説明

湿タオル製造装置

【課題】折り畳み機構部を容易に着脱して動作させることが可能な湿タオル製造装置の提供。
【解決手段】筐体内に着脱可能なユニット6内に、所定間隔で駆動ローラ61aおよび従動ローラ61bに巻回された複数の無端環状のベルトであり、駆動ローラ61aの回転により動作して、繰り出されたタオル材を搬送する搬送ベルト61と、駆動ローラ61aを回転させる搬送用モータ62と、タオル材を搬送方向とは逆方向に折り返すべく搬送ベルト61間に往復回動自在に設けられた折り畳みアーム63と、折り畳みアーム63を回動させるための折り加工用モータ64と、折り畳みアーム63の回動軸63aを増速回動させる増速機構65と円板クランク66aの回転動作を円板クランク66bの往復回動動作に変換するリンク機構66とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不織布、紙や布等のシート材に適量の水分を含湿させた湿タオルを製造する湿タオル製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
不織布、紙や布等に適量の水分を含湿させた湿タオルは、飲食店や家庭等にて手等を拭くために広く用いられている。また、近年においては、ロール状に巻かれたシート材に水分を含湿させ、一定の長さにカットした後、折り畳み加工を行うことで、湿タオルを製造する装置が開発されている。この種の湿タオル製造装置は、その場で湿タオルを作ることができ、衛生的であるため、普及しつつある。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の湿タオル製造装置では、筐体内に、乾布ロールのタオル材を繰り出す繰り出しローラと含湿させる水噴射ノズル及びカッティング機構を設け、含湿したタオル材を折り畳む手段として搬送ベルトと折り畳みアームを設け、折り畳みアームの180度の回転往復動作によりタオル材の折り畳みを行なう。そして、この折り畳み後に搬送ベルトでタオル材を再び折り畳み位置へ搬送し、再度、折り畳みアームの回転往復動作により2回目の折り畳みを行ない、この動作を複数回行なうことで、所定回数の折り畳み湿タオルを完成させる。
【0004】
また、上記特許文献1に記載の湿タオル製造装置は、筐体内側の側壁にレール部材を有し、折り畳み機構部が筐体に対して着脱可能なユニット構成とし、折り畳み機構部のフレーム側面にレール部材を受ける溝構造を設けており、清掃、洗浄などを容易に行えるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−65730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記特許文献1に記載の湿タオル製造装置では、ユニット構成とした折り畳み機構部の駆動を、筐体に設けられたモータによって行っており、モータの駆動力を折り畳み起動部に伝達するため、この折り畳み機構部のユニットにはギアが設けられている。そのため、このユニットを筐体内に取り付ける際にはユニット側のギアとモータ側のギアとを上手く噛み合わせる必要があるが、このユニットを着脱するための開口部が狭いため、ギアが上手く噛み合っているかどうか確認することが困難である。
【0007】
そこで、本発明においては、折り畳み機構部を容易に着脱して動作させることが可能な湿タオル製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の湿タオル製造装置は、湿タオル製造装置本体の筐体内に着脱可能なユニット内に、所定間隔で駆動ローラおよび従動ローラに巻回された複数の無端環状の搬送ベルトであり、駆動ローラの回転により動作して、繰り出されたタオル材を搬送する搬送ベルトと、駆動ローラを回転させる搬送用モータと、タオル材を搬送方向とは逆方向に折り返すべく搬送ベルト間に往復回動自在に設けられた折り畳みアームと、折り畳みアームを回動させるための折り加工用モータと、折り畳みアームの回動軸を増速回動させる増速機構と、折り加工用モータの回転軸に連結された第1クランク、増速機構の回動軸に連結された第2クランク、および、第1クランクと第2クランクとを接続する連結棒からなり、第1クランクの回転動作を第2クランクの往復回動動作に変換するリンク機構とを備えたものである。
【0009】
本発明の湿タオル製造装置では、搬送用モータにより駆動ローラを回転させて動作させる搬送ベルトにより、繰り出されたタオル材を搬送し、折り加工用モータの回転により折り畳みアームを回動させ、タオル材を搬送方向とは逆方向に折り返すことにより、タオル材の折り畳みを行う。このとき、折り加工用モータの回転動作は、この折り加工用モータの回転軸に連結された第1クランク、連結棒および第2クランクにより、第2クランクの往復回動動作に変換され、増速機構を通じて折り畳みアームの回動軸を増速往復回動させる。これにより、タオル材の折り畳み動作、タオル材の折り畳み位置への搬送動作を繰り返し行うことで、所定回数折り畳まれた湿タオルが完成する。この湿タオル製造装置では、湿タオル製造装置本体の筐体内に着脱可能なユニット内に、搬送ベルト、搬送用モータ、折り畳みアーム、折り加工用モータ、増速機構およびリンク機構を備えるので、従来のようなギアの噛み合いを確認する必要がなく、容易にユニットを湿タオル製造装置本体の筐体内に着脱することができる。
【0010】
ここで、連結棒は、緩衝機構を備えたものであることが望ましい。これにより、タオル材の折り畳み動作時に、折り畳みアームや増速機構に掛かる負荷が緩衝されるので、折り畳みアームや増速機構に過負荷が掛かるのを防止することができる。
【0011】
また、緩衝機構は、伸縮ばねであることが望ましい。これにより、タオル材の折り畳み動作時に、折り畳みアームや増速機構に掛かる負荷が伸縮ばねの伸縮によって緩衝され、折り畳みアームや増速機構に過負荷が掛かるのを防止することができる。
【0012】
また、本発明の湿タオル製造装置は、ユニットが、搬送用モータおよび折り加工用モータを動作させるための電気接続用端子を備えたものであることが望ましい。これにより、ユニットを湿タオル製造装置本体の筐体内に着脱した際に、この電気接続用端子によって簡単に搬送用モータおよび折り加工用モータを湿タオル製造装置本体と電気接続することができる。
【0013】
また、本発明の湿タオル製造装置は、ユニットの内側から前記湿タオル製造装置本体の筐体に向かって付勢され、ユニットが湿タオル製造装置本体の筐体内の所定位置にあるときにユニットの内側から湿タオル製造装置本体の筐体に向かって突出し、湿タオル製造装置本体の筐体に設けられた凹部に係合する固定ピンを備えたものであることが望ましい。
【0014】
これにより、固定ピンは、ユニットの内部から湿タオル製造装置本体の筐体に向かって付勢されており、ユニットが湿タオル製造装置本体の筐体内の所定位置にあるときには、固定ピンが湿タオル製造装置本体の筐体側に設けられた凹部に係合してユニットが固定される。一方、ユニットを湿タオル製造装置本体の筐体内から取り外すときには、固定ピンを凹部から退出させることで、固定ピンと凹部との係合を解き、ユニットを容易に取り外すことができる。
【発明の効果】
【0015】
(1)湿タオル製造装置本体の筐体内に着脱可能なユニット内に、所定間隔で駆動ローラおよび従動ローラに巻回された複数の無端環状の搬送ベルトであり、駆動ローラの回転により動作して、繰り出されたタオル材を搬送する搬送ベルトと、駆動ローラを回転させる搬送用モータと、タオル材を搬送方向とは逆方向に折り返すべく搬送ベルト間に往復回動自在に設けられた折り畳みアームと、折り畳みアームを回動させるための折り加工用モータと、折り畳みアームの回動軸を増速回動させる増速機構と、折り加工用モータの回転軸に連結された第1クランク、増速機構の回動軸に連結された第2クランク、および、第1クランクと第2クランクとを接続する連結棒からなり、第1クランクの回転動作を第2クランクの往復回動動作に変換するリンク機構とを備えたことにより、従来のようなギアの噛み合いを確認する必要がなく、容易にユニットを湿タオル製造装置本体の筐体内に着脱して、動作させることが可能となる。
【0016】
(2)連結棒が緩衝機構を備えたものであることにより、タオル材の折り畳み動作時に、折り畳みアームや増速機構に掛かる負荷が緩衝されるので、折り畳みアームや増速機構に過負荷が掛かるのを防止することができ、過負荷による折り畳みアームや増速機構の破損を防止することができる。
【0017】
(3)緩衝機構が伸縮ばねであることにより、タオル材の折り畳み動作時に、折り畳みアームや増速機構に掛かる負荷が伸縮ばねの伸縮によって緩衝され、折り畳みアームや増速機構に過負荷が掛かるのを防止することができ、過負荷による折り畳みアームや増速機構の破損を防止することができる。
【0018】
(4)ユニットが、搬送用モータおよび折り加工用モータを動作させるための電気接続用端子を備えたものであることにより、ユニットを湿タオル製造装置本体の筐体内に着脱した際に、この電気接続用端子によって簡単に搬送用モータおよび折り加工用モータを湿タオル製造装置本体と電気接続することができる。
【0019】
(5)ユニットの内側から前記湿タオル製造装置本体の筐体に向かって付勢され、ユニットが湿タオル製造装置本体の筐体内の所定位置にあるときにユニットの内側から湿タオル製造装置本体の筐体に向かって突出し、湿タオル製造装置本体の筐体側に設けられた凹部に係合する固定ピンを備えたものであることにより、湿タオル製造装置本体に対してユニットを着脱した際の固定および固定解除を容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態における湿タオル製造装置の縦断面図である。
【図2】図1のコンベアユニットの縦断面図である。
【図3】図1のコンベアユニットの平面図である。
【図4】図1のコンベアユニットの正面図である。
【図5】図1のコンベアユニットの動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は本発明の実施の形態における湿タオル製造装置の縦断面図、図2は図1のコンベアユニットの縦断面図、図3は平面図、図4は正面図、図5は動作説明図である。
【0022】
図1において、本発明の実施の形態における湿タオル製造装置1は、湿タオル製造装置本体の筐体2の内部に、ロール状に巻かれたシート材としてのタオル材Pを収容するタオル材収容部3と、タオル材収容部3から繰り出されるタオル材Pを所定長さごとに切断するカッター部4と、繰り出されるタオル材Pを湿らせる湿機構部5と、繰り出されるタオル材Pの折り畳みおよび搬送を行うコンベア部6と、タオル材Pの余分な水分を受ける水受け皿7と、制御基板8と、電源9とが設けられたものである。また、筐体2の正面(図1の右側面)には操作パネル10が設けられている。
【0023】
タオル材収容部3には、ロール芯30にタオル材Pがロール状に巻かれたタオルロール31が収容される。タオル材Pとしては、例えば乾いた不織布を使用することができる。タオル材Pは、このタオル材収容部3のタオルロール31から繰り出され、カッター部4を通過し、湿機構部5により湿らされて、コンベア部6へ搬送されていく。
【0024】
カッター部4は、タオル材Pの一定量が搬送された時点でカッター回転刃40が動いてタオル材Pを切断するものである。例えば、2回折り畳まれた湿タオルを製造する場合、カッター部4は、1回の折り畳み長さの約4倍の長さが搬送された時点でタオル材Pを切断するように設定される。
【0025】
湿機構部5は、水が貯留される水タンク50と、水タンク50から供給される水を冷やして貯留する冷タンク51aと、水タンク50から供給される水を温めて貯留する温タンク51bと、冷タンク51aの水をタオル材Pに噴射する冷ノズル52aと、温タンク51bの水をタオル材Pに噴射する温ノズル52bと、冷タンク51aの水を冷ノズルホース53aを通じて冷ノズル52aへ送出する冷ポンプ54aと、温タンク51bの水を温ノズルホース53bを通じて温ノズル52bへ送出する温ポンプ54bとから構成されている。
【0026】
コンベア部6は、湿タオル製造装置本体の筐体2内に着脱可能なコンベアユニットとなっている。コンベアユニット(コンベア部6)は、図2および図3に示すように、その左右の側板60a,60bの間に、搬送ベルト61、搬送用モータ62、折り畳みアーム63、加工用モータ64、増速機構65、リンク機構66等を備えている。
【0027】
搬送ベルト61は、図3に示すように、所定間隔で駆動ローラ61aおよび従動ローラ61bに巻回された複数の無端環状の帯状ベルトからなる。駆動ローラ61aおよび従動ローラ61bは、左右の側板60a,60bにそれぞれ回転自在に軸支されている。搬送ベルト61は、駆動ローラ61aの回転により動作して、繰り出されたタオル材Pを図2および図3の右方向(搬送方向)に搬送する。
【0028】
搬送用モータ62は、駆動ローラ61aを回転させて搬送ベルト61を動作させるためのモータである。搬送用モータ62の駆動軸62aには、ローラ駆動ギア62bが固定されている。一方、駆動ローラ61aの端部には、このローラ駆動ギア62bに噛み合わされて回転するローラギア62cが固定されており、駆動ローラ61aは搬送用モータ62の回転により回転する。
【0029】
折り畳みアーム63は、タオル材Pを搬送方向とは逆方向に折り返すべく搬送ベルト61間に往復回動自在に設けられた略L字状のアームである。折り畳みアーム63は、左右の側板60a,60bに回動自在に軸支された回動軸63aを中心に約160°の範囲で往復回動するようになっている。回動軸63aにはギア65bが固定されている。
【0030】
また、このギア65bには、ギア65bよりも大径のギア65aが噛み合わされている。ギア65aは側板60aに回動自在に軸支されている。これらのギア65a,65bにより、折り畳みアーム63の回動軸63aを増速回動させる増速機構65が構成されている。
【0031】
また、側板60aには、ギア65aの回動範囲をガイドするためのガイド溝67aが設けられている。一方、ギア65aには、このガイド溝67aによってガイドされる突起67bが設けられている。この突起67bは金属製または磁石が組み込まれており、ガイド溝67aの両端部に配置された2個のセンサ12,13によってその位置が検出されるようになっている。そして、ギア65aが回動動作する際、このギア65aの突起67bがガイド溝67aによってガイドされる範囲内で往復回動動作するようになっている。なお、本実施形態においては、ギア65aが60°回動すると、ギア65bが160°回動するように設定されている。
【0032】
折り加工用モータ64は、折り畳みアーム63を回動させるためのモータであり、その回転軸64aには第1クランクとしての円板クランク66aが固定されている。なお、前述の増速機構65のギア65aは、第2クランクとしての円板クランク66bの外周部に形成されている。円板クランク66bは回動軸65cによって側板60aに回転自在に軸支されている。円板クランク66aと円板クランク66bとは、それぞれリンク軸66e,66fにより回転自在に支持する連結棒66cにより接続されている。また、連結棒66cの途中には、緩衝機構としての伸縮ばね66dを備えている。
【0033】
リンク機構66は、上記円板クランク66a、円板クランク66b、連結棒66cおよび伸縮ばね66dにより構成されており、円板クランク66aの回転動作を円板クランク66bの往復回転動作に変換する。初期状態では、突起67bがセンサ13によって検出されており、このとき折り畳みアーム63はコンベアユニット内に収納された状態となっている。
【0034】
ここで、タオル材Pの折り畳み動作について説明する。まず、図5(a)に示すように、搬送用モータ62を反時計回りに回転させ、搬送ベルト61によりタオル材Pを折り畳み位置まで搬送し、搬送用モータ62を停止する。このとき、円板クランク66aのリンク軸66eは、折り加工用モータ64の回転軸64aよりも円板クランク66bに近い位置であって、円板クランク66bに最も近い位置にある。一方、円板クランク66bのリンク軸66fは、突起67bがガイド溝67a内で移動可能な範囲内で円板クランク66aから最も遠い位置にある。このとき、伸縮ばね66dは縮んでいる。
【0035】
そして、図5(b)に示すように、折り加工用モータ64を反時計回りに回転させる。これにより、円板クランク66aが反時計回りに回転し、連結棒66cを通じてリンク軸66fが円板クランク66a側に引っ張られることにより、円板クランク66bが時計回りに回動する。これにより、ギア65aが時計回りに回動し、このギア65aに噛み合わされているギア63aが反時計回りに増速回動し、折り畳みアーム63が回動軸63aを中心に反時計回りに回動する。
【0036】
これにより、タオル材Pは、搬送方向とは逆方向に折り返される。そして、図5(b)に示すように円板クランク66bのリンク軸66eが、円弧状の軌跡を描きながら折り加工用モータ64の回転軸64aよりも円板クランク66bから遠い位置に移動し、図5(c)に示すように、リンク軸66eが円板クランク66bから最も遠い位置にきたところで、折り畳みアーム63は160°回動してタオル材Pを折り畳んだ状態となっている。このとき、突起67bはガイド溝67a内で円板クランク66aに最も近い位置にあり、センサ12により位置が検出されて、伸縮ばね66dは伸びている。この伸縮ばね66dによって、タオル材Pの折り畳み時の負荷が緩衝されている。
【0037】
続いて、折り加工用モータ64を反時計回りに回転させると、図5(d)に示すように円板クランク66aのリンク軸66eが円弧状の軌跡を描きながら折り加工用モータ64の回転軸64aよりも円板クランク66bに近い位置に移動する。これにより、連結棒66cを通じてリンク軸66fが円板クランク66aから遠ざかる方向に押され、円板クランク66bが反時計回りに回動する。これにより、ギア65aが反時計回りに回動し、このギア65aに噛み合わされているギア63aが時計回りに増速回動し、折り畳みアーム63が回動軸63aを中心に時計回りに回動する。
【0038】
これにより、タオル材Pが折り畳まれた状態のまま、図5(e)に示すように折り畳みアーム63は図5(c)の状態から時計回りに160°回動して、折り畳みアーム63はコンベアユニット内に収納される。このとき、円板クランク66aのリンク軸66eは、折り加工用モータ64の回転軸64aよりも円板クランク66bに近い位置であって、円板クランク66bに最も近い位置まで移動し、円板クランク66bのリンク軸66fは、突起67bがガイド溝67a内で移動可能な範囲内で円板クランク66aから最も遠い位置まで移動して、センサ13により位置が検出される。
【0039】
このように、本実施形態における湿タオル製造装置1では、搬送用モータ62により駆動ローラ61aを回転させて動作させる搬送ベルト61により、繰り出されたタオル材Pを搬送し、折り加工用モータ64の回転により折り畳みアーム63を回動させ、タオル材Pを搬送方向とは逆方向に折り返すことにより、タオル材Pの折り畳みを行う。このとき、折り加工用モータ64の回転動作は、この折り加工用モータ64の回転軸64aに連結された円板クランク66a、連結棒66cおよび円板クランク66bにより、円板クランク66bの往復回動動作に変換され、増速機構65を通じて折り畳みアーム63の回動軸63aを増速往復回動させる。
【0040】
このようなタオル材Pの折り畳み動作、タオル材Pの折り畳み位置への搬送動作を繰り返し行うことで、所定回数折り畳まれた湿タオルが完成する。完成した湿タオルは、湿タオル製造装置1の正面側の湿タオル受け11に排出される。この湿タオル製造装置1では、湿タオル製造装置本体の筐体2内に着脱可能なコンベアユニット(コンベア部6)内に、搬送ベルト61、搬送用モータ62、折り畳みアーム63、折り加工用モータ64、増速機構65およびリンク機構66を備えるので、従来のようなギアの噛み合いを確認する必要がなく、容易にコンベアユニットを湿タオル製造装置本体の筐体2内に着脱することが可能である。
【0041】
また、本実施形態におけるコンベアユニット(コンベア部6)は、搬送用モータ62および折り加工用モータ64を動作させるための電気接続用端子68を備えている。この電気接続用端子68には、制御基板8に接続された配線コネクタ(図示せず。)が接続される。したがって、コンベアユニットを湿タオル製造装置本体の筐体2内に着脱した際に、この電気接続用端子68によって簡単に搬送用モータ62および折り加工用モータ64を湿タオル製造装置本体と電気接続することが可能である。
【0042】
また、本実施形態における湿タオル製造装置1には、湿タオル製造装置本体に対してコンベアユニットを着脱した際の固定および固定解除を容易にするため、図3に示す固定ピン70を備えている。固定ピン70は、コンベアユニットの内側から湿タオル製造装置本体の筐体2に向かってばね71により付勢されている。
【0043】
この固定ピン70は、コンベアユニットが湿タオル製造装置本体の筐体2内の所定位置にあるとき、コンベアユニットの内側からタオル製造装置本体の筐体2に向かって突出し、湿タオル製造装置本体の筐体2側の内部ケース80に設けられた凹部81に係合するようになっている。また、固定ピン70には、外側からつまんでそれぞれ内側に移動させることができるように摘み部72が設けられている。
【0044】
内部ケース80には、コンベアユニットをスライド可能に保持するためのガイドレール82が設けられており、コンベアユニットは湿タオル受け11側の開口部(図示せず。)からこのガイドレール82に沿って着脱可能となっている。そして、コンベアユニットが湿タオル製造装置本体の筐体2内の所定位置にあるときには、固定ピン70が湿タオル製造装置本体の筐体2側に設けられた凹部81に係合して固定される。
【0045】
一方、コンベアユニットを湿タオル製造装置本体の筐体2内から取り外すときには、固定ピン70を凹部81から退出させることで、固定ピン70と凹部81との係合を解き、コンベアユニットを容易に取り外すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の湿タオル製造装置は、不織布、紙や布等のシート材に適量の水分を含湿させた湿タオルを製造する装置として有用である。
【符号の説明】
【0047】
P タオル材
1 湿タオル製造装置
2 筐体
3 タオル材収容部
4 カッター部
5 湿機構部
6 コンベア部
7 水受け皿
8 制御基板
9 電源
10 操作パネル
11 湿タオル受け
12,13 センサ
30 ロール芯
31 タオルロール
40 カッター回転刃
50 水タンク
51a 冷タンク
51b 温タンク
52a 冷ノズル
52b 温ノズル
53a 冷ノズルホース
53b 温ノズルホース
54a 冷ポンプ
54b 温ポンプ
60a,60b 側板
61 搬送ベルト
61a 駆動ローラ
61b 従動ローラ
62 搬送用モータ
62a 駆動軸
62b ローラ駆動ギア
62c ローラギア
63 折り畳みアーム
63a 回動軸
64 折り加工用モータ
64a 回転軸
65 増速機構
65a,65b ギア
65c 回動軸
66 リンク機構
66a,66b 円板クランク
66c 連結棒
66d 伸縮ばね
66e,66f リンク軸
67a ガイド溝
67b 突起
70 固定ピン
80 内側ケース
81 凹部
82 ガイドレール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湿タオル製造装置本体の筐体内に着脱可能なユニット内に、
所定間隔で駆動ローラおよび従動ローラに巻回された複数の無端環状の搬送ベルトであり、前記駆動ローラの回転により動作して、繰り出されたタオル材を搬送する搬送ベルトと、
前記駆動ローラを回転させる搬送用モータと、
前記タオル材を搬送方向とは逆方向に折り返すべく前記搬送ベルト間に往復回動自在に設けられた折り畳みアームと、
前記折り畳みアームを回動させるための折り加工用モータと、
前記折り畳みアームの回動軸を増速回動させる増速機構と、
前記折り加工用モータの回転軸に連結された第1クランク、前記増速機構の回動軸に連結された第2クランク、および、前記第1クランクと第2クランクとを接続する連結棒からなり、前記第1クランクの回転動作を前記第2クランクの往復回動動作に変換するリンク機構と
を備えた湿タオル製造装置。
【請求項2】
前記連結棒は、緩衝機構を備えたものである請求項1記載の湿タオル製造装置。
【請求項3】
前記緩衝機構は、伸縮ばねである請求項2記載の湿タオル製造装置。
【請求項4】
前記ユニットは、前記搬送用モータおよび折り加工用モータを動作させるための電気接続用端子を備えたものである請求項1または2に記載の湿タオル製造装置。
【請求項5】
前記ユニットの内側から前記湿タオル製造装置本体の筐体に向かって付勢され、前記ユニットが前記湿タオル製造装置本体の筐体内の所定位置にあるときに前記ユニットの内側から前記湿タオル製造装置本体の筐体に向かって突出し、前記湿タオル製造装置本体の筐体側に設けられた凹部に係合する固定ピンを備えた請求項1から4のいずれかに記載の湿タオル製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−92599(P2011−92599A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−251463(P2009−251463)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(303009825)株式会社ゼロ・インフィニティ (5)
【Fターム(参考)】