説明

災害避難所の暖房用具設営方法

【課題】 冬期に、地震・津波・火災・放射能汚染などの大災害が発生し、学校の体育館などに避難するが、ライフラインは全て断絶し、余震の危険性から石油ストーブは使えず屋外同様厳しい寒さの避難所で毛布にくるまって過ごさなければならない。体調を崩して亡くなる病人や高齢者もおり、「災害関連死」と言われている。
【解決手段】 避難所となる体育館等は天井が高いので熱が上に逃げてしまい、床上の部分は寒い。
そこで、出入口程度の高さにて、高所窓や天井灯の明かりが遮断されないように透明な断熱シートを室内全面に張り渡して覆い下部を遮蔽する。
次に、床上に畳大の発熱シート(24時間発熱持続可能なカイロの大きなもの)を敷き詰めて上に毛布を敷く。余震があっても安全で、暖かい避難所で過ごすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
公共施設となる災害の避難所に、効率的で安全な暖房用具を提供すること。
【背景技術】
【0002】
冬期に、地震・津波・火災・竜巻・噴火・洪水・放射能汚染などの大災害が発生し、学校の体育館などに避難するが、電話・電気・水道・ガス・灯油などのライフラインは全て断絶し、余震の危険性から石油ストーブは使えず、屋外同様厳しい寒さの避難所で毛布にくるまって過ごさなければならない。体調を崩して亡くなる病人や高齢者もおり、「災害関連死」と言われている。また、各自治体では非常食の備蓄はあるが、防寒用品は毛布と余震の散発時には危険で使えない石油ストーブのみである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような厳しい状況では、避難所の高い空間を仕切って狭くしてから、余震に対しても安全な単独発熱体で暖房をするのが最良である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
避難所となる体育館等は天井が高いので熱が上に逃げてしまい、床上の部分は寒い。
そこで、出入口程度の高さにて、高所窓や天井灯の明かりが遮断されないように透明な断熱シートを室内全面に張り渡して覆い下部を遮蔽する。
次に、床上に畳大の発熱シート(24時間発熱持続可能なカイロの大きなもの)を敷き詰めて上に毛布を敷く。余震があっても安全で、暖かい避難所で快適に過ごすことができる。なお、発熱シートは毎日ボランティアにより一斉に交換する。
そして、ライフラインの復旧により電気ストーブ、余震の終息により石油ストーブと暖房能力の大きいものに交換して行く。
【発明の効果】
【0005】
平成7年1月17日に発生した阪神淡路大震災、平成23年3月11日に発生した東日本大震災とも冬期であり、阪神淡路大震災では、兵庫県では919人が震災関連死と認められた。東日本大震災では厳寒の避難所で燃料が不足しインフルエンザが蔓延しており、震災関連死は阪神淡路大震災よりも増えるのでないかと言われている。
そこで、上記のような設営方法を実施することにより、関連死は僅少となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
避難所指定の体育館等はあらかじめ断熱シートを張り渡す位置にフックを取り付けておき、当該シートは細長い形状とし、両端にはリングを取り付けておく。
また、発熱シートには前後に把手を付けておく。
そして、災害発生時には、ボランティアにより迅速に設営する。
【実施例】
【0007】
全国の自治体では、東日本大震災の厳寒で食料も燃料も医師も不足した避難所実態の経験から避難所設置の見直しを図り、漸次「災害避難所の暖房用具設営方法」を全ての避難所に実施することになると思われる。
【産業上の利用可能性】
【0008】
平成23年3月11日に発生した「東日本大震災」を機に我が国の防災意識は大きく変わろうとしている。全国の自治体はこの畳大発熱シートを災害避難所の必需品として、備蓄するようになると思われる。
カイロのメーカーは、カイロを少量に製造する家庭用品メーカーから、発熱シートを大量に製造する公共施設メーカーとして、大きく発展するものと考える。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
災害の避難所に、出入口程度の高さで透明断熱シートを室内全面に張り渡して下部を遮蔽し、床上に畳大のカイロ様発熱シートを敷き詰めた災害避難所の暖房用具設営方法。

【公開番号】特開2012−68009(P2012−68009A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2011−105682(P2011−105682)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(593114153)
【Fターム(参考)】