説明

炭化水素化合物を使用することを含む昆虫と戦う方法

20個〜40個の炭素原子を含んでいるアルカン類又はアルケン類から選択される炭化水素化合物の混合物を使用することを含む昆虫と戦う方法。本発明による炭化水素化合物の混合物。本発明による炭化水素化合物の混合物を1種類又は数種類の殺虫剤化合物と混合して含んでいる殺虫剤組成物。有効量の該組成物で昆虫を処理する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化水素化合物を使用することを含む昆虫と戦う方法及びそのような炭化水素化合物の混合物を含んでいる殺虫剤組成物に関し、また、それらの殺虫剤組成物を使用することによる昆虫の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昆虫、とりわけ、集合性、社会性及び亜社会性の昆虫は、種間の認識のためのみではなく同一種の構成員間の認識のためにも炭化水素を使用し、その炭化水素は、それら昆虫の外骨格を覆っている。これらの炭化水素化合物は、接触することで昆虫により認識され、それらの行動に影響を及ぼす。炭化水素化合物は、昆虫の化学的識別特性を構成し、例えば集団での採集又は卵及び幼虫の移送などのさまざまな社会的行動を誘発する。
【0003】
昆虫の外骨格を覆っている炭化水素化合物が果たしている種間認識及び種内認識の機構における役割については、1991年の以下の論文に記載されている:Journal of Chemical Ecology,vol,17,1191,第2397〜2419頁、特に、第2398頁の最初の2つの段落。種の行動及び反応について研究するための炭化水素化合物の種々の抽出物で覆われているルアーの使用について開示されている。この文献には、炭化水素化合物と殺虫活性成分の会合について全く開示されておらず、また、昆虫と戦うための炭化水素化合物の使用についても全く開示されていない。
【0004】
社会性又は亜社会性の昆虫と戦うための特定の毒素(例えば、毒餌の形態にある特定の毒素)の使用は、専門家にはよく知られている。例えば、特許出願EP 0203413及びUS 4,205,066には、それぞれ、スズメバチ及びハエを誘引してそれらと戦うための炭化水素誘導体を含有する毒餌の使用について開示されている。スズメバチ及びハエの巣は小さく、僅かな個体しか含んでいない。巣の中で生活している構成員を包含するコロニーの種々の構成員の間において毒素が拡散しても、それは、一般に、当該種にとっては問題ではない。しかしながら、シロアリ、アリ、ゴキブリ、ハサミムシ及びバッタの巣は異なっている。それらは、数千の個体、場合によっては、数万の個体をも含んでいることがあり、一般に、非常に大規模である。これは、例えば、地下にあるシロアリの巣の場合であり、当該巣は、数千の個体、ときには、数万の個体を含み得る。当該巣は、一般に、散在していて、第二生殖カストを有する幾つかの衛星巣も含み得る。当該巣の構成要素間の連絡は、数十メートルの長さに及ぶこともある地下通路によって成され、その通路内で、同種間の接触が起こる。従って、シロアリ、アリ、ゴキブリ、ハサミムシ及びバッタと戦うために特許出願EP 0203413及びUS 4,205,066に記載されているタイプの毒餌を使用することは、コロニー全体、特に、巣の中で生活しているコロニーの一部分に作用させることが不可能であるという欠点を有する。毒素は、一般に、標的昆虫の集団のうちの当該毒素を食して当該毒素を直接摂取する一部分にのみ作用する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
驚くべきことに、特定の炭化水素化合物又はそれらの混合物を使用することにより、シロアリ、アリ、ゴキブリ、ハサミムシ及びバッタを含む群から選択される社会性、亜社会性又は集合性の昆虫と戦うために使用される毒素の効力を著しく向上させることができるということが見いだされた。そのような効力の向上は、特定の炭化水素化合物又はそれらの混合物により、毒素を直接に食する昆虫による当該毒素の吸収及び吸着が向上し、また、巣の中で生活しているコロニーの構成員を包含するコロニーの種々の構成員間の毒素の拡散が良好になるからである。そのような化合物を使用することにより、さらに、使用する毒素の量が低減され、また、毒餌を使用する場合には配置する毒餌の数も低減される。これにより、数ある有利点の中でも特に、処理コストが低減され、また、該毒素物質の環境中への拡散が低減される。
【0006】
従って、本発明の対象は、シロアリ、アリ、ゴキブリ、ハサミムシ及びバッタを含む群から選択される社会性、亜社会性又は集合性の昆虫と戦う方法であり、ここで、該方法は、20個〜40個の炭素原子を含んでいるアルカン類及びアルケン類の間で選択される炭化水素化合物の混合物を使用することを含む。
【0007】
本発明に関連して、用語「アルカン」及び「アルケン」には、直鎖化合物及び分枝鎖化合物が包含される。
【0008】
本発明に関連して、「社会性昆虫」は、異なったカスト間の分業及び異なった世代間の重複を有する階級社会で生活している昆虫を意味する。
【0009】
本発明に関連して、「亜社会性昆虫」は、親が幼虫の発育を少なくとも部分的に世話をする集団又は家族集団で生活している昆虫を意味する。
【0010】
本発明に関連して、「集合性昆虫」は、群れを成した状態のままでいる傾向及び群がる傾向を有する昆虫を意味する。
【0011】
本発明による炭化水素化合物の混合物を使用することにより、昆虫に対する「束縛(arresting)」効果を得ることができる。これは、接触するか又は近づくことで炭化水素化合物の当該混合物を昆虫が認識したときに、昆虫がその混合物に誘引されて当該昆虫の束縛行動が誘発されるか又は当該昆虫の動きがその混合物をデポジットさせた場所に制限されることを意味する。本発明による炭化水素化合物の混合物に気付いた昆虫は、その混合物に長時間にわたって接触したままでいる傾向を有する。さらに、そのような混合物を食するか又は移送した昆虫は、同種の他の昆虫と接触し、それにより、コロニー内の異なった構成員の間の当該混合物の分布が改善される。
【0012】
本発明は、シロアリ、アリ、ゴキブリ、ハサミムシ及びバッタを含む群から選択される社会性、亜社会性又は集合性の昆虫と戦う方法に関し、ここで、該方法は、20個〜40個の炭素原子を含んでいるアルカン類又はアルケン類を使用することを含む。好ましくは、使用するアルカン類又はアルケン類は、23個〜35個の炭素原子を含んでいる。さらに好ましくは、使用するアルカン類及びアルケン類は、25個〜27個の炭素原子を含んでいる。さらに好ましくは、、使用するアルカン類及びアルケン類は、11−メチルテトラコサン、5−メチルペンタコサン、11−メチルペンタコサン、(Z)−9−ペンタコセン、n−ペンタコサン、n−ヘキサコサン、5,17−ジメチルペンタコサン及び5−メチルテトラコサンを含む群から選択される。
【0013】
本発明による好ましい炭化水素化合物の混合物は、11−メチルペンタコサン、(Z)−9−ペンタコセン及びn−ペンタコサンを含んでいる(混合物A)。さらに好ましくは、以下の混合物(混合物A−1)を使用する:
・ 36〜51重量%の範囲の割合の11−メチルペンタコサン;
・ 16〜31重量%の範囲の割合の(Z)−9−ペンタコセン;
及び、
・ 26〜41重量%の範囲の割合のn−ペンタコサン。
【0014】
さらに好ましくは、以下の混合物(混合物A−2)を使用する:
・ 41〜46重量%の範囲の割合の11−メチルペンタコサン;
・ 21〜26重量%の範囲の割合の(Z)−9−ペンタコセン;
及び、
・ 31〜35重量%の範囲の割合のn−ペンタコサン。
【0015】
本発明による別の好ましい炭化水素混合物は、5−メチルペンタコサン、11−メチルペンタコサン、(Z)−9−ペンタコセン、n−ペンタコサン及びn−ヘキサコサンを含んでいる(混合物B)。さらに好ましくは、以下の混合物(混合物B−1)を使用する:
・ 4〜19重量%の範囲の割合の5−メチルペンタコサン;
・ 29〜43重量%の範囲の割合の11−メチルペンタコサン;
・ 12〜27重量%の範囲の割合の(Z)−9−ペンタコセン;
・ 20〜35重量%の範囲の割合のn−ペンタコサン;
及び、
・ 1〜10重量%の範囲の割合のn−ヘキサコサン。
【0016】
さらに好ましくは、以下の混合物(混合物B−2)を使用する:
・ 9〜14重量%の範囲の割合の5−メチルペンタコサン;
・ 34〜38重量%の範囲の割合の11−メチルペンタコサン;
・ 17〜22重量%の範囲の割合の(Z)−9−ペンタコセン;
・ 25〜30重量%の範囲の割合のn−ペンタコサン;
及び、
・ 3〜7重量%の範囲の割合のn−ヘキサコサン。
【0017】
本発明による別の好ましい炭化水素混合物は、11−メチルテトラコサン、5−メチルペンタコサン、11−メチルペンタコサン、(Z)−9−ペンタコセン、n−ペンタコサン、n−ヘキサコサン、5,17−ジメチルペンタコサン及び5−メチルテトラコサンを含んでいる(混合物C)。さらに好ましくは、以下の混合物(混合物C−1)を使用する:
・ 0.1〜10重量%の範囲の割合の11−メチルテトラコサン;
・ 3〜18重量%の範囲の割合の5−メチルペンタコサン;
・ 27〜41重量%の範囲の割合の11−メチルペンタコサン;
・ 11〜26重量%の範囲の割合の(Z)−9−ペンタコセン;
・ 19〜33重量%の範囲の割合のn−ペンタコサン;
・ 1〜10重量%の範囲の割合のn−ヘキサコサン;
・ 0.1〜5重量%の範囲の割合の5,17−ジメチルペンタコサン;
及び、
・ 0.1〜5重量%の範囲の割合の5−メチルテトラコサン。
【0018】
さらに好ましくは、以下の混合物(混合物C−2)を使用する:
・ 1〜5重量%の範囲の割合の11−メチルテトラコサン;
・ 8〜13重量%の範囲の割合の5−メチルペンタコサン;
・ 32〜36重量%の範囲の割合の11−メチルペンタコサン;
・ 16〜21重量%の範囲の割合の(Z)−9−ペンタコセン;
・ 24〜28重量%の範囲の割合のn−ペンタコサン;
・ 2〜7重量%の範囲の割合のn−ヘキサコサン;
・ 0.5〜3重量%の範囲の割合の5,17−ジメチルペンタコサン;
及び、
・ 0.5〜3重量%の範囲の割合の5−メチルテトラコサン。
【0019】
本発明による炭化水素化合物の混合物の充分な効果のためには、使用する該混合物の量は、標的昆虫種及び望まれる効力の強さに応じて変わり得る。好ましくは、0.000001〜1g/mの本発明による炭化水素化合物の混合物を使用する。さらに好ましくは、0.00001〜0.5g/mの本発明による炭化水素化合物の混合物を使用する。さらに好ましくは、0.0001〜0.2g/mの本発明による炭化水素化合物の混合物を使用する。これらの量は、実際的な面から見れば、0.0001〜100μg/cm、好ましくは、0.001〜50μg/cm、さらに好ましくは、0.01〜20μg/cmの範囲の本発明による炭化水素化合物の混合物の使用量と同等である。
【0020】
従って、本発明の対象は、シロアリ、アリ、ゴキブリ、ハサミムシ及びバッタを含む群から選択される社会性、亜社会性又は集合性の昆虫と戦う方法であって、ここで、該方法は、上記で定義した炭化水素化合物の混合物を使用することを含む。好ましくは、上記で説明した方法により処理される昆虫は、シロアリ又はアリである。さらに好ましくは、上記で説明した方法により処理される昆虫は、シロアリである。
【0021】
本発明による特定の炭化水素化合物の混合物は、新規である。従って、本発明は、さらにまた、11−メチルペンタコサン、(Z)−9−ペンタコセン及びn−ペンタコサンを含んでいる炭化水素化合物の混合物(混合物A)にも関する。好ましくは、本発明は、以下の混合物(混合物A−1)に関する:
・ 36〜51重量%の範囲の割合の11−メチルペンタコサン;
・ 16〜31重量%の範囲の割合の(Z)−9−ペンタコセン;
及び、
・ 26〜41重量%の範囲の割合のn−ペンタコサン。
【0022】
さらに好ましくは、本発明は、以下の混合物(混合物A−2)に関する:
・ 41〜46重量%の範囲の割合の11−メチルペンタコサン;
・ 21〜26重量%の範囲の割合の(Z)−9−ペンタコセン;
及び、
・ 31〜35重量%の範囲の割合のn−ペンタコサン。
【0023】
本発明の対象である別の混合物は、5−メチルペンタコサン、11−メチルペンタコサン、(Z)−9−ペンタコセン、n−ペンタコサン及びn−ヘキサコサンを含んでいる炭化水素化合物の混合物(混合物B)である。好ましくは、本発明は、以下の混合物(混合物B−1)に関する:
・ 4〜19重量%の範囲の割合の5−メチルペンタコサン;
・ 29〜43重量%の範囲の割合の11−メチルペンタコサン;
・ 12〜27重量%の範囲の割合の(Z)−9−ペンタコセン;
・ 20〜35重量%の範囲の割合のn−ペンタコサン;
及び、
・ 1〜10重量%の範囲の割合のn−ヘキサコサン。
【0024】
さらに好ましくは、本発明は、以下の混合物(混合物B−2)に関する:
・ 9〜14重量%の範囲の割合の5−メチルペンタコサン;
・ 34〜38重量%の範囲の割合の11−メチルペンタコサン;
・ 17〜22重量%の範囲の割合の(Z)−9−ペンタコセン;
・ 25〜30重量%の範囲の割合のn−ペンタコサン;
及び、
・ 3〜7重量%の範囲の割合のn−ヘキサコサン。
【0025】
本発明の対象である別の混合物は、11−メチルテトラコサン、5−メチルペンタコサン、11−メチルペンタコサン、(Z)−9−ペンタコセン、n−ペンタコサン、n−ヘキサコサン、5,17−ジメチルペンタコサン及び5−メチルテトラコサンを含んでいる炭化水素化合物の混合物(混合物C)である。好ましくは、本発明は、以下の混合物(混合物C−1)に関する:
・ 0.1〜10重量%の範囲の割合の11−メチルテトラコサン;
・ 3〜8重量%の範囲の割合の5−メチルペンタコサン;
・ 27〜31重量%の範囲の割合の11−メチルペンタコサン;
・ 11〜26重量%の範囲の割合の(Z)−9−ペンタコセン;
・ 19〜23重量%の範囲の割合のn−ペンタコサン;
・ 1〜10重量%の範囲の割合のn−ヘキサコサン;
・ 0.1〜5重量%の範囲の割合の5,17−ジメチルペンタコサン;
及び、
・ 0.1〜5重量%の範囲の割合の5−メチルテトラコサン。
【0026】
さらに好ましくは、本発明は、以下の混合物(混合物C−2)に関する:
・ 1〜5重量%の範囲の割合の11−メチルテトラコサン;
・ 8〜13重量%の範囲の割合の5−メチルペンタコサン;
・ 32〜36重量%の範囲の割合の11−メチルペンタコサン;
・ 16〜21重量%の範囲の割合の(Z)−9−ペンタコセン;
・ 24〜28重量%の範囲の割合のn−ペンタコサン;
・ 2〜7重量%の範囲の割合のn−ヘキサコサン;
・ 0.5〜3重量%の範囲の割合の5,17−ジメチルペンタコサン;
及び、
・ 0.5〜3重量%の範囲の割合の5−メチルテトラコサン。
【0027】
本発明の別の対象は、上記で定義されている炭化水素化合物の混合物及び1種類又は数種類の殺虫剤化合物を含んでいる殺虫剤組成物である。
【0028】
本発明に関連して使用し得る殺虫剤化合物の中で、以下のものを例として挙げることができる:アバメクチン、アセフェート、アセタミプリド、アクリナトリン、アラニカルブ、アルジカルブ、アレスリン、アルファ−シペルメトリン、リン化アルミニウム、アミトラズ、アザディラクチン、アザメチホス、アジンホス−エチル、アジンホス−メチル、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ベータ−シフルトリン、ベータ−シペルメトリン、ビフェントリン、ビオアレスリン、ビオアレスリン S−シクロペンチル異性体、ビオレスメトリン、ビストリフルロン、ボラックス(borax)、ブプロフェジン、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カズサホス、シアン化カルシウム、多硫化カルシウム、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、カルタップ、クロルダン、クロルエトキシホス、クロルフェナピル、クロルフェンビンホス、クロルフルアズロン、クロルメホス、クロロピクリン、クロルピリホス、クロルピリホス−メチル、クロマフェノジド、クロチアニジン、クマホス、クリオライト(cryolite)、シアノホス、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン、シフェノトリン、シロマジン、ダゾメット(dazomet)、デルタメトリン、ジメトン−S−メチル、ジアフェンチウロン、ダイアジノン、ジクロルボス、ジクロトホス、ジシクラニル、ジフルベンズロン、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジノテフラン、ダイスルホトン、エマメクチン、エマメクチン安息香酸塩、エムペントリン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチオフェンカルブ、エチオン、エチプロール(ethiprole)、エトプロホス、二臭化エチレン、エトフェンプロックス、エトキサゾール、ファムフール、フェニトロチオン、フェノブカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンチオン、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルシクロクスロン、フルシトリネート、フルフェノクスロン、フルメトリン、ホルメタネート、ホルメタネート塩酸塩、ホスチアゼート、フラチオカルブ、ハロフェノジド、ヘプタクロール(heptachlor)、ヘプテノホス、ヘキサフルムロン、ヒドラメチルノン、ハイドロプレン、イミダクロプリド、イミプロトリン、インドキサカルブ、イソフェンホス、イソプロカルブ、O−(メトキシアミノチオホスホリル)サリチル酸イソプロピル、イソキサチオン、ラムダ−シハロトリン、ペルフルオロオクタンスルホン酸リチウム、ルフェヌロン、リン化マグネシウム、マラチオン、メカルバム、塩化第一水銀、メタム、メタム−ナトリウム、メタミドホス、メチダチオン、メチオカルブ、メソミル、メトプレン、メソスリン(methothrin)、メトキシクロル、メトキシフェノジド、メチルイソチオシアネート、メトルカルブ、メビンホス、ミルベメクチン、モノクロトホス、ナレド、ナフタレン化合物、ニコチン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、ノビフルムロン、オメトエート、オキサミル、オキシジメトン−メチル、パラチオン、パラチオン−メチル、ペンタクロロフェノール(pentachlorophenol)、ラウリン酸ペンタクロロフェニル、ペルメトリン、石油、フェノトリン、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホスファイン(phosphine)、ホキシム、ピリミカーブ、ピリミホス−メチル、プラレトリン、プロフェノホス、プロパホス、プロペタムホス、プロポクスル、プロチオホス、ピメトロジン、ピラクロホス、ピレトリン類、ピレトリン類、ピレトリン類、ピリダベン、ピリダフェンチオン、ピリミジフェン、ピリプロキシフェン、キナルホス、レスメトリン、ロテノン(rotenone)、サバジラ(sabadilla)、シラフルオフェン、シアン化ナトリウム、ナトリウムペンタクロロフェノキシド、スピノサド、スルコフロン(sulcofuron)、スルコフロンナトリウム(sulcofuron-sodium)、スルフルラミド、スルホテップ、フッ化スルフリル、スルプロホス、タウ−フルバリネート、テブフェノジド、テブピリムホス(tebupirimfos)、テブルベンズロン(teblubenzuron)、テフルトリン、テメホス、テルブホス、テトラクロロビンホス、テトラメトリン、テトラメトリン、シータ−シペルメトリン(theta-cypermethrin)、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオファノックス、チオメトン、チオスルタップ−ナトリウム(thiosultap-sodium)、トルフェンピラド、トラロメトリン、トランスフルトリン、トリアザメート、トリアゾホス、トリクロルホン、トリブルムロン(triblumuron)、トリメタカルブ、バミドチオン、キシリルカルブ、ゼータ−シペルメトリン及びリン化亜鉛。
【0029】
これらの化合物の中で、フィプロニル、クロルフェナピル、スピノサド、チアメトキサム、イミダクロプリド、インドキサカルブ、クロチアニジン、アセタミプリド、ジノテフラン、フロニカミド、ニテンピラム、ニチアジン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノビフルムロン、トリフルムロン又はエチプロールを使用するのが好ましい。さらに好ましくは、フィプロニル、クロルフェナピル、スピノサド、チアメトキサム、イミダクロプリド又はエチプロールを使用する。さらに好ましくは、イミダクロプリド又はフィプロニルを使用する。
【0030】
本発明の好ましい殺虫剤組成物の中で、以下の組成物を例として挙げることができるが、それらに限定されることはない。
【0031】
【表1】



【0032】
本発明の殺虫剤組成物は、場合により、1種類又は数種類の界面活性剤(tensioactive agent)及び1種類又は数種類の支持体(support)を含有し得る。
【0033】
本発明によれば、界面活性剤は、イオン性若しくは非イオン性の乳化剤、分散剤若しくは湿潤剤を意味するか、又は、そのような界面活性剤の混合物を意味する。例えば、以下のものを挙げることができる:ポリアクリル酸塩、リグノスルホン酸塩、フェノールスルホン酸塩若しくはナフタレンスルホン酸塩、エチレンオキシドと脂肪アルコールの重縮合物若しくはエチレンオキシドと脂肪酸の重縮合物若しくはエチレンオキシドと脂肪アミンの重縮合物、置換されているフェノール(特に、アルキルフェノール又はアリールフェノール)、スルホコハク酸エステルの塩、タウリン誘導体(特に、アルキルタウレート)、アルコールのリン酸エステル若しくはポリオキシエチル化フェノールのリン酸エステル、脂肪酸及びポリオールエステル、並びに、上記化合物の硫酸官能基誘導体、スルホネート及びホスフェート。該活性物質及び/又は該不活性支持体が水不溶性である場合、及び、施用のための媒介物(vector agent)が水である場合、一般に、少なくとも1種類の界面活性剤を存在させることが必要である。
【0034】
本発明の殺虫剤組成物は、求められる効力及び標的昆虫に応じて、極めて様々な割合で炭化水素化合物の混合物を含有し得る。好ましくは、本発明の組成物は、0.000001重量%〜99.99重量%の本発明による炭化水素化合物の混合物、好ましくは、0.0001重量%〜99.99重量%、さらに好ましくは、0.01重量%〜99.99重量%の本発明による炭化水素化合物の混合物を含有し得る。
【0035】
本発明の殺虫剤組成物は、さまざまな形態で使用し得るが、その中で、以下のものを挙げることができる:油性溶液剤、乳剤、水和剤、液体製剤、特に、水性懸濁液剤又は水性エマルション剤、顆粒剤、粉末剤、ペースト剤、エマルション剤、濃厚懸濁液剤、及び、これらのさまざまな形態の可能な混合物、会合物又は組合せ物。
【0036】
本発明の殺虫剤組成物は、多くの種類の製剤の形態をとり得る。従って、これらの組成物は、以下の形態で使用することができる:水溶性包装(water soluble package)の形態;毒餌の形態、例えば、即時使用可能な(ready-to-use)毒餌、毒餌を調製するための濃厚物、ストック中の毒餌、穀粒上の毒餌、顆粒化毒餌、プレート中の毒餌又はチップ上の毒餌など;燻蒸剤の形態、例えば、発煙筒、発煙カートリッジ、発煙顆粒(smoke granule)、スモークスティック、発煙錠剤(smoke tablet)又はスモークボックス;顆粒の形態、例えば、カプセル粒剤、細粒剤、大粒剤(macrogranule)、微粒剤、水分散性の粒剤若しくは錠剤、又は、水溶性の粒剤若しくは錠剤;粉末剤の形態、例えば、可溶性粉末剤、トラックパウダー、水和剤、粉吹き用粉末剤(powder for powdering)、湿潤処理用水和剤(wettable powder for moist treatment)、種子処理用可溶性粉末剤、又は、油中分散用粉末剤;濃厚懸濁液剤(これは、液化可能濃厚物(liquefiable concentrate)とも称される)の形態;油で希釈可能な濃厚懸濁液剤の形態;微量散布(very low volume application)用懸濁液剤の形態;エマルション剤の形態、例えば、水性エマルション剤、又は、油性/逆エマルション剤;ゲル剤の形態;圧縮ガス剤の形態;ガス生成剤(gas generating product)の形態;油混和性液剤の形態;ペースト剤の形態;可溶性濃厚物の形態;種子処理用液剤の形態;カプセル懸濁液の形態;乳剤の形態;微量散布用液剤の形態;蒸気拡散性製剤(steam spreading product)の形態;エーロゾル生成剤(aerosol generator)の形態;冷噴霧用製剤(product for cold nebulization)の形態;又は、温噴霧用製剤(product for hot nebulization)の形態。
【0037】
好ましくは、本発明の殺虫剤は、水溶性包装、濃厚懸濁液剤、顆粒剤、毒餌又は燻蒸剤の形態をとり得る。
【0038】
本発明による炭化水素化合物の混合物を1種類又は数種類の上記殺虫剤化合物と混合して使用することにより、該組成物と接触するか及び/又は該組成物を食するコロニーの構成員に対する該毒素の効力が著しく増強される。それは、該炭化水素化合物の混合物の束縛効果により、当該構成員が長時間にわたり該殺虫剤組成物と接触した状態のままでいるか及び/又は当該組成物をさらに多く食するからである。さらに、本発明による炭化水素化合物の混合物を1種類又は数種類の上記殺虫剤化合物と混合して使用することにより、巣の中にいる構成員を包含するコロニーの他の構成員に対する毒素の効力も著しく増強される。それは、常に該炭化水素化合物の混合物の束縛効果により、本発明による殺虫剤組成物を食した昆虫は、はるかに多くの量をコロニーの他の構成員のところに運んでいくからである。
【0039】
本発明の組成物は、シロアリ、アリ、ゴキブリ、ハサミムシ及びバッタを含む群から選択される社会性、亜社会性又は集合性の昆虫との戦いにおいて使用することができる。従って、本発明の対象は、さらに、シロアリ、アリ、ゴキブリ、ハサミムシ及びバッタを含む群から選択された社会性、亜社会性又は集合性の昆虫を有効量の上記で説明した殺虫剤組成物を用いて処理する方法である。
【0040】
本発明に関連して、「有効量」は、社会性若しくは亜社会性の昆虫の数を減じるか、又は、それらを排除するのに充分な本発明組成物の量を意味する。有利には、そのような量は、当該コロニーを完全に破壊する。
【0041】
好ましくは、本発明は、シロアリ又はアリに対する処理方法に関する。さらに好ましくは、本発明は、シロアリに対する処理方法に関する。
【0042】
以下の実施例は、本発明を非限定的な方法で例証するために記載されている。
【実施例】
【0043】
実施例1: 5−メチルペンタコサン、11−メチルペンタコサン、(Z)−9−ペンタコセン、n−ペンタコサン及びn−ヘキサコサンを含んでいる本発明の混合物(混合物B)のシロアリの集団に対する「束縛」効果の実例
Reticulitermes santonensis−flavipesの20匹のシロアリ(働きアリ)を、以下のものを含んでいる5cmのペトリ皿の中に置く:
・ 底に2mmのフォンテーヌブローの湿った砂;
・ 11.4重量%の5−メチルペンタコサンと36.3重量%の11−メチルペンタコサンと19.6重量%の(Z)−9−ペンタコセンと27.7重量%のn−ペンタコサンと5重量%のn−ヘキサコサンを含んでいる50μLの炭化水素化合物の混合物で処理した1cmの正方形の濾紙(この炭化水素化合物の混合物は、ペンタンに溶解させて、濾紙にデポジットさせる。該シロアリは、ペンタンを完全に蒸発させた後で、処理した濾紙に接触させた状態で置く。);
・ 処理していない1cmの正方形の濾紙。
【0044】
次いで、1時間後、2時間後及び4時間後に、濾紙の2枚のシートのそれぞれの下に見いだされたシロアリの数を数える。
【0045】
この試験は、完全に同じように5回繰り返す。
【0046】
試験に供される炭化水素化合物の混合物を溶解させるのに用いたペンタンで処理した濾紙と未処理濾紙を使用し、完全にペンタンを蒸発させた後で初めてシロアリを処理した濾紙に接触させて同じ条件下で実施する対照試験も、5回行う。
【0047】
次いで、得られた結果について、Χ(カイ二乗)法により統計的に解析する。認められた分布を理論上の分布(各濾紙の下に10匹のシロアリ)と比較する。有意性閾値α(5%)に対して、得られた値は基準値と有意に異なっており、従って、被験混合物の束縛効果が認められる(Χ>9.48)。
【0048】
該混合物は、さまざまな濃度(10−1g/mL,10−2g/mL,10−3g/mL及び10−4g/mL)で試験した。得られた結果は、下記表に要約してある。
【0049】
【表2】


【0050】
【表3】


【0051】
【表4】


【0052】
これらの結果により示されるように、試験に供した炭化水素化合物の混合物について、試験した全ての濃度において有意な束縛効果(Χ試験で確認されている)が認められる。炭化水素混合物の濃度が高くなると、その混合物のより迅速な束縛効果が認められる。
【0053】
実施例2: 11−メチルテトラコサン、5−メチルペンタコサン、11−メチルペンタコサン、(Z)−9−ペンタコセン、n−ペンタコサン、n−ヘキサコサン、5,17−ジメチルペンタコサン及び5−メチルテトラコサンを含んでいる本発明の混合物(混合物C)のシロアリの集団に対する「束縛」効果の実例
Reticulitermes santonensisの20匹のシロアリ(働きアリ)を、以下のものを含んでいる直径5cmのペトリ皿の中に置く:
・ 底に2mmのフォンテーヌブローの湿った砂;
・ 3.3%の11−メチルテトラコサンと10.7重量%の5−メチルペンタコサンと34.2重量%の11−メチルテトラコサンと18.5重量%の(Z)−9−ペンタコセンと26.1重量%のn−ペンタコサンと4.7重量%のn−ヘキサコサンと1.1%の5,17−ジメチルペンタコサンと1.4%の5−メチルテトラコサンを含んでいる50μLの炭化水素化合物の混合物で処理した1cmの正方形の濾紙(この炭化水素化合物の混合物は、ペンタンに溶解させて、濾紙にデポジットさせる。該シロアリは、ペンタンを完全に蒸発させた後で、処理した濾紙に接触させた状態で置く。);
・ 処理していない1cmの正方形の濾紙。
【0054】
次いで、1時間後、2時間後及び4時間後に、濾紙の2枚のシートのそれぞれの下に見いだされたシロアリの数を数える。
【0055】
この試験は、完全に同じように5回繰り返す。
【0056】
試験に供される炭化水素化合物の混合物を溶解させるのに用いたペンタンで処理した濾紙と未処理濾紙を使用し、完全にペンタンを蒸発させた後で初めてシロアリを処理した濾紙に接触させて同じ条件下で実施する対照試験も、5回行う。
【0057】
次いで、得られた結果について、Χ(カイ二乗)法により統計的に解析する。認められた分布を理論上の分布(各濾紙の下に10匹のシロアリ)と比較する。有意性閾値α(5%)に対して、得られた値は基準値と有意に異なっており、従って、被験混合物の束縛効果が認められる(Χ>9.48)。
【0058】
該混合物は、さまざまな濃度(10−1g/mL,10−2g/mL,10−3g/mL及び10−4g/mL)で試験した。得られた結果は、下記表に要約してある。
【0059】
【表5】


【0060】
【表6】


【0061】
【表7】


【0062】
これらの結果により示されるように、試験に供した炭化水素化合物の混合物について、有意な「束縛」効果(Χ試験で確認されている)が認められる。炭化水素混合物の濃度が高くなると、その混合物のより迅速な束縛効果が認められる。
【0063】
実施例3: 5−メチルペンタコサン、11−メチルペンタコサン、(Z)−9−ペンタコセン、n−ペンタコサン及びn−ヘキサコサンを含んでいる混合物(混合物B)を添加したことによるシロアリの集団のさまざまな構成員間の殺生物剤の伝播の改善の実例
この実験は、底に5mmのフォンテーヌブローの湿った砂を含んでいるLAB試験箱(36cm×24cm)の中で実施し、3回繰り返す。この箱の中に、直径5mmの穴が開けられている立方体のフォームからなるマトリックスを配置し、その上に、ポプラ材の小片(1cm×2cm×2cm)を置く。
【0064】
この実験に使用する殺生物剤は、フィプロニルである。
【0065】
該マトリックスに、5mLの放射性殺生物剤を噴霧する。4つの面にのみ噴霧する。該マトリックスの上面と底面は処理しない。
【0066】
可能な限り正確に自然な状況を再現するために、該箱の中にポプラ材の処理されていない小片も配置する。
【0067】
該箱を、底に5cmのフォンテーヌブローの湿った砂を含んでいるLAB試験箱(12cm×9cm)で同様に構成されている小さな巣に連結する。
【0068】
この実験の配置については、以下のように図示することができる。
【0069】
【化1】

【0070】
合計で6回の実験を行った。
【0071】
3回の実験は、放射性殺生物性製品に加えて、マトリックスに炭化水素化合物の混合物を噴霧しないで実施する。
【0072】
3回の実験は、放射性殺生物性製品に加えて、マトリックスに、11.4重量%の5−メチルペンタコサンと36.3重量%の11−メチルペンタコサンと19.6重量%の(Z)−9−ペンタコセンと27.7重量%のn−ペンタコサンと5重量%のn−ヘキサコサンを含んでいる炭化水素化合物の混合物を噴霧して実施する。
【0073】
Reticulitermes santonensの1000匹のシロアリ(働きアリ)を上記小さな巣の中に入れ、シロアリに食物を与えないようにするために、また、シロアリを小さな巣の人工的な環境に慣らすために、その巣を5日間閉じる。次いで、その小さな巣を開け、シロアリが該マトリックスを含んでいる上記箱に自由に出入りできるようにする。この実験の間、24時間毎に50匹のシロアリを小さな巣から(小さな巣の開口部から)採取し、直接にシンチレーション液の中で押しつぶす。次いで、得られた溶液の放射能を測定する。
【0074】
得られた結果については、下記グラフで要約する(このグラフにおいて、−HCは、試験に供される炭化水素化合物の混合物をマトリックスに噴霧していない試験で放射能を測定したことを意味し、+HCは、試験に供される炭化水素化合物の混合物をマトリックスに噴霧した試験で放射能を測定したことを意味する)。測定された放射能が大きいほど、より多くの殺生物性物質がシロアリにより吸収されており、また、コロニーの他の構成員に対する伝播が良好である。
【0075】
【化2】

【0076】
これらの結果は、試験に供された炭化水素化合物の混合物を添加したことにより、小さな巣の開口の4日後から、シロアリのコロニーのさまざまな構成員の間の殺生物性物質の拡散が明らかに改善されたことを示している。
【0077】
実施例4: 炭化水素化合物の混合物(11.4重量%の5−メチルペンタコサン;36.3重量%の11−メチルペンタコサン;19.6重量%の(Z)−9−ペンタコセン;27.7重量%のn−ペンタコサン;及び、5重量%のn−ヘキサコサン)及び殺虫剤化合物(フィプロニル)を含んでいる組成物の殺虫活性の実例
この実験は、底に2mmのフォンテーヌブローの湿った砂を含んでいるLAB試験箱(6cm×9cm)の中で実施し、5回繰り返す。この箱の中に、直径5mmの穴が開けられている立方体のフォームからなるマトリックスを配置し、その上に、ポプラ材の小片(1cm×2cm×2cm)を置く。該フォームには、コールドフィプロニルを含浸させる。該マトリックスには、11.4%の5−メチルペンタコサンと36.3%の11−メチルペンタコサンと19.6%の(Z)−9−ペンタコセンと27.7%のn−ペンタコサンと5%のn−ヘキサコサンを含んでいる炭化水素化合物の混合物を噴霧する。4つの面にのみ噴霧する。該マトリックスの上面と底面は処理しない。
【0078】
可能な限り正確に自然な状況を再現するために、該箱の中にポプラ材の処理されていない小片も配置する。
【0079】
Reticulitermes santonensの100匹のシロアリ(働きアリ)を該箱の中に入れ、3日後にそれらの死亡率について評価する。さまざまな濃度のコールドフィプロニルについて試験する:0.5ppm、1ppm、2ppm、5ppm及び7ppm。得られた結果は、下記表に要約してある。
【0080】
【表8】


【0081】
これらの結果は、炭化水素化合物の混合物(11.4%の5−メチルペンタコサン;34.2%の11−メチルペンタコサン;19.6%の(Z)−9−ペンタコセン;27.7%のn−ペンタコサン;及び、5%のn−ヘキサコサン)と一緒にフィプロニルを含んでいる組成物の殺虫活性を示しており、それは、特定に薬量において、3日でシロアリのコロニーの半分以上を破壊することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シロアリ、アリ、ゴキブリ、ハサミムシ及びバッタを含む群から選択される社会性、亜社会性又は集合性の昆虫と戦う方法であって、20個〜40個の炭素原子を含んでいるアルカン類及びアルケン類から選択される炭化水素化合物の混合物を使用することを含む、前記方法。
【請求項2】
前記アルカン類及びアルケン類が23個〜35個の炭素原子を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アルカン類及びアルケン類が25個〜27個の炭素原子を含んでいることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記アルカン類及びアルケン類が、11−メチルテトラコサン、5−メチルペンタコサン、11−メチルペンタコサン、(Z)−9−ペンタコセン、n−ペンタコサン、n−ヘキサコサン、5,17−ジメチルペンタコサン及び5−メチルテトラコサンを含む群から選択されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記炭化水素化合物の混合物が、11−メチルペンタコサン、(Z)−9−ペンタコセン及びn−ペンタコサンを含んでいることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記炭化水素化合物の混合物が、下記:
・ 36〜51重量%の範囲の割合の11−メチルペンタコサン;
・ 16〜31重量%の範囲の割合の(Z)−9−ペンタコセン;
及び、
・ 26〜41重量%の範囲の割合のn−ペンタコサン;
のとおりであることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記炭化水素化合物の混合物が、5−メチルペンタコサン、11−メチルペンタコサン、(Z)−9−ペンタコセン、n−ペンタコサン及びn−ヘキサコサンを含んでいることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記炭化水素化合物の混合物が、下記:
・ 4〜19重量%の範囲の割合の5−メチルペンタコサン;
・ 29〜43重量%の範囲の割合の11−メチルペンタコサン;
・ 12〜27重量%の範囲の割合の(Z)−9−ペンタコセン;
・ 20〜35重量%の範囲の割合のn−ペンタコサン;
及び、
・ 1〜10重量%の範囲の割合のn−ヘキサコサン;
のとおりであることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記炭化水素化合物の混合物が、11−メチルテトラコサン、5−メチルペンタコサン、11−メチルペンタコサン、(Z)−9−ペンタコセン、n−ペンタコサン、n−ヘキサコサン、5,17−ジメチルペンタコサン及び5−メチルテトラコサンを含んでいることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記炭化水素化合物の混合物が、下記:
・ 0.1〜10重量%の範囲の割合の11−メチルテトラコサン;
・ 3〜18重量%の範囲の割合の5−メチルペンタコサン;
・ 27〜41重量%の範囲の割合の11−メチルペンタコサン;
・ 11〜26重量%の範囲の割合の(Z)−9−ペンタコセン;
・ 19〜33重量%の範囲の割合のn−ペンタコサン;
・ 1〜10重量%の範囲の割合のn−ヘキサコサン;
・ 0.1〜5重量%の範囲の割合の5,17−ジメチルペンタコサン;
及び、
・ 0.1〜5重量%の範囲の割合の5−メチルテトラコサン;
のとおりであることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
11−メチルペンタコサン、(Z)−9−ペンタコセン及びn−ペンタコサンを含んでいる、炭化水素化合物の混合物。
【請求項12】
前記化合物が、下記の割合:
・ 36〜41重量%の範囲の割合の11−メチルペンタコサン;
・ 16〜31重量%の範囲の割合の(Z)−9−ペンタコセン;
及び、
・ 26〜41重量%の範囲の割合のn−ペンタコサン;
で存在していることを特徴とする、請求項11に記載の混合物。
【請求項13】
5−メチルペンタコサン、11−メチルペンタコサン、(Z)−9−ペンタコセン、n−ペンタコサン及びn−ヘキサコサンを含んでいる、炭化水素化合物の混合物。
【請求項14】
前記化合物が、下記の割合:
・ 4〜19重量%の範囲の割合の5−メチルペンタコサン;
・ 29〜43重量%の範囲の割合の11−メチルペンタコサン;
・ 12〜27重量%の範囲の割合の(Z)−9−ペンタコセン;
・ 20〜35重量%の範囲の割合のn−ペンタコサン;
及び、
・ 1〜10重量%の範囲の割合のn−ヘキサコサン;
で存在していることを特徴とする、請求項13に記載の混合物。
【請求項15】
11−メチルテトラコサン、5−メチルペンタコサン、11−メチルペンタコサン、(Z)−9−ペンタコセン、n−ペンタコサン、n−ヘキサコサン、5,17−ジメチルペンタコサン及び5−メチルテトラコサンを含んでいる、炭化水素化合物の混合物。
【請求項16】
前記化合物が、下記の割合:
・ 0.1〜10重量%の範囲の割合の11−メチルテトラコサン;
・ 3〜18重量%の範囲の割合の5−メチルペンタコサン;
・ 27〜41重量%の範囲の割合の11−メチルペンタコサン;
・ 11〜26重量%の範囲の割合の(Z)−9−ペンタコセン;
・ 19〜33重量%の範囲の割合のn−ペンタコサン;
・ 1〜10重量%の範囲の割合のn−ヘキサコサン;
・ 0.1〜5重量%の範囲の割合の5,17−ジメチルペンタコサン;
及び、
・ 0.1〜5重量%の範囲の割合の5−メチルテトラコサン;
で存在していることを特徴とする、請求項15に記載の混合物。
【請求項17】
請求項1〜10の1項で定義されている炭化水素化合物の混合物及び1種類又は数種類の殺虫剤化合物を含んでいる殺虫剤組成物。
【請求項18】
前記殺虫剤化合物が、フィプロニル、クロルフェナピル、スピノサド、チアメトキサム、イミダクロプリド、インドキサカルブ、クロチアニジン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノビフルムロン、トリフルムロン及びエチプロールを含む群から選択されることを特徴とする、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記殺虫剤化合物がイミダクロプリドであることを特徴とする、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記殺虫剤化合物がフィプロニルであることを特徴とする、請求項18に記載の組成物。
【請求項21】
有効量の請求項18〜20の1項に記載の組成物を使用する、昆虫の処理方法。
【請求項22】
処理される前記昆虫がシロアリであることを特徴とする、請求項21に記載の方法。

【公表番号】特表2007−537202(P2007−537202A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−512129(P2007−512129)
【出願日】平成17年5月9日(2005.5.9)
【国際出願番号】PCT/EP2005/006050
【国際公開番号】WO2005/107459
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(506377282)
【出願人】(593174249)サントル・ナシオナル・ドウ・ラ・ルシエルシユ・シアンテイフイク(セー・エヌ・エール・エス) (4)
【Fターム(参考)】