説明

湯垢の除去器具

【課題】 浴槽内の湯に浮いている湯垢を玩具等を利用して楽しく且つ効率的に除去する器具を提供する。
【解決手段】 上部に平らな吸い込み口2を有し、且つ底部付近よりパイプにより誘導されて開口部3に達する排水部分を設けた容器1を、浴槽内の湯の表面と吸い込み口2を合わせて水平としたまま静かに沈め、湯の表面に浮いている湯垢を容器1内に吸い込ませる。
次にその容器1を開口部3を下にするように傾けて底の湯を浴槽内へ戻して湯量を減らし、浮いている湯垢を濃縮させた上で浴槽外に廃棄する。
この容器は、例えば白鳥の形のプラスティック製風呂用玩具とするなどの工夫をすると、幼児が楽しく遊びながら風呂の浄化をすることが出来る。
容器に穴を開け、穴を開閉しながら水面上で容器を上下しても湯垢の濃縮が出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風呂の湯が汚れたときに湯に浮いた湯垢その他の異物を風呂用玩具等の器具を利用して取り除き、風呂の湯を浄化して清潔に保つことに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、風呂の湯が汚れたことの対策としては、循環式の浄化機器を取り付けるか,湯桶や掬い網で浮いている湯垢を掬って捨てることが一般的に行われていた。
しかし、この方法には費用を要する,或いは湯垢と共に掬い取った多量の湯も同時に捨てなければならない欠点があった。
又、太陽電池を利用した小型循環装置を湯に浮かべ網で湯垢を採集する方法が実用新案として公開されている。
【0003】
【特許文献】 実公開平7−36878
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
湯垢を除去する為に湯に浮いた湯垢を吸い取る場合に湯が混入するのは避けられないところ、それを捨てる前に清潔な湯のみを分離することが出来れば分離した清潔な湯を浴槽内へ戻して湯垢のみを捨てることが出来る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明においては、容器の底付近から誘導されるパイプを通じて,或いは底付近に開いた穴から直接に、掬い取った湯のうち底にある混ざり物の無い部分を風呂の湯へ戻すことの出来る器具を提供するものである。
【発明の効果】
【0006】
上述したような器具、即ち容器1の底付近から誘導されるパイプが開口部3へ通じている器具、或いは底付近に穴6のある皿状の容器4を、それぞれ水平を保ちながら風呂の湯の中へ静かに沈め湯垢を含んだ湯を吸い込むようにして掬い入れる。そうすると、掬い入れた容器の中では湯垢は上部に浮いていて湯垢の混じらない湯は底部に溜まっている。
そこで、底部の部分を風呂の湯の中へ戻し、湯垢を含む部分を廃棄する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
図1において、容器1を浴槽内の湯の中へ入れ、吸い込み口2が湯の表面と一致するように水平に保ち、そのままの状態で少し沈める。
そうすると、浴槽内の湯の表面の部分が吸い込み口2より容器1の中へ吸い込まれる。
その場合、浴槽内の湯の表面に浮いている湯垢が容器1の中へ吸い込まれるが、同時にかなりの湯も容器1の中へ入り込む。
【0008】
容器1へ注ぎ入れる湯量をA−B線以下に止め、次に容器1を開口部3が下になるように傾けると容器内の湯の表面はC−D線へ移動し、湯の一部は開口部3を経て外部へ流出する。
その動作を浴槽内で行えば、流出する湯は浴槽内へ戻ることとなる。
その場合、流出する湯は容器1の底部付近からパイプにより開口部3へ誘導されており、湯垢は表面に浮いているので、湯垢の含まれない清潔な湯が浴槽へ戻ることとなる。
【0009】
図3において、底部付近の穴6と上部の平らな縁5を有する皿状の容器4を手に持ち、穴6に指を当てて穴6を塞ぎながら縁5を浴槽内の湯の表面に合わせて水平のまま少し沈めると、湯の表面の部分及び表面に浮いた湯垢が皿状の容器4内に吸い込まれる。
次に、穴6に当てた指を放して皿状の容器4を浴槽内の湯の表面より少し上に持ち上げると 容器4内にある湯のうち底の部分が穴6より流出して浴槽内に戻る
湯垢は表面に浮いていて底の湯には湯垢が含まれないため、浴槽内へは清潔な湯のみが戻ることとなる
【0010】
これらの操作をして残った容器内の湯が少しになったとき、図1の場合は傾きを戻して水平とし、図3の場合は穴6を再び塞いで流出を止め、湯垢の混ざった残り湯を浴槽の外へ持ち出し廃棄する。
【0011】
図1に示す容器1は例えば白鳥の形を模した風呂用玩具に、図3に示す皿状の容器4は例えば掃除器具を模した風呂用玩具に、それぞれ作成して子供に与えれば、楽しんで遊びながら浴槽の湯を清潔にする喜びを与えることが出来る。
又、図3に示す皿状の容器4の場合は穴6に開閉栓を取り付けて穴に栓をすることが出来るようにし、洗い桶や洗面器と兼用とすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【0013】
【図1】 液体が曲がったパイプを通じて開口部3に達する構造の湯垢除去器具の縦断面図
【図2】 液体が曲がったパイプを通じて開口部3に達する構造の湯垢除去器具の斜視図
【図3】 底部付近に穴6がある皿状の容器である湯垢除去器具の斜視図
【符号の説明】
【0014】
1 容器
2 吸い込み口
3 開口部
4 皿状の容器
5 縁
6 穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯に浮いた湯垢その他の異物の分離・濃縮による湯水浄化のため、上部に吸い込み口を有し、且つ底部付近より繰り出して開口部に達するパイプを有している容器であって、その開口部は容器が水平に保たれている間は上の方にあって容器内の液体は流れ出ないが、容器を開口部が下になるように傾けると開口部より容器内の液体が流出する構造となっていることを特徴とする入浴用玩具その他の器具。
【請求項2】
湯に浮いた湯垢その他の異物の分離・濃縮による湯水浄化のため、上部に吸い込み口を有し、且つ底部付近に穴を有している容器であって、その穴は指で押さえて塞ぐことが出来るか、或いはその穴を塞ぐことの出来る栓を有し、指或いは栓の操作により容器内の液体を保持したり流出させたりすることが出来る構造となっていることを特徴とする器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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