマ表面であって、円錐、円筒、球からなるグループから選択される形状を有しているパノラマ表面を表わすパノラマ表面データを得、
各方向に対する該部分画像を、各々が夫々の部分的画像データの該パノラマ表面への投影を表わしている1組の投影された部分的画像データへ変換させ、
該1組の投影された部分的画像データ及び夫々の投影された部分的画像データに対応するオリエンテーションデータに基づいて該パノラマ表面へ投影されるターゲット領域のパノラマ画像を表わすパノラマ画像データを発生する、
形態とされている処理ユニット、
を有している測量装置。
【請求項13】
請求項12において、
本装置が、更に、本装置と該距離測定ユニットの測定方向に沿って測量されるべきオブジェクトとの間の距離を表わす距離データを発生する距離測定ユニットであって、該望遠鏡ユニットに関して定義された空間関係を具備している距離測定ユニットを有しており、
該処理ユニットが、該距離データに基づいて該表面の1つの位置を得るために該オブジェクトにおける少なくとも1つの位置に対する距離データを発生するために該距離測定ユニットを制御する形態とされている、
測量装置。
【請求項14】
請求項12において、該処理ユニットが測量データとして該発生されたパノラマ画像データを受信装置へ格納及び送信のうちの少なくとも1つに対して適合されている測量装置。
【請求項15】
請求項12において、該処理ユニットが、更に、該二次元部分画像がオーバーラップするように該方向を決定し、且つ該部分画像データのピクセルデータ又は該オーバーラップ領域における投影された部分画像の部分画像データを夫々使用することにより該オーバーラップ領域における二次元部分画像のうちの少なくとも1つの投影された部分画像データ及び部分画像データのうちの少なくとも1つにおけるピクセルデータを調節する形態とされている測量装置。
【請求項16】
請求項3において、
本装置が、更に、該水平軸及び垂直軸周りに該距離測定ユニット及び該望遠鏡ユニットのうちの少なくとも1つを回転させるための回転ドライバを有しており、
該処理ユニットが決定された方向に該距離測定ユニット及び該望遠鏡ユニットを夫々回転させるために該回転ドライバを制御すべく適合されている、
測量装置。
【請求項17】
請求項16において、
本装置が該二次元画像及び該画像の投影をディスプレイユニット及びタッチスクリーン上に夫々表示するため及び該二次元画像及び該画像の投影において夫々該オブジェクトにおける位置を選択するために、ディスプレイユニット及びポインティング装置用のインターフェース及びタッチスクリーン用のインターフェースのうちの少なくとも1つを有しており、
該処理ユニットが、更に、該距離測定ユニット及び該望遠鏡ユニットの測定方向が、夫々、読取位置に対応する該オブジェクトにおける1つの位置を指し示すように該距離測定ユニット及び該望遠鏡ユニットのうちの少なくとも1つのオリエンテーションを計算し、且つ該距離測定ユニット及び該望遠鏡ユニットを夫々計算されたオリエンテーションへ移動させるために該回転ドライバを制御するために該ポインティング装置の位置及びタッチスクリーンをタッチすることにより定義される位置を読取るべく適合されている、
処理ユニット。
【請求項18】
請求項1において、該処理ユニットが命令を格納するメモリ及びプロセッサを有している測量装置。
【請求項19】
請求項1において、
該望遠鏡ユニットが結像光学系及び光学的検知器要素からなるアレイを具備しており、各検知器要素は該アレイ内において1つの位置を有しており且つ該結像光学系により該アレイ上に投影される画像に応答して該画像の点を表わすピクセルのデータを発生し、
該処理ユニットは各光学的検知器要素の位置を光路に関連づけるためのキャリブレーションデータを格納している、
測量装置。
【請求項20】
請求項19において、該処理ユニットは、
該キャリブレーションデータに基づいて、各光学的検知器要素の光路と該表面データにより表わされる表面及び該パノラマ表面データにより表わされるパノラマ表面の夫々との間の交点を解析的に検知し、且つ
該二次元画像の各ピクセル値を該表面へ夫々パノラマ表面における検知された交点へ格納する、
ことによって画像データを投影した画像データへ変換させるべく適合されている測量装置。
【請求項21】
請求項1において、
本装置がデジタル画像を表示するためのディスプレイユニット及びタッチスクリーンのうちの少なくとも1つに対するインターフェースを有しており、
該処理ユニットが該ディスプレイユニット及び該タッチスクリーンの夫々の上に該二次元画像及び該画像の投影のうちの少なくとも1つを表示すべく適合されている、
測量装置。
【請求項22】
請求項21において、
該二次元画像又は該画像の投影における該オブジェクトにおいての位置を選択するために、ポインティング装置用のインターフェースが設けられているか又は該ディスプレイインターフェースがタッチスクリーン用のインターフェースであり、
該処理ユニットが該ポインティング装置の位置又は該タッチスクリーンのタッチにより定義される表示されている画像における点を表わす少なくとも1つのピクセルを定義するデータを読取るべく適合されている、
測量装置。
【請求項23】
請求項21において、該処理ユニットが該ターゲット領域を制限する方向及び/又は該二次元画像における又は該画像の投影における位置及び好適には該ターゲット領域の範囲を定義するユーザ入力を読取ることにより該ターゲット領域を表わすターゲット領域データを採取すべく適合されている測量装置。
【請求項24】
請求項21において、該処理ユニットが、該ポインティング装置により又は該タッチスクリーンをタッチすることにより選択される画像の表示された投影における2つの位置を読取り、該画像の投影における選択された位置に対応する該オブジェクトにおける2つの位置の間の距離を決定し且つ決定された距離又は決定された距離から計算された値を表示すべく適合されている測量装置。
【請求項25】
請求項21において、該処理ユニットが、更に、該ポインティング装置により又は該タッチスクリーンをタッチすることにより選択される該画像の表示されている投影における3つの位置を読取り、該オブジェクトにおける対応する位置により定義される2つの線の間の角度を決定し且つ決定された角度又は決定された角度から計算された値を表示すべく適合されている測量装置。
【請求項26】
請求項21において、該処理ユニットが該ディスプレイユニット上に該処理ユニットにより得られたか又は格納されている付加的な情報を表示すべく適合されている測量装置。
【請求項27】
請求項21において、該処理ユニットが既に測量されたターゲット領域における位置を表わす測量データを格納し、且つ測量された位置のうちの少なくとも1つを表わすマークをディスプレイユニット上に表示させるべく適合されている測量装置。
【請求項28】
請求項21において、該処理ユニットが測量されるべき位置を表わす座標データを採取し、且つ未だに測量されるべき少なくとも1つの点を表わすマークを該ディスプレイユニット上に表示させるべく適合されている測量装置。
【請求項29】
測量装置を使用して測量データを供給する方法において、
測量すべきオブジェクトの二次元画像に関する画像データを発生し、
該測量装置の測定方向に沿って該測量装置と該オブジェクトとの間の距離を表わす距離データを生成し、
該オブジェクトの三次元データを受取り、
該距離データに基づいて面の位置を選択し且つ該三次元データにおいて定義されるような該表面の形状を選択することにより該表面を表わす表面データを得、
該イメージデータを、該表面データに基づいて該表面への該画像の投影を表わす投影した画像データへ変換する、
上記各ステップを有している方法。
【請求項30】
請求項29において、更に、該三次元データ及び該画像データの両方に包含されている少なくとも1つの同一の特性要素を識別し且つ分析することにより画像処理により該表面のオリエンテーションを決定するステップを有している方法。
【請求項31】
請求項29において、更に、
水平軸及び垂直軸周りの該測量装置のオリエンテーションを表わす対応するオリエンテーションデータと共に該オブジェクトにおける少なくとも3つの異なる位置に対する距離データを生成し、
該オブジェクトにおける該少なくとも3つの異なる位置と関連するオリエンテーションデータ及び距離データを使用することにより該表面のオリエンテーションを決定する、
上記各ステップを有している方法。
【請求項32】
請求項29において、更に、
該投影した画像データにより表わされる画像の投影におけるユーザが選択した点を認識し、
該オブジェクトにおける該選択された点の位置を決定する、
上記各ステップを有している方法。
【請求項33】
測量装置を使用して測量データを供給する方法において、
測量すべきオブジェクトの二次元画像に関する画像データを発生し、
該測量装置の測定方向に沿って該測量装置と該オブジェクトとの間の距離を表わす距離データを生成し、
該距離データに基づいて面の位置を選択することにより且つ該オブジェクトの二次元画像内の該オブジェクトにおける少なくとも1つの楕円形及び菱形要素を識別し且つ分析することにより画像処理により該面のオリエンテーションを選択することにより該面を表わす表面データを得、
該画像データを該表面データに基づいて該面への該画像の投影を表わす投影した画像データへ変換する、
上記各ステップを有している方法。
【請求項34】
測量装置を使用して測量データを供給する方法において、
各々が測量されるべきオブジェクトの二次元部分画像に関連している部分画像データが得られるべき方向を決定し、該方向は複数の二次元部分画像がターゲット領域をカバーするように該オブジェクトにおけるターゲット領域の複数の二次元部分画像を識別し、
水平軸及び垂直軸周りの該測量装置のオリエンテーションを表わす対応するオリエンテーションデータと共に各方向における部分画像データを発生し、
円錐、円筒、球からなるグループからパノラマ表面の形状を選択することにより該パノラマ表面を表わすパノラマ表面データを得、
各方向に対する該部分画像データを各々が夫々の部分画像データの該パノラマ表面への投影を表わしている1組の投影された部分画像データへ変換し、
該1組の投影された部分画像データ及び夫々の投影された部分画像データに対応するオリエンテーションデータに基づいて該パノラマ表面へ投影された該ターゲット領域のパノラマ画像を表わすパノラマ画像データを発生する、
上記各ステップを有している方法。
【請求項35】
請求項34において、更に、
該二次元部分画像がオーバーラップ領域においてオーバーラップするように該方向を決定し、
該オーバーラップ領域における投影された部分画像の投影された部分画像データ又は該部分画像データの夫々のピクセルデータを使用することにより該オーバーラップ領域における該二次元部分画像のうちの少なくとも1つの該部分画像データ及び該投影された部分画像データのうちの少なくとも1つにおけるピクセルデータを調節する、
上記各ステップを有している方法。
【請求項36】
請求項29において、
望遠鏡ユニットが結像光学系及び光学的検知器要素からなるアレイを有しており、各検知器要素は該アレイ内の位置を有しており且つ該結像光学系により該アレイ上に投影された画像に応答して該画像の1つの点を表わすピクセルのデータを発生し、光路に対する各光学的検知器要素の割り付けがキャリブレーションデータ内に格納されており、
該画像データを投影された画像データへ変換するステップが、
該キャリブレーションデータに基づいて、夫々、該表面データにより表わされる該表面及び該パノラマ表面データにより表わされる該パノラマ表面と各光学的検知器要素の光路との間の交点を解析的に検知し、
該表面及び該パノラマ表面の夫々における該検知された交点に対する該二次元画像の各ピクセル値を格納する、
ことにより実施される方法。
【請求項37】
請求項29において、更に、
該画像の表示された投影においてユーザにより選択された2つの位置を読取り、
該画像の投影における該選択された位置に対応する該オブジェクトにおける2つの位置の間の距離を決定し、
該決定された距離又は該決定された距離から計算された値を表示する、
上記各ステップを有している方法。
【請求項38】
請求項29において、更に、
ユーザにより選択された該画像の表示された投影における3つの位置を読取り、
該オブジェクトにおける対応する位置により定義される2つの線の間の角度を決定し、
該決定された角度又は該決定された角度から計算された値を表示する、
上記各ステップを有している方法。
【請求項39】
請求項29において、該測量装置が請求項1において定義されている装置である方法。
【請求項40】
測量装置の処理ユニットに対するコンピュータプログラムであって、該コンピュータプログラムが請求項29の方法を該測量装置が実施することを可能とすべく適合されているコンピュータプログラム。
【請求項41】
請求項40に基づくコンピュータプログラムを格納しているコンピュータ読取可能格納媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【公開番号】特開2012−181202(P2012−181202A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−107979(P2012−107979)
【出願日】平成24年5月9日(2012.5.9)
【分割の表示】特願2008−530395(P2008−530395)の分割
【原出願日】平成18年9月11日(2006.9.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.コンパクトフラッシュ
【出願人】(505093943)トリンブル イエナ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (6)
【氏名又は名称原語表記】Trimble Jena GmbH
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年5月9日(2012.5.9)
【分割の表示】特願2008−530395(P2008−530395)の分割
【原出願日】平成18年9月11日(2006.9.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.コンパクトフラッシュ
【出願人】(505093943)トリンブル イエナ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (6)
【氏名又は名称原語表記】Trimble Jena GmbH
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