漸進的注入を有する照明装置
部分透過性前方反射体、後方反射体、及びこれらの間の空洞を有する照明装置が開示される。バッフル及び光源を含む少なくとも1つの光注入器が空洞内に配置される。光注入器は、部分的にコリメートされた光を空洞内に注入することができる。照明装置の出力エリアは、空洞内に光注入器を漸進的に配置することによって、出力エリアにわたって放射される光の均一性を犠牲にすることなく増加させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ又は他の図形を後方から照明するために好適な照明装置、例えば、バックライトに関連する。本開示は、特に、実質的に1つの偏光状態の可視光を放射する大面積バックライトに非常に適するがこれに限定されない。
【背景技術】
【0002】
バックライトなどの照明装置は、バックライトの出力エリアに対して内部光源がどこに配置されるかによって2つのカテゴリーのいずれかに分類されると考えることができ、ここでバックライトの「出力エリア」とはディスプレイ装置の目に見える領域又は区域に相当する。本明細書で、このバックライトの「出力エリア」は時に、「出力区域」又は「出力表面」とも呼ばれ、その区域又は表面そのものと、その区域又は表面の面積(平方メートル、平方ミリメートル、平方インチなどの単位を有する数量)と、を区別する。
【0003】
第1のカテゴリーは「エッジライト」式である。エッジライト式のバックライトでは、平面図の視点で見て、1つ以上の光源がバックライト構造の外側の境界又は周辺部に沿って、一般的に、出力エリアに相当する領域又はゾーンの外側に配置される。光源はしばしば、バックライトの出力エリアの外縁となるフレーム又はベゼルによって隠される。光源は、典型的には、特にラップトップ・コンピュータ・ディスプレイのように極めて薄い特性のバックライトが所望される場合には、「光導体」と呼ばれる構成要素内に光を放射する。この光導体は長さと幅の寸法がバックライト出力エリアの大きさとほぼ同じの、透明で中実の比較的薄いプレートである。光導体は、光導体の全長又は幅をはさんだ縁部に取り付けられたランプからの光をバックライトの反対側の縁部へと伝播させる又は案内するために全内部反射(TIR)を用い、局所的抽出構造体の非均一パターンが光導体の表面に提供されて、光導体から出たこの導かれた光の一部を、バックライトの出力エリアに向け直す。こうしたバックライトは、光導体の後ろ又は下に配置される反射材料などの光制御フィルム、並びに、光導体の前方又は上に配置される反射偏光フィルム及びプリズム状BEFフィルムを通常、更に有することによって、法線方向の輝度が高くなっている。
【0004】
出願者の見地では、既存のエッジライト式バックライトの欠点又は制限としては、特にバックライトのサイズがより大きい場合に光導体と関連した質量又は重量が比較的大きいこと、特定のバックライトサイズと特定の光源構成用に光導体を射出成形、ないしは別の方法で製造しなければならないので、バックライト間で互換性のない構成要素を使用する必要があること、既存の抽出構造パターンと同様にバックライト内の相互の位置における実質的な空間不均一を必要とする構成要素を使用する必要があること、並びにバックライトのサイズが大きくなるほど、長方形の面積に対する周囲の長さの比率が、特徴的な面内寸法L(例えば、所定の縦横比の長方形では、バックライトの出力区域の長さ、幅、又は対角線寸法)とともに線形(1/L)に低下するので、ディスプレイの縁部に沿った空間の制限又は「表面積縮小」のため十分な照明を提供することがより困難になることが挙げられる。高価な機械加工及び研磨作業のために、周辺部以外のいずれかの点において、中実光導体に光を注入することは困難である。
【0005】
第2のカテゴリーは「直接照明」である。直接照明式のバックライトでは、平面図の視点で見て、1個以上の光源が出力エリアに相当する領域又はゾーンの実質的に内側に、通常はゾーン内の規則的な配列又はパターンとして配置される。あるいは、直接照明式バックライトの光源は、バックライト出力のすぐ裏側に配置されているとも言える。強く拡散するプレートは通常、光源の上側に取り付けられて、光を出力エリア一面に広げる。この場合も、反射偏光フィルム及びプリズムBEFフィルムなどの光管理フィルムをディフューザーの上に配置することによって軸上の輝度と効率を改善することができる。直接照明式バックライトにおける均一性を実現することの不利点は、ランプ間の間隔が増加するに従って、バックライトの厚さを増加させなくてはならないことである。ランプの数はシステムの費用に直接的に影響するため、このトレードオフは直接照明システムの欠点である。
【0006】
出願者の見地では、既存の直接照明バックライトの欠点又は制限としては、高度な拡散プレートに付随する非効率性、LED光源の場合、適切な均一性及び輝度を得るために多数のこのような光源が必要であり、それに伴い構成要素のコストが高くなり発熱が増加すること、達成可能なバックライトの薄さが制限され、この厚さを超えると光源が不均一で望ましくない「パンチスルー」を生成し、各光源の上側の出力エリア内に輝点が出現することが挙げられる。赤色、緑色、及び青色LEDなど、多色のLED群を使用する場合、やはり色不均一性、加えて輝度不均一性が存在し得る。
【0007】
場合によっては、直接照明式バックライトではバックライトの周辺部に1つ又は複数の光源を含むことができ、又は、エッジライト式バックライトでは出力エリアの裏側に直接1つ又は複数の光源を含むことができる。そのような場合、バックライトの出力エリアの裏側から直接発する光が大半の場合は、このバックライトは「直接照明式」と見なされる。またバックライト出力エリアの周辺部から発する光が大半の場合は、このバックライトは「エッジライト式」と見なされる。
【0008】
通常、あらゆる種類のバックライトが液晶(LC)ベースのディスプレイと共に使用される。液晶表示(LCD)パネルは、その操作の方法が理由で光の1つの偏光状態のみを利用する。したがって、LCD用途に関しては、単純に偏光されていない場合がある光の輝度及び不均一性だけでなく、正しい又は使用可能な偏光状態の光に対するバックライトの輝度及び不均一性を知ることが重要である場合がある。その点に関しては、他の全ての要素を同一にした場合、使用可能な偏光状態が主体の光又は使用可能な偏光状態でのみ光を放射するバックライトは、非偏光の光を放射するバックライトよりも、LCDアプリケーションにおいてより効率的である。にもかかわらず、使用可能な偏光状態のみではない光を放射するバックライトは、ランダムに偏光を放射している程度であっても、依然としてLCDアプリケーションにフルに使用可能である。これは、使用できない偏光状態が、LCDパネル裏側に提供される吸収性偏光板によって容易に除去できるからである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様では、出力エリアを有する部分透過性前方反射体と、前方反射体に面する後方反射体と、前方反射体と後方反射体との間の中空の空洞と、を含む照明装置が開示される。照明装置はまた、中空の空洞体内に配置される第1及び第2光注入器と、第1光注入器と第2光注入器との間の伝播区域と、中空の空洞体内に配置される半鏡面要素と、を含む。各第1及び第2光注入器は、後方反射体から突出し、部分透過性前方反射体に面する第1反射面と、第1反射面に隣接し、後方反射体に面する第2反射面と、第2反射面と後方反射体との間に光を注入し、それによって、注入された光が、前方反射体と平行な横断面から30°の範囲内の第1方向に部分的にコリメートされるように動作可能な光源と、を含む。第1光注入器から注入された光の少なくとも一部は、第2光注入器の第1反射面から反射し、部分透過性前方反射体の方に向けられる。
【0010】
別の態様では、出力エリアを有する部分透過性前方反射体と、前方反射体に面する後方反射体と、前方反射体と後方反射体との間の中空の空洞と、を含む照明装置が開示される。照明装置はまた、中空の空洞内の配列として配置される複数の光注入器と、隣接する光注入器同士の間の伝播区域と、を含む。複数の光注入器の各々は、後方反射体から突出し、部分透過性前方反射体に面する第1反射面と、第1反射面に隣接し、後方反射体に面する第2反射面と、第2反射面と後方反射体との間に光を注入し、それによって、注入された光が、前方反射体と平行な横断面から30°の範囲内の第1方向に部分的にコリメートされるように動作可能な光源と、を含む。照明装置は、中空の空洞体内に配置される半鏡面要素を更に含む。第1光注入器から注入された光の少なくとも一部は、隣接する光注入器の第1反射面から反射し、部分透過性前方反射体の方に向けられる。
【0011】
別の態様では、出力エリアを有する部分透過性前方反射体と、部分透過性前方反射体に面し、部分透過性前方反射体との間に中空の空洞を形成する後方反射体と、を含む照明装置が開示される。照明装置はまた、第1コリメート光線を中空の空洞内に注入するように動作可能な第1光源と、後方反射体から中空の空洞内に突出するバッフルによって形成される光注入器と、を含む。バッフルは、第1コリメート光線の一部を部分透過性前方反射体に向けて反射するように位置付けられた第1反射面を含む。照明装置はまた、光注入器内に配置されて、第2コリメート光線を中空の空洞内に注入するように動作可能な第2光源を含む。照明装置はまた、第1光源と光注入器との間の伝播区域と、中空の空洞内に配置された半鏡面要素と、を含む。第1光源から注入された光の少なくとも一部は、バッフルの第1反射面から反射して部分透過性前方反射体の方に向けられる。
【0012】
本願のこれらの態様及び他の態様は、以下の詳細な説明から明らかとなろう。しかし、決して、上記「課題を解決するための手段」は、請求された主題に関する限定として解釈されるべきでなく、主題は、手続処理の間補正することができるような添付の「特許請求の範囲」によってのみ規定される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本明細書を通して、添付の図面を参照し、ここで、同じ参照番号は同じ要素を示す。
【図1】中空のバックライトの概略的側面図。
【図1a】表面の斜視図であり、異なる入射面及び異なる偏光状態を示している。
【図2】注入器を含む中空のバックライトの概略的側面図。
【図3】光注入器を含む中空のバックライト内の光線の概略的側面図。
【図4】コリメートされた光源を有する光注入器を含む中空のバックライトの概略的側面図。
【図5】エッジライト及び光注入器を含む中空のバックライトの概略的側面図。
【図6】照明背面板の斜視図。
【図7】照明背面板の斜視図。
【図8】ゾーン分割された照明背面板の斜視図。
【図9】中空のバックライトと垂直に測定した輝度のプロット。
【図10a】モデル化したバックライトの概略的側面図。
【図10b】図10aのモデル化したバックライトと垂直な輝度のプロット。
【0014】
図面は、必ずしも一定の比率の縮尺ではない。図中で用いられる類似の数字は、類似の構成要素を示す。しかし、所与の図中の構成要素を意味する数字の使用は、同一数字でラベルした別の図中の構成要素を制約するものではないことは理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0015】
バックライトが、意図される用途に適切な輝度及び空間的均一性を提供する一方で、下記のような特性の一部、又は全てを組み合わせることが有益である:薄い外形、設計の単純さ(例えば、最小限の数のフィルム構成要素、最小限の数の光源、及び便利な光源設計)、軽量、バックライト内の相互の位置における実質的な空間的不均一性を有するフィルム構成要素を使用しない、又は必要としないこと(例えば、顕著な階調がない)、LED光源、加えて他の小エリア高輝度光源(固体レーザー光源など)に対する適合性があること、全て名目上は同じ色であるLED光源における色の差異に関連する問題に対する非感受性(「ビニング」として既知の工程)、LED光源の部分の焼損や他の故障に対する可能な限りの非感受性、前述の背景技術の項で述べた限界、及び欠点のうち少なくともいくつかを排除、又は軽減すること。
【0016】
これらの特性をバックライト内にうまく組み込むことができるかどうかは、ある程度バックライトを照明するのに用いられる光源のタイプに依存する。例えば、CCFL(冷陰極蛍光ランプ)は、それらの細長い発光エリアにわたって白色発光を提供し、それら発光エリアはまた、リサイクリング空洞で発生するように、CCFLに衝突する一部の光を散乱させる働きもすることができる。しかしながら、CCFLの典型的な発光は、実質的にランベルトな角度分布を有し、これは所与のバックライト設計において非効率的であり、ないしは別の態様で望ましくない場合がある。また、CCFLの放射面は、ある程度拡散的な反射性があるが、通常は吸収損失を有している。これについて、再利用性の高い空洞が望ましい場合は顕著になることを、出願者は見出している。
【0017】
LED(発光ダイオード)ダイは、ランベルト反射の方法で光を放射するが、CCFLに比べてサイズがはるかに小さいため、LED光の分配は容易に改善することができ、例えば、全体封止レンズ、反射体、又は抽出材を用いてパッケージ化したLEDを、正面発光体、側方発光体、又は他の非ランベルト反射的特性にすることができる。このような抽出材の例は、例えば、米国特許番号第7,304,425号(Ouderkirkら)及び米国特許出願番号第2007/0257266号(Leatherdaleら)に見出すことができる。非ランベルト特性は、開示されるバックライトに対して重要な利点を提供し得る。しかしながら、LED光源はCCFLに比べてサイズが小さく高輝度であるため、LEDを用いて空間的に均一なバックライト出力エリアを作製するのはより難しくなる。これは、赤/緑/青(RGB)LEDの配列など、個々に色が違うLEDを用いて白色光を供給する場合には特に当てはまり、そのような光を適切に平面方向伝播又は混合することができないと、好ましくない着色帯、又は領域を容易に生じてしまうことがあるからである。このような色不均一性を軽減するために、蛍光体が青色又は紫外線発光LEDダイによって励起されて、LEDダイと同様の小さな面積、又は体積から強力な白色光を生成する白色発光LEDを使用することができるが、白色LEDは、個々の着色LEDの配置を用いて達成可能な色域と同じ幅のLCD色域を提供することができない場合があり、したがって、全ての最終用途に望ましくない場合がある。
【0018】
出願者は、LED光源照明に適合するバックライト設計の特徴の組み合わせを発見し、これは少なくともいくつかの点において、市販の現況技術のLCD装置に使用されているバックライトよりも優れた性能を発揮するバックライト設計を実現することができる。これらのバックライト設計特徴は、同時継続PCT特許出願番号第US2008/064115号、表題「Recycling Backlights with Semi−specular Components」に説明されている。
【0019】
バックライト設計は、リサイクリング光学的空洞を含む場合があり、ここで光のかなりの部分が、実質的に同一の広がりを有する前方反射体と後方反射体との間で、部分的に透過性であり部分的に反射性である前方反射体から出射する前に複数回反射する。
【0020】
バックライト設計により、このリサイクリング空洞内で伝搬する光の全体損失はきわめて低く抑えることができ、これは例えば、低い吸収損失(低損失の前方及び後方反射体、並びに側方反射体を含む)を有する、実質的に密閉された空洞を提供することと、光源に関係する損失を非常に低く抑える(例えば、光源全ての発光面積総和が、バックライト出力エリアに比べごく小さな部分であるようにすることによる)ことの両方による。
【0021】
バックライト設計は、中空であるリサイクリング光空洞を含むことができ、すなわち、空洞内の光の横方向の伝播が、アクリル又はガラスなどの光学的に密な媒体内ではなく、主に空中、真空中などで生じる。
【0022】
特定の(使用可能な)偏光状態の光だけを放射するように設計されたバックライトの場合、前方反射体は、そのような使用可能な光の横方向の伝播又は拡散を支援するために十分であり、かつバックライト出力の適切な空間均一性を達成するための光線の角度ランダム化に十分な高い反射率を有するが、バックライトの利用輝度が許容可能なほどに高いことを確実にするために、用途に適切な使用角度に十分高い透過率を有し得る。
【0023】
バックライト設計は、空洞に鏡面特性と拡散特性の平衡化を提供する構成要素を収容するリサイクリング光学空洞を含む場合があり、この構成要素は、狭い角度範囲でのみ空洞に光を注入するときであっても、空洞内の顕著な横方向の光伝播又は混合を支援するのに十分な鏡面性を有するが、空洞内の安定した状態の光の角度分布を実質的に均質化するのに十分な拡散性も有する。更に、空洞内のリサイクリングによって、反射光の偏光状態が入射光の偏光状態に対してある程度ランダム化する可能性がある。これにより、有効でない偏光をリサイクリングによって有効な偏光に変換することができる機構が可能になる。
【0024】
バックライト設計は、リサイクリング空洞の前方反射体を含み、これは一般に入射角と共に増大する反射率と、一般に入射角と共に減少する透過率とを有し、ここで、反射率と透過率は、非偏光の可視光、及びいずれかの入射面に関するものであり、並びに/又は使用可能な偏光状態の傾斜光がp偏光された平面に入射する使用可能な偏光状態の光のためのものである。更に、前方反射体は、高い半球反射率の値を有し、同時に、用途に使用可能な光の十分に高い光透過値を有する。
【0025】
バックライト設計は光注入光学素子を含む場合があり、これはリサイクリング空洞内へ、横断面(バックライトの出力エリアに平行となる横断面)に近い伝搬方向で最初にリサイクリング空洞に注入された光を部分的にコリメート又は制限し、例えば、0〜90°、0〜60°又は0〜30°の範囲内において、最大出力の半分で全角度幅(FWHM)(横断面の周囲で)を有する注入ビームである。場合によっては、注入光の最大出力は、横断面の下で、横断面に対して40°以下の角度で下向きの投影を有することが望ましいことがあり、更に他の場合には、横断面の上で前方反射体に向かって、横断面に対して40°以下の角度で上向きの投影を有する、注入された光の最大出力を有することが望ましいことがある。
【0026】
上記の及び同時継続PCT特許出願番号第US2008/064115号(代理人整理番号第63032WO003号)に開示される設計特徴を組み込むバックライトは、効率的で、均一で、薄く、中空のバックライトを提供する。しかしながら、バックライトによって照明され得る表面積を増加させると同時に、不均一性を維持する必要性が存在し得る。少なくともこの理由のために、中空の空洞内の2つ以上の位置で光を注入することが望ましいことがある。出願者らにより、漸進的注入装置が空洞全体にわたって分散され、それによって均一に照明された領域を増加させ得ることが見出された。バックライト設計は、バックライト出力エリア内に配置される少なくとも1つの光注入器(あるいは、光注入ポートと称される)を含み得る。個別の光注入器は、伝播ゾーンによって互いに離間するように位置付けることができ、それによって光注入器から空洞に注入された光はバックライトから出る前に組み合わされた表面から反射し得る。後方反射体、前方反射体、及び隣接する光注入器の表面から1つ以上の反射が生じ得る。この方法において、注入された光は良好に混合されて、バックライトから均一に出る。
【0027】
光導体の内側に光を注入する能力は、多くの理由で重要である。例えば、2つの対向する縁部から照明するエッジライトシステムでは、光の強度は一般的に、光源から最も遠い点であるバックライトの中央付近で低減する。縁部からの距離が増加すると、吸収損失が増加し、特に非常に高いL/H縦横比において、均一性を達成することが漸進的に困難になる。中空の光導体の内側に光を注入することにより、エッジライトの限界を超えて、非常に薄い寸法のシステムを形成することが可能になる。
【0028】
別の重要な用途は、LEDバックライトのゾーン分割である。ゾーン分割されたシステムは、放射された光が、画像内容に基づいて別々に制御され得る区域へと、少なくとも部分的に分離される。ゾーン分割は、少なくともコントラストの改善及びシステム電力要件の大幅な低減における利益のために、ディスプレイ業界において高度な商業的関心の対象である。
【0029】
ゾーン分割されたバックライトはまた、フィールド順次式システムにとって重要であり、これはカラーフィルターを除去し、システム効率を改善し、高速運動画像の品質を改善する可能性を提供する。フィールド順次式カラー(FSC)ディスプレイは、ゾーン分割による利益を有し得る、別の商業的に重要な種類のシステムである。従来のディスプレイでは、LCDピクセルは吸収性カラーフィルターと見当合わせして位置付けられる。画像内容により、LCDピクセルはカラーフィルターに伝播される光の量を計量するために、開閉する。これらの吸収性フィルターは、透過光の量を2/3超低減させ、結果的に、より多い光源、加えてより多くのシステム電力、及び輝度向上フィルムの必要性のためにシステムコストを増加させる。フィールド順次式システムは、赤色、緑色及び青色(RGB)光を順次点灯させ、空間的にではなく時間的に色を分離するシステムによってカラーフィルターを排除する。システム効率は、カラーフィルターの除去、加えてピクセル数の削減(1/3に)(これは口径比を改善する)により増加する。色のシーケンスに黒枠を導入することで、これらのシステムに観察される、運動によるアーチファクト、及び色の分散現象を改善できることが見出された。例えば、米国特許第6,424,329号(Okita)及び第6,396,469号(Miwaら)に示されるように、高速スイッチングLCDパネル、例えば、OCB(光学補償複屈折)を有するFSCの使用が、運動及び色効果を低減させるために同様に有益であり得る。ゾーン制御のために、フィールド順次式システムは、一次元垂直走査バックライト又は二次元ゾーン制御を使用することができる。例えば、米国特許第7,113,152号(Ben−Davidら)に示されるように、波長制御は、白色、RGB又はRGBCYなど他のものであり得る。
【0030】
LCDパネルのバックライトは、最も簡単な形態では、LEDダイの活性発光面又はCCFLバルブの蛍光体の外側層などの光生成面と、この光を分配又は拡散することにより広い又は大きな面積の照明表面又は領域を生成する幾何学的及び光学的配置と、からなり、この領域は、バックライト出力エリアと呼ばれ、その発光輝度が空間的に均一となる。一般に、非常に高い輝度の局部光源を広い面積の均一な出力表面に変えるこのプロセスは、バックライト空洞表面全てとの相互作用、及び、光発生表面との相互作用により、損失が生じる。第1の近似として、このプロセスによって、前方反射体に関連する出力エリア又は表面を通って、場合によっては、望ましい用途の観察者の円錐(ある場合は)内に、特定の(例えば、LCDに使用可能な)偏光状態(ある場合は)で届けられないいずれかの光は、「損失」した光である。リサイクリング空洞を含むいずれかのバックライトを2つの本質的パラメーターによって個別に特徴づける方法は、PCT特許出願米国特許第2008/064096号(代理人整理番号第63031WO003号)、表題「Thin Hollow Backlights With Beneficial Design Characteristics」に記載される。
【0031】
ここで図1に図示される一般化されたバックライト10に注目すると、前方反射体12及び後方反射体14が中空の空洞16を形成する。バックライト10は、出力エリア18(これは、この場合前方反射体12の外側主要表面に対応する)にわたって光を放射する。前方反射体及び後方反射体は平面的であり、互いに平行であり、横方向寸法13(この寸法はまた、外側領域18の長さ、又は幅などの横方向寸法と対応する)にわたり同一の広がりを持つものとして図示される。前方反射体及び後方反射体は平面的であり、平行であるものとして図1に図示されるが、これらの間の間隔は、用途によって様々であるか、又は非連続的であり得る。前方反射体は、空洞内からのかなりの量の入射光を反射し、図に示すように、最初の光線20が反射して比較的強い反射光線20aとなり、比較的弱い透過光線20bとなる。さまざまな光線を表わす矢印は、その性質として図示するためのものであることに注意されたい。例えば、示されたさまざまな光線の伝搬方向及び角度分配は、完全な正確さを期したものではない。図に戻って、反射した光線20aは後方反射体14によって強力に反射され、光線20cとなる。光線20cは前方反射体12によって一部透過し、透過光線20dを生じ、一部が反射して別の光線(図示なし)を生じる。前方反射体と後方反射体との間の多数の反射は、矢印22によって示される、空洞内における光の横方向の伝播を支援することを助ける。透過光線20b、20d、これに続くものの合計は互いに合わさって非干渉でバックライト出力を提供する。
【0032】
図示のため、小面積の光源24a、24b、24cが図中のさまざまな場所に示されており、ここで光源24aはエッジライト位置に示されており、光源24aからの光を(少なくとも部分的に)コリメートするのに役立てることができる反射性構造26とともに供給されている。光源24b及び24cは、光注入位置に示され、光源24b及び24cの双方とも光注入器に含まれるコリメート光学素子(例えば、別に記載されるバッフル)を有さずに示され、光源24cは、後方反射体14内に提供される穴、又は開口(不図示)とほぼ位置合わせされて、中空の空洞16への光注入を可能にする。反射性側方表面(反射性構造26以外は図示されない)はまた、典型的に、ほぼ寸法13の端点に提供され、好ましくは、最小限の損失のために前方反射体12及び後方反射体14を封止された方法で接続する。いくつかの実施形態において、ほぼ垂直の反射性側方表面は、実際には、特定のバックライトを同様又は同一の隣接するバックライトと分離する薄い区画にすることができ、このような各バックライトは実際には、ゾーン分割されたより大きなバックライトの一部分である。いくつかの実施形態では、傾いた反射性側方表面を使用して、所望に応じて光を前方反射体12に向けることができる。個別のサブバックライト内の光源は、より大きなバックライトのための照明部及び暗部ゾーンのパターンを提供するために、任意の望ましい組み合わせで点灯、若しくは消灯、又はうす暗くすることができる。そのようなゾーンで区切られたバックライトは、いくつかのLCDアプリケーションにおいて、コントラストを向上させ、エネルギーを節約するために動的に用いることができる。いくつかの実施形態では、ゾーン分割されたバックライトは、空洞の内部、空洞の外部、又は内部と外部の位置の組み合わせで位置する1つ以上の光センサーと共に、帰還回路によって制御することができる。
【0033】
線光源、又は点光源を均一で延長された領域の光源に変換するバックライト空洞、又はより一般的には任意の光空洞は、反射性光学構成要素と透過性光学構成要素の組み合わせを用いて作製することができる。多くの場合において、望ましい空洞は、その横方向寸法と比較して非常に薄い。均一な延長領域光源を提供するのに好ましい空洞は、光を横方向に広げかつ光線の方向をランダム化する多重反射を作り出す空洞である。一般に、前面の面積に比べて光源の面積が小さいほど、空洞の出力区域にわたって均一な光強度を作り出す際に問題が大きくなる。
【0034】
別に記載されるように、高効率、低損失の半鏡面反射体は、バックライト空洞内における光の最適な横方向伝播を促進するために重要であり得る。光の横方向伝播は光源の光学的構成によって開始することができ、低損失半鏡面反射体を利用する空洞内の光線の広範なリサイクリングによって誘発することができ、かつこれは中空の空洞全体にわたって光を漸進的に注入することによってより大きな距離にわたって伝播され得る。
【0035】
中空の空洞のいずれかの側部で空間的に分離された低損失反射体は、2つの一般的なカテゴリーに別れる。一方は前面における部分反射体(また部分透過反射体とも称される)であり、2つ目は背面及び側面における完全反射体である。空洞内での最適な光伝播及び光混合のために、前方反射体及び後方反射体の両方がランベルトの代わりに鏡面又は半鏡面であってもよく、ある種類の半鏡面構成要素は、光の均一な混合を促進するために空洞内のいずれかの場所において有用である。大きな光導体において、光の横方向伝播の主要媒体として空気を用いることにより、より軽量で、薄く、低価格で、より均一なディスプレイバックライトの設計が可能となる。
【0036】
光の横方向の広がりを顕著に促進するための中空光導体にとって、空洞に光を注入する手段は、中実光導体におけるのと同様に重要である。中空光導体の形式は、直接照明バックライト、特に、複数であるが任意に隔たったゾーンを有するバックライト内の様々なポイントにおける光の注入に対する選択肢を増やすことができる。中空光導体システムでは、TIR及びランベルト反射体の機能は、鏡面反射鏡と半鏡面反射前方散乱拡散要素の組み合わせによって達成することができる。別に記載されるように、ランベルト散乱要素の過剰な使用は、最適であるとはみなされない。
【0037】
本明細書において記載する代表的な部分反射体(前方反射体)、特に、例えば、PCT特許出願番号第2008/064133号(代理人整理番号第63274WO004号)、表題「Backlight and Display System Using Same」に記載される非対称反射フィルム(ARF)は、低損失反射、及びまた、中実光導体のみにおけるTIRで可能であるよりも、偏光の透過及び反射のより良好な制御を提供する。よって、ディスプレイ面にわたる横方向の光分布を向上させることに加え、また、中空の光導体によって、大型システム用の改善された偏光制御も供給することができる。上記の望ましいARFを用いれば、入射角によって透過率を大幅に制御することも可能である。このように、混合空洞からの光をかなりの程度コリメートすることができ、加えて、単一フィルム構成で偏光出力を提供する。
【0038】
好ましい前方反射体は、空洞内の比較的高いリサイクリング率を支援するため、比較的高い全体反射率を有する。これを、その上に光があらゆる可能な方向から入射するときの、構成要素(表面、フィルム、又はフィルムの集合体のいずれでも)の合計反射率を意味する「半球反射率」の観点から特徴付ける。よって、この構成要素は、垂直方向を中心とした半球内の全ての方向からの入射光(及び、別に特定されない限りは全ての偏光)で照らされ、同じ半球内に反射された全ての光が収集される。入射光の全光束に対する反射光の全光束の割合によって、半球反射率、Rhemiが得られる。光は通常、空洞の内部表面上に(前方反射体、後方反射体又は側方反射体にかかわらず)全角度で入射するので、反射体をそのRhemiによって特徴付けることは、リサイクリング空洞にとって特に都合が良い。更に、垂直入射角の反射率とは違って、Rhemiは入射角による反射率の変動に過敏ではなく、すでに考慮に入れられているため、一部の構成要素(例えばプリズムフィルムなど)については非常に重要となり得る。前方反射体は、単一の構成要素又は構成要素の組み合わせ、例えば光学フィルムの積層物であり、必要とされるRhemiを供給することができる。
【0039】
実際に、好ましい前方反射体は、少なくとも1つの平面に入射する光に関して、入射角が垂直から離れるにつれて増加する、(方向に特有の)反射率(及び一般に入射角とともに減少する透過率)を示す。このような反射特性は、垂直に近い角度、すなわち、バックライトの視軸に近い角度で、光を前方の反射体の外へ優先的に透過させ、このことは、(通常重要性の低い高角度での知覚輝度を犠牲にするが、これは通常重要ではない)ディスプレイ業界では重要な、視角におけるディスプレイの知覚輝度を増加させるのに役立つ。角度挙動によって高まる反射率は、「少なくとも1つの平面に入射する光に関する」ことを述べているが、これは、場合によっては1つだけの観測面での狭い視角が望ましいことがあり、また直交平面においてより広い視角が望ましいことがあるからである。一例として、いくつかの液晶テレビアプリケーションでは、水平面では観測のために広い視角が望ましいが、垂直面ではより狭い視角が指定される。他の場合では、法線方向の輝度を最大化するため、直交する平面の両方において狭い視角が望ましいことがある。
【0040】
斜角反射率について論じるときには、図1aの幾何学的考察を踏まえることが役に立つ。ここでは、x−y平面に位置する表面50が見て取れ、z軸は垂直方向である。表面が偏光フィルム又は部分偏光フィルム、例えば、PCT特許出願番号第US2008/064133号(代理人整理番号第63274WO004号)に記載されるARFである場合、この用途の目的のために、y軸を「通過軸」、x軸を「遮断軸」として指定する。換言すれば、フィルムが偏光フィルムであると、偏光軸がy軸と平行である法線入射光線は、偏光軸がx軸と平行である法線入射光線と比較して優先的に透過される。当然、一般的に表面50は偏光フィルムである必要はない。
【0041】
光は任意の方向から表面50に入射することができるが、x−z平面に平行な入射第1面52、及びy−z平面に平行な入射第2面54について集中的に検討する。「入射面」は当然、垂直面と光伝搬の特定方向とを含む面を示す。図において、平面52に入射する1つの斜光線53、及び平面54に入射する別の斜光線55を示す。光線が非偏光であると仮定すると、各光線は、それぞれの入射面に存在する偏光構成要素(「p偏光」光と呼ばれ、図中では「p」で表示されている)、及びそれぞれの入射面に垂直に向けられた直交する偏光構成要素(「s偏光」光と呼ばれ、図中では「s」で表示されている)を有する。偏光面について、「s」及び「p」は、光線の方向に応じて、通過軸又は遮断軸のいずれかと整列できることに注意することが重要である。この図において、光線53のs偏光要素と、光線55のp偏光要素は、通過軸(y軸)と整列しており、よって優先的に透過される。また一方で反対の偏光要素(光線53のp偏光要素と、光線55のs偏光要素)は遮断軸と整列している。
【0042】
これを踏まえて、前方反射体が別に言及されたPCT特許出願番号第US2008/064133号に記載されているようなARFである場合に、前方反射体が「一般に入射角に伴って増加する反射率を呈する」ことを(所望の場合に)特定することの意味を考えてみる。ARFは、遮断偏光状態の法線入射光線に対して非常に高い反射率を有し、通過偏光状態の法線入射光線に対して低いがなお十分な反射率(例えば、25〜90%)を有する多層構造(例えば、所望の屈折率関係及び所望の反射率特性を生成するように、適切な条件下で配向された共押出ポリマーミクロ層)を含む。この遮断状態の光(光線53のp偏光要素及び光線55のs偏光要素)に対する非常に高い反射率は通常、全ての入射角に対して非常に高いままである。より興味深い現象は、通過状態の光(光線53のs偏光要素及び光線55のp偏光要素)に関してであるが、それは垂直入射角で中間的な反射率を示すからである。入射52の平面の斜め通過状態の光は、s偏光反射率の特性により、入射角の増加に伴って増加する反射率を示す(しかしながら、増加の相対量は、垂直入射の通過状態の反射率の初期値に依存する)。よって、面52に平行な観測面におけるARFフィルムから放射された光は、角度によって部分的にコリメート又は制限される。しかしながら、PCT特許出願番号第US2008/064133号で論じられているように、他の入射平面54の斜め通過状態の光(すなわち、光線55のp偏光構成要素)は、面内屈折率差に対するミクロ層間のz軸屈折率差の規模及び偏光によって、3つの挙動のいずれかを呈することができる。
【0043】
第1の場合は、ブリュースター角が存在する場合、この光の反射率は入射角の増大とともに減少する。これは、平面54に平行な画面内に明るい軸外のローブを生成し、これは通常、LCD表示用途において好ましくない(とはいえ、他の用途では、この挙動は許容可能であり得、LCD表示用途の場合でさえも、このローブ出力は、プリズム旋光フィルムを使用して再度視軸に向け直すことができる)。
【0044】
別の場合は、ブリュースター角は、存在しないか非常に大きく、入射角が増大してもp偏光の反射率が比較的一定である。これは参照される観測面において比較的幅広い視角を生じさせる。
【0045】
第3の場合は、ブリュースター角が存在せず、p偏光の屈折率が入射角とともに著しく増加する。これは、参照される観測面において比較的狭い視角を生じさせることができる。このときコリメートの度合は、ARFのミクロ層間のz軸屈折率の差の度合を制御することによって少なくとも部分的に調整される。
【0046】
当然、反射面50は、ARFについてのように非対称の軸上偏光特性を有している必要はない。例えば、対称性多層反射体は、ミクロ層の数、層の厚さ特性、屈折率等を適切に選択することによって高反射率を有し、しかし同時に著しい透過率を有するよう設計することができる。このような場合、光線53及び55の両方のs偏光要素は、互いに同じような方法で入射角とともに増加する。これも、s偏光反射率の性質によるものであるが、相対的な増加量は垂直入射角反射率の初期値に依存する。光線53及び55の両方のp偏光構成要素は互いに同じ角度挙動を有するが、この挙動は、PCT特許出願番号第US2008/064133号で論じられているように、面内屈折率差に対するミクロ層間のz軸屈折率差の規模及び偏光を制御することで、上述した3つの場合のいずれかになるように制御することができる。
【0047】
よって、前方反射体における入射角(あれば)に伴う反射率の増加は、使用可能な偏光状態の斜めの光がp偏光であるような平面内で、使用可能な偏光状態の入射光で表わすことができる。あるいは、このような反射率の増加は、任意の入射面における、非偏光の平均反射率ということができる。
【0048】
好ましい後方反射体もまた、可視光に対する高い半球反射率を有し、これは通常、前方反射体よりもはるかに高いが、これは、必要とされるバックライトの光出力を供給するために、前方反射体が部分透過性となるよう意図的に設計されていることによる。この後方反射体の半球反射率はRbhemiであり、Rfhemiで表わされる。好ましくは、積Rfhemi*Rbhemiは、少なくとも55%(0.55)、65%又は80%である。
【0049】
中空空洞の設計には、小面積光源から出力区域の全面積へと効率的かつ均一に光を拡散させることに関連する、いくつかの態様が存在する。これらは次の通りである:1)光源から正しい方向で空洞の中に光を注入する、2)空洞内で、前方散乱拡散器又は半鏡面反射面若しくは構成要素を使用する、3)最終的に空洞内の光線の方向をランダム化するためにほとんどの光線が前方反射体と後方反射体との間で何度もリサイクルされるような、光を透過するがまた実質的に反射性でもある前方反射体、及び4)最適な構成要素設計によって損失を最小にする。
【0050】
従来のバックライトは、バックライトの均一性を強化するためにこれら技術の1つ以上を用いているが、非常に小さな面積の光源を有する薄型中空バックライトの正しい構造において4つ全てが同時に用いられたことはない。空洞設計のこれらの態様は、以下でより詳細に検討される。
【0051】
より均一な中空バックライトは、光の横方向伝播を促進する高度な指向性光源を製造するために、部分的にコリメートされた光源、又はコリメート光学手段を有するランベルト光源を使用して作製することができる。縁部注入光のための好適な光注入器の例は、PCT特許出願番号第US2008/064125号(代理人整理番号第63034WO004号)、表題「Collimating Light Injectors for Edge−Lit Backlights」に記載される。光線は、好ましくは、主に水平方向で中空光導体に注入される(すなわち、バックライトの視軸に対する横断面に対して比較的小さな偏角を有する)。光線角度の若干の有限分布は回避することができず、この分布は、光源の放射パターンと共にコリメート光学素子の形状によって最適化され、空洞の出力エリアにわたって光の均一性を維持することができる。部分反射性前方反射体と半鏡面反射体の部分散乱とは、均一で薄くかつ効率的な中空光導体を生じるために注入光学素子と調和して機能する、光リサイクリング及びランダム化光空洞を作り出す。
【0052】
直接照明システムでは、所与の光源からの少量の光のみが、前方の反射体上の、その光源に正対する出力エリアの区域に直接入射するのが一般に好ましい。これを達成するための1つの手法は、空洞内に位置付けられ、主に横方向に光を放射するように設計された、パッケージ化LEDなどである。この機能は通常、LEDパッケージの光学設計、特に封止レンズによって達成される。別の手法は、バッフルをLEDの上側に設置して、前方反射体の見通し線を遮断することである。本明細書において記載されるように、光源(例えば、LED)、及び光源と前方反射体の見通し線を遮断するために使用されるバッフルの組み合わせは、総称的に「光注入器」と称される。バッフルは典型的には、前方反射体に向かう光を反射する、バッフルの一方又は両方の側面の高効率反射表面を含む。高効率反射表面は平面的であってもよく、又は反射光を光源から遠ざけるように拡散させ、これが再吸収されないように、凸形状に湾曲していてもよい。この構成はまた、光線方向ベクトルに実質的な左右方向成分をもたらす。更に別の手法は、前方反射体の偏光通過軸に対してずれている1つの反射偏光子を含むバッフルで光源を覆うことである。局所反射偏光子によって透過された光は前方の反射体に向かい、そこでほとんどが反射及びリサイクルされて、光の実質的な横方向の広がりを誘発する。これに関連して、米国特許出願公開番号第2006/0187650号(Epsteinら)、表題「Direct Lit Backlight with Light Recycling and Source Polarizers」を参照する。
【0053】
製造コスト又は効率の理由から、直接照明バックライトではランベルト発光LEDが好まれる場合がある。空洞内のリサイクリングの程度を大きくすることで、依然としてこのような空洞内の良好な均一性を達成することができる。これは、より高度に反射性である、例えば、約10%又は20%未満の全透過率を有する前方反射体を使用することで達成し得る。偏光バックライトでは、この構成は、およそ1%〜2%又はそれ以下である非常に低い透過率を有する前方反射体の遮断軸を更に必要とする。しかしながら、極端に多くのリサイクリングは、空洞内の許容しがたい損失につながる場合がある。
【0054】
中空空洞の利点及び設計課題のいくつかを概説したところで、次に半鏡面反射性及び透過性構成要素、並びにランベルト又は鏡面反射性構成要素だけでなくそれらを中空リサイクリング空洞バックライトにおいて使用することの利点の詳細な説明を行う。
【0055】
場合により鏡とも呼ばれる純粋鏡面反射体は、「入射角は反射角に等しい」という光学法則に従って機能する。一態様では、前方及び後方反射体は共に純粋に鏡面である。図のように、最初に発射した斜光線のごく一部は前方反射体を透過するが、残りは等角度で後方の反射体に向かって反射し、再度等角度で前方の反射体に向かって反射し、それを繰り返す。この構成は、リサイクルされる光線が空洞でのその横方向伝播を妨害されないため、空洞にわたる光の最大横方向伝播を提供する。しかしながら、所与の入射角での光伝播を、他の入射角に変換する機構が存在しないため、空洞内において角混合は生じない。
【0056】
一方で、純粋のランベルト面の反射体は、光線を全方向に等しく向け直す。同じ最初に発射された斜光線は前方反射体によって全ての方向で直ちに散乱され、散乱する光のほとんどは空洞内に反射して戻るが、いくらかは前方反射体を透過する。反射光のいくらかは「前方」(ほぼ発射方向)に移動するが、同等の量が「後方」に移動する。前方散乱とは、反射光の横方向又は面内(当該散乱表面に平行な平面)伝搬成分を意味する。このプロセスが繰り返されると、数回の反射の後、光線の前方に向けられた成分は大きく減少する。ビームは急速に分散し、最小水平伝播を引き起こす。
【0057】
半鏡面反射鏡は、鏡面反射特性と拡散特性のバランスを提供する。例えば、前方反射体が純粋な鏡面であるが、後方反射体が半鏡面である場合を考察する。同じ最初に発射した斜光線の反射された部分は後方反射体に当たり、調節された量で実質的に前方散乱する。次に、反射した光錐は部分的に透過されるが、ほとんどは後方に反射して(鏡面反射)反射体に戻り、一方でこれらは全て更にかなりの程度「前方」方向に伝搬する。
【0058】
このように、半鏡面反射鏡は、光線の方向及び偏光の適切な混合を更に提供しながら、リサイクリング空洞の全域に光が横方向に広がるのを促進することがわかる。部分拡散であるが、実質的に前方に向けられた成分を有する反射体は、より少ない光線の全反射で、より多くの光をかなりの距離にわたって伝播させる。定性的には、半鏡面反射鏡は、実質的に逆散乱よりも前方散乱をより多く提供する反射鏡であると説明することができる。半鏡面ディフューザーは、入射光の実質的大部分に関して光線方向の垂直成分を逆転させないものとして定義することができ、すなわち、光は実質的に前方方向に透過され、かつある程度直交する方向に散乱される。半鏡面のより定量的な記載は、PCT特許出願番号第US2008/064115号(代理人整理番号第63032WO003号)に提供される。
【0059】
半鏡面要素が、どちらか一方の反射体の一体部分であるか、どちらか一方の反射体に積層されるか、又は空洞中に別個の構成要素として設置されるかのいずれであるにせよ、所望の全体的光学性能は、後方の反射体から前方の反射体に行き再度戻る一往復光路を完了した光線に対する、ランベルト分布より実質的に狭い角度広がり関数を有するものである。好ましくは、空洞は半鏡面であり、したがって半鏡面構成要素は前方反射体と後方反射体との間の別個の要素であってよく、これは前方反射体若しくは後方反射体のいずれかに取り付けられてもよく、又はこれはこれらの位置の組み合わせで配置されてもよい。半鏡面反射鏡は、反射鏡及びランベルト反射体の両方の特性を有することができ、又は鏡面方向の周りの明確なガウスコーンであることができる。性能はどのように構成されるかに大きく依存する。ディフューザー構成要素はまた反射体と別個であり得ることを踏まえ、後方反射体、及びバッフル上の高効率反射表面などのためにいくつかの可能な構成が存在する。例えば、以下のものが挙げられる。
【0060】
1)部分透過鏡面反射体、加えて高反射率拡散反射体、
2)高反射率鏡面反射体を覆う部分ランベルトディフューザー、
3)前方散乱ディフューザー、加えて高反射率鏡面反射体、又は
4)波形化高反射率鏡面反射体。
【0061】
各番号の構造では、第1要素は空洞の中に配置される。構成1〜3の第1要素は、別に記載されるように、後方反射体及び光注入器バッフルのエリアにわたって連続的又は非連続的であり得る。更に、第1要素はディフューザー特性の勾配を有することができ、又はディフューザーの勾配がつけられている追加パターンを印刷又はコーティングすることも可能である。勾配がつけられているディフューザーは任意的であるが、様々なバックライトシステムの効率を最適化するために望ましい場合がある。用語「部分ランベルト」は、入射光線の一部のみを散乱する要素を意味するものと定義される。このような要素で散乱される光の一部はほぼ均一に全方向に向けられる。構造1)において、部分鏡面反射体は前方反射体で利用したものとは異なる構成要素である。この場合の部分反射体は、中程度の反射率の空間的に均一なフィルム、又は有孔の多層又は金属製反射体のような、空間的に均一な反射体であってもよい。鏡面性の程度は、孔の寸法及び数を変えることにより、若しくはフィルムの基本反射率を変えることにより、又はその両方により調整することができる。
【0062】
一態様において、図2は、照明装置100を図示し、これは出力表面115を有する部分透過前方反射体110、部分透過前方反射体110から離間した後方反射体120を含み、これらの間に中空の空洞130を形成する。反射性側部要素195は、照明装置100の縁部又は境界を画定するように、図示されるように空洞内に位置付けることができ、又は別に記載されるように照明装置100の異なる部分を分離するために使用することができる。半鏡面要素180は、中空の空洞130内に配置される。図2に図示されるように、半鏡面要素は部分透過性前方反射体110に隣接するように位置付けられるが、半鏡面要素は、中空の空洞130の内部の任意の位置に配置することができ、別に記載されるように、更に空洞内の他の反射性要素の一部であり得る。
【0063】
第1光注入器140及び第2光注入器150は、後方反射体120から中空の空洞130内に突出する。中空の空洞130内の第1光注入器140及び第2光注入器150の境界は、後方反射体120から突出するバッフル190、及び、バッフル縁部192と後方反射体120を接続する線である出口開口部142、152によって、それぞれ画定される。別に記載されるように、バッフル190は、シート又はフィルムなど、平面的であってよく、バッフル190は代わりに、放物線、放物面、楕円、楕円体、複合放物線、フードなど、1つ以上の方向に湾曲した形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、光注入器140、150は、同時継続代理人整理番号第64131US002号、表題「Collimating Light Engine」(同日付けで出願)に記載されるいずれかのコリメート光エンジンであり得る。出口開口部142、152は、部分透過性前方反射体110と垂直な方向に位置付けられる。
【0064】
伝播区域170は、第1光注入器140の出口開口部142と、第2光注入器150のバッフル190及び後方反射体120の接触点と、の間に画定される。別に記載されるように、伝播区域170は、中空の空洞130内の光の混合を更に提供するために使用される。いくつかの実施形態では、光拡散フィルム(不図示)は出口開口部142、152の近位に配置されて、注入器140、150からの光の横方向の拡散(すなわち、後方反射体120とほぼ平行な平面内の拡散)を制御することができる。
【0065】
各バッフル190のバッフル縁部192は、図2に図示されるように、部分透過性前方反射体110から離間していてもよく、又はこれは部分透過性前方反射体110に接するまで延びてもよい(不図示)。バッフル縁部192の、部分透過性前方反射体からの分離は、第1光注入器140からの光と第2光注入器150からの光との更なる混合を提供するために、所望により調節され得る。いくつかの場合においては、第1光注入器140からの光を、第2光注入器150からの光から分離させることが望ましい場合があり、各バッフル190は透過性前方反射体と接触するバッフル縁部192を有する。いくつかの場合においては、一定程度の混合を提供することが望ましい場合があり、バッフル縁部192は部分透過性前方反射体110から分離させることができ、それによって一方の注入器からの光がこの分離部を通過して別の注入器からの光と混合し得る。この分離は開放空間であるか、又は部分透過性フィルム部分であり得る。部分透過性フィルム部分は、例えば、穿孔フィルム、スリットフィルム、部分反射体、反射性偏光器、異なる区域にわたって様々な反射率及び透過率を有するフィルムなどであり得るが、一般的にこれは異なる透過率の区域を呈する。
【0066】
中空の空洞130内の1つ以上の位置において、光の強度を監視するために光センサー185を配置することができ、光源のいずれか1つ又はいくつかを、例えば、帰還回路によって調節することができる。光の強度の制御は手動又は自動のいずれかであり得、照明装置の様々な区域の光出力を別々に制御するために使用され得る。
【0067】
第1光注入器140及び第2光注入器150は、バッフル190上に配置され、かつ部分透過性前方反射体110に面する第1反射面144、154、バッフル190上に配置され、かつ後方反射体120に面する第2反射面146、156、及び中空の空洞130に光を注入するように動作可能な光源148、158を含む。第1及び第2の反射面は、金属鏡などの表面反射体であり得、及びまた多層干渉反射体などの容積反射体であり得る。第1及び第2反射面は、2つの反対の表面を有するフィルム、第1表面が折り畳み線の後で第2表面になるように形成された若しくは折り畳まれたフィルム、又は少なくとも1つの共通の縁部に沿って接合された2つの別個のフィルムを含み、隣接していてもよい。一実施形態では、第1及び第2反射面は、バッフルに対する機械的支持を提供する基材上に取り付けることができる。第2反射面146、156は、光源148、158が光線をこの表面に向けた際に、高度に反射性の表面であり得る。いくつかの場合においては、別に記載されるように、光源148、158は、光が一般的に第2反射面146、156から反射することを必要としないように構成され、したがって表面は高度に反射性である必要がない。
【0068】
光源148及び158は光注入器140及び150の内部に位置付けられ、それによって部分的にコリメートされた光が中空の空洞130内に注入され得る。本明細書で使用するとき「部分的にコリメートされた」とは、光が部分透過性前方反射体110とほぼ平行な、横断面160に近い伝播方向の範囲内で中空の空洞130の内部を移動することを示す。別に記載されるように、中空の空洞130内を移動する光は、光がすれすれの入射角から0〜40°、0〜30°、又は0〜15°の角度θで部分透過性前方反射体110に接する場合、比較的長い距離にわたって伝播し得る。
【0069】
照明装置は、例えばARFを含む任意の好適な前方反射体、穿孔を有する強化鏡面反射(ESR、3M Companyから入手可能)フィルムなどの穿孔を有する鏡、例えば、薄膜強化金属フィルムを含む金属反射体、例えば、非対称DRPF(3M Companyから入手可能な拡散反射性偏光フィルム)を含む拡散反射体、及びPCT特許出願第US2008/064096号(代理人整理番号第63031WO003号)に記載されるものを含むフィルムの組み合わせを含み得る。
【0070】
照明装置は、任意の好適な後方反射体及びバッフルを含み得る。いくつかの場合においては、後方反射体及びバッフル(第1反射面及び第2反射面を含む)は、高反射性コーティングを有する硬質金属基材から、又は、支持基材に積層され得る高反射率フィルムから、作製することができる。好適な高反射率材料としては、3M Companyから入手可能なVikuiti(商標)強化鏡面反射体(ESR)多層高分子フィルム、厚さ10.2マイクロメートル(0.4ミル)のイソオクチルアクリレートアクリル酸感圧接着剤を使用して硫酸バリウム混合ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50.8マイクロメートル(2ミル))をVikuiti(商標)ESRフィルムに積層することによって作製されるフィルム(生じる積層体フィルムは本明細書で「EDR II」フィルムと称される)、Toray Industries,Inc.から入手可能なE−60シリーズLumirror(商標)ポリエステル・フィルム、W.L.Gore & Associates,Incから入手可能なものなどの多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム、Labsphere,Incから入手可能なSpectralon(商標)反射率材料、Alanod Aluminum−Veredlung GmbH & Co.から入手可能なMiro(商標)陽極酸化アルミニウムフィルム(Miro(商標)2フィルムを含む)、Furukawa Electric Co.,Ltd.から入手可能なMCPET高反射発泡シート材、Mitsui Chemicals,Inc.から入手可能なWhite Refstar(商標)フィルム、及びMTフィルム、並びにPCT特許出願US2008/064096に記載のものを含む他のものが挙げられる。
【0071】
発光装置は、例えば、表面から半球状に白色光を放射する下方変換蛍光体を有する、青色又は紫外発光LEDなどの面発光LED、赤色/緑色/青色(RGB)LEDの配列などの、個別の色のLED、及び例えば、PCT特許出願第US2008/064133号、表題「Backlight and Display System Using Same」に記載される他のものなどを含む、任意の好適な光源を含み得る。開示される照明装置の光源として、別個のLED光源の代わりに、又はこれに加えて、線形の冷陰極蛍光ランプ(CCFL)又は熱陰極蛍光ランプ(HCFL)などの他の可視光線発光体を使用してもよい。更に、例えば冷白色と温白色を含み(CCFL/LED)、異なるスペクトルを放射するCCFL/HCFLなどの複合システムを使用することができる。発光体の組み合わせは、幅広く異なってもよく、LEDとCCFL、及び例えば複数のCCFL、異なる色の複数のCCFL、及びLEDとCCFLなどの多数を含むことが可能である。
【0072】
図3は、照明装置100の内部のいくつかの典型的な光線の経路を図示する。光線AB、AC、AD、AE及びAFは、第1光注入器140内に配置される光源148によって、中空の空洞130内に注入される。図3では、光源148がバッフル190と後方反射体120との間に位置付けられるものとして図示され、中空の空洞の長さにほぼ沿った方向に光を注入する。一実施形態では、光源148は、後方反射体120によって画定される平面の下に位置し、中空の空洞の長さとほぼ垂直に光を注入し、これがバッフル190から反射して中空の空洞の長さに沿って向け直されるように位置付けられる場合がある(不図示)。
【0073】
光源148は、面発光LED、例えば、表面から半球状に白色光を放射する下方変換蛍光体を有する、青色、又は紫外発光LEDであり得る。このような面発光LEDの場合、第1光線ABがバッフル190の第2反射面146から反射し、部分透過性前方反射体110の方に向けられる。第2光線ACは、反射せずに部分透過性前方反射体110の方に向けられる。第3光線ADは、(第2光注入器150の)バッフル190の第1反射面154から反射し、部分透過性前方反射体110の方に向けられる。第4光線AEは、第1光注入器140内の後方反射体120から反射し、部分透過性前方反射体110の方に向けられる。第5光線AFは、伝播区域170内で後方反射体から反射し、(第2光注入器150の)バッフル190の第1反射面154から反射し、部分透過性前方反射体110の方に向けられる。バッフル190は、別に記載されるように、第1光源148からの光線が一般的に横断面160に近い角度θの範囲内で中空の空洞130を通じて移動するよう制限されるように、位置付けられる。
【0074】
図3は、光注入器から注入される光が、部分透過性前方反射体に向けられる(別に記載されるように光は更なる反射、及び透過を経る)前に、様々な反射を経る場合があることを図示している。異なる表面とのこれらの相互作用の組み合わせは、光の均質化を提供し、それによって不均一性が最小化される。更に、伝播区域170は追加的な混合を提供し、加えて光源の間の物理的な分離を提供することができる。中空の空洞内に配置されるバッフルは、LED光源を出力表面115から「隠す」ように機能し、光源からの直接的な見通し線を遮断する。
【0075】
別に記載されるように、部分透過性前方反射体の材料特性は、放射光の均一性を改善するが、伝播区域の長さが増加すると、中空の空洞を通じた放射束が減少し、照明装置の輝度の減少を生じる。少なくともこの理由により、追加的な注入ポートを通じて、漸進的により多くの光が注入されて、放射束を増加させ、バックライトの使用可能な長さを延ばす。
【0076】
中空の空洞内の1つ以上の位置において、光の強度又は色を監視するために光センサー185を配置することができ、光源のいずれか1つ又はいくつかを、例えば、帰還回路によって調節することができる。光の強度又は色の制御は、手動又は自動のいずれかであり得、照明装置の様々な区域の光出力を別々に制御するために使用され得る。
【0077】
ここで図4を参照すると、一態様による照明装置200が記載される。この実施形態では、光源148及び158は、関連するコリメート光学素子149、159を有するLED装置である。コリメート光学素子149、159は、例えば、LED出力を覆うようにレンズを形成する樹脂系カプセル材料であり得る。コリメート光学素子を出る光線は、横断面160に対する狭い角度広がりの範囲内に留まり、バッフル190の第2反射面146、156からの、又は光注入器内の後方反射体120の部分からのいずれの反射も必要としない。注入された光線は、出力表面115を出る前にいくつかの異なる経路を通ることができる。例えば、光は、伝播区域170、バッフル190の第1反射面154、及び部分透過性前方反射体110への入射光であり得る。
【0078】
図5は、エッジライト式光源501及び光注入器140、150の組み合わせを含む、照明装置300を図示する。図5は、光の漸進的注入による、照明装置のエリアの大きさの増加を図示する。エッジライト式光源501は、例えば、PCT特許出願番号第2008/064125号(代理人整理番号第63034WO004号)、表題「Collimating Light Injectors for Edge−Lit Backlights」に記載される中空の空洞に連結される従来的なエッジライトであり得る。図5では、追加の光注入器140及び150が追加的な光を注入し、またディスプレイの別の部分から注入された光を向け直すような位置に配置される。照明装置内に配置された1つ以上の光センサー185は、中空の空洞内の光の強度を監視することができ、望ましい強度、及び均一性を提供するように光源を調節するために使用することができる。
【0079】
本明細書において記載される照明装置は、例えばディスプレイ又は照明用途に使用するために好適であり得る、背面板の上に配置される装置の大きな配列へと組み立てることができる。一態様において、図6は部分透過性前方反射体(不図示)と共に使用される後方反射体620を有する照明装置背面板600の斜視図である。この態様により、複数の第1光源648a〜648dは、装置背面板600にわたって長手方向に延びる第1光注入器バッフル690の下で、装置背面板の縁部と本質的に平行な方向で配置される。複数の第2光源658a〜658dは、第2光注入器バッフル690’の下で、第1光注入器と本質的に平行な方向に配置される。第2光注入器は、伝播区域670によって第1光注入器からずれている。1つ以上の光センサー685が、装置背面板によって生成される光を監視するために、背面板の近位に配置され得る。バッフル縁部692、692’は所望により、部分透過性前方反射体を機械的に支持するために使用され得る。明確にするため、図6は、バッフル縁部付近に配置される光源を図示しているが、別に記載されるように、光源はバッフルの更に下に配置されることが理解されるべきである。照明装置背面板600は、例えば、図2に図示される照明装置200など、本明細書において記載されるいずれかの照明装置と共に使用され得る。
【0080】
別の態様において、図7は部分透過性前方反射体(不図示)と共に使用される後方反射体720を有する照明装置背面板700の斜視図である。この態様によれば、複数の第1光源748a〜cは第1光源740内に配置され、複数の第2光源758b〜cは第2光注入器750内に配置され、複数の第3光源768a〜cは第3光注入器760内に配置される。図7に図示される光注入器の配列は、照明装置背面板700のいずれかの所望の部分を覆うように延び得る。各光注入器740、750及び760は、例えば、後方反射体720を穿孔し、変形させることによって形成され得るフードの形状のバッフルを含む。各光注入器は、伝播区域770によって光注入器の近位からずれている。1つ以上の光センサー785が、装置背面板によって生成される光を監視するために配置され得る。バッフル縁部792は所望により、部分透過性前方反射体を機械的に支持するために使用され得る。明確にするため、図7は、バッフル縁部付近に配置される光源を図示しているが、別に記載されるように、光源はバッフルの更に下に配置されることが理解されるべきである。照明装置背面板700は、例えば、図2に図示される照明装置200など、本明細書に記載されるいずれかの照明装置と共に使用され得る。
【0081】
別の態様において、図8は部分透過性前方反射体(不図示)と共に使用されるゾーン分割された照明装置背面板800の斜視図である。この態様により、複数の光注入器840が後方反射体820にわたる配列として配置され、後方反射体820は2つのゾーンを分離する隆起部825によって第1ゾーンI及び第2ゾーンIIに分割される。ゾーン分割された照明装置は、光注入器配列の異なる部分を分離する多数の隆起部を配置することによって、所望により多数のゾーンに分割され得る。1つ以上の光センサー885及び885’は各ゾーン内に配置され、各ゾーン内における光強度の別個の監視を可能にする。
【0082】
前方反射体の半球反射率Rfhemiは、光源から放射される光の拡散に顕著な影響を及ぼし得る。Rfhemiが増加すると、各反射と共に前方反射体を通じて伝播する光は減少し、したがって多数の反射のために、中空の空洞体内の大きな面積にわたって光が拡散する。図9は、光注入器の出口開口部からの中心線距離の関数としての、異なるRfhemi値を有する3つの前方反射体フィルムに関する、前方反射体と垂直に測定した輝度のプロットである。Rfhemiが増加すると、出口開口部から輝度の変動は減少し、中心線からの光の横方向の拡散が追随的に増加する。
【実施例】
【0083】
フィルム系光注入器は、代理人整理番号第64131US002号と対応する同時継続米国特許出願、表題「Collimating Light Engine」(同日付けで出願)に記載される手順に従って構成された。これらの光注入器は、以下に記載されるように、様々な構成で背面板上に配置された。使用された背面板は、0.16mm(0.004”)厚さのステンレス鋼シム材料に事前に積層されたESRフィルム背面板であった。
【0084】
実施例1:フィルム系注入器の全光束
フィルム系光注入器の全光束(TLF)は、Optronic積分球内において、楔を形成する上方ESRフィルムを剥がして折り返され、LEDを、これらが障害なく半球内に放射できるように完全に暴露することによって測定された。TLFは、19.8V及び30mAで電力供給された際に49.94ルーメンであり、このTLF値は光エンジンからの100%の理想的な光放射を表わすものとされた。上方ESRフィルムは次に元の位置に戻され、その結果、背面板の上のESRの最大高さは、約2.2mmであり、LED位置から2:1で広がる楔形を形成した。この構成で測定されたTLFは、47.95ルーメンであり、エンジンが96%の効率であることを示した。
【0085】
実施例2:バックライトシステムの偏光半球効率
バックライトシステムは2.5mm高さ、100mm幅、200mm長さであるように作製され、8mmの壁厚さを有するバックライトフレームを使用して構成された。フレームの内側周囲表面は、ESRで覆われた。フレームは、以下で記載される様々な構成において、背面板上に配置されるフィルム系光注入器上に配置された。各フィルム系光注入器は長さが29mmであり、30mA及び19.7Vで電力供給された。前方反射体は、0.2mm(0.005”)厚さのポリカーボネートシートに接着された非対称の反射フィルム(ARF)(3M Companyから入手可能であり、偏光と位置合わせされた機械方向の透過率(TMD)32%)に接着されたビーズディフューザー(Keiwa Inc.,Osaka,Japanから入手可能なKeiwa Opalus 702)を含む積層体からなる。積層体における各層は、OPT−1接着剤(3M社から入手可能)を使用して接着された。吸収性偏光器が、LCD内で使用する偏光の測定のために、プレートを覆うように配置された。各構成のTLFが、Optronic積分球内で再び測定された。
【0086】
第1構成:単一の光注入器が、100mmの側壁から4mmの場所で、出口開口部がバックライトの長さの方に面するように配置された。TLF測定値は27.23ルーメンであり、これはLEDからの全光出力に対して54.5%の全偏光半球システム効率に相当する。楔形のLEDのTLFと比較して、空洞効率は56.8%であった。
【0087】
第2構成:2つの光注入器が空洞内に配置された。第1の光注入器がまた、100mmの側壁から4mmの場所で、出口開口部がバックライトの長さの方に面するように配置された。第2光注入器が1mmの伝播ゾーンで分離されて、第1光注入器と平行に、出口開口部がバックライトの長さの方に面するように配置された。第1光注入器のみが電力供給された。システムのTLF測定値は24.17ルーメンであり、これはLEDからの全光出力に対して48.4%の全偏光半球システム効率に相当する。楔形のLEDのTLFと比較して、空洞効率は50.4%であった。
【0088】
第3構成:2つの光注入器が空洞内に配置された。第1の光注入器がまた、100mmの側壁から4mmの場所で、出口開口部がバックライトの長さの方に面するように配置された。第2光注入器が30mmの伝播ゾーンで分離されて、第1光注入器と平行に、出口開口部が第1光注入器の方に面するように配置された。第1光注入器のみが電力供給された。システムのTLF測定値は22.48ルーメンであり、これはLEDからの全光出力に対して45.0%の全偏光半球システム効率に相当する。楔形を有するLEDのTLFと比較して、空洞効率は46.9%であった。
【0089】
実施例3:4光注入器バックライトシステム輝度特性
4光注入器バックライトシステムは、4つの光注入器と共に、実施例2のバックライトシステムを使用して構成され、いくつかの構成におけるバックライトの輝度特性を測定した。特に指定されない限り、各光注入器はLEDの3つのサブユニットを有し、各サブユニットは10mA、合計で30mAで、各光注入器が19.8Vで動作した。第1の光注入器が、100mmの側壁から4mmの場所で、出口開口部がバックライトの長さの方に面するように配置された。第2光注入器が1mmの伝播ゾーンで分離されて、第1光注入器と平行に、出口開口部がバックライトの長さの方に面するように配置された。第3光注入器が1mmの伝播ゾーンで分離されて、第2光注入器と平行に、出口開口部がバックライトの長さの方に面するように配置された。第4光注入器は第1光注入器と平行に、反対側の100mmの側壁(すなわち、空洞の反対側の端部)から4mmの場所に、出口開口部が第1、第2及び第3の光注入器の方を向くように配置された。4光注入器バックライトアセンブリの中心線輝度特性(すなわち、100mm幅の中央における、200mm長さに沿って測定される輝度)が、前方反射器と垂直に、以下の条件に関して測定された。
【0090】
実施例4:前方反射器を有さないディフューザーシートを使用した4光注入器バックライトシステムの対照輝度特性
4光注入器バックライトシステムの前方反射器ARF積層体がバックライトフレームから取り除かれ、Sony 23”(58.4cm)モニターから取り除かれたバルクディフューザープレートと置換された。4つの光注入器を全て起動し、中心線輝度特性が測定された。4つの注入器は全て、出口開口部付近での測定において、その間の平坦な区域の輝度(例えば、2322nits)と比較して、およそ2倍の輝度(例えば、4941nits)の上昇を呈した。注入器と側壁との間の区域の平均輝度(第1光注入器と側壁との間、及び第4光注入器と反対側の側壁との間)はおよそ100nitsであった。
【0091】
実施例5:4光注入器バックライトシステムの輝度特性−全ての光を点灯
ARF積層体前方反射体を有する4光注入器バックライトシステムの4つの光注入器がそれぞれ点灯され、中心線輝度が測定された。第1〜4光注入器はそれぞれ、25mA、26mA、23mA及び31mAで電力供給された。中心線輝度は、実施例4における対照よりも、はるかに小さい変動を呈するピーク、及び谷部を示した。最大輝度は3745nitsであり、「明るいゾーン」(第1〜3光注入器の付近)における平均輝度は3254nitsであった。第3光注入器と第4光注入器と(互いに向かい合う)の間に顕著なトラフが観察され、注入器と側壁との間の区域の平均輝度はおよそ400nitsである。
【0092】
実施例6:4光注入器バックライトシステムの輝度特性−ゾーンの対照
バクライトのゾーンの対照が実施例5と同じ条件を使用して示されたが、ただし第2光注入器は消灯された。中心線最大輝度は3530nitsであり、「明るいゾーン」の平均輝度は2362nitsであった。注入器と側壁との間の区域の平均輝度はおよそ400nitsであった。
【0093】
実施例7:4光注入器バックライトシステムの輝度特性−高い輝度
実施例4と同じ条件が使用されたが、ただし第1〜4光注入器それぞれへの電力は60mAに増加された。中心線輝度は、実施例4における対照よりも、はるかに小さい変動を呈するピーク及び谷部を示した。最大輝度は10225nitsであり、「明るいゾーン」の平均輝度は7512nitsであった。第3光注入器と第4光注入器との間(これらは互いに向かい合う)に、実施例6より小さいトラフが観察された。注入器と側壁との間の区域の平均輝度はおよそ1200nitsであった。
【0094】
実施例8:4光注入器バックライトシステムの輝度特性−均一な向上
実施例5と同じ条件が使用されたが、ただし第1及び第2光注入器のみが点灯された。中心線輝度は、第1〜第3光注入器の付近で測定され、この区域において実施例4の対照よりもはるかに小さい変動を呈するピーク及び谷部を示した。最大輝度は3748nitsであり、「明るいゾーン」の平均輝度は3405nitsであった。注入器と側壁との間の区域の平均輝度はおよそ400nitsであった。
【0095】
その後、ARFの通過軸と位置合わせされたポリカーボネート輝度向上フィルム(3M Companyから入手可能なPCBEF)のシートを配置することによって均一性が改善された。中心線輝度は、PCBEFがない場合よりも小さなピーク及び谷部を示した。最大輝度は4173nitsであり、「明るいゾーン」における平均輝度は3818nitsであり、輝度におけるおよそ12%のゲインを示した。注入器と側壁との間の区域の平均輝度はおよそ400nitsであった。
【0096】
PCBEFフィルムは次に取り除かれ、ARFの通過軸の横方向に位置合わせされた。最大輝度は4870nitsであり、「明るいゾーン」における平均輝度は4451nitsであり、輝度におけるおよそ31%のゲインを示した。注入器と側壁との間の区域の平均輝度はおよそ400nitsであった。
【0097】
実施例9:4光注入器バックライトシステムの輝度特性−ベゼルなし
実施例5と同じ条件が使用され、ただし第1〜第3光注入器のみが点灯され、追加的な反射性側壁が第3光注入器と第4光注入器との間に、第3光注入器からおよそ1つの光注入器の幅の間隔で配置された。この方法において、第3光注入器の出口開口部は、追加的な反射性側壁に面した。中心線輝度は、第1〜第3光注入器の付近で測定され、この区域において実施例4の対照よりもはるかに小さい変動を呈するピーク及び谷部を示した。最大輝度は3720nitsであり、「明るいゾーン」の平均輝度は3260nitsであった。第1注入器と側壁との間の区域の平均輝度は、およそ400nitsであった。追加的な側壁の最も近くで測定された輝度は1800nitsであり、バックライトは外部注入器又はベゼルを必要とせずに動作し得ることを示した。
【0098】
実施例10:4光注入器バックライトシステムの輝度特性−光抽出率の制御によるゾーン分割(Rfhemiの影響)
光抽出率は、異なる透過率パーセントの前方反射体フィルムを使用することによって制御された。実施例5と同じ条件が使用されたが、ただし第4注入器のみが点灯され、前方反射体積層体のARF部分が変更された。図9は、第4の光注入器付近の中心線輝度を、3つの異なるフィルム、11% TMD(小さなRfhemi)のARF、32% TMD(中間的なRfhemi)のARF、及び98%のTMD(高いRfhemi)を有するAdvanced Polarizer Film(3M Companyから入手可能なAPF)に関して示す。第4光注入器の出口開口部は、図9の50mmの位置に位置付けられた。Rfhemiが増加すると、出口開口部から輝度の変動は減少し、中心線からの光の横方向の拡散が追随的に増加する。
【0099】
実施例11:内部注入器バックライトのモデル化シミュレーション
101.6cm(40インチ)対角線、16:9縦横比、内部注入器バックライトは、図10aに示される設計を使用してモデル化された。モデルにおいて使用された寸法(mm)は、a=38.1、b=112.1、c=74.0、d=38.1、e=95.8、f=178.1、g=3.8、h=12.9、i=3.8、j=9.1、k=2.6、l=3.8mmであった。12.9mm深さのフレームは、フレームの上でビーズディフューザー(Keiwa Inc.,Osaka,Japanから入手可能なKeiwa Opalus 702など)に接着されたARF(機械方向での透過率(TMD)32%、例えば3M Companyから入手可能)からなる前方反射体と、空隙と、前方反射体の上の、溝が垂直なBEFプリズムフィルムと、を有する。空洞の残りの内側表面は、鏡面的に反射する高効率ミラーフィルム(3M Companyから入手可能な、99.5%の反射率のESRなど)で覆われた。
【0100】
外部の対称的な、3.5:1の、38.1mm楔形が空洞の縁部(「B」)を占め、LED1(Philips Lumileds,San Jose,CAから入手可能な39 LumiLeds Luxeon Rebel LEDsなど)によって、遠位(浅い)端部付近で楔形の裏側表面上を照明された。LEDは、均一な23mmピッチのWWWBGRGRGBWWWの装置の3つの群からなる。内部の非対称な3.5:1、38.1mmバッフル(「C」〜「E」)が空洞深さの実質的な部分を占め、LED2(LED1と同一)によって遠位端部付近で裏側表面上を照射された。内部の楔形の近位開口部は9.1mm高さであり、図10aに図示されるバックライトの中間点付近の位置(「E」)に位置する。傾斜を有する端部の反射体(「F」〜「G」)は、バックライトの前側表面のARFに向かってLED2から放射される光を反射するように位置付けられた。
【0101】
図10aに図示されるように、残りの内側表面は、その遠位端部付近のLEDの直近を除いてESRで裏打ちされ、LED直近ではこれらは、LEDの正確な位置合わせへの光学性能の感受性を低減させるため、高効率拡散反射体(3M Companyから入手可能な、98.5%反射率のMCPETなど)で裏打ちされた。2つのLED配列、LED1及びLED2は、同一の光束を放射するものと想定された。
【0102】
図10bは、前方反射体の中央から183cm(72インチ)の位置から観察した際の予測される輝度のプロットを、バックライトの照射された縁部と平行な、水平位置にわたって平均化した、前方反射体の垂直中心線からの位置(インチ)の関数として図示する。図示される輝度値は、ルーメン/インチ2/ステラジアンの単位で示され、1ルーメンの全放射光源光束と対応する。位置「C」、「E」及び「F」は、図10aに図示される位置と対応する 不均一性の水準は、多くのエッジライト式バックライトにとって一般的に許容可能である。
【0103】
5000nits(吸収性偏光器によって測定、すなわち、LCD使用可能な放射)に相当する平均的な垂直視輝度(normal-viewbrightness)を達成するために望ましい全光源光束は、6850ルーメンである。望ましい6850ルーメンは、装置当たり2.5ワットをやや上回る電力消費に対応する動作電流において、78個のLED(LED1及びLED2)を使用して達成された。対応する熱負荷は、2つの光源配列のそれぞれに沿っておよそ1.2W/cmであった(予測される受動冷却の上限付近)。合計電力消費は、208Wであった。
【0104】
上記の実施形態は、テレビ、ノートブック型コンピュータ、及びモニターなどのディスプレイを含む、薄型の光透過性構造体が使用される任意の場所に適用でき、広告、情報表示又は照明に使用できる。本開示は、光学ディスプレイを組み込む、ラップトップ型コンピュータ、及び個人用携帯情報端末(PDA)、個人用ゲーム機器、携帯電話、個人用メディアプレーヤー、携帯用コンピュータなどの携帯端末を含む電子機器にも適用できる。本開示の照明装置は、他の多くの領域において用途を有する。例えば、ディスプレイ内容によってバックライトの異なる区域が異なる方法で制御されるゾーン分割されたバックライト式LCD、照明器具、作業照明、光源、標識、店頭表示を、本発明を使用して作製することができる。
【0105】
指示がない限り、本明細書及び請求項で使用される特性となる大きさ、量、及び物理特性を示す全ての数字は、「約」と言う用語によって修飾されることを理解されたい。それ故に、別の指示がない限りは、本明細書及び添付の請求項に説明される数字のパラメータは近似値であり、本明細書に開示された教示を使用して当業者が獲得しようとする所望の特性に応じて変化し得る。
【0106】
本願で引用した全ての参照文献及び刊行物は、本開示と完全には矛盾することのない程度まで、その全てが引用によって本開示に明白に組み込まれる。本明細書において特定の実施形態が例示及び説明されてきたが、多様な代替及び/又は同等の実施が、本開示の範囲から逸脱することなく、図示され説明された特定の実施形態と置き換えられ得ることは、当業者には理解されるであろう。本出願は、本明細書で説明された特定の実施形態のいかなる翻案又は変形をも包含すべく意図されている。したがって、本開示が特許請求の範囲及びその同等物によってのみ限定されることを、意図するものである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ又は他の図形を後方から照明するために好適な照明装置、例えば、バックライトに関連する。本開示は、特に、実質的に1つの偏光状態の可視光を放射する大面積バックライトに非常に適するがこれに限定されない。
【背景技術】
【0002】
バックライトなどの照明装置は、バックライトの出力エリアに対して内部光源がどこに配置されるかによって2つのカテゴリーのいずれかに分類されると考えることができ、ここでバックライトの「出力エリア」とはディスプレイ装置の目に見える領域又は区域に相当する。本明細書で、このバックライトの「出力エリア」は時に、「出力区域」又は「出力表面」とも呼ばれ、その区域又は表面そのものと、その区域又は表面の面積(平方メートル、平方ミリメートル、平方インチなどの単位を有する数量)と、を区別する。
【0003】
第1のカテゴリーは「エッジライト」式である。エッジライト式のバックライトでは、平面図の視点で見て、1つ以上の光源がバックライト構造の外側の境界又は周辺部に沿って、一般的に、出力エリアに相当する領域又はゾーンの外側に配置される。光源はしばしば、バックライトの出力エリアの外縁となるフレーム又はベゼルによって隠される。光源は、典型的には、特にラップトップ・コンピュータ・ディスプレイのように極めて薄い特性のバックライトが所望される場合には、「光導体」と呼ばれる構成要素内に光を放射する。この光導体は長さと幅の寸法がバックライト出力エリアの大きさとほぼ同じの、透明で中実の比較的薄いプレートである。光導体は、光導体の全長又は幅をはさんだ縁部に取り付けられたランプからの光をバックライトの反対側の縁部へと伝播させる又は案内するために全内部反射(TIR)を用い、局所的抽出構造体の非均一パターンが光導体の表面に提供されて、光導体から出たこの導かれた光の一部を、バックライトの出力エリアに向け直す。こうしたバックライトは、光導体の後ろ又は下に配置される反射材料などの光制御フィルム、並びに、光導体の前方又は上に配置される反射偏光フィルム及びプリズム状BEFフィルムを通常、更に有することによって、法線方向の輝度が高くなっている。
【0004】
出願者の見地では、既存のエッジライト式バックライトの欠点又は制限としては、特にバックライトのサイズがより大きい場合に光導体と関連した質量又は重量が比較的大きいこと、特定のバックライトサイズと特定の光源構成用に光導体を射出成形、ないしは別の方法で製造しなければならないので、バックライト間で互換性のない構成要素を使用する必要があること、既存の抽出構造パターンと同様にバックライト内の相互の位置における実質的な空間不均一を必要とする構成要素を使用する必要があること、並びにバックライトのサイズが大きくなるほど、長方形の面積に対する周囲の長さの比率が、特徴的な面内寸法L(例えば、所定の縦横比の長方形では、バックライトの出力区域の長さ、幅、又は対角線寸法)とともに線形(1/L)に低下するので、ディスプレイの縁部に沿った空間の制限又は「表面積縮小」のため十分な照明を提供することがより困難になることが挙げられる。高価な機械加工及び研磨作業のために、周辺部以外のいずれかの点において、中実光導体に光を注入することは困難である。
【0005】
第2のカテゴリーは「直接照明」である。直接照明式のバックライトでは、平面図の視点で見て、1個以上の光源が出力エリアに相当する領域又はゾーンの実質的に内側に、通常はゾーン内の規則的な配列又はパターンとして配置される。あるいは、直接照明式バックライトの光源は、バックライト出力のすぐ裏側に配置されているとも言える。強く拡散するプレートは通常、光源の上側に取り付けられて、光を出力エリア一面に広げる。この場合も、反射偏光フィルム及びプリズムBEFフィルムなどの光管理フィルムをディフューザーの上に配置することによって軸上の輝度と効率を改善することができる。直接照明式バックライトにおける均一性を実現することの不利点は、ランプ間の間隔が増加するに従って、バックライトの厚さを増加させなくてはならないことである。ランプの数はシステムの費用に直接的に影響するため、このトレードオフは直接照明システムの欠点である。
【0006】
出願者の見地では、既存の直接照明バックライトの欠点又は制限としては、高度な拡散プレートに付随する非効率性、LED光源の場合、適切な均一性及び輝度を得るために多数のこのような光源が必要であり、それに伴い構成要素のコストが高くなり発熱が増加すること、達成可能なバックライトの薄さが制限され、この厚さを超えると光源が不均一で望ましくない「パンチスルー」を生成し、各光源の上側の出力エリア内に輝点が出現することが挙げられる。赤色、緑色、及び青色LEDなど、多色のLED群を使用する場合、やはり色不均一性、加えて輝度不均一性が存在し得る。
【0007】
場合によっては、直接照明式バックライトではバックライトの周辺部に1つ又は複数の光源を含むことができ、又は、エッジライト式バックライトでは出力エリアの裏側に直接1つ又は複数の光源を含むことができる。そのような場合、バックライトの出力エリアの裏側から直接発する光が大半の場合は、このバックライトは「直接照明式」と見なされる。またバックライト出力エリアの周辺部から発する光が大半の場合は、このバックライトは「エッジライト式」と見なされる。
【0008】
通常、あらゆる種類のバックライトが液晶(LC)ベースのディスプレイと共に使用される。液晶表示(LCD)パネルは、その操作の方法が理由で光の1つの偏光状態のみを利用する。したがって、LCD用途に関しては、単純に偏光されていない場合がある光の輝度及び不均一性だけでなく、正しい又は使用可能な偏光状態の光に対するバックライトの輝度及び不均一性を知ることが重要である場合がある。その点に関しては、他の全ての要素を同一にした場合、使用可能な偏光状態が主体の光又は使用可能な偏光状態でのみ光を放射するバックライトは、非偏光の光を放射するバックライトよりも、LCDアプリケーションにおいてより効率的である。にもかかわらず、使用可能な偏光状態のみではない光を放射するバックライトは、ランダムに偏光を放射している程度であっても、依然としてLCDアプリケーションにフルに使用可能である。これは、使用できない偏光状態が、LCDパネル裏側に提供される吸収性偏光板によって容易に除去できるからである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様では、出力エリアを有する部分透過性前方反射体と、前方反射体に面する後方反射体と、前方反射体と後方反射体との間の中空の空洞と、を含む照明装置が開示される。照明装置はまた、中空の空洞体内に配置される第1及び第2光注入器と、第1光注入器と第2光注入器との間の伝播区域と、中空の空洞体内に配置される半鏡面要素と、を含む。各第1及び第2光注入器は、後方反射体から突出し、部分透過性前方反射体に面する第1反射面と、第1反射面に隣接し、後方反射体に面する第2反射面と、第2反射面と後方反射体との間に光を注入し、それによって、注入された光が、前方反射体と平行な横断面から30°の範囲内の第1方向に部分的にコリメートされるように動作可能な光源と、を含む。第1光注入器から注入された光の少なくとも一部は、第2光注入器の第1反射面から反射し、部分透過性前方反射体の方に向けられる。
【0010】
別の態様では、出力エリアを有する部分透過性前方反射体と、前方反射体に面する後方反射体と、前方反射体と後方反射体との間の中空の空洞と、を含む照明装置が開示される。照明装置はまた、中空の空洞内の配列として配置される複数の光注入器と、隣接する光注入器同士の間の伝播区域と、を含む。複数の光注入器の各々は、後方反射体から突出し、部分透過性前方反射体に面する第1反射面と、第1反射面に隣接し、後方反射体に面する第2反射面と、第2反射面と後方反射体との間に光を注入し、それによって、注入された光が、前方反射体と平行な横断面から30°の範囲内の第1方向に部分的にコリメートされるように動作可能な光源と、を含む。照明装置は、中空の空洞体内に配置される半鏡面要素を更に含む。第1光注入器から注入された光の少なくとも一部は、隣接する光注入器の第1反射面から反射し、部分透過性前方反射体の方に向けられる。
【0011】
別の態様では、出力エリアを有する部分透過性前方反射体と、部分透過性前方反射体に面し、部分透過性前方反射体との間に中空の空洞を形成する後方反射体と、を含む照明装置が開示される。照明装置はまた、第1コリメート光線を中空の空洞内に注入するように動作可能な第1光源と、後方反射体から中空の空洞内に突出するバッフルによって形成される光注入器と、を含む。バッフルは、第1コリメート光線の一部を部分透過性前方反射体に向けて反射するように位置付けられた第1反射面を含む。照明装置はまた、光注入器内に配置されて、第2コリメート光線を中空の空洞内に注入するように動作可能な第2光源を含む。照明装置はまた、第1光源と光注入器との間の伝播区域と、中空の空洞内に配置された半鏡面要素と、を含む。第1光源から注入された光の少なくとも一部は、バッフルの第1反射面から反射して部分透過性前方反射体の方に向けられる。
【0012】
本願のこれらの態様及び他の態様は、以下の詳細な説明から明らかとなろう。しかし、決して、上記「課題を解決するための手段」は、請求された主題に関する限定として解釈されるべきでなく、主題は、手続処理の間補正することができるような添付の「特許請求の範囲」によってのみ規定される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本明細書を通して、添付の図面を参照し、ここで、同じ参照番号は同じ要素を示す。
【図1】中空のバックライトの概略的側面図。
【図1a】表面の斜視図であり、異なる入射面及び異なる偏光状態を示している。
【図2】注入器を含む中空のバックライトの概略的側面図。
【図3】光注入器を含む中空のバックライト内の光線の概略的側面図。
【図4】コリメートされた光源を有する光注入器を含む中空のバックライトの概略的側面図。
【図5】エッジライト及び光注入器を含む中空のバックライトの概略的側面図。
【図6】照明背面板の斜視図。
【図7】照明背面板の斜視図。
【図8】ゾーン分割された照明背面板の斜視図。
【図9】中空のバックライトと垂直に測定した輝度のプロット。
【図10a】モデル化したバックライトの概略的側面図。
【図10b】図10aのモデル化したバックライトと垂直な輝度のプロット。
【0014】
図面は、必ずしも一定の比率の縮尺ではない。図中で用いられる類似の数字は、類似の構成要素を示す。しかし、所与の図中の構成要素を意味する数字の使用は、同一数字でラベルした別の図中の構成要素を制約するものではないことは理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0015】
バックライトが、意図される用途に適切な輝度及び空間的均一性を提供する一方で、下記のような特性の一部、又は全てを組み合わせることが有益である:薄い外形、設計の単純さ(例えば、最小限の数のフィルム構成要素、最小限の数の光源、及び便利な光源設計)、軽量、バックライト内の相互の位置における実質的な空間的不均一性を有するフィルム構成要素を使用しない、又は必要としないこと(例えば、顕著な階調がない)、LED光源、加えて他の小エリア高輝度光源(固体レーザー光源など)に対する適合性があること、全て名目上は同じ色であるLED光源における色の差異に関連する問題に対する非感受性(「ビニング」として既知の工程)、LED光源の部分の焼損や他の故障に対する可能な限りの非感受性、前述の背景技術の項で述べた限界、及び欠点のうち少なくともいくつかを排除、又は軽減すること。
【0016】
これらの特性をバックライト内にうまく組み込むことができるかどうかは、ある程度バックライトを照明するのに用いられる光源のタイプに依存する。例えば、CCFL(冷陰極蛍光ランプ)は、それらの細長い発光エリアにわたって白色発光を提供し、それら発光エリアはまた、リサイクリング空洞で発生するように、CCFLに衝突する一部の光を散乱させる働きもすることができる。しかしながら、CCFLの典型的な発光は、実質的にランベルトな角度分布を有し、これは所与のバックライト設計において非効率的であり、ないしは別の態様で望ましくない場合がある。また、CCFLの放射面は、ある程度拡散的な反射性があるが、通常は吸収損失を有している。これについて、再利用性の高い空洞が望ましい場合は顕著になることを、出願者は見出している。
【0017】
LED(発光ダイオード)ダイは、ランベルト反射の方法で光を放射するが、CCFLに比べてサイズがはるかに小さいため、LED光の分配は容易に改善することができ、例えば、全体封止レンズ、反射体、又は抽出材を用いてパッケージ化したLEDを、正面発光体、側方発光体、又は他の非ランベルト反射的特性にすることができる。このような抽出材の例は、例えば、米国特許番号第7,304,425号(Ouderkirkら)及び米国特許出願番号第2007/0257266号(Leatherdaleら)に見出すことができる。非ランベルト特性は、開示されるバックライトに対して重要な利点を提供し得る。しかしながら、LED光源はCCFLに比べてサイズが小さく高輝度であるため、LEDを用いて空間的に均一なバックライト出力エリアを作製するのはより難しくなる。これは、赤/緑/青(RGB)LEDの配列など、個々に色が違うLEDを用いて白色光を供給する場合には特に当てはまり、そのような光を適切に平面方向伝播又は混合することができないと、好ましくない着色帯、又は領域を容易に生じてしまうことがあるからである。このような色不均一性を軽減するために、蛍光体が青色又は紫外線発光LEDダイによって励起されて、LEDダイと同様の小さな面積、又は体積から強力な白色光を生成する白色発光LEDを使用することができるが、白色LEDは、個々の着色LEDの配置を用いて達成可能な色域と同じ幅のLCD色域を提供することができない場合があり、したがって、全ての最終用途に望ましくない場合がある。
【0018】
出願者は、LED光源照明に適合するバックライト設計の特徴の組み合わせを発見し、これは少なくともいくつかの点において、市販の現況技術のLCD装置に使用されているバックライトよりも優れた性能を発揮するバックライト設計を実現することができる。これらのバックライト設計特徴は、同時継続PCT特許出願番号第US2008/064115号、表題「Recycling Backlights with Semi−specular Components」に説明されている。
【0019】
バックライト設計は、リサイクリング光学的空洞を含む場合があり、ここで光のかなりの部分が、実質的に同一の広がりを有する前方反射体と後方反射体との間で、部分的に透過性であり部分的に反射性である前方反射体から出射する前に複数回反射する。
【0020】
バックライト設計により、このリサイクリング空洞内で伝搬する光の全体損失はきわめて低く抑えることができ、これは例えば、低い吸収損失(低損失の前方及び後方反射体、並びに側方反射体を含む)を有する、実質的に密閉された空洞を提供することと、光源に関係する損失を非常に低く抑える(例えば、光源全ての発光面積総和が、バックライト出力エリアに比べごく小さな部分であるようにすることによる)ことの両方による。
【0021】
バックライト設計は、中空であるリサイクリング光空洞を含むことができ、すなわち、空洞内の光の横方向の伝播が、アクリル又はガラスなどの光学的に密な媒体内ではなく、主に空中、真空中などで生じる。
【0022】
特定の(使用可能な)偏光状態の光だけを放射するように設計されたバックライトの場合、前方反射体は、そのような使用可能な光の横方向の伝播又は拡散を支援するために十分であり、かつバックライト出力の適切な空間均一性を達成するための光線の角度ランダム化に十分な高い反射率を有するが、バックライトの利用輝度が許容可能なほどに高いことを確実にするために、用途に適切な使用角度に十分高い透過率を有し得る。
【0023】
バックライト設計は、空洞に鏡面特性と拡散特性の平衡化を提供する構成要素を収容するリサイクリング光学空洞を含む場合があり、この構成要素は、狭い角度範囲でのみ空洞に光を注入するときであっても、空洞内の顕著な横方向の光伝播又は混合を支援するのに十分な鏡面性を有するが、空洞内の安定した状態の光の角度分布を実質的に均質化するのに十分な拡散性も有する。更に、空洞内のリサイクリングによって、反射光の偏光状態が入射光の偏光状態に対してある程度ランダム化する可能性がある。これにより、有効でない偏光をリサイクリングによって有効な偏光に変換することができる機構が可能になる。
【0024】
バックライト設計は、リサイクリング空洞の前方反射体を含み、これは一般に入射角と共に増大する反射率と、一般に入射角と共に減少する透過率とを有し、ここで、反射率と透過率は、非偏光の可視光、及びいずれかの入射面に関するものであり、並びに/又は使用可能な偏光状態の傾斜光がp偏光された平面に入射する使用可能な偏光状態の光のためのものである。更に、前方反射体は、高い半球反射率の値を有し、同時に、用途に使用可能な光の十分に高い光透過値を有する。
【0025】
バックライト設計は光注入光学素子を含む場合があり、これはリサイクリング空洞内へ、横断面(バックライトの出力エリアに平行となる横断面)に近い伝搬方向で最初にリサイクリング空洞に注入された光を部分的にコリメート又は制限し、例えば、0〜90°、0〜60°又は0〜30°の範囲内において、最大出力の半分で全角度幅(FWHM)(横断面の周囲で)を有する注入ビームである。場合によっては、注入光の最大出力は、横断面の下で、横断面に対して40°以下の角度で下向きの投影を有することが望ましいことがあり、更に他の場合には、横断面の上で前方反射体に向かって、横断面に対して40°以下の角度で上向きの投影を有する、注入された光の最大出力を有することが望ましいことがある。
【0026】
上記の及び同時継続PCT特許出願番号第US2008/064115号(代理人整理番号第63032WO003号)に開示される設計特徴を組み込むバックライトは、効率的で、均一で、薄く、中空のバックライトを提供する。しかしながら、バックライトによって照明され得る表面積を増加させると同時に、不均一性を維持する必要性が存在し得る。少なくともこの理由のために、中空の空洞内の2つ以上の位置で光を注入することが望ましいことがある。出願者らにより、漸進的注入装置が空洞全体にわたって分散され、それによって均一に照明された領域を増加させ得ることが見出された。バックライト設計は、バックライト出力エリア内に配置される少なくとも1つの光注入器(あるいは、光注入ポートと称される)を含み得る。個別の光注入器は、伝播ゾーンによって互いに離間するように位置付けることができ、それによって光注入器から空洞に注入された光はバックライトから出る前に組み合わされた表面から反射し得る。後方反射体、前方反射体、及び隣接する光注入器の表面から1つ以上の反射が生じ得る。この方法において、注入された光は良好に混合されて、バックライトから均一に出る。
【0027】
光導体の内側に光を注入する能力は、多くの理由で重要である。例えば、2つの対向する縁部から照明するエッジライトシステムでは、光の強度は一般的に、光源から最も遠い点であるバックライトの中央付近で低減する。縁部からの距離が増加すると、吸収損失が増加し、特に非常に高いL/H縦横比において、均一性を達成することが漸進的に困難になる。中空の光導体の内側に光を注入することにより、エッジライトの限界を超えて、非常に薄い寸法のシステムを形成することが可能になる。
【0028】
別の重要な用途は、LEDバックライトのゾーン分割である。ゾーン分割されたシステムは、放射された光が、画像内容に基づいて別々に制御され得る区域へと、少なくとも部分的に分離される。ゾーン分割は、少なくともコントラストの改善及びシステム電力要件の大幅な低減における利益のために、ディスプレイ業界において高度な商業的関心の対象である。
【0029】
ゾーン分割されたバックライトはまた、フィールド順次式システムにとって重要であり、これはカラーフィルターを除去し、システム効率を改善し、高速運動画像の品質を改善する可能性を提供する。フィールド順次式カラー(FSC)ディスプレイは、ゾーン分割による利益を有し得る、別の商業的に重要な種類のシステムである。従来のディスプレイでは、LCDピクセルは吸収性カラーフィルターと見当合わせして位置付けられる。画像内容により、LCDピクセルはカラーフィルターに伝播される光の量を計量するために、開閉する。これらの吸収性フィルターは、透過光の量を2/3超低減させ、結果的に、より多い光源、加えてより多くのシステム電力、及び輝度向上フィルムの必要性のためにシステムコストを増加させる。フィールド順次式システムは、赤色、緑色及び青色(RGB)光を順次点灯させ、空間的にではなく時間的に色を分離するシステムによってカラーフィルターを排除する。システム効率は、カラーフィルターの除去、加えてピクセル数の削減(1/3に)(これは口径比を改善する)により増加する。色のシーケンスに黒枠を導入することで、これらのシステムに観察される、運動によるアーチファクト、及び色の分散現象を改善できることが見出された。例えば、米国特許第6,424,329号(Okita)及び第6,396,469号(Miwaら)に示されるように、高速スイッチングLCDパネル、例えば、OCB(光学補償複屈折)を有するFSCの使用が、運動及び色効果を低減させるために同様に有益であり得る。ゾーン制御のために、フィールド順次式システムは、一次元垂直走査バックライト又は二次元ゾーン制御を使用することができる。例えば、米国特許第7,113,152号(Ben−Davidら)に示されるように、波長制御は、白色、RGB又はRGBCYなど他のものであり得る。
【0030】
LCDパネルのバックライトは、最も簡単な形態では、LEDダイの活性発光面又はCCFLバルブの蛍光体の外側層などの光生成面と、この光を分配又は拡散することにより広い又は大きな面積の照明表面又は領域を生成する幾何学的及び光学的配置と、からなり、この領域は、バックライト出力エリアと呼ばれ、その発光輝度が空間的に均一となる。一般に、非常に高い輝度の局部光源を広い面積の均一な出力表面に変えるこのプロセスは、バックライト空洞表面全てとの相互作用、及び、光発生表面との相互作用により、損失が生じる。第1の近似として、このプロセスによって、前方反射体に関連する出力エリア又は表面を通って、場合によっては、望ましい用途の観察者の円錐(ある場合は)内に、特定の(例えば、LCDに使用可能な)偏光状態(ある場合は)で届けられないいずれかの光は、「損失」した光である。リサイクリング空洞を含むいずれかのバックライトを2つの本質的パラメーターによって個別に特徴づける方法は、PCT特許出願米国特許第2008/064096号(代理人整理番号第63031WO003号)、表題「Thin Hollow Backlights With Beneficial Design Characteristics」に記載される。
【0031】
ここで図1に図示される一般化されたバックライト10に注目すると、前方反射体12及び後方反射体14が中空の空洞16を形成する。バックライト10は、出力エリア18(これは、この場合前方反射体12の外側主要表面に対応する)にわたって光を放射する。前方反射体及び後方反射体は平面的であり、互いに平行であり、横方向寸法13(この寸法はまた、外側領域18の長さ、又は幅などの横方向寸法と対応する)にわたり同一の広がりを持つものとして図示される。前方反射体及び後方反射体は平面的であり、平行であるものとして図1に図示されるが、これらの間の間隔は、用途によって様々であるか、又は非連続的であり得る。前方反射体は、空洞内からのかなりの量の入射光を反射し、図に示すように、最初の光線20が反射して比較的強い反射光線20aとなり、比較的弱い透過光線20bとなる。さまざまな光線を表わす矢印は、その性質として図示するためのものであることに注意されたい。例えば、示されたさまざまな光線の伝搬方向及び角度分配は、完全な正確さを期したものではない。図に戻って、反射した光線20aは後方反射体14によって強力に反射され、光線20cとなる。光線20cは前方反射体12によって一部透過し、透過光線20dを生じ、一部が反射して別の光線(図示なし)を生じる。前方反射体と後方反射体との間の多数の反射は、矢印22によって示される、空洞内における光の横方向の伝播を支援することを助ける。透過光線20b、20d、これに続くものの合計は互いに合わさって非干渉でバックライト出力を提供する。
【0032】
図示のため、小面積の光源24a、24b、24cが図中のさまざまな場所に示されており、ここで光源24aはエッジライト位置に示されており、光源24aからの光を(少なくとも部分的に)コリメートするのに役立てることができる反射性構造26とともに供給されている。光源24b及び24cは、光注入位置に示され、光源24b及び24cの双方とも光注入器に含まれるコリメート光学素子(例えば、別に記載されるバッフル)を有さずに示され、光源24cは、後方反射体14内に提供される穴、又は開口(不図示)とほぼ位置合わせされて、中空の空洞16への光注入を可能にする。反射性側方表面(反射性構造26以外は図示されない)はまた、典型的に、ほぼ寸法13の端点に提供され、好ましくは、最小限の損失のために前方反射体12及び後方反射体14を封止された方法で接続する。いくつかの実施形態において、ほぼ垂直の反射性側方表面は、実際には、特定のバックライトを同様又は同一の隣接するバックライトと分離する薄い区画にすることができ、このような各バックライトは実際には、ゾーン分割されたより大きなバックライトの一部分である。いくつかの実施形態では、傾いた反射性側方表面を使用して、所望に応じて光を前方反射体12に向けることができる。個別のサブバックライト内の光源は、より大きなバックライトのための照明部及び暗部ゾーンのパターンを提供するために、任意の望ましい組み合わせで点灯、若しくは消灯、又はうす暗くすることができる。そのようなゾーンで区切られたバックライトは、いくつかのLCDアプリケーションにおいて、コントラストを向上させ、エネルギーを節約するために動的に用いることができる。いくつかの実施形態では、ゾーン分割されたバックライトは、空洞の内部、空洞の外部、又は内部と外部の位置の組み合わせで位置する1つ以上の光センサーと共に、帰還回路によって制御することができる。
【0033】
線光源、又は点光源を均一で延長された領域の光源に変換するバックライト空洞、又はより一般的には任意の光空洞は、反射性光学構成要素と透過性光学構成要素の組み合わせを用いて作製することができる。多くの場合において、望ましい空洞は、その横方向寸法と比較して非常に薄い。均一な延長領域光源を提供するのに好ましい空洞は、光を横方向に広げかつ光線の方向をランダム化する多重反射を作り出す空洞である。一般に、前面の面積に比べて光源の面積が小さいほど、空洞の出力区域にわたって均一な光強度を作り出す際に問題が大きくなる。
【0034】
別に記載されるように、高効率、低損失の半鏡面反射体は、バックライト空洞内における光の最適な横方向伝播を促進するために重要であり得る。光の横方向伝播は光源の光学的構成によって開始することができ、低損失半鏡面反射体を利用する空洞内の光線の広範なリサイクリングによって誘発することができ、かつこれは中空の空洞全体にわたって光を漸進的に注入することによってより大きな距離にわたって伝播され得る。
【0035】
中空の空洞のいずれかの側部で空間的に分離された低損失反射体は、2つの一般的なカテゴリーに別れる。一方は前面における部分反射体(また部分透過反射体とも称される)であり、2つ目は背面及び側面における完全反射体である。空洞内での最適な光伝播及び光混合のために、前方反射体及び後方反射体の両方がランベルトの代わりに鏡面又は半鏡面であってもよく、ある種類の半鏡面構成要素は、光の均一な混合を促進するために空洞内のいずれかの場所において有用である。大きな光導体において、光の横方向伝播の主要媒体として空気を用いることにより、より軽量で、薄く、低価格で、より均一なディスプレイバックライトの設計が可能となる。
【0036】
光の横方向の広がりを顕著に促進するための中空光導体にとって、空洞に光を注入する手段は、中実光導体におけるのと同様に重要である。中空光導体の形式は、直接照明バックライト、特に、複数であるが任意に隔たったゾーンを有するバックライト内の様々なポイントにおける光の注入に対する選択肢を増やすことができる。中空光導体システムでは、TIR及びランベルト反射体の機能は、鏡面反射鏡と半鏡面反射前方散乱拡散要素の組み合わせによって達成することができる。別に記載されるように、ランベルト散乱要素の過剰な使用は、最適であるとはみなされない。
【0037】
本明細書において記載する代表的な部分反射体(前方反射体)、特に、例えば、PCT特許出願番号第2008/064133号(代理人整理番号第63274WO004号)、表題「Backlight and Display System Using Same」に記載される非対称反射フィルム(ARF)は、低損失反射、及びまた、中実光導体のみにおけるTIRで可能であるよりも、偏光の透過及び反射のより良好な制御を提供する。よって、ディスプレイ面にわたる横方向の光分布を向上させることに加え、また、中空の光導体によって、大型システム用の改善された偏光制御も供給することができる。上記の望ましいARFを用いれば、入射角によって透過率を大幅に制御することも可能である。このように、混合空洞からの光をかなりの程度コリメートすることができ、加えて、単一フィルム構成で偏光出力を提供する。
【0038】
好ましい前方反射体は、空洞内の比較的高いリサイクリング率を支援するため、比較的高い全体反射率を有する。これを、その上に光があらゆる可能な方向から入射するときの、構成要素(表面、フィルム、又はフィルムの集合体のいずれでも)の合計反射率を意味する「半球反射率」の観点から特徴付ける。よって、この構成要素は、垂直方向を中心とした半球内の全ての方向からの入射光(及び、別に特定されない限りは全ての偏光)で照らされ、同じ半球内に反射された全ての光が収集される。入射光の全光束に対する反射光の全光束の割合によって、半球反射率、Rhemiが得られる。光は通常、空洞の内部表面上に(前方反射体、後方反射体又は側方反射体にかかわらず)全角度で入射するので、反射体をそのRhemiによって特徴付けることは、リサイクリング空洞にとって特に都合が良い。更に、垂直入射角の反射率とは違って、Rhemiは入射角による反射率の変動に過敏ではなく、すでに考慮に入れられているため、一部の構成要素(例えばプリズムフィルムなど)については非常に重要となり得る。前方反射体は、単一の構成要素又は構成要素の組み合わせ、例えば光学フィルムの積層物であり、必要とされるRhemiを供給することができる。
【0039】
実際に、好ましい前方反射体は、少なくとも1つの平面に入射する光に関して、入射角が垂直から離れるにつれて増加する、(方向に特有の)反射率(及び一般に入射角とともに減少する透過率)を示す。このような反射特性は、垂直に近い角度、すなわち、バックライトの視軸に近い角度で、光を前方の反射体の外へ優先的に透過させ、このことは、(通常重要性の低い高角度での知覚輝度を犠牲にするが、これは通常重要ではない)ディスプレイ業界では重要な、視角におけるディスプレイの知覚輝度を増加させるのに役立つ。角度挙動によって高まる反射率は、「少なくとも1つの平面に入射する光に関する」ことを述べているが、これは、場合によっては1つだけの観測面での狭い視角が望ましいことがあり、また直交平面においてより広い視角が望ましいことがあるからである。一例として、いくつかの液晶テレビアプリケーションでは、水平面では観測のために広い視角が望ましいが、垂直面ではより狭い視角が指定される。他の場合では、法線方向の輝度を最大化するため、直交する平面の両方において狭い視角が望ましいことがある。
【0040】
斜角反射率について論じるときには、図1aの幾何学的考察を踏まえることが役に立つ。ここでは、x−y平面に位置する表面50が見て取れ、z軸は垂直方向である。表面が偏光フィルム又は部分偏光フィルム、例えば、PCT特許出願番号第US2008/064133号(代理人整理番号第63274WO004号)に記載されるARFである場合、この用途の目的のために、y軸を「通過軸」、x軸を「遮断軸」として指定する。換言すれば、フィルムが偏光フィルムであると、偏光軸がy軸と平行である法線入射光線は、偏光軸がx軸と平行である法線入射光線と比較して優先的に透過される。当然、一般的に表面50は偏光フィルムである必要はない。
【0041】
光は任意の方向から表面50に入射することができるが、x−z平面に平行な入射第1面52、及びy−z平面に平行な入射第2面54について集中的に検討する。「入射面」は当然、垂直面と光伝搬の特定方向とを含む面を示す。図において、平面52に入射する1つの斜光線53、及び平面54に入射する別の斜光線55を示す。光線が非偏光であると仮定すると、各光線は、それぞれの入射面に存在する偏光構成要素(「p偏光」光と呼ばれ、図中では「p」で表示されている)、及びそれぞれの入射面に垂直に向けられた直交する偏光構成要素(「s偏光」光と呼ばれ、図中では「s」で表示されている)を有する。偏光面について、「s」及び「p」は、光線の方向に応じて、通過軸又は遮断軸のいずれかと整列できることに注意することが重要である。この図において、光線53のs偏光要素と、光線55のp偏光要素は、通過軸(y軸)と整列しており、よって優先的に透過される。また一方で反対の偏光要素(光線53のp偏光要素と、光線55のs偏光要素)は遮断軸と整列している。
【0042】
これを踏まえて、前方反射体が別に言及されたPCT特許出願番号第US2008/064133号に記載されているようなARFである場合に、前方反射体が「一般に入射角に伴って増加する反射率を呈する」ことを(所望の場合に)特定することの意味を考えてみる。ARFは、遮断偏光状態の法線入射光線に対して非常に高い反射率を有し、通過偏光状態の法線入射光線に対して低いがなお十分な反射率(例えば、25〜90%)を有する多層構造(例えば、所望の屈折率関係及び所望の反射率特性を生成するように、適切な条件下で配向された共押出ポリマーミクロ層)を含む。この遮断状態の光(光線53のp偏光要素及び光線55のs偏光要素)に対する非常に高い反射率は通常、全ての入射角に対して非常に高いままである。より興味深い現象は、通過状態の光(光線53のs偏光要素及び光線55のp偏光要素)に関してであるが、それは垂直入射角で中間的な反射率を示すからである。入射52の平面の斜め通過状態の光は、s偏光反射率の特性により、入射角の増加に伴って増加する反射率を示す(しかしながら、増加の相対量は、垂直入射の通過状態の反射率の初期値に依存する)。よって、面52に平行な観測面におけるARFフィルムから放射された光は、角度によって部分的にコリメート又は制限される。しかしながら、PCT特許出願番号第US2008/064133号で論じられているように、他の入射平面54の斜め通過状態の光(すなわち、光線55のp偏光構成要素)は、面内屈折率差に対するミクロ層間のz軸屈折率差の規模及び偏光によって、3つの挙動のいずれかを呈することができる。
【0043】
第1の場合は、ブリュースター角が存在する場合、この光の反射率は入射角の増大とともに減少する。これは、平面54に平行な画面内に明るい軸外のローブを生成し、これは通常、LCD表示用途において好ましくない(とはいえ、他の用途では、この挙動は許容可能であり得、LCD表示用途の場合でさえも、このローブ出力は、プリズム旋光フィルムを使用して再度視軸に向け直すことができる)。
【0044】
別の場合は、ブリュースター角は、存在しないか非常に大きく、入射角が増大してもp偏光の反射率が比較的一定である。これは参照される観測面において比較的幅広い視角を生じさせる。
【0045】
第3の場合は、ブリュースター角が存在せず、p偏光の屈折率が入射角とともに著しく増加する。これは、参照される観測面において比較的狭い視角を生じさせることができる。このときコリメートの度合は、ARFのミクロ層間のz軸屈折率の差の度合を制御することによって少なくとも部分的に調整される。
【0046】
当然、反射面50は、ARFについてのように非対称の軸上偏光特性を有している必要はない。例えば、対称性多層反射体は、ミクロ層の数、層の厚さ特性、屈折率等を適切に選択することによって高反射率を有し、しかし同時に著しい透過率を有するよう設計することができる。このような場合、光線53及び55の両方のs偏光要素は、互いに同じような方法で入射角とともに増加する。これも、s偏光反射率の性質によるものであるが、相対的な増加量は垂直入射角反射率の初期値に依存する。光線53及び55の両方のp偏光構成要素は互いに同じ角度挙動を有するが、この挙動は、PCT特許出願番号第US2008/064133号で論じられているように、面内屈折率差に対するミクロ層間のz軸屈折率差の規模及び偏光を制御することで、上述した3つの場合のいずれかになるように制御することができる。
【0047】
よって、前方反射体における入射角(あれば)に伴う反射率の増加は、使用可能な偏光状態の斜めの光がp偏光であるような平面内で、使用可能な偏光状態の入射光で表わすことができる。あるいは、このような反射率の増加は、任意の入射面における、非偏光の平均反射率ということができる。
【0048】
好ましい後方反射体もまた、可視光に対する高い半球反射率を有し、これは通常、前方反射体よりもはるかに高いが、これは、必要とされるバックライトの光出力を供給するために、前方反射体が部分透過性となるよう意図的に設計されていることによる。この後方反射体の半球反射率はRbhemiであり、Rfhemiで表わされる。好ましくは、積Rfhemi*Rbhemiは、少なくとも55%(0.55)、65%又は80%である。
【0049】
中空空洞の設計には、小面積光源から出力区域の全面積へと効率的かつ均一に光を拡散させることに関連する、いくつかの態様が存在する。これらは次の通りである:1)光源から正しい方向で空洞の中に光を注入する、2)空洞内で、前方散乱拡散器又は半鏡面反射面若しくは構成要素を使用する、3)最終的に空洞内の光線の方向をランダム化するためにほとんどの光線が前方反射体と後方反射体との間で何度もリサイクルされるような、光を透過するがまた実質的に反射性でもある前方反射体、及び4)最適な構成要素設計によって損失を最小にする。
【0050】
従来のバックライトは、バックライトの均一性を強化するためにこれら技術の1つ以上を用いているが、非常に小さな面積の光源を有する薄型中空バックライトの正しい構造において4つ全てが同時に用いられたことはない。空洞設計のこれらの態様は、以下でより詳細に検討される。
【0051】
より均一な中空バックライトは、光の横方向伝播を促進する高度な指向性光源を製造するために、部分的にコリメートされた光源、又はコリメート光学手段を有するランベルト光源を使用して作製することができる。縁部注入光のための好適な光注入器の例は、PCT特許出願番号第US2008/064125号(代理人整理番号第63034WO004号)、表題「Collimating Light Injectors for Edge−Lit Backlights」に記載される。光線は、好ましくは、主に水平方向で中空光導体に注入される(すなわち、バックライトの視軸に対する横断面に対して比較的小さな偏角を有する)。光線角度の若干の有限分布は回避することができず、この分布は、光源の放射パターンと共にコリメート光学素子の形状によって最適化され、空洞の出力エリアにわたって光の均一性を維持することができる。部分反射性前方反射体と半鏡面反射体の部分散乱とは、均一で薄くかつ効率的な中空光導体を生じるために注入光学素子と調和して機能する、光リサイクリング及びランダム化光空洞を作り出す。
【0052】
直接照明システムでは、所与の光源からの少量の光のみが、前方の反射体上の、その光源に正対する出力エリアの区域に直接入射するのが一般に好ましい。これを達成するための1つの手法は、空洞内に位置付けられ、主に横方向に光を放射するように設計された、パッケージ化LEDなどである。この機能は通常、LEDパッケージの光学設計、特に封止レンズによって達成される。別の手法は、バッフルをLEDの上側に設置して、前方反射体の見通し線を遮断することである。本明細書において記載されるように、光源(例えば、LED)、及び光源と前方反射体の見通し線を遮断するために使用されるバッフルの組み合わせは、総称的に「光注入器」と称される。バッフルは典型的には、前方反射体に向かう光を反射する、バッフルの一方又は両方の側面の高効率反射表面を含む。高効率反射表面は平面的であってもよく、又は反射光を光源から遠ざけるように拡散させ、これが再吸収されないように、凸形状に湾曲していてもよい。この構成はまた、光線方向ベクトルに実質的な左右方向成分をもたらす。更に別の手法は、前方反射体の偏光通過軸に対してずれている1つの反射偏光子を含むバッフルで光源を覆うことである。局所反射偏光子によって透過された光は前方の反射体に向かい、そこでほとんどが反射及びリサイクルされて、光の実質的な横方向の広がりを誘発する。これに関連して、米国特許出願公開番号第2006/0187650号(Epsteinら)、表題「Direct Lit Backlight with Light Recycling and Source Polarizers」を参照する。
【0053】
製造コスト又は効率の理由から、直接照明バックライトではランベルト発光LEDが好まれる場合がある。空洞内のリサイクリングの程度を大きくすることで、依然としてこのような空洞内の良好な均一性を達成することができる。これは、より高度に反射性である、例えば、約10%又は20%未満の全透過率を有する前方反射体を使用することで達成し得る。偏光バックライトでは、この構成は、およそ1%〜2%又はそれ以下である非常に低い透過率を有する前方反射体の遮断軸を更に必要とする。しかしながら、極端に多くのリサイクリングは、空洞内の許容しがたい損失につながる場合がある。
【0054】
中空空洞の利点及び設計課題のいくつかを概説したところで、次に半鏡面反射性及び透過性構成要素、並びにランベルト又は鏡面反射性構成要素だけでなくそれらを中空リサイクリング空洞バックライトにおいて使用することの利点の詳細な説明を行う。
【0055】
場合により鏡とも呼ばれる純粋鏡面反射体は、「入射角は反射角に等しい」という光学法則に従って機能する。一態様では、前方及び後方反射体は共に純粋に鏡面である。図のように、最初に発射した斜光線のごく一部は前方反射体を透過するが、残りは等角度で後方の反射体に向かって反射し、再度等角度で前方の反射体に向かって反射し、それを繰り返す。この構成は、リサイクルされる光線が空洞でのその横方向伝播を妨害されないため、空洞にわたる光の最大横方向伝播を提供する。しかしながら、所与の入射角での光伝播を、他の入射角に変換する機構が存在しないため、空洞内において角混合は生じない。
【0056】
一方で、純粋のランベルト面の反射体は、光線を全方向に等しく向け直す。同じ最初に発射された斜光線は前方反射体によって全ての方向で直ちに散乱され、散乱する光のほとんどは空洞内に反射して戻るが、いくらかは前方反射体を透過する。反射光のいくらかは「前方」(ほぼ発射方向)に移動するが、同等の量が「後方」に移動する。前方散乱とは、反射光の横方向又は面内(当該散乱表面に平行な平面)伝搬成分を意味する。このプロセスが繰り返されると、数回の反射の後、光線の前方に向けられた成分は大きく減少する。ビームは急速に分散し、最小水平伝播を引き起こす。
【0057】
半鏡面反射鏡は、鏡面反射特性と拡散特性のバランスを提供する。例えば、前方反射体が純粋な鏡面であるが、後方反射体が半鏡面である場合を考察する。同じ最初に発射した斜光線の反射された部分は後方反射体に当たり、調節された量で実質的に前方散乱する。次に、反射した光錐は部分的に透過されるが、ほとんどは後方に反射して(鏡面反射)反射体に戻り、一方でこれらは全て更にかなりの程度「前方」方向に伝搬する。
【0058】
このように、半鏡面反射鏡は、光線の方向及び偏光の適切な混合を更に提供しながら、リサイクリング空洞の全域に光が横方向に広がるのを促進することがわかる。部分拡散であるが、実質的に前方に向けられた成分を有する反射体は、より少ない光線の全反射で、より多くの光をかなりの距離にわたって伝播させる。定性的には、半鏡面反射鏡は、実質的に逆散乱よりも前方散乱をより多く提供する反射鏡であると説明することができる。半鏡面ディフューザーは、入射光の実質的大部分に関して光線方向の垂直成分を逆転させないものとして定義することができ、すなわち、光は実質的に前方方向に透過され、かつある程度直交する方向に散乱される。半鏡面のより定量的な記載は、PCT特許出願番号第US2008/064115号(代理人整理番号第63032WO003号)に提供される。
【0059】
半鏡面要素が、どちらか一方の反射体の一体部分であるか、どちらか一方の反射体に積層されるか、又は空洞中に別個の構成要素として設置されるかのいずれであるにせよ、所望の全体的光学性能は、後方の反射体から前方の反射体に行き再度戻る一往復光路を完了した光線に対する、ランベルト分布より実質的に狭い角度広がり関数を有するものである。好ましくは、空洞は半鏡面であり、したがって半鏡面構成要素は前方反射体と後方反射体との間の別個の要素であってよく、これは前方反射体若しくは後方反射体のいずれかに取り付けられてもよく、又はこれはこれらの位置の組み合わせで配置されてもよい。半鏡面反射鏡は、反射鏡及びランベルト反射体の両方の特性を有することができ、又は鏡面方向の周りの明確なガウスコーンであることができる。性能はどのように構成されるかに大きく依存する。ディフューザー構成要素はまた反射体と別個であり得ることを踏まえ、後方反射体、及びバッフル上の高効率反射表面などのためにいくつかの可能な構成が存在する。例えば、以下のものが挙げられる。
【0060】
1)部分透過鏡面反射体、加えて高反射率拡散反射体、
2)高反射率鏡面反射体を覆う部分ランベルトディフューザー、
3)前方散乱ディフューザー、加えて高反射率鏡面反射体、又は
4)波形化高反射率鏡面反射体。
【0061】
各番号の構造では、第1要素は空洞の中に配置される。構成1〜3の第1要素は、別に記載されるように、後方反射体及び光注入器バッフルのエリアにわたって連続的又は非連続的であり得る。更に、第1要素はディフューザー特性の勾配を有することができ、又はディフューザーの勾配がつけられている追加パターンを印刷又はコーティングすることも可能である。勾配がつけられているディフューザーは任意的であるが、様々なバックライトシステムの効率を最適化するために望ましい場合がある。用語「部分ランベルト」は、入射光線の一部のみを散乱する要素を意味するものと定義される。このような要素で散乱される光の一部はほぼ均一に全方向に向けられる。構造1)において、部分鏡面反射体は前方反射体で利用したものとは異なる構成要素である。この場合の部分反射体は、中程度の反射率の空間的に均一なフィルム、又は有孔の多層又は金属製反射体のような、空間的に均一な反射体であってもよい。鏡面性の程度は、孔の寸法及び数を変えることにより、若しくはフィルムの基本反射率を変えることにより、又はその両方により調整することができる。
【0062】
一態様において、図2は、照明装置100を図示し、これは出力表面115を有する部分透過前方反射体110、部分透過前方反射体110から離間した後方反射体120を含み、これらの間に中空の空洞130を形成する。反射性側部要素195は、照明装置100の縁部又は境界を画定するように、図示されるように空洞内に位置付けることができ、又は別に記載されるように照明装置100の異なる部分を分離するために使用することができる。半鏡面要素180は、中空の空洞130内に配置される。図2に図示されるように、半鏡面要素は部分透過性前方反射体110に隣接するように位置付けられるが、半鏡面要素は、中空の空洞130の内部の任意の位置に配置することができ、別に記載されるように、更に空洞内の他の反射性要素の一部であり得る。
【0063】
第1光注入器140及び第2光注入器150は、後方反射体120から中空の空洞130内に突出する。中空の空洞130内の第1光注入器140及び第2光注入器150の境界は、後方反射体120から突出するバッフル190、及び、バッフル縁部192と後方反射体120を接続する線である出口開口部142、152によって、それぞれ画定される。別に記載されるように、バッフル190は、シート又はフィルムなど、平面的であってよく、バッフル190は代わりに、放物線、放物面、楕円、楕円体、複合放物線、フードなど、1つ以上の方向に湾曲した形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、光注入器140、150は、同時継続代理人整理番号第64131US002号、表題「Collimating Light Engine」(同日付けで出願)に記載されるいずれかのコリメート光エンジンであり得る。出口開口部142、152は、部分透過性前方反射体110と垂直な方向に位置付けられる。
【0064】
伝播区域170は、第1光注入器140の出口開口部142と、第2光注入器150のバッフル190及び後方反射体120の接触点と、の間に画定される。別に記載されるように、伝播区域170は、中空の空洞130内の光の混合を更に提供するために使用される。いくつかの実施形態では、光拡散フィルム(不図示)は出口開口部142、152の近位に配置されて、注入器140、150からの光の横方向の拡散(すなわち、後方反射体120とほぼ平行な平面内の拡散)を制御することができる。
【0065】
各バッフル190のバッフル縁部192は、図2に図示されるように、部分透過性前方反射体110から離間していてもよく、又はこれは部分透過性前方反射体110に接するまで延びてもよい(不図示)。バッフル縁部192の、部分透過性前方反射体からの分離は、第1光注入器140からの光と第2光注入器150からの光との更なる混合を提供するために、所望により調節され得る。いくつかの場合においては、第1光注入器140からの光を、第2光注入器150からの光から分離させることが望ましい場合があり、各バッフル190は透過性前方反射体と接触するバッフル縁部192を有する。いくつかの場合においては、一定程度の混合を提供することが望ましい場合があり、バッフル縁部192は部分透過性前方反射体110から分離させることができ、それによって一方の注入器からの光がこの分離部を通過して別の注入器からの光と混合し得る。この分離は開放空間であるか、又は部分透過性フィルム部分であり得る。部分透過性フィルム部分は、例えば、穿孔フィルム、スリットフィルム、部分反射体、反射性偏光器、異なる区域にわたって様々な反射率及び透過率を有するフィルムなどであり得るが、一般的にこれは異なる透過率の区域を呈する。
【0066】
中空の空洞130内の1つ以上の位置において、光の強度を監視するために光センサー185を配置することができ、光源のいずれか1つ又はいくつかを、例えば、帰還回路によって調節することができる。光の強度の制御は手動又は自動のいずれかであり得、照明装置の様々な区域の光出力を別々に制御するために使用され得る。
【0067】
第1光注入器140及び第2光注入器150は、バッフル190上に配置され、かつ部分透過性前方反射体110に面する第1反射面144、154、バッフル190上に配置され、かつ後方反射体120に面する第2反射面146、156、及び中空の空洞130に光を注入するように動作可能な光源148、158を含む。第1及び第2の反射面は、金属鏡などの表面反射体であり得、及びまた多層干渉反射体などの容積反射体であり得る。第1及び第2反射面は、2つの反対の表面を有するフィルム、第1表面が折り畳み線の後で第2表面になるように形成された若しくは折り畳まれたフィルム、又は少なくとも1つの共通の縁部に沿って接合された2つの別個のフィルムを含み、隣接していてもよい。一実施形態では、第1及び第2反射面は、バッフルに対する機械的支持を提供する基材上に取り付けることができる。第2反射面146、156は、光源148、158が光線をこの表面に向けた際に、高度に反射性の表面であり得る。いくつかの場合においては、別に記載されるように、光源148、158は、光が一般的に第2反射面146、156から反射することを必要としないように構成され、したがって表面は高度に反射性である必要がない。
【0068】
光源148及び158は光注入器140及び150の内部に位置付けられ、それによって部分的にコリメートされた光が中空の空洞130内に注入され得る。本明細書で使用するとき「部分的にコリメートされた」とは、光が部分透過性前方反射体110とほぼ平行な、横断面160に近い伝播方向の範囲内で中空の空洞130の内部を移動することを示す。別に記載されるように、中空の空洞130内を移動する光は、光がすれすれの入射角から0〜40°、0〜30°、又は0〜15°の角度θで部分透過性前方反射体110に接する場合、比較的長い距離にわたって伝播し得る。
【0069】
照明装置は、例えばARFを含む任意の好適な前方反射体、穿孔を有する強化鏡面反射(ESR、3M Companyから入手可能)フィルムなどの穿孔を有する鏡、例えば、薄膜強化金属フィルムを含む金属反射体、例えば、非対称DRPF(3M Companyから入手可能な拡散反射性偏光フィルム)を含む拡散反射体、及びPCT特許出願第US2008/064096号(代理人整理番号第63031WO003号)に記載されるものを含むフィルムの組み合わせを含み得る。
【0070】
照明装置は、任意の好適な後方反射体及びバッフルを含み得る。いくつかの場合においては、後方反射体及びバッフル(第1反射面及び第2反射面を含む)は、高反射性コーティングを有する硬質金属基材から、又は、支持基材に積層され得る高反射率フィルムから、作製することができる。好適な高反射率材料としては、3M Companyから入手可能なVikuiti(商標)強化鏡面反射体(ESR)多層高分子フィルム、厚さ10.2マイクロメートル(0.4ミル)のイソオクチルアクリレートアクリル酸感圧接着剤を使用して硫酸バリウム混合ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50.8マイクロメートル(2ミル))をVikuiti(商標)ESRフィルムに積層することによって作製されるフィルム(生じる積層体フィルムは本明細書で「EDR II」フィルムと称される)、Toray Industries,Inc.から入手可能なE−60シリーズLumirror(商標)ポリエステル・フィルム、W.L.Gore & Associates,Incから入手可能なものなどの多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム、Labsphere,Incから入手可能なSpectralon(商標)反射率材料、Alanod Aluminum−Veredlung GmbH & Co.から入手可能なMiro(商標)陽極酸化アルミニウムフィルム(Miro(商標)2フィルムを含む)、Furukawa Electric Co.,Ltd.から入手可能なMCPET高反射発泡シート材、Mitsui Chemicals,Inc.から入手可能なWhite Refstar(商標)フィルム、及びMTフィルム、並びにPCT特許出願US2008/064096に記載のものを含む他のものが挙げられる。
【0071】
発光装置は、例えば、表面から半球状に白色光を放射する下方変換蛍光体を有する、青色又は紫外発光LEDなどの面発光LED、赤色/緑色/青色(RGB)LEDの配列などの、個別の色のLED、及び例えば、PCT特許出願第US2008/064133号、表題「Backlight and Display System Using Same」に記載される他のものなどを含む、任意の好適な光源を含み得る。開示される照明装置の光源として、別個のLED光源の代わりに、又はこれに加えて、線形の冷陰極蛍光ランプ(CCFL)又は熱陰極蛍光ランプ(HCFL)などの他の可視光線発光体を使用してもよい。更に、例えば冷白色と温白色を含み(CCFL/LED)、異なるスペクトルを放射するCCFL/HCFLなどの複合システムを使用することができる。発光体の組み合わせは、幅広く異なってもよく、LEDとCCFL、及び例えば複数のCCFL、異なる色の複数のCCFL、及びLEDとCCFLなどの多数を含むことが可能である。
【0072】
図3は、照明装置100の内部のいくつかの典型的な光線の経路を図示する。光線AB、AC、AD、AE及びAFは、第1光注入器140内に配置される光源148によって、中空の空洞130内に注入される。図3では、光源148がバッフル190と後方反射体120との間に位置付けられるものとして図示され、中空の空洞の長さにほぼ沿った方向に光を注入する。一実施形態では、光源148は、後方反射体120によって画定される平面の下に位置し、中空の空洞の長さとほぼ垂直に光を注入し、これがバッフル190から反射して中空の空洞の長さに沿って向け直されるように位置付けられる場合がある(不図示)。
【0073】
光源148は、面発光LED、例えば、表面から半球状に白色光を放射する下方変換蛍光体を有する、青色、又は紫外発光LEDであり得る。このような面発光LEDの場合、第1光線ABがバッフル190の第2反射面146から反射し、部分透過性前方反射体110の方に向けられる。第2光線ACは、反射せずに部分透過性前方反射体110の方に向けられる。第3光線ADは、(第2光注入器150の)バッフル190の第1反射面154から反射し、部分透過性前方反射体110の方に向けられる。第4光線AEは、第1光注入器140内の後方反射体120から反射し、部分透過性前方反射体110の方に向けられる。第5光線AFは、伝播区域170内で後方反射体から反射し、(第2光注入器150の)バッフル190の第1反射面154から反射し、部分透過性前方反射体110の方に向けられる。バッフル190は、別に記載されるように、第1光源148からの光線が一般的に横断面160に近い角度θの範囲内で中空の空洞130を通じて移動するよう制限されるように、位置付けられる。
【0074】
図3は、光注入器から注入される光が、部分透過性前方反射体に向けられる(別に記載されるように光は更なる反射、及び透過を経る)前に、様々な反射を経る場合があることを図示している。異なる表面とのこれらの相互作用の組み合わせは、光の均質化を提供し、それによって不均一性が最小化される。更に、伝播区域170は追加的な混合を提供し、加えて光源の間の物理的な分離を提供することができる。中空の空洞内に配置されるバッフルは、LED光源を出力表面115から「隠す」ように機能し、光源からの直接的な見通し線を遮断する。
【0075】
別に記載されるように、部分透過性前方反射体の材料特性は、放射光の均一性を改善するが、伝播区域の長さが増加すると、中空の空洞を通じた放射束が減少し、照明装置の輝度の減少を生じる。少なくともこの理由により、追加的な注入ポートを通じて、漸進的により多くの光が注入されて、放射束を増加させ、バックライトの使用可能な長さを延ばす。
【0076】
中空の空洞内の1つ以上の位置において、光の強度又は色を監視するために光センサー185を配置することができ、光源のいずれか1つ又はいくつかを、例えば、帰還回路によって調節することができる。光の強度又は色の制御は、手動又は自動のいずれかであり得、照明装置の様々な区域の光出力を別々に制御するために使用され得る。
【0077】
ここで図4を参照すると、一態様による照明装置200が記載される。この実施形態では、光源148及び158は、関連するコリメート光学素子149、159を有するLED装置である。コリメート光学素子149、159は、例えば、LED出力を覆うようにレンズを形成する樹脂系カプセル材料であり得る。コリメート光学素子を出る光線は、横断面160に対する狭い角度広がりの範囲内に留まり、バッフル190の第2反射面146、156からの、又は光注入器内の後方反射体120の部分からのいずれの反射も必要としない。注入された光線は、出力表面115を出る前にいくつかの異なる経路を通ることができる。例えば、光は、伝播区域170、バッフル190の第1反射面154、及び部分透過性前方反射体110への入射光であり得る。
【0078】
図5は、エッジライト式光源501及び光注入器140、150の組み合わせを含む、照明装置300を図示する。図5は、光の漸進的注入による、照明装置のエリアの大きさの増加を図示する。エッジライト式光源501は、例えば、PCT特許出願番号第2008/064125号(代理人整理番号第63034WO004号)、表題「Collimating Light Injectors for Edge−Lit Backlights」に記載される中空の空洞に連結される従来的なエッジライトであり得る。図5では、追加の光注入器140及び150が追加的な光を注入し、またディスプレイの別の部分から注入された光を向け直すような位置に配置される。照明装置内に配置された1つ以上の光センサー185は、中空の空洞内の光の強度を監視することができ、望ましい強度、及び均一性を提供するように光源を調節するために使用することができる。
【0079】
本明細書において記載される照明装置は、例えばディスプレイ又は照明用途に使用するために好適であり得る、背面板の上に配置される装置の大きな配列へと組み立てることができる。一態様において、図6は部分透過性前方反射体(不図示)と共に使用される後方反射体620を有する照明装置背面板600の斜視図である。この態様により、複数の第1光源648a〜648dは、装置背面板600にわたって長手方向に延びる第1光注入器バッフル690の下で、装置背面板の縁部と本質的に平行な方向で配置される。複数の第2光源658a〜658dは、第2光注入器バッフル690’の下で、第1光注入器と本質的に平行な方向に配置される。第2光注入器は、伝播区域670によって第1光注入器からずれている。1つ以上の光センサー685が、装置背面板によって生成される光を監視するために、背面板の近位に配置され得る。バッフル縁部692、692’は所望により、部分透過性前方反射体を機械的に支持するために使用され得る。明確にするため、図6は、バッフル縁部付近に配置される光源を図示しているが、別に記載されるように、光源はバッフルの更に下に配置されることが理解されるべきである。照明装置背面板600は、例えば、図2に図示される照明装置200など、本明細書において記載されるいずれかの照明装置と共に使用され得る。
【0080】
別の態様において、図7は部分透過性前方反射体(不図示)と共に使用される後方反射体720を有する照明装置背面板700の斜視図である。この態様によれば、複数の第1光源748a〜cは第1光源740内に配置され、複数の第2光源758b〜cは第2光注入器750内に配置され、複数の第3光源768a〜cは第3光注入器760内に配置される。図7に図示される光注入器の配列は、照明装置背面板700のいずれかの所望の部分を覆うように延び得る。各光注入器740、750及び760は、例えば、後方反射体720を穿孔し、変形させることによって形成され得るフードの形状のバッフルを含む。各光注入器は、伝播区域770によって光注入器の近位からずれている。1つ以上の光センサー785が、装置背面板によって生成される光を監視するために配置され得る。バッフル縁部792は所望により、部分透過性前方反射体を機械的に支持するために使用され得る。明確にするため、図7は、バッフル縁部付近に配置される光源を図示しているが、別に記載されるように、光源はバッフルの更に下に配置されることが理解されるべきである。照明装置背面板700は、例えば、図2に図示される照明装置200など、本明細書に記載されるいずれかの照明装置と共に使用され得る。
【0081】
別の態様において、図8は部分透過性前方反射体(不図示)と共に使用されるゾーン分割された照明装置背面板800の斜視図である。この態様により、複数の光注入器840が後方反射体820にわたる配列として配置され、後方反射体820は2つのゾーンを分離する隆起部825によって第1ゾーンI及び第2ゾーンIIに分割される。ゾーン分割された照明装置は、光注入器配列の異なる部分を分離する多数の隆起部を配置することによって、所望により多数のゾーンに分割され得る。1つ以上の光センサー885及び885’は各ゾーン内に配置され、各ゾーン内における光強度の別個の監視を可能にする。
【0082】
前方反射体の半球反射率Rfhemiは、光源から放射される光の拡散に顕著な影響を及ぼし得る。Rfhemiが増加すると、各反射と共に前方反射体を通じて伝播する光は減少し、したがって多数の反射のために、中空の空洞体内の大きな面積にわたって光が拡散する。図9は、光注入器の出口開口部からの中心線距離の関数としての、異なるRfhemi値を有する3つの前方反射体フィルムに関する、前方反射体と垂直に測定した輝度のプロットである。Rfhemiが増加すると、出口開口部から輝度の変動は減少し、中心線からの光の横方向の拡散が追随的に増加する。
【実施例】
【0083】
フィルム系光注入器は、代理人整理番号第64131US002号と対応する同時継続米国特許出願、表題「Collimating Light Engine」(同日付けで出願)に記載される手順に従って構成された。これらの光注入器は、以下に記載されるように、様々な構成で背面板上に配置された。使用された背面板は、0.16mm(0.004”)厚さのステンレス鋼シム材料に事前に積層されたESRフィルム背面板であった。
【0084】
実施例1:フィルム系注入器の全光束
フィルム系光注入器の全光束(TLF)は、Optronic積分球内において、楔を形成する上方ESRフィルムを剥がして折り返され、LEDを、これらが障害なく半球内に放射できるように完全に暴露することによって測定された。TLFは、19.8V及び30mAで電力供給された際に49.94ルーメンであり、このTLF値は光エンジンからの100%の理想的な光放射を表わすものとされた。上方ESRフィルムは次に元の位置に戻され、その結果、背面板の上のESRの最大高さは、約2.2mmであり、LED位置から2:1で広がる楔形を形成した。この構成で測定されたTLFは、47.95ルーメンであり、エンジンが96%の効率であることを示した。
【0085】
実施例2:バックライトシステムの偏光半球効率
バックライトシステムは2.5mm高さ、100mm幅、200mm長さであるように作製され、8mmの壁厚さを有するバックライトフレームを使用して構成された。フレームの内側周囲表面は、ESRで覆われた。フレームは、以下で記載される様々な構成において、背面板上に配置されるフィルム系光注入器上に配置された。各フィルム系光注入器は長さが29mmであり、30mA及び19.7Vで電力供給された。前方反射体は、0.2mm(0.005”)厚さのポリカーボネートシートに接着された非対称の反射フィルム(ARF)(3M Companyから入手可能であり、偏光と位置合わせされた機械方向の透過率(TMD)32%)に接着されたビーズディフューザー(Keiwa Inc.,Osaka,Japanから入手可能なKeiwa Opalus 702)を含む積層体からなる。積層体における各層は、OPT−1接着剤(3M社から入手可能)を使用して接着された。吸収性偏光器が、LCD内で使用する偏光の測定のために、プレートを覆うように配置された。各構成のTLFが、Optronic積分球内で再び測定された。
【0086】
第1構成:単一の光注入器が、100mmの側壁から4mmの場所で、出口開口部がバックライトの長さの方に面するように配置された。TLF測定値は27.23ルーメンであり、これはLEDからの全光出力に対して54.5%の全偏光半球システム効率に相当する。楔形のLEDのTLFと比較して、空洞効率は56.8%であった。
【0087】
第2構成:2つの光注入器が空洞内に配置された。第1の光注入器がまた、100mmの側壁から4mmの場所で、出口開口部がバックライトの長さの方に面するように配置された。第2光注入器が1mmの伝播ゾーンで分離されて、第1光注入器と平行に、出口開口部がバックライトの長さの方に面するように配置された。第1光注入器のみが電力供給された。システムのTLF測定値は24.17ルーメンであり、これはLEDからの全光出力に対して48.4%の全偏光半球システム効率に相当する。楔形のLEDのTLFと比較して、空洞効率は50.4%であった。
【0088】
第3構成:2つの光注入器が空洞内に配置された。第1の光注入器がまた、100mmの側壁から4mmの場所で、出口開口部がバックライトの長さの方に面するように配置された。第2光注入器が30mmの伝播ゾーンで分離されて、第1光注入器と平行に、出口開口部が第1光注入器の方に面するように配置された。第1光注入器のみが電力供給された。システムのTLF測定値は22.48ルーメンであり、これはLEDからの全光出力に対して45.0%の全偏光半球システム効率に相当する。楔形を有するLEDのTLFと比較して、空洞効率は46.9%であった。
【0089】
実施例3:4光注入器バックライトシステム輝度特性
4光注入器バックライトシステムは、4つの光注入器と共に、実施例2のバックライトシステムを使用して構成され、いくつかの構成におけるバックライトの輝度特性を測定した。特に指定されない限り、各光注入器はLEDの3つのサブユニットを有し、各サブユニットは10mA、合計で30mAで、各光注入器が19.8Vで動作した。第1の光注入器が、100mmの側壁から4mmの場所で、出口開口部がバックライトの長さの方に面するように配置された。第2光注入器が1mmの伝播ゾーンで分離されて、第1光注入器と平行に、出口開口部がバックライトの長さの方に面するように配置された。第3光注入器が1mmの伝播ゾーンで分離されて、第2光注入器と平行に、出口開口部がバックライトの長さの方に面するように配置された。第4光注入器は第1光注入器と平行に、反対側の100mmの側壁(すなわち、空洞の反対側の端部)から4mmの場所に、出口開口部が第1、第2及び第3の光注入器の方を向くように配置された。4光注入器バックライトアセンブリの中心線輝度特性(すなわち、100mm幅の中央における、200mm長さに沿って測定される輝度)が、前方反射器と垂直に、以下の条件に関して測定された。
【0090】
実施例4:前方反射器を有さないディフューザーシートを使用した4光注入器バックライトシステムの対照輝度特性
4光注入器バックライトシステムの前方反射器ARF積層体がバックライトフレームから取り除かれ、Sony 23”(58.4cm)モニターから取り除かれたバルクディフューザープレートと置換された。4つの光注入器を全て起動し、中心線輝度特性が測定された。4つの注入器は全て、出口開口部付近での測定において、その間の平坦な区域の輝度(例えば、2322nits)と比較して、およそ2倍の輝度(例えば、4941nits)の上昇を呈した。注入器と側壁との間の区域の平均輝度(第1光注入器と側壁との間、及び第4光注入器と反対側の側壁との間)はおよそ100nitsであった。
【0091】
実施例5:4光注入器バックライトシステムの輝度特性−全ての光を点灯
ARF積層体前方反射体を有する4光注入器バックライトシステムの4つの光注入器がそれぞれ点灯され、中心線輝度が測定された。第1〜4光注入器はそれぞれ、25mA、26mA、23mA及び31mAで電力供給された。中心線輝度は、実施例4における対照よりも、はるかに小さい変動を呈するピーク、及び谷部を示した。最大輝度は3745nitsであり、「明るいゾーン」(第1〜3光注入器の付近)における平均輝度は3254nitsであった。第3光注入器と第4光注入器と(互いに向かい合う)の間に顕著なトラフが観察され、注入器と側壁との間の区域の平均輝度はおよそ400nitsである。
【0092】
実施例6:4光注入器バックライトシステムの輝度特性−ゾーンの対照
バクライトのゾーンの対照が実施例5と同じ条件を使用して示されたが、ただし第2光注入器は消灯された。中心線最大輝度は3530nitsであり、「明るいゾーン」の平均輝度は2362nitsであった。注入器と側壁との間の区域の平均輝度はおよそ400nitsであった。
【0093】
実施例7:4光注入器バックライトシステムの輝度特性−高い輝度
実施例4と同じ条件が使用されたが、ただし第1〜4光注入器それぞれへの電力は60mAに増加された。中心線輝度は、実施例4における対照よりも、はるかに小さい変動を呈するピーク及び谷部を示した。最大輝度は10225nitsであり、「明るいゾーン」の平均輝度は7512nitsであった。第3光注入器と第4光注入器との間(これらは互いに向かい合う)に、実施例6より小さいトラフが観察された。注入器と側壁との間の区域の平均輝度はおよそ1200nitsであった。
【0094】
実施例8:4光注入器バックライトシステムの輝度特性−均一な向上
実施例5と同じ条件が使用されたが、ただし第1及び第2光注入器のみが点灯された。中心線輝度は、第1〜第3光注入器の付近で測定され、この区域において実施例4の対照よりもはるかに小さい変動を呈するピーク及び谷部を示した。最大輝度は3748nitsであり、「明るいゾーン」の平均輝度は3405nitsであった。注入器と側壁との間の区域の平均輝度はおよそ400nitsであった。
【0095】
その後、ARFの通過軸と位置合わせされたポリカーボネート輝度向上フィルム(3M Companyから入手可能なPCBEF)のシートを配置することによって均一性が改善された。中心線輝度は、PCBEFがない場合よりも小さなピーク及び谷部を示した。最大輝度は4173nitsであり、「明るいゾーン」における平均輝度は3818nitsであり、輝度におけるおよそ12%のゲインを示した。注入器と側壁との間の区域の平均輝度はおよそ400nitsであった。
【0096】
PCBEFフィルムは次に取り除かれ、ARFの通過軸の横方向に位置合わせされた。最大輝度は4870nitsであり、「明るいゾーン」における平均輝度は4451nitsであり、輝度におけるおよそ31%のゲインを示した。注入器と側壁との間の区域の平均輝度はおよそ400nitsであった。
【0097】
実施例9:4光注入器バックライトシステムの輝度特性−ベゼルなし
実施例5と同じ条件が使用され、ただし第1〜第3光注入器のみが点灯され、追加的な反射性側壁が第3光注入器と第4光注入器との間に、第3光注入器からおよそ1つの光注入器の幅の間隔で配置された。この方法において、第3光注入器の出口開口部は、追加的な反射性側壁に面した。中心線輝度は、第1〜第3光注入器の付近で測定され、この区域において実施例4の対照よりもはるかに小さい変動を呈するピーク及び谷部を示した。最大輝度は3720nitsであり、「明るいゾーン」の平均輝度は3260nitsであった。第1注入器と側壁との間の区域の平均輝度は、およそ400nitsであった。追加的な側壁の最も近くで測定された輝度は1800nitsであり、バックライトは外部注入器又はベゼルを必要とせずに動作し得ることを示した。
【0098】
実施例10:4光注入器バックライトシステムの輝度特性−光抽出率の制御によるゾーン分割(Rfhemiの影響)
光抽出率は、異なる透過率パーセントの前方反射体フィルムを使用することによって制御された。実施例5と同じ条件が使用されたが、ただし第4注入器のみが点灯され、前方反射体積層体のARF部分が変更された。図9は、第4の光注入器付近の中心線輝度を、3つの異なるフィルム、11% TMD(小さなRfhemi)のARF、32% TMD(中間的なRfhemi)のARF、及び98%のTMD(高いRfhemi)を有するAdvanced Polarizer Film(3M Companyから入手可能なAPF)に関して示す。第4光注入器の出口開口部は、図9の50mmの位置に位置付けられた。Rfhemiが増加すると、出口開口部から輝度の変動は減少し、中心線からの光の横方向の拡散が追随的に増加する。
【0099】
実施例11:内部注入器バックライトのモデル化シミュレーション
101.6cm(40インチ)対角線、16:9縦横比、内部注入器バックライトは、図10aに示される設計を使用してモデル化された。モデルにおいて使用された寸法(mm)は、a=38.1、b=112.1、c=74.0、d=38.1、e=95.8、f=178.1、g=3.8、h=12.9、i=3.8、j=9.1、k=2.6、l=3.8mmであった。12.9mm深さのフレームは、フレームの上でビーズディフューザー(Keiwa Inc.,Osaka,Japanから入手可能なKeiwa Opalus 702など)に接着されたARF(機械方向での透過率(TMD)32%、例えば3M Companyから入手可能)からなる前方反射体と、空隙と、前方反射体の上の、溝が垂直なBEFプリズムフィルムと、を有する。空洞の残りの内側表面は、鏡面的に反射する高効率ミラーフィルム(3M Companyから入手可能な、99.5%の反射率のESRなど)で覆われた。
【0100】
外部の対称的な、3.5:1の、38.1mm楔形が空洞の縁部(「B」)を占め、LED1(Philips Lumileds,San Jose,CAから入手可能な39 LumiLeds Luxeon Rebel LEDsなど)によって、遠位(浅い)端部付近で楔形の裏側表面上を照明された。LEDは、均一な23mmピッチのWWWBGRGRGBWWWの装置の3つの群からなる。内部の非対称な3.5:1、38.1mmバッフル(「C」〜「E」)が空洞深さの実質的な部分を占め、LED2(LED1と同一)によって遠位端部付近で裏側表面上を照射された。内部の楔形の近位開口部は9.1mm高さであり、図10aに図示されるバックライトの中間点付近の位置(「E」)に位置する。傾斜を有する端部の反射体(「F」〜「G」)は、バックライトの前側表面のARFに向かってLED2から放射される光を反射するように位置付けられた。
【0101】
図10aに図示されるように、残りの内側表面は、その遠位端部付近のLEDの直近を除いてESRで裏打ちされ、LED直近ではこれらは、LEDの正確な位置合わせへの光学性能の感受性を低減させるため、高効率拡散反射体(3M Companyから入手可能な、98.5%反射率のMCPETなど)で裏打ちされた。2つのLED配列、LED1及びLED2は、同一の光束を放射するものと想定された。
【0102】
図10bは、前方反射体の中央から183cm(72インチ)の位置から観察した際の予測される輝度のプロットを、バックライトの照射された縁部と平行な、水平位置にわたって平均化した、前方反射体の垂直中心線からの位置(インチ)の関数として図示する。図示される輝度値は、ルーメン/インチ2/ステラジアンの単位で示され、1ルーメンの全放射光源光束と対応する。位置「C」、「E」及び「F」は、図10aに図示される位置と対応する 不均一性の水準は、多くのエッジライト式バックライトにとって一般的に許容可能である。
【0103】
5000nits(吸収性偏光器によって測定、すなわち、LCD使用可能な放射)に相当する平均的な垂直視輝度(normal-viewbrightness)を達成するために望ましい全光源光束は、6850ルーメンである。望ましい6850ルーメンは、装置当たり2.5ワットをやや上回る電力消費に対応する動作電流において、78個のLED(LED1及びLED2)を使用して達成された。対応する熱負荷は、2つの光源配列のそれぞれに沿っておよそ1.2W/cmであった(予測される受動冷却の上限付近)。合計電力消費は、208Wであった。
【0104】
上記の実施形態は、テレビ、ノートブック型コンピュータ、及びモニターなどのディスプレイを含む、薄型の光透過性構造体が使用される任意の場所に適用でき、広告、情報表示又は照明に使用できる。本開示は、光学ディスプレイを組み込む、ラップトップ型コンピュータ、及び個人用携帯情報端末(PDA)、個人用ゲーム機器、携帯電話、個人用メディアプレーヤー、携帯用コンピュータなどの携帯端末を含む電子機器にも適用できる。本開示の照明装置は、他の多くの領域において用途を有する。例えば、ディスプレイ内容によってバックライトの異なる区域が異なる方法で制御されるゾーン分割されたバックライト式LCD、照明器具、作業照明、光源、標識、店頭表示を、本発明を使用して作製することができる。
【0105】
指示がない限り、本明細書及び請求項で使用される特性となる大きさ、量、及び物理特性を示す全ての数字は、「約」と言う用語によって修飾されることを理解されたい。それ故に、別の指示がない限りは、本明細書及び添付の請求項に説明される数字のパラメータは近似値であり、本明細書に開示された教示を使用して当業者が獲得しようとする所望の特性に応じて変化し得る。
【0106】
本願で引用した全ての参照文献及び刊行物は、本開示と完全には矛盾することのない程度まで、その全てが引用によって本開示に明白に組み込まれる。本明細書において特定の実施形態が例示及び説明されてきたが、多様な代替及び/又は同等の実施が、本開示の範囲から逸脱することなく、図示され説明された特定の実施形態と置き換えられ得ることは、当業者には理解されるであろう。本出願は、本明細書で説明された特定の実施形態のいかなる翻案又は変形をも包含すべく意図されている。したがって、本開示が特許請求の範囲及びその同等物によってのみ限定されることを、意図するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力エリアを有する部分透過性前方反射体と、
前記部分透過性前方反射体に面し、前記部分透過性前方反射体との間に中空の空洞を形成する後方反射体と、
前記中空の空洞内に配置される第1及び第2光注入器であって、各前記第1及び第2光注入器が、
前記後方反射体から突出し、前記部分透過性前方反射体に面する第1反射面と、
前記第1反射面に隣接し、前記後方反射体に面する第2反射面と、
前記第2反射面と前記後方反射体との間に光を注入し、それによって、注入された光が、前記部分透過性前方反射体と平行な横断面から30°の範囲内の第1方向に部分的にコリメートされるように動作可能な光源と、を含む、第1及び第2光注入器と、
前記第1光注入器と前記第2光注入器との間の伝播区域と、
前記中空の空洞内に配置される半鏡面要素と、を含む照明装置であって、
前記第1光注入器から注入された光の少なくとも一部が、前記第2光注入器の前記第1反射面から反射し、前記部分透過性前方反射体の方に向けられる、照明装置。
【請求項2】
出力エリアを有する部分透過性前方反射体と、
前記部分透過性前方反射体に面し、前記部分透過性前方反射体との間に中空の空洞を形成する後方反射体と、
前記中空の空洞内の配列として配置される複数の光注入器であって、前記複数の光注入器の各々が、
前記後方反射体から突出し、前記部分透過性前方反射体に面する第1反射面と、
前記第1反射面に隣接し、前記後方反射体に面する第2反射面と、
前記第2反射面と前記後方反射体との間に光を注入し、それによって、注入された光が、前記部分透過性前方反射体と平行な横断面から30°の範囲内の第1方向に部分的にコリメートされるように動作可能な光源と、を含む複数の光注入器と、
隣接する光注入器同士の間に配置される伝播区域と、
前記中空の空洞内に配置される半鏡面要素と、を含む照明装置であって、
第1光注入器から注入された光の少なくとも一部が、隣接する光注入器の前記第1反射面から反射し、前記部分透過性前方反射体の方に向けられる、照明装置。
【請求項3】
前記第1反射面及び前記後方反射体が連続面を形成する、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1反射面及び前記第2反射面が同一平面上にある、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項5】
前記半鏡面要素が、前記部分透過性前方反射体に隣接するように配置される、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項6】
前記部分透過性前方反射体が、垂直入射光よりも、斜角光をより多く反射する、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項7】
前記部分透過性前方反射体が、第1平面内で偏光された可視光に関して少なくとも90%の軸上平均反射率を有し、前記第1平面と垂直な第2平面内で偏光された可視光に関して少なくとも25%、かつ90%未満の軸上平均反射率を有する、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項8】
前記後方反射体が、任意の偏光の可視光に関して少なくとも95%の軸上平均反射率を有する、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項9】
前記第1反射面及び第2反射面の少なくとも一方が、任意の偏光の可視光に関して少なくとも95%の軸上平均反射率を有する、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項10】
少なくとも1つの光源がLEDを含む、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項11】
前記LEDが、前記部分透過性前方反射体と垂直な軸の周囲360°未満の角度広がりの範囲内で光を放射する、請求項10に記載の照明装置。
【請求項12】
少なくとも1つの光注入器が、前記後方反射体の周縁部と実質的に平行な軸に沿って細長い、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項13】
少なくとも1つの光注入器が、フードを有する光注入器である、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項14】
少なくとも1つの光源が、前記第2反射面と前記後方反射体との間に位置付けられる、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項15】
前記部分透過性前方反射体と前記後方反射体との間の前記中空の空洞の外辺部に沿って位置付けられる第3反射体を更に含む、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項16】
出力エリアを有する部分透過性前方反射体と、
前記部分透過性前方反射体に面し、前記部分透過性前方反射体との間に中空の空洞を形成する後方反射体と、
第1コリメート光線を前記中空の空洞内に注入するように動作可能な第1光源と、
前記後方反射体から前記中空の空洞に突出するバッフルによって形成される光注入器であって、前記バッフルが、前記第1コリメート光線の一部を前記部分透過性前方反射体に向けて反射するように位置付けられた第1反射面を含む、光注入器と、
前記光注入器内に配置されて、第2コリメート光線を前記中空の空洞内に注入するように動作可能な第2光源と、
前記第1光源と前記光注入器との間の伝播区域と、
前記中空の空洞内に配置された半鏡面要素と、を含む照明装置であって、
前記第1光源から注入された光の少なくとも一部が、前記バッフルの前記第1反射面から反射して前記部分透過性前方反射体に向けられる、照明装置。
【請求項17】
前記第1及び第2コリメート光線が、前記部分透過性前方反射体と平行な横断面から実質的に30°の範囲内の方向のコリメーションを含む、請求項16に記載の照明装置。
【請求項18】
前記第1反射面及び前記後方反射体が連続面を形成する、請求項16に記載の照明装置。
【請求項19】
前記バッフルが、前記第1反射面と反対側の第2反射面を更に含む、請求項16に記載の照明装置。
【請求項20】
前記第1反射面及び前記第2反射面が同一平面上にある、請求項19に記載の照明装置。
【請求項21】
前記半鏡面要素が、前記部分透過性前方反射体に隣接するように配置される、請求項16に記載の照明装置。
【請求項22】
前記部分透過性前方反射体が、垂直入射光よりも、斜角光をより多く反射する、請求項16に記載の照明装置。
【請求項23】
前記部分透過性前方反射体が、第1平面内で偏光された可視光に関して少なくとも90%の軸上平均反射率を有し、前記第1平面と垂直な第2平面内で偏光された可視光に関して少なくとも25%、かつ90%未満の軸上平均反射率を有する、請求項16に記載の照明装置。
【請求項24】
前記後方反射体が、任意の偏光の可視光に関して少なくとも95%の軸上平均反射率を有する、請求項16に記載の照明装置。
【請求項25】
前記第1反射面が、任意の偏光の可視光に関して少なくとも95%の軸上平均反射率を有する、請求項16に記載の照明装置。
【請求項26】
少なくとも1つの光源がLEDを含む、請求項16に記載の照明装置。
【請求項27】
前記LEDが、前記部分透過性前方反射体と垂直な軸の周囲360°未満の角度広がりの範囲内で光を放射する、請求項26に記載の照明装置。
【請求項28】
前記光注入器が、前記後方反射体の周縁部と実質的に平行な軸に沿って細長い、請求項16に記載の照明装置。
【請求項29】
前記光注入器が、フードを有する光注入器である、請求項16に記載の照明装置。
【請求項30】
前記部分透過性前方反射体と前記後方反射体との間の前記中空の空洞の外辺部に沿って位置付けられる第3反射体を更に含む、請求項16に記載の照明装置。
【請求項31】
少なくとも1つのLEDがコリメートレンズを含む、請求項19又は26に記載の照明装置。
【請求項32】
前記中空の空洞内に配置され、制御回路に入力を提供するように動作可能である、少なくとも1つの光センサーを更に含む、請求項1、2又は16のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項33】
前記中空の空洞の外部に配置され、制御回路に入力を提供するように動作可能である、少なくとも1つの光センサーを更に含む、請求項1、2又は16のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項34】
各光源が別々に制御可能である、請求項1、2又は16のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項35】
前記部分透過性前方反射体及び前記後方反射体が、平行ではなく、少なくとも1区域において同一平面上にある、請求項1、2又は16のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項36】
少なくとも1つのバッフルが、前記部分透過性前方反射体に対する機械的支持を提供する、請求項1、2又は16に記載の照明装置。
【請求項37】
請求項1〜36のいずれか一項の照明装置を含む、バックライト。
【請求項38】
前記液晶ディスプレイが前記出力エリアの近位に配置される、請求項37のバックライトを含む液晶ディスプレイ。
【請求項39】
グラフィックディスプレイが前記出力エリアの近位に配置される、請求項37のバックライトを含むグラフィックディスプレイ。
【請求項1】
出力エリアを有する部分透過性前方反射体と、
前記部分透過性前方反射体に面し、前記部分透過性前方反射体との間に中空の空洞を形成する後方反射体と、
前記中空の空洞内に配置される第1及び第2光注入器であって、各前記第1及び第2光注入器が、
前記後方反射体から突出し、前記部分透過性前方反射体に面する第1反射面と、
前記第1反射面に隣接し、前記後方反射体に面する第2反射面と、
前記第2反射面と前記後方反射体との間に光を注入し、それによって、注入された光が、前記部分透過性前方反射体と平行な横断面から30°の範囲内の第1方向に部分的にコリメートされるように動作可能な光源と、を含む、第1及び第2光注入器と、
前記第1光注入器と前記第2光注入器との間の伝播区域と、
前記中空の空洞内に配置される半鏡面要素と、を含む照明装置であって、
前記第1光注入器から注入された光の少なくとも一部が、前記第2光注入器の前記第1反射面から反射し、前記部分透過性前方反射体の方に向けられる、照明装置。
【請求項2】
出力エリアを有する部分透過性前方反射体と、
前記部分透過性前方反射体に面し、前記部分透過性前方反射体との間に中空の空洞を形成する後方反射体と、
前記中空の空洞内の配列として配置される複数の光注入器であって、前記複数の光注入器の各々が、
前記後方反射体から突出し、前記部分透過性前方反射体に面する第1反射面と、
前記第1反射面に隣接し、前記後方反射体に面する第2反射面と、
前記第2反射面と前記後方反射体との間に光を注入し、それによって、注入された光が、前記部分透過性前方反射体と平行な横断面から30°の範囲内の第1方向に部分的にコリメートされるように動作可能な光源と、を含む複数の光注入器と、
隣接する光注入器同士の間に配置される伝播区域と、
前記中空の空洞内に配置される半鏡面要素と、を含む照明装置であって、
第1光注入器から注入された光の少なくとも一部が、隣接する光注入器の前記第1反射面から反射し、前記部分透過性前方反射体の方に向けられる、照明装置。
【請求項3】
前記第1反射面及び前記後方反射体が連続面を形成する、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1反射面及び前記第2反射面が同一平面上にある、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項5】
前記半鏡面要素が、前記部分透過性前方反射体に隣接するように配置される、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項6】
前記部分透過性前方反射体が、垂直入射光よりも、斜角光をより多く反射する、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項7】
前記部分透過性前方反射体が、第1平面内で偏光された可視光に関して少なくとも90%の軸上平均反射率を有し、前記第1平面と垂直な第2平面内で偏光された可視光に関して少なくとも25%、かつ90%未満の軸上平均反射率を有する、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項8】
前記後方反射体が、任意の偏光の可視光に関して少なくとも95%の軸上平均反射率を有する、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項9】
前記第1反射面及び第2反射面の少なくとも一方が、任意の偏光の可視光に関して少なくとも95%の軸上平均反射率を有する、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項10】
少なくとも1つの光源がLEDを含む、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項11】
前記LEDが、前記部分透過性前方反射体と垂直な軸の周囲360°未満の角度広がりの範囲内で光を放射する、請求項10に記載の照明装置。
【請求項12】
少なくとも1つの光注入器が、前記後方反射体の周縁部と実質的に平行な軸に沿って細長い、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項13】
少なくとも1つの光注入器が、フードを有する光注入器である、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項14】
少なくとも1つの光源が、前記第2反射面と前記後方反射体との間に位置付けられる、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項15】
前記部分透過性前方反射体と前記後方反射体との間の前記中空の空洞の外辺部に沿って位置付けられる第3反射体を更に含む、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項16】
出力エリアを有する部分透過性前方反射体と、
前記部分透過性前方反射体に面し、前記部分透過性前方反射体との間に中空の空洞を形成する後方反射体と、
第1コリメート光線を前記中空の空洞内に注入するように動作可能な第1光源と、
前記後方反射体から前記中空の空洞に突出するバッフルによって形成される光注入器であって、前記バッフルが、前記第1コリメート光線の一部を前記部分透過性前方反射体に向けて反射するように位置付けられた第1反射面を含む、光注入器と、
前記光注入器内に配置されて、第2コリメート光線を前記中空の空洞内に注入するように動作可能な第2光源と、
前記第1光源と前記光注入器との間の伝播区域と、
前記中空の空洞内に配置された半鏡面要素と、を含む照明装置であって、
前記第1光源から注入された光の少なくとも一部が、前記バッフルの前記第1反射面から反射して前記部分透過性前方反射体に向けられる、照明装置。
【請求項17】
前記第1及び第2コリメート光線が、前記部分透過性前方反射体と平行な横断面から実質的に30°の範囲内の方向のコリメーションを含む、請求項16に記載の照明装置。
【請求項18】
前記第1反射面及び前記後方反射体が連続面を形成する、請求項16に記載の照明装置。
【請求項19】
前記バッフルが、前記第1反射面と反対側の第2反射面を更に含む、請求項16に記載の照明装置。
【請求項20】
前記第1反射面及び前記第2反射面が同一平面上にある、請求項19に記載の照明装置。
【請求項21】
前記半鏡面要素が、前記部分透過性前方反射体に隣接するように配置される、請求項16に記載の照明装置。
【請求項22】
前記部分透過性前方反射体が、垂直入射光よりも、斜角光をより多く反射する、請求項16に記載の照明装置。
【請求項23】
前記部分透過性前方反射体が、第1平面内で偏光された可視光に関して少なくとも90%の軸上平均反射率を有し、前記第1平面と垂直な第2平面内で偏光された可視光に関して少なくとも25%、かつ90%未満の軸上平均反射率を有する、請求項16に記載の照明装置。
【請求項24】
前記後方反射体が、任意の偏光の可視光に関して少なくとも95%の軸上平均反射率を有する、請求項16に記載の照明装置。
【請求項25】
前記第1反射面が、任意の偏光の可視光に関して少なくとも95%の軸上平均反射率を有する、請求項16に記載の照明装置。
【請求項26】
少なくとも1つの光源がLEDを含む、請求項16に記載の照明装置。
【請求項27】
前記LEDが、前記部分透過性前方反射体と垂直な軸の周囲360°未満の角度広がりの範囲内で光を放射する、請求項26に記載の照明装置。
【請求項28】
前記光注入器が、前記後方反射体の周縁部と実質的に平行な軸に沿って細長い、請求項16に記載の照明装置。
【請求項29】
前記光注入器が、フードを有する光注入器である、請求項16に記載の照明装置。
【請求項30】
前記部分透過性前方反射体と前記後方反射体との間の前記中空の空洞の外辺部に沿って位置付けられる第3反射体を更に含む、請求項16に記載の照明装置。
【請求項31】
少なくとも1つのLEDがコリメートレンズを含む、請求項19又は26に記載の照明装置。
【請求項32】
前記中空の空洞内に配置され、制御回路に入力を提供するように動作可能である、少なくとも1つの光センサーを更に含む、請求項1、2又は16のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項33】
前記中空の空洞の外部に配置され、制御回路に入力を提供するように動作可能である、少なくとも1つの光センサーを更に含む、請求項1、2又は16のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項34】
各光源が別々に制御可能である、請求項1、2又は16のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項35】
前記部分透過性前方反射体及び前記後方反射体が、平行ではなく、少なくとも1区域において同一平面上にある、請求項1、2又は16のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項36】
少なくとも1つのバッフルが、前記部分透過性前方反射体に対する機械的支持を提供する、請求項1、2又は16に記載の照明装置。
【請求項37】
請求項1〜36のいずれか一項の照明装置を含む、バックライト。
【請求項38】
前記液晶ディスプレイが前記出力エリアの近位に配置される、請求項37のバックライトを含む液晶ディスプレイ。
【請求項39】
グラフィックディスプレイが前記出力エリアの近位に配置される、請求項37のバックライトを含むグラフィックディスプレイ。
【図1】
【図1a】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図1a】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【公表番号】特表2011−523194(P2011−523194A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513526(P2011−513526)
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【国際出願番号】PCT/US2009/043405
【国際公開番号】WO2009/151842
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【国際出願番号】PCT/US2009/043405
【国際公開番号】WO2009/151842
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
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