説明

滑車用巻き込み防止装置、及び滑車

【課題】巻き込み防止装置がロープの移動方向と速度に応じて滑動するようにして、作業員に巻き込みに対する注意を喚起して手指等の巻き込みを効果的に防止するとともに、ロープや巻き込み防止装置の破壊を防止することのできる滑車用巻き込み防止装置を提供する。
【解決手段】ロープRを巻掛けるプーリ11、及びプーリの回転軸12を軸支する支持部材20を備えた滑車10に装備される巻き込み防止装置(1、50)であって、プーリから引き出されたロープ外面を包囲し、且つロープの進退動作を妨げずにロープと滑動する滑動包囲部材(30、51)と、支持部材に一部位を固定され他部位にて滑動包囲部材を支持するフレキシブルな連結部材(40、52)と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工事資材や工具等を高所に引き上げるために使用される滑車の改良に関し、特に滑車と滑車によって引き取られるロープとの間に作業員の指や身体の一部が巻き込まれる事故を防止するための滑車用巻き込み防止装置、及び滑車に関する。
【背景技術】
【0002】
架空電線を支持する鉄塔や電柱等にて行われる高所作業に必要な工事資材や工具等は、鉄塔等の適所から吊り下げられた滑車とこれに巻き掛けられたロープを利用して地表から引き上げられる。
鉄塔等の上では、資材等が鉄塔等に衝突しないように作業者がロープの位置を調整しながら搬送されてくる資材等を受領する。このとき、誤って手や身体の一部等を滑車とロープとの間に巻き込んでしまうことがある。
このような巻き込み事故を防止するべく、特許文献1には、滑車のロープ巻き込み部位を被覆する箱状の保護カバーと、作業者が把持する把持筒と、を備えた巻き込み防止装置が記載されている。この巻き込み防止装置を使用することで、作業者は直接ロープに触れることなく搬送作業を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平6−6382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の安全装置はクレーン装置の動滑車に巻き掛けられるロープに装着するものであり、安全装置を構成する2つの把持筒は動滑車の移動とともに移動する。また、2つの把持筒を連結するスプリング板によりロックした場合に、把持筒はロープの任意の高さ位置で固定される。従って、把持筒を目視しただけでは、ロープの移動方向と移動速度を認識することができず、特許文献1の巻き込み防止装置は、作業員に対してどの部位がどの程度危険であるかを報知する手段とはなりえないという問題がある。また、把持筒が必ずしも危険な部位を包囲しているとは限らないという問題がある。
また、保護カバーにはロープを挿通する貫通孔が形成されているが、貫通孔は固定的に形成されており、ロープの巻き込み側と繰り出し側とが成す角度(ロープの角度)の変化に対して柔軟に対応できないという問題がある。そのため、ロープの角度が変化すると貫通孔とロープとが干渉してしまい、保護カバーが破損したり、ロープが切断したりする虞があるという問題がある。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、巻き込み防止装置がロープの移動方向と速度に応じて滑動するようにして、より危険な部位を包囲すると共に作業員に巻き込みに対する注意を喚起して手指等の巻き込みを効果的に防止するとともに、ロープや巻き込み防止装置の破壊を防止することのできる巻き込み防止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ロープを巻掛けるプーリ、及び該プーリの回転軸を軸支する支持部材を備えた滑車に装備される巻き込み防止装置であって、前記プーリから引き出された前記ロープ外面を包囲し、且つ該ロープの進退動作を妨げずにロープと滑動する滑動包囲部材と、前記支持部材に一部位を固定され他部位にて前記滑動包囲部材を支持するフレキシブルな連結部材と、を備えた滑車用巻き込み防止装置を特徴とする。
請求項1記載の発明では、滑動包囲部材がプーリから引き出されたロープの外面を包囲して、進退移動するロープとプーリへの、手指等の巻き込みを防止する。また、支持部材と滑動包囲部材がフレキシブルな連結部材にて連結されているので、滑動包囲部材がロープの移動にあわせて追従し、巻き込み防止装置の破損及びロープの切断を防止する。
請求項2記載の発明は、前記滑動包囲部材は、筒状のベース部材と、該ベース部材の内面に配置されて前記ロープ外面との摺動抵抗を低減させるベアリング、或いは低摩擦抵抗材料と、を備えている請求項1記載の滑車用巻き込み防止装置を特徴とする。
請求項2の発明では、滑動包囲部材が筒状の部材であるので、包囲された部位のロープに接触することがなく、手指等の巻き込みを効果的に防止する。また、ロープ外面との摺動抵抗を低減させるので、巻き込み防止装置を装着してもロープの動きが重くならず、資材等を人力で引き上げるときの障害とならない。
【0006】
請求項3記載の発明は、前記滑動包囲部材がヒンジ部を介して開閉自在に連設された2つの半円筒形状の分割片から構成されている請求項1又は2記載の滑車用巻き込み防止装置を特徴とする。
請求項3の発明では、滑動包囲部材が開閉自在であるので、ロープへの装着が容易である。
請求項4記載の発明は、前記滑動包囲部材は、線材をスパイラル状に構成したものである請求項1記載の滑車用巻き込み防止装置を特徴とする。
請求項4の発明では、滑動包囲部材がスパイラル状なので軽量であり、嵩張らない。
請求項5記載の発明は、前記支持部材に着脱可能なブラケットを備え、該ブラケットにより前記連結部材を支持した請求項4記載の滑車用巻き込み防止装置を特徴とする。
請求項5の発明では、ブラケットを取り付けることで、市販の滑車に巻き込み防止装置を装着することができる。
【0007】
請求項6の発明は、前記連結部材が前記滑動包囲部材の移動に応じて弾性変形可能に構成されている請求項1乃至5の何れか一項記載の滑車用巻き込み防止装置を特徴とする。
請求項6の発明では、連結部材が滑動包囲部材の移動に応じて弾性変形するので、ロープが急に動き出したり停止したりした場合に、連結部材を切断する虞が減少する。
請求項7記載の発明は、前記滑動包囲部材の少なくとも外面が絶縁性素材から構成されている請求項1乃至6の何れか一項記載の滑車用巻き込み防止装置を特徴とする。
請求項7の発明では、滑動包囲部材が電線等に接触することによる感電事故を防止することができる。
請求項8記載の発明は、請求項1乃至5の何れか一項記載の滑車用巻き込み防止装置と、前記滑車と、を備えた巻き込み防止装置付き滑車を特徴とする。
請求項8の発明では、滑車が、請求項1乃至7の滑車用巻き込み防止装置の有する各効果を享受できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、滑動包囲部材がロープの進退移動に追従して滑動するので、手指等を巻き込む虞が高い部位を包囲することができ、手指等の巻き込みを効果的に防止することができる。また、ロープの移動方向に応じて滑動包囲部材の位置が変化するので、滑動包囲部材の位置を確認することにより容易にロープの移動方向を確認できる。また、ロープの移動速度に応じて、滑動包囲部材とプーリとの距離が変化するので、ロープの移動速度を容易に確認でき、作業者に注意を喚起することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第一の実施形態に係る滑車用巻き込み防止装置を備えた滑車の正面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】包囲筒の斜視図である。
【図4】第二の実施形態に係る滑車用巻き込み防止装置を備えた滑車の正面図である。
【図5】図4の側面図である。
【図6】図4の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔第一の実施形態〕
以下、本発明の実施形態を図1乃至3に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る滑車用巻き込み防止装置を備えた滑車の正面図である。図2は、図1の側面図である。図3は、包囲筒の斜視図である。本実施形態に係る巻き込み防止装置は、ロープの巻き込み又は繰り出し動作に連動してロープの移動方向に合わせて滑動する包囲筒を備えた点に特徴がある。
本実施形態に係る滑車の滑車用巻き込み防止装置1は、図1、図2に示すように、ロープRを巻き掛けるプーリ11と、プーリの回転軸12を軸支する支持部材20とを供えた滑車10に装備されて、作業員の手や身体の一部がプーリ11に巻き込まれることを防止する装置であり、プーリ11から引き出されたロープRの外面を包囲する包囲筒30(滑動包囲部材)と、支持部材20に一部位を固定され他の部位にて包囲筒30を支持する連結部材40と、を備えている。
【0011】
支持部材20は、プーリ11の盤面両側から回転軸12を支持する側板21及び帯板22と、帯板22に取り付けられて、滑車10を吊り下げるためのフック23とを備える。側板21と帯板22は、回転軸12、ボルト24及びボルト25とによって一体化されている。
包囲筒30は、ロープRの進退動作を妨げずにロープRと滑動する。つまり、ロープRの進退動作に連動してロープの移動方向に合わせて移動する。
図3に示すように、包囲筒30は、ヒンジ部32を介して開閉自在に連設された2つの半円筒形状からなる分割片33、34から構成された筒状のベース部材31と、ベース部材31の内面に配置されたロープR外面との摺動抵抗を低減するためのベアリング35と、から構成されている。分割片33、34は、包囲筒30を閉止固定するための掛止片36および掛止具37を有している。
本実施形態におけるベース部材31は、摺動抵抗を低減させるためにベアリング35を用いたが、少なくとも内面を低摩擦抵抗材料、例えばポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE;ふっ素樹脂)等のプラスチック樹脂を利用することができる。また、ベアリング35の代わりにロープRと接触してロープRの移動に合わせて回転する回転体(例えば、複数のごく小さなプーリ)を備えてもよい。
【0012】
包囲筒30と支持部材20とを連結する連結部材40は、フレキシブルであり弾性変形可能な材料から構成して、包囲筒30の移動に追従可能にする。例えば、金属ワイヤやプラスチック樹脂製のワイヤ等を用いることができる。このよう構成することで、ロープRが急に動き出したり停止したりした場合に、連結部材40を切断する虞が減少する。支持部材20との連結部分はリング端子状であり、ボルト25にて支持部材20に着脱自在に固定されている。なお、連結部材40を溶接あるいは接着剤等により支持部材20の適所に固着して、包囲筒30のみを着脱自在に構成してもよい。また、連結部材40は、包囲筒30がロープRに対して追従移動可能となるように固定されていればよく、その位置は特に問わない。
なお、鉄塔上における作業時の感電事故を防止するべく、包囲筒30及び/又は連結部材40の少なくとも外面を絶縁性素材から構成することが望ましい。
【0013】
滑車用巻き込み防止装置1の動作について説明する。まず、滑車用巻き込み防止装置1を、支持部材20に取り付ける。本実施形態においては、ボルト25部分に連結部材40のリング端子状部分を螺着固定する。続いて、プーリ11に巻き掛けられたロープに包囲筒30を装着する。包囲筒30の掛止片36と掛止具37の掛止状態を解除し、包囲筒30にてロープRの外面を包囲し、掛止片36と掛止具37を掛止して包囲筒30を閉止固定する。
ロープRの非動作時において包囲筒30は、ボルト25からつり下げられている。ロープRが進退移動を開始すると、ロープRと接触する包囲筒30は、ロープRの移動方向に追従して滑動する。特に、ロープRの巻き込み側にある包囲筒30は、滑動によりプーリ11に接近する。このとき、連結部材40は、包囲筒30に追従して弾性変形する。また包囲筒30は、ロープRの移動速度に応じてプーリ11との距離が変化する。つまり、ロープRの移動速度が速いほどプーリ11との距離が短くなる。このように、ロープRの移動方向及び移動速度に応じて包囲筒30が移動するので、より危険な箇所を包囲筒30が包囲して、手や指の巻き込みを防止する。また、包囲筒30内のベアリングが、ロープRとの摩擦を低減させているので、荷物の移動が妨げられることはない。また、巻き込み側と繰り出し側とで包囲筒30とプーリ11との距離が異なるので、ロープRの移動方向を目視にて容易に確認することができる。
包囲筒30は少なくともロープRの巻き込み側にのみ装着されていればよいが、繰り出し側と巻き込み側の双方に装着することにより、ロープRの移動方向の変化に対応可能となる。
【0014】
以上のように、本実施形態によれば、包囲筒がロープの進退移動に追従して滑動するので、手指等を巻き込む虞が高い部位を包囲することができ、手指等の巻き込みを効果的に防止することができる。また、ロープの移動方向に応じて包囲筒の位置が変化するので、包囲筒の位置を確認することにより容易にロープの移動方向を確認できる。また、ロープの移動速度に応じて、包囲筒とプーリとの距離が変化するので、ロープの移動速度を容易に確認でき、作業者に注意を喚起することができる。
また、巻き込み防止部材を着脱自在に構成したので、包囲筒が不要な時にはこれを取り外すことができ、作業の邪魔にならない。また、包囲筒が開閉自在なので、ロープへの装着が容易である。また、連結部材がフレキシブルな素材から構成されているので、ロープの巻き込み側と繰り出し側とが成す角度の変化に応じて移動し、巻き込み防止装置の破損やロープの切断を防止することができる。また、ロープ外面との摺動抵抗を低減するように構成されているので、作業時にロープの動きが重くならず、資材等を人力で引き上げるときの障害とならない。
【0015】
〔第二の実施形態〕
本発明の第二の実施形態について図4乃至図6に基づいて説明する。図4は、本実施形態に係る滑車用巻き込み防止装置を備えた滑車の正面図である。図5は、図4の側面図である。図6は、図4の上面図である。本実施形態に係る滑車用巻き込み防止装置は、滑動包囲部材をスパイラル状に構成した点に特徴がある。以下、第一の実施形態と同一の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
滑車用巻き込み防止装置50は、線材をスパイラル状に構成したスパイラル部材51(滑動包囲部材)と、スパイラル部材51と支持部材20とを連結する連結部材52とを備えている。連結部材52は、支持部材20に後付け可能なブラケット26を介して支持部材20に取り付けられている。
連結部材52は、一端部にブラケット26に装着するための連結フック53と、他端部に連結フック53とスパイラル部材51とを接続するための本体部54とを有する。連結フック53は開閉自在に構成され、スパイラル部材51をブラケット26に着脱自在に装着する。本体部54は、フレキシブルであり弾性変形可能な材料から構成して、スパイラル部材51の移動に追従可能にする。例えば、金属ワイヤやプラスチック樹脂製のワイヤ等を用いることができる。本体部54とスパイラル部材51とは一体的に構成されている。
【0016】
ブラケット26は、支持部材20の一部に取り付けられた帯板状の部材である。本実施形態においては回転軸12に螺着されており、図4に示すように、側板21の左右方向の長さよりもやや長く構成されている。側板21から突出するブラケット26の両端部分は、ロープRの繰り出し又は巻き込み部位に向けて屈曲形成されている。夫々の端部には連結フック53を取り付けるための貫通孔27が打ち抜き形成されている。なお、ブラケット26は、支持部材20に対して着脱自在であっても固着されていてもよい。
スパイラル部材51は、所定の柔軟性と弾力性を有する金属ワイヤやプラスチック樹脂ワイヤ等の線材をスパイラル状に構成したものであり、軸線方向において線材は所定の間隙を有している。スパイラル部材51は螺旋状に構成されているので、弾性により軸線方向に伸長し、軸線方向における線材の間隔(ピッチ)が疎密化する。スパイラル部材51の内径は、その内部の軸線方向にロープRを挿通したときに、ロープR外面とスパイラル部材51の内部とが接触するように構成されている。そして、ロープRを進退移動させるとその動作に追従してロープRと滑動し、スパイラル部材51の線材は軸線方向に移動して疎密化する。
また、ロープR外面との摺動抵抗を低減させるために、スパイラル部材51の少なくとも表面を低摩擦材料から構成する。低摩擦材料としては第一の実施形態にて例示したようなものを用いることができる。また、第一の実施形態と同様に、巻き込み防止装置50の少なくとも外面を絶縁性素材から構成することが望ましい。
【0017】
滑車用巻き込み防止装置50の動作について説明する。あらかじめ支持部材20の適所にブラケット26を固定しておく。貫通孔27に連結フック53を取り付ける。続いて、プーリ11に巻き掛けられたロープRの外面をスパイラル部材51にて包囲する。スパイラル部材51は、所定の柔軟性と弾力性を有しているので、ロープRに容易に巻き付けることができる。スパイラル部材51の線材は、ロープRの非動作時には軸線方向において所定の間隙を有した状態である。
ロープRが移動を開始すると、スパイラル部材51がロープRと滑動し、ロープRの移動方向に追従して移動する。また、スパイラル部材51は、ロープRの移動速度に応じてそのピッチが変化する。プーリ11に巻き込まれる側のロープRを包囲するスパイラル部材51は、ロープRの移動速度に応じてピッチが密となる。つまり、スパイラル部材51は手指等を巻き込む危険性の高い部位に移動いつつ線間が密となり、より危険な箇所をスパイラル部材51が包囲して、手や指の巻き込みを防止する。逆に、プーリ11から繰り出される側のロープRを包囲するスパイラル部材51は、ロープRの移動速度に応じてピッチが疎となる。
また、スパイラル部材51の表面は低摩擦材料から構成されているので、荷物の移動が妨げられることはない。巻き込み側と繰り出し側とでスパイラル部材51のプーリ11からの距離が及びピッチが変わるので、ロープの移動方向を目視にて容易に確認することができるとともに、手等を巻き込む虞の高い部位を効果的に包囲する。
スパイラル部材51は少なくともロープRの巻き込み側にのみ装着されていればよいが、繰り出し側と巻き込み側の双方に装着することにより、ロープRの移動方向の変化に対応可能となる。
【0018】
以上のように、本実施形態によれば、滑動包囲部材をスパイラル状に構成したので、ロープの移動方向及び移動速度に応じてそのピッチが変化する。従って、手指等を巻き込む虞が高い部位が包囲されるとともに、該部位に手指が入りにくくなり、手指等の巻き込みを効果的に防止することができる。また、スパイラル部材の位置及びピッチからロープの移動方向及び移動速度を容易に認識できるので、作業者に注意を喚起することができる。
【符号の説明】
【0019】
1…滑車用巻き込み防止装置、10…滑車、11…プーリ、12…回転軸、20…支持部材、21…側板、22…帯板、23…フック、24、25…ボルト、26…ブラケット、27…貫通孔、30…包囲筒、31…ベース部材、32…ヒンジ部、33、34…分割片、35…ベアリング、36…掛止片、37…掛止具、40…連結部材、50…滑車用巻き込み防止装置、51…スパイラル部材、52…連結部材、53…連結フック、54…本体部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロープを巻掛けるプーリ、及び該プーリの回転軸を軸支する支持部材を備えた滑車に装備される巻き込み防止装置であって、
前記プーリから引き出された前記ロープ外面を包囲し、且つ該ロープの進退動作を妨げずにロープと滑動する滑動包囲部材と、前記支持部材に一部位を固定され他部位にて前記滑動包囲部材を支持するフレキシブルな連結部材と、を備えたことを特徴とする滑車用巻き込み防止装置。
【請求項2】
前記滑動包囲部材は、筒状のベース部材と、該ベース部材の内面に配置されて前記ロープ外面との摺動抵抗を低減させるベアリング、或いは低摩擦抵抗材料と、を備えていることを特徴とする請求項1記載の滑車用巻き込み防止装置。
【請求項3】
前記滑動包囲部材がヒンジ部を介して開閉自在に連設された2つの半円筒形状の分割片から構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の滑車用巻き込み防止装置。
【請求項4】
前記滑動包囲部材は、線材をスパイラル状に構成したものであることを特徴とする請求項1記載の滑車用巻き込み防止装置。
【請求項5】
前記支持部材に着脱可能なブラケットを備え、該ブラケットにより前記連結部材を支持したことを特徴とする請求項4記載の滑車用巻き込み防止装置。
【請求項6】
前記連結部材が前記滑動包囲部材の移動に応じて弾性変形可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項記載の滑車用巻き込み防止装置。
【請求項7】
前記滑動包囲部材の少なくとも外面が絶縁性素材から構成されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項記載の滑車用巻き込み防止装置。
【請求項8】
請求項1乃至5の何れか一項記載の滑車用巻き込み防止装置と、前記滑車と、を備えたことを特徴とする巻き込み防止装置付き滑車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−168386(P2011−168386A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−36058(P2010−36058)
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)