説明

湿式サウナ装置

【課題】湿式サウナ装置を提供する。
【解決手段】前記湿式サウナ装置は、家庭用給湯温水及び熱交換加湿パッドにより所定温度の水蒸気排出ができるようにしたものであって、そのため別途の水蒸気発生熱源のスチーム発生器を必要とせず、従来の湿式サウナ装置の短所として指摘されていた予熱時間も短縮するとともに、電力消費量を節減できて経済的な負担を最小化することができる。また、電気工事及び配管工事の最小化によって設置が簡便であり、感電や火事の危険性も低減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湿式サウナ装置に関し、より詳しくは、別途の水蒸気発生熱源を必要とせず、家庭用給湯温水と加湿パッドを用いて湿式サウナができる湿式サウナ装置(Hydro sauna equipment)に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、サウナは水蒸気を利用するか、または高温乾燥の熱気を利用して入浴するものであって、血液循環とともに汗などのような老廃物を排出して新陳代謝を促進することで、東洋と西洋とを問わず、従来からよく利用されてきた。
【0003】
サウナの効能は、蒸気や熱気により次第に身体機関が活性化されて心臓搏動が早くなるため血液循環がよくなる。それとともに、血管が拡張されて肌や筋肉の栄養状態もよくなる。また神経や筋肉の疲れを取ったり、緩和させたりするのみでなく、老廃物を除去することで身体の全般的なコンディションを改善できることが既に立証されている。
【0004】
すなわち、スチームを利用するサウナの場合、40〜50℃程度の低い温度でも多くの汗を流すことができ、体内に蓄積した老廃物と疲労物質を体外に排出して疲れとストレスを取ることができ、汗を繰り返して排出することで皮膚美容にも効果がある。その他にも毛細管を拡張させて血流をよくさせ、成人病の予防や治療にも効果がある。
【0005】
このようなサウナは、通常、蒸し風呂や銭湯または家庭用風呂などに主に用いられ、その種類は乾式と湿式とに区分されており、湿式サウナ装置は水を加熱してスチーム(蒸気)を発生させるものである。
【0006】
しかし、従来の湿式サウナ装置は、水蒸気となる原水を加熱するための水蒸気発生熱源としてスチーム発生器を必ず設けなければならなく、それにより、スチーム発生器の動作に伴う予熱時間が長く、電力を多く消費するため経済的な負担が加重されるとともに、電気工事及び配管工事が必要となるなど、その設置も複雑で、感電や火事の危険性が非常に高いという短所を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】大韓民国特許公報第20−0135902号明細書
【特許文献2】大韓民国出願公開第1999−0001170号明細書
【特許文献3】大韓民国特許公報第20−0311372号明細書
【特許文献4】大韓民国特許公報第20−0431642号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、上記のような従来の問題点を解決するために案出されたことであり、家庭用給湯温水と加湿パッドを介して所定温度の水蒸気の排出ができるようにする湿式サウナ装置を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明湿式サウナ装置は、所定温度の家庭用給湯温水が供給される温水配管が接続されていて、下端一側にはスチーム排出口が形成される本体部と、前記本体部の外気流入ホールに固定設置され、前記温水配管を介して供給される所定温度の家庭用給湯温水を吸収して前記外気流入ホールを介して流入される外気を所定温度に熱交換する加湿パッドと、前記本体部内に形成され、前記加湿パッドに吸収された後に熱交換を行って排出される落水を保存する落水受け部と、前記本体部内に設けられ、前記加湿パッドにより所定温度に熱交換する外気(水蒸気)を、前記スチーム排出口を介して本体部の外部に吐き出す送風機と、前記送風機の送風動作を制御するマイコンとを含む。
【0010】
また、前記温水配管には、家庭用給湯温水に対する供給可否を決定するバルブと温水散布管が接続構成されていて、前記バルブは使用者により受動で制御する開閉バルブ、または前記マイコンにより制御する電子バルブによって構成される。
【0011】
また、前記加湿パッドは、炭または活性炭のような機能性材料を含む。
【0012】
また、前記落水受け部は、ドレイン配管が接続構成されている。
【0013】
また、前記ドレイン配管は、その一端に加湿パッドが位置する前記本体部の上側に接続され、閉ループをなすリターン配管に接続されており、前記リターン配管には、所定温度以下に下がった状態で前記ドレイン配管にドレインされる家庭用給湯温水を前記加湿パッドに再循環するように、前記マイコンの制御に従ってポンピング動作するポンプ及び前記マイコンの制御に従って前記ポンプにより再循環する家庭用給湯温水を水蒸気発生のための所定温度に再加熱するヒータ部と接続構成されている。
【0014】
また、前記加湿パッドは、バルブの閉鎖制御時、前記マイコンが送風機を所定時間の間に駆動制御することによって乾燥することができる。
【発明の効果】
【0015】
このような本発明の湿式サウナ装置は、家庭用給湯温水と熱交換加湿パッドを介して所定温度の水蒸気の排出ができるようにしたものであって、これにより、別途の水蒸気発生熱源であるスチーム発生器を必要とせず、従来の湿式サウナ装置の短所として指摘されていた予熱時間を短縮することができるとともに、電力消費量を低減して経済的な負担を最小化し、同時に、電気工事及び配管工事の最小化して設置が簡便であり、かつ感電や火事の危険性も低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る湿式サウナ装置の構造を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る湿式サウナ装置の構造を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係る湿式サウナ装置の構造を示す断面図であり、図2は、本発明の実施形態に係る湿式サウナ装置の構造を示す正面図である。
【0019】
図1及び図2に示すように、本発明の実施形態に係る湿式サウナ装置は、本体部10、加湿パッド20、落水受け部30、送風機40、そして、マイコン50を含み、さらにポンプ60とヒータ部70とを含む。
【0020】
前記本体部10には、ボイラのような暖房装置によって給湯された約60〜90℃の家庭用給湯温水が供給できるようにする温水配管L1が上端に接続され、下端一側にはスチーム排出口D1が形成される。
【0021】
このとき、前記温水配管L1には、家庭用給湯温水の供給可否を決定するためのバルブV及び温水散布管80が設けられ、前記バルブVは使用者により開閉が行われる開閉バルブまたは前記マイコン50により開閉が制御される電子バルブのうちいずれか1つを選択的に適用することができる。
【0022】
前記加湿パッド20は、前記60〜90℃に加熱して供給される家庭用給湯温水を吸収して前記本体部10の外気流入ホール(図示せず)を介して流入された外気を35〜50℃の温度に熱交換させ、前記本体部10の外気流入ホール(図示せず)に固定設置されるものであって、前記外気を熱交換させた後の家庭用給湯温水の落水は前記落水受け部30に自然落下されて保存される。
【0023】
このとき、前記加湿パッド20による家庭用給湯温水の熱交換は、加湿パッド20に吸収されたた60〜90℃の給湯温水が前記加湿パッド20に吸収される間に熱が大気と接触して自然に温度が下がることを意味する。
【0024】
ここで、前記加湿パッド20は、前記本体部10のスチーム排出口D1を介して水蒸気排出が行われる際に人体に有益な炭または活性炭のような機能性材料が添加される。前記添加方式としては、パウダー粉末形態として添加するか、または前記加湿パッド20の製造段階で添加することができる。
【0025】
前記落水受け部30は、前記本体部10内の前記加湿パッド20の下側に形成され、前記加湿パッド20において35〜50℃に外気を熱交換させた所定量の落水が保存されるように構成されている。
【0026】
ここで、前記落水受け部30はドレイン配管L2の一端に接続され、前記落水受け部30に落水された温水を外部に排出することができる。
【0027】
前記送風機40は、前記本体部10内の下端に設けられたクロスフローファンであって、前記加湿パッド20において熱交換した外気(水蒸気)を、前記スチーム排出口D1を介して本体部10の外部に吐き出すように送風動作を行うもので、前記の送風動作は前記マイコン50の制御によって行われる。
【0028】
ここで、前記マイコン50は、湿式サウナ装置を使用中止させるためにバルブVを閉鎖する際、前記送風機40を所定時間(例えば3〜4分)駆動制御することで、前記加湿パッド20の乾燥ができる制御プログラムを備える。
【0029】
前記ポンプ60及びヒータ部70は、前記ドレイン配管L2に接続するリターン配管L3に形成されたものであって、前記リターン配管L3は前記加湿パッド20が位置する前記本体部10の上側に接続されて閉ループをなし、前記ドレイン配管L2を介してドレインする35〜50℃以下の落水を前記加湿パッド20にリターンさせるように構成される。
【0030】
前記ポンプ60は、前記マイコン50により制御されて前記ドレイン配管L2を介して35〜50℃以下温度に下がった給湯温水を、前記リターン配管L3を介して加湿パッド20に再循環するようにポンピング動作を行うものであって、前記ヒータ部70は前記マイコン50により制御されて前記ポンプ60でポンピングする35〜50℃の給湯温水を水蒸気が生成できる60〜90℃の温度に再加熱するように構成されている。
【0031】
すなわち、本発明の実施形態に係る湿式サウナ装置は、添付の図1及び図2に示すように、通常の暖房装置であるボイラの稼動時に生成する60〜90℃の家庭用給湯温水を熱源とした状態で、前記家庭用給湯温水を加湿パッド20に吸収させて本体部10内に流入する外気を30〜50℃に熱交換させ、前記熱交換が行われた外気(水蒸気)を送風機40の送風動作によって前記本体部10から外部に吐き出すことによって、サウナ用の水蒸気が生成するようにしたものである。
【0032】
この場合、本発明では、前記送風機40の送風動作によって吐出しが行われる外気(水蒸気)の他に、前記落水受け部30に落ちる給湯温水はその温度が35〜50℃以下に下がって、ドレインラインL1を介してドレインされる際に、これをヒータ部70が再加熱してリターン配管L3とポンプ60を介して前記加湿パッド20に再循環させることによって、従来の湿式サウナ装置よりも電力消費量を低減し、水蒸気発生効率はさらに極大化することができる。
【0033】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された事項によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0034】
10 本体部 20 加湿パッド
30 落水受け部 40 送風機
50 マイコン 60 ポンプ
70 ヒータ部 80 温水散布管
L1 温水配管 L2 ドレイン配管
L3 リターン配管 D1 スチーム排出口
V バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定温度の家庭用給湯温水が供給される温水配管が接続され、下端一側にはスチーム排出口が設けられた本体部と、
前記本体部の外気流入ホールに固定設置され、前記温水配管を介して供給される所定温度の家庭用給湯温水を吸収して前記外気流入ホールを介して流入される外気を所定温度に熱交換する加湿パッドと、
前記本体部内に設けられ、前記加湿パッドに吸収された後、熱交換が行われて排出される落水を保存する落水受け部と、
前記本体部内に設けられ、前記加湿パッドにより所定温度に熱交換する外気(水蒸気)を、前記スチーム排出口を介して本体部の外部に吐き出す送風機と、
前記送風機の送風動作を制御するマイコンと、
を含んで構成されることを特徴とする湿式サウナ装置。
【請求項2】
前記温水配管は、家庭用給湯温水に対する供給可否を決定するバルブと温水散布管が構成され、前記バルブは使用者により受動制御される開閉バルブ、または前記マイコンにより制御される電子バルブで構成されることを特徴とする請求項1に記載の湿式サウナ装置。
【請求項3】
前記加湿パッドは、炭または活性炭のような機能性材料を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の湿式サウナ装置。
【請求項4】
前記落水受け部は、ドレイン配管を接続構成することを特徴とする請求項1に記載の湿式サウナ装置。
【請求項5】
前記ドレイン配管は、加湿パッドが位置する前記本体部の上側に接続されて閉ループをなすリターン配管を接続し、
前記リターン配管は、所定温度以下に下がった状態で、前記ドレイン配管にドレインされる家庭用給湯温水を前記加湿パッドに再循環することができるように、前記マイコンの制御によりポンピング動作するポンプ及び前記マイコンの制御により前記ポンプで再循環する家庭用給湯温水を水蒸気の生成できる所定温度に再加熱するヒータ部を接続構成することを特徴とする請求項4に記載の湿式サウナ装置。
【請求項6】
前記加湿パッドは、バルブの閉鎖制御時、前記マイコンが送風機を所定時間駆動制御することで乾燥されることを特徴とする請求項1に記載の湿式サウナ装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−142632(P2010−142632A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−35223(P2009−35223)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(509047649)韓一電氣エムエムシー株式會社 (1)
【出願人】(509047661)韓一電氣株式會社 (1)
【出願人】(509047650)新韓一電氣株式會社 (1)
【Fターム(参考)】