火葬施設
【課題】柩に付きそう近親者や火葬への参列者が故人との最期のお別れをする時間を大切にすることができる。
【解決手段】本発明に係る火葬施設1においては、各火葬炉E1,E2,…のそれぞれに炉前ホールH1,H2,…及び予備室G1,G2,…が並設され、柩搬送装置(例えば、エレベータ)Jと炉前ホールH1,H2,…とは柩搬送用の通路F1,F2,…で連通され、霊柩車やマイクロバスのための駐停車スペース(不図示)は別のフロアに設けられている。これらの炉前ホールH1,H2,…、予備室G1,G2,…及び通路F1,F2,…は外部からの視線を遮断できるように仕切られて構成されているので、故人との最期のお別れをする時間を大切にすることができる。また、火葬炉E1,E2,…等と駐停車スペースとは異なるフロアに配置されているので、敷地を狭くして敷地面積の有効利用を図ることができる。
【解決手段】本発明に係る火葬施設1においては、各火葬炉E1,E2,…のそれぞれに炉前ホールH1,H2,…及び予備室G1,G2,…が並設され、柩搬送装置(例えば、エレベータ)Jと炉前ホールH1,H2,…とは柩搬送用の通路F1,F2,…で連通され、霊柩車やマイクロバスのための駐停車スペース(不図示)は別のフロアに設けられている。これらの炉前ホールH1,H2,…、予備室G1,G2,…及び通路F1,F2,…は外部からの視線を遮断できるように仕切られて構成されているので、故人との最期のお別れをする時間を大切にすることができる。また、火葬炉E1,E2,…等と駐停車スペースとは異なるフロアに配置されているので、敷地を狭くして敷地面積の有効利用を図ることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火葬炉を備えた火葬施設に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、火葬炉を備えて火葬を行う火葬施設については種々の構造のものが存在する(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
図4は、火葬施設の従来構造の一例を示す平面図である。図中の符号S0は、マイクロバスや霊柩車等を駐車又は停車する駐停車スペースを示し、符号K0は出入り口を示し、符号E0,…は複数の火葬炉を示し、符号H0は、該複数の火葬炉E0,…に沿って配置された1つの炉前ホール(告別ホール)を示し、符号L0は収骨室を示し、符号M0は、参列者が待機する待合室を示し、符号F0は、これらの炉前ホールH0や収骨室L0や待合室M0に行き来するための通路を示す。
【0004】
このような構造の火葬施設の場合、マイクロバス等を降りた参列者は、告別のために炉前ホールH0に移動し(矢印A01参照)、その後、待合室M0に移動して待機し(矢印A02参照)、さらに収骨室L0に移動して収骨を行うという手順で各式典に参加する必要があった(矢印A03参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】臨海斎場、施設紹介、“館内見取り図”、[平成22年4月9日検索]、インターネット< URL :http://www.rinkaisaijo.or.jp/guidance/index.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このような火葬施設は複数の火葬を同時並行的に行うのが通常であるが、故人との最期のお別れという大切な時間を過ごしたい等の要望から、同時並行で行われている他の火葬の参列者等には出来るだけ出会いたくないというのが一般的な心情である。しかしながら、上述した火葬施設の場合は、駐停車スペースS0や炉前ホールH0や待合室M0や収骨室L0は共用化されていて、参列者は火葬施設内を適宜移動しながら各式典に参加しなければならず、他の参列者に出会うことは避けられないというのが現状であった。
【0007】
なお、火葬施設の敷地が広ければ、各火葬炉に専用の炉前ホールや専用の待合室等をそれぞれ配置しておいて、告別が始ってから収骨が終わるまでの間、それらを専有させることも可能であるが、種々の理由から火葬施設の敷地を広く取るのは困難であった。
【0008】
本発明は、そのような問題を解消又は低減できる火葬施設を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、図1及び図2に例示するものであって、火葬炉(E1,E2,…)が設置された建物(B)と、自動車を駐車又は停車させて参列者が降車するための降車用駐停車スペース(S11,S21)と、霊柩車を駐車又は停車させて該霊柩車から柩を降ろすための霊柩車用駐停車スペース(S12,S22)と、を少なくとも備えた火葬施設(1)において、
前記建物(B)は、少なくとも2つのフロア(B1,B2)が積層されてなる2階建て以上の建物であり、
前記降車用駐停車スペース(S11,S21)及び前記霊柩車用駐停車スペース(S12,S22)は、該建物(B)の1つのフロア(以下、“第1フロア”とする。図1の符号B1参照。)に連通されるように配置されており、
前記建物(B)は、
該第1フロア(B1)とは別のフロア(以下、“第2フロア”とする。図2の符号B2参照。)と前記第1フロア(B1)とに掛けて設けられて、前記降車用駐停車スペース(S11,S21)にて降車した参列者が前記第1フロア(B1)から前記第2フロア(B2)に移動するための第1縦動線部(C1)と、
前記第1フロア(B1)と前記第2フロア(B2)とに掛けて設けられて、前記霊柩車用駐停車スペース(S12,S22)にて霊柩車から降ろした柩を前記第1フロア(B1)から前記第2フロア(B2)に搬送するための柩搬送装置(J)と、
前記第2フロア(B2)にて並設された複数の火葬炉(E1,E2,…)と、
各火葬炉(E1,E2,…)の前にそれぞれ配置された複数の炉前ホール(H1,H2,…)と、
前記柩搬送装置(J)とそれぞれの炉前ホール(H1,H2,…)とを連通するように配置された柩搬送用通路(F1,F2,…)と、
前記第1縦動線部(C1)と前記複数の炉前ホール(H1,H2,…)とにそれぞれ連通されるように複数配置された予備室(G1,G2,…)と、
を有し、かつ、
各炉前ホール(H1,H2,…)は、光を遮るための第1遮光部材によって仕切られて構成され、
各予備室(G1,G2,…)は、光を遮るための第2遮光部材によって仕切られて構成され、
前記柩搬送用通路(F1,F2,…)は、光を遮るための第3遮光部材によって仕切られて構成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、1つの柩搬送用通路(例えば、F1)が、互いに隣接する2つの炉前ホール(H1,H2)と1つの前記柩搬送装置(J)とを連通するように配置され、かつ、
該1つの柩搬送用通路(F1)と各炉前ホール(H1,H2)との間には通路側ドア(D1,D1)が開閉自在にそれぞれ設けられたことを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において、1つの前記炉前ホール(例えば、H1)と1つの前記予備室(例えば、G1)とが互いに隣接するように配置され、
該炉前ホール(H1)と該予備室(G1)との間には予備室側ドア(D2)が開閉自在に設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明において、前記予備室(G1,G2,…)は前記第1縦動線部(C1)と離間した位置に配置され、
該予備室(G1,G2,…)には、前記第1縦動線部(C1)を降りた参列者が該予備室(G1,G2,…)に出入りするための縦動線部側ドア(D3)が開閉自在に設けられてなることを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明において、前記予備室は、前記第2フロア(B2)において前記第1縦動線部(C1)を囲むように配置され、
該第2フロア(B2)にて該第1縦動線部(C1)を降りた参列者は該予備室に直接入ることができるように構成されたことを特徴とする。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発明において、前記第1フロア(B1)と前記第2フロア(B2)とに掛けて設けられて、前記予備室(G1,G2,…)及び/又は前記炉前ホール(H1,H2,…)を出る参列者が前記第2フロア(B2)から前記第1フロア(B1)に移動するための第2縦動線部(C2)、を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項7に係る発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の発明において、前記第1フロア(B1)に連通されるように配置され、前記予備室(G1,G2,…)及び/前記炉前ホール(H1,H2,…)から該第1フロア(B1)に移動して来た参列者が乗車するための自動車を駐車又は停車させるための乗車用駐停車スペース(S3,S4)、を備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項8に係る発明は、請求項7に係る発明において、前記乗車用駐停車スペース(S3,S4)と前記降車用駐停車スペース(S11,S21)とは、前記建物(B)を挟むようにそれぞれ配置されたことを特徴とする。
【0017】
なお、括弧内の番号などは、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【発明の効果】
【0018】
請求項1及び4に係る発明によれば、柩は前記柩搬送装置及び前記柩搬送用通路を使って搬送されている間は外部から見られるおそれが少なく、柩に付きそう近親者が故人との最期のお別れをする時間を大切にすることができる。また、参列者は、前記第1縦動線部や前記予備室や前記炉前ホールにいる間は他の火葬の参列者等と出会う機会が少なく、やはり、故人との最期のお別れの時間を阻害されるおそれを軽減することができる。特に、告別が始って収骨が終わるまで、その参列者は1つの予備室と1つの炉前ホールをずっと専有でき、他の場所へ移動したりする必要が無いので、他の火葬の参列者と出会う機会をほとんど無くすことができる。また、炉前ホールと予備室という2つの部屋を専有できるので、告別が終わってから収骨までの間、炉前ホールに居続ける必要はなく、予備室で待機することもできる。一方、本発明に係る火葬施設においては、
・ 降車用駐停車スペース及び霊柩車用駐停車スペースと、
・ 火葬炉、炉前ホール及び予備室
とは、それぞれ別のフロアに積層された状態で配置されているので、積層せずに同じフロアに設けた場合に比べて火葬施設の敷地を狭くでき、敷地面積の有効利用、及び周辺地域への存在感の低減を図ることができる。
【0019】
請求項2に係る発明によれば、柩搬送用通路を共用できるので、共用しない場合(つまり、2つの炉前ホールにそれぞれ柩搬送用通路を設ける場合)に比べて柩搬送用通路を敷設するためのスペースを狭くでき、前記第2フロアを有効に利用することができる。また、該柩搬送用通路と各炉前ホールとの間にはそれぞれ通路側ドアが設けられているので、必要に応じて各炉前ホールの閉鎖性も確保できる。
【0020】
請求項3に係る発明によれば、該炉前ホールと該予備室との間を移動する参列者が他の参列者に出会ったりするおそれを回避できる。また、該炉前ホールと該予備室との間は予備室側ドアが設けられているので、必要に応じて該炉前ホールの閉鎖性を確保できる。
【0021】
請求項5に係る発明によれば、第1縦動線部を降りて予備室に入室する間に参列者が他の参列者と出会ったりするおそれを完全に防止することができる。
【0022】
請求項6に係る発明によれば、前記第1縦動線部を入館専用として使用し、前記第2縦動線部を出館専用として使用できるので、該第1フロアと第2フロアとの間の移動で他の参列者に出会ったりするおそれを軽減できる。
【0023】
請求項7に係る発明によれば、告別等への参列が終わった参列者が火葬施設に到着した参列者と出会う機会を軽減できる。
【0024】
請求項8に係る発明によれば、他の参列者と出会う機会をより一層軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明に係る火葬施設の第1フロアの構造の一例を示す平面図である。
【図2】図2は、本発明に係る火葬施設の第2フロアの構造の一例を示す平面図である。
【図3】図3は、本発明に係る火葬施設の第3フロアの構造の一例を示す平面図である。
【図4】図4は、火葬施設の従来構造の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図1乃至図3に沿って、本発明の実施の形態について説明する。
【0027】
本発明に係る火葬施設は、少なくとも2つのフロア(つまり、図1に示すB1と、図2に示すB2)が積層されてなる2階建て以上の建物Bを備えている。本明細書においては、説明の便宜上、該建物の1つのフロアB1を“第1フロア”と称することとし、該第1フロアとは別のフロアB2を“第2フロア”と称することとする。
【0028】
また、本発明に係る火葬施設は、図1に符号1で例示するように、
・ 自動車を駐車又は停車させて参列者が降車するための降車用駐停車スペースS11,S21と、
・ 霊柩車を駐車又は停車させて該霊柩車から柩を降ろすための霊柩車用駐停車スペースS12,S22と、
を備えている。そして、これらの降車用駐停車スペースS11,S21及び霊柩車用駐停車スペースS12,S22は、前記建物Bの第1フロアB1に連通されるように(「該建物Bの第1フロアB1と同じ階(同じ高さ)であって、各駐停車スペースS11,S21,S12,S22から該第1フロアB1に入ることができるように」の意。)配置されている。なお、これらの降車用駐停車スペースS11,S21及び霊柩車用駐停車スペースS12,S22は図示のように建物Bに出来るだけ近い位置(建物Bに隣接した位置)に配置しておくことが好ましいが、建物Bから離間した位置に配置したケースを本発明の範囲から除外するものでは無い。
【0029】
さらに、第1縦動線部C1が前記第1フロアB1と前記第2フロアとに掛けて設けられていて、前記降車用駐停車スペースS11,S21にて自動車から降りた参列者が該第1縦動線部C1を使って前記第1フロアB1から前記第2フロアB2に移動できるように構成されている。またさらに、前記霊柩車用駐停車スペースS12,S22にて霊柩車から降ろした柩を前記第1フロアB1から前記第2フロアB2に搬送するための柩搬送装置Jが前記第1フロアB1と前記第2フロアB2とに掛けて設けられている。なお、上述の第1縦動線部C1としてはエレベータが好ましいが、エスカレータや階段を除外するものでは無い。また、上述の柩搬送装置Jは何らかの動力で柩を搬送できる装置で構成すれば良く、エレベータや、エレベータの概念に含まれないような何らかの昇降機やリフトなどで構成すると良い。
【0030】
一方、前記建物Bの前記第2フロアB2には、図2に例示するように複数の火葬炉E1,E2,…が並設されており、各火葬炉E1,E2,…の前には炉前ホールH1,H2,…がそれぞれ配置されている。さらに、前記柩搬送装置Jとそれぞれの炉前ホールH1,H2,…とを連通するように柩搬送用通路F1,F2,…が配置されている。また、前記第1縦動線部C1と連通されて該第1縦動線部C1を降りた参列者が入室できるように部屋(以下、“予備室”とする)G1,G2,…が複数配置されている。そして、各予備室G1,G2,…は1つの炉前ホールH1,H2,…にそれぞれ連通されていて、該予備室G1,G2,…に入室した参列者が該1つの炉前ホールH1,H2,…に入ることができるように構成されている。つまり、該第2フロアB2においては、前記第1縦動線部C1と前記複数の炉前ホールH1,H2,…とにそれぞれ連通されるように複数の予備室G1,G2,…が配置されている。
【0031】
ところで、各炉前ホールH1,H2,…は、その炉前ホールH1,H2,…で行われる告別等に無関係の人が自由に出入りしたり該告別等の様子を自由に視認できたりするようなオープンスペースではなく、少なくとも炉前ホールの外部からの視線を完全に(或いは、ある程度)遮ることができるように壁やドア等の公知の部材(つまり、光を遮るための第1遮光部材)で仕切られて構成されている。各炉前ホールH1,H2,…は、好ましくは、外部からの視線のみならず音や臭いも遮断できるような閉鎖空間として形成しておくと良い。
【0032】
また、各予備室G1,G2,…も同様であって、その告別等に無関係の人が自由に出入りしたり予備室内の参列者を自由に視認できたりするような構造ではなく、少なくとも予備室の外部からの視線を完全に(或いは、ある程度)遮ることができるように壁やドア等の公知の部材(つまり、光を遮るための第2遮光部材)で仕切られて構成されている。各予備室G1,G2,…は、好ましくは、外部からの視線のみならず音や臭いも遮断できるような閉鎖空間として形成しておくと良い。
【0033】
さらに、前記柩搬送用通路F1,F2,…も同様であって、柩搬送に無関係の人が自由に出入りしたり柩搬送の様子を自由に視認できたりするような構造ではなく、少なくとも柩搬送用通路F1,F2,…の外部からの視線を完全に(或いは、ある程度)遮ることができるように壁やドア等の公知の部材(つまり、光を遮るための第3遮光部材)で仕切られて構成されている。該柩搬送用通路F1,F2,…は、好ましくは、外部からの視線のみならず音や臭いも遮断できるような閉鎖空間として形成しておくと良い。
【0034】
また、上述の第1縦動線部C1や柩搬送装置Jも同様であって、無関係の人が自由に出入りしたり外部から自由に視認したりできないような閉鎖空間にしておくと良い。
【0035】
本発明に係る火葬施設1は上述のように構成されているので、柩を次のように搬送することができる。すなわち、
(1) 霊柩車用駐停車スペースS12,S22に駐車又は停車させた霊柩車から柩を降ろす。
(2) 前記建物Bの第1フロアB1に柩を移動し、前記柩搬送装置Jを使って前記第2フロアB2に搬送する(図1の矢印A11参照)。
(3) 該第2フロアB2にて柩を前記柩搬送装置Jから降ろし、前記柩搬送用通路F1,F2,…を使って炉前ホールH1,H2,…に移動する(図2の矢印A12,A13参照)。
【0036】
一方、火葬に参列する参列者は次のように行動することができる。すなわち、
(1) 降車用駐停車スペースS11,S21に駐停車した自動車(マイクロバスや乗用車等)から降りる。
(2) 前記建物Bの第1フロアB1に移動し、前記第1縦動線部C1を使って前記第2フロアB2に移動する(図1の矢印A21参照)。
(3) 該第2フロアB2にて該第1縦動線部C1を降り、指定された予備室G1,G2,…に入室する(図1の矢印A22参照)。
(4) 手荷物等をその予備室G1,G2,…に置いた後、予備室G1,G2,…に連通された炉前ホールH1,H2,…に入る(図1の矢印A23参照)。
(5) 該炉前ホールH1,H2,…にて行われる所定の式典(故人との告別等)に参列する。
(6) 火葬の間は、前記予備室G1,G2,…に戻って待機する。
(7) その後、再び炉前ホールH1,H2,…に移動して収骨を行う。
【0037】
本発明によれば、柩は前記柩搬送装置J及び前記柩搬送用通路F1,F2,…を使って搬送されている間は外部から見られるおそれが少なく、柩に付きそう近親者が故人との最期のお別れをする時間を大切にすることができる。また、参列者は、前記第1縦動線部C1や前記予備室G1,G2,…や前記炉前ホールH1,H2,…にいる間は他の火葬の参列者等と出会う機会が少なく、やはり、故人との最期のお別れの時間を阻害されるおそれを軽減することができる。特に、告別が始って収骨が終わるまで、その参列者は1つの予備室(例えば、G1)と1つの炉前ホール(例えば、H1)をずっと専有でき、他の場所へ移動したりする必要が無いので、他の火葬の参列者と出会う機会をほとんど無くすことができる。また、炉前ホールH1と予備室G1という2つの部屋を専有できるので、告別が終わってから収骨までの間、炉前ホールH1に居続ける必要はなく、予備室G1で待機することもできる。一方、本発明に係る火葬施設1においては、
・ 降車用駐停車スペースS11,S21及び霊柩車用駐停車スペースS12,S22と、
・ 火葬炉E1,E2,…、炉前ホールH1,H2,…及び予備室G1,G2,…
とは、それぞれ別のフロアB1,B2に積層された状態で配置されているので、積層せずに同じフロアに設けた場合に比べて火葬施設1の敷地を狭くでき、敷地面積の有効利用、及び周辺地域への存在感の低減を図ることができる。
【0038】
ところで、図2に示すように、1つの柩搬送用通路(例えば、F1)が、互いに隣接する2つの炉前ホール(例えば、H1,H2)と1つの前記柩搬送装置Jとを連通するように配置され、かつ、該1つの柩搬送用通路F1と各炉前ホールH1,H2との間にはドア(以下、“通路側ドア”とする)D1が開閉自在にそれぞれ設けられていると良い。そのようにした場合には、柩搬送用通路F1を共用できるので、共用しない場合(つまり、2つの炉前ホールH1,H2,…にそれぞれ柩搬送用通路を設ける場合)に比べて柩搬送用通路F1,F2,…を敷設するためのスペースを狭くでき、前記第2フロアB2を有効に利用することができる。また、該柩搬送用通路F1と各炉前ホールH1,H2との間にはそれぞれ通路側ドアD1が設けられているので、必要に応じて各炉前ホールH1,H2の閉鎖性も確保できる。
【0039】
さらに、図2に示すように、1つの前記炉前ホール(例えば、H1)と1つの前記予備室(例えば、G1)とは互いに隣接するように配置しておくと良い。これにより、該炉前ホールH1と該予備室G1との間を移動する参列者が他の参列者に出会ったりするおそれを回避できる。また、その場合には、該炉前ホールH1と該予備室G1との間に開閉自在なドア(以下、“予備室側ドア”とする)D2を設けておくて、必要に応じて該炉前ホールH1の閉鎖性を確保できるようにすると良い。
【0040】
ところで、図2の例では、予備室G1,G2,…と第1縦動線部C1とは離間した位置に配置されているが、その場合には、前記第1縦動線部C1を降りた参列者が該予備室G1,G2,…に出入りするための開閉自在なドア(以下、“縦動線部側ドア”とする)D3を設けておくと良い。これにより、必要に応じて該予備室G1,G2,…の閉鎖性を確保することができる。
【0041】
一方、図には示さないが、前記予備室を、前記第2フロアにおいて前記第1縦動線部C1を囲むように配置しておき、該第2フロアB2にて該第1縦動線部C1を降りた参列者が該予備室に直接入ることができるように構成しておくと良い。そのようにした場合には、第1縦動線部C1を降りて予備室に入室する間に参列者が他の参列者と出会ったりするおそれを完全に防止することができる。また、前記第2フロアB2から前記第1フロアB1への移動もこの第1縦動線部C1を使って行うと良い。
【0042】
また一方、前記第1縦動線部C1とは別の第2縦動線部C2を前記第1フロアB1と前記第2フロアB2とに掛けて設けておいて、前記予備室G1,G2,…及び/又は前記炉前ホールH1,H2,…を出る参列者(一連の式典への参加が終わった参列者)が前記第2フロアB2から前記第1フロアB1に移動できるように構成しておくと良い(図1の矢印A24参照)。そのようにした場合には、前記第1縦動線部C1を入館専用として使用し、前記第2縦動線部C2を出館専用として使用できるので、該第1フロアB1と第2フロアB2との間の移動で他の参列者に出会ったりするおそれを軽減できる。
【0043】
さらに一方、前記予備室G1,G2,…及び/前記炉前ホールH1,H2,…から該第1フロアB1に移動して来た参列者が乗車するための自動車を駐車又は停車させるための乗車用駐停車スペースS3,S4を、該第1フロアB1に連通されるように配置しておくと良い(図1の矢印A25参照)。そのようにした場合には、告別等への参列が終わった参列者が火葬施設に到着した参列者と出会う機会を軽減できる。その場合、前記乗車用駐停車スペースS3,S4と前記降車用駐停車スペースS11,S21とは、前記建物Bを挟むようにそれぞれ配置しておくと良い。自動車からの降車と乗車を同じ(又は近接した)駐停車スペースで行った場合には火葬施設に到着した参列者と火葬施設から帰る参列者とが出会ってしまうおそれがあるが、上述のように配置することにより、他の参列者と出会う機会をより一層軽減できる。なお、前記建物Bの第1フロアB1の一側(正面側)に入館専用口K1を設けると共に、建物Bの他側(裏側)に出館専用口K2を設けておき、前記降車用駐停車スペースS11,S21は該入館専用口K1の近傍に設け、前記乗車用駐停車スペースS3,S4は該出館専用口K2の近傍に設けておくと良い。
【0044】
なお、上述の建物は地上2階建て以上としても良いが、周辺地域への配慮のため、地下2階以上の構造にすると良い。例えば、霊柩車や他の自動車を通るための道路を地下に設けておいて、前記第1フロアB1を地下1階とし、前記第2フロアB2を地下2階にすると良い。また、第1フロアB1と第2フロアB2とは上下に連続して積層されている必要はもちろん無く、前記第1フロアB1を地下1階とし、前記第2フロアB2を地下4階としても良い。さらに、第2フロアB2を第1フロアB1よりも下階に配置する必要はなく、第1フロアB1よりも上階に配置しても良い。またさらに、図3に示すような第3フロア(つまり、火葬炉E5,E6,…や炉前ホールH1,H2,…や予備室G1,G2,…や柩搬送用通路F1,F2,…が前記第2フロアB2と同様に配置されたフロア)を前記第2フロアB2とは別に設けておいて、建物を3階建て以上の構造としても良い。その場合、第2フロアB2の火葬炉E1,E2,…中に“柩を昇降する装置(不図示)”を設けておいて、前記第2フロアB2にて火葬炉E1,E2,…に入れられた柩が第3フロアB3まで移動され、該第3フロアB3にて火葬されるようにすると良い。そして、該第3フロアB3にて火葬された後の焼骨は第2フロアB2の元の位置に搬送されるようにすると良い。なお、第3フロアB3の火葬炉E5,E6,…にはそのような装置(柩を昇降するような装置)は設けず、そのフロアにて火葬されるようにすると良い。つまり、このような場合は、第2フロアB2及び第3フロアB3の火葬炉に入れられた柩は1つのフロア(第3フロアB3)にて火葬されることとなる。
【符号の説明】
【0045】
B 建物
B1 第1フロア
B2 第2フロア
C1 第1縦動線部
C2 第2縦動線部
D1 通路側ドア
D2 予備室側ドア
D3 縦動線部側ドア
E1,E2,… 火葬炉
F1,F2,… 柩搬送用通路
G1,G2,… 予備室
H1,H2,… 炉前ホール
J 柩搬送装置
S11,S21 降車用駐停車スペース
S12,S22 霊柩車用駐停車スペース
S3,S4 乗車用駐停車スペース
【技術分野】
【0001】
本発明は、火葬炉を備えた火葬施設に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、火葬炉を備えて火葬を行う火葬施設については種々の構造のものが存在する(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
図4は、火葬施設の従来構造の一例を示す平面図である。図中の符号S0は、マイクロバスや霊柩車等を駐車又は停車する駐停車スペースを示し、符号K0は出入り口を示し、符号E0,…は複数の火葬炉を示し、符号H0は、該複数の火葬炉E0,…に沿って配置された1つの炉前ホール(告別ホール)を示し、符号L0は収骨室を示し、符号M0は、参列者が待機する待合室を示し、符号F0は、これらの炉前ホールH0や収骨室L0や待合室M0に行き来するための通路を示す。
【0004】
このような構造の火葬施設の場合、マイクロバス等を降りた参列者は、告別のために炉前ホールH0に移動し(矢印A01参照)、その後、待合室M0に移動して待機し(矢印A02参照)、さらに収骨室L0に移動して収骨を行うという手順で各式典に参加する必要があった(矢印A03参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】臨海斎場、施設紹介、“館内見取り図”、[平成22年4月9日検索]、インターネット< URL :http://www.rinkaisaijo.or.jp/guidance/index.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このような火葬施設は複数の火葬を同時並行的に行うのが通常であるが、故人との最期のお別れという大切な時間を過ごしたい等の要望から、同時並行で行われている他の火葬の参列者等には出来るだけ出会いたくないというのが一般的な心情である。しかしながら、上述した火葬施設の場合は、駐停車スペースS0や炉前ホールH0や待合室M0や収骨室L0は共用化されていて、参列者は火葬施設内を適宜移動しながら各式典に参加しなければならず、他の参列者に出会うことは避けられないというのが現状であった。
【0007】
なお、火葬施設の敷地が広ければ、各火葬炉に専用の炉前ホールや専用の待合室等をそれぞれ配置しておいて、告別が始ってから収骨が終わるまでの間、それらを専有させることも可能であるが、種々の理由から火葬施設の敷地を広く取るのは困難であった。
【0008】
本発明は、そのような問題を解消又は低減できる火葬施設を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、図1及び図2に例示するものであって、火葬炉(E1,E2,…)が設置された建物(B)と、自動車を駐車又は停車させて参列者が降車するための降車用駐停車スペース(S11,S21)と、霊柩車を駐車又は停車させて該霊柩車から柩を降ろすための霊柩車用駐停車スペース(S12,S22)と、を少なくとも備えた火葬施設(1)において、
前記建物(B)は、少なくとも2つのフロア(B1,B2)が積層されてなる2階建て以上の建物であり、
前記降車用駐停車スペース(S11,S21)及び前記霊柩車用駐停車スペース(S12,S22)は、該建物(B)の1つのフロア(以下、“第1フロア”とする。図1の符号B1参照。)に連通されるように配置されており、
前記建物(B)は、
該第1フロア(B1)とは別のフロア(以下、“第2フロア”とする。図2の符号B2参照。)と前記第1フロア(B1)とに掛けて設けられて、前記降車用駐停車スペース(S11,S21)にて降車した参列者が前記第1フロア(B1)から前記第2フロア(B2)に移動するための第1縦動線部(C1)と、
前記第1フロア(B1)と前記第2フロア(B2)とに掛けて設けられて、前記霊柩車用駐停車スペース(S12,S22)にて霊柩車から降ろした柩を前記第1フロア(B1)から前記第2フロア(B2)に搬送するための柩搬送装置(J)と、
前記第2フロア(B2)にて並設された複数の火葬炉(E1,E2,…)と、
各火葬炉(E1,E2,…)の前にそれぞれ配置された複数の炉前ホール(H1,H2,…)と、
前記柩搬送装置(J)とそれぞれの炉前ホール(H1,H2,…)とを連通するように配置された柩搬送用通路(F1,F2,…)と、
前記第1縦動線部(C1)と前記複数の炉前ホール(H1,H2,…)とにそれぞれ連通されるように複数配置された予備室(G1,G2,…)と、
を有し、かつ、
各炉前ホール(H1,H2,…)は、光を遮るための第1遮光部材によって仕切られて構成され、
各予備室(G1,G2,…)は、光を遮るための第2遮光部材によって仕切られて構成され、
前記柩搬送用通路(F1,F2,…)は、光を遮るための第3遮光部材によって仕切られて構成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、1つの柩搬送用通路(例えば、F1)が、互いに隣接する2つの炉前ホール(H1,H2)と1つの前記柩搬送装置(J)とを連通するように配置され、かつ、
該1つの柩搬送用通路(F1)と各炉前ホール(H1,H2)との間には通路側ドア(D1,D1)が開閉自在にそれぞれ設けられたことを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において、1つの前記炉前ホール(例えば、H1)と1つの前記予備室(例えば、G1)とが互いに隣接するように配置され、
該炉前ホール(H1)と該予備室(G1)との間には予備室側ドア(D2)が開閉自在に設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明において、前記予備室(G1,G2,…)は前記第1縦動線部(C1)と離間した位置に配置され、
該予備室(G1,G2,…)には、前記第1縦動線部(C1)を降りた参列者が該予備室(G1,G2,…)に出入りするための縦動線部側ドア(D3)が開閉自在に設けられてなることを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明において、前記予備室は、前記第2フロア(B2)において前記第1縦動線部(C1)を囲むように配置され、
該第2フロア(B2)にて該第1縦動線部(C1)を降りた参列者は該予備室に直接入ることができるように構成されたことを特徴とする。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発明において、前記第1フロア(B1)と前記第2フロア(B2)とに掛けて設けられて、前記予備室(G1,G2,…)及び/又は前記炉前ホール(H1,H2,…)を出る参列者が前記第2フロア(B2)から前記第1フロア(B1)に移動するための第2縦動線部(C2)、を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項7に係る発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の発明において、前記第1フロア(B1)に連通されるように配置され、前記予備室(G1,G2,…)及び/前記炉前ホール(H1,H2,…)から該第1フロア(B1)に移動して来た参列者が乗車するための自動車を駐車又は停車させるための乗車用駐停車スペース(S3,S4)、を備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項8に係る発明は、請求項7に係る発明において、前記乗車用駐停車スペース(S3,S4)と前記降車用駐停車スペース(S11,S21)とは、前記建物(B)を挟むようにそれぞれ配置されたことを特徴とする。
【0017】
なお、括弧内の番号などは、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【発明の効果】
【0018】
請求項1及び4に係る発明によれば、柩は前記柩搬送装置及び前記柩搬送用通路を使って搬送されている間は外部から見られるおそれが少なく、柩に付きそう近親者が故人との最期のお別れをする時間を大切にすることができる。また、参列者は、前記第1縦動線部や前記予備室や前記炉前ホールにいる間は他の火葬の参列者等と出会う機会が少なく、やはり、故人との最期のお別れの時間を阻害されるおそれを軽減することができる。特に、告別が始って収骨が終わるまで、その参列者は1つの予備室と1つの炉前ホールをずっと専有でき、他の場所へ移動したりする必要が無いので、他の火葬の参列者と出会う機会をほとんど無くすことができる。また、炉前ホールと予備室という2つの部屋を専有できるので、告別が終わってから収骨までの間、炉前ホールに居続ける必要はなく、予備室で待機することもできる。一方、本発明に係る火葬施設においては、
・ 降車用駐停車スペース及び霊柩車用駐停車スペースと、
・ 火葬炉、炉前ホール及び予備室
とは、それぞれ別のフロアに積層された状態で配置されているので、積層せずに同じフロアに設けた場合に比べて火葬施設の敷地を狭くでき、敷地面積の有効利用、及び周辺地域への存在感の低減を図ることができる。
【0019】
請求項2に係る発明によれば、柩搬送用通路を共用できるので、共用しない場合(つまり、2つの炉前ホールにそれぞれ柩搬送用通路を設ける場合)に比べて柩搬送用通路を敷設するためのスペースを狭くでき、前記第2フロアを有効に利用することができる。また、該柩搬送用通路と各炉前ホールとの間にはそれぞれ通路側ドアが設けられているので、必要に応じて各炉前ホールの閉鎖性も確保できる。
【0020】
請求項3に係る発明によれば、該炉前ホールと該予備室との間を移動する参列者が他の参列者に出会ったりするおそれを回避できる。また、該炉前ホールと該予備室との間は予備室側ドアが設けられているので、必要に応じて該炉前ホールの閉鎖性を確保できる。
【0021】
請求項5に係る発明によれば、第1縦動線部を降りて予備室に入室する間に参列者が他の参列者と出会ったりするおそれを完全に防止することができる。
【0022】
請求項6に係る発明によれば、前記第1縦動線部を入館専用として使用し、前記第2縦動線部を出館専用として使用できるので、該第1フロアと第2フロアとの間の移動で他の参列者に出会ったりするおそれを軽減できる。
【0023】
請求項7に係る発明によれば、告別等への参列が終わった参列者が火葬施設に到着した参列者と出会う機会を軽減できる。
【0024】
請求項8に係る発明によれば、他の参列者と出会う機会をより一層軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明に係る火葬施設の第1フロアの構造の一例を示す平面図である。
【図2】図2は、本発明に係る火葬施設の第2フロアの構造の一例を示す平面図である。
【図3】図3は、本発明に係る火葬施設の第3フロアの構造の一例を示す平面図である。
【図4】図4は、火葬施設の従来構造の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図1乃至図3に沿って、本発明の実施の形態について説明する。
【0027】
本発明に係る火葬施設は、少なくとも2つのフロア(つまり、図1に示すB1と、図2に示すB2)が積層されてなる2階建て以上の建物Bを備えている。本明細書においては、説明の便宜上、該建物の1つのフロアB1を“第1フロア”と称することとし、該第1フロアとは別のフロアB2を“第2フロア”と称することとする。
【0028】
また、本発明に係る火葬施設は、図1に符号1で例示するように、
・ 自動車を駐車又は停車させて参列者が降車するための降車用駐停車スペースS11,S21と、
・ 霊柩車を駐車又は停車させて該霊柩車から柩を降ろすための霊柩車用駐停車スペースS12,S22と、
を備えている。そして、これらの降車用駐停車スペースS11,S21及び霊柩車用駐停車スペースS12,S22は、前記建物Bの第1フロアB1に連通されるように(「該建物Bの第1フロアB1と同じ階(同じ高さ)であって、各駐停車スペースS11,S21,S12,S22から該第1フロアB1に入ることができるように」の意。)配置されている。なお、これらの降車用駐停車スペースS11,S21及び霊柩車用駐停車スペースS12,S22は図示のように建物Bに出来るだけ近い位置(建物Bに隣接した位置)に配置しておくことが好ましいが、建物Bから離間した位置に配置したケースを本発明の範囲から除外するものでは無い。
【0029】
さらに、第1縦動線部C1が前記第1フロアB1と前記第2フロアとに掛けて設けられていて、前記降車用駐停車スペースS11,S21にて自動車から降りた参列者が該第1縦動線部C1を使って前記第1フロアB1から前記第2フロアB2に移動できるように構成されている。またさらに、前記霊柩車用駐停車スペースS12,S22にて霊柩車から降ろした柩を前記第1フロアB1から前記第2フロアB2に搬送するための柩搬送装置Jが前記第1フロアB1と前記第2フロアB2とに掛けて設けられている。なお、上述の第1縦動線部C1としてはエレベータが好ましいが、エスカレータや階段を除外するものでは無い。また、上述の柩搬送装置Jは何らかの動力で柩を搬送できる装置で構成すれば良く、エレベータや、エレベータの概念に含まれないような何らかの昇降機やリフトなどで構成すると良い。
【0030】
一方、前記建物Bの前記第2フロアB2には、図2に例示するように複数の火葬炉E1,E2,…が並設されており、各火葬炉E1,E2,…の前には炉前ホールH1,H2,…がそれぞれ配置されている。さらに、前記柩搬送装置Jとそれぞれの炉前ホールH1,H2,…とを連通するように柩搬送用通路F1,F2,…が配置されている。また、前記第1縦動線部C1と連通されて該第1縦動線部C1を降りた参列者が入室できるように部屋(以下、“予備室”とする)G1,G2,…が複数配置されている。そして、各予備室G1,G2,…は1つの炉前ホールH1,H2,…にそれぞれ連通されていて、該予備室G1,G2,…に入室した参列者が該1つの炉前ホールH1,H2,…に入ることができるように構成されている。つまり、該第2フロアB2においては、前記第1縦動線部C1と前記複数の炉前ホールH1,H2,…とにそれぞれ連通されるように複数の予備室G1,G2,…が配置されている。
【0031】
ところで、各炉前ホールH1,H2,…は、その炉前ホールH1,H2,…で行われる告別等に無関係の人が自由に出入りしたり該告別等の様子を自由に視認できたりするようなオープンスペースではなく、少なくとも炉前ホールの外部からの視線を完全に(或いは、ある程度)遮ることができるように壁やドア等の公知の部材(つまり、光を遮るための第1遮光部材)で仕切られて構成されている。各炉前ホールH1,H2,…は、好ましくは、外部からの視線のみならず音や臭いも遮断できるような閉鎖空間として形成しておくと良い。
【0032】
また、各予備室G1,G2,…も同様であって、その告別等に無関係の人が自由に出入りしたり予備室内の参列者を自由に視認できたりするような構造ではなく、少なくとも予備室の外部からの視線を完全に(或いは、ある程度)遮ることができるように壁やドア等の公知の部材(つまり、光を遮るための第2遮光部材)で仕切られて構成されている。各予備室G1,G2,…は、好ましくは、外部からの視線のみならず音や臭いも遮断できるような閉鎖空間として形成しておくと良い。
【0033】
さらに、前記柩搬送用通路F1,F2,…も同様であって、柩搬送に無関係の人が自由に出入りしたり柩搬送の様子を自由に視認できたりするような構造ではなく、少なくとも柩搬送用通路F1,F2,…の外部からの視線を完全に(或いは、ある程度)遮ることができるように壁やドア等の公知の部材(つまり、光を遮るための第3遮光部材)で仕切られて構成されている。該柩搬送用通路F1,F2,…は、好ましくは、外部からの視線のみならず音や臭いも遮断できるような閉鎖空間として形成しておくと良い。
【0034】
また、上述の第1縦動線部C1や柩搬送装置Jも同様であって、無関係の人が自由に出入りしたり外部から自由に視認したりできないような閉鎖空間にしておくと良い。
【0035】
本発明に係る火葬施設1は上述のように構成されているので、柩を次のように搬送することができる。すなわち、
(1) 霊柩車用駐停車スペースS12,S22に駐車又は停車させた霊柩車から柩を降ろす。
(2) 前記建物Bの第1フロアB1に柩を移動し、前記柩搬送装置Jを使って前記第2フロアB2に搬送する(図1の矢印A11参照)。
(3) 該第2フロアB2にて柩を前記柩搬送装置Jから降ろし、前記柩搬送用通路F1,F2,…を使って炉前ホールH1,H2,…に移動する(図2の矢印A12,A13参照)。
【0036】
一方、火葬に参列する参列者は次のように行動することができる。すなわち、
(1) 降車用駐停車スペースS11,S21に駐停車した自動車(マイクロバスや乗用車等)から降りる。
(2) 前記建物Bの第1フロアB1に移動し、前記第1縦動線部C1を使って前記第2フロアB2に移動する(図1の矢印A21参照)。
(3) 該第2フロアB2にて該第1縦動線部C1を降り、指定された予備室G1,G2,…に入室する(図1の矢印A22参照)。
(4) 手荷物等をその予備室G1,G2,…に置いた後、予備室G1,G2,…に連通された炉前ホールH1,H2,…に入る(図1の矢印A23参照)。
(5) 該炉前ホールH1,H2,…にて行われる所定の式典(故人との告別等)に参列する。
(6) 火葬の間は、前記予備室G1,G2,…に戻って待機する。
(7) その後、再び炉前ホールH1,H2,…に移動して収骨を行う。
【0037】
本発明によれば、柩は前記柩搬送装置J及び前記柩搬送用通路F1,F2,…を使って搬送されている間は外部から見られるおそれが少なく、柩に付きそう近親者が故人との最期のお別れをする時間を大切にすることができる。また、参列者は、前記第1縦動線部C1や前記予備室G1,G2,…や前記炉前ホールH1,H2,…にいる間は他の火葬の参列者等と出会う機会が少なく、やはり、故人との最期のお別れの時間を阻害されるおそれを軽減することができる。特に、告別が始って収骨が終わるまで、その参列者は1つの予備室(例えば、G1)と1つの炉前ホール(例えば、H1)をずっと専有でき、他の場所へ移動したりする必要が無いので、他の火葬の参列者と出会う機会をほとんど無くすことができる。また、炉前ホールH1と予備室G1という2つの部屋を専有できるので、告別が終わってから収骨までの間、炉前ホールH1に居続ける必要はなく、予備室G1で待機することもできる。一方、本発明に係る火葬施設1においては、
・ 降車用駐停車スペースS11,S21及び霊柩車用駐停車スペースS12,S22と、
・ 火葬炉E1,E2,…、炉前ホールH1,H2,…及び予備室G1,G2,…
とは、それぞれ別のフロアB1,B2に積層された状態で配置されているので、積層せずに同じフロアに設けた場合に比べて火葬施設1の敷地を狭くでき、敷地面積の有効利用、及び周辺地域への存在感の低減を図ることができる。
【0038】
ところで、図2に示すように、1つの柩搬送用通路(例えば、F1)が、互いに隣接する2つの炉前ホール(例えば、H1,H2)と1つの前記柩搬送装置Jとを連通するように配置され、かつ、該1つの柩搬送用通路F1と各炉前ホールH1,H2との間にはドア(以下、“通路側ドア”とする)D1が開閉自在にそれぞれ設けられていると良い。そのようにした場合には、柩搬送用通路F1を共用できるので、共用しない場合(つまり、2つの炉前ホールH1,H2,…にそれぞれ柩搬送用通路を設ける場合)に比べて柩搬送用通路F1,F2,…を敷設するためのスペースを狭くでき、前記第2フロアB2を有効に利用することができる。また、該柩搬送用通路F1と各炉前ホールH1,H2との間にはそれぞれ通路側ドアD1が設けられているので、必要に応じて各炉前ホールH1,H2の閉鎖性も確保できる。
【0039】
さらに、図2に示すように、1つの前記炉前ホール(例えば、H1)と1つの前記予備室(例えば、G1)とは互いに隣接するように配置しておくと良い。これにより、該炉前ホールH1と該予備室G1との間を移動する参列者が他の参列者に出会ったりするおそれを回避できる。また、その場合には、該炉前ホールH1と該予備室G1との間に開閉自在なドア(以下、“予備室側ドア”とする)D2を設けておくて、必要に応じて該炉前ホールH1の閉鎖性を確保できるようにすると良い。
【0040】
ところで、図2の例では、予備室G1,G2,…と第1縦動線部C1とは離間した位置に配置されているが、その場合には、前記第1縦動線部C1を降りた参列者が該予備室G1,G2,…に出入りするための開閉自在なドア(以下、“縦動線部側ドア”とする)D3を設けておくと良い。これにより、必要に応じて該予備室G1,G2,…の閉鎖性を確保することができる。
【0041】
一方、図には示さないが、前記予備室を、前記第2フロアにおいて前記第1縦動線部C1を囲むように配置しておき、該第2フロアB2にて該第1縦動線部C1を降りた参列者が該予備室に直接入ることができるように構成しておくと良い。そのようにした場合には、第1縦動線部C1を降りて予備室に入室する間に参列者が他の参列者と出会ったりするおそれを完全に防止することができる。また、前記第2フロアB2から前記第1フロアB1への移動もこの第1縦動線部C1を使って行うと良い。
【0042】
また一方、前記第1縦動線部C1とは別の第2縦動線部C2を前記第1フロアB1と前記第2フロアB2とに掛けて設けておいて、前記予備室G1,G2,…及び/又は前記炉前ホールH1,H2,…を出る参列者(一連の式典への参加が終わった参列者)が前記第2フロアB2から前記第1フロアB1に移動できるように構成しておくと良い(図1の矢印A24参照)。そのようにした場合には、前記第1縦動線部C1を入館専用として使用し、前記第2縦動線部C2を出館専用として使用できるので、該第1フロアB1と第2フロアB2との間の移動で他の参列者に出会ったりするおそれを軽減できる。
【0043】
さらに一方、前記予備室G1,G2,…及び/前記炉前ホールH1,H2,…から該第1フロアB1に移動して来た参列者が乗車するための自動車を駐車又は停車させるための乗車用駐停車スペースS3,S4を、該第1フロアB1に連通されるように配置しておくと良い(図1の矢印A25参照)。そのようにした場合には、告別等への参列が終わった参列者が火葬施設に到着した参列者と出会う機会を軽減できる。その場合、前記乗車用駐停車スペースS3,S4と前記降車用駐停車スペースS11,S21とは、前記建物Bを挟むようにそれぞれ配置しておくと良い。自動車からの降車と乗車を同じ(又は近接した)駐停車スペースで行った場合には火葬施設に到着した参列者と火葬施設から帰る参列者とが出会ってしまうおそれがあるが、上述のように配置することにより、他の参列者と出会う機会をより一層軽減できる。なお、前記建物Bの第1フロアB1の一側(正面側)に入館専用口K1を設けると共に、建物Bの他側(裏側)に出館専用口K2を設けておき、前記降車用駐停車スペースS11,S21は該入館専用口K1の近傍に設け、前記乗車用駐停車スペースS3,S4は該出館専用口K2の近傍に設けておくと良い。
【0044】
なお、上述の建物は地上2階建て以上としても良いが、周辺地域への配慮のため、地下2階以上の構造にすると良い。例えば、霊柩車や他の自動車を通るための道路を地下に設けておいて、前記第1フロアB1を地下1階とし、前記第2フロアB2を地下2階にすると良い。また、第1フロアB1と第2フロアB2とは上下に連続して積層されている必要はもちろん無く、前記第1フロアB1を地下1階とし、前記第2フロアB2を地下4階としても良い。さらに、第2フロアB2を第1フロアB1よりも下階に配置する必要はなく、第1フロアB1よりも上階に配置しても良い。またさらに、図3に示すような第3フロア(つまり、火葬炉E5,E6,…や炉前ホールH1,H2,…や予備室G1,G2,…や柩搬送用通路F1,F2,…が前記第2フロアB2と同様に配置されたフロア)を前記第2フロアB2とは別に設けておいて、建物を3階建て以上の構造としても良い。その場合、第2フロアB2の火葬炉E1,E2,…中に“柩を昇降する装置(不図示)”を設けておいて、前記第2フロアB2にて火葬炉E1,E2,…に入れられた柩が第3フロアB3まで移動され、該第3フロアB3にて火葬されるようにすると良い。そして、該第3フロアB3にて火葬された後の焼骨は第2フロアB2の元の位置に搬送されるようにすると良い。なお、第3フロアB3の火葬炉E5,E6,…にはそのような装置(柩を昇降するような装置)は設けず、そのフロアにて火葬されるようにすると良い。つまり、このような場合は、第2フロアB2及び第3フロアB3の火葬炉に入れられた柩は1つのフロア(第3フロアB3)にて火葬されることとなる。
【符号の説明】
【0045】
B 建物
B1 第1フロア
B2 第2フロア
C1 第1縦動線部
C2 第2縦動線部
D1 通路側ドア
D2 予備室側ドア
D3 縦動線部側ドア
E1,E2,… 火葬炉
F1,F2,… 柩搬送用通路
G1,G2,… 予備室
H1,H2,… 炉前ホール
J 柩搬送装置
S11,S21 降車用駐停車スペース
S12,S22 霊柩車用駐停車スペース
S3,S4 乗車用駐停車スペース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
火葬炉が設置された建物と、自動車を駐車又は停車させて参列者が降車するための降車用駐停車スペースと、霊柩車を駐車又は停車させて該霊柩車から柩を降ろすための霊柩車用駐停車スペースと、を少なくとも備えた火葬施設において、
前記建物は、少なくとも2つのフロアが積層されてなる2階建て以上の建物であり、
前記降車用駐停車スペース及び前記霊柩車用駐停車スペースは、該建物の1つのフロア(以下、“第1フロア”とする)に連通されるように配置されており、
前記建物は、
該第1フロアとは別のフロア(以下、“第2フロア”とする)と前記第1フロアとに掛けて設けられて、前記降車用駐停車スペースにて降車した参列者が前記第1フロアから前記第2フロアに移動するための第1縦動線部と、
前記第1フロアと前記第2フロアとに掛けて設けられて、前記霊柩車用駐停車スペースにて霊柩車から降ろした柩を前記第1フロアから前記第2フロアに搬送するための柩搬送装置と、
前記第2フロアにて並設された複数の火葬炉と、
各火葬炉の前にそれぞれ配置された複数の炉前ホールと、
前記柩搬送装置とそれぞれの炉前ホールとを連通するように配置された柩搬送用通路と、
前記第1縦動線部と前記複数の炉前ホールとにそれぞれ連通されるように複数配置された予備室と、
を有し、かつ、
各炉前ホールは、光を遮るための第1遮光部材によって仕切られて構成され、
各予備室は、光を遮るための第2遮光部材によって仕切られて構成され、
前記柩搬送用通路は、光を遮るための第3遮光部材によって仕切られて構成されている、
ことを特徴とする火葬施設。
【請求項2】
1つの柩搬送用通路が、互いに隣接する2つの炉前ホールと1つの前記柩搬送装置とを連通するように配置され、かつ、
該1つの柩搬送用通路と各炉前ホールとの間には通路側ドアが開閉自在にそれぞれ設けられた、
ことを特徴とする請求項1に記載の火葬施設。
【請求項3】
1つの前記炉前ホールと1つの前記予備室とが互いに隣接するように配置され、
該炉前ホールと該予備室との間には予備室側ドアが開閉自在に設けられている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の火葬施設。
【請求項4】
前記予備室は前記第1縦動線部と離間した位置に配置され、
該予備室には、前記第1縦動線部を降りた参列者が該予備室に出入りするための縦動線部側ドアが開閉自在に設けられてなる、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の火葬施設。
【請求項5】
前記予備室は、前記第2フロアにおいて前記第1縦動線部を囲むように配置され、
該第2フロアにて該第1縦動線部を降りた参列者は該予備室に直接入ることができるように構成された、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の火葬施設。
【請求項6】
前記第1フロアと前記第2フロアとに掛けて設けられて、前記予備室及び/又は前記炉前ホールを出る参列者が前記第2フロアから前記第1フロアに移動するための第2縦動線部、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の火葬施設。
【請求項7】
前記第1フロアに連通されるように配置され、前記予備室及び/前記炉前ホールから該第1フロアに移動して来た参列者が乗車するための自動車を駐車又は停車させるための乗車用駐停車スペース、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の火葬施設。
【請求項8】
前記乗車用駐停車スペースと前記降車用駐停車スペースとは、前記建物を挟むようにそれぞれ配置された、
ことを特徴とする請求項7に記載の火葬施設。
【請求項1】
火葬炉が設置された建物と、自動車を駐車又は停車させて参列者が降車するための降車用駐停車スペースと、霊柩車を駐車又は停車させて該霊柩車から柩を降ろすための霊柩車用駐停車スペースと、を少なくとも備えた火葬施設において、
前記建物は、少なくとも2つのフロアが積層されてなる2階建て以上の建物であり、
前記降車用駐停車スペース及び前記霊柩車用駐停車スペースは、該建物の1つのフロア(以下、“第1フロア”とする)に連通されるように配置されており、
前記建物は、
該第1フロアとは別のフロア(以下、“第2フロア”とする)と前記第1フロアとに掛けて設けられて、前記降車用駐停車スペースにて降車した参列者が前記第1フロアから前記第2フロアに移動するための第1縦動線部と、
前記第1フロアと前記第2フロアとに掛けて設けられて、前記霊柩車用駐停車スペースにて霊柩車から降ろした柩を前記第1フロアから前記第2フロアに搬送するための柩搬送装置と、
前記第2フロアにて並設された複数の火葬炉と、
各火葬炉の前にそれぞれ配置された複数の炉前ホールと、
前記柩搬送装置とそれぞれの炉前ホールとを連通するように配置された柩搬送用通路と、
前記第1縦動線部と前記複数の炉前ホールとにそれぞれ連通されるように複数配置された予備室と、
を有し、かつ、
各炉前ホールは、光を遮るための第1遮光部材によって仕切られて構成され、
各予備室は、光を遮るための第2遮光部材によって仕切られて構成され、
前記柩搬送用通路は、光を遮るための第3遮光部材によって仕切られて構成されている、
ことを特徴とする火葬施設。
【請求項2】
1つの柩搬送用通路が、互いに隣接する2つの炉前ホールと1つの前記柩搬送装置とを連通するように配置され、かつ、
該1つの柩搬送用通路と各炉前ホールとの間には通路側ドアが開閉自在にそれぞれ設けられた、
ことを特徴とする請求項1に記載の火葬施設。
【請求項3】
1つの前記炉前ホールと1つの前記予備室とが互いに隣接するように配置され、
該炉前ホールと該予備室との間には予備室側ドアが開閉自在に設けられている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の火葬施設。
【請求項4】
前記予備室は前記第1縦動線部と離間した位置に配置され、
該予備室には、前記第1縦動線部を降りた参列者が該予備室に出入りするための縦動線部側ドアが開閉自在に設けられてなる、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の火葬施設。
【請求項5】
前記予備室は、前記第2フロアにおいて前記第1縦動線部を囲むように配置され、
該第2フロアにて該第1縦動線部を降りた参列者は該予備室に直接入ることができるように構成された、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の火葬施設。
【請求項6】
前記第1フロアと前記第2フロアとに掛けて設けられて、前記予備室及び/又は前記炉前ホールを出る参列者が前記第2フロアから前記第1フロアに移動するための第2縦動線部、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の火葬施設。
【請求項7】
前記第1フロアに連通されるように配置され、前記予備室及び/前記炉前ホールから該第1フロアに移動して来た参列者が乗車するための自動車を駐車又は停車させるための乗車用駐停車スペース、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の火葬施設。
【請求項8】
前記乗車用駐停車スペースと前記降車用駐停車スペースとは、前記建物を挟むようにそれぞれ配置された、
ことを特徴とする請求項7に記載の火葬施設。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図2】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2011−241636(P2011−241636A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116078(P2010−116078)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(000174943)三井住友建設株式会社 (346)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(000174943)三井住友建設株式会社 (346)
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