説明

演算装置

【課題】 本発明は、例えばハードディスクユニット等、開口内に収容されてコネクタ結合されるユニットを備えた演算装置に関し、コネクタの誤結合や破損を有効に防止する。
【解決手段】 ユニット側コネクタ273を備えたユニット270を収容するための開口265が形成された筐体と、開口265の奥側の、その開口を覗く位置に配置された、ユニット側コネクタと結合する装置側コネクタ269とを備え、筐体が、開口265の側面からその開口内側に突出した、ユニット270が開口内に正規の姿勢で配置されてユニット側コネクタ273が装置側コネクタ269に挿抜される状態ではユニット270との干渉を免れるとともに、ユニット270の、少なくとも手前側が持ち上がった状態で装置側コネクタ269に向って押されたときにそのユニット270に干渉する、誤操作防止用の突起部266a,266bを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演算処理を行なう演算装置、特には、例えばハードディスクユニット等のユニットを備えた演算装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、演算装置の1つであるノート型パーソナルコンピュータ(以下、「ノートPC」と略記する)には、ハードディスクユニットが内蔵されている。このハードディスクユニットにはハードディスクが組み込まれており、そのハードディスクをアクセスするにあたっては機械的な動きを伴うため比較的故障し易い。このため、例えばノートPCの底部にハードディスクユニット装着用の開口を設けておき、その開口にハードディスクユニットを収容してそのハードディスクユニット側のコネクタをノートPC本体側のコネクタに結合する構造を採用し、装着自在としている。
【0003】
ノートPC本体側のコネクタにハードディスクユニット側のコネクタを正しく結合させるには、ハードディスクユニット装着用の開口内にハードディスクが水平に置かれ、その後そのハードディスクをスライドさせることによってコネクタどうしの正しい結合が行なわれる。
【0004】
しかしながら、ノートPC全体の小型化等の要請からハードディスクユニット装着用の開口も十分な余裕をもっては広がっておらず、このため、例えば斜めのまま差し込んでコネクタを破損させたり、あるいは誤結合に気づかずに正常な動作が行なわれないという事故が発生することがあり、従来より問題となっている。
【0005】
特許文献1には、装置本体側のコネクタの、ハードディスクユニット側のコネクタピン挿入用の開口を上向きにも開けることにより、ハードディスクユニット装着用の開口を更に狭める工夫が開示されている。この工夫によれば、開口の面積を狭めることは可能であるが、斜めのまま差し込まれる可能性は排除されない。
【0006】
特許文献2には、ハードディスクユニットの、コネクタ側先端に突出部を設けておき、ハードディスクユニットが斜めのまま差し込まれそうになるとその突出部が装置側コネクタに当たり結合が阻止されるという構造が示されている。この特許文献2に開示された技術によれば、ハードディスクユニットが斜めに差し込まれそうになったときはコネクタの結合が阻止されて破損等が防止される。しかしながら、ハードディスクユニット側のコネクタピンは通常上下2段に配列されており、装置本体側のコネクタも、それら上下2段のコネクタピンを受け入れる、上下2段に配列された挿入口を有するコネクタであり、この特許文献2の技術では、ハードディスクユニットは水平に保たれているもののコネクタピン1段分だけ浮いた状態にあるときにコネクタを結合させようとすると、ハードディスクユニットの下段のコネクタピンが装置本体側の上段の挿入口に挿入されてしまうという誤結合は防止されない。
【0007】
さらに、特許文献3には、複数のハードディスク装置を収納したケースを引き出すときの省スペース構造が示されているが、誤結合防止とは無関係である。
【0008】
上記ような誤結合の問題は、ハードディスクユニットに限らず、開口内に収納されてコネクタにより結合される構造のユニットを備える場合に共通の問題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−93501号公報
【特許文献2】特開2001−14839号公報
【特許文献3】特開2002−297263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記事情に鑑み、開口内に収容されコネクタ結合されるユニットを備え、そのユニットのコネクタの誤結合や破損が有効に防止された演算装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成する本発明の演算装置は、演算処理を行なう演算装置において、
ユニット側コネクタを備えたユニットを収容するための開口が形成された筐体と、
上記開口の奥側の、その開口を覗く位置に配置された、ユニット側コネクタと結合する装置側コネクタとを備え、
上記筐体が、上記開口側面からその開口内側に突出した、上記ユニットが開口内に正規の姿勢で配置されてユニット側コネクタが装置側コネクタに挿抜される状態ではユニットとの干渉を免れるとともに、ユニットの、少なくとも手前側が持ち上がった状態で装置側コネクタに向って押されたときにそのユニットに干渉する、誤操作防止用の突起部を有することを特徴とする。
【0012】
ここで、「ユニットの少なくとも手前側が持ち上がった状態」というのは、ユニットの手前側が持ち上がった状態にあればよく、ユニットが斜めになって手前側が持ち上がっている状態、およびユニット全体が水平に持ち上がっている状態の双方が含まれる。
【0013】
本発明の演算装置は、上記の突起部を有するため、ユニットが斜めになった状態およびユニットが水平であっても浮き上がった状態のいずれにおいても誤操作が防止され、コネクタの誤結合による動作不良やコネクタの破損等の事故が防止される。また、コネクタが結合した状態にあるユニットを取り出す際も、上記の突起部が有効に作用しユニットの手前側を持ち上げて斜めに引き抜かれてしまうことが防止され、コネクタの結合を外すときも正しい姿勢で外されることになり、不良の発生が防止される。
【0014】
ここで、本発明の演算装置において、上記突起部が、上記開口の両側に形成されていることが好ましい。
【0015】
開口両側に突起部が形成されていると、突起部がユニットに干渉するときは左右両側で干渉することになり、突起部が一方にのみ設けられている場合に生じるおそれのある、ユニットに不用意な斜めの力が加わることが防止される。
【0016】
また、上記本発明の演算装置は、上記ユニットが、金属製の枠体を備え、その枠体が、そのユニットの、少なくとも手前側が持ち上がった状態で装置側コネクタに向かって押されたときに上記突起部に干渉する干渉部を有するものであることが好ましい。
【0017】
干渉部を枠体に設けることにより、そのユニットの、枠体を除く本体部は従来のままにして枠体のみその突起部に対応した干渉部を有するものとすればよく、本発明を適用するための従来との変更点が少なくて済む。
【0018】
また、本発明の演算装置において、ユニット側コネクタは、上下2段に配列された複数の接続ピンを備えたコネクタであり、装置側コネクタは、ユニット側コネクタに上下2段に配列された複数の接続ピンがそれぞれ挿入される、上下2段に配列された複数の挿入口を有するコネクタであってもよい。また、上記ユニットは、ハードディスクを内蔵してハードディスクをアクセスするハードディスクユニットであってもよい。
【0019】
また、本発明は、例えばノートPC等、入力操作用のキーが配列されたキーボードを上面に備えた、演算処理を担う本体ユニットと、画像を表示する表示画面を有し本体ユニットの奥側において本体ユニットにヒンジ接続されて本体ユニットに対し開閉自在な表示ユニットとを備えた演算装置に好適に適用することができる。この場合、上記開口は、本体ユニットの下面に設けられた開口であることが好ましい。
【0020】
上記のユニット(例えばハードディスクユニット)は装置本体から取り外されることはあるが取り外しの頻度は低く、したがって本体ユニット下面に配置すると、普段の取扱いの邪魔にならずに済む。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、コネクタの誤結合や破損等の不具合が有効に防止される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】閉状態にあるノートPCの斜視図である。
【図2】閉状態にあるノートPCを前方斜めから見た斜視図である。
【図3】閉状態にあるノートPCを後方斜めから見た斜視図である。
【図4】図1〜図3に示すノートPCの、閉状態における手前側の側面を示した図である。
【図5】図1〜図3に示すノートPCの、閉状態における奥側の側面を示した図である。
【図6】図1〜図3に示すノートPCの、閉状態における右側の側面を示す図である。
【図7】図1〜図3に示すノートPCの、閉状態の左側の側面を示す図である。
【図8】ノートPCの本体ユニットの上面を、蓋部材を外して示した図である。
【図9】本体ユニット上面のキーボードの直ぐ奥側を示した拡大図である。
【図10】本体ユニットの筐体の上カバーおよびキーボードを取り外して、ファンおよび放熱部材の部分を示した図である。
【図11】図10と同一の状態の本体ユニットの放熱部材の部分を図10とは角度を変えて示した図である。
【図12】金属板を取り外し、ファンと放熱部材の平面的な位置関係を示した図である。
【図13】放熱部材の平面図である。
【図14】放熱部材の斜視図である。
【図15】メイン基板上の発熱部品を示した図である。
【図16】CPUおよびチップセットからなる2つの発熱部品と、それらの発熱部品の上に接触する放熱部材の下面を示した図である。
【図17】図15、図16に示す例と比べCPUとチップセットの配置が異なる別のメイン基板を示す図である。
【図18】図17に示す種類のノートPCにおける、CPUとチップセットからなる2つの発熱部品と、それらの発熱部品の上に接触する放熱部材の下面を示した図である。
【図19】ノートPCの本体ユニットの底面を示した斜視図である。
【図20】図19に示すノートPCの本体ユニットの底面を、ハードディスクドライブユニット装着用の開口を塞ぐ蓋部材を取り外して示した図である。
【図21】ハードディスクドライブユニットを収容する開口、およびその開口内に収容されたハードディスクドライブユニットを示す拡大図である。
【図22】ハードディスクドライブユニットを1つの角度から見て示す図である。
【図23】ハードディスクドライブユニットを別の角度から見て示す図である。
【図24】ハードディスクドライブユニットをさらに別の角度から見て示す図である。
【図25】ハードディスクドライブユニットに備えられたユニット側コネクタの斜視図である。
【図26】ハードディスクドライブユニットに備えられたユニット側コネクタと結合する装置側コネクタを示す図である。
【図27】ハードディスクドライブユニットが収容される開口の一方の側面を示した斜視図である。
【図28】ハードディスクドライブユニットを開口に収容しようとしてそのハードディスクドライブを開口内に正しく配置した状態を示した図である。
【図29】ハードディスクドライブユニットを開口に収容しようとしてそのハードディスクドライブを開口内に正しく配置した状態を示したである。
【図30】ハードディスクドライブユニットの後ろが持ち上がった状態で開口に配置された様子を示す図である。
【図31】ハードディスクドライブユニットが収容される開口を塞ぐ蓋部材の裏面を示す図である。
【図32】PCカードスロットを示す斜視図である。
【図33】図31にも示すPCカードスロットを、図6に示す2つの蓋部材のうちの下向きに開く蓋部材を開けて示す斜視図である。
【図34】本実施形態のノートPCのPCカードスロット(A)と、従来のPCカードスロット(B)とを比較して示す図である。
【図35】ノートPCの本体ユニットの筐体のうちの上カバーを取り外して示したディスクドライブユニットの斜視図である。
【図36】本体ユニット筐体の、ディスクドライブユニットが挿入されるディスクドライブユニット収容部を示した図である。
【図37】ディスクドライブユニット収容部の一方の側端部を示した図である。
【図38】ディスクドライブユニット収容部のもう一方の側端部を示した図である。
【図39】サブ基板およびフラットケーブルを取り外して、そのサブ基板の下に敷かれたシートを示した図である。
【図40】メイン基板とサブ基板との双方を取り外して、それらの基板の下に広がる絶縁シートを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態であるノート型パーソナルコンピュータ(ノートPC)について説明する。
[全体構成]
図1は、閉状態にあるノートPCの斜視図、図2は閉状態にあるノートPCを前方斜めから見た斜視図、図3は、閉状態にあるノートPCを後方斜めから見た斜視図である。
【0024】
このノートPC10は、本体ユニット20と表示ユニット30とから構成されており、表示ユニット30は、本体ユニット20の奥側で、ヒンジ機構40により、本体ユニット20に開閉自在にヒンジ接続されている。
【0025】
本体ユニット20は、その筐体の内部に、CPUやその他の回路部品、ハードディスクを内蔵したハードディスクドライブユニット、CDやDVDが取出し自在に装填されてアクセスされるディスクドライブユニット、PCカードが挿入されてアクセスされるPCカードスロット、様々なタイプのメモリカードが挿入されてアクセスされるメモリカードスロット、および、その他の様々な部品が備えられている。
【0026】
また、この本体ユニットの上面には、キーボード21、タッチパッド22、タッチパッド用の左右の押ボタン22a,22b、それらの押ボタン22a,22bの中央に置かれた指紋センサ23、右手奥に配置された電源ボタン24、複数の表示ランプ25、複数のファンクションボタン26等が配置されている。
【0027】
また、この本体ユニット20の上面の手前側の左右中央には、表示ユニット30を閉じたときのロック用の穴27が設けられている。この穴27には、表示ユニット30を本体ユニット20の上に閉じたときに、表示ユニット30に設けられているロック爪31が入り込み、表示ユニット30が本体ユニット20から不用意には開かないようにロックされる。このロックは、表示ユニット30に設けられたロック解除ボタン32を押すことによって外れ、表示ユニット30をそのまま手で持ち上げて開くことができる。また、本体ユニット20の上面のキーボード21の直ぐ奥には、左右に細長い蓋部材28が備えられている。この蓋部材28の詳細については後述する。
【0028】
表示ユニット30には、上述したロック爪31やロック解除ボタン32の他、閉時に本体ユニット20側を向く内側の面に表示画面33が備えられており、本体ユニット20内のCPUからの指示に応じてその表示画面上に様々な画像が表示される。
【0029】
ヒンジ機構40は、表示ユニット30を本体ユニット20に対し開閉自在に軸支するものであり、表示ユニット30が任意の開き角度に保持されるようにフリクションで支持している。
【0030】
図4は、図1〜図3に示すノートPCの、閉状態における手前側の側面を示した図である。
【0031】
本体ユニット20の手前側の側面には、この図4に示すように、左右に内部のスピーカからの音を外部に出力するための放音口201a,201bが形成されており、さらにマイクロホンのジャックが接続されるマイクロホン接続口202、ヘッドホンのジャックが接続されるヘッドホン接続口203、および無線LANのオン/オフスイッチ204が備えられている。
【0032】
図5は、図1〜図3に示すノートPCの、閉状態における奥側の側面を示した図である。
【0033】
本体ユニット20の奥側の側面には、この図5に示すように、この図5の右側から順に、MODEM回線接続口205、外部モニタ用の接続コネクタ206、後述する本体ユニット20内のファンからの送風の排気口207、ビデオ出力端子208、LAN接続端子209、2つのUSB接続端子210a,210b、および盗難防止用のワイヤを接続するためのロック孔211が設けられている。
【0034】
ここで、排気口207の奥には、後述する放熱部材240(図11参照)の放熱フィン241が覗いている。
【0035】
図6は、図1〜図3に示すノートPCの、閉状態における右側の側面を示す図である。
【0036】
本体ユニット20の右側面には、この図6に示すように、ACアダプタ(図示せず)からの電源ケーブル接続用の電源ケーブル接続口212、IEEE1394接続端子213、USB接続端子214、複数種類(ここでは4種類)の記録メディアの挿入が可能なメディア挿入口215、および、PCカードが挿入されるPCカード挿入口216が設けられている。このPCカード挿入口216には、上下2枚の蓋部材217,218が設けられている。これらの蓋部材217,218は、このPCカード挿入口216からPCカードが挿入されていないときは図6に示すように閉じた状態となるように本体ユニット20の筐体内部からバネ付勢されており、PCカードが差し込まれると、そのPCカードの先端に押されて、2枚の蓋部材217,218のうちの上側の蓋部材217は、上縁217aを中心に上に持ち上がるように回動し、また、下側の蓋部材218は、下縁218aを中心に下に倒れるように回動してPCカード挿入口216を開く構造となっている。また、このPCカード挿入口216の横には、このPCカード挿入口216から挿入されたPCカードを抜くときに押されるイジェクトボタン219が配置されている。
【0037】
図7は、図1〜図3に示すノートPCの、閉状態の左側の側面を示す図である。
【0038】
本体ユニット20の左側面には、この図7に示すように、CDやDVDが装填されてアクセスされるディスクドライブユニット220の端面が配置されている。イジェクトボタン221を押すと、本体ユニット20の筐体内部からCDやDVDを載せるためのトレイが飛出し、そのトレイの上にCD又はDVDを載せてそのトレイを押し込む。こうすることによりそのCD又はDVDがアクセスされる。トレイ上に載せたCDやDVDを取り出すときも同様である。
【0039】
この本体ユニット20の筐体には、そのディスクドライブユニット220の端面と同一形状の開口が形成されており、メンテナンス時には、工具を使ってこのディスクドライブユニット220の全体を本体ユニット20の筐体内部から抜き出すことができ、再挿入することができる。
【0040】
以上はノートPC全体の概要説明であり、以下ではこのノートPCの各部の詳細について説明する。
[放熱フィンの送風入口部分の構造]
図8は、ノートPCの本体ユニットの上面を、蓋部材を外して示した図、図9は、本体ユニット上面のキーボードの直ぐ奥側を示した拡大図である。
【0041】
図1に示したように、本体ユニット20上面のキーボード21の直ぐ奥には、左右に長い蓋部材28が備えられており、図8に示すようにその蓋部材28を開けると、そこに本体ユニット20の筐体に設けられた開口231があらわれ、その開口231内には、放熱部材240(図11参照)の放熱フィン241の送風入口部分241aがあらわれる。放熱部材240の詳細説明は後に譲るが、この放熱フィン241の送風入口部分には、ファン250(図10参照)からの送風が当たり塵埃が堆積し易い。その部分に塵埃が堆積するとファン250からの送風の流れが悪くなり冷却能力が下がり、本体ユニット20の筐体内部が高温となり、動作不良の原因や部品の故障の原因となる。そこで、このノートPC10では、蓋部材28を外すと、そこに、その放熱フィン241の送風入口部分241aを覗かせる開口231があらわれ、その送風入口部分241aに堆積した塵埃を容易に取り除くことができる。放熱フィン241の送風入口部分241aを覗かせている開口231を塞ぐ蓋部材28は、図9にその裏面を示すように、左右の両端に位置決め用の爪281,282が形成され、中央部分3箇所にロック用の爪283,284,285が形成されている。
【0042】
これらの爪281〜285のうちの位置決め用の爪281,282は、本体ユニット20の筐体に設けられた位置決め用の穴232,233に嵌入し、ロック用の爪283〜285は、それぞれ、本体ユニット20の筐体に設けられたロック用の穴234〜236にそれぞれ入り込み、これにより蓋部材28が開口231を塞いだ状態に取り付けられる。
【0043】
また、本体ユニット20の筐体には、蓋部材28を取り付けたときのその蓋部材28の筐体側に爪又は指先を掛けるための空間を形成する凹部237が形成されており、その凹部237を利用して蓋部材28の下に爪又は指先を掛けて持ち上げることにより、この蓋部材28を容易に取り外すことができる。
【0044】
図10は、本体ユニットの筐体の上カバーおよびキーボードを取り外して、ファンおよび放熱部材の部分を示した図、図11は、図10と同一の状態の本体ユニットの放熱部材の部分を図10とは角度を変えて示した図である。
【0045】
ファン250の囲りには、様々な多数の回路部品が搭載されたメイン基板251が広がっており、ファン250および回路基板251の上には、いくつかの開口が形成された金属板252が広がっている。また、この金属板252は、放熱部材240の上にも広がっている。ただし、この放熱部材240はその上面がファン250の上面よりも高い位置にあり、このため、この金属板252の放熱部材240の上面の覆う部分252aは、放熱部材240の高さに合わせて盛り上がった形状となっている。
【0046】
この金属板252は、その下の回路基板に対する電磁シールドの役割りを成すとともにこの上に置かれるキーボード21(図1参照)の台としての役割も担っている。
【0047】
図12は、さらに金属板を取り外し、ファンと放熱部材の平面的な位置関係を示した図である。
【0048】
放熱部材241の下には、CPUと称されるLSIと、チップセットと称されるLSIとの2つの大きなLSIが配置されており、この放熱部材241はそれら2つのLSIで発生する熱の放熱を担っている。この点についての詳細は後述する。
【0049】
ファン250からの風は、放熱部材240に設けられた放熱フィン241にその送風入口部分241aから送り込まれ、この放熱フィン241の間を通過する間に放熱フィン241の熱を奪って温められ、本体ユニット20の筐体の、奥側の側面に設けられた開口207(図5を合わせて参照)から装置外部に排気される。
[放熱部材の構造]
図13は、放熱部材の平面図、図14は、放熱部材の斜視図である。
【0050】
この放熱部材240は、水平に広がるベース板242と、そのベース板242に固定されてそのベース板242上に立設した多数枚の放熱フィン241と、ベース板242の左右に両側に水平に広がる一対のアーム板243,244を有する。これら2つのアーム板243,244それぞれの手前側および奥側には、この放熱部材240をネジ止めにより固定するための締結部243a,243b;244a,244bが設けられている。また、この放熱部材240は、放熱フィン241の上部および両側部に広がる固定板245を備えており、一対のアーム板243,244は、その固定板245の延長上に形成されている。
【0051】
図15は、メイン基板上の発熱部品を示した図である。
【0052】
ここには、図14に示す放熱部材240によって冷却される2つの発熱部品である、CPU253aと、そのCPU253aに近接配置されたチップセット254aが示されている。これらCPU253aとチップセット254aとの2つの発熱部品のうち、CPU253aの方がチップセット254aよりも強く発熱し、したがってCPU253aは放熱部材240によってより効率的に放熱されるようにベース板242の下に置かれ、そのCPU253aでの発熱はベース板242を介して放熱フィン241の下側からその放熱フィン241に伝熱される。一方、チップセット254aは、左右両側のアーム板243,244のうちの一方のアーム板(ここではアーム板243)の下に置かれ、そのチップセット254aでの発熱はアーム板243、固定板245を経由して放熱フィン241の上側からその放熱フィン241に伝熱される。
【0053】
図16は、CPUおよびチップセットからなる2つの発熱部品と、それらの発熱部品の上に接触する放熱部材の下面を示した図である。
【0054】
放熱部材240は、CPU253aとチップセット254aの上に、伝熱性のグリスを挟んで密着するように配置され、一対のアーム板243,244に備えられた各2つずつの締結部243a,243b;244a,244bがメイン基板251上の4つのネジ穴251a,251b,251c,251dに重ねられてネジ止めされるが、そのときに、CPU253aの中央aが放熱部材240のベース板242のほぼ中央a′に密着し、チップセット254aの中央bが、一方のアーム板243の、部分的に下に凸の段差を持つ部分243cの中央b′に密着する。アーム部材243の段差については後述する。
【0055】
図17は、図15、図16に示す例と比べCPUとチップセットの配置が異なる別のメイン基板を示す図である。
【0056】
ここで説明しているノートPC10(図1参照)には、CPUおよびチップセットのメーカが異なる2種類のノートPCが存在し、図15、図16は2種類のノートPCのうちの1種類のノートPCのメイン基板上のCPU253aとチップセット254aの配置位置を示しており、この図17は、もう1種類のノートPCのメイン基板上のCPU253bとチップセット254bの配置位置を示している。
【0057】
この図17に示すCPU253bおよびチップセット254bは、図15、図16に示すCPU253aおよびチップセット254aと比べ、それらの配置位置がおおむね入れ替わった位置関係にある。
【0058】
図18は、図17に示す種類のノートPCにおける、CPUとチップセットからなる2つの発熱部品と、それらの発熱部品の上に接触する放熱部材の下面を示した図である。
【0059】
放熱部材240は、図16に示す、先に説明した種類のノートPCの場合と同様、CPU253bとチップセット254bの上に伝熱性のグリスを挟んで密着するように配置され、一対のアーム板243,244に備えられた各2つずつの締結部243a,243b;244a,244bがメイン基板251上の4つのネジ穴251a,251b,251c,251dに重ねられてネジ止めされるが、そのときに、CPU253bの中央cが放熱部材240のベース板242のほぼ中央c′に密着し、チップセット254bの中央dが、一方のアーム板244の中央d′に密着する。
【0060】
ここで、図16に示す第1の種類のノートPCにおけるCPU253aの高さを基準としたときの、その第1の種類のノートPCにおけるチップセット254aの高さと、図18に示す第2の種類のノートPCにおけるCPU253bの高さを基準としたときのその第2の種類のノートPCにおけるチップセット244bの高さが異なっており、放熱部材243を構成するアーム板243の、下に凸の段差を持つ部分243cは、いずれのチップセット244a,244bについても密着するように、これらのチップセット244a,244bの高さの相違を吸収するために設けられたものである。
【0061】
こうすることにより、2つの種類のノートPCのメイン基板251上の、CPU253,253bの高さと4つのネジ穴251a,251b,251c,251dを合わせておき、同一形状の放熱部材240を、それら2種類のノートPCのいずれにも採用することができる。
[ハードディスクドライブユニット装着部の構造]
図19は、ノートPCの本体ユニット20の底面を示した斜視図である。
【0062】
ここには、ハードディスクドライブユニット装着用の開口を塞ぐ蓋部材261、バッテリ装填用の開口を塞ぐ蓋部材262、および、メモリカード装着用の開口を塞ぐ蓋部材263が示されている。
【0063】
図20は、図19に示すノートPCの本体ユニットの底面を、ハードディスクドライブユニット装着用の開口を塞ぐ蓋部材261を取り外して示した図である。
【0064】
ここには、本体ユニット20の底面の、ハードディスクドライブユニット270を収容するための開口265が形成されており、その開口265内にはハードディスクドライブユニット270が収容されている。
【0065】
図21は、ハードディスクドライブユニットを収容する開口、およびその開口内に収容されたハードディスクドライブユニットを示す拡大図である。
【0066】
このハードディスクドライブユニット270を開口265から取り出すには、2つのネジ264a,264bを外してシート271を矢印A方向に引くことにより、後述するコネクタの結合が外れ、このハードディスクドライブユニット270をこの開口265から取り出すことができる。ハードディスクドライブユニット270をこの開口265に収容するには、このハードディスクドライブユニット270を、開口265内の、図21に示す位置よりも矢印A方向に少しずれた位置に置き、そのハードディスクドライブユニット270を矢印Aとは反対の向きに押すことにより後述するコネクタが結合し、さらに2本のネジ264a,264bでネジ止めすることにより、ハードディスクドライブユニット270が開口265内に正しく収容される。
【0067】
ここで、この開口265には、その左右から開口265内に突出した一対の突起部266a,266bを有し、ハードディスクドライブユニット270の手前側が斜めに持ち上がった状態、あるいはハードディスクドライブユニット270の全体が浮き上がった状態のままコネクタを結合させようとすると、ハードディスクドライブユニット270がそれらの突起部266a,266bに干渉し、コネクタの結合が行なわれず、コネクタの誤結合やコネクタピンの折れ曲がり等の不具合の発生が防止される。詳細は後述する。また、この開口265の両側には、さらに別の突起部267a,267b;268a,268bも存在するが、それらの突起部267a,267b;268a,268bは、この開口265を覆う蓋部材261(図19、図31参照)を係止するための突起部である。
【0068】
図22〜図24は、ハードディスクドライブユニットをそれぞれ別々の角度から見て示す図、図25は、ハードディスクドライブユニットに備えられたユニット側コネクタの斜視図である。
【0069】
このハードディスクドライブユニット270には、金属製の枠体272が備えられており、この枠体272は、その左右に折れ曲がった部分でハードディスクドライブ本体にネジ止めされている。この金属製の枠体272は、このハードディスクドライブユニット270の強度を保つ役割りのほか、内部のハードディスクおよび磁気ヘッドに対する電磁シールドの役割りを担っている。この枠体272に設けられた多数の孔は、軽量化のためであり、強度およびシールド性を損なわない範囲で軽量化が図られている。
【0070】
またこの金属製の枠体272にはもう1つの役割りがあり、このハードディスクドライブユニット270が上述したような正しくない姿勢でコネクタ結合が行なわれようとしたときに、図21に示す、開口265に突出した突起部266a,266bに干渉する干渉部272a,272bが設けられている。
【0071】
また、このハードディスクドライブユニット270の先端には、ユニット側コネクタ273が備えられている。このユニット側コネクタ273には、図25に示すように、上下2段に配列された多数の接続ピン273aが備えられている。
【0072】
図26は、ハードディスクドライブユニットに備えられたユニット側コネクタと結合する装置側コネクタを示す図である。
【0073】
ハードディスクドライブユニット270に備えられたユニット側コネクタ273に多数の接続ピン273aが上下2段に並んでいることに対応して、装置側コネクタ269には、ユニット側コネクタに上下2段に配列された接続ピン273aがそれぞれ挿入される、上下2段に配列された多数のピン挿入口269が形成されている。
【0074】
図27は、ハードディスクドライブユニットが収容される開口の一方の側面を示した斜視図である。
【0075】
ここには、前述した突起部266aが備えられている。この突起部266aの下は、ハードディスクドライブユニット270の金属製の枠体272a(図22参照)がその突起部266aの下を通過できるようになっている。この開口265のもう一方の側面に設けられた突起部266b(図21参照)も同様である。
【0076】
図28、図29は、ハードディスクドライブユニットを開口に収容しようとしてそのハードディスクドライブを開口内に正しく配置した状態を示した図である。
【0077】
ハードディスクドライブユニット270は、開口265内の、図28、図29に示す位置に置かれ、その後矢印B方向に押されてユニット側コネクタ273と装置側コネクタ269が結合する。ここでは、ハードディスクドライブユニット270は、正規の位置に正しく置かれているため、そのハードディスクドライブユニット270の金属製の枠体27に設けられた干渉部272a,272bは、開口265内に突出した突起部266a,266bには干渉せずに、突起部266a,266bの下を通過する。
【0078】
図30は、ハードディスクドライブユニットの後ろが持ち上がった状態で開口に配置された様子を示す図である。
【0079】
この場合、ハードディスクドライブユニット270を、この図30に示す姿勢のまま、コネクタ269,273を結合させようとして矢印B方向に動かそうとすると、突起部266a,266bに干渉部272a,272bが衝突し、コネクタ269,273を結合させることができず、無理な姿勢による結合により接続されることによる、接続ピン279aの折れ曲がり等の事故が防止される。
【0080】
この図30には、ハードディスクドライブユニット270の手前側が持ち上がって斜めになっている状態を示したが、ハードディスクドライブユニット270の全体が水平に浮いた状態にある場合も同様であり、ユニット側コネクタ273の、上下2段に配列された接続ピン273aのうちの下段に配列された接続ピンが、装置側コネクタ269の上下2段に配列されたピン挿入口269a(図27参照)のうちの上段のピン挿入口に挿入されてしまうという誤結合も防止される。ハードディスクドライブユニット270が、干渉部272a,272bが突起部266a,266bの上を通過するほどに斜めに傾いた状態では、無理矢理に力を加えれば下段の接続ピン273aが上段のピン挿入口に入り込むことも有り得るが、その場合は干渉部272a,272bが突起部266a,266bの上に位置することになり、ハードディスクドライブユニット270を開口265内に収容することができず、その開口265を覆う蓋261(図19参照)を取り付けることができず、ハードディスクドライブユニット270が正しく収容されていないことが一目で分かることになる。
【0081】
さらに、ハードディスクドライブユニット270が開口265内に正しく収容されているときは、干渉部272a,272bは突起部266a,266bの下に位置しており、したがってそのハードディスクドライブユニット270をその開口265から取り出すときにも、コネクタ269,273の結合を外すよりも前に後ろ側を持ち上げることはできず、ユニット側コネクタ273が装置側コネクタ269から正しい姿勢で引き抜かれる。
【0082】
図31は、ハードディスクドライブユニットが収容される開口を塞ぐ蓋部材の裏面を示す図である。
【0083】
この蓋部材261の裏面には、開口265(図21参照)の奥側に入り込む2つの突起301a,301bと、開口265の左右側面から開口265内に突出した2つの突起部267a,267bに係合する2つの突起爪302a,302bと、開口265の後端側において開口265の左右の側面から突出した2つの突起部264a,264bに係合する2つの係合爪303a,303bを有する。また、この蓋部材261の後部側にはネジ止め用の孔304が設けられている。この蓋部材261は、2つの突起301a,301b、2つの突起爪302a,302b、および2つの係合爪303a,303bをそれぞれ係合させて、さらにネジ止め用の孔304を使ってネジ止めすることにより、図19に示すように開口が塞がれた状態となる。
[PCカードスロット]
図32は、PCカードスロットを示す斜視図、図33は、図32にも示すPCカードスロットを、図6に示す2つの蓋部材のうちの下向きに開く蓋部材を開けて示す斜視図である。
【0084】
ここに示すPCカードスロット280は、図1に示すノートPC10の本体ユニット20を構成する筐体内の、その本体ユニット20の左側の側面に設けられたPCカード挿入口216(図6参照)の直ぐ内側に、そのPCカード挿入口216と向き合う向きに配置されており、そのPCカードスロット216を通って挿入されてきたPCカードを受け入れる金属製の枠体で構成され、上下に2枚のPCカードを収容する構成となっている。このPCカードスロット280の下には、このPCカードスロット280に挿入されたPCカードをアクセスする回路が搭載された回路基板が備えられており、その回路基板と金属製の枠体からなるPCカードスロット280との間の電気的な絶縁を確保するために、それらの回路基板とPCカードスロット280との間に絶縁シート281が敷かれ、その前端281aは、PCカード挿入口216(図6参照)の直ぐ内側にまで広がっている。
【0085】
PCカード挿入口216は、図6を参照して説明したように、上下2枚の蓋部材217,218で開放自在に閉じられており、このPCカード挿入口216にPCカードが挿入されると、そのPCカードの先端が蓋部材217,218に当たり、上側の蓋部材217に当たるとその蓋部材217は上縁217aを中心に上に持ち上がるように回動し、下側の蓋部材218に当たるとその蓋部材218はその下縁218aを中心に下に倒れるように回動して、PCカード挿入口216からPCカードが受け入れられる。
【0086】
図33は、PCカード挿入口216を塞ぐ上下2枚の蓋部材のうちの下側の蓋部材218が開いた様子を示している。この蓋部材218は、開いた状態では、絶縁シート281の前端281aを覆い、このため、このPCカード挿入口216から挿入されてきたPCカードはその絶縁シート281の前端281aに当たることが防止され、その絶縁シート281のめくれが防止される。
【0087】
図34は、本実施形態のノートPCのPCカードスロット(A)と、従来のPCカードスロット(B)とを比較して示す図である。
【0088】
従来のPCカードスロット(B)の場合、絶縁シート281の前端部は両面テープでその下の回路基板に貼着されている。回路基板の前端は絶縁シート281の前端281aと同一である。しかしながら、PCカードが少し斜め下向きに挿入されると、PCカードの前端面が絶縁シート281の前端281aに当たり、それが何度か繰り返し生じると絶縁シート281がめくれ上がり、PCカード前端でその下の回路基板が傷つけられ、動作不良となるおそれがある。
【0089】
そこで、本実施形態のノートPCでは、回路基板はむしろ短かめ(図34(A)に示す一点鎖線の位置まで)とし、絶縁シート281をPCカード挿入口216(図6参照)にさらに近ずく位置まで広げている。こうすることにより、図32に示すように絶縁シート281の前端281aは下向きに開いた蓋部材218に覆われ、絶縁シート281を回路基板に接着する必要もなく絶縁シート281のめくれが防止され、回路基板の損傷も防止される。また、絶縁シート281を回路基板に接着する必要がないため組立工数も削減される。
[ディスクドライブユニット装着部の構造]
図35は、ノートPCの本体ユニットの筐体のうちの上カバーを取り外して示したディスクドライブユニットの斜視図である。
【0090】
このディスクドライブユニット220は、図7に示すように、ノートPC10の本体ユニット20の、左側の側面の開口から挿入されて、その本体ユニット20の筐体内に配置されたものである。
【0091】
図36は、本体ユニット筐体の、ディスクドライブユニットが挿入されるディスクドライブユニット収容部を示した図、図37は、そのディスクドライブユニット収容部の一方の側端部を示した図、図38は、そのディスクドライブユニット収容部のもう一方の側端部を示した図である。
【0092】
ディスクドライブユニット220は、ディスクドライブユニット収容部310に収容される際は、両側部のレール211,212に案内されながら、ディスクドライブユニット220に設けられたコネクタ(図示せず)が装置側のコネクタ313と結合する位置まで挿入される。この正規の位置まで挿入されると、ディスクドライブユニット220の表面は、図7に示すように、ノートPC10の本体ユニット20の筐体の表面に対し同一面となる。
【0093】
ここで、このディスクドライブユニット収容部310の両側には、それぞれメイン基板251(図38参照)とサブ基板320(図36参照)が配備されており、ディスクドライブユニット収容部310を横切って、それらの回路基版251,320を電気的に接続するためのフラットケーブル321が配置されている。あるいはフラットケーブル321に代えてフレキシブル配線基板であってもよい。このフラットケーブル321は、このディスクドライブユニット収容部310にディスクドライブユニット220が収容されると、そのディスクドライブユニット220の下に位置し、このため、何らの対策も講じなかった場合、このディスクドライブユニット収容部310に挿入されてきたディスクドライブユニット220にフラットケーブル321が引っ掛かり断線等の事故が生じるおそれがある。そこで、ここでは、フラットケーブル321の下にシート322を敷き、さらにそのシート322をディスクドライブユニット220の挿入開口に近い側で折り返してそのフラットケーブル321の上にもシート322を配置している。このシート322は挿入開口から離れた側で、粘着テープ323で、そのディスクドライブユニット収容部310の床に貼着されている。
【0094】
ここでは、シート322を上記のように折り返してフラットケーブル321を包む込むことにより、ディスクドライブユニット220が挿入される際のフラットケーブル321の引っ掛かりが防止され、断線等の不良の発生が抑えられている。
【0095】
図39は、サブ基板およびフラットケーブルを取り外して、そのサブ基板の下に敷かれたシートを示した図である。
【0096】
サブ基板の下には、本体ユニットの筐体とサブ基板とが電気的に接触するのを防止するための絶縁シート324が敷かれており、図36、図37に示す、フラットケーブル321を包むシート322は、その絶縁シート324を延長して形成したものである。ここではこのように、フラットケーブル321を包むシート322を、サブ基板下の絶縁シート324を延長して形成することにより、部品点数の増加が防止されている。
【0097】
図40は、メイン基板とサブ基板との双方を取り外して、それらの基板の下に広がる絶縁シートを示した図である。
【0098】
メイン基板の下にも、絶縁シート325が敷かれており、サブ基板下の絶縁シート324とメイン基板下の絶縁シート325は、サブ基板下の絶縁シート324がディスクドライブユニット収容部310を横切ってメイン基板側に延び、その絶縁シート324の先端部324aがメイン基板下の絶縁シート325と若干だけ重ねられている。
【0099】
ここでは、このような広がりを持つ絶縁シート324,325のうちのサブ基板側の絶縁シート324を使い、ディスクドライブユニット収容部310を横切るフラットケーブル321を包むことにより、そのディスクドライブユニット収容部310に挿入されてきたディスクドライブユニット220へのフラットケーブル321の引っ掛かりの防止が図られている。
【符号の説明】
【0100】
10 ノートPC
20 本体ユニット
21 キーボード
22a,22b 押ボタン
23 指紋センサ
24 電源ボタン
25 表示ランプ
26 ファンクションボタン
27 穴
28 蓋部材
30 表示ユニット
31 ロック爪
32 ロック解除ボタン
33 表示画面
40 ヒンジ機構
207 排気口
217,218 蓋部材
220 ディスクドライブユニット
221 イジェクトボタン
231 開口
232,233,234,235,236 穴
237 凹部
240 放熱部材
241 放熱フィン
241a 送風入口部分
242 ベース板
281,282,283,284,285 爪
243 アーム板
243a,243b 締結部
243c 凸の段差を持つ部分
244 アーム板
244a,244b 締結部
245 固定板
250 ファン
251 メイン基板
252 金属板
252a 上面の覆う部分
254a,254b チップセット
261 蓋部材
265 開口
266a,266b 突起部
269 装置側コネクタ
269a ピン挿入口
270 ハードディスクドライブユニット
271 シート
272 枠体
272a,272b 干渉部 273
273a 接続ピン
280 PCカードスロット
281 爪
281a 前端
310 ディスクドライブユニット収容部
311,312 レール
313 コネクタ
320 サブ基板
321 フラットケーブル
322 シート
323 粘着テープ
324 アーム板
325 絶縁シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
演算処理を行なう演算装置において、
ユニット側コネクタを備えたユニットを収容するための開口が形成された筐体と、
前記開口の奥側の、該開口を覗く位置に配置された、前記ユニット側コネクタと結合する装置側コネクタとを備え、
前記筐体が、前記開口側面から該開口内側に突出した、前記ユニットが該開口内に正規の姿勢で配置されて前記ユニット側コネクタが前記装置側コネクタに挿抜される状態では該ユニットとの干渉を免れるとともに、該ユニットの、少なくとも手前側が持ち上がった状態で前記装置側コネクタに向って押されたときに該ユニットに干渉する、誤操作防止用の突起部を有することを特徴とする演算装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【公開番号】特開2011−216125(P2011−216125A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163011(P2011−163011)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【分割の表示】特願2006−222129(P2006−222129)の分割
【原出願日】平成18年8月16日(2006.8.16)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)