説明

災害用トイレ

【課題】下水道管の破損等の影響を受けず、道路下への敷設も可能な、好適な災害用トイレを提供する。
【解決手段】屎尿の投入口11及び投入口11を介して投入される屎尿を流す流路を有する流路コンクリートブロック1と、前記流路に連通し底版面が当該流路よりも低位置にある溜桝コンクリートブロック2とをPC鋼棒51、52、53等を以て連結し、投入口11から投入される屎尿を溜桝2に流して貯留しておくことができるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、避難場所等に予め敷設しておき、災害発生時に利用する災害用トイレに関する。
【背景技術】
【0002】
災害用トイレは、災害が発生してから上下水道インフラストラクチャが復旧を見るまでの数日ないし一週間程度の期間使用される。この種の災害用トイレとして、下水本管に直結する硬化塩化ビニル管を埋設したもの(例えば、下記特許文献1を参照)や、FPR便槽を埋設したもの(下記特許文献2を参照)が既知である。
【特許文献1】特開2004−337397号公報
【特許文献2】特開平07−113340号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前者の下水道直結流下式災害用トイレは、下水本管が破損してしまうと使用不能になる。また、後者のピット貯留式災害用トイレは、地震に伴う液状化現象等によりFPR便槽が地中から浮き上がってしまうことがあり、その浮上防止対策が不可欠となる。
【0004】
しかも、両者ともに耐荷重が高くないため、大型車輌や重機類が通行する可能性のある道路下に敷設することは許されない。従って、植栽地等に敷設せざるを得ないが、その場合には車椅子の乗り入れ等に難を生ずる。
【0005】
以上に鑑みてなされた本発明は、下水道管の破損等の影響を受けず、道路下への敷設も可能な、好適な災害用トイレを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る災害用トイレは、地中に埋設しておき災害発生時に利用するものであって、屎尿の投入口、及び投入口を介して投入される屎尿を流す流路を有する流路コンクリートブロックと、前記流路に連通し底版面が当該流路よりも低位置にある溜桝コンクリートブロックとをPC鋼棒等を以て連結してなる。
【0007】
このようなものであれば、投入口から投入される屎尿を溜桝に流して貯留しておくことができるので、下水道管の破損の影響を受けない。コンクリートブロックの連結体は、従来より共同溝、下水道や地下道等に採用されてきた構造であり、耐震性及び耐荷重性に優れ、道路下への敷設も問題ない。また、自重も大きく、地中から浮き上がってしまうおそれが小さい。
【0008】
開閉弁を介して前記流路に連通する貯水槽を構成する貯水槽コンクリートブロックをさらに連結してあれば、貯水槽に貯蔵していた洗浄水を開閉弁から放流して屎尿を流すことができる。つまり、流路コンクリートブロック内の洗浄及び屎尿の溜桝コンクリートブロックへの収集を効率よく実行できる。
【0009】
前記投入口の上に設置される便器やテント等の物資を収納可能な収納空間を構成する倉庫コンクリートブロックをさらに連結してあれば、物資の置き場所に迷うことがなく、非常の際速やかに物資を取り出し使用に供することができる。
【0010】
前記流路コンクリートブロックは、例えば、ボックスカルバートの頂版に投入口を形成し、かつ底版における投入口の直下の位置に凹溝を形成して作製する。
【0011】
前記凹溝に樹脂を塗布しまたは樹脂製の樋を装着していれば、凹溝の洗浄がより容易になる。
【0012】
前記底版における凹溝近傍の両側部を凹溝に向かって徐々に低くなるように傾斜させていれば、屎尿を凹溝に集めることができ、凹溝経由で溜桝に押し流すのに都合がよい。
【0013】
前記流路コンクリートブロックの側壁及び頂版の少なくとも一部に消臭用塗料を塗布していれば、臭気を緩和して利用者の不快感を軽減できる。
【0014】
一個の前記流路コンクリートブロックに複数の投入口と複数の凹溝とを形成していれば、一個の流路コンクリートブロックあたり複数のトイレを設営可能であり、多人数での利用に適する。
【0015】
前記溜桝コンクリートブロックに排気口を形成していれば、排気ファンを設置して排気口から臭気を排気し、投入口から臭気が立ちのぼるのを抑えることができる。この排気口は、屎尿の汲取口を兼ねることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、下水道管の破損等の影響を受けず、道路下への敷設も可能な、好適な災害用トイレを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態の災害用トイレを、図1ないし図6に示す。本災害用トイレは、プレキャストコンクリート製のボックスカルバート10、20、30、40を連結してなり、避難場所の植栽地や道路下等に予め埋設しておく。本災害用トイレは、流路コンクリートブロック1と、溜桝コンクリートブロック2と、貯水槽コンクリートブロック3と、倉庫コンクリートブロック4とを主たる要素とする。
【0018】
流路コンクリートブロック1は、利用者が実際に用を足す場を構成する。流路コンクリートブロック1は、ボックスカルバート10の頂版に屎尿の投入口11を成形し、内空を屎尿の流路としたものである。流路コンクリートブロック1の底版面には、屎尿を溜桝2に向けて円滑に流すための凹溝13を形成してある。
【0019】
投入口11は、ボックスカルバート10の側壁寄りにあって、その鉛直下方に凹溝13が位置している。投入口11には金属製の蓋12を設置し、平時には完全密閉する。蓋12は、詳しくは図5に示しているように、筐体状の本体121にフラップ動作可能な扉122を枢着した部材である。本体121は、上面側では平面視略方形状に開口し、下面側では上面側よりも小形の孔となるように窄まった形で上下に貫通しており、扉122は上方からこの本体121を閉止する。なお、完全密閉蓋12、22、32、42を採用するのは、雨水や地下水が内部に侵入して溜まり使用時に支障を来すことを回避するためである。
【0020】
図4及び図6に示しているように、凹溝13は、ボックスカルバート10、20、30、40の連接方向(縦断方向)から見て略半円弧状をなし、連接方向に沿って延伸している。凹溝13の内周には、硬質合成樹脂製の樋14を装着する。この樋14は、例えば塩化ビニル管を半割にして作製する。但し、樋14を装着する替わりに、樹脂塗料を塗布してコーティングしてもよい。
【0021】
底版における、凹溝13近傍の両側部は、凹溝13に向かって徐々に低くなるように傾斜している。即ち、連接方向から見て、底版面が凹溝13を最下部中心としたすり鉢形状となっている。底版面には、樹脂塗料を塗布してコーティングする。
【0022】
また、ボックスカルバート10の両側壁の内側面の上半部及び頂版の略全面に、消臭効果のある空気触媒または吸着剤を添加した消臭用塗料を塗布する。
【0023】
本実施形態では、複数個のボックスカルバート10を連接して流路1を構築する。投入口11及び凹溝13は一個のボックスカルバート10あたり複数、図示例では二箇所存在し、それらが連接方向と直交する幅方向(横断方向)に並列している。これにより、多人数が同時に利用可能なトイレとなる。
【0024】
しかして、流路コンクリートブロック1を勾配をつけた状態で敷設し、その下流方に溜桝コンクリートブロック2を、上流方に貯水槽コンクリートブロック3をそれぞれ連接する。
【0025】
溜桝コンクリートブロック2は、各投入口11から投入され流路を流れてきた屎尿を貯留する。溜桝コンクリートブロック2は、ボックスカルバート20の端面にプレキャストコンクリート製の妻板23、24を接合し、頂版に屎尿の汲取口21を成形したものである。
【0026】
本実施形態では、複数個のボックスカルバート20を連接して溜桝の容積を拡張している。汲取口21は、これらボックスカルバート20に跨った平面視略丸孔状をなす。汲取口21には金属製の蓋22を設置し、平時には完全密閉する。この汲取口21は、使用時には臭気を排気する排気口として機能する。
【0027】
溜桝コンクリートブロック2の幅寸法は、流路コンクリートブロック1の幅寸法に略等しい。一方、溜桝コンクリートブロック2の上下寸法は、流路コンクリートブロック1の上下寸法よりも大きい。故に、溜桝コンクリートブロック2と流路コンクリートブロック1とを互いの頂版の高さを揃えて連接したときに、溜桝コンクリートブロック2の底版面が流路コンクリートブロック1の底版面よりも低位置となる。上流方の端面に接合した妻板24は、溜桝コンクリートブロック2の底版と流路コンクリートブロック1の底版との間隙を閉塞する。
【0028】
貯水槽コンクリートブロック3は、屎尿を溜桝2に向けて押し流し流路1を洗浄する洗浄水を貯蔵する。貯水槽コンクリートブロック3は、ボックスカルバート30の端面に隔壁となる妻板33、35を接合し、頂版に洗浄水の補給口31を成形したものである。
【0029】
補給口31は、平面視略丸孔状をなす。補給口31には金属製の蓋32を設置し、平時には完全密閉する。
【0030】
貯水槽コンクリートブロック3の幅寸法及び上下寸法はそれぞれ、流路コンクリートブロック1の幅寸法、上下寸法に略等しい。
【0031】
流路コンクリートブロック1に接合する側の隔壁33には、開閉弁34を設けている。開閉弁34は、幅方向の位置が凹溝13に略合致している。
【0032】
倉庫コンクリートブロック4は、トイレの設営に必要な各種物資を収納するための収納空間を構成する。倉庫コンクリートブロック4は、ボックスカルバート40の端面に妻板43を接合し、頂版に物資の出入口41を成形したものである。
【0033】
本実施形態では、複数個のボックスカルバート40を連接して倉庫の容積を拡張している。出入口41は、これらボックスカルバート40に跨った平面視略丸孔状をなす。出入口41には金属製の蓋42を設置し、平時には完全密閉する。
【0034】
倉庫コンクリートブロック4の幅寸法及び上下寸法はそれぞれ、流路コンクリートブロック1の幅寸法、上下寸法に略等しい。
【0035】
倉庫コンクリートブロック4は、貯水槽コンクリートブロック3に連接しているが、これ以外の場所、例えば溜桝コンクリートブロック2に連接しても構わない。
【0036】
各コンクリートブロック1、2、3、4を連結するには、ボックスカルバート10、20、30、40及び妻板23、24、33、35、43にPC鋼棒等の緊張材51、52、53を挿通または埋設しておき、これをジャッキで牽引し緊張力を付与して、ボックスカルバート10、20、30、40及び妻板23、24、33、35、43を圧着せしめる。ボックスカルバート10、20、40間、及びボックスカルバート10、20、30、40と妻板23、24、33、35、43との間には、弾性に優れた樹脂目地、例えば水膨張ゴムを基材としたシール材等を施す。
【0037】
本災害用トイレの使用に際しては、物資の出入口41、屎尿の投入口11、臭気の排気口21を閉止している蓋42、12、22を開き、倉庫4内に収納している便器(図示せず)、仮設テント(図示せず)、臭突61及び排気ファン62等を搬出する。そして、各投入口11の上に便器を設置し、かつ各投入口11の周囲にトイレのスペースを区画するテントを設立する。因みに、貯水槽3に隣接する最上流の投入口11は、貯水槽コンクリートブロック3の頂版上面を利用してスペースを大きくとることができる。同様に、溜桝2に隣接する最下流の投入口11も、溜桝コンクリートブロック2の頂版上面を利用してスペースを大きくとることができる。これらは、身体障害者優先用に割り当てるのがよい。
【0038】
加えて、図1に示しているように、臭突61及び排気ファン62を、排気口21の上に設置する。臭突61及び排気ファン62は、基底部に排気口21の周縁形状に対応した蓋63を備えているものである。蓋63は設置時に排気口21を概ね閉塞するが、蓋63の一部に上下に貫通する孔(図示せず)を穿設してあり、この孔に臭突61の下端部を嵌め込む等して溜桝2内と臭突61とを連通する。排気ファン62を分電盤、配電盤または発電機に接続して運転すれば、流路1及び溜桝2内の臭気が臭突61を介して外部に排気される。
【0039】
さらに、洗浄の必要に応じて貯水槽3の開閉弁34を開放し、貯蔵していた洗浄水を流路1の上流から下流ひいては溜桝2に向けて放流する。
【0040】
溜桝2に貯留した屎尿は、汲取口21即ち排気口から汲み取る。このとき、臭突61及び臭気ファン62を蓋63から取り外して蓋63に穿設している孔を開放しこの孔から汲み取りを行ってもよいし、蓋63を汲取口21から取り外し汲取口21を完全に開放して汲み取りを行ってもよい。
【0041】
本実施形態の災害用トイレは、屎尿の投入口11及び投入口11を介して投入される屎尿を流す流路を有する流路コンクリートブロック1と、前記流路に連通し底版面が当該流路よりも低位置にある溜桝コンクリートブロック2とをPC鋼棒51、52、53等を以て連結してなり、投入口11から投入される屎尿を溜桝2に流して貯留しておくことができるので、下水道管の破損の影響を受けない。コンクリートブロック1、2、3、4の連結体は、従来より共同溝、下水道や地下道等に採用されてきた構造であり、耐震性及び耐荷重性に優れ、道路下への敷設が可能である。また、自重も大きく、地中から浮き上がってしまうおそれが小さい。
【0042】
開閉弁34を介して前記流路に連通する貯水槽を構成する貯水槽コンクリートブロック3をさらに連結しているため、貯水槽に貯蔵していた洗浄水を開閉弁34から放流して屎尿を流すことができる。従って、流路コンクリートブロック1内の洗浄及び屎尿の溜桝コンクリートブロック2への収集を効率よく実行できる。
【0043】
前記投入口11の上に設置される便器やテント、臭突61や排気ファン62等の物資を収納可能な収納空間を構成する倉庫コンクリートブロック4をさらに連結しているため、物資の置き場所に迷うことがなく、非常の際速やかに物資を取り出し使用に供することができる。
【0044】
前記流路コンクリートブロック1は、ボックスカルバート10の頂版に投入口11を形成し、かつ底版における投入口11の直下の位置に凹溝13を形成して作製されるものであり、量産しやすい。
【0045】
前記凹溝13に樹脂を塗布しまたは樹脂製の樋14を装着しているため、凹溝13の洗浄が容易である。
【0046】
前記底版における凹溝13近傍の両側部を凹溝13に向かって徐々に低くなるように傾斜させているため、屎尿を凹溝13に集めることができ、凹溝13経由で溜桝に押し流すのに都合がよい。
【0047】
前記流路コンクリートブロック1の側壁及び頂版の少なくとも一部に消臭用塗料を塗布しているため、臭気を緩和して利用者の不快感を軽減できる。
【0048】
一個の前記流路コンクリートブロック1に複数の投入口11と複数の凹溝13とを形成しているため、一個の流路コンクリートブロック1あたり複数のトイレを設営可能であり、多人数での利用に適する。
【0049】
前記溜桝コンクリートブロック2に排気口21を形成しているため、排気ファン62を設置して排気口21から臭気を排気し、投入口11から臭気が立ちのぼるのを抑えることができる。排気口が屎尿の汲取口を兼ねるものとすれば、溜桝コンクリートブロック2に多数の孔を穿つ必要がなく、構造的強度が担保される。
【0050】
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態の非常用トイレを示す斜視図。
【図2】同側断面図。
【図3】同平面図。
【図4】同正断面図。
【図5】投入口及び蓋を示す要部側断面図。
【図6】同実施形態の非常用トイレを示す背断面図。
【符号の説明】
【0052】
1…流路コンクリートブロック
11…屎尿の投入口
13…凹溝
2…溜桝コンクリートブロック
21…排気口
3…貯水槽コンクリートブロック
34…開閉弁
4…倉庫コンクリートブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中に埋設しておき災害発生時に利用する災害用トイレであって、
屎尿の投入口、及び投入口を介して投入される屎尿を流す流路を有する流路コンクリートブロックと、
前記流路に連通し底版面が当該流路よりも低位置にある溜桝コンクリートブロックと
を連結している災害用トイレ。
【請求項2】
開閉弁を介して前記流路に連通する貯水槽を構成する貯水槽コンクリートブロックをさらに連結した請求項1記載の災害用トイレ。
【請求項3】
前記投入口の上に設置される便器やテント等の物資を収納可能な収納空間を構成する倉庫コンクリートブロックをさらに連結した請求項1または2記載の災害用トイレ。
【請求項4】
前記流路コンクリートブロックは、ボックスカルバートの頂版に投入口を形成し、かつ底版における投入口の直下の位置に凹溝を形成したものである請求項1、2または3記載の災害用トイレ。
【請求項5】
前記凹溝に樹脂を塗布しまたは樹脂製の樋を装着している請求項4記載の災害用トイレ。
【請求項6】
前記底版における凹溝近傍の両側部を凹溝に向かって徐々に低くなるように傾斜させている請求項4または5記載の災害用トイレ。
【請求項7】
前記流路コンクリートブロックの側壁及び頂版の少なくとも一部に消臭用塗料を塗布している請求項4、5または6記載の災害用トイレ。
【請求項8】
一個の前記流路コンクリートブロックに複数の投入口と複数の凹溝とを形成している請求項4、5、6または7記載の災害用トイレ。
【請求項9】
前記溜桝コンクリートブロックに排気口を形成している請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の災害用トイレ。
【請求項10】
前記溜桝コンクリートブロックに汲取口を形成しており、
前記汲取口の上に臭突を設置して当該汲取口を排気口として利用する請求項9記載の災害用トイレ。
【請求項11】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10記載の災害用トイレを構築するために用いられるものであって、
頂版に屎尿の投入口を形成し、かつ底版における投入口の直下の位置に凹溝を形成したボックスカルバート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−77773(P2009−77773A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−247506(P2007−247506)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000116769)旭コンクリート工業株式会社 (30)
【Fターム(参考)】