説明

湿度計測装置

【課題】比較的広い空間の湿度を計測するのに適した湿度計測装置を提供する。
【解決手段】送波器1は、熱誘起型であって駆動回路30からの単峰性のパルスにより駆動され非可聴の圧力波を発生させる。受波器2は、送波器1と向かい合わせに配置され、送波器1からの圧力波を受波して電気信号に変換する。計時回路32は、送波器1から受波器2への圧力波の伝播時間を計測する。測温装置33は、圧力波が伝播される媒質の温度を計測する。送波器1は、送波器1と受波器2との距離を計測する測距装置34を備える。湿度演算部35は、測距装置34が計測した距離、計時回路33が計測した圧力波の伝播時間、測温装置32が計測した温度を用いて媒質の湿度を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒質中を伝播される圧力波を利用して湿度を計測する湿度計測装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の湿度計測装置として、対向させて配置した一対の振動子の一方から超音波(圧力波)を送出させ、他方で超音波を受波することにより、両振動子の間で伝播された超音波の音速に基づいて、空気の湿度を求める構成が知られている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。特許文献1、2に記載された湿度計測装置は、湿度による音速の微小変化を捉えるために、実質的に同一形状の2つの中空体と、2組の音波発信素子と音波受波素子とを備えている。2つの中空体にはそれぞれ1組の音波発信素子と音波受波素子とが一定の距離を隔てて向かい合わせに配置される。そして、一方の中空体(参照部)には既知の湿度を有する空気(たとえば、乾燥空気)が封入され、他方の中空体は通気用小孔が開けられ、両方の中空体が近接して配置された構成としている。すなわち、特許文献1、2に記載された技術は、これらの2つの中空体の空気の湿度差によって生じる音波の到達時間差に基づいて湿度を算出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−312667号公報
【特許文献2】特開2001−242145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1、2に記載された湿度計測装置は、音波発信素子と音波受波素子とを中空体に取り付けてあり、中空体の内部空間に導入された空気の湿度を計測する構成であるから、限定された極めて狭い領域の湿度しか計測することができない。そのため、湿度に分布が生じるような広い空間において湿度の平均値を求めるには、空間から中空体に強制的に空気を取り込むか、空間の複数箇所で湿度を計測することが必要になる。
【0005】
しかしながら、中空体に強制的に空気を取り込む技術を用いて空間内の湿度の平均値を求めようとすれば、空間内の空気の全体を中空体に通過させることが必要であり、結果的に計測に長い時間を要することになる。すなわち、空間内の湿度の変化に追従することが困難であるという問題を有している。計測時間を短縮するには、単位時間当たりに中空体に空気を取り込む量を増加させることが考えられるが、中空体の内部に気流が発生し音波の伝達に影響を与えるから、湿度の計測精度が低下するという問題が生じる。
【0006】
一方、複数箇所で湿度を計測すれば、広い空間においても比較的短い時間で湿度を計測することができ、また、中空体の内部に空気を強制的に導入する必要もないから、上述した問題は解消される。しかしながら、空間の広さに応じた台数の湿度計測装置が必要になるから、導入コストが増加しやすく、また、湿度計測装置が複数台であるから、個々の湿度計測装置を設置する場所の選定に手間がかかるという問題がある。
【0007】
本発明は、比較的広い空間の湿度を計測するのに適した湿度計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、非可聴の圧力波を発生させる送波器と、送波器と向かい合わせに配置され送波器からの圧力波を受波して電気信号に変換する受波器と、送波器を駆動する駆動回路と、送波器から受波器への圧力波の伝播時間を計測する計時回路と、圧力波が伝播される媒質の温度を計測する測温装置と、送波器と受波器との距離を計測する測距装置と、測距装置が計測した距離、計時回路が計測した圧力波の伝播時間、測温装置が計測した温度を用いて媒質の湿度を算出する湿度演算部とを備えることを特徴とする。
【0009】
この湿度計測装置において、送波器は通電に伴って媒質に局所的な熱衝撃を与えて圧力波を発生させる熱誘起型の送波素子を備え、駆動回路は単峰性のパルスにより送波素子を駆動し、計時回路は、コンデンサが充電された状態において駆動回路が送波素子に通電した後にコンデンサの放電を開始し、受波器が圧力波を受波した時点におけるコンデンサの両端電圧を送波器と受波器との間での圧力波の伝播時間として出力することが好ましい。
【0010】
この湿度計測装置において、計時回路は、送波素子に通電した時点から設定された遅れ時間後にコンデンサの放電を開始する機能と、遅れ時間が可変に設定される機能とを備えることがさらに好ましい。
【0011】
この湿度計測装置において、湿度演算部は、コンデンサの両端電圧が放電開始からの時間経過に伴って線形に変化する領域で受波器が圧力波を受波するように、測距装置が計測した距離に応じて計時回路の遅れ時間を自動的に設定する機能を有することが好ましい。
【0012】
この湿度計測装置において、湿度演算部は、コンデンサの両端電圧が放電開始からの時間経過に伴って線形に変化する領域で受波器が圧力波を受波するように、測温装置が計測した温度に応じて計時回路の遅れ時間を自動的に設定する機能を有することが好ましい。
【0013】
この湿度計測装置において、測温装置は、送波器と受波器とにそれぞれ設けられた温度センサと、温度センサにより計測した温度の平均値を媒質の温度として出力する演算部とを備えることが好ましい。
【0014】
また、この湿度計測装置において、送波器は圧電素子を用いた送波素子を備え、受波器は圧電素子を用いた受波素子を備え、駆動回路は、送波素子から圧力波としての超音波を連続的に送波させることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の構成によれば、媒質中を伝播される圧力波を利用して湿度を計測するために、送波器と受波器との間の距離を計測する測距装置と、媒質の温度を計測する測温装置とを設けてあり、圧力波の伝播時間だけではなく、距離および温度を用いて湿度を求めることによって、従来構成のような中空体を必要とせず、結果的に比較的広い空間の湿度を計測することが可能になるという利点がある。したがって、農業用ハウスやクリーンルームのような比較的広い空間においても、環境変化に追従して応答性よく湿度を計測することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態1を示すブロック図である。
【図2】同上に用いる送波素子の構成例を示す断面図である。
【図3】同上に用いる受波素子の構成例を示し、(a)は一部破断した斜視図、(b)は断面図である。
【図4】同上の要部回路図である。
【図5】実施形態2を示す回路図である。
【図6】同上の動作説明図である。
【図7】他の構成例を示すブロック図である。
【図8】さらに他の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施形態1)
本実施形態は、湿度を計測する媒質で満たされた空間において、送波器から非可聴の圧力波を送出し、送波器からの圧力波を受波器で受波することにより、圧力波の伝播時間(実際には、伝播速度)を計測している。媒質の湿度は、媒質中での圧力波の伝播時間と媒質の温度とをパラメータとして以下の関係がある。具体的には、送波器と受波器との間で圧力波が伝播される距離をL[m]、伝播時間をt[s]、媒質の温度をT[K]、媒質の水蒸気圧をP[Pa]、大気圧をPA[Pa]としたときに、以下の関係が得られる。
L/t=k1{T(1+k2・P/PA)}1/2
ここで、温度Tにおける飽和水蒸気圧をPs[Pa]とし、相対湿度をRH[%]とすると、以下の関係が得られる。
RH=P/Ps×100
k1,k2は適宜に定められる係数であり、たとえば、媒質を空気とする場合は、k1=20.067、k2=0.3192を用いることができる。なお、媒質は空気を例として説明するが、他の気体であってもよい。空気以外の媒質では、係数k1,k2を変える必要がある。
【0018】
上式において、L/tは媒質中の圧力波の伝播速度であるから、圧力波の伝播速度(つまり、距離と伝播時間)を正確に求めると、湿度を求める精度が高められることになる。圧力波の伝播速度を正確に求めるには、圧力波の送波から受波までの時間、送波器と受波器との距離、送波器と受波器との温度を求める必要がある。以下では、上述した原理を用いて媒質の湿度を求める構成を具体的に説明する。
【0019】
図1に示すように、送波器1と受波器2とは向かい合わせに配置される。送波器1と受波器2との距離は湿度を計測する空間の広さに応じて適宜に設定される。なお、送波器1と受波器2との間に圧力波を反射する反射部材が配置されている場合、反射部材により圧力波の伝播する向きが変わるが、この場合も送波器1と受波器2とを向かい合わせているとみなす。要するに、送波器1から送波された圧力波を受波器2が受波できる関係であれば、送波器1と受波器2とが向かい合わせに配置されているとみなす。なお、反射部材は圧力波だけではなく光も反射することが好ましい。
【0020】
送波器1が送波する圧力波は、圧力変化が一度だけ生じる単発的なソリトンのような圧力波と、圧力変化が連続的かつ繰り返して生じる超音波のような圧力波とのいずれかを用いる。後者の圧力波は、バースト波のように複数周期の圧力変化を含む超音波を間欠的に送波することが望ましい。以下では、圧力変化が一度だけ生じる圧力波を用いる場合を説明するが、超音波を間欠的に送波する構成であっても同様の技術を採用することが可能である。
【0021】
送波器1は、たとえば、図2に示す送波素子10を備える。図示する送波素子10は、単結晶半導体であってp形の導電形を付与したベース基板11を備え、ベース基板11の一表面(図2の上面)側に、多孔質半導体からなる熱絶縁層12を介して金属薄膜からなる発熱体層13を設けてある。さらに、送波素子10は、ベース基板11の前記一表面側に、発熱体層13とオーミックに接続された一対の電極パッド14を備える。ベース基板11は平面視(図2の上面視)において長方形状に形成され、ベース基板11の前記一表面のうち熱絶縁層12を形成していない部位には半導体酸化膜からなる絶縁膜(図示せず)が形成されている。
【0022】
両電極パッド14の間には発熱体層13が設けられているから、両電極パッド14の間に通電すると発熱体層13が発熱する。ここで、発熱体層13に短時間だけ通電すると、発熱体層13の周囲の媒質が急激に加熱され媒質に局所的な熱衝撃が与えられ、発熱体層13の周囲の媒質が瞬間的に膨張と収縮とを行うことによって圧力波が発生する。この圧力波の振幅は、発熱体層13の温度の変化率に対応し、発熱体層13に通電される電流が一定になり発熱体層13の周囲の媒質の加熱量と放熱量とが均衡するようになると圧力波は停止する。この種の送波素子10を熱誘起型と称している。
【0023】
熱絶縁層12は、熱伝導率および熱容量を小さくするために、多孔度を60〜70%程度に設定してある。この構成により、発熱体層13への通電時に媒質との熱交換の効率が高められ、少ないエネルギーで振幅の大きい圧力波を発生させることができる。すなわち、エネルギーの利用効率が高くなる。また、熱絶縁層12は、熱伝導率と熱容量との積をベース基板11よりも小さくしてあり、熱絶縁層12からベース基板11に熱を逃がしやすくして、熱絶縁層12に熱が蓄積されないようにしてある。
【0024】
ベース基板11および熱絶縁層12には、シリコンのほか、ゲルマニウム、炭化ケイ素、ガリウムヒ素などの半導体材料を用いてもよい。これらの半導体材料は、陽極酸化処理による多孔質化が可能である。
【0025】
また、発熱体層13を形成する金属は、高融点の金属材料であるタングステン、モリブデン、タンタル、イリジウムなどから選択するのが好ましいが、アルミニウムなどを用いてもよい。この種の送波素子10の設計条件および製造方法は周知であるから詳述しない。なお、設計条件の一例を示すと、ベース基板11の厚み寸法を300〜700μm、熱絶縁層12の厚み寸法を1〜10μm、発熱体層13の厚み寸法を20〜100μm、電極パッド14の厚み寸法を0.5μmとすることができる。
【0026】
上述した送波素子10は、強い共振を生じる実質的な共振点がなく、発熱体層13に通電した電流波形に応じた波形の圧力波が発生する。たとえば、電流波形をガウス波形とすればガウス波形の圧力波が発生し、電流波形が矩形波状であれば立ち上がりと立ち下がりとにおいて粗密を生じる圧力波が発生する。すなわち、多くの周波数成分を含んだ圧力波を発生させることができる。
【0027】
一方、受波器2は、多くの周波数成分を含む圧力波(単峰性のパルス音波)を受波するために、共振点を持たない構成を採用することが望ましい。本実施形態では、この要求を満たすために、図3に示すように、静電容量型のマイクロホンを受波素子20に用いている。この受波素子20は、矩形状に開口する窓孔23が貫設されたフレーム21と、フレーム21の一表面側においてフレーム21の一辺に一端が片持ち支持された受圧板22とを備える。受圧板22の他端部はフレーム21の一表面に対向する。また、フレーム21と受圧板22には、互いに対向する部位に感知電極24,25が設けられる。
【0028】
フレーム21と受圧板22との接合部には、感知電極24,25の間に間隙が生じるように受圧板22を支持するとともに受圧板22に復帰力を与えるために、弾性支持部26を設けてある。したがって、受圧板22に圧力が作用すると、圧力の大きさに応じて感知電極24,25の距離が変化し、感知電極24,25の間の静電容量が変化する。すなわち、感知電極24,25の静電容量の変化を検出することにより、受圧板22に作用する圧力の変化を検出することができる。
【0029】
静電容量型のマイクロホンの構成は周知であって、上述のように、フレーム21と受圧板22とにそれぞれ感知電極24,25を設ける構成以外の構成を採用してもよい。たとえば、フレーム21に2個の感知電極を設け、感知電極間の静電容量が受圧板22との距離変化に応じて変化するのを利用する構成、この構成に加えて受圧板22にエレクトレットを設けた構成など種々構成を用いることができる。また、受波器2として、受圧板22に作用する圧力を感知電極24,25の間の静電容量に変換して検出する静電容量型のマイクロホンではなく、受圧板22の変形を歪みゲージによって検出するマイクロホンを採用してもよい。
【0030】
図1に示すように、送波器1の送波素子10は駆動回路30に接続されている。駆動回路3は、送波素子10を駆動する信号を出力する。送波素子10の駆動に用いる信号は、電流波形が矩形波状となる信号であり、所定の時間間隔で発熱体層13に通電される。したがって、送波素子10からは、矩形波の立ち上がりと立ち下がりとにおいて粗密を生じる圧力波が発生する。ここに、送波素子10を駆動する信号は単峰性のパルスであれば、矩形波状に限らずガウス波形などであってもよい。なお、単峰性とはリンギング(波打ち)部分を持たない波形を意味している。
【0031】
また、比較的短い時間間隔で複数個の圧力波をグループとして送出し、グループを単位とする圧力波を比較的長い時間間隔で送出することが望ましい。この動作では、グループとなる複数個の圧力波から得た結果を統計的に処理(異常値を除去して平均値を求めるなど)することによって、単発の圧力波から得た結果による誤差の発生を抑制することになる。また、圧力波のグループを比較的長い時間間隔で送出するから、短い時間間隔で圧力波を連続的に送出する場合よりも消費電力を低減することができる。すなわち、計測のために消費するエネルギーが低減される。
【0032】
一方、受波器2の受波素子20が圧力波を受波すると、圧力波の波形と相似になる波形を有した電気信号が受波素子20から出力される。受波素子20は増幅器31に接続されており、受波素子20から出力された電気信号は増幅部31により増幅される。
【0033】
上述したように、本実施形態において媒質の湿度を求めるには、送波器1と受波器2との間の圧力波の伝播時間と、送波器1と受波器2との間の距離と、圧力波を伝播させる媒質の温度との3種類の情報が必要である。
【0034】
本実施形態では、送波素子10が圧力波を送波してから受波素子20が圧力波を受波するまでの時間は計時回路32が計測する。また、圧力波を伝播させる媒質の温度は、送波器1に設けた測温装置33が計測する。さらに、送波器1と受波器2との間の距離は測距装置34が計測する。計時回路32が計時した伝播時間と、測温装置33が計測した媒質の温度と、測距装置34が計測した距離とは、湿度演算部35に入力される。湿度演算部35は、伝播時間、温度、距離を上述した数式に当てはめて湿度を求める。
【0035】
湿度演算部35は、マイコンを主要なハードウェア要素として構成され、湿度を計算するのに必要なプログラムおよびデータを実行することにより実現されている。そのため、湿度演算部35に入力される伝播時間、温度、距離は、デジタル値に変換されている必要がある。したがって、湿度演算部35にはアナログ−デジタル変換器(以下、「AD変換器」という)36が接続されている。また、AD変換器36は、伝播時間と温度と距離との3種類の情報をデジタル値に順次変換するから、AD変換器36には各デジタル値を湿度演算部35での演算に用いるまで保持するための記憶部37が接続されている。図示例では、AD変換器36および記憶部37を湿度演算部35とは別に設けているが、AD変換器36と記憶部37とを内蔵したマイコンを用いると、湿度演算部35とAD変換器36と記憶部37とを1つのハードウェア要素で実現することが可能である。
【0036】
計時回路32は、時間をクロック信号の個数に置き換える構成を採用することが可能であるが、本実施形態では、コンデンサの充放電を行うことにより時間をコンデンサの電荷量に置き換える構成を採用している。この構成を採用すると、電荷量が時間に対応するから校正が容易であり、またクロック信号を計数する場合に比較すると回路規模も小さくなる。計時回路32の具体的な構成は後述する。
【0037】
計時回路32はコンデンサの電荷量に対応した電圧を出力し、この電圧がAD変換器36によりデジタル値に変換され、伝播時間に相当するデジタル値として湿度演算部35に入力される。
【0038】
一方、測温装置33は、サーミスタのような温度センサ331と、温度センサ331の出力を電圧値として出力するセンサ回路332とを備える。センサ回路332の出力は電圧値であるから、計時回路32の出力と同様に、AD変換器36によりデジタル信号に変換され、湿度演算部35に入力される。
【0039】
ところで、測距装置34は、数cm〜数m程度の距離を精度よく計測可能な技術を用いている。たとえば、ビーム状の光を投光することにより対象物の表面に形成される光スポットまでの距離を三角測量法の原理によって計測する技術を用いると、比較的簡単な構成で距離を高精度に計測することが可能である。ビーム状の光は、レーザ光源を用いて投光するほか、発光ダイオードと適宜の光学系とを組み合わせて投光することも可能である。
【0040】
また、対象物の表面に形成される光スポットの位置を検出するために、PSDあるいは長手方向に二分割された領域を備えるフォトダイオードのような位置センサを用いる。この種の位置センサを光学系と組み合わせることにより、対象物の表面に形成される光スポットに対応する受光スポットを位置センサの受光面に投影することができる。位置センサからは受光スポットの位置に応じた出力が得られるから、光源側の光学系と位置センサ側の光学系とを光軸間が適宜の距離となるように配置しておけば、位置センサの出力は対象物までの距離に応じて変化することになる。すなわち、位置センサの出力を用いることにより対象物までの距離が計測される。
【0041】
この種の技術は周知であるから詳述しない。また、距離を計測する技術は、上述した技術のほかにも種々知られており、たとえば、強度を一定周期で変調した光を投光し、投受光の位相差を求めて、位相差を距離に換算する技術を測距装置34に用いてもよい。
【0042】
上述した測距装置34は、投光および受光を行う投受光部341と、投受光部341における投光の制御と受光の処理とを行い、対象物までの距離に応じた電圧値を出力する測距処理部342とを備える。測距処理部342の出力は、計時回路32および測温装置33と同様に、AD変換器36によりデジタル信号に変換され、湿度演算部35に入力される。
【0043】
図示例では、投受光部341は送波器1の器体に設けられており、測距装置34は対象物として受波器2までの距離を計測する。ここに、投受光部341から投光する光は、空気中の二酸化炭素や水蒸気による吸収率の少ない波長域であることが望ましい。したがって、たとえば、2〜2.5μmの波長域の光が用いられる。
【0044】
湿度演算部35は、計時回路32が計測した送波器1から受波器2への圧力波の伝播時間と、測温装置33が計測した媒質の温度と、測距装置34が計測した送波器1と受波器2との距離とを、上述した計算式に代入することにより、媒質の湿度を求める。ここに、送波器1は単峰性のパルスにより駆動されて圧力波を送出し、かつ圧力波の伝播時間に基づいて湿度を計測するから、連続波や間欠波を用いて減衰率により湿度を計測する構成に比較すると、湿度を応答性よく検出することができる。
【0045】
ところで、計時回路32は、送波器1が圧力波を送出してから受波器2が圧力波を受信するまでの時間を、以下の構成によって計測している。すなわち、図4に示すように、計時回路32は、コンデンサ321と、コンデンサ321に充電する充電部と、コンデンサ321の放電を制御する放電部と、充放電を支持する充放電制御部320と、コンデンサ321の両端電圧を取り出す出力部とを備える。出力部の出力が計時回路32の出力になる。
【0046】
充電部は、電源電圧(定電圧化されている)を分圧する分圧抵抗322,323と、分圧抵抗322,323とコンデンサ321との間に介在するボルテージフォロワ324とにより構成される。コンデンサ321は、充電部から充電されることにより、常時は満充電状態になっている。
【0047】
放電部は、2個のスイッチング素子325,326と抵抗327との直列回路を備える。2個のスイッチング素子325,326は、両方がオンになる状態と、スイッチング素子325のみがオンになる状態と、両方がオフになる状態との3状態が選択される。
【0048】
充放電制御部320は、スイッチング素子325,326のオンオフを制御する。充放電制御部320は、駆動回路30から与えられる放電開始信号と増幅器31の出力とからスイッチング素子325,326をオンオフさせる制御信号を生成する。充放電制御部320は、増幅器31の出力を2値化するコンパレータを備えており、コンパレータの出力と放電開始信号との組み合わせによりスイッチング素子325,326のオンオフを決定する。
【0049】
出力部は、スイッチング素子326と抵抗327との直列回路に並列に接続された抵抗328と、抵抗328の両端電圧を出力するボルテージフォロワ329とにより構成される。抵抗328は、抵抗327に対して十分に大きい値に設定されている。
【0050】
充放電制御部320は、常時は2個のスイッチング素子325,326をともにオフにしている。この状態ではコンデンサ321は放電されないから、ボルテージフォロワ324の出力により充電されている。充放電制御部320は、駆動回路30から放電開始信号を受けると、2個のスイッチング素子325,326をオンにし、抵抗327を介してコンデンサ321の放電を開始させる。その後、充放電制御部320は、増幅器31の出力により受波器2による圧力波の受波が検知されると、スイッチング素子326をオフにし、コンデンサ321の放電を停止させる。この状態では、抵抗328の両端にコンデンサ321の両端電圧が印加された状態になる。したがって、圧力波を受波した時点でのコンデンサ321の両端電圧がボルテージフォロワ329を介してAD変換器36に出力される。なお、受波器2の出力から圧力波の受波を検知には、増幅器31の出力を2値化するコンパレータの出力などを用いる。
【0051】
ここに、満充電状態であるコンデンサ321の放電開始から時間tが経過した後のコンデンサ321の両端電圧Vは、V=Vo・exp(−t/RC)の関係になる。ただし、Voはコンデンサ321の満充電状態における両端電圧、Rは抵抗327の抵抗値、Cはコンデンサ321の容量である。なお、スイッチング素子325,326のオン抵抗は、無視している(実際には、抵抗327の抵抗値に折り込む)。
【0052】
したがって、ボルテージフォロワ329の出力電圧は、送波器1から圧力波が送波されてから受波器2が圧力波を受波するまでの伝播時間を表していることになる。このようにして求めた伝播時間に相当する情報をAD変換部36でデジタル値に変換し、必要に応じて記憶部37に記憶させた後、湿度演算部35に与えるのである。
【0053】
ここにおいて、湿度演算部35は、複数個の圧力波から求められる伝播時間を統計的に処理することが好ましい。すなわち、伝播時間について、複数回の計測結果を用いることにより、伝播時間の計測値における異常値や変動成分を除去し、伝播時間の計測誤差を抑制する。このような統計的な処理を行うことにより、伝播時間の算出精度を高めることができる。
【0054】
なお、送波器1と受波器2との間での圧力波の伝播時間を計測するには、コンデンサ321の充放電を利用する技術のほか、他の周知の時間計測の技術を用いてもよい。たとえば、一定周期で発生するクロック信号をカウンタで計数する技術を用い、送波器1に駆動信号を与えた時点から受波器2で圧力波が受波されるまでの時間をクロック信号の計数値として計測してもよい。
【0055】
ところで、送波器1と受波器2とが離れて配置されているから、送波器1と受波器2とを除く構成を、送波器1および受波器2とは別に設ける場合と、送波器1と受波器2との一方の器体に振り分けて組み込む場合とが考えられる。送波器1と受波器2との器体に振り分ける場合、駆動回路30と測温装置33と測距装置34とを送波器1の器体に設け、残りの増幅部31と計時回路32と湿度演算部35とAD変換器36と記憶部37とは、受波器2の器体に設けることが望ましい。
【0056】
この構成では、送波器1において取得される情報(圧力波の送波タイミング、温度、距離)を受波器2に伝送する必要があり、送波器1と受波器2とが離れて配置されていることから、有線で情報を伝送すると配線の取り回しに手間がかかる。したがって、これらの情報は、電波または光を伝送媒体とする無線伝送路を形成して伝送することが好ましい。あるいはまた、送波器1と受波器2との電源を商用電源から得る場合には、電力線搬送技術を用いてこれらの情報を伝送することが可能である。
【0057】
本実施形態の構成によれば、単峰性のパルスで熱誘起型の送波素子を駆動して圧力波を送波するので、発生する単峰性の圧力波の圧力変化が急峻になり、受波器2において圧力波の到来時刻を高精度に計測することが可能になる。また、伝播時間を高精度に計測することができるから、圧力波の伝播速度に基づいて算出される湿度の計測精度も向上する。さらに、測距装置34を設けて送波器1と受波器2との距離を計測するから、送波器1と受波器2とを分離して配置することが可能になり、比較的広い空間の湿度を計測することが可能になる。
【0058】
その上、単峰性の圧力波を単発で発生させて湿度を計測できるので、湿度を計測する最小の時間間隔を圧力波を送波する時間間隔にすることができる。すなわち、応答性よく湿度を計測することができる。しかも、送波素子10が熱誘起型であって、送波素子10を単峰性のパルスで駆動するから、連続的な音波(超音波など)によって位相差を用いる場合に比較すると、送波素子10を駆動するエネルギーが少なく、消費エネルギーが少なくなる。
【0059】
(実施形態2)
実施形態1では、計時回路32において、送波器1が圧力波を送波すると同時に、コンデンサ321の放電を開始している。ところで、湿度演算部35では、コンデンサ321の両端電圧をAD変換器36によりデジタル値に変換しているから、計時回路32における伝播時間の分解能はコンデンサ321の両端電圧の変化幅とAD変換器36の分解能とに依存する。このことから、伝播時間の分解能は、AD変換器36の入力電圧の範囲と出力ビット数とに依存して決まることになる。一方、コンデンサ321は送波器1が圧力波を送波した時点から受波器2が圧力波を受波するまでの期間に放電されるから、コンデンサ321の両端電圧は伝播時間の計測範囲外の期間においても変化している。
【0060】
たとえば、伝播時間の計測範囲が100〜500nsであるとすると、0〜100nsの期間は計測範囲外であるから、AD変換器36の入力電圧の範囲にこの期間の電圧を含むことは無駄である。また、コンデンサ321の両端電圧は、時間に対して非線形に変化し、時間経過に伴って変化率が減少するから、時間に対する分解能および直線性を考慮すると、コンデンサ321の放電開始から放電停止までの時間は短いほうが望ましいと言える。
【0061】
上述した知見から、本実施形態では、以下に説明する技術を採用することにより、AD変換器36の性能を変更することなく伝播時間についての分解能を向上させている。すなわち、計時回路32において、送波器1に通電した時点から規定の遅れ時間後にコンデンサ321の放電を開始する構成を採用している。圧力波の伝播時間は、送波器1と受波器2との距離、媒質の温度、媒質の湿度に依存する。ただし、媒質の湿度は計測の対象であるから、本実施形態では、送波器1と受波器2との距離と、媒質の温度との少なくとも一方を用いて遅れ時間を決定している。
【0062】
そのため、本実施形態の計時回路32は、図5に示すように、駆動回路30が送波素子10に通電した時点から設定された遅れ時間後にコンデンサ321の放電を開始するタイマ部351と、タイマ部351が時限する遅れ時間を可変に設定する時間設定部352とを備えている。
【0063】
いま、図6に示すように、時刻t1において送波器1から圧力波を送出し時刻t2において受波器2で圧力波が受波される場合を想定する。ここで、時間設定部352に設定された遅れ時間がtd(<t2−t1)であるとすると、圧力波が送波器1から送波された時点から遅れ時間tdが経過した時点で、コンデンサ321の放電が開始される。すなわち、コンデンサ321の放電時間は(t2−t1)−tdであって、時刻t1から放電を開始する場合の放電時間(t2−t1)に対して、遅れ時間tdだけ短くなる。
【0064】
上述した動作によって、コンデンサ321の両端電圧に関して、経過時間に対する変化率が大きく、しかも直線性のよい領域を用いて時間が計測されることになる。そのため、AD変換器36のダイナミックレンジを有効に利用することになり、時間に関する分解能が高くなる。すなわち、AD変換器36には、図6に示す電圧Vxが入力される。
【0065】
ここに、時間設定部352は、利用者が手作業で設定する構成でもよいが、自動的に設定する構成を採用すると利便性が向上する。上述したように、圧力波の伝播時間は、送波器1と受波器2との距離、媒質の温度とに依存するから、測距装置34が計測した距離と、測温装置33が計測した媒質の温度との少なくとも一方を用いると、遅れ時間を自動的に設定する機能を時間設定部352に持たせることが可能である。
【0066】
測距装置34が計測した距離と測温装置33が計測した媒質の温度とは湿度演算部35が取得するから、湿度演算部35は、距離と温度との少なくとも一方を用いて遅れ時間を計算する機能を持たせることが望ましい。この場合、温度演算部35は、計算して求めた遅れ時間を時間設定部352に設定するから、遅れ時間が自動的に設定され、人手による遅れ時間の調節が不要になる。
【0067】
なお、遅れ時間には上限値を定めておくのが望ましい。すなわち、遅れ時間が大きすぎると遅れ時間の経過後において圧力波が検出されなくなる可能性があるから、遅れ時間には上限値を設定しておくのが望ましい。実施形態2の他の構成および動作は実施形態1と同様であるから説明を省略する。
【0068】
実施形態1、実施形態2においては、測温装置33を送波器1にのみ設けているが、受波器2にのみ設けることも可能である。また、測温装置33は、図7に示すように、送波器1と受波器2とにそれぞれ設けた温度センサ333,334を備えていてもよい。測温装置33が2個の温度センサ333,334を設ける場合、各温度センサ333,334の出力をそれぞれ電圧値に変換する2個のセンサ回路335,336を設ける。また、測温装置33には、両温度センサ333,334により計測した温度(つまり、センサ回路335,336から出力される電圧値)の平均値を媒質の温度として出力する演算部337が設けられる。演算部337は、湿度演算部35が兼用していてもよい。
【0069】
この構成では送波器1と受波器2との2箇所で計測した温度の平均値を媒質の温度として用いることにより、圧力波が伝播する空間の平均温度が得られる。したがって、送波器1と受波器2との距離が比較的大きく、送波器1が配置されている場所と受波器2が配置されている場所とに温度差が生じている場合でも、圧力波の伝播時間を精度よく検出することが可能になる。
【0070】
ところで、上述した実施形態では、単峰性の圧力波を用いて伝播時間を計測する構成例を示したが、送波器1から一定周期の連続波を送波し、受波器2で受波される連続波と比較することにより伝播時間を計測してもよい。つまり、送波器1から正弦波状の連続波(超音波)を送波すると、受波器2が受波する連続波には送波器1が送波した連続波に対して位相差が生じることを利用して伝播時間を求める。送波器1が送波した連続波と受波器2で受波された連続波との位相差を検出することにより、送波器1と受波器2との間での連続波の伝播時間が求められる。
【0071】
上述した位相差を求めるには、図8に示すように、駆動回路30から出力される駆動信号(正弦波信号)と、受波器2が受波し増幅器31で増幅された受波信号との位相を比較する位相比較器381を用いる。位相比較器381は、PLL回路に用いられている位相比較器と同様の構成であって、基本的な動作は乗算回路であって、2信号の位相差に応じた振幅を有する電圧値を出力する。位相比較器381の出力はローパスフィルタ382に通され、ローパスフィルタ382からは送波した連続波と受波した連続波との位相差に応じた電圧値が出力される。したがって、ローパスフィルタ382の出力値は、連続波の伝播時間を表していることになる。
【0072】
この構成では、計時回路33は、位相比較器381とローパスフィルタ382とにより構成される。また、送波器1と受波器2とが扱う圧力波は連続波(超音波)であるから、送波素子10および受波素子20には、超音波の送波および受波において一般に用いられている圧電素子を用いる。この種の送波素子10および受波素子20は、種々の形状や寸法のものが提供されており、安価かつ容易に入手することが可能である。すなわち、送波素子10および受波素子20の品種が豊富であることから、商品形態の幅が広がることになる。なお、図8に示す構成は、実施形態1に対応する構成を示しているが、計時回路32として実施形態2の構成と組み合わせたり、2個の温度センサ333,334を設けた構成と組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0073】
1 送波器
2 受波器
10 送波素子
20 受波素子
30 駆動回路
32 計時回路
33 測温装置
34 測距装置
35 湿度演算部
321 コンデンサ
331,332 温度センサ
333 演算部
351 タイマ部
352 時間設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非可聴の圧力波を発生させる送波器と、前記送波器と向かい合わせに配置され前記送波器からの圧力波を受波して電気信号に変換する受波器と、前記送波器を駆動する駆動回路と、前記送波器から前記受波器への圧力波の伝播時間を計測する計時回路と、圧力波が伝播される媒質の温度を計測する測温装置と、前記送波器と前記受波器との距離を計測する測距装置と、前記測距装置が計測した距離、前記計時回路が計測した圧力波の伝播時間、前記測温装置が計測した温度を用いて媒質の湿度を算出する湿度演算部とを備えることを特徴とする湿度計測装置。
【請求項2】
前記送波器は通電に伴って媒質に局所的な熱衝撃を与えて圧力波を発生させる熱誘起型の送波素子を備え、前記駆動回路は単峰性のパルスにより前記送波素子を駆動し、前記計時回路は、コンデンサが充電された状態において前記駆動回路が前記送波素子に通電した後に前記コンデンサの放電を開始し、前記受波器が圧力波を受波した時点における前記コンデンサの両端電圧を前記送波器と前記受波器との間での圧力波の伝播時間として出力することを特徴とする請求項1記載の湿度計測装置。
【請求項3】
前記計時回路は、前記送波素子に通電した時点から設定された遅れ時間後に前記コンデンサの放電を開始する機能と、前記遅れ時間が可変に設定される機能とを備えることを特徴とする請求項2記載の湿度計測装置。
【請求項4】
前記湿度演算部は、前記コンデンサの両端電圧が放電開始からの時間経過に伴って線形に変化する領域で前記受波器が圧力波を受波するように、前記測距装置が計測した距離に応じて前記計時回路の前記遅れ時間を自動的に設定する機能を有することを特徴とする請求項3記載の湿度計測装置。
【請求項5】
前記湿度演算部は、前記コンデンサの両端電圧が放電開始からの時間経過に伴って線形に変化する領域で前記受波器が圧力波を受波するように、前記測温装置が計測した温度に応じて前記計時回路の前記遅れ時間を自動的に設定する機能を有することを特徴とする請求項3記載の湿度計測装置。
【請求項6】
前記測温装置は、前記送波器と前記受波器とにそれぞれ設けられた温度センサと、前記温度センサにより計測した温度の平均値を媒質の温度として出力する演算部とを備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の温度計測装置。
【請求項7】
前記送波器は圧電素子を用いた送波素子を備え、前記受波器は圧電素子を用いた受波素子を備え、前記駆動回路は、前記送波素子から圧力波としての超音波を連続的に送波させることを特徴とする請求項1記載の温度計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−225756(P2012−225756A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−93302(P2011−93302)
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】