説明

演出装置

【課題】複数の照明装置を独立に昇降させる三次元演出方法およびシステムを提供すること。
【解決手段】昇降装置から照明装置までのリールの線の長さおよびLEDの明かりに関する情報を含む入力から、操作対象装置を識別して、操作対象装置への指示信号を生成するステップと、操作対象装置が昇降装置であると、生成された指示信号を、昇降装置に送信するステップと、昇降装置のモータを動作させて、昇降装置のリールを動作させるステップと、操作対象装置が照明装置であると、生成された指示信号を、照明装置に送信するステップと、照明装置のLEDを動作させるステップと、複数の昇降装置および複数の照明装置の各々を動作させ、LED全体により三次元オブジェクトを形成するステップと、前記全てのステップを繰り返し実行することによって、LED全体により動的な三次元オブジェクトを形成するステップとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演出装置に関し、より詳細には、劇場、コンサートホールまたはテレビスタジオ等において、複数の照明を独立に昇降させることにより演出を提供する演出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、劇場、コンサートホールまたはテレビスタジオ等の天井部分において、出演者および大道具または小道具を含むセット等に照明をあてる複数の照明装置が吊るされ、吊るされた複数の照明装置を昇降させる演出システムがある。複数の照明装置を昇降させる演出システムには、複数の照明装置を吊るすことができるバトンに対して、複数の照明装置を吊るし、複数の照明装置を吊るしたバトンを昇降させる昇降バトンを備えた演出システムがある。
【0003】
しかしながら、上述の演出システムにより昇降バトンを降ろしている途中に、昇降バトンに吊るされた複数の照明装置のうちの一つの照明装置が障害物と接触する場合がある。この場合に、障害物と接触していない他の照明装置をさらに降ろす必要がある場合には、降ろす必要がある照明装置を降ろすことができないという難点があった。
【0004】
上述の難点を克服する昇降バトンを備えた演出システムとして、昇降装置の可動部分を、床付近までの距離を昇降する主昇降装置と、ショートポールにより照明装置を昇降可能な一点吊移動昇降装置とに分割して、移動昇降装置を小型化させ、さらに面状バトンを用いて昇降装置を配置し、面状バトンを二次元移動させることにより、照明装置を二次元移動させる面状バトン装置を備えた演出システムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−148005号公報(第3−6頁、第3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、劇場、コンサートホールまたはテレビスタジオ等において三次元演出を提供する場合に、一点吊移動昇降装置を用いて照明演出を行うと、一点吊移動昇降装置により降ろされた照明装置の高さが固定されてしまうため、複数の照明装置を独立に昇降させる三次元演出を提供することができないという問題があった。
【0007】
また、劇場、コンサートホールまたはテレビスタジオ等において三次元演出を提供する場合に、一点吊移動昇降装置を用いて照明演出を行うと、たとえ一点吊移動昇降装置により降ろされた照明装置の高さが固定されなかったとしても、一点吊移動昇降装置のショートポールによる昇降移動では移動距離が短すぎてしまうため、複数の照明装置を独立に昇降させる三次元演出を提供することができないという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる演出装置は、演出が行われる舞台の上方向に所定の間隔に配置され、吊り下げ線によって上下動可能な複数の照明素子と前記複数の照明素子の発光と各吊り下げ線による上下動とを制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本発明によれば、複数の照明を独立に昇降させる演出を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態にかかる三次元演出システムを示す構成図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる三次元演出システムを示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態にかかる三次元演出システムの操作装置の処理に関する方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態にかかる三次元演出システムの昇降装置の処理に関する方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態にかかる三次元演出システムの照明装置の処理に関する方法を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態にかかる三次元演出システムの照明装置の電源部を充電する方法を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態にかかる三次元演出システムの具体例を示す構成図である。
【図8】本発明の実施形態にかかる時間経過に伴う三次元演出システムによって演出される仮想的なオブジェクトの変化に関する一例を示す構成図である。
【図9】本発明の実施形態にかかる時間経過に伴う三次元演出システムによって演出される仮想的なオブジェクトの変化に関する別の例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる三次元演出システムを示す構成図である。本実施形態の三次元演出システムは、照明装置を昇降させる昇降装置101、102および103と、昇降装置101、102および103の各々にナイロンテグスなどのリールの線により連結され、LEDを有する照明装置104、105および106と、昇降装置101、102および103を吊るす面状バトン107と、昇降装置101、102および103ならびに照明装置104、105および106の各々に無線により接続され、昇降装置101、102および103ならびに照明装置104、105および106の各々を独立に操作することができる操作装置108とを備えている。
【0012】
昇降装置101、102および103と、照明装置104、105および106と、操作装置108とは、各々、アンテナを有している。各アンテナによって、操作装置108と、昇降装置101、102および103ならびに照明装置104、105および106の各々との間に、1対1の無線接続を独立に行うことができる。例えば、操作装置108を操作することによって、昇降装置101に対して、照明装置104を降ろす指示信号を単独に送信することができる。さらに、操作装置108を操作することによって、昇降装置101を介することなく、照明装置104に対して、LEDを点灯または消灯させる指示信号を単独に送信することができる。
【0013】
操作装置108を操作して照明装置104のLEDを点灯または消灯させるには、照明装置104と操作装置108との間に1対1の接続を設定せずに、昇降装置101と照明装置104とを接続して、操作装置108から昇降装置101を介して照明装置104を操作する方法が考えられる。しかしながら、この方法においては、昇降装置101において、照明装置104向けの通信部が必要になる。さらに、昇降装置101と照明装置104との間の接続が有線接続の場合だと、昇降装置101と照明装置104との間に、ナイロンテグスなどのリールの線だけでなく接続コードなどが必要になる。
【0014】
したがって、操作装置108から昇降装置101を介して照明装置104を操作する場合と、本実施形態の三次演出システムを用いる場合とを比較すると、小型軽量化の点において、本実施形態の三次元演出システムの方がより優れている。本実施形態の三次元演出システムは、昇降装置101と照明装置104との間に、従来のショートポールを用いる必要がなく、ナイロンテグスなどのリールの線を用いることができ、昇降装置101と照明装置104との間の、昇降による移動距離を長くすることができる。
【0015】
本実施形態の三次元演出システムにおける照明装置の代替として、スピーカなどの音響機材または大道具もしくは小道具を含むセットを採用することによって、照明装置を採用する場合とは異なる三次元演出を行うこともできる。
【0016】
図2は、本発明の一実施形態にかかる三次元演出システムを示すブロック図である。本実施形態の三次元演出システムの昇降装置201は、各部を制御する昇降制御部202と、昇降制御部202の入出力に接続され、動力を供給するモータ部203と、モータ部203に連結され、ナイロンテグスなどのリールの線を巻き上げまたは下ろすリール部204と、リール部204に連結され、リール部により巻き上げられるまたは下ろされるナイロンテグスなどのリールの線のたるみを検出するたるみ検出部205と、昇降制御部202の入出力およびリール部204の出力に接続され、ナイロンテグスなどのリールの線の長さを監視するカウンタ部206と、昇降制御部202の入出力に接続され、対象操作装置と通信するアンテナ部207と、対象照明装置を充電する充電部208と、充電部208に接続され、対向装置のコネクタ部と着脱可能なコネクタ部209とを備えている。
【0017】
本実施形態の三次元演出システムの照明装置210は、各部を制御する照明制御部211と、照明制御部211の入出力に接続され、発光するLED部212と、照明制御部211の入出力に接続され、対象操作装置と通信するアンテナ部213と、照明制御部211およびLED部212に電力を供給する電源部214と、電源部214に接続され、対向装置のコネクタ部と着脱可能なコネクタ部215とを備えている。
【0018】
本実施形態の三次元演出システムの操作装置216は、操作対象装置への指示信号を生成して操作対象の昇降装置および照明装置の各々を制御する装置制御部217と、装置制御部217の入出力に接続され、ユーザインターフェースを提供する入出力部218と、操作対象の昇降装置および照明装置の各々と送受信する送受信部219と、送受信部219の入出力に接続され、操作対象の昇降装置および照明装置の各々と通信するアンテナ部220とを備えている。装置制御部217は、データを格納するメモリ221を有しており、さらにメモリ221は、昇降装置毎のデータを含む昇降装置データ222と、照明装置毎のデータを含む照明装置データ223とを格納している。
【0019】
このような構成により、三次元演出を行うための、複数の照明装置を独立に昇降させる三次元演出システムを提供する。次に、本実施形態の三次元演出システムにおける各装置の処理を個々に説明した後に、本実施形態の三次元演出システムの操作装置において、昇降装置および照明装置の動作をプログラミングしておいた場合の三次元演出について説明する。
【0020】
図3は、本発明の実施形態にかかる三次元演出システムの操作装置の処理に関する方法を示すフローチャートである。オペレータなど外部からの入力が操作装置に行われると、ステップS301において、操作装置の入出力部がオペレータなど外部からの入力を検出する。ステップS302では、操作装置の装置制御部が、操作装置の入出力部により検出された入力から操作対象装置を識別して、操作対象装置への指示信号を生成する。ステップS302において識別された操作対象装置が昇降装置である場合、ステップS303に進む。
【0021】
例えば、オペレータなど外部からの入力により、リールの線を降ろすことにより照明装置を降下させ、連結されている昇降装置から照明装置までのリールの線の長さLを3mにするとする。すると、ステップS303では、操作装置の装置制御部が、操作装置の入出力部により検出された入力から、L=3mであることを示す指示信号を生成し、生成された指示信号を操作対象の昇降装置に送信する旨の信号を、操作装置の送受信部に送信する。操作装置の装置制御部により送信された信号を受信した操作装置の送受信部は、受信した信号に従って、操作装置のアンテナ部を介して、操作対象の昇降装置に指示信号を送信する。
【0022】
操作装置の送受信部から送信された指示信号を受信した操作対象の昇降装置は、受信した指示信号の内容が、L=3mである旨の指示であるので、連結されている昇降装置から照明装置までのリールの線の長さLを3mにして、照明装置を降下する動作を実行する。操作対象の昇降装置の動作については、図4を参照して後述する。さらに、例えば、操作対象の昇降装置の動作により、正常に照明装置が降下されたとする。
【0023】
すると、操作対象の昇降装置により、連結されている昇降装置から照明装置までのリールの線の長さLを3mにして、照明装置を降下する動作が完了したことを示す状態データが操作装置に送信される。ステップS304では、操作装置の送受信部が、操作装置のアンテナ部を介して、操作対象の昇降装置から送信された状態データを受信する。ステップS305では、操作装置の装置制御部が、操作装置の送受信部により受信された状態データをメモリに格納して、メモリに保存されている昇降装置データを更新する。
【0024】
さらに、操作装置の装置制御部は、メモリに格納された状態データに従って、操作対象の昇降装置の動作完了状態およびL=3mであることを示す出力信号を、操作装置の入出力部に送信する。装置制御部から送信された出力信号を受信した入出力部は、操作対象の昇降装置の動作完了状態およびL=3mであることを示す情報を、オペレータなどの外部に出力する。なお、本例では、オペレータが連結されている昇降装置から照明装置までのリールの線の長さLを3mとする旨の入力を与えるとしているが、照明装置に対する昇降指示は、照明装置を昇降させるリールの線の長さを入力として与えてもよい。
【0025】
ステップS302において識別された操作対象装置が照明装置である場合、ステップS306に進む。例えば、オペレータなど外部からの入力により、LEDを所定の明るさの色で点灯させるとする。するとステップS306では、操作装置の装置制御部が、操作装置の入出力部により検出された入力から、LEDを所定の明るさの色(例えば、RGBやHLSにより表される)で点灯させることを示す指示信号を生成し、生成された指示信号を操作対象の照明装置に送信する旨の信号を、操作装置の送受信部に送信する。操作装置の装置制御部により送信された信号を受信した操作装置の送受信部は、受信した信号に従って、操作装置のアンテナ部を介して、操作対象の照明装置に指示信号を送信する。
【0026】
操作装置の送受信部から送信された指示信号を受信した操作対象の照明装置は、受信した指示信号の内容が、LEDを点灯させる指示であるので、LEDを点灯させる動作を実行する。操作対象の照明装置の動作については、図5を参照して後述する。さらに、例えば、操作対象の照明装置の動作により、正常にLEDが点灯されたとする。
【0027】
すると、操作対象の照明装置により、LEDを点灯させる動作が完了したことを示す状態データが操作装置に送信される。ステップS307では、操作装置の送受信部が、操作装置のアンテナ部を介して、操作対象の照明装置から送信された状態データを受信する。ステップS308では、操作装置の装置制御部が、操作装置の送受信部により受信された状態データをメモリに格納して、メモリに保存されている照明装置データを更新する。
【0028】
さらに、操作装置の装置制御部は、メモリに格納された状態データに従って、操作対象の照明装置の動作完了状態およびLEDの点灯状態を示す出力信号を、操作装置の入出力部に送信する。装置制御部から送信された出力信号を受信した入出力部は、操作対象の照明装置の動作完了状態およびLEDの点灯状態を示す情報を、オペレータなどの外部に出力する。
【0029】
図4は、本発明の実施形態にかかる三次元演出システムの昇降装置の処理に関する方法を示すフローチャートである。本実施形態の三次元演出システムの操作装置によって操作対象の昇降装置に指示信号が送信されると、ステップS401において、昇降装置の昇降制御部が、昇降装置のアンテナ部を介して、操作装置からの指示信号を受信する。例えば、操作装置から受信した指示信号の内容が、リールの線を降ろすことにより照明装置を降下させ、連結されている昇降装置から照明装置までのリールの線の長さLを3mにする指示であったとする。すると、ステップS402では、操作装置からの指示信号を受信した昇降装置の昇降制御部は、操作装置から受信した指示信号に従って、昇降装置のカウンタ部に、監視するリールの線の長さが3mである旨の信号を送信する。昇降装置の昇降制御部からの信号を受信した昇降装置のカウンタ部は、昇降装置の昇降制御部から受信した信号に従って、リールの線の長さが3mであるかどうかを監視する動作を開始する。
【0030】
ステップS403では、昇降装置の昇降制御部は、操作装置から受信した指示信号に従って、昇降装置のモータ部に、リール部へ動力を供給する旨の信号を送信する。昇降装置の昇降制御部からの信号を受信した昇降装置のモータ部は、昇降装置の昇降制御部から受信した信号に従って、リール部へ動力を供給する動作を開始する。昇降装置のモータ部がリール部へ動力を供給する動作を開始することによって、昇降装置のリール部がリールの線を出す動作を開始し、昇降装置のたるみ検出部がリールの線のたるみを検出する動作を開始する。ステップS404では、昇降装置の昇降制御部は、昇降装置のたるみ検出部が、昇降装置のリール部が出しているリールの線のたるみを検出したかどうかを決定する。
【0031】
ステップS404において、昇降装置のリール部が出しているリールの線のたるみが検出されていない場合には、ステップS405に進む。ステップS405では、昇降装置の昇降制御部は、昇降装置のカウンタ部により監視されているリールの線の長さが3mであるかどうかを決定する。ステップS405において、昇降装置のカウンタ部により監視されているリールの線の長さが3mである場合、ステップS406に進む。
【0032】
ステップS406では、昇降装置の昇降制御部が、昇降装置のカウンタ部およびモータ部の各動作を終了する旨の信号を、昇降装置のカウンタ部およびモータ部の各々に送信する。動作を終了する旨の信号を受信した昇降装置のカウンタ部およびモータ部は、各動作を終了する。昇降装置のモータ部が動作を終了することによって、昇降装置のリール部およびたるみ検出部が各動作を終了する。ステップS407では、昇降装置の昇降制御部が、昇降装置のアンテナ部を介して、連結されている昇降装置から照明装置までのリールの線の長さLを3mにして、照明装置を降下する動作が完了したことを示す、昇降装置の状態データを操作装置に送信する。
【0033】
ステップS404において、例えば、降ろしている照明装置が障害物に接触した場合など、昇降装置のたるみ検出部が、昇降装置のリール部が出しているリールの線のたるみを検出した場合には、ステップS408に進む。ステップS408では、昇降装置の昇降制御部は、動作している昇降装置のモータ部の動作を停止させることによって、動作している昇降装置のリール部およびたるみ検出部の各動作を停止させる。次に、ステップS407に進んで、昇降装置の昇降制御部は、昇降装置のアンテナ部を介して、昇降装置のリール部が異常停止されたことを示す、昇降装置の状態データを操作装置に送信する。また、ステップS405において、昇降装置のカウンタ部により監視されているリールの線の長さが3mでない場合には、ステップS402に戻り、処理を継続する。なお、本例では、指示信号は、連結されている昇降装置から照明装置までのリールの線の長さLを3mとする旨を示すものであるが、この指示信号は、照明装置を昇降させるリールの線の長さを示すものであってもよい。
【0034】
本実施形態の昇降装置の処理に関する方法において、リールの線にたるみが発生すると、昇降装置の昇降制御部によって、昇降装置のモータ部の動作を停止させ、動作中の昇降装置のリール部およびたるみ検出部の各動作を停止させる方法を採用している。しかしながら、リールの線にたるみが発生した場合に、昇降装置の昇降制御部の制御なしに、リール部自体の機構によって、モータ部により供給される動力をリール部から切り離して、昇降装置のリール部およびたるみ検出部の各動作を停止させてもよい。
【0035】
図5は、本発明の実施形態にかかる三次元演出システムの照明装置の処理に関する方法を示すフローチャートである。本実施形態の三次元演出システムの操作装置によって操作対象の照明装置に指示信号が送信されると、ステップS501において、照明装置の照明制御部が、照明装置のアンテナ部を介して、操作装置からの指示信号を受信する。例えば、操作装置から受信した指示信号の内容が、LEDを所定の明るさの色(例えば、RGBやHLSにより表される)で点灯させる指示であったとする。すると、ステップS502では、操作装置からの指示信号を受信した照明装置の照明制御部は、操作装置から受信した指示信号に従って、照明装置のLED部に、LEDを所定の明るさの色で点灯させる旨の信号を送信する。照明装置の照明制御部からの信号を受信した照明装置のLED部は、照明装置の照明制御部から受信した信号に従って、LEDを所定の明るさの色で点灯させる動作を開始する。
【0036】
ステップS503では、照明装置の照明制御部は、照明装置のLED部がLEDを点灯させる動作を終了したかどうかを決定する。ステップS503において、照明装置のLED部がLEDを点灯させる動作を終了した場合には、ステップS504に進む。ステップS504では、照明装置の照明制御部は、照明装置のアンテナ部を介して、照明装置のLEDを点灯させる動作が完了したことを示す、照明装置の状態データを操作装置に送信する。ステップS503において、照明装置のLED部がLEDを点灯させる動作を終了していない場合には、ステップS502に戻り、処理を継続する。
【0037】
図6は、本発明の実施形態にかかる三次元演出システムの照明装置の電源部を充電する方法を示すフローチャートである。本実施形態の三次元演出システムの昇降装置のリール部によってリールの線が巻き上げられると、ステップ601において、照明装置の照明制御部は、照明装置のコネクタ部が昇降装置のコネクタ部と接触しているかどうかを決定する。ステップS601において、照明装置のコネクタ部が昇降装置のコネクタ部と接触している場合には、ステップS602に進む。
【0038】
ステップS602では、照明装置の照明制御部が、昇降装置の充電部による照明装置の電源部の充電を開始させる。ステップS603では、照明装置の照明制御部が、充電中の照明装置の電源部において充電が完了したかどうかを決定する。ステップS603において、充電中の照明装置の電源部において充電が完了している場合には、ステップS604に進む。ステップS604では、照明装置の照明制御部は、照明装置のアンテナ部を介して、照明装置の電源部において充電が完了したことを示す、照明装置の状態データを操作装置に送信する。
【0039】
ステップS601において、照明装置のコネクタ部が昇降装置のコネクタ部と接触していない場合には、ステップS604に進む。ステップS604では、照明装置の照明制御部は、照明装置のアンテナ部を介して、照明装置の電源部の充電が開始されていないことを示す、照明装置の状態データを操作装置に送信する。ステップS603において、照明装置の電源部の充電が完了していない場合には、ステップS602に戻り、処理を継続する。
【0040】
本実施形態の照明装置の電源部を充電する方法において、照明装置のコネクタ部が昇降装置のコネクタ部と接触すると、照明装置の照明制御部によって、照明装置の電源部の充電を開始させる方法を採用している。しかしながら、照明装置のコネクタ部が昇降装置のコネクタ部と接触すると、照明装置の照明制御部の制御なしに、照明装置の電源部自体の機構によって、昇降装置の充電部による照明装置の電源部の充電を開始してもよい。
【0041】
ここで、図1ないし図6を参照して、本発明の実施形態についての具体的な例を説明する。オペレータが、操作装置108を用いて、昇降装置101により照明装置104を降下させて、リールの線の長さを3mにし、照明装置104によりLEDを所定の明るさの色で点灯させるとする。第一に、操作装置108において、オペレータにより、昇降装置101に対して、リールの線を降ろすことにより照明装置104を降下させ、連結されている昇降装置101から照明装置104までのリールの線の長さLを3mにする旨の入力が行われる。
【0042】
すると、操作装置108の入出力部218がオペレータの入力を検出する(ステップS301)。操作装置108の装置制御部217が、検出された入力から操作対象装置を識別する(ステップS302)。識別された操作対象装置が昇降装置101であるので、操作装置108の装置制御部217が、操作装置108の送受信部219およびアンテナ部220を介して、照明装置104を降下させるのに、L=3mであることを示す指示信号を昇降装置101に送信する(ステップS303)。
【0043】
次に、昇降装置101の昇降制御部202が、昇降装置101のアンテナ部207を介して、操作装置108からの指示信号を受信する(ステップS401)。昇降装置101の昇降制御部202は、操作装置108から受信した指示信号に従って、昇降装置101のカウンタ部206に、監視するリールの線の長さが3mである旨の信号を送信する(ステップS402)。昇降装置101のカウンタ部206は、昇降装置101の昇降制御部202から受信した信号に従い、リールの線の長さが3mであるかどうかの監視を開始する。
【0044】
昇降装置101の昇降制御部202は、操作装置108から受信した指示信号に従って、昇降装置101のモータ部203に、リール部204へ動力を供給する旨の信号を送信する(ステップS403)。昇降装置101のモータ部203は、操作装置108から受信した信号に従い、リール部204に動力の供給を開始する。昇降装置101において、モータ部203が、リール部204に動力を供給することによって、リール部204がリールの線を出し始め、たるみ検出部205がリールの線のたるみを検出し始める。
【0045】
リールの線が出始めると、昇降装置101の昇降制御部202は、昇降装置101のたるみ検出部205が、昇降装置101のリール部204が出しているリールの線のたるみを検出したかどうかを決定する(ステップS404)。昇降装置101のリール部204が出している線のたるみが検出されていない場合、昇降装置101の昇降制御部202は、昇降装置101のカウンタ部206において監視されているリールの線の長さが3mであるかどうかを決定する(ステップS405)。
【0046】
昇降装置101のカウンタ部206により監視されているリールの線の長さが3mである場合、昇降装置101の昇降制御部202は、昇降装置101のカウンタ部206およびモータ部203の各動作を終了する旨の信号を、昇降装置101のカウンタ部206およびモータ部203の各々に送信する(ステップS406)。動作を終了する旨の信号を受信した昇降装置101のカウンタ部206およびモータ部203は、各動作を終了する。さらに、昇降装置101の昇降制御部202は、昇降装置101のアンテナ部207を介して、連結されている昇降装置101から照明装置104までのリールの線の長さLを3mにして、照明装置を降下する動作が完了したことを示す、昇降装置101の状態データを操作装置108に送信する(ステップS407)。
【0047】
次に、操作装置108の送受信部219は、操作装置108のアンテナ部220を介して、昇降装置101から送信された状態データを受信する(ステップS304)。操作装置108の装置制御部217は、操作装置108の送受信部219により受信された状態データをメモリ221に格納して、メモリ221に保存されている昇降装置データ222を更新する(ステップS305)。
【0048】
さらに、操作装置108の装置制御部217は、操作装置108の入出力部218に、メモリ221に格納された状態データに従って、昇降装置108の動作完了状態および連結されている昇降装置101から照明装置104までのリールの線の長さLが3mであることを示す情報を出力させる。オペレータは、昇降装置108の状態が出力されることよって、照明装置104が降下して、連結されている昇降装置101から照明装置104までのリールの線の長さLが3mとなったことを認識する。第二に、操作装置108において、オペレータにより、照明装置104に対して、照明装置104のLEDを所定の明るさの色で点灯させる旨の入力が行われる。
【0049】
すると、操作装置108の入出力部218がオペレータの入力を検出する(ステップS301)。操作装置108の装置制御部217が、検出された入力から操作対象装置を識別する(ステップS302)。識別された操作対象装置が照明装置104であるので、操作装置108の装置制御部217が、操作装置108の送受信部219およびアンテナ部220を介して、照明装置104のLEDを所定の明るさの色(例えば、RGBやHLSにより表される)で点灯させることを示す指示信号を照明装置104に送信する(ステップS306)。
【0050】
次に、照明装置104の照明制御部211は、照明装置104のアンテナ部213を介して、操作装置108からの指示信号を受信する(ステップS501)。照明装置104の照明制御部211は、操作装置108から受信した指示信号に従って、照明装置104のLED部212に、LEDを所定の明るさの色(例えば、RGBやHLSにより表される)で点灯させる旨の信号を送信する(ステップS502)。照明装置104のLED部212は、照明装置104の照明制御部211から受信した信号に従って、LEDを所定の明るさの色で点灯させ始める。
【0051】
照明装置104の照明制御部211は、照明装置104のLED部212がLEDを点灯させる動作を終了したかどうかを決定する(ステップS503)。照明装置104のLED部212がLEDを点灯させる動作を終了した場合、照明装置104の照明制御部211は、照明装置104のアンテナ部213を介して、照明装置104のLEDを点灯させる動作が完了したことを示す、照明装置104の状態データを操作装置108に送信する(ステップS504)。
【0052】
次に、操作装置108の送受信部219は、操作装置108のアンテナ部220を介して、照明装置104から送信された状態データを受信する(ステップS307)。操作装置108の装置制御部217が、操作装置108の送受信部219により受信された状態データをメモリ221に格納して、メモリ221に保存されている照明装置データ223を更新する(ステップS308)。操作装置108の装置制御部217は、操作装置108の入出力部218に、メモリ221に格納された状態データに従って、照明装置104の動作完了状態および照明装置104のLED点灯状態を示す情報を出力させる。オペレータは、照明装置104の状態が出力されることよって、照明装置104のLEDが点灯されたことを認識する。
【0053】
本発明の実施形態についての、上述の具体的な例の説明では、操作装置108を用いて、昇降装置101により照明装置104を降下させて、連結されている昇降装置から照明装置までのリールの線の長さLを3mにしてから、照明装置104によりLEDを点灯させる例を説明している。しかしながら、操作装置108による昇降装置101に対する操作と、操作装置108による照明装置104に対する操作は、互いに独立な操作であるので、先に、照明装置104によりLEDを点灯させてから、後に、昇降装置101により照明装置104を降下させて、連結されている昇降装置から照明装置までのリールの線の長さLを3mにしたり、照明装置104によりLEDを点灯させたり消灯させたりしながら、昇降装置101により照明装置104を昇らせたり降ろさせたりすることができる。
【0054】
本実施形態によれば、複数の照明装置を独立に繰り返し昇降させ、LEDを発光させることにより、仮想的な三次元オブジェクトを表現して三次元演出を行うための三次元演出方法およびシステムを提供することが可能となる。
【0055】
本発明の実施形態についての、上述の説明では、オペレータが操作装置を操作して、複数の照明装置を独立に昇降させる場合を説明している。しかしながら、昇降装置により照明装置を上昇または降下させる動作と、照明装置のLEDを点灯または消灯させる動作とを、三次元演出システムの操作装置の装置制御部においてプログラミングしておいて、オペレータが介在することなく、操作装置の装置制御部が、自律的に複数の照明装置を独立に上昇または降下させたり、複数のLEDを独立に点灯または消灯させたりしてもよい。操作装置の装置制御部においてプログラミングしておくことにより、客席から見て舞台上に仮想的なオブジェクトを描くことができる。例えば、舞台上に仮想的なオブジェクトとして、アーチ型の門を想定する。門の輪郭に当たる線上に、LEDを配置するように制御すれば、離散的な点の集合によりオブジェクトを表すことができる。予め昇降装置および照明装置の動作をプログラムしておくことにより仮想的なオブジェクトを形成する三次元演出システムの動作については、図7を参照して後述する。
【0056】
図7は、本発明の一実施形態にかかる仮想的なオブジェクトを表現する三次元演出システムの具体例を示す構成図である。本実施形態の三次元演出システムの具体例は、装置を吊るす面状バトン701と、面状バトン701に吊るされ、照明装置を昇降させる昇降装置702〜705と、昇降装置702〜705の各々にナイロンテグスなどのリールの線により連結され、LEDを有する照明装置706〜709と、昇降装置702〜705および照明装置706〜709の各々に無線により接続され、プログラミングすることにより昇降装置702〜705および照明装置706〜709の各々を独立に操作することができる操作装置710とを備えている。操作装置710は、装置制御部711を備えており、装置制御部711は、プログラムデータ712を格納している。
【0057】
装置制御部711に格納されているプログラムデータ712は、照明装置706〜709の各LEDについて、連結されている昇降装置から照明装置までのリールの線の長さLおよび明かりに関して経時的に変化する情報を有している。ここで、長さLの情報は、舞台上の仮想的なオブジェクト(例えば、アーチ型の門)の輪郭線における高さに対応している。また、LEDの明かりに関する情報は、点滅や色の明暗についてであり、色の明暗は、RGBやHLSなどを用いて表すことができる。
【0058】
例えば、照明装置706のLED1は、時刻1において、Lが3mであり、明かりが入った状態である。同様にして、時刻2において、Lが2mおよび明かりが暗い状態、時刻3において、Lが3mおよび明かりが明るい状態、ならびに時刻4において、Lが1mおよび明かりを切った状態である。ここで、LEDの明かりの状態について、明るさは、暗い状態、入った状態、明るい状態の順に強くなるとしておいてよい。
【0059】
照明装置707のLED2は、時刻1において、Lが2mであり、明かりを切った状態、時刻2において、Lが3mおよび明かりが入った状態、時刻3において、Lが2mおよび明かりが明るい状態、ならびに時刻4において、Lが1mおよび明かりを切った状態である。照明装置708のLED3は、時刻1において、Lが2mであり、明かりが入った状態、時刻2において、Lが1mおよび明かりが暗い状態、時刻3において、Lが3mおよび明かりが明るい状態、ならびに時刻4において、Lが1mおよび明かりを切った状態である。
【0060】
照明装置709のLED4は、時刻1において、Lが1mであり、および明かりを切った状態、時刻2において、Lが2mおよび明かりが入った状態、時刻3において、Lが2mおよび明かりが明るい状態、ならびに時刻4において、Lが1mおよび明かりを切った状態である。以降、同様に、装置制御部711に格納されているプログラムデータ712は、すべての照明装置の各LEDについて、連結されている昇降装置から照明装置までのリールの線の長さLおよび明かりに関する、演出が行われる全時間帯に対して経時的に変化する情報を有している。
【0061】
この様なプログラムにより、LEDによって、舞台上に仮想的なオブジェクト(例えば、アーチ型の門)を描くことができる。また、LEDの発光を制御することにより、例えば、アーチ型の門をくぐる出演者の動きに合わせて、照明の変化による演出を行うことができる。
【0062】
ここで、プログラムデータ712は、時刻と、連結されている昇降装置から照明装置までのリールの線の長さLと、明かりに関する情報とを有しているが、本実施形態で使用される昇降装置はすべて、同一の速度で照明装置の昇降を行うため、所定の時刻において、照明装置の昇降に遅延が生じて、照明装置が所定の位置に達していない場合も考えられる。したがって、本実施形態の三次元演出システムでは、照明装置は、連結されている昇降装置から照明装置までのリールの線の長さLを主パラメータとして制御され、時刻は補助的なパラメータとして使用される。
【0063】
すなわち、操作装置は、昇降装置の動作が完了したことを示す状態データを昇降装置から受信して、図2に示したメモリ(図7には不図示)に保存した後に、次のリールの線の長さLになるように、昇降装置に対して指示信号を送信し、次いで、照明装置に対して指示信号を送信することになる。
【0064】
なお、ここでは、操作装置は、昇降装置の動作が完了したことを示す状態データを昇降装置から受信して、図2に示したメモリ(図7には不図示)に保存した後、先に昇降装置に対して指示信号を送信し、次いで、照明装置に対して指示信号を送信することにしているが、昇降装置および照明装置に対する指示信号の送信の順序は逆になってもよいし、同時でもよい。
【0065】
また、昇降装置ごとに照明装置の昇降の速度を変化させることにより、照明装置の昇降に遅延が生じないようにすれば、時刻を主パラメータとして照明装置を制御することも可能である。
【0066】
本実施形態の三次元演出システムの具体例における操作装置710の装置制御部711は、格納しているプログラムデータ712に従って、図3を参照して上述した、本実施形態にかかる三次元演出システムの操作装置の処理に関する方法のように、プログラミングされたプログラムによって、プログラムデータ712が有する各リールの線の長さLおよび明かりに関する情報に基づいて、本実施形態の三次元演出システムの具体例における昇降装置702〜705および照明装置706〜709の各々を独立に動作させる。
【0067】
ここで、図3を参照して上述したステップS301においては、操作装置の入出力部がオペレータなど外部からの入力を検出することによって、操作装置の装置制御部が操作対象装置への指示信号を生成している。しかしながら、本実施形態の三次元演出システムの具体例における操作装置710の装置制御部711は、操作装置の入出力部がオペレータなど外部からの入力を検出することによって、操作対象装置への指示信号を生成するのではなく、格納しているプログラムデータ712に従って、操作対象装置への指示信号を生成している。操作装置710の装置制御部711において、昇降装置および照明装置の動作をプログラミングしておくことにより、時間経過に伴う三次元演出システムによって演出される仮想的なオブジェクトの変化に関する例については、図8を参照して後述する。
【0068】
図8は、本発明の一実施形態にかかる時間経過に伴う三次元演出システムによって演出される仮想的なオブジェクトの変化に関する一例を示す構成図である。なお、本例においては、簡略化のため、昇降装置および操作装置は図示していない。
【0069】
例えば、面状バトン801の状態では、アーチ型の門が舞台の奥行方向に形成されている。一方、面状バトン802の状態では、舞台奥から出演者が門をくぐるに従って、アーチ型の門を引き上げるように演出する。本実施形態の三次元演出システムが、面状バトンを移動させることなく、照明装置を昇降させることによって、照明による三次元演出を提供していることは、特筆に値する。
【0070】
次に、本発明の実施形態にかかる三次元演出システムによって演出される仮想的なオブジェクトの変化について、別の例を用いて説明する。図9は、本発明の実施形態にかかる時間経過に伴う三次元演出システムによって演出される仮想的なオブジェクトの変化に関する別の例を示す構成図である。図8と同様、本例においては、簡略化のため、昇降装置および操作装置は図示していない。
【0071】
図9では、本実施形態の三次元演出システムによる、2つの異なる時刻における空中浮遊する魔法のじゅうたんの静的な三次元オブジェクトが示されている。説明の目的上、じゅうたんの外縁の輪郭を実線および破線により示している。ある時刻において、操作装置が、図7に示したようなプログラムデータに基づいて、昇降装置および照明装置のLEDの各々を動作させて、輪郭線上にLEDを配置することにより、面状バトン901の状態では、魔法のじゅうたんの静的な三次元オブジェクトが表現される。
【0072】
時間の経過に伴って、操作装置が、図7に示したようなプログラムデータに基づいて、昇降装置および照明装置のLEDの各々を再度動作させて、輪郭線上にLEDを配置することにより、面状バトン902の状態では、魔法のじゅうたんの別の静的な三次元オブジェクトが表現される。これにより、例えば、あたかも風の動きに応ずるように、じゅうたんの縁の部分にあたるLEDを上下させて、空中に浮遊しているように演出する。このようにして、図7に示したようなプログラムデータを操作装置の操作制御部に予め格納しておくことにより、本実施形態の三次元演出システムによる魔法のじゅうたんは、例えばコンピュータグラフィックにより描かれるように、どの角度から見ても、あたかも空中を浮遊しているかのように、その動きを経時的に表現することができる。
【0073】
本例で図示した魔法のじゅうたんは、例示にすぎず、現実に存在するものではないが、現実の世界にある物体等(例えば、動物、風景等)を対象として、どの角度から見ても現実に存在するかのように、その動的な変化を経時的に表現することができる。
【0074】
また、本例では、単純にするために、限定された数の照明装置を用いて図示して説明したが、照明装置間の間隔を狭くし、照明装置の数を増やすことで、より精緻で動的な三次元オブジェクトを表現することが可能となる。
【0075】
本実施形態によれば、オペレータが介在することなく、プログラムデータにより、複数の照明装置を独立かつ経時的に昇降させて、LEDを発光させることにより、仮想的な三次元オブジェクトを表現する、三次元演出を行うための三次元演出方法およびシステムを提供することが可能となる。本実施形態では、昇降装置および照明装置と、操作装置との間を、各々無線により接続しているので、昇降装置と照明装置との間に制御用の接続コードなどが必要なく、小型軽量化が可能であり、同時に多くの照明装置を独立に昇降させ、同時に多くのLEDを独立に点灯させたり消灯させたりすることが可能な三次元演出を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
劇場、コンサートホールまたはテレビスタジオ等において三次元演出を行う場合だけでなく、複数の照明装置、スピーカなどの音響機材または大道具もしくは小道具を含むセットなどを独立に昇降させる必要がある場合などに広く利用されるであろう。
【符号の説明】
【0077】
107 面状バトン
201 昇降装置
207 アンテナ部
210 照明装置
213 アンテナ部
216 操作装置
220 アンテナ部
221 メモリ
701 面状バトン
801、802 面状バトン
901、902 面状バトン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
演出装置であって、
演出が行われる舞台の上方向に所定の間隔に配置され、吊り下げ線によって上下動可能な複数の照明素子と、
前記複数の照明素子の発光と各吊り下げ線による上下動とを制御する制御手段とを備えることを特徴とする演出装置。
【請求項2】
前記制御手段は、各吊り下げ線を上下動させる複数の昇降部を有し、
前記昇降部は、前記吊り下げ線が上昇して前記照明素子の電源部と接続した場合に該電源部を充電する充電部を有することを特徴とする請求項1に記載の演出装置。
【請求項3】
前記複数の昇降部は、演出が行われる空間の奥行き方向を含む方向に配置され、
前記吊り下げ線の上下動と前記照明素子の発光とにより動的なオブジェクトが形成されることを特徴とする請求項2に記載の演出装置。
【請求項4】
前記動的なオブジェクトは、経時的に変化する三次元オブジェクトであり、前記吊り下げ線の長さを経時的に変化させる情報及び前記照明素子の明かりを経時的に変化させる情報に従って形成されることを特徴とする請求項3に記載の演出装置。
【請求項5】
前記充電部により充電される前記電源部の状態を示すデータを送信する送信部をさらに備えることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の演出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−101947(P2013−101947A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−285206(P2012−285206)
【出願日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【分割の表示】特願2007−97805(P2007−97805)の分割
【原出願日】平成19年4月3日(2007.4.3)
【出願人】(597146673)株式会社ISA (2)
【Fターム(参考)】