説明

炭酸風呂

【課題】炭酸風呂モードの際に利用者の手間を煩わせることなく、エネルギーを節約しつつ、通常風呂モードにおける場合と同じ温まり感、快適性を得る。
【解決手段】炭酸ガスを溶解させた湯を浴槽2に供給する炭酸風呂モードと、炭酸ガスを溶解しない湯を浴槽2に供給する通常風呂モードとを備える。通常風呂モードにおける設定温度が任意の設定温度に設定されている状態で、炭酸風呂モードで運転する際の加熱温度を、前記通常風呂モードにおける任意の設定温度よりも低い温度に変更するように制御する制御部4を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸風呂に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、湯に炭酸ガスを混入して溶解する炭酸風呂が特許文献1により知られている。
【0003】
炭酸風呂は、湯に炭酸ガスが溶け込んでいるため炭酸ガスによる入浴者の末梢血管の拡張作用等で血行を促進し、入浴者に対する保温作用があり、また、末梢循環障害の治療に効果があると言われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−215270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
炭酸風呂を家庭に設置する場合、個人の好みや体調により炭酸ガスを溶解した炭酸ガス溶解湯で炭酸浴をしたい場合と、炭酸ガスを溶解しない通常の入浴をしたい場合とがある。このため、加熱部から浴槽に供給する湯に炭酸ガスを溶解する炭酸風呂モードと、湯に炭酸ガスを溶解しない通常風呂モードとを設け、いずれかのモードを選択して湯張りをおこなうことができるようにする必要がある。
【0006】
しかしながら、湯に炭酸ガスを溶解する場合と、溶解しない場合とでは、同じ温まり感、快適性が得られる湯温が異なる。例えば、炭酸ガスを溶解しない通常風呂モードにおいて、湯温を例えば42℃に設定した場合の温まり感と同じ温まり感が、炭酸風呂モードにおいては湯温が38〜39℃で得られると言われている。
【0007】
また、最近の加熱部は、湯張り温度を予め任意の湯温に設定し、「自動湯張り」釦を押すのみで浴槽に上記予め設定した任意の湯温で浴槽に湯張りするようになっている。
【0008】
しかし、通常風呂モードにおける設定温度と同じ温まり感を炭酸風呂モード運転時に得るには、手動で設定温度を低く設定する必要がある。例えば、通常風呂モードにおける設定温度を42℃に設定してある場合、この通常風呂モードにおける湯温42℃の温まり感を炭酸風呂モードの際に得るには、設定温度を手動で38〜39℃に設定し直す必要があり、面倒である。
【0009】
また、炭酸風呂モード運転時に湯温の設定温度を変更せずに「自動湯張り」釦を押すと、通常風呂モードと比べて熱く感じるため水で薄めなければならず、エネルギーの浪費につながると共に水で薄めるための手間が必要である。
【0010】
本発明は、上記の従来の問題点に鑑みて発明したもので、炭酸風呂モードの際に利用者の手間を煩わせることなく、エネルギーを節約しつつ、通常風呂モードにおける場合と同じ温まり感、快適性を得ることができる炭酸風呂を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の炭酸風呂は、炭酸ガスを溶解させた湯を浴槽2に供給する炭酸風呂モードと、炭酸ガスを溶解しない湯を浴槽2に供給する通常風呂モードとを備え、通常風呂モードにおける設定温度が任意の設定温度に設定されている状態で、炭酸風呂モードで運転する際の加熱温度を、前記通常風呂モードにおける任意の設定温度よりも低い温度に変更するように制御する制御部4を設けて成ることを特徴とする。
【0012】
このように構成することで、炭酸風呂モードにおける入浴、通常モードにおける入浴を選択することができる。そして、炭酸風呂モード運転において、通常風呂モードとほぼ同じ温まり感、快適性を得るに当たり、湯水の設定温度を手動で設定し直したり、水で薄めたりする必要がない。
【0013】
また、湯張りの湯量が少ない半身浴運転において炭酸風呂モードで運転する際の加熱温度を、通常風呂モードにおける浴設定温度と同じ温度となるように制御する制御部4を設けることが好ましい。
【0014】
身体の半身のみが湯に浸かる半身浴においては、通常風呂モードにおける設定温度と同じ温度に加熱することで、炭酸風呂モードにおける半身浴の温まり感、快適性を得ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、通常風呂モードにおける設定温度が任意の設定温度に設定されている状態で、炭酸風呂モードで運転する際の加熱温度を、前記通常風呂モードにおける任意の設定温度よりも低い温度に変更するように制御する制御部を設けるので、湯水の設定温度を手動で設定し直したり、水で薄めたりする必要がなく、この結果、炭酸風呂モードの際に利用者の手間を煩わせることなく、エネルギーを節約しつつ、通常風呂モードにおける場合と同じ温まり感、快適性を得ることができる。
【0016】
また、湯張りの湯量が少ない半身浴運転において炭酸風呂モードで運転する際、加熱部による加熱温度を、通常風呂モードにおける設定温度と同じ温度に制御するものにおいては、炭酸風呂モードにおける半身浴が、通常風呂モードにおける半身浴とほぼ同じ温まり感、快適性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態の概略構成図である。
【図2】同上の制御ブロック図である。
【図3】同上の通常風呂モードにおける湯張りを示す説明図である。
【図4】同上の炭酸風呂モードにおける湯張りを示す説明図である。
【図5】同上の追い焚きを示す説明図である。
【図6】本発明の他の実施形態の制御ブロック図である。
【図7】本発明の他の実施形態の概略構成図である。
【図8】本発明の更に他の実施形態の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0019】
図1には本発明の炭酸風呂の一実施形態の概略構成図を示しており、図2には本発明の制御ブロック図を示している。
【0020】
浴槽2には供給口5と吸込口6を設けており、図1においては供給口5と吸込口6を一つの供給・吸込アダプタ7に設け、この供給・吸込アダプタ7を浴槽2に取付けている。
【0021】
供給口5に供給路8の一端部を接続し、吸込口6に戻し路9の一端部を接続している。
【0022】
供給路8の他端部と戻し路9の他端部を連通接続して循環路11を構成しており、この供給路8の他端部と戻し路9の他端部の連通接続部分に水道水が供給される給水路10の先端部を連通接続している。
【0023】
給水路10に弁17を設けており、供給路8には給水路10から供給される水を加熱する加熱部1を設けている。
【0024】
加熱部1は、例えば、供給路8の一部が熱交換部1aとなっていて、この熱交換部1aを、図示を省略したバーナなどの熱源により加熱した熱媒との熱交換で加熱したり、あるいは、熱交換部1aをバーナで加熱することで、熱交換部1aを通る水を加熱して目的とする温度の湯を形成するようになっている。
【0025】
ここで、加熱部1で加熱される湯の温度は、操作盤12に設けた湯温設定釦21を操作することで、制御部4により湯温調整手段18を制御して任意の設定温度になるように制御される。湯温調整手段18としては、例えば、給水路10に設けた弁17の開き度を調整することによる給水路10からの水の給水量の調整、後述の循環ポンプ3による浴槽2内の湯の循環量の調整、熱交換部1aを加熱する熱媒の流量調整又は熱媒の供給間隔の調整、あるいは、バーナにより与えられる熱量の調整等を挙げることができる。
【0026】
供給路8の加熱部1より下流に炭酸ガスを混入して溶解する炭酸ガス溶解部13を設けている。
【0027】
炭酸ガス溶解部13に炭酸ガス供給路14の一端部を接続し、炭酸ガス供給路14の他端部に炭酸ガスボンベ15を接続しており、炭酸ガス供給路14の途中に弁16を設けている。
【0028】
戻し路9には循環ポンプ3、サーミスタのような湯温検知手段19、弁20を設けている。湯温検知手段19は循環ポンプ3よりも下流側(加熱部1に近い側)に設け、更に、弁20は湯温検知手段19よりも下流側に設けている。
【0029】
なお、図1の実施形態では給水路10、戻し路9にそれぞれ弁17、20を設けた例を示しているが、これらの弁17、20に代えて給水路10と戻し路9と供給路8が三方切替弁を介して連通接続するように構成してもよい。
【0030】
操作盤12には前述の湯温設定釦21の他に、電源釦22、モード設定釦23、自動湯張り釦24、湯張り量設定釦25、追い焚き釦26を設けてあり、更に、図示を省略しているが、たし湯をするためのたし湯釦等が設けてある。また、操作盤12には表示部27が設けてある。
【0031】
本実施形態において、加熱部1で加熱された湯に炭酸ガスを溶解して浴槽2に供給する炭酸風呂モードと、炭酸ガスを溶解しない湯を浴槽2に供給する通常風呂モードとを備えており、操作盤12に設けたモード設定釦23を操作することで、炭酸風呂モード、通常風呂モードのいずれかを選択できるようになっている。
【0032】
そして、本実施形態においては、加熱部1で加熱する通常風呂モードにおける設定温度が任意の設定温度に設定されている状態で、炭酸風呂モードで運転する際、加熱部1による加熱温度を、前記通常風呂モードにおける任意の設定温度よりも低い温度に変更するように制御部4により制御されるように構成している。
【0033】
つまり、操作盤12において、湯温設定釦21を操作して、湯温の設定温度を例えば42℃に設定すると、操作盤12の表示部27に湯温の設定温度が42℃と表示され、この状態で、通常風呂モードで運転すると、表示部27に風呂モードが通常風呂モードであることが表示される。通常風呂モードで運転する場合は、自動湯張り釦24を操作することで後述のようにして運転される(詳細な運転の説明は後述する)。この場合、加熱部1では湯温調整手段18により湯温が42℃となるように制御される。
【0034】
上記のように、前回の風呂モードが、通常風呂モードで、加熱部1で加熱する湯温の設定温度が例えば上記のように42℃に設定されている状態で、次回に炭酸風呂モードで運転すると、炭酸風呂モードでの加熱部1における湯の加熱が42−X℃の湯温となるように湯温調整手段18が制御されるようになっている。この場合、同時に表示部27には風呂モードが炭酸風呂モードの表示に自動的に変更して表示されると共に湯温の設定温度が42−X℃に自動的に変更して表示される。
【0035】
上記炭酸風呂モードにおいて通常風呂モードにおける設定温度よりも低い温度に変更する制御について、変更する温度は季節によって異ならせるように制御する。
【0036】
夏季は3℃程度下げるのがちょうど良く、冬季は1℃程度下げるのがちょうどよい。したがって、例えば、通常風呂モードにおける設定温度を上記例のように42℃とした場合、夏季における炭酸風呂モードにおいては39℃、冬季における炭酸風呂モードにおいては41℃とする。この場合、外気温度に応じて何度下げるか制御するものであり、外気温度の監視に当たっては、給湯器に備わっている凍結防止で使用している外気温サーミスタを使用することで、専用のサーミスタが不要となる。
【0037】
また、前回の風呂モードが、炭酸風呂モードで、次回に通常風呂モードで運転する場合は、上記とは逆に湯温の設定温度が自動的に変更され、また、表示部27における風呂モードの表示及び湯温の設定温度の表示が上記とは逆に自動的に変更して表示される。
【0038】
例えば、前回の風呂モードが、炭酸風呂モードで、加熱部1で加熱する湯温の設定温度が例えば42−X℃に設定されている状態で、次回に通常風呂モードで運転すると、加熱部1における湯の加熱が42℃の湯温となるように湯温調整手段18が制御され、同時に表示部27には風呂モードが通常風呂モードの表示に自動的に変更して表示されると共に湯温の設定温度が42℃に自動的に変更して表示される。
【0039】
これにより、炭酸風呂モード運転と通常風呂モードとでほぼ同じ温まり感、快適性を得ることができる。
【0040】
次に、図3乃至図5に基づいて、通常風呂モードの運転、炭酸風呂モードの運転につき説明する。
【0041】
通常風呂モードに設定して運転する場合は、まず、電源釦22をオン操作する。電源がオンになると表示部27に前回の運転モード、湯温の設定温度、設定湯量が表示される。
【0042】
表示部27に表示された運転モードが通常風呂モードの場合はそのまま、炭酸風呂モードの場合はモード設定釦23を操作して通常風呂モードに設定する。ここで、前回の風呂モードが通常風呂モードの場合は、表示部27には前回の通常風呂モードに対応した設定温度が表示されるが、前回の風呂モードが炭酸風呂モードの場合は、通常風呂モードに切り替えると表示部27に表示されている設定温度が、通常風呂モードに対応した設定温度(つまり炭酸風呂モードの設定温度+X℃)に自動的に変更表示される。
【0043】
また、表示部27には前回の設定湯量が表示される。
【0044】
表示部27に設定された通常風呂モードに対応した設定温度、設定湯量を変えない場合はそのまま、変える場合は湯温設定釦21、湯張り量設定釦25を操作して任意の設定温度、設定湯量にする。
【0045】
その後、自動湯張り釦24をオン操作すると、制御部4により弁17を開、弁20を閉、循環ポンプ3をオフ、弁16を閉になるように制御すると共に、湯温調整手段18を制御して、図3の矢印のように、給水路10から供給される水を加熱部1で操作盤12で設定された通常風呂モードに対応した設定温度に加熱して供給路8の端部の供給口5から浴槽2内に供給する。
【0046】
このようにして操作盤12で設定された通常風呂モードに対応した設定温度の湯を操作盤12で設定された設定湯量となるように湯張りする。そして、設定湯量になると、図示を省略している湯量測定手段により検出し、制御部4により弁17を閉、弁20を閉、循環ポンプ3をオフ、弁16を閉になるように制御すると共に、湯温調整手段18による加熱を停止する。
【0047】
上記のようにして湯張りが終了すると、一定時間毎に、湯温検知手段19により戻し路9内の湯温を検知するよう制御される。そして、湯温検知手段19により湯温が通常風呂モードに対応した設定温度よりも低い追い焚き温度に低下したことを検知すると、制御部4により、弁17を閉、弁20を開、循環ポンプ3をオン、弁16を閉になるように制御すると共に、湯温調整手段18を制御して、図5の矢印のように、浴槽2内の湯を吸込口6から循環路11に吸込み、加熱部1で加熱して供給口5から浴槽2に供給する。そして、湯温が通常風呂モードに対応した設定温度になると湯温検知手段19で検知し、制御部4により弁17を閉、弁20を閉、循環ポンプ3をオフ、弁16を閉になるように制御すると共に、湯温調整手段18による加熱を停止する。
【0048】
一方、炭酸風呂モードに設定して運転する場合は、まず、電源釦22をオン操作する。電源がオンになると表示部27に前回の運転モード、湯温の設定温度、設定湯量が表示される。
【0049】
表示部27に表示された運転モードが炭酸風呂モードの場合はそのまま、通常風呂モードの場合はモード設定釦23を操作して炭酸風呂モードに設定する。ここで、前回の風呂モードが炭酸風呂モードの場合は、表示部27には前回の炭酸風呂モードに対応した設定温度が表示されるが、前回の風呂モードが通常風呂モードの場合は、炭酸風呂モードに切り替えると表示部27に表示されている設定温度が、炭酸風呂モードに対応した設定温度(つまり通常風呂モードの設定温度−X℃)に自動的に変更表示される。
【0050】
また、表示部27には前回の設定湯量が表示される。なお、表示部27に設定された炭酸風呂に対応した設定温度、設定湯量を変えない場合はそのまま、変える場合は湯温設定釦21、湯張り量設定釦25を操作して任意の設定温度、設定湯量にする。
【0051】
その後、自動湯張り釦24をオン操作すると、制御部4により弁17が開、弁20を閉、循環ポンプ3をオフ、弁16を開になるように制御すると共に、湯温調整手段18を制御して、図4の矢印のように、給水路10から供給される水を加熱部1で操作盤12で設定された設定温度に加熱し、加熱された湯に炭酸ガス溶解部13で炭酸ガスを混入溶解し、この炭酸ガス溶解湯を供給口5から浴槽2内に供給する。
【0052】
このようにして操作盤12で設定された炭酸風呂モードに対応した設定温度の湯を操作盤12で設定された設定湯量となるように炭酸ガス溶解湯を湯張りする。そして、設定湯量になると、図示を省略している湯量測定手段により検出し、制御部4により弁17を閉、弁20を閉、循環ポンプ3をオフ、弁16を閉になるように制御すると共に、湯温調整手段18による加熱を停止する。
【0053】
上記のようにして炭酸ガス溶解湯の湯張りが終了すると、湯温検知手段19により所定間隔をおいて湯温の検知を行い、湯温検知手段19により湯温が炭酸風呂モードに対応した設定温度よりも低い追い焚き温度に低下したことを検知すると、前述の通常風呂モードと同様に、制御部4により制御して、図5の矢印のように、炭酸ガス溶解湯を循環させ、湯温が炭酸風呂モードに対応した設定温度になると制御部4により弁17を閉、弁20を閉、循環ポンプ3をオフ、弁16を閉になるように制御すると共に、湯温調整手段18による加熱を停止する。
【0054】
なお、上記例では、炭酸風呂モードにおける追い焚きの際に、炭酸ガス供給路14に設けた弁16を閉にした例で説明したが、炭酸風呂モードにおける追い焚きの際に弁16を開にして炭酸ガスの混入溶解を行うように制御してもよい。
【0055】
次に、本発明の他の実施形態として、上記の実施形態の構成に加え、更に湯張りに当たって半身浴用の湯張りができる構成となっている実施形態につき説明する。
【0056】
本実施形態の基本的な構成、通常風呂モード、炭酸風呂モードにおける運転制御は前述の実施形態と同様なので省略し、以下、異なる構成につき説明する。
【0057】
本実施形態においては、図6に示すように、操作盤12に前述した各釦に加え、更に半身浴設定釦30を設けている。
【0058】
そして、半身浴をする場合は、まず、電源釦22をオン操作する。次に、通常風呂モード又は炭酸風呂モードのいずれかを選択すると共に、半身浴設定釦30を操作する。この場合、半身浴設定釦30の操作は風呂モードを選択する前又は後のいずれであってもよい。
【0059】
半身浴設定釦30を操作すると、表示部27に半身浴表示がされ、更に、半身浴用のあらかじめ設定された湯量が表示され、設定温度の表示は風呂モードが通常風呂モード、炭酸風呂モードのいずれかにかかわらず、通常風呂モードに対応した温度が表示される。
【0060】
つまり、前回の風呂モードが通常風呂モードの場合は、前回の通常風呂モードに対応した設定温度が表示部27に表示され、前回の風呂モードが炭酸風呂モードの場合は、炭酸風呂モードに対応した設定温度+X℃の設定温度、つまり、通常風呂モードにおける設定温度が表示される。
【0061】
なお、上記のように半身浴用の湯温設定(通常風呂モードの場合と同じ湯温)、湯量設定の表示がなされた状態で、必要に応じて更に湯温設定釦21、湯張り量設定釦25を操作して湯温、湯量の設定を変更してもよい。
【0062】
次に、自動湯張り釦24を操作することで、湯温調整手段18を制御して加熱部1において設定された湯温に加熱されて浴槽2に供給され、半身浴用に設定された湯量になるまで湯張りされる。
【0063】
また、半身浴運転における追い焚きも前述の実施形態と同様である。
【0064】
ここで、全身浴においては、炭酸風呂モードの方は通常風呂モードよりも低い湯温で同じ温まり感、快適感を得ることができるが、半身浴の場合は、身体の湯に浸かる部分が前述のような全身浴の場合に比べて少ないので、炭酸風呂モードの湯温を通常風呂モードの湯温よりも低くすると、同じ温まり感、快適感を得ることができない。
【0065】
しかしながら、本実施形態においては、上記のように、炭酸風呂モードにおける半身浴運転の場合も、通常風呂モードにおける半身浴運転の場合における設定温度と同じ湯温となるように制御されるので、同じ温まり感、快適感で半身浴ができる。
【0066】
前記図1に示す実施形態では、同一の加熱部1で湯張りの際の加熱と、追い焚きの際の加熱を行うシステムの例で説明したが、図7、図8のように、加熱部1を、湯張り用の加熱部1Aと、これと別の追い焚き用の加熱部1Bで構成してもよい。なお、図中36は給湯装置である。図7、図8においては、作図上、追い焚き用の加熱部1Bを給湯装置36と別位置に記載しているが、実際は給湯装置36に湯張り用の加熱部1Aと追い焚き用の加熱部1Bを備えている。
【0067】
以下、図7に示す実施形態を説明する。
【0068】
図7に示す実施形態は、加熱部1を、湯張り用の加熱部1Aと、湯張り用の加熱部1Aとは別の追い焚き用の加熱部1Bで構成したもので、循環路11における供給路8の他端部と戻し路9の他端部の連通接続部分に、湯張り用の加熱部1Aで加熱された湯を供給する給湯路34の先端部を連通接続している。
【0069】
給湯路34の途中は、湯のみを通過させる第1給湯路34aと、炭酸ガス溶解部13を設けた第2給湯路34bとに分岐してあり、下流側で再び一つの給湯路34として合流している。
【0070】
第1給湯路34aと、第2給湯路34bの炭酸ガス溶解部13の上流側にはそれぞれ弁35a、35bを設けている。
【0071】
図7において、上記説明以外の構成は、図1に示す構成と同じであるので説明は省略する。なお、図1と同じ構成には同じ符号を付している。
【0072】
この図7に示す実施形態において通常風呂モードに設定して運転する場合は、図1の実施形態と同様、電源釦22をオン操作し、次に、表示部27に表示された運転モードが通常風呂モードの場合はそのまま、炭酸風呂モードの場合はモード設定釦23を操作して通常風呂モードに設定する。また、表示部27に設定された設定温度、設定湯量を変えない場合はそのまま、変える場合は湯温設定釦21、湯張り量設定釦25を操作して任意の設定温度、設定湯量にする。その後、自動湯張り釦24をオン操作すると、制御部4により弁35aを開、弁35bを閉、弁20を閉、循環ポンプ3をオフ、弁16を閉になるように制御すると共に、湯温調整手段18を制御して、追い焚き用の加熱部1Bをオフ、湯張り用の加熱部1Aをオンにし、湯張り用の加熱部1Aで操作盤12で設定された設定温度に加熱した湯を給湯路34に供給し、第1給湯路34aを通過して供給路8を経て供給口5から浴槽2内に供給する。
【0073】
このようにして操作盤12で設定された設定温度の湯を操作盤12で設定された設定湯量となるように湯張りする。そして、設定湯量になると、制御部4により弁35aを閉、弁35bを閉、弁20を閉、循環ポンプ3をオフ、弁16を閉になるように制御すると共に、湯温調整手段18による湯張り用の加熱部1Aでの加熱を停止する。
【0074】
上記のようにして湯張りが終了すると、一定時間(例えば10分)毎に、湯温検知手段19により戻し路9内の湯温を検知するよう制御する。そして、湯温検知手段19により湯温が設定温度よりも低い追い焚き温度に低下したことを検知すると、制御部4により、弁35aを閉、弁35bを閉、弁20を開、循環ポンプ3をオン、弁16を閉になるように制御すると共に、湯温調整手段18を制御して、湯張り用の加熱部1Aをオフ、追い焚き用の加熱部1Bをオンにする。これにより、浴槽2内の湯を吸込口6から循環路11に吸込み、追い焚き用の加熱部1Bで加熱して供給口5から浴槽2に供給する。そして、湯温が設定温度になると湯温検知手段19で検知し、制御部4により弁35aを閉、弁35bを閉、弁20を閉、循環ポンプ3をオフ、弁16を閉になるように制御すると共に、湯温調整手段18による追い焚き用の加熱部1Bの加熱を停止する。
【0075】
一方、炭酸風呂モードに設定して運転する場合は、図1の実施形態と同様、運転モードが炭酸風呂モードの場合はそのまま、また、通常風呂モードの場合はモード設定釦23を操作して炭酸風呂モードに設定する。また、表示部27に設定された設定温度、設定湯量を変えない場合はそのまま、変える場合は湯温設定釦21、湯張り量設定釦25を操作して任意の設定温度、設定湯量にする。その後、自動湯張り釦24をオン操作すると、制御部4により弁35aを閉、弁35bを開、弁20を閉、循環ポンプ3をオフ、弁16を開になるように制御すると共に、湯温調整手段18を制御して、追い焚き用の加熱部1Bをオフ、湯張り用の加熱部1Aをオンにし、湯張り用の加熱部1Aで操作盤12で設定された設定温度に加熱した湯を給湯路34に供給し、第2給湯路34bを通過して供給路8を経て供給口5から浴槽2内に供給する。
【0076】
上記湯張り時に、第2給湯路34bを湯が流れる際、加熱された湯に炭酸ガス溶解部13で炭酸ガスを混入溶解し、この炭酸ガス溶解湯を上記のように供給口5から浴槽2内に供給する。
【0077】
このようにして操作盤12で設定された設定温度の湯を操作盤12で設定された設定湯量となるように炭酸ガス溶解湯を湯張りする。そして、設定湯量になると、制御部4により弁35aを閉、弁35bを閉、弁20を閉、循環ポンプ3をオフ、弁16を閉になるように制御すると共に、湯温調整手段18による湯張り用の加熱部1Aでの加熱を停止する。
【0078】
上記のようにして炭酸ガス溶解湯の湯張りが終了すると、湯温検知手段19により所定間隔をおいて湯温の検知を行い、湯温検知手段19により湯温が設定温度よりも低い追い焚き温度に低下したことを検知すると、前述の通常風呂モードと同様に、制御部4により制御して、弁35aを閉、弁35bを閉、弁20を開、循環ポンプ3をオン、弁16を閉になるように制御すると共に、湯温調整手段18を制御して、湯張り用の加熱部1Aをオフ、追い焚き用の加熱部1Bをオンにする。これにより、浴槽2内の湯を吸込口6から循環路11に吸込み、追い焚き用の加熱部1Bで加熱して供給口5から浴槽2に供給する。そして、湯温が設定温度になると湯温検知手段19で検知し、制御部4により弁35aを閉、弁35bを閉、弁20を閉、循環ポンプ3をオフ、弁16を閉になるように制御すると共に、湯温調整手段18による追い焚き用の加熱部1Bの加熱を停止する。
【0079】
次に、図8に示す本発明の他の実施形態につき説明する。本実施形態は、加熱部1を、湯張り用の加熱部1Aと、これと別の湯張り用の加熱部1Aとは別の追い焚き用の加熱部1Bで構成している。
【0080】
本実施形態では給水路10に炭酸ガス溶解部13を設け、この給水路10の炭酸ガス溶解部13より下流側に湯水混合部37を設け、この湯水混合部37に湯張り用の加熱部1Aで加熱された湯を供給する給湯路34の先端部を連通接続している。
【0081】
給湯路34には弁38を設けている。図8において、上記説明以外の構成は、図1に示す構成と同じであるので説明は省略する。なお、図1と同じ構成には同じ符号を付している。
【0082】
この図8に示す実施形態において通常風呂モードに設定して運転する場合は、図1の実施形態と同様、電源釦22をオン操作し、次に、表示部27に表示された運転モードが通常風呂モードの場合はそのまま、炭酸風呂モードの場合はモード設定釦23を操作して通常風呂モードに設定する。また、表示部27に設定された設定温度、設定湯量を変えない場合はそのまま、変える場合は湯温設定釦21、湯張り量設定釦25を操作して任意の設定温度、設定湯量にする。その後、自動湯張り釦24をオン操作すると、制御部4により弁38を開、弁17を開、弁20を閉、循環ポンプ3をオフ、弁16を閉になるように制御すると共に、湯温調整手段18を制御して、追い焚き用の加熱部1Bをオフ、湯張り用の加熱部1Aをオンにし、湯張り用の加熱部1Aで加熱された湯と給水路10を供給される水の湯水混合部37における混合割合を調整することで、操作盤12で設定された設定温度に加熱した湯を供給口5から浴槽2内に供給する。
【0083】
このようにして操作盤12で設定された設定温度の湯を操作盤12で設定された設定湯量となるように湯張りする。そして、設定湯量になると、制御部4により弁38を閉、弁17を閉、弁20を閉、循環ポンプ3をオフ、弁16を閉になるように制御すると共に、湯温調整手段18による湯張り用の加熱部1Aでの加熱を停止する。
【0084】
上記のようにして湯張りが終了すると、一定時間(例えば10分)毎に、湯温検知手段19により戻し路9内の湯温を検知するよう制御する。そして、湯温検知手段19により湯温が設定温度よりも低い追い焚き温度に低下したことを検知すると、制御部4により、弁38を閉、弁17を閉、弁20を開、循環ポンプ3をオン、弁16を閉になるように制御すると共に、湯温調整手段18を制御して、湯張り用の加熱部1Aをオフ、追い焚き用の加熱部1Bをオンにする。これにより、浴槽2内の湯を吸込口6から循環路11に吸込み、追い焚き用の加熱部1Bで加熱して供給口5から浴槽2に供給する。そして、湯温が設定温度になると湯温検知手段19で検知し、制御部4により弁38を閉、弁17を閉、弁20を閉、循環ポンプ3をオフ、弁16を閉になるように制御すると共に、湯温調整手段18による追い焚き用の加熱部1Bの加熱を停止する。
【0085】
一方、炭酸風呂モードに設定して運転する場合は、図1の実施形態と同様、運転モードが炭酸風呂モードの場合はそのまま、また、通常風呂モードの場合はモード設定釦23を操作して炭酸風呂モードに設定する。また、表示部27に設定された設定温度、設定湯量を変えない場合はそのまま、変える場合は湯温設定釦21、湯張り量設定釦25を操作して任意の設定温度、設定湯量にする。その後、自動湯張り釦24をオン操作すると、制御部4により弁38を閉、弁17を開、弁20を閉、循環ポンプ3をオフ、弁16を開になるように制御すると共に、湯温調整手段18を制御して、追い焚き用の加熱部1Bをオフ、湯張り用の加熱部1Aをオンにし、湯張り用の加熱部1Aで加熱された湯と給水路10を供給される水の湯水混合部37における混合割合を調整することで、操作盤12で設定された設定温度に加熱した湯を供給口5から浴槽2内に供給する。
【0086】
上記湯張り時に、給水路10を流れる水が炭酸ガス溶解部13を通過する際、炭酸ガス溶解部13で炭酸ガスを混入溶解し、この炭酸ガス溶解湯を上記のように供給口5から浴槽2内に供給する。
【0087】
このようにして操作盤12で設定された設定温度の湯を操作盤12で設定された設定湯量となるように炭酸ガス溶解湯を湯張りする。そして、設定湯量になると、制御部4により弁38を閉、弁17を閉、弁20を閉、循環ポンプ3をオフ、弁16を閉になるように制御すると共に、湯温調整手段18による湯張り用の加熱部1Aでの加熱を停止する。
【0088】
上記のようにして炭酸ガス溶解湯の湯張りが終了すると、湯温検知手段19により所定間隔をおいて湯温の検知を行い、湯温検知手段19により湯温が設定温度よりも低い追い焚き温度に低下したことを検知すると、前述の通常風呂モードと同様に、制御部4により制御して、弁38を閉、弁17を閉、弁20を開、循環ポンプ3をオン、弁16を閉になるように制御すると共に、湯温調整手段18を制御して、湯張り用の加熱部1Aをオフ、追い焚き用の加熱部1Bをオンにする。これにより、浴槽2内の湯を吸込口6から循環路11に吸込み、追い焚き用の加熱部1Bで加熱して供給口5から浴槽2に供給する。そして、湯温が設定温度になると湯温検知手段19で検知し、制御部4により弁38を閉、弁17を閉、弁20を閉、循環ポンプ3をオフ、弁16を閉になるように制御すると共に、湯温調整手段18による追い焚き用の加熱部1Bの加熱を停止する。
【0089】
上記図7、図8に示す実施形態においても、通常風呂モードにおける設定温度が任意の設定温度に設定されている状態で、炭酸風呂モードで運転する際の加熱温度を、通常風呂モードにおける任意の設定温度よりも低い温度に変更するように制御するようになっており、このことによる作用効果は前述の図1に示す実施形態と同様であるので説明は省略する。
【0090】
更に、図7、図8に示す実施形態においても、湯張りの湯量が少ない半身浴運転において炭酸風呂モードで運転する際の加熱温度を、通常風呂モードにおける浴設定温度と同じ温度となるように制御するようにしてもよく、このことによる作用効果は前述の図1に示す実施形態と同様であるので説明は省略する。
【符号の説明】
【0091】
2 浴槽
4 制御部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭酸ガスを溶解させた湯を浴槽に供給する炭酸風呂モードと、炭酸ガスを溶解しない湯を浴槽に供給する通常風呂モードとを備え、通常風呂モードにおける設定温度が任意の設定温度に設定されている状態で、炭酸風呂モードで運転する際の加熱温度を、前記通常風呂モードにおける任意の設定温度よりも低い温度に変更するように制御する制御部を設けて成ることを特徴とする炭酸風呂。
【請求項2】
湯張りの湯量が少ない半身浴運転において炭酸風呂モードで運転する際の加熱温度を、通常風呂モードにおける浴設定温度と同じ温度となるように制御する制御部を設けて成ることを特徴とする請求項1記載の炭酸風呂。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−212126(P2011−212126A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−81600(P2010−81600)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】