説明

滑止め具付ホイール

【課題】滑止め具の着脱が容易でかつその構成がシンプルであり、コンパクトにかつ確実に収納できて、タイヤの接地面の十分な摩擦力向上効果を発揮し、しかも、耐久性に優れた滑止め具付ホイールを提供する。
【解決手段】リム4及びディスク3からなるホイール2aと、ディスク3に設けられる滑止め具6aとを有し、滑止め具6aは、緩やかな凸状の反りを形成して表裏反曲可能な平板状作用片10と、この平板状作用片10の長手方向の一の端部を支持固定するとともに、平板状作用片10をディスク3面に対して垂直にディスク3中心側とリム4側との間で回動可能に軸支する軸棒12と、平板状作用片10の他の端部近傍に設けられる滑動抑止材7とを備え、ディスク3は、リム4とディスク3の中央部とをつなぐスポーク5により形成され、軸棒12は、隣り合うスポーク5の間に掛渡されることを特徴とする滑止め具付ホイールによる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積雪時等にタイヤのスリップを防止して車体の制動性向上するための滑止め具を備えたホイールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冬季の積雪対策として事前にスノータイヤやスタッドレススノータイヤを装着するほか、緊急時の積雪対策として主にタイヤチェーンの装着する方法が一般に知られている。
しかしながら近年、地球温暖化等の影響により積雪や凍結は断続的に起こるようになってきており、その都度タイヤチェーンを装着したり、スノータイヤやスタッドレススノータイヤに取り替えることは極めて煩雑であった。
このような課題に対処する目的で、簡単な構成でスリップの防止に対処できるホイールに関する発明や考案が開示されている。
【0003】
特許文献1には「護謨「タイヤ」車輪ノ滑止装置」という名称で、ホイールに常設され、必要なときだけ使用することができる車輪の滑止装置に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示される発明は、護謨「タイヤ」上ニ列設サレ、之ヲ抱護滑止子ヲ使用シタル護謨「タイヤ」車輪ノ滑止装置ニ於イテ各滑止子ヲ夫々車輪ノ軸心ニ平行スル樞軸廻リニ廻動シ得ヘクナシタル軸腕上ニテ旋回シ得ヘクシ該軸腕ヲ豫メ前記車輪軸心ニ平行ナル樞軸ノ廻リニ旋回スルコト無クシテ該滑止子ヲ使用状態ヨリ輻射方向ニ旋回シ得ヘクナシタルテンヲ特徴とするものである。
上記構成の特許文献1に開示される発明によれば、護謨「タイヤ」を保持するリム上に、このリムの形状に沿って設けられる取付輪が周設され、この取付輪上にフック状の滑止子が、ディスクの中心に向って反転し、さらに、この状態からディスクの中心とリムの外縁を結ぶ直線に対しても反転するように設けられることで、必要時にフック状の滑止子を護謨「タイヤ」に素早く装着するとともに、不使用時にはこの滑止子を車輪の内側に収納することができるという効果を有している。
【0004】
特許文献2には「雪上走行用滑止具」という名称で、自動車タイヤの滑止具に関する考案が開示されている。
特許文献2に開示される考案は、タイヤの接地面に掛止杆を定置するとともに、これを回動してタイヤの側面に収納するようにして成ることを特徴とするものである。より具体的には、タイヤの一側面に取付ける取付板に適当間隔をおいて掛止板を設け、曲折先端部および水平部を有する掛止杆の垂直部を前記掛止板の垂直掛止部に挿通するとともに回動し得るようにし、前記掛止杆の水平部を掛止板の水平掛止部に接離するようにし、対角線上にある掛止杆の垂直掛止部間に弾性帯を懸架して取付けて成ることを特徴とするものである。
上記構成の特許文献2に開示される考案によれば、特に雪国地方において必要な自動タイヤの滑止め具の取付けと取外しとが、当該器具をタイヤ部分に装着したままの状態で迅速かつ確実に行うことができるようになり、何人も手数をかけずに簡単にその作業をすることができ、冬期間は路上事情に合わせて臨機応変に対処することができるようになる。
【0005】
【特許文献1】特許第133876号公報
【特許文献2】実開昭63−7002号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
通常、車輪の滑止め効果を発揮させるためには、必ずしもタイヤの接地面を横断するような大型の滑止のための器具を装着する必要はない。
特許文献1においては、護謨「タイヤ」の接地面を横断するように滑止子を設けているため、護謨「タイヤ」を備える車輪の内側に、大きな滑止子を収納するための凹部を形成しておく必要があった。
しかしながら、現在、一般的に流通している車のホイールのディスク部分に滑止子を収納するために凹部を形成した場合、車輪の強度が不十分になるおそれがあった。また、ホールのデザイン性が低下してしまうおそれもあった。
さらに、特許文献1に開示される発明においては、滑止子を装着又は収納するための複雑な構成を有するため、構成部品数も多く、この結果、装置自体が重くなってしまい、車両の燃費を節約し難いという課題もあった。
【0007】
特許文献2に記載の発明も特許文献1に記載の発明と同様に、タイヤの接地面を横断するような掛け手を複数本備えて、また、この掛け手を安定した状態でタイヤに取付けるためには様々な部品を必要としているため、やはり、タイヤの重量が大きくなってしまい車体の燃費を削減し難いという課題があった。
また、特許文献2に開示されるようなホールキャップを装着するためには、ホイールの特にディスクの形状を特定の形状に加工しておく必要があり、ホイールのデザイン性を広げることが難しいという課題もあった。
【0008】
本発明はかかる従来の課題に対処してなされたものでありその目的は、車輪のタイヤに十分な滑止め効果を付与しつつ、そのための構成が軽量でかつ着脱操作が容易であり、しかも、既存のホイールを用いて容易に製造することができる滑止め具付ホイールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため請求項1記載の滑止め具付ホイールは、リム及びディスクからなるホイールと、ディスクに設けられる滑止め具とを有し、滑止め具は、緩やかな凸状の反りを形成して表裏反曲可能な平板状作用片と、この平板状作用片の長手方向の一の端部を支持固定するとともに、平板状作用片をディスク面に対して垂直にディスク中心側とリム側との間で回動可能に軸支する軸棒と、平板状作用片の他の端部近傍に設けられる滑動抑止材とを備えることを特徴とするものである。
上記構成の発明において、リムを構成する円筒体は、その外側面でタイヤを支持固定するという作用を有する。また、このリムの内側に設けられるディスクはリムを補強するとともに、シャフトの回転をリムに伝達するという作用を有する。また、滑止め具は、タイヤの接地面における摩擦力を高めるという作用を有する。
また、滑動抑止材を支持する平板状作用片は表裏反曲することで、特に平板状作用片をタイヤの側面に添うように湾曲させた場合には、タイヤの接地面上に略一定間隔ごとに滑動抑止材を配設するという作用を有する。また、この逆方向に平板状作用片を反曲させた場合には、平板状作用片をディスク上における収納に適した形態にするという作用を有する。
さらに、軸棒は、平板状作用片を支持固定するとともに、平板状作用片をディスク面に対して垂直にディスク中心側とリム側との間を回動させるという作用を有する。
そして、滑動抑止材は、タイヤの接地面上に略等間隔に配置されて、タイヤの接地面の摩擦力を高めるという作用を有する。
また、平板状作用片は、緩やかな凸状の反りを形成して表裏反曲可能に構成されることで、それ自体が弾性体として作用する。このため、平板状作用片に負荷がかかった場合、平板状作用片はそれ自体が弾性変形(撓んで)力を逃がすという作用を有する。
【0010】
請求項2記載の発明である滑止め具付ホイールは、請求項1に記載の滑止め具付ホイールであって、ディスクは、リムとディスクの中央部とをつなぐスポークにより形成され、軸棒は、隣り合うスポークの間に掛渡されることを特徴とするものである。
上記構成の発明は、請求項1記載の発明と同じ作用に加えて、スポークは軸棒を支持するという作用を有する。この結果、ディスクへの滑止め具の取付けを容易にするという作用も有する。
【0011】
請求項3記載の発明である滑止め具付ホイールは、請求項2に記載の滑止め具付ホイールであって、前記軸棒は、その側面に凹部を具備し、ディスクは、凹部に咬み合うことで前記軸棒の回動を抑制する嵌合材を備えることを特徴とするものである。
上記構成の発明は、請求項2記載の発明と同じ作用に加えて、軸棒の側面に形成される凹部は、嵌合材と咬み合わせ構造を形成するという作用を有する。また、嵌合材は、軸棒の凹部と咬み合った場合に、軸棒の回動を抑制するという作用を有する。
【0012】
請求項4記載の発明である滑止め具付ホイールは、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の滑止め具付ホイールであって、平板状作用片は鋼材からなり、ディスク上に平板状作用片が配置される場合に、軸に支持固定されない側の平板状作用片の端部は、ディスク上に設けられる磁性体により磁着保持されることを特徴とするものである。
上記構成の発明は、請求項1乃至請求項3記載のそれぞれの発明と同じ作用に加えて、平板状作用片を鋼材により構成することで、平板状作用片の磁性体による磁着を可能にするという作用を有する。
また、ディスク上に磁性体を設けることで、滑動抑止材をタイヤの接地面に配置しない場合に、平板状作用片をディスク上に磁着して安定した状態で保持するという作用を有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の請求項1記載の発明によれば、積雪時や路面凍結時等の必要なときだけ簡単な操作でタイヤの接地面に略等間隔で滑動抑止材を配置することができるという効果を有する。
より具体的には、請求項1記載の発明は、ホイールのディスク上にあたかも花弁のように滑動抑止材を備えた滑止め具の平板状作用片が軸棒を介して複数取設され、必要に応じて、この花弁状の平板状作用片をリム側に軸棒を基軸にリム側に傾倒させるとともに、この平板状作用片を、ディスク平面に対する法線方向に凸部が形成されるように反らせることで、円筒体からなるリムの側面に装着されるタイヤの接地面上に滑動抑止材を略等間隔に配置することができるという効果を有する。
そして、この状態で積雪又は凍結した路面上を走行すると、滑止め具に設けられる滑動抑止材によりタイヤの接地面における摩擦が大きくなり、タイヤがスリップしたり、空転したりするのを防止することができるという効果を有する。
この結果、請求項1に記載の滑止め具付ホイールを備えた車輪を有する車両の制動性を向上することができるという効果を有する。
しかも、平板状作用片は、反りを有することでそれ自体が弾性体として作用する。このため、車体の重量等の負荷が平板状作用片に作用した場合に、平板状作用片はタイヤ内部の空隙の圧潰に応じて自ら弾性変形して(撓んで)その力を逃がすことができるという効果を有する。
従って、請求項1記載の発明にタイヤを装着して走行した際に、タイヤの接地面から滑止め具が離間したり、平板状作用片自体に過剰な負荷がかかって破損又は損傷するのを防止することができるという効果を有する。
他方、滑止め具を使用しない場合に、平板状作用片を、その凸部をディスク面の法線方向を向くように反らせた状態でディスク上に配置することで、平板状作用片の弾性力により、ディスク上に平板状作用片を安定した状態で保定することがきるという効果を有する。この結果、滑止め具を使用しない場合に、ディスク上に安定した状態で平板状作用片を保持することができるという効果も有する。
このように、請求項1記載の発明によれば、必要時にタイヤの接地面への装着が極めて容易で、かつ、十分なスリップ防止効果を期待することができ、破損し難く、しかも、簡素な構造の滑止め具付ホイールを提供することができるという効果を有する。
【0014】
本発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同じ効果に加え、隣り合うスポークのそれぞれの間に軸棒を掛渡すように配置して滑止め具を設けることで、請求項2に記載のホイールの製造を容易にすることができ、その製造コストを削減することができるという効果を有する。
【0015】
本発明の請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明と同じ効果に加えて、軸棒の側面に凹部を形成し、この凹部と嵌合材とで咬み合わせ構造を形成することで、軸棒を基軸に回動する平板状作用片を、所望の回動位置に安定した状態で保定することができるという効果を有する。
このため、平板状作用片により滑動抑止材をタイヤの接地面に配置した場合に、タイヤの接地面から滑動抑止材が離間したり、遊離するのを防止することができる。
この結果、滑止め具を使用している際に、その摩擦力向上効果を安定して発揮させることができるという効果を有する。
【0016】
本発明の請求項4載の発明は、請求項1乃至請求項3記載のそれぞれの発明の効果に加えて、平板状作用片を鋼材で構成し、平板状作用片を回動させた際に、ディスク上における平板状作用片の軸棒に支持されない側の端部が配置される場所に磁性体を配置しておくことで、滑止め具を使用しない場合に、平板状作用片をディスク上に一層安定した状態で保持することができるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の最良の実施の形態に係る滑止め具付ホイールについて図1乃至図5を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の実施の形態に係る滑止め具付ホイール及びそれを備えた車輪の概念図である。
本実施の形態に係る滑止め具付ホイール2は、図1に示すように、略円筒状のリム4と、その内側からリム4を支持するディスク3からなるホイール本体2aがあり、このディスク3の外縁近傍にリム4に沿って複数の滑止め具6aを備えたものである。
また、この滑止め具6aは、表裏反曲可能な反りを備えた平板状作用片10が円柱状の軸棒12を介してディスク3上に取付られたものであり、タイヤ8の接地面8a上に配置される平板状作用片10の端部には、路面24上を走行した際に、タイヤ8の接地面8aとともに路面24に直接接して接地面8aの摩擦力を向上させる滑動抑止材7が取り付けられている。
なお、図1には、滑止め具6aを構成する個々の平板状作用片10をディスク3上において、あたかも花弁が開いたようにリム4側に傾倒させるとともに、この平板状作用片10をディスク3平面に対する法線方向に凸部を形成するように反らせて、タイヤ8の接地面8a上に滑動抑止材7を略等間隔に配置した状態、すなわち、タイヤ8に滑止め具6aを装着している状態を示している。また、符号5はスポークを示し、符号9は磁性体を示すが、これらについては後で説明する。
【0019】
ここで、図2及び図3を参照しながら、本実施の形態に係る滑止め具6a及びその取付構造について詳細に説明する。
図2は(a)は本発明の実施の形態に係る滑止め具を構成する部材の概念図であり、(b),(c)はいずれも本発明の実施の形態に係る滑止め具の概念図である。なお、図1乃至図3に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図2(a)に示すように、本実施の形態に係る滑止め具6aは、主に、金属又は合成樹脂等からなり、可撓性を有する平板材の中央部分にその長手方向に沿って切欠き23が形成された平板状作用片10と、円柱状の細長い軸棒12と、軸棒12の側面12aに接続されない平板状作用片10の端部である連続部10cに設けられる滑動抑止材7により構成されている。
また、別の視点から見れば、平板状作用片10は2枚の短冊状の平板材が平行に配置され、それぞれの一の端部が連続部10cによってつなげられたものであるとも言える。
【0020】
そして、図2(a)に示す平板状作用片10は、その外縁と切欠き23とが交差する位置に形成される開口部11の両脇に配される端部10aと端部10bとが、開口部11を狭めるように寄せ合わされて、又は、重なり合わされて平板材の中央部に空隙22を形成しながら軸棒12の側面12aに取設されている。(図2(b)参照。)
この時、図2(b)に示すように、平板状作用片10は上面側に凸部21を形成しながら反っているが、この凸部21を手指で押し込むように押圧してやると、すなわち、図2(b)中の符号Pで示す方向に平板状作用片10の凸部21を押圧してやると、図2(c)に示すように平板状作用片10の下面側に凸部21を形成する反りが形成される。
つまり、本実施の形態に係る滑止め具6aは、軸棒12の側面12aに表裏反曲する平板状作用片10を備えており、この平板状作用片10は、外力が加わった際に凸部21をさらに突出させるように弾性変形する。
【0021】
なお、図2(a)〜(c)においては、切欠き23が形成された平板材の端部10a,10bを近接または重なり合わせて平板状作用片10を構成した場合を例に挙げて説明しているが、このような平板状作用片10は、可撓性を備える平板材を、例えば、プレス成形により反りを付与したものであってもよい。
このとき、平板状作用片10の中央部分に空隙22を形成することで、平板状作用片10の弾性力の強弱を調整することができる。すなわち、空隙22の面積が狭い場合には、平板状作用片10を表裏反曲させるために大きな力が必要となり、空隙22の面積が大きくなるにつれ平板状作用片10を表裏反曲させるための力は小さくなる。
【0022】
また、図2(a)〜(c)に示すように、本実施の形態に係る軸棒12の側面12aには、平板状作用片10の取付基部における上下面と略平行な底面13c,13cを有する凹部13a,13bが対を成すように形成されている。
この凹部13a,13bは、符号Aで示す幅を形成して、滑止め具6aがホイール本体2aのディスク3に取り付けられた際に、他の部材とともに平板状作用片10の回動を抑制するという作用を有する。
なお、凹部13a,13bにより平板状作用片10の回動が抑制される仕組みについては後述する。
【0023】
次に、図3を参照しながら本実施の形態に係る滑止め具6aのディスク3への取付構造を詳細に説明する。
図3は本発明の実施の形態に係る滑止め具付ホイールの部分概念図である。なお、図1又は図2に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。また、本願明細書に記載される「スポーク5」は、「リム4とディスク3の中央部と」をつなぐ部分(エリア)を概念しており、例えば、平板状のディスク3の中心から放射方向に複数の孔が形成される場合、「スポーク5」は、ディスク3状の孔が形成されないエリアを指す。
図3に示すように、本実施の形態に係る滑止め具付ホイール2においては、ディスク3を構成するスポーク5,5の間隙15を跨ぐように、滑止め具6aの軸棒12が架け渡され、この軸棒12の両端が、軸棒12の側面と略同一の曲面である凹部18aが形成された固定具18により、スポーク5,5のリム4側の付け根近傍に固定されている。このとき、固定具18を、例えば、ネジ19を用いてスポーク5の付け根近傍に固定してもよい。
さらに、スポーク5,5の表面上に、軸棒12を約半分程度収容できるような軸棒収容溝17を形成しておくことで、軸棒12をその軸心を基軸にスムースに回動するようにディスク3上に固定することができる。
【0024】
また、本実施の形態に係る滑止め具付ホイール2においては、軸棒12の側面12aに形成される凹部13a,13bの幅A(図2を参照。)と略同一か、又は、それよりも小さい幅を有する支持板14が、軸棒12の側面12aの下側を被覆するように、かつ、軸棒12の側面12aと接触しながら取り付けられている。
別の言葉で言い換えると、図3に示すように、スポーク5とスポーク5の間に形成される間隙15のリム4側の端部に、軸棒12に向って可撓性を有する支持板14が突設され、この支持板14の上面側を押圧しながら軸棒12が軸棒収容溝17に嵌設されてその両端が固定具18,18により固定されている。
このような支持板14は、軸棒12の側面12aに形成される凹部13a,13bと咬み合って軸棒12の回動を抑制するという作用を有する。
なお、図3においては、間隙15の縁に支持板14がネジ16により固定される場合を例に挙げて説明しているが、ディスク3上に支持板14を溶接してもよい。さらに、支持板14のリム4側の端部をリム4の内側面4a側に折曲してネジ16により固定してもよい。
また、軸棒12の両端を固定する固定具18は、図3に示すようなブロック状のものでなく、平板材を軸棒12の側面12aに添う又は接触するように、湾曲又は折曲したものでもよい。
【0025】
ここで、図4を参照しながら、軸棒12に形成される凹部13a,13bと支持板14とにより軸棒12の回動が抑制される仕組みについて詳細に説明する。
図4(a)〜(c)はいずれも本発明の実施の形態に係る滑止め具が回動する様子を示す断面図である。つまり、図4(a)〜(c)はいずれも図3において3上に滑止め具6aを取り付けた場合のB−B線矢視断面図である。なお図1乃至図3に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図4(a)は、先の図1に示すように、滑止め具6aの滑動抑止材7がタイヤ8の接地面8a上に配置された状態の断面図である。図4(a)に示すように、滑止め具6aの平板状作用片10がリム4側に配置される場合、軸棒12の側面12aに対を成すように形成される凹部13a,13bのうち、凹部13aに支持板14が咬み合って、凹部13aの底面13cと支持板14の上面とが接触している。
このとき、凹部13aの底面13cには支持板14により上方へ押し上げる押圧力が作用しており、凹部13aの底面13cと支持板14の上面との接触状態が安定して維持されることで軸棒12の回動を抑制することができる。
すなわち、図1中におけるタイヤ8の接地面8a上に滑動抑止材7が設けられる状態が安定して維持されるのである。
【0026】
また、図4(a)に示す状態から、滑止め具6aの平板状作用片10を支持板14のネジ16で固定されない側の端部、すなわち、リム4から離れる方向である符号Cで示す方向に回動させると、軸棒12の凹部13aと支持板14とのかみあわせ構造が解除されて、軸棒12の側面12a(曲面部分)と支持板14とが接触するようになる。
この場合、軸棒12と支持板14とは曲面と平面とが接触している状態となり、接触状態が安定しているとは言えないので、平板状作用片10の回動抑制効果は発揮されない。
【0027】
そして、この状態から更に、平板状作用片10がリム4から離れる方向である符号Dで示す方向(図4(b)を参照。)に回動させると、今度は、図4(c)に示すように、軸棒12の側面12aに形成される凹部13bと支持板14とが咬み合った状態となる。
このように、凹部13bの底面13cと支持板14の上面とが接触している場合、凹部13bの底面13cには支持板14による上方へ押し上げる押圧力が作用しており、この結果、凹部13aの底面13cと支持板14の上面との接触状態が安定して維持されることになる。これにより、軸棒12の回動が抑制されることになる。
つまり、平板状作用片10がディスク3上に安定した状態で保持されるのである。
【0028】
上述のように、軸棒12の側面12aにおける平板状作用片10の上下面側に、軸棒12の軸心と平行な1対の凹部13a,13bを設けることで、この凹部13a,13bと支持板14とを軸棒12を半回動させる毎に咬み合せることができ、これにより、半回動ごとに軸棒12の回動を抑制することができるという効果を有する。
【0029】
図5は本発明の実施の形態に係る滑止め具付ホイールにおいて、平板状作用片をディスク上に傾倒して収納した様子を示す概念図である。すなわち、図4(c)の状態にした場合の滑止め具付ホイール2の全体の様子を示している。なお、図1乃至図4に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
全ての滑止め具6aの平板状作用片10をリム4から離れる方向のディスク3上に傾倒させた場合、図5に示すように、滑止め具6aはディスク3上に、あたかも花弁が閉じたように収納される。
この時、滑止め具6aの平板状作用片10を、軸棒12を基軸に傾倒させた場合に、平板状作用片10の軸棒12に軸支されない側の端部が到達するディスク3上に磁性体9を設けておき(図1を参照)、さらに、平板状作用片10自体を鋼材により構成することで、ディスク3上に滑止め具6aを一層安定した状態で保定して収納することができるという効果を有する。すなわち、磁化された磁性体9が、これも磁性体である鋼材を引き付けることで安定に保定することができるのである。本願でいう磁性体9は強磁性体を意味しており、磁石に引き付けられる物性を備えるもの、また、磁化や着磁されることが可能であるものを意味している。したがって、磁性体9は磁化あるいは着磁されたもの、磁石を含む概念である。
【0030】
以上、図1乃至図5を参照して説明したように、本実施の形態に係る滑止め具付ホイール2によれば、たとえば、降雪時や路面凍結時の必要な時にだけ、軸棒12を基軸に平板状作用片10を回動させるとともに、平板状作用片10をタイヤ8の接地面8aに密着させるように反らせることで、タイヤ8の接地面8a上に略一定間隔ごとに滑動抑止材7を配置して接地面8aの摩擦力を高めることができるという効果を有する。
この結果、降雪時や路面凍結時に効果的にタイヤ8のスリップや空転を防止して、滑止め具付ホイール2を備えた車輪1を有する車体の操作性を高めることができるという効果を有する。
しかも、本実施の形態に係る滑止め具付ホイール2は、タイヤ8の接地面8a全体に滑動抑止材7を架け渡すよう構成されるのではなく、タイヤ8の接地面8aの一部に、より具体的には、接地面8aのディスク3側にのみ滑動抑止材7を配置されるので、滑止め具6aの構造を小型でかつシンプルにすることができるという効果を有する。
この結果、ホイール本体2aのディスク3上に、滑止め具6aをコンパクトに収納可能にするとともに、その装着作業を極めて簡便にすることができるという効果を有する。
【0031】
さらに、滑止め具6aの平板状作用片10を表裏反曲可能な平板材により構成することで、平板状作用片10を弾性変形可能にすることができる。
この場合、タイヤ8の接地面8aに滑止め具6aを装着した車輪1で路面24を走行した場合に、車輪1を支持する車体の荷重がタイヤ8に作用してタイヤ8が圧潰した場合に、このタイヤ8の変形に伴って平板状作用片10も弾性変形する。
この結果、タイヤ8の接地面8aに滑動抑止材7が密着した状態で配置されることになり、接地面8aの摩擦力向上効果を確実に発揮させることができる。
従って、本実施の形態に係る滑止め具付ホイール2によるスリップ防止効果を確実に発揮させることができるという効果を有する。
しかも、この場合、平板状作用片10自体が弾性体であるので、平板状作用片10が弾性変形を繰り返した場合にも破損し難く、耐久性に優れた滑止め具付ホイール2を提供することができるという効果を有する。
【0032】
他方、タイヤ8に滑止め具6aを装着しない場合には、軸棒12を基軸に平板状作用片10をディスク3上に傾倒し、さらに、平板状作用片10の凸部21がディスク3平面に対する法線方向を向くように反りを形成しておけばよい(図5参照)。
この場合、ディスク3上に滑止め具6aをコンパクトに収納するとともに、平板状作用片10の表裏反曲性に伴う弾性力により、滑止め具6aの収納状態を安定して保持することができるという効果を有する。
すなわち、滑止め具6aの収納時に、特別な構成を設けることなく、平板状作用片10のディスク3上における遊動するのを防止することができる。
このように、本実施の形態に係る滑止め具付ホイール2によれば、滑止め具6aの着脱が容易でかつその構成がシンプルであり、コンパクトにかつ確実に収納できて、タイヤ8の接地面8aの十分な摩擦力向上効果を発揮し、しかも、耐久性を備えた滑止め具付ホイールを提供することができるという効果を有する。
【0033】
ここで、ディスク3への滑止め具の他の取付け例について図6を参照しながら詳細に説明する。
図6(a)は本発明の実施の形態に係る滑止め具の他の取付け例を示す部分概念図であり、(b)は図6(a)中のE−E線矢視断面図である。なお、図1乃至図5に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図6(a)に示す他の取付け例において用いる滑止め具6bは、図3に示す滑止め具6aの軸棒12と異なる形態を有している。
図6(a)に示す滑止め具6bの軸棒12は、軸棒12の長手方向両端近傍のそれぞれに、軸棒12の軸心に対して直交し,かつ,軸棒12の軸心を挟むように対を成す嵌合スリット32a,32a及び嵌合スリット32b,32bを備えている。
そして、上述のような軸棒12の両端が、スポーク5,5の側壁5a,5aに挿設されることで平板状作用片10が軸棒12を基軸に回動するよう構成されている。
さらに、この軸棒12の嵌合スリット32a,32a, 32b,32bのそれぞれにピン33を嵌合させながら、このピン33を間隙15のリム4側の端部(間隙15の内側端面)に挿設することで、軸棒12を所望の回動位置で安定した状態で保定することが可能になる。
図6(a)は、滑止め具6bの平板状作用片10がリム4側に配置された状態で保定された状態を示している。
【0034】
そして、図6(a)に示すこの状態から平板状作用片10をその軸棒12を基軸に、ディスク3の中心側に向って回動させると、すなわち、図6(b)中の符号Fで示す方向に、破線で示される平板状作用片10を回動させると、嵌合スリット32a,32a, 32b,32bとピン33の嵌合構造が解除される。
図6(a),(b)に示す状態から平板状作用片10を、軸棒12を基軸に180°回動させると、嵌合スリット32a,32a, 32b,32bとピン33とが再び嵌合構造を形成して、再度、平板状作用片10の回動位置が安定した状態で保持される。つまり、図6(b)において、一点破線で示される位置に平板状作用片10が安定した状態で保定される
すなわち、先の図5に示すような状態で、平板状作用片10がディスク3上に収納されるのである。
また、軸棒12の嵌合スリット32a,32a, 32b,32bとピン33の嵌合状態が解除される場合、軸棒12を挟持するように配置される一対のピン33,33はその端部が軸棒12の軸心から離れる方向に押し広げられるように、すなわち、一対のピン33,33は図6(b)中の符号Gで示す方向に湾曲する。つまり、図6に示すピン33は、図3に示す支持板14と同様の作用・効果を有し、図6に示す嵌合スリット32a,32a, 32b,32bは、図3に示す凹部13a,13bと同様の作用・効果を有する。
なお、図6においては、軸棒12の両端部をスポーク5,5の側壁5aに挿設して固定しているが、スポーク5,5の上面に、軸棒12の端部全体が収容されるような軸棒収容溝17を形成しておき、その中に軸棒12の両端部を収容して固定具18等で軸棒12を固定してもよい。また、ピン33も本実施の形態においては間隙15のリム4側の端部(間隙15の内側端面)に挿設したが、特にこの位置に限定するものではなく、間隙15の側壁5aでもよい。但し、その場合には、ピン33を略L字型にして、嵌合スリット32a,32a, 32b,32bに嵌合可能なように形成する必要がある。
【0035】
このように、本実施の形態に係る滑止め具付ホイール2においては、滑止め具6a,6bにおける軸棒12の側面12aに嵌合用の凹部やスリットを形成しておき、この凹部やスリットに弾性材からなる嵌合部材を咬み合せることで、軸棒12に設けられる平板状作用片10を所望の回動位置で安定した状態に保持することを可能にしている。
【0036】
次に、滑動抑止材7の取付構造について詳細に説明する。
本実施の形態に係る滑止め具付ホイール2においては、滑動抑止材7として、例えば、硬質ゴム材や、細い繊維状で耐久性を有する、カーボンナノチューブ等を平板状作用片10の軸棒12に支持されない端部で、かつ、滑止め具6a,6bをタイヤ8に装着した際に少なくとも接地面8a側に露出するように取り付ければよい。
ここで、図7を参照しながら滑止め具6a,6bにおける滑動抑止材7の取付け構造について詳細に説明する。
図7(a),(c)はいずれも平板状作用片に滑動抑止材を取り付けた状態の平面図であり、(b)(d)はいずれも平板状作用片に滑動抑止材を取り付けた状態の断面概念図である。
図7(a),(b)に示すように、本実施の形態に係る滑止め具6a,6bにおいては、平板状作用片10の連続部10cに、例えば、内側に凹部31部を備える断面コ字型の硬質ゴム体25を複数個、一定の間隔をあけながらリベット27をかしめて固定してもよい。なお。リベット27により硬質ゴム体25を平板状作用片10に固定する際に、平板材26をリベット27の頭部と硬質ゴム体25の間に介設することで、硬質ゴム体25の凹部31の底面全体にリベット27による押圧力が作用するので、リベット27による硬質ゴム体25の固定効果を向上することができる。
また、図7(a),(b)に示すように、硬質ゴム体25の一部が平板状作用片10の連続部10cの端部からはみ出すように硬質ゴム体25を取り付けることで、平板状作用片10の連続部10cの端部においても路面のグリップ力を発揮させることができるという効果を有する。
【0037】
さらに、図7(c),(d)に示すように、本実施の形態に係る滑止め具6a,6bにおいては、例えば、カーボンナノチューブのような高い強度を有するワイヤーロープ状の繊維集合体28(例えば、炭素繊維集合体)を、平板状作用片10の連続部10cをかがるように取り付けてもよい。
すなわち、平板状作用片10の連続部10cの端部近傍に一定間隔ごとに貫通孔29を形成しておき、この貫通孔29にワイヤーロープ状の繊維集合体28を挿通させる動作と、平板状作用片10の連続部10cの端部に掛着させる動作を繰り返しながら平板状作用片10の連続部10cに繊維集合体28を巻きつけてもよい。なお、図7(c),(d)においては、繊維集合体28の端部を、例えば、金属製の環状具30で結束するとともに、この環状具30を貫通孔29の抜け止め材として用いて繊維集合体28を固定しているが、繊維集合体28の端部は平板状作用片10の表面に接着剤等を用いて固定してもよい。
図7(c),(d)に示す場合も、平板状作用片10の連続部10cの端部の一部を被覆するように繊維集合体28が配置されるので、つまり、平板状作用片10の連続部10cの端部から繊維集合体28がはみ出すように取り付けられることで、平板状作用片10の連続部10cの端部においても路面のグリップ力を発揮させることができるという効果を有する。
また、図7(c),(d)に示す場合においては、平板状作用片10の、タイヤ8の接地面8aと対向する側の面にも繊維集合体28が配置されるので、平板状作用片10と路面24の摩擦力に加えて、平板状作用片10とタイヤ8との摩擦力も向上することができる。この結果、滑止め具6a,6bによる高い滑止め効果が期待できる。
加えて、図7(c),(d)に示す滑止め具6a,6bにおいては、滑止め具6a,6bの使用時に、万一、平板状作用片10の反りが反転してしまった場合でも、平板状作用片10の両面に滑動抑止材7である繊維集合体28が配置されるため、平板状作用片10の反対の面が路面24に接触している状態でもグリップ力を発揮させることができるという効果を有する。
加えて、図7(c),(d)に示す場合においては、万一、繊維集合体28の一部が破断した場合でも、繊維集合体28が周囲に飛び散る恐れがないので、安全性の高い滑止め具付ホイール2を提供することができるという効果を有する。
【0038】
このように、本実施の形態に係る滑止め具付ホイール2においては、滑止め具6a,6bにおける平板状作用片10の軸棒12に支持されない端部で、かつ、滑止め具6a,6bをタイヤ8に装着した際に接地面8a側に露出する面に、滑動抑止材7により起伏に富んだ凹凸を形成することで、滑止め具6a,6bによる路面24の高いグリップ効果を発揮させることができる。
なお、図7においてはリベット27や環状具30を利用して滑動抑止材7である硬質ゴム体25や繊維集合体28を平板状作用片10に形成する場合を例に挙げて説明しているが、例えば、モールド成形法等により滑動抑止材7と平板状作用片10を一体に構成してもよい。
この場合、滑動抑止材7は、平板状作用片10の表面や連続部10cの端面に形成されて路面24のグリップ力を向上させる突起部分を指し示すことになる。
【0039】
最後に、本実施の形態に係る滑止め具6a,6bの変形例について図8を参照しながら説明する。
図8は本発明の実施の形態に係る滑止め具の変形例を示す概念図である。なお、図1乃至図3に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図8に示すように、変形例に係る滑止め具6cは、先に図2において述べた滑止め具6aの平板状作用片10の連続部10cが軸棒12に取り付けられたものである。
この場合、平板状作用片10の端部10a,10bを、空隙22を形成しながら重ね合わせて表裏反曲可能な弾性体とし、この重なり部分を、例えば、リベット20をかしめて固定してもよい。
この場合、リベット20上及びその近傍に図示しない滑動抑止材7を固着しても良いし、図8に示すように、リベット20の頭部に突起20aを、タイヤ8の接地面8a側に配されるように形成して滑動抑止材7として用いてもよい。
あるいは、平板状作用片10の端部10a,10bをリベット20で固定する際に、図7(a),(b)に示すような硬質ゴム体25を滑動抑止材7として取り付けてもよい。
このような滑止め具6cをホイール本体2aに設けた場合、平板状作用片10に設けられる滑動抑止材7や突起20aが、路面24とタイヤ8の接地面8aとの摩擦力を向上してスリップや空転を防止して車体の操作性を向上することができるという効果を有する。
【産業上の利用可能性】
【0040】
以上説明したように、本発明は滑止め具の着脱が容易でかつその構成がシンプルであり、コンパクトにかつ確実に収納できて、タイヤの接地面の十分な摩擦力向上効果を発揮し、しかも、耐久性に優れた滑止め具付ホイールであり、車両や運輸機器に関する分野、介護用品に関する分野において利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施の形態に係る滑止め具付ホイール及びそれを備えた車輪の概念図である。
【図2】(a)は本発明の実施の形態に係る滑止め具を構成する部材の概念図であり、(b),(c)はいずれも本発明の実施の形態に係る滑止め具の概念図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る滑止め具付ホイールの部分概念図である。
【図4】(a)〜(c)はいずれも本発明の実施の形態に係る平板状作用片が回動する様子を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る滑止め具付ホイールにおいて、平板状作用片をディスク上に傾倒して収納した様子を示す概念図である。
【図6】(a)は本発明の実施の形態に係る滑止め具の他の取付け例を示す部分概念図であり、(b)は図6(a)中のE−E線矢視断面図である。
【図7】(a),(c)はいずれも平板状作用片に滑動抑止材を取り付けた状態の平面図であり、(b)(d)はいずれも平板状作用片に滑動抑止材を取り付けた状態の断面概念図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る滑止め具の変形例を示す概念図である。
【符号の説明】
【0042】
1…車輪 2…滑止め具付きホイール 2a…ホイール本体 3…ディスク 4…リム 4a…内側面 4b…外側面 5…スポーク 5a…側壁 6a〜6c…滑止め具 7…滑動抑止材 8…タイヤ 8a…接地面 9…磁性体 10…平板状作用片 10a,10b…端部 10c…連続部 11…開口部 12…軸棒 12a…側面 13a,13b…凹部 13c,13c…底面 14…支持板(嵌合材) 14a…上面 15…間隙 16…ネジ 17…軸棒収容溝 18…固定具 18a…凹部 19…ネジ 20…リベット 20a…突起(滑動抑制材) 21…突部(反り) 22…空隙 23…切欠き 24…路面 25…硬質ゴム体 26…平板材 27…リベット 28…繊維集合体 29…貫通孔 30…環状具 31…凹部 32a,32a,32b,32b,…嵌合スリット(凹部) 33…ピン(嵌合材)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
リム及びディスクからなるホイールと、前記ディスクに設けられる滑止め具とを有し、
前記滑止め具は、緩やかな凸状の反りを形成して表裏反曲可能な平板状作用片と、この平板状作用片の長手方向の一の端部を支持固定するとともに、前記平板状作用片を前記ディスク面に対して垂直にディスク中心側とリム側との間で回動可能に軸支する軸棒と、前記平板状作用片の他の端部近傍に設けられる滑動抑止材とを備えることを特徴とする滑止め具付ホイール。
【請求項2】
前記ディスクは、前記リムと前記ディスクの中央部とをつなぐスポークにより形成され、
前記軸棒は、隣り合う前記スポークの間に掛渡されることを特徴とする請求項1に記載の滑止め具付ホイール。
【請求項3】
前記軸棒は、その側面に凹部を具備し、
前記ディスクは、前記凹部に咬み合うことで前記軸棒の回動を抑制する嵌合材を備えることを特徴とする請求項2に記載の滑止め具付ホイール。
【請求項4】
前記平板状作用片は鋼材からなり、
前記ディスク上に前記平板状作用片が配置される場合に、前記軸に支持固定されない側の前記平板状作用片の端部は、前記ディスク上に設けられる磁性体により磁着保持されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の滑止め具付ホイール。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−111186(P2010−111186A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−283762(P2008−283762)
【出願日】平成20年11月4日(2008.11.4)
【特許番号】特許第4324634号(P4324634)
【特許公報発行日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(500283457)