説明

漢字演習ノート

【課題】漢字ドリルを使っての漢字学習を容易なものとすることができ、家庭学習において漢字ドリルを使用する場合にも児童が容易に自学でき、その成果を先生が容易に確認できる漢字ドリル専用の漢字演習ノートを提供すること。
【解決手段】習得すべき漢字に対応させて記入すべき領域を区画した練習ユニットN1が印刷されており、該練習ユニットは、前記習得すべき漢字一字が大書されて示された見出し漢字エリア21と、当該漢字の画数を記入するための画数記入エリア22と、当該漢字の読み方を記入するための読み方記入エリア23と、前記見出し漢字エリアの文字より小さな文字でなぞり用の当該漢字が記入されたなぞりエリア24と、該なぞりエリアとほぼ同じ大きさで当該漢字を記入できるようにした全画練習エリア25と、当該漢字を用いた熟語や用例が記入できるようにした記述練習エリア26とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として小学校において、漢字の学習に使用されるドリル教材である漢字ドリルに対応した専用の漢字演習ノートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、小学生の漢字学習に適した漢字学習帳のようなものは、種々提案されている。
例えば、特許文献1の「漢字学習システムノート」は、ガイダンスに始まり、第1から第4までの各ステップを踏んで、それぞれのステップに対応した漢字練習を行い、テストによる合否判定を経て、評価を受けることで、学習意欲を向上させようとするものである。
また、特許文献2の「漢字練習帳」は、漢字の構造を解析して、偏や旁、冠等の要素でなるブロックに分解し、ブロック毎に練習して効率よく漢字学習を行おうとするものである。
さらに、特許文献3の「漢字学習帳」は、その学習欄に意味や例文の各表示部、筆順や部首の各表示部が設けられている他、学習意欲促進スペースという箇所には、同じ漢字で、異なる読み方をさせるものを、俳句の5、7、5等の文句にあてはめて作ってあり、興味を引いて学習させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−62351
【特許文献2】特開平8−185115号
【特許文献3】特開平10−193839号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、これらの技術では、以下のような学習場面において、有効な演習ノートを提供できるものではない。
小学校の学習現場においては、使用されている教科書(教科書会社毎に異なる)に準拠して、新出漢字を整理し、漢字習得の練習をさせるように作られた、漢字ドリルという学習帳が広く使用されている。
【0005】
図7ないし図9は、この漢字ドリルDの一部の頁D1、D2、D3を示すものであり、その使用法としては、この漢字ドリルDが教示し、あるいは指示する事項を、漢字ドリルDとは別の市販のノートに繰り返し記入し、漢字の構造、読み、意味、書き順等を習得するようにしている。
例えば、図7において、漢字ドリルDの頁D1は、新出漢字の頁である。ここでは、複数に区画されたエリアA1毎にひとつの新出漢字について学習すべき事項がコンパクトにまとめて表示されている。ここで、「新出漢字」とは、小学校の授業で使用している国語の教科書の単元毎に、新しく学ぶことになっている漢字のことで、漢字ドリルDは、各教科書会社が出版する個々の国語教科書に準拠して作られている。
漢字ドリルDの頁D1は、個々に記されている新出漢字を、筆順を確認しながら何回もノートに書く練習をさせるものである。
【0006】
図8において、漢字ドリルDの頁D2は、漢字仮名混じり文が表示されており、新出漢字についての「読み」をノートに記載し、さらに既出(既に習った)漢字について、学習していない読み方があれば、それをノートに記載させるものである。
図9において、漢字ドリルの頁D3は、仮名だけで記載された文が表示されており、太字の部分と横に印をつけた部分について漢字に直す等して、漢字仮名混じり文を作る練習をノートに行うものである。
なお、漢字ドリルの1枚の紙において項D2の裏面に項D3が配置されており、項D2と項D3は同じ短文を同じ順番で配置し、同じ番号が付されている。このため、一方が他方の作業の解答になる構成となっている。
このような漢字ドリルDは、授業の一部として学校で、あるいは家庭学習の所謂「宿題」として使用される。
【0007】
ところが、使用する市販のノートは、白紙か、横罫線が入ったもの、もしくは縦横の線によりマス目が形成されているものに過ぎない。
そして、例えば、低学年の児童では、ノートの書き方をこれから学習する段階にある。このため、漢字ドリルDの例えば図7に示した頁D1を見ながら、ノートに新出漢字等を書く練習をしようとしても、ノートのどの位置に、どの程度の大きさで、何文字位書くかといった種々の点で迷うことになる。
この点、先生が教室で漢字ドリルDを用いて授業をする場合にも、漢字の読みや部首等といった点を説明するだけでなく、ノートの使い方、書き方の指導に多くの時間を割かなければならず、そのため漢字学習の時間が不足するという問題があった。
【0008】
さらに、漢字ドリルDを家庭学習に使用する場合には、先生の指導の無いところでノートを使わなくてはならない。このため、ノート使用に習熟していない児童にとっては、漢字ドリルDを使用して一人で行う家庭学習がうまく行えない場合がある。
さらに、漢字ドリルDと市販のノートを用いて漢字学習を進めて、途中で中断した場合に、次回また、漢字学習を開始するに当たって、ノートを見ただけでは、前回どこまで進んだかが判断しにくく、学習を続ける上で支障をきたす場合がある。
また、児童が漢字ドリルDによる家庭学習をしてきたものを先生が確認する場合、児童によって書き方がバラバラになっているので、個々の児童の学習の進み具合が判断しにくいという問題もある。
【0009】
そこで、本発明は、児童がノートを用いて漢字の学習をする上で、新たな学習方法を提示し、この専用ノートを使用することにより、漢字ドリルを使っての漢字学習を容易なものとすることができ、家庭学習において漢字ドリルを使用する場合にも児童が容易に自学でき、さらに、その成果を先生が容易に確認できるようにした漢字ドリル専用の漢字演習ノートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的は、第1の発明にあっては、漢字学習のための漢字ドリルが教示し、または指示する特定の事項に対応させて、使用されるようにした漢字演習ノートであって、習得すべき漢字一字に対応させて記入すべき領域を区画したひとつの練習ユニットが印刷されており、該練習ユニットは、その内側が記入またはなぞり作業をするための複数のエリアに区画されており、これら複数のエリアを含む全てのエリアを外縁線で包囲することにより、他の練習ユニットと視覚的に区別できるようにされ、前記複数のエリアが、前記習得すべき漢字一字が大書されて示された見出し漢字エリアと、当該漢字の画数を記入するための画数記入エリアと、当該漢字の読み方を記入するための読み方記入エリアと、前記見出し漢字エリアの文字より小さな文字でなぞり用の当該漢字が記入されたなぞりエリアと、該なぞりエリアとほぼ同じ大きさで当該漢字を記入できるようにした少なくともひとつの全画練習エリアと、当該漢字を用いた熟語や用例が記入できるようにした記述練習エリアとを備え、前記読み方記入エリアと、前記なぞりエリアと、前記全画練習エリアと、前記記述練習エリアには、それぞれ各作業を教示するガイドが付されており、前記複数のエリアは、新出漢字の学習に際して、習得事項を漸増させる順序となるように配列されている漢字演習ノートにより、達成される。
【0011】
本発明の漢字演習ノートは、漢字ドリルとともに使用される該漢字ドリルによる漢字学習のための専用ノートである。
前記練習ユニットは、新出漢字の一文字を単位として形成されており、それに含まれる複数のエリア全てを外縁線で囲むことで、隣接する練習ユニットと視覚的に容易に区別できるようにされている。
前記練習ユニットの内側においては、習得すべき漢字一字が大書されて示された見出し漢字エリアと、該見出し漢字エリアに近接して設けられ、当該漢字の画数を記入するための画数記入エリアが設けられている。
これにより、児童は新出漢字が大書されていることで、そのエリアを他のエリアに先行して視覚により認識して、これから学習する漢字を把握しやすい。
また、画数記入エリアを設けることで、漢字練習に先行して画数を記入させ、それを確認しながら、それに続く漢字練習をすることができる。
また、読み方記入エリアと、なぞりエリアが設けられている。これにより、これから学習する漢字を視覚で認識して、すぐに読み方を記入することで、以後の漢字練習に際して、いつでも読み方を確認でき、反復して覚えやすい。そして、なぞりエリアでは、新出漢字をはじめて書く欄として、自力で新出漢字を書く前に、教示に沿って書いてみることで、新出漢字の構造を最初に把握するのに適しており、漢字の筆記練習の好適なガイドとなる。
さらに、少なくともひとつの全画練習エリアと、当該漢字を用いた熟語や用例が記入できるようにした記述練習エリアとを備えている。
これにより、なぞりエリアから連続して、自力で新出漢字の全ての画数を書く練習に移行でき、作業に無理が無く、これに続いて、記述練習エリアにおいて、熟語や当該新出漢字を用いた短文等の用例の練習に移行できるので、この点においても無理なく学習を進めることができる。
しかも、前記読み方記入エリアと、前記なぞりエリアと、前記練習エリアと、前記記述練習エリアには、それぞれ各作業を教示するガイドが付されているので、児童が自学する場合においても、無理なく容易に学習を進めることができる。
特に、前記複数のエリアは、新出漢字の学習に際して、習得事項を漸増させる順序となるように配列されている点が重要である。
すなわち、児童は、新出漢字に初めて触れた状態で学習をするので、例えば、熟語や短文の練習は、当該新出漢字の意味や、なぞり練習の前に行おうとすると無理がある。このような観点から、当該新出漢字について、漸次、これら意味や構造を身に付けつつ、順序よく練習できるように各エリア配列をするようにしている。
このように、漢字ドリルのエリアA1に記載された多数の情報を、ノートのどの箇所に、どのような順序で漏れなく迷い無く書いていくかについて、分かりやすく教示することができ、児童が容易に自学でき、先生も児童の学習の内容をノートを見ただけで、その進度や理解の点等について、容易に理解できるものである。
【0012】
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記画数記入エリアおよび前記読み方記入エリアが、前記見出し漢字エリアに近接して設けられ、前記読み方記入エリアに近接して前記なぞりエリアが設けられ、該なぞりエリアに連続して、前記全画練習エリアが設けられ、該全画練習エリアに隣接して前記記述練習エリアが設けられていることを特徴とする。
上記構成によれば、児童は、見出し漢字エリアにおいて、新出漢字が大書されていることで、そのエリアを他のエリアに先行して視覚により認識して、これから学習する漢字を把握しやすい。それに近接して、画数記入エリアを設けることで、漢字練習に先行して画数を記入させ、それを確認しながら、それに続く漢字練習をすることができる。
また、見出し漢字エリアに近接して、読み方記入エリアが設けられ、それに近接して、なぞりエリアが設けられている。これにより、これから学習する漢字を視覚で認識して、すぐに読み方を記入することで、以後の漢字練習に際して、いつでも読み方を確認でき、反復して覚えやすい。
さらに、なぞりエリアに連続して全画練習エリアが設けられ、それに連続して、当該漢字を用いた熟語や用例が記入できるようにした記述練習エリアが設けられている。
これにより、なぞりエリアから連続して、自力で新出漢字の全ての画数を書く練習に移行でき、作業に無理が無く、これに続いて、記述練習エリアにおいて、熟語や当該新出漢字を用いた短文等の用例の練習に移行できるので、この点においても無理なく学習を進めることができる。
【0013】
第3の発明は、第1または2のいずれかの発明の構成において、前記見出し漢字エリアに記載された漢字の一部の字画の末尾に、「とめる」「はねる」「はらう」等の正確な文字を書くための注意書きを添えた構成としたことを特徴とする。
上記構成によれば、前記見出し漢字エリアは上述のように新出漢字が大書されているので、視覚的に認識しやすく、「とめる」「はねる」「はらう」等の注意書きが、添えられていると、効果的に児童の目を引き、学習しやすい。
【0014】
第4の発明は、第1ないし3のいずれかの発明の構成において、前記練習ユニット内において、前記見出し漢字エリア、前記なぞりエリア、前記全画練習エリアの順に、ノートの頁の縦方向に配置されていることを特徴とする。
上記構成によれば、国語の記述において実行されている縦書きの学習を実行する上で、児童が縦方向に視線を動かしながら、ノートへの記述をしていることを自然に促すことができるだけでなく、国語教育で使用される縦長のノートを使用して前記練習ユニットを形成する上でも、前記見出し漢字エリア、前記なぞりエリア、前記練習エリアの各エリアを縦方向に配置することは有利である。
【0015】
第5の発明は、第1ないし4のいずれかの発明の構成において、前記練習ユニット内において、前記見出し漢字エリアに隣接して、あるいは前記読み方記入エリアに隣接して部首学習エリアを設け、当該部首学習エリアには、部首名が明示されるとともに、当該漢字の当該部首をなぞる作業を行うことを特徴とする。
上記構成によれば、新出漢字のなぞり練習をする前に、「部首」を学習することで、なぞり学習の際に、部首を意識して行うことができるので、新出漢字の構成をより深く理解することができる。
【0016】
第6の発明は、第1ないし5のいずれかの発明の構成において、前記見出し漢字エリア、前記なぞりエリア、前記全画練習エリア、前記記述練習エリアには、一文字毎に対応する大きなマス目が与えられ、該大きなマス目ひとつが、点線または薄線で形成された中央の十字線で4つに分割されていることを特徴とする。
上記構成によれば、各エリアにおける大きなマス目は、それぞれ平面空間において、均等に四分された基準線を設けることで、漢字の平面空間における構造、すなわち、形を認識把握することに役立ち、あるいは、なぞり、もしくは記入の際には、バランスよく決められたエリアに漢字の構造や形を再現する練習をするための有効な教示となる。
【0017】
第7の発明は、第1ないし6のいずれかの発明の構成において、前記記述練習エリアには、前記大きなマス目の右横に読み仮名記入欄が設けられていることを特徴とする。
上記構成によれば、漢字や用例を記入するだけでなく、同時に、文中の漢字の読みを学習する上で役立つものである。
【0018】
第8の発明は、第1ないし7のいずれかの発明の構成において、前記練習ユニットが印刷されていない別の頁には、漢字ドリルの漢字仮名混じり文を読む練習をする頁に対応したノート頁が設けられており、該読む練習をする頁に対応したノート頁においては、新出漢字がマス目を空欄にして全画記入するようにされるとともに、既出漢字や仮名部分は薄墨とされて、なぞり書きを行い、読み仮名を書く作業ができることを特徴とする。
上記構成によれば、未だ習熟していない新出漢字と、既に習った漢字とにおいて、ヒントの程度を異ならせた教示を構成することになり、学習しやすく、習得の効果を向上させることができる。
【0019】
第9の発明は、第8の発明の構成において、前記新出漢字を記入するマス目の右側には、読み仮名を記入する欄が形成されており、かつ、該読み仮名記入欄は、記入すべき仮名の数に対応して仕切りを設けるようにしたことを特徴とする。
上記構成によれば、習ったばかりの新出漢字の「読み」を記入する上で、過度にならない適度なヒントを与え、児童の学習を促進し、「読み」習得の効果を向上させる上で極めて有効な教示となる。特に、家庭学習において、児童が無理なくノートに「読み」を記述する上で大きな助けとなる。
【0020】
第10の発明は、第1ないし9のいずれかの発明の構成において、前記練習ユニットと異なる頁には、前記漢字ドリルの漢字の読みを習得させるための漢字仮名混じり文を箇条書きした頁に対応して、マス目を形成する文字単位の仕切りと、該マス目内に十字の基準線を設けた複数のマス目でなる解答欄が設けられており、該解答欄が、前記漢字仮名混じり文について、少なくともその一部の漢字に対応した空欄のマス目を含んでいるとともに、前記漢字仮名混じり文に使用されている漢字に対応するマス目には、該マス目の右側に、読み仮名を記入する欄を形成したことを特徴とする。
上記構成によれば、漢字の読みを習得させるための学習においては、ノートに漢字を書くべき個所と、その読みを記載すべき箇所を位置的に整理して明示することにより、ノートを使いなれない児童には、ノートの記載を整理する上で、適切な教示をすることになる。しかも、その教示はノート自体にされているので、先生の指導がない家庭学習においても、児童は迷うことなく学習を進めることができる。
【0021】
第11の発明は、第10の発明の構成において、前記読み仮名を記入する欄が、前記漢字を含む熟語単位で仕切られていることを特徴とする。
上記構成によれば、漢字の読みについて、熟語単位で学習することができる。
【0022】
第12の発明は、第10または11のいずれかの発明の構成において、前記読み仮名を記入する欄が、前記漢字を含む熟字訓に対応した読み仮名記入欄とされていることを特徴とする。
上記構成によれば、熟字訓を単位として、その独特の「読み」を適切に学習することができる。ここで、熟字訓とは、日本語において漢字の単字単位ではなく熟字単位で訓読み(訓)を当てたもの。単字に分解してもそれぞれに熟字訓の要素は現れないし、読みの方でも分節不可能なものも多い言葉である。
【0023】
第13の発明は、第12の発明の構成において、前記漢字を含む熟字訓の読み仮名における仮名数と一致した数の仕切りを備える読み仮名記入欄とされていることを特徴とする。
上記構成によれば、前記読み仮名記入欄は、対応する熟字訓に対して、該熟字訓単位で、何文字の仮名による「読み」となるかを教示して、学習上のヒントを与えつつ、当該「読み」を習得する上で強い印象を与えることができる。
【0024】
第14の発明は、第13の発明の構成において、前記読み仮名を記入する欄の仕切りは、漢字2文字に対して、仮名3文字に対応する仕切りとされていることを特徴とする。
上記構成によれば、熟字訓には、漢字2文字に対して、読み仮名の仮名3文字のものが多く存在し、その関係を明示することで、学習上の強い印象を与えることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、上述のような構成を有することから、児童がノートを用いて漢字の学習をする上で、新たな学習方法を提示し、この専用ノートを使用することにより、漢字ドリルを使っての漢字学習を容易なものとすることができ、家庭学習において漢字ドリルを使用する場合にも児童が容易に自学でき、さらに、その成果を先生が容易に確認できるようにした漢字ドリル専用の漢字演習ノートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態に係る漢字演習ノートの一部に印刷された学習ユニットを示す図。
【図2】本発明の実施の形態に係る漢字演習ノートの他の一部のノート頁の説明図。
【図3】本発明の実施の形態に係る漢字演習ノートの他の一部のノート頁の説明図。
【図4】本発明の実施の形態に係る漢字演習ノートの他の一部のノート頁の説明図。
【図5】本発明の実施の形態に係る漢字演習ノートに設けられる説明頁の図。
【図6】本発明の実施の形態に係る漢字演習ノートに設けられる説明頁の図。
【図7】漢字ドリルの新出漢字の頁の一部を示す図。
【図8】漢字ドリルの漢字仮名混じり文の頁の一部を示す図。
【図9】漢字ドリルの漢字書き取り頁の一部を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0028】
本発明の実施形態を説明する前に、図7ないし図9で示した漢字ドリルDについて補足的に説明する。
小学校の国語の学習においては、現在5社の教科書会社からそれぞれ学年毎の国語の検定教科書が発行されており、各学校では、その中から一つの教科書を選定して授業に使用している。
そして、教科書による国語学習とあわせて、授業中の指導に、あるいは宿題もしくは家庭学習として、上記した漢字ドリルを利用して漢字学習をすることが行われている。
このような漢字ドリルDは、各学年について、1年間を3つに区切った三学期制用として年間3冊にまとめられたものと、1年間を上巻・下巻の2つに区切った二期制用として年間2冊にまとめられたものがある いずれの形式のものでも、このような漢字ドリルは、教科書の単元配列に合わせた構成で、各単元において少なくとも、教科書に登場する新出漢字の演習ができるようになっている。
【0029】
すなわち、漢字演習ノートが備える前記練習ユニットは、図7で説明した新出漢字の頁の掲載されているエリアA1の事項に対応して設けられているものである。この新出漢字の頁のエリアA1は、新出漢字の一字について、習得すべき主要な事項がコンパクトにまとめられている。
具体的には、エリアA1には、新出漢字の構造、画数、読み、書き順、用例、熟語、部首等の情報が記載されている。このような新出漢字の各情報は、基本的には、その内容をノートに書き写すこと(記入またはなぞり作業)、あるいは、必要に応じて、繰り返し書き写すことで、習得を目指すものである。
【0030】
ところが、このような漢字ドリルDでは、当該漢字ドリルの冊子中に新出漢字やそれを使った練習用の短文等を書きこむスペースが殆どないため、漢字ドリルとは別に、記述練習等で文字を記入するためのノート(演習ノート)と併用する必要がある。通常、このノートはノート用罫線または方眼を印刷したものが用いられている。
しかしながら、漢字ドリルDの指導により記載すべき事項を、せいぜい罫線程度しか記載のない通常のノートに手際よく書くことは、とりわけ小学校低学年の児童には難しい。そこで、これらをノートのどの箇所に、どのような順序で漏れなく、迷い無く書いていくかを、判りやすく教示できる巧みな構成が必要となる。
本実施形態の漢字演習ノートはこのような課題に対応して、以下のような巧みな構成を備えている。
【0031】
図1は、本実施形態に係る漢字演習ノートの特定の頁P1を示している。
この頁P1では、漢字ドリルD(図7ないし図9参照)を参照しながら習得すべき漢字一字に対応させて記入すべき領域を印刷により区画して示しており、この領域を「練習ユニット」と呼び、図1において、符号N1を付して示している。例えば、複数、図示の場合3つの練習ユニットN1、N1、N1が設けられていて、それぞれ異なる新出漢字である「商」「開」「真」の各漢字について練習するための領域となっている。
これら複数の練習ユニットは互いに同じ構造であるから、以下では、そのうちのひとつのもの、すなわち、頁P1の右端の練習ユニットN1の新出漢字「商」についての練習ユニットに関して説明する。
【0032】
練習ユニットN1は、他の練習ユニットN1と視覚的に容易に識別できるように、(練習ユニットの)外縁線20で仕切られている。そして、外縁線20の内側が「記入」または「なぞり」作業をするための複数のエリアに区画されている。
この実施形態では、練習ユニットN1は、縦長の長方形(外縁線20により区画される形状)であり、該外縁線20内に設けられる複数のエリアは、例えば、見出し漢字エリア21、画数記入エリア22、読み方記入エリア23、部首学習エリア27、なぞりエリア24、全画練習エリア25、記述練習エリア26の各エリアである。
これら複数のエリアを構成する各エリアは、画数記入エリア22を除き、四角いマス目で構成されている。そして、記述練習エリア26、全画練習エリア25以外は、ひとつのマス目がひとつのエリアを構成しており、このうち読み方記入エリア23と部首学習エリア27以外は、マス目の中が基準線、すなわち、十字の点線で四分されている。記述練習エリア26は、複数のマス目でひとつのエリアを構成している。
練習ユニットN1を縦長の長方形としたのは、国語教育において、縦読み、縦書きが学習されていること、それに伴い、各エリアへの記入は縦書きになることによる。
【0033】
練習ユニットN1内の各エリアは、これをひとつずつ、読み書きやなぞり作業を実行すると、児童の新出漢字に関する知識が漸増するように工夫されている。つまり、画数等を正確に学習し、新出漢字の構造、形状を習得し、次いで、読みや意味を習得した後、用例に進むといったように、容易なものからより難しい内容へ、基本的なものから応用的なものへ無理なく移行しながら学習できるように工夫されており、自学する上でも、無理の無い学習をすることができるようになっている。
見出し漢字エリア21は、練習ユニットN1内で最も大きな面積を占めるエリアで、これから学ぶ新出漢字一字が好ましくは薄墨等で大書されている。これにより、児童は見出し漢字エリア21を参照することで、新出漢字の形状、構造を容易に視覚的に認識できる。
しかも、前記見出し漢字エリアに記載された漢字の一部の字画の末尾に、「とめる」「はねる」「はらう」等の注意書きを添えた構成とされている。これにより、見出し漢字エリア21の大書された漢字の要部における「とめる」「はねる」「はらう」等の形状に関して、最初に効果的に児童の目を引き、学習しやすい。
【0034】
見出し漢字エリア21の側方に隣接して、細長い領域が形成されており、ひらがなで「かく」という文字が記入された縦長のエリアが、画数記入エリア22である。
図7のエリアA1の左に、一画ずつ増えるように書かれたお手本を見て、書き順を確認しながら、画数を入れるようになっている。これにより、新出漢字の学習の最初に画数の確認を促すようにしている。
【0035】
この実施形態では、上記した大きな面積を占める見出し漢字エリア21と、その横に狭い幅で形成した画数記入エリア22が並列に配置されていて、このふたつのエリアの下方は、ほぼ同幅で並列2列の「マス目」を上下方向に並べて、以下の各エリアを分割して設けている。
見出し漢字エリア21に近接して、そのすぐ下には読み方記入エリア23が設けられている。読み方記入エリア23は、例えば、四角形のマス目ひとマスにより形成され、左側部には縦仕切り線を設けてその外側に「読み方」とガイドが記されている。読み方記入エリア23は、内側に上記した基準線を設けないことで、例えば、仮名表記による「読み」仮名記入が複数通りある場合、その記入ができるようにされている。
【0036】
部首学習エリア27は、四角形のマス目ひとマスにより形成され、左側部には縦仕切り線を設けてその外側に「ぶしゅ」とガイド表記がされている。
マス目内には、新出漢字が好ましくは薄墨等で示されており、図示の場合は「商」が表記され、その横に縦書きで、「くち」と、当該新出漢字の部首名が記入されている。
児童は、「商」の文字の部首である「くち」に該当する部分をさがし、その部分を上からなぞる作業を行う。
これにより、当該新出漢字の部首が、具体的な漢字の構造上、どこに位置するか、それが何と言う名称の部首なのかといった情報が分かりやすく示されることになり、漢字を構成する重要部分に注目させることができる。
この部首は、小学校1、2年生では特に学習しないので、当該学年用の漢字演習ノートでは学習エリア27を省略することができる。
【0037】
なぞりエリア24は、四角形のマス目ひとマスにより形成され、左側部には縦仕切り線を設けてその外側に「なぞり」と表記され、行うべき作業のガイドがされている。
マス目内には、新出漢字が、「なぞり文字」として示されている。なぞり文字は、好ましくは薄墨等で薄く示されており、その表示に重ねて、上からなぞることで、新出漢字を書く練習をすることができるようになっている。また、好ましくは、なぞり文字は、全画学習エリア25とマス目の大きさと一致させる。また、十字の基準線内になぞり文字が示されているので、漢字の形状・バランス等も適切に習得できる。
本実施形態では、なぞりエリア24はひとマスであるが、漢字をならい始めの小学校1年生用等では、複数のマス目を設けてもよい。
【0038】
上記なぞりエリア24に隣接して、その直下には、全画練習エリア25が設けられている。
全画練習エリア25は、四角形のマス目により形成され、左側部には縦仕切り線を設けてその外側に「れんしゅう」とガイド表記されている。マス目内には基準線を除き、なにも記載されておらず、上記なぞりエリア24で練習した通りに自力で漢字を一字書く練習をするようになっている。全画練習エリア25は、本実施形態では、マス目2つ分設けられているが、ひとマス分で構成してもよく、あるいは3マス以上設けてもよい。
【0039】
以上の各エリアの学習を進めてくると、新出漢字の構造、画数、読み、書き順、部首等の基本知識の習得を進めてきたことになるので、次に、用例、すなわち、当該新出漢字を使った「熟語」や「短文」等を練習するエリアに進む。
記述練習エリア26は、このような用途に供するために設けられており、複数の四角形のマス目を上下方向に連続させて形成され、右側部には縦仕切り線を設けて細幅で、漢字の「読み」を仮名記入できるようにし、さらにその外側に「漢字やことばの練習をしましょう」とガイド表記されている(ガイド表記は右列のみ)。
さらに具体的に説明すると、記述練習エリア26を構成するマス目は、全画練習エリア25の下方に6個(右列)、これに続いて左の行に移り、画数記入エリア22の下方に12個配置されている。
このような構成でなる記述練習エリア26は、図7に示す漢字ドリルDの左端のエリアA1に表示されている新出漢字「商」の場合、そこに表示されている「商店」「商品」といった熟語や「商売をする。」「商人の町。」といった用例を書く練習をすることができるだけでなく、教室で、先生の指示により、全画練習を何文字か続けてもよく、その他、先生が板書する短文を記載する等ある程度自由に使用することができる。
【0040】
図2、図3、図4は、練習ユニットが印刷された頁とは別の頁を示しており、図8で説明した漢字ドリルDのドリル1、ドリル2で課される漢字仮名混じり文を読む練習をするためのノート頁を示している。
図8において、漢字仮名混じり文に使用されている漢字で、白丸が付されているのは新出漢字、黒丸が付されているのは、既に習った(既出)漢字であるが、「読み方」が新しい、すなわち、習っていない読み方をする漢字である。
【0041】
図2ないし図4に示す、読む練習をするノート頁は、基本的には、縦書配列のマス目が印刷されており、上述した記述練習エリア26のマス目と同じように基準線があり、マス目の右側に幅の狭い空欄を形成して、読み仮名記入欄35とし、仮名等の書き込みができるようにされている。そして、図8の漢字仮名混じり文に対応した短文を順番に示し、新出漢字及び読み変え漢字のマス目を空欄にして全画記入するようにされるとともに、既出漢字や仮名部分は好ましくは薄墨とされて、なぞり書きできるような構造の解答欄とされている。
さらに、新出漢字を記入するマス目の右側には、上記したように、読み仮名を記入する欄が形成されており、この読み仮名記入欄は、記入すべき仮名の数に対応して点線で仕切り31を設けるようにしている。
【0042】
ここで、読み仮名記入欄35の仕切り31は、熟語単位で設けることができる。このようにすることで、熟語単位で「読み」を学習することができる。
また、読み仮名記入欄35の仕切り31は、熟字訓に対応した読み仮名記入欄35とすることができる。これにより、熟字訓を単位として、その独特の「読み」を適切に学習することができる。
このような場合の具体的構成は種々考えることができるが、最も単純なのは、仕切り31を熟語単位、あるいは熟字訓単位で設けて、それ以上分割しない態様である。
この場合にも、熟語や熟字訓単位の読みを身につけることができる。
さらに好ましいのは、熟語や熟字訓単位で仕切り31を設けた上で、その中にさらに仕切り31を設けることである。
このような態様を説明する前に、先ず、「熟字訓」について説明する。
熟字訓とは、日本語において漢字の単字単位ではなく熟字単位で訓読み(訓)を当てたもの。単字に分解してもそれぞれに熟字訓の要素は現れないし、読みの方でも分節不可能なものも多い言葉である。
【0043】
熟字訓を例示すると、「今日」は音読みでは、「こんにち」であるが、熟字訓では「きょう」である。「昨日」は音読みで「さくじつ」であるが、熟字訓では「きのう」である。
同様にして、「果物」は音読みで「かぶつ」、熟字訓では「くだもの」であり、「清水」は音読みで「きよみず」、熟字訓では「しみず」であり、「七夕」は音読みでは「ななゆう」、熟字訓では「たなばた」である。
【0044】
したがって、熟字訓に該当する漢字の場合の解答欄は、漢字を含む熟字訓の読み仮名における仮名数と一致した数の仕切り31を備える読み仮名記入欄35とされるのが好ましい。
これにより、対応する熟字訓に対して、該熟字訓単位で、何文字の仮名による「読み」となるかを教示して、学習上のヒントを与えつつ、当該「読み」を習得する上で強い印象を児童に与えることができる。
特に、読み仮名を記入する欄の仕切り31は、漢字2文字に対して、仮名3文字に対応する仕切りとすることができる。あるいは、読み仮名を記入欄35の仕切りは、漢字3文字に対して、仮名4文字に対応する仕切り31とすることができる。
【0045】
具体的には、例えば、図3のようにすることができる。
白抜き丸印で囲んだ10の行を見ると、マス目が二つ空欄で続き、漢字を書き入れるようになっており、読み仮名記入欄35には、ひとマス目の場合、漢字一字に対して仕切り31をひとつ設けているから、2文字の仮名が入ることが教示されている。ふたマス目の場合、漢字一字に対して仕切り31をふたつ設けているから、3文字の仮名が入ることが教示されている。
図8を参照して対応する10の丸印の行をみると、上記2つのマス目には「学習」という熟語が入ることが理解される。ここでは、「学」が仮名2文字、「習」が仮名3文字の読み仮名が書かれるべきことが教示されていることになる。
【0046】
図4を参照する。
黒丸印で囲んだ19の行を見ると、マス目が三つ空欄で続き、漢字を書き入れるようになっており、読み仮名記入欄35には、ひとマス目の場合、漢字一字に対して仕切り31を設けていない。ふたマス目の場合、漢字一字に対して、仕切り31を2つ設けている。三マス目の場合、漢字一字に対して仕切り31を設けていない。したがって、この場合は、ひとマス目には仮名は1文字、ふたマス目には仮名は3文字、三マス目には仮名は1文字入ることが教示されている。
図8を参照して対応する19の黒丸印の行をみると、上記3つのマス目には「五丁目」という熟語が入ることが理解される。ここでは、「五」が仮名1文字、「丁」が仮名3文字、「目」が仮名1文字の読み仮名が書かれるべきことが教示されていることになる。
上記2つの例は「熟語」であるが、先に挙げた「熟字訓」の場合も同様な構成で、その読みを学習することができることは明らかである。
【0047】
図4において、丸印で囲んだ3の行を見ると、マス目が二つ空欄で続き、漢字を書き入れるようになっており、読み仮名記入欄35には、仕切りは無い。この二つのマス目には、例えば「一人」という語が入る。「一人」は熟字訓であり、読みは「ひとり」である。
すなわち、漢字2文字でなる熟字訓に仮名3文字の読みを記入しなければならない例を示している。
丸印で囲んだ4の行を見ると、マス目が二つ空欄で続き、漢字を書き入れるようになっており、読み仮名記入欄35には、仕切りは無いので、上記と同様である。この二つのマス目には、例えば「大人」という語が入る。「大人」は熟字訓であり、読みは「おとな」である。
この場合も、漢字2文字でなる熟字訓に仮名3文字の読みを記入しなければならない例を示している。
このように、熟字訓に対して、読み仮名記入欄35に仕切りを設けずに、児童が学習中に仮名3文字が必要であることに自分で気づくように訓練してもよい。
あるいは、各読み仮名記入欄35に、漢字2文字に対して、仕切り31を2つ設けて3文字の仮名が記入されるべきことを教示する構成として、教示度を高めてもよい。
【0048】
以上により、未だ習熟していない新出漢字と、既に習った漢字とにおいて、ヒントの程度を異ならせた教示を構成することになり、学習しやすく、習得の効果を向上させることができる。
しかも、仕切り31を設けることにより、習ったばかりの新出漢字の「読み」を記入する上で、過度にならない適度なヒントを与え、児童の学習を促進し、「読み」習得の効果を向上させる上で極めて有効な教示となる。特に、家庭学習において、児童が無理なくノートに「読み」を記述する上で大きな助けとなる。
【0049】
漢字ドリルDの図9で示す頁は、短文を書く練習をするための仮名だけで表示された文章で、この中で波線や脇線がふされた箇所を漢字に直した漢字仮名混じり文を正しく書く練習をするための頁である。
漢字ドリルにあっては、図2等で示したようなマス目を印刷した頁に、対応する問題番号だけを付して、指示された漢字仮名混じり文を書くようにすることができる(図示せず)。
【0050】
図5および図6は、漢字演習ノートに設けられる説明頁を示している。
図5の上段に示されている部分は、図7で説明した漢字ドリルDの新出漢字の頁を示しており、これと、図6の学習ユニットN1とを関係付けて、使い方を教示している。
図5の下段は、図2、図3で説明した漢字仮名混じり文を読む練習をするためのノート頁の記入の仕方を教示している。
図5の下段の短文の下のマス目の部分と、図6の記述練習エリア26の部分は、具体的な作業の指示をしていないので、児童が自分の学力レベルに合わせてノートを活用することができる。新出漢字だけを何度も練習してもよいし、漢字ドリルの用例から適切なものを選び、その用例を練習してもよい。
【0051】
本実施形態の漢字演習ノートは、以上のように構成されており、漢字ドリルを用いてノートを記入する学習を行う上で、ノートの適切な書き方を学習させることができることから、漢字ドリルを使っての漢字学習を容易なものとすることができ、さらに、家庭学習において、漢字ドリルを使用する場合にも、児童が容易に自学でき、その成果を先生が容易に確認できるようにした漢字演習ノートを提供することができるものである。
尚、この漢字演習ノートで一度学習を進めた後、次に繰り返し漢字ドリルを反復練習する場合には、市販のマス目のノートを使い、漢字演習ノートと同じような方法で学習を進めることができる。これにより、市販のマス目のノートの使い方を習得することができるという利点がある。
【0052】
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、漢字ドリルが、日本語による横書き表記に変更された場合、漢字演習ノートの練習ユニットN1やその他の頁も横書きに対応したマス目構成に変更することができる。
練習ユニットN1は、縦の二列構成としたが、縦の三列構成のように、より多くの列を備えた構成にしてもよい。
図で仕切り31は点線で示したが、実線や二重線、実線の太線等でもよいことは勿論である。
画数記入エリア22と、読み方記入エリア23は、見出し漢字エリア21に接しているが、近い位置に配置すれば、接していなくてもよいし、両者は位置を入れ替えてもよい。
また、記述練習エリア26のマス目の数は、これを適宜変更することができる。
さらに、上記した実施形態の各構成は、その一部を省略することができるし、実施形態では説明しない他の構成を組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0053】
N1・・・練習ユニット、21・・・見出し漢字エリア、22・・・画数記入エリア、23・・・読み方記入エリア、24・・・なぞりエリア、25・・・全画練習エリア、26・・・記述練習エリア、D・・・漢字ドリル、31・・・仕切り

【特許請求の範囲】
【請求項1】
漢字学習のための漢字ドリルが教示し、または指示する特定の事項に対応させて、使用されるようにした漢字演習ノートであって、
習得すべき漢字一字に対応させて記入すべき領域を区画したひとつの練習ユニットが印刷されており、
該練習ユニットは、その内側が記入またはなぞり作業をするための複数のエリアに区画されており、
これら複数のエリアを含む全てのエリアを外縁線で包囲することにより、他の練習ユニットと視覚的に区別できるようにされ、
前記複数のエリアが、
前記習得すべき漢字一字が大書されて示された見出し漢字エリアと、
当該漢字の画数を記入するための画数記入エリアと、
当該漢字の読み方を記入するための読み方記入エリアと、
前記見出し漢字エリアの文字より小さな文字でなぞり用の当該漢字が記入されたなぞりエリアと、
該なぞりエリアとほぼ同じ大きさで当該漢字を記入できるようにした少なくともひとつの全画練習エリアと、
当該漢字を用いた熟語や用例が記入できるようにした記述練習エリアと
を備え、
前記読み方記入エリアと、前記なぞりエリアと、前記全画練習エリアと、前記記述練習エリアには、それぞれ各作業を教示するガイドが付されており、
前記複数のエリアは、新出漢字の学習に際して、習得事項を漸増させる順序となるように配列されている
ことを特徴とする漢字演習ノート。
【請求項2】
前記画数記入エリアおよび前記読み方記入エリアが、前記見出し漢字エリアに近接して設けられ、前記読み方記入エリアに近接して前記なぞりエリアが設けられ、該なぞりエリアに連続して、前記全画練習エリアが設けられ、該全画練習エリアに隣接して前記記述練習エリアが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の漢字演習ノート。
【請求項3】
前記見出し漢字エリアに記載された漢字の一部の字画の末尾に、「とめる」「はねる」「はらう」等の正確な文字を書くための注意書きを添えた構成としたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の漢字演習ノート。
【請求項4】
前記練習ユニット内において、前記見出し漢字エリア、前記なぞりエリア、前記全画練習エリアの順に、ノートの頁の縦方向に配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の漢字演習ノート。
【請求項5】
前記練習ユニット内において、前記見出し漢字エリアに隣接して、あるいは前記読み方記入エリアに隣接して部首学習エリアを設け、当該部首学習エリアには、部首名が明示されるとともに、当該漢字の当該部首をなぞる作業を行うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の漢字演習ノート。
【請求項6】
前記見出し漢字エリア、前記なぞりエリア、前記全画練習エリア、前記記述練習エリアには、一文字毎に対応する大きなマス目が与えられ、該大きなマス目ひとつが、点線または薄線で形成された中央の十字線で4つに分割されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の漢字演習ノート。
【請求項7】
前記記述練習エリアには、前記大きなマス目の右横に読み仮名記入欄が設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の漢字演習ノート。
【請求項8】
前記練習ユニットが印刷されていない別の頁には、漢字ドリルの漢字仮名混じり文を読む練習をする頁に対応したノート頁が設けられており、該読む練習をする頁に対応したノート頁においては、新出漢字がマス目を空欄にして全画記入するようにされるとともに、既出漢字や仮名部分は薄墨とされて、なぞり書きを行い、読み仮名を書く作業ができる構成としたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の漢字演習ノート。
【請求項9】
前記新出漢字を記入するマス目の右側には、読み仮名を記入する欄が形成されており、かつ、該読み仮名記入欄は、記入すべき仮名の数に対応して仕切りを設けるようにしたことを特徴とする請求項8に記載の漢字演習ノート。
【請求項10】
前記練習ユニットと異なる頁には、前記漢字ドリルの漢字の読みを習得させるための漢字仮名混じり文を箇条書きした頁に対応して、マス目を形成する文字単位の仕切りと、該マス目内に十字の基準線を設けた複数のマス目でなる解答欄が設けられており、該解答欄が、前記漢字仮名混じり文について、少なくともその一部の漢字に対応した空欄のマス目を含んでいるとともに、前記漢字仮名混じり文に使用されている漢字に対応するマス目には、該マス目の右側に、読み仮名を記入する欄を形成したことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の漢字演習ノート。
【請求項11】
前記読み仮名を記入する欄が、前記漢字を含む熟語単位で仕切られていることを特徴とする請求項10に記載の漢字演習ノート。
【請求項12】
前記読み仮名を記入する欄が、前記漢字を含む熟字訓に対応した読み仮名記入欄とされていることを特徴とする請求項10または11のいずれかに記載の漢字演習ノート。
【請求項13】
前記読み仮名を記入する欄が、前記漢字を含む熟字訓の読み仮名における仮名数と一致した数の仕切りを備える読み仮名記入欄とされていることを特徴とする請求項12のいずれかに記載の漢字演習ノート。
【請求項14】
前記読み仮名を記入する欄の仕切りは、漢字2文字に対して、仮名3文字に対応する仕切りとされていることを特徴とする請求項13に記載の漢字演習ノート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−158877(P2010−158877A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−4019(P2009−4019)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【出願人】(591139138)株式会社新学社 (13)