説明

点字表示装置の表示方法、点字表示装置、および点字打刻装置

【課題】 点字列におけるマスの区切りを容易に識別でき、ユーザの利便性を向上させた点字表示装置の表示方法、点字表示装置、および点字打刻装置を提供することをその目的としている。
【解決手段】 本発明は、点字マス91のn個の打刻ポイント93に選択的に打刻する打刻点94と打刻しない非打刻点95との組み合わせパターンにより表現される点字を、複数個整列させた点字列を、入力データに基づいて表示画面161上に表示する点字表示装置34の表示方法において、打刻点94を示す打刻点符号と併せて、各点字マス91を識別させるための指標を表示することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画面上に点字を表示する点字表示装置の表示方法、点字表示装置、および点字打刻装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、テープ材(処理シート)をピッチ送りしながら、テープ材に点字を打刻する表示テープ作成装置(シート処理装置)が知られている。表示テープ作成装置には、表示画面が設けられており、点字情報を含む各種入力情報を表示画面上から確認できるようになっている。
【特許文献1】特開2001−88358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、点字は、点字マスに複数列に整列配置されたn個(例えば、縦2列×横3行の計6個)の打刻ポイントにおいて、選択的に打刻する打刻点と非打刻点との組み合わせパターンにより表現されている。そこで、打刻点を表示画面にドット表示させ、編集用や打刻結果の確認などに用いることが考えられるが、単純に打刻点のみを表示画面上にドット表示させると、各点字マス同士のマス間と、各マス内における打刻ポイントの列間と、を識別することが困難となってしまう。特に、表示画面が小さく、同一マス内の打刻点が列単位で分断されてしまう場合には、各点字マスの識別が一段と困難なものとなり、点字に不慣れなユーザにとっては、利便性が悪いものとなってしまう。
【0004】
そこで、本発明は、各点字マス(点字列におけるマスの区切り)を容易に識別でき、ユーザの利便性を向上させた点字表示装置の表示方法、点字表示装置、および点字打刻装置を提供することをその目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、点字マスのn個の打刻ポイントに選択的に打刻する打刻点と打刻しない非打刻点との組み合わせパターンにより表現される点字を、複数個整列させた点字列を、入力データに基づいて表示画面上に表示する点字表示装置の表示方法において、打刻点を示す打刻点符号と併せて、各点字マスを識別させるための指標を表示することを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、点字マスのn個の打刻ポイントに選択的に打刻する打刻点と打刻しない非打刻点との組み合わせパターンにより表現される点字を、複数個整列させた点字列を、入力データに基づいて表示画面上に表示する点字表示装置において、打刻点を打刻点符号として表示画面に表示する打刻点符号表示手段と、各点字マスを識別させるための指標を前記表示画面に表示する指標表示手段と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
これらの構成によれば、表示画面上には、凸状の打刻点を示す打刻点符号と併せて、各点字マスを識別させるための指標が表示される。したがって、点字を構成する各点字マス同士のマス間を容易に識別することができると共に、表示された各打刻点符号が、どの点字マスに属するのかを容易に識別することが可能である。これにより、表示された打刻点符号を点字として把握しやすくなり、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0008】
この場合、指標は、各点字マスの領域をそれぞれ示す枠、網かけ、または下線であることが好ましい。
【0009】
この構成によれば、各点字マスの領域を、枠、網かけ、または下線によって容易に識別することができる。
【0010】
これらの場合、打刻点符号が指標を兼ねており、各点字マスの打刻点符号を、隣接するマス内の打刻点符号とは異なる形状で表示することが好ましい。
【0011】
この構成によれば、各点字マスの打刻点符号は、隣接する点字マスの打刻点符号と異なる形状で表示されるので、打刻点符号の形状をグループ化して捉えることにより、同一の点字マスを識別可能である。例えば、2種類の異なる形状の符号を用い、奇数番目の点字マスに一方の形状の符号を割り当て、偶数番目の点字マスに他方の形状の符号を割り当てるようにすれば良い。なお、3種類以上の形状の符号を用いることも当然に可能である。
【0012】
この場合、点字マスのn個の打刻ポイントは、縦2列横複数行に整列配置されており、打刻点符号を、列ごとに異なる形状で表示することが好ましい。
【0013】
この構成によれば、を各列の打刻ポイントを示す異なる複数種類の表示(形状)の組み合わせによって、1点字マスを把握することができるため、各点字マスを適切に識別することが可能である。
【0014】
この場合、非打刻点を示し、かつ打刻点符号と異なる外見の非打刻点符号を表示することが好ましい。
【0015】
この構成によれば、非打刻点符号を用いることにより、打刻点と区別した状態で非打刻点を表示することができる。したがって、打刻点と非打刻点(非打刻点符号)との組み合わせをユーザは明確に認識することができ、点字表示がユーザにとってより理解しやすいものとなる。
【0016】
本発明は、点字マスを1個または複数個用いて表現される点字を、入力データに基づいて複数個整列させて表示画面上に表示可能な点字表示装置の表示方法において、各点字と共に、当該各点字を構成する点字マスの個数を識別させるための指標を表示することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、点字マスを1個または複数個用いて表現される点字を、入力データに基づいて複数個整列させて表示画面上に表示可能な点字表示装置において、表示された各点字と共に、当該各点字を構成する点字マスの個数を識別させるための指標を表示画面に表示する指標表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0018】
これらの構成によれば、点字と共に、当該点字を構成する点字マスの個数を識別させるための指標が表示される。したがって、清音、撥音、促音、長音、数符、外字符等のように、1マスで1文字が表現される点字と、濁音、半濁音、拗音、拗濁音、拗半濁音、二重大文字符等のように、2マスで1文字が表現される点字と、が混在して表示される場合であっても、各点字が1マスで構成されているのか2マスで構成されているのかを容易に把握することができる。すなわち、表示された点字マスを(1個の)点字単位で捉えることができる。このため、点字に馴染みのうすいユーザであっても各点字を画面上で適切に把握することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0019】
この場合、指標を表示するか否かを設定する指標表示設定手段をさらに備えていることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、ユーザの使い勝手に応じて、指標を表示するか否かを設定することができる。
【0021】
本発明は、処理シートを送りながら、入力データに基づいて処理シートに点字を打刻する点字打刻装置において、上記のいずれかに記載の点字表示装置の表示方法を用い、表示画面上に点字列を表示させる点字表示装置、または上記のいずれかに記載の点字表示装置を備えたことを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、上記のいずれかに記載の点字表示装置の表示方法を用い、表示画面上に点字列を表示させる点字表示装置、または上記のいずれかに記載の点字表示装置を備えているので、ユーザは、表示画面に表示させた複数の点字(点字列)を適切に認識することができる。特に、入力データを入力する場合や、点字のレイアウトを確認する場合の使い勝手を、著しく向上させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、添付の図面を参照して、本発明の点字表示装置を適用したラベル作成装置について説明する。このラベル作成装置は、処理テープに墨字印刷および点字打刻を実行可能に構成されており、晴眼者および視覚障害者の両方が認識可能な点字ラベルを作成するものである。
【0024】
図1は、ラベル作成装置の外観斜視図である。同図に示すように、ラベル作成装置1は、前部ケース3と、前部ケース3の後方に位置する後部ケース4と、を一体形成した装置ケース2により外郭を構成されている。前部ケース3には、テープカートリッジCから繰出した処理テープに墨字印刷を行う墨字印刷装置31(図示省略:後述する)が収容されている。前部ケース3の手前側上面には、キーボード151が配設されており、前部ケース3の後方上面には、ディスプレイ161を組み込んだ開閉蓋11が設けられている。また、前部ケース3の左側面部には、印刷済みの処理テープTを排出するテープ排出口12が、前部ケース3の右側面部には外部装置や商用電源に接続するためのコネクタ13、14が設けられている。
【0025】
図2は、テープカートリッジおよび開閉蓋開放時のラベル作成装置の外観斜視図である。同図に示すように、開閉蓋11の内側には、テープカートリッジCを着脱自在に装着する凹状のカートリッジ装着部15が形成されている。カートリッジ装着部15には、プラテン駆動軸51およびリボン巻取り駆動軸53(いずれも後述する)が回転自在に立設されていると共に、プラテン駆動軸51と対峙するように、ヘッドユニット61(後述する)が立設されている。
【0026】
テープカートリッジCは、カートリッジケースC1により全体をカバーリングされており、長尺の処理テープTをロール状に巻回したテープリールC2と、長尺のインクリボンRをロール状に巻回したリボン繰出しリールC3と、繰り出したインクリボンRを巻き取るリボン巻取りリールC4と、を備えている。また、カートリッジケースC1には、カートリッジ装着部15に立設したヘッドユニット61を遊挿する貫通開口C5が形成されていると共に、この貫通開口C5に臨むように、プラテンローラC6が設けられている。テープカートリッジCをカートリッジ装着部15に装着すると、プラテン駆動軸51にプラテンローラC6が係合して印刷用テープ送り経路(図示省略)に臨むと共に、リボン巻取り駆動軸53にリボン巻取りリールC4が係合し、処理テープTおよびインクリボンRの送りが可能となる。処理テープTは、プラテンローラC6に臨んだ後、テープカートリッジC外に送り出されてゆき、テープ排出口12に導かれる。一方、インクリボンRは、プラテンローラC6の位置で処理テープTと重なり合った後、貫通開口C5を周回するように巻き取られる。
【0027】
なお、処理テープTは、粘着面を有するテープ基材T1に剥離紙T2を積層したものであり、処理後にラベルとして貼付できるようになっている。テープカートリッジCには、処理テープTの種別(テープ幅、テープ色、墨字インク色、テープ材質など)が異なる複数種のものが用意されており、テープカートリッジCの裏面には、これらを識別するための識別孔(図示省略)が複数設けられている。一方、カートリッジ装着部15(の底板)には、テープ識別センサ56(図示省略)が配設されており、テープカートリッジCに設けられた識別孔の配列(ビットパターン)から、テープカートリッジCに収容されている処理テープTの種類および幅を識別できるようになっている。
【0028】
後部ケース4には、点字打刻装置32(後述する)が収容されている。後部ケース4の上面部は、十字状に広く切り欠かれており、この切欠き21に臨んで、処理テープTを送るための打刻用テープ送り経路22が帯状に、かつ後部ケース4を横断するように形成されている。なお、点字打刻装置32には、手差しにより処理テープTが挿入される構成となっており、打刻用テープ送り経路22の図示右端部が処理テープTのテープ挿入部23、図示左端部がテープ排出部24となっている(詳細は後述する)。
【0029】
なお、本実施形態では、墨字印刷装置31および点字打刻装置32を共通の装置ケース2内に収容しているが、前部ケース3および後部ケース4を別体に構成し、これらをケーブル等で接続する構成とすることも可能である。
【0030】
次に、ラベル作成装置1の基本構成を説明する。ラベル作成装置1は、テープカートリッジCから処理テープTを繰出しながら、これに墨字印刷を行う墨字印刷装置31と、処理テープTに点字打刻を行う点字打刻装置32と、墨字印刷および/または点字打刻のためのデータを入力する入力装置33と、各種データやメッセージを表示する表示装置34と、これらを統括制御する図外の制御装置35と、を備えている(図1、図2、および図5参照)。
【0031】
詳細は後述するが、墨字印刷装置31は、繰出した(印刷済みの)処理テープTを切断する切断手段44を備えており、ラベル作成装置1では、切断した印刷済みのテープ片を点字打刻装置32に手差しで挿入することにより、墨字および点字を併記した点字ラベルを作成できるようになっている。
【0032】
図2に示すように、墨字印刷装置31は、所定の印刷用テープ送り経路に沿って、テープカートリッジC(テープリールC2)の処理テープTを繰出し送りし、これをテープ排出口12に導く繰出し送り機構42と、繰出し送りされる処理テープTに墨字印刷を行う墨字印刷手段43と、繰出された処理テープTを所定の位置で切断する切断手段44と、を備えている。
【0033】
繰出し送り機構42は、テープカートリッジCのプラテンローラC6と、これに係合するプラテン駆動軸51と、プラテン駆動軸51を回転させるための繰出し送りモータ52と、繰出し送りモータ52の動力をプラテン駆動軸51に減速して伝達する送り動力伝達機構(図示省略)と、を備えている。繰出し送りモータ52が駆動されると、プラテン駆動軸51を介してプラテンローラC6が回転し、印刷用テープ送り経路上を処理テープTが送られていく。なお、繰出し送りモータ52の動力は、送り動力伝達機構を介して、リボン巻取り駆動軸53にも伝達されており、プラテン駆動軸51およびリボン巻取り駆動軸53は、互いに同期しながら回転する。
【0034】
墨字印刷手段43は、印刷ヘッド(サーマルヘッド)62にヘッドカバー63を覆って構成したヘッドユニット61を備えている。ヘッドユニット61は、プラテン駆動軸51に対向配置されており、テープカートリッジCをカートリッジ装着部15に装着すると、(プラテンローラC6の位置で)重なり合う処理テープTおよびインクリボンRを挟み、ヘッドユニット61がプラテンローラC6に対峙する。図示省略したが、ヘッドユニット61には、開閉蓋11の開閉と連動して、プラテンローラC6に印刷ヘッド62を離接させるヘッドリリース機構が組み込まれており、開閉蓋11が閉じると、重なり合う処理テープTおよびインクリボンRを介して、プラテンローラC6に印刷ヘッド62が押圧される。これにより、処理テープTに対して、熱転写が可能な状態にセットされる。
【0035】
切断手段44は、処理テープTを切断して切り離す(フルカットする)フルカット手段71と、剥離紙T2を残し、テープ基材T1のみを切断する(ハーフカットする)ハーフカット手段72と、を備えており、これらはテープ排出口12に臨んで配設されている。フルカット手段71は、テープ送り経路に臨んで配設されたフルカット用カッタ(図示省略)と、これを切断動作させるフルカットモータ73と、を有している。同様に、ハーフカット手段72は、テープ送り経路に臨むハーフカット用カッタ(図示省略)と、ハーフカットモータ74と、を有している。テープカートリッジCから繰出された処理テープTは、ハーフカット手段72によりハーフカットされた後、フルカット手段71により切り離される。
【0036】
図1に示すように、点字打刻装置32は、処理テープTを打刻用テープ送り経路22に沿って送ってゆくテープ送り機構81と、送られる処理テープT(テープ片)に6点点字を打刻してゆく打刻ユニット82と、を備えている。同図に示すように、これらは装置アッセンブリとしてユニット化され、装置フレーム83に組み込まれている。
【0037】
点字打刻装置32の各構成の説明に先立ち、まず、6点点字について説明する。図3に示すように、6点点字は、マス91(点字マス)を単位として構成されており、1マス91は、縦2列×横3行に配置された計6点(1の点92a〜6の点92f)の打刻ポイント93から成り立っている。そして、6点点字は、1マスまたは2マスの各打刻ポイント93を選択的に打刻した凸状の打刻点94(打刻凸部)(と打刻しない非打刻点95)の組み合わせパターンにより表現される(図中の点字は、「し」を示している)。例えば、清音、撥音、促音、長音は、1マスで1文字を表し、濁音、半濁音、拗音、拗濁音、拗半濁音等は、2マスで1文字を表している。なお、打刻ポイント93の縦方向のピッチは、約2.4mm、横方向のピッチは、約2.1mmであり、隣接するマス同士のピッチは、約3.3mmである。
【0038】
図1に示すように、テープ送り機構81は、処理テープTを送るための送りローラ101と、送りローラ101を支持する支持部材102と、送りローラ101を回転させるための送りモータ103(図示省略)と、を備えている。上記テープ挿入部23から手差しされた処理テープTは、テープ送り機構81に受け渡された後、テープ送り機構81により打刻用テープ送り経路22に沿ってテープ排出部24へ送られてゆく。なお、本実施形態では、処理テープTを打刻用テープ送り経路22の一方の幅端に(図示手前側に)片寄せして送るようになっており、装置フレーム83には、テープ挿入部23に臨み、処理テープTを片寄せした状態で打刻用テープ送り経路22の幅方向に規制する幅寄せ規制機構106が設けられている。
【0039】
送りローラ101は、図示下側の駆動ローラ104aおよび図示上側の従動ローラ104bから成るグリップローラで構成されており、処理テープTは、送りローラ101に挟持される位置まで手差しされる。駆動ローラ104aの同軸上には、送りモータ103の動力を伝達する出力ギア(図示省略)が固定されており、出力ギアの回転に伴って駆動ローラ104aが回転する。従動ローラ104bは、フリーローラであり、駆動ローラ104aの回転に付随して回転する。従動ローラ104bには、その軸方向に括れ部105が形成されており、既に処理テープTに形成された打刻点94を逃げて、これを潰さないようになっている。なお、送りローラ101の下流側には、送られる処理テープTの先端を検出する先端検出センサ108が設けられている。
【0040】
図4に示すように、打刻ユニット82は、処理テープTに対して打刻を行う3本の打刻ピン111と、3本の打刻ピン111に打刻動作させるための動力源となる打刻手段112と、打刻ピン111の姿勢および打刻動作をガイドする打刻ガイド113と、3本の打刻ピン111を受ける打刻受け部材114と、を有している。
【0041】
3本の打刻ピン111は、1マスの縦列3個の点に対応している。打刻用テープ送り経路22には、縦列3個の点の配置に倣って形成した3つの遊挿孔115が等間隔に設けられており、3本の打刻ピン111は、この3つの遊挿孔115に下側から臨むように配設される(図4(b)参照)。打刻ピン111は、打刻受け部材114と協働して、打刻点94(打刻凸部)を形成するものであり、その先端形状は、形成しようとする打刻点94の形状に合わせて形成される。
【0042】
打刻手段112は、各打刻ピン111に対応し、3本の打刻ピン111を独立して打刻動作させることができる3つの打刻機構121で構成されている。各打刻機構121は、打刻動作の駆動源となるソレノイド122と、ソレノイド122のプランジャ122aに一端を固定されていると共に、他端で打刻ピン111を非固定的に支持する回動アーム123と、支軸125を中心に回動アーム123を回動自在に支持する回動支持部材124と、を有している。ソレノイド122を励磁すると、プランジャ122aの鉛直方向への直線運動に追従して、これに固定された回動アーム123の端が上下方向に往復動する。これにより、支軸125を中心に回動アーム123が回動し、打刻ピン111(の先端)が遊挿孔115から出没する。すなわち、ソレノイド122(プランジャ122a)および回動アーム123によりリンク機構が構成されており、プランジャ122aの直線運動が回動アーム123の回動運動に変換されることにより、打刻ピン111の打刻動作が行われる。
【0043】
図4(b)に示すように、打刻ガイド113は、打刻用テープ送り経路22の下面に配設されており、3つの遊挿孔115に連通する3つのガイド孔131を有している。各ガイド孔131は、垂直に貫通形成されており、ガイド孔131の内壁を打刻ピン111が摺動するようになっている。これにより、回動アーム123に非固定的に載置された各打刻ピン111の姿勢が垂直に保持されると共に、各打刻ピン111が遊挿孔115から垂直に出没するように、その打刻動作がガイドされる。
【0044】
図4(b)に示すように、打刻受け部材114は、打刻用テープ送り経路22に形成された3つの遊挿孔115に対面して配置され、3本の打刻ピン111を受ける打刻受け面141を有している。打刻受け面141には、打刻ピン111の先端形状と相補的な形状に、かつ遊挿孔115の配置に倣って形成した3つの受け凹部142が設けられており、処理テープTを挟んで、打刻移動する打刻ピン111の先端が受け凹部142に突き当たる(係合する)ことにより、処理テープTに打刻点94が形成される。
【0045】
入力装置33は、上記したキーボード151を備えている。キーボード151には、文字キー群152、および各種動作モード等を指定するための機能キー群153(例えば、選択キー、取消しキー、カーソルキー、印刷キー、打刻キーなど)が配列されており、墨字印刷および/または点字打刻を行うための文字情報を入力できると共に、各種モード選択や動作選択を行うことができるようになっている。また、入力装置33は、上記コネクタ14を介して外部装置(パソコンなど)に接続するためのインタフェース(図示省略)を有しており、外部装置で作成した文字情報等をラベル作成装置1に入力したり、ラベル作成装置1のデータを外部装置に出力したりできるようになっている。
【0046】
表示装置34は、上記したディスプレイ161と、各種表示ランプ(図示省略)と、を備えている。ディスプレイ161は、横方向(X方向)約12cm×縦方向(Y方向)5cmの長方形の形状の内側に、196ドット×80ドットの表示画像データを表示可能であり、ユーザがキーボード151から入力した文字情報の確認や、墨字データ・点字データを作成・編集したりする際に用いられる。また、ディスプレイ161には、各種エラーやメッセージ(指示内容)などが表示され、ユーザに各種情報を報知する。表示ランプには、電源のON/OFFを表示する電源ランプや、外部装置との接続の有無を表示する接続ランプ(いずれも図示省略)などが含まれている。
【0047】
次に、ラベル作成装置1の制御構成について説明する。図5に示すように、ラベル作成装置1は、キーボード151およびディスプレイ161を有し、ユーザによる文字情報の入力や各種情報の表示など、ユーザインターフェースを司る操作部171と、墨字印刷手段43および繰出し送り機構42を有し、処理テープTを繰出しながらこれと同期して墨字を印刷する墨字印刷部172と、切断手段44を有し、テープカートリッジCから繰出された処理テープTを所定長で切断する切断部173と、打刻ユニット82(ソレノイド122)およびテープ送り機構81を有し、処理テープTを送りながらこれと同期して点字を打刻する点字打刻部174と、テープ識別センサ56や先端検出センサ108等を有し、各種検出を行う検出部175と、各種ドライバを備え、各部を駆動する駆動部176と、各部と接続され、ラベル作成装置1全体を制御する制御部177(制御装置35)と、を備えている。
【0048】
制御部177は、CPU181、ROM182、RAM183および入出力制御装置(以下、「IOC:Input Output Controller」という)184を備えており、これらは互いに内部バス185により接続されている。ROM182は、点字打刻処理等の各種処理をCPU181で制御するための制御プログラムを記憶する制御プログラムブロック191、入力装置33からの点字データ(入力情報)を点字打刻データに変換するための点字変換テーブル192、点字データの打刻制御のための制御データ等を記憶する打刻制御データブロック193、墨字データ(入力情報)を墨字印刷データに変換するための墨字変換テーブル194、墨字印刷制御のための制御データ等を記憶する印刷制御データブロック195等を有している。
【0049】
RAM183は、フラグ等として使用される各種ワークエリアブロック201の他、入力装置33からの入力データを記憶する入力データブロック202や、生成された点字打刻データを記憶する点字打刻データブロック203、生成された墨字印刷データを記憶する墨字印刷データブロック204、ディスプレイ161に表示するための表示データを記憶する表示データブロック205等を有し、制御処理のための作業領域として使用される。また、RAM183は電源が切断されても記憶したデータを保持しておくように常にバックアップされている。
【0050】
IOC184には、CPU181の機能を補うと共に各種周辺回路とのインタフェース信号を取り扱うための論理回路が、ゲートアレイやカスタムLSIなどにより構成されて組み込まれている。これにより、IOC184は、入力装置33からの入力データや制御データをそのまま或いは加工して内部バス185に取り込むと共に、CPU181と連動して、CPU181から内部バス185に出力されたデータや制御信号を、そのまま或いは加工して駆動部176に出力する。
【0051】
CPU181は、上記の構成により、ROM182内の制御プログラムに従って、IOC184を介して各種信号・データを入力する。そして、入力した各種信号・データに基づいてRAM183内の各種データを処理し、IOC184を介して各部に各種信号・データを出力する。このように、制御部177によって各部が統括されることにより、ラベル作成装置1全体が制御され、各種処理が行われる。
【0052】
ところで、制御部177(ROM182)には、ユーザがディスプレイ161で入力データを視認しながら、ラベルデータを作成できるラベル作成プログラム(ソフトウェア)が記憶されており、CPU181は、これに基づいて処理を行っている。図6(b)〜(d)に示すように、ラベル作成装置1では、「墨字のみ」、「点字のみ」、および「墨字・点字併記」の3種類のラベルを作成可能となっており、ラベル作成プログラムでは、作成するラベルの種類に応じて処理モードを設定し、これに基づいたラベルデータを作成するようになっている。具体的には、処理モードを設定後、入力データの入力を終えて、所定のキー操作(例えば、印刷キーの押釦)が為されると、制御部177では、処理モードおよび入力データに基づいて、墨字印刷データおよび/点字打刻データを含むラベルデータが作成される。そして、ラベルデータが作成されると、これにしたがって、先ず墨字印刷装置31が駆動され、所定長で切断された処理テープTがテープ排出口12から排出される。処理テープTに点字打刻を行う場合、排出された処理テープT(テープ片)が、ユーザにより、点字打刻装置32に手差し挿入される。そして、所定のキー操作が行われると、引き続いて、点字打刻装置32が駆動され、テープ排出部24から、点字打刻済みの処理テープ(ラベル)が排出される。
【0053】
処理モードの設定は、キーボード151に設けられたモード選択キーを用いて行われる。墨字データ入力画面211または点字データ入力画面212の表示(D1)中にモード選択キーを押釦すると、モード選択画面213がディスプレイ161に表示され、「墨字のみ」、「点字のみ」、および「墨字・点字併記」の3つの選択肢(メニュー項目)がメニュー表示される(D2)。そして、カーソルキーおよび選択キーのキー操作によって所望とする1の選択肢を選択すると、これに応じた処理モードに設定される。なお、以下において、選択肢の選択設定は、同様のキー操作により行うものとする。
【0054】
「墨字のみ」が選択(設定)されると、ディスプレイ161には、墨字データ入力画面211が表示され、墨字印刷データを生成するための墨字データの入力が可能となる。墨字データの入力は、一般のワープロに準じて行われ、墨字データ入力画面211では、墨字データとして入力された数字や文字等のキャラクタ(列)が表示される(図6(a):D1参照)。なお、処理モードは、「墨字のみ」がデフォルト値に設定されており、ラベル作成装置1の起動時等には、墨字データ入力画面161が表示される。
【0055】
「点字のみ」が選択(設定)されると、ディスプレイ161には、点字データ入力画面212が表示され、点字打刻データを生成するための点字データの入力が可能となる。ここでは、点字データとして入力された数字や文字等のキャラクタ(列)を点字データ入力画面212に墨字表示する墨字表示モード(図6(a):D3)と、点字データとして入力された数字や文字等のキャラクタ(列)を点字データ入力画面212に点字表示する(打刻点94をネガ表示させた点字画像)点字表示モード(図6(a):D5)と、を選択できるようになっている(図6(a):D4)。なお、本実施形態では、「墨字表示」モードがデフォルト値に設定されており、「点字のみ」が選択されると、墨字表示モードで表示される。
【0056】
点字表示モードには、1マスの縦列ごとに打刻ポイント93の表示形状を設定する打刻ポイント表示設定メニューと、非打刻点95の表示方法を設定する非打刻点表示設定メニューと、マスの領域表示方法を設定するマス領域表示設定メニューと、が用意されており、ユーザが所定のキー操作を行うことにより、これらを表示させることができるようになっている(図7参照)。
【0057】
打刻ポイント表示設定メニューは、マス91の1〜3の点92a〜cまでの左列の打刻点94の表示形状と、マス91の4〜6の点92d〜fまでの右列の打刻点94の表示形状と、を設定するためのメニューであり、これをメニュー表示させると、ディスプレイ161には、選択肢として、左列・右列の打刻ポイント93の表示形状を同一形状の丸に設定する「左:○、右:○」、左列の打刻ポイント93の表示形状を丸に、右列の打刻ポイント93の表示形状を四角に設定する「左:○、右:□」、および左列の打刻ポイント93の表示形状を四角に、右列の打刻ポイント93の表示形状を丸に設定する「左:□、右:○」が表示される。このように、選択肢には、実際に表示される打刻ポイント93(打刻点94)の表示画像を表示され、ユーザが設定後の実際の表示状態を把握し易くなっている。なお、図6(a)のD5は、「左:○、右:○」選択時の点字データ入力画面212を示している。
【0058】
このように、打刻ポイント表示設定メニューでは、左列・右列の打刻ポイント93の表示形状を同一形状に設定する選択肢に加え、左列および右列の打刻ポイント93を異なる表示形状に設定する選択肢を設けているので、ユーザは、点字データ入力画面212の点字表示(点字画像)を適切に把握できるようになっている。例えば、「左:○、右:□」を選択した場合、左列の1〜3点の打刻点94が黒丸(の打刻点符号で)、右列の4〜6点の打刻点94が黒い四角(の打刻点符号)でネガ表示されるので、ユーザは、左列:丸、右列:四角の組み合わせで1マスを認識することができ、1マスをグループとして捉え易くなっている。特に、同一マスの打刻ポイント93が列単位で分断して表示される場合には、同一マスの左列・右列の打刻ポイント93を異なって表示させることにより、1マスを容易に認識することができ、点字を適切に把握することが可能となる(図8(a)〜(c)参照)。
【0059】
なお、本実施形態では、同一マス内の左列および右列を異なる表示とすることにより、点字データ入力画面212に表示された点字画像を1マス毎に識別させるようにしているが、同一マス内の打刻ポイント93は、同一形状に表示し、隣接するマス同士の打刻ポイント93を異なる形状で表示するようにしても、同様の効果を得ることができる。例えば、奇数番目のマスの打刻ポイント93を丸に、偶数番目のマスの打刻ポイント93を四角に表示させる(図8(d)参照)。
【0060】
図7に示すように、非打刻点表示設定メニューは、非打刻点95を点字データ入力画面212に表示させないことを設定する「表示しない」と、非打刻点95のポジ表示(打刻点94(打刻点符号)の表示を白黒反転させた、非打刻点符号を用いての表示であり、打刻点94を黒丸で示すとすると、非打刻点95は白丸で表示される)を設定する「ポジ表示」と、非打刻点95をバー「−」(非打刻点符号)で表示する「−表示」と、を選択肢として有している。このように、打刻点94の表示と併せ、打刻点94と区別した形状で非打刻点95を表示可能とすることにより、非打刻点95の表示を、1マスを識別させるための指標として利用することができる。そして、同一マス内における打刻点94と非打刻点95の組み合わせパターンをより明確に識別することができ、点字を適切に認識できるようになっている(図8参照)。
【0061】
図7に示すように、マス領域表示設定メニューは、マスを識別するための識別指標の表示について設定するものであり、「表示しない」、「1マス指標表示」、「1点字指標表示」の3つの選択肢を有している。「表示しない」は、識別指標を点字データ入力画面212に表示させないことを設定する。
【0062】
「1マス指標表示」は、点字データ入力画面212に表示された点字(列)の各マスを識別可能なように、1マスのマス領域をそれぞれ指標表示することを設定するものであり、さらに「囲み」、「網かけ」、および「下線」の3つの選択肢が用意されている。図9(a)に示すように、「囲み」を選択すると、1マスの領域に合わせて、1マスごとに線で方形に囲んだ点字が表示され、囲み線によって、1マスの領域表示が為されるようになっている。図9(b)に示すように、「網かけ」を選択すると、1マスの領域に合わせて、1マスごとに網かけ表示された点字が表示される。図9(c)に示すように、「下線」を選択すると、1マスの横方向(点字列の並び方向)の幅長に合わせて、1マスごとに下線が引かれた点字が表示される。
【0063】
「1点字指標表示」は、点字データ入力画面212に表示された点字(列)の1個の点字単位で識別可能なように1点字指標を表示することを設定するものであり、「1マス指標表示」と同様に、「囲み」、「網かけ」、および「下線」の3つの選択肢がさらに用意されている。図9(d)に示すように、例えば、「せんがくじ(泉岳寺)」と点字表示する場合、1マスで表す「せ」、「ん」、および「く」は、1マス単位で領域表示が為され、2マスで表す「が」および「じ」は2マス単位で領域表示が為される。すなわち、(1個の)点字は、1個または2個のマスを用いて表現されており、1マスで1個の点字を構成する清音、撥音、促音、長音、数符、外字符等は、1マス単位で、2マスで1個の点字を構成する濁音、半濁音、拗音、拗濁音、拗半濁音、二重大文字符等は、2マス単位で領域表示が為される。このため、各点字が1マスで構成されているのか、2マスで構成されているのか、すなわち各点字を構成する点字マスの個数を容易に識別できるようになっている。なお、1点字指標を表示するときには、1個の点字を表す点字表示に対応させて、かな表示も併せて表示させることも可能である(図9(e)参照)。
【0064】
このように、本実施形態では、点字表示をユーザが使い勝手の良いようにこれらを任意に設定することができるため、点字表示を用いた場合の、点字データ入力時におけるユーザの利便性を著しく向上させることができる。特に、各メニューには、各マスを容易に識別可能とする表示に表示モードを設定する選択肢が設けられており、点字の初心者であっても、点字データ入力画面212の点字表示を適切に把握することができ、点字表示を見ながら効率よく点字データの入力を行えるようになっている。
【0065】
「墨字・点字併記」が選択されると、続いて、墨字と点字とが全くの同一内容を示す「点訳モード」および、墨字と点字の内容を個別に入力できる「個別入力モード」のいずれかを選択するようになっている。「点訳モード」が選択されると、墨字データ入力画面211が表示され、墨字データ入力画面211で入力した墨字データ(テキストデータ)に基づいて、点字データの作成が行われる。一方、「個別入力モード」が選択されると、墨字データ入力画面211が表示されるが、所定のキー操作を行うことにより、墨字データ入力画面211と、点字データを入力する点字データ入力画面212とを順次切り替えることができるようになっており、墨字データおよび点字データを入力可能となっている。
【0066】
なお、ラベル作成プログラムには、入力された入力データ(墨字データ/点字データ)に基づいて、処理テープTに対する予想処理結果を示したプレビュー画像を表示させるためのプレビュー画像データを作成する機能が設けられており、所定のキー操作を行うことにより、ディスプレイ161にプレビュー画像を表示させることができるようになっている。これにより、ユーザは、墨字や点字のレイアウトを確認できる。この場合、点字表示は、点字データの入力時に、点字データ入力画面212で表示される点字表示に倣って、すなわち、打刻ポイント表示設定メニュー、非打刻点表示設定メニュー、およびマス領域表示設定メニューでの設定にしたがって行われることが好ましい。これにより、点字データ入力画面212での点字表示と同様に、プレビュー画像の点字も適切に識別することが可能となる。
【0067】
以上のように、このラベル作成装置1は、本発明の点字表示装置の表示方法または点字表示装置を適用しているため、点字表示したときの点字の視認性を向上させることができ、点字データ入力(編集)時や、点字データのレイアウト確認時におけるユーザの操作性・利便性を高めることができる。
【0068】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。例えば、ここでは、点字打刻装置32が6点点字を形成するものとして説明したが、これに代えて、8点点字を形成するもの(この場合には、4本の打刻ピンを用いる)にも適用可能であることは言うまでもない。また、ラベル作成装置1以外にも、点字表示を行う装置であれば、本発明を適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明を適用したラベル作成装置の説明図であり、開閉蓋の閉蓋時における外観斜視図である。
【図2】発明を適用したラベル作成装置の説明図であり、開閉蓋の開放時におけるラベル作成装置の外観斜視図およびテープカートリッジの外観斜視図である。
【図3】6点点字の説明図である。
【図4】点字打刻装置の説明図であり、(a)は、打刻ユニット廻りの平面模式図、(b)は、打刻ユニット廻りの正面模式図を示している。
【図5】ラベル作成装置の制御ブロック図である。
【図6】(a)は、ラベル作成装置の画面遷移を示した図である。(b)は、「墨字のみ」の処理モードで作成されたラベルの一例を示した図、(c)は、「点字のみ」の処理モードで作成されたラベルの一例を示した図、(d)は、「墨字・点字併記」の処理モードで作成されたラベルの一例を示した図である。
【図7】点字表示モードを選択したときに、設定可能なメニュー一覧を示した図である。
【図8】打刻ポイント表示設定メニューで「左:○、右:□」を選択したときに表示される点字データ入力画面の説明図であり、(a)は、非打刻点表示設定メニューで「表示しない」を選択したときの点字データ入力画面を示した図、(b)は、非打刻点表示設定メニューで「ポジ表示」を選択したときの点字データ入力画面を示した図、(c)は、非打刻点表示設定メニューで「−表示」を選択したときの点字データ入力画面を示した図、(d)は、本実施形態の変形例を示した図である。
【図9】マス領域表示設定メニューが選択されたときに表示される点字データ入力画面の説明図であり、(a)は、「1マス指標表示」で「囲み」が選択されたときの説明図、(b)は、「1マス指標表示」で「網かけ」が選択されたときの説明図、(c)は、「1マス指標表示」で「下線」が選択されたときの説明図、(d)は、「1点字指標表示」で「囲み」が選択されたときの説明図、(e)は、「1点字指標表示」で点字表示と共にかな表示も表示させたときの説明図である。
【符号の説明】
【0070】
1 ラベル作成装置 34 表示装置
91 マス 93 打刻ポイント
94 打刻点 95 非打刻点
161 ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
点字マスのn個の打刻ポイントに選択的に打刻する打刻点と打刻しない非打刻点との組み合わせパターンにより表現される点字を、複数個整列させた点字列を、入力データに基づいて表示画面上に表示する点字表示装置の表示方法において、
前記打刻点を示す打刻点符号と併せて、各点字マスを識別させるための指標を表示することを特徴とする点字表示装置の表示方法。
【請求項2】
前記指標は、前記各点字マスの領域をそれぞれ示す枠または網かけであることを特徴とする請求項1に記載の点字表示装置の表示方法。
【請求項3】
前記打刻点符号が前記指標を兼ねており、
前記各点字マスの前記打刻点符号を、隣接するマス内の前記打刻点符号とは異なる形状で表示することを特徴とする請求項1または2に記載の点字表示装置の表示方法。
【請求項4】
前記点字マスの前記n個の打刻ポイントは、縦2列横複数行に整列配置されており、
前記打刻点符号を、列ごとに異なる形状で表示することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の点字表示装置の表示方法。
【請求項5】
前記非打刻点を示し、かつ前記打刻点符号と異なる外見の非打刻点符号を表示することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の点字表示装置の表示方法。
【請求項6】
点字マスを1個または複数個用いて表現される点字を、入力データに基づいて複数個整列させて表示画面上に表示可能な点字表示装置の表示方法において、
前記各点字と共に、当該各点字を構成する前記点字マスの個数を識別させるための指標を表示することを特徴とする点字表示装置の表示方法。
【請求項7】
点字マスのn個の打刻ポイントに選択的に打刻する打刻点と打刻しない非打刻点との組み合わせパターンにより表現される点字を、複数個整列させた点字列を、入力データに基づいて表示画面上に表示する点字表示装置において、
前記打刻点を打刻点符号として前記表示画面に表示する打刻点符号表示手段と、
各点字マスを識別させるための指標を前記表示画面に表示する指標表示手段と、を備えていることを特徴とする点字表示装置。
【請求項8】
点字マスを1個または複数個用いて表現される点字を、入力データに基づいて複数個整列させて表示画面上に表示可能な点字表示装置において、
前記各点字と共に、当該各点字を構成する前記点字マスの個数を識別させるための指標を前記表示画面に表示する指標表示手段と、を備えたことを特徴とする点字表示装置。
【請求項9】
前記指標を表示するか否かを設定する指標表示設定手段をさらに備えていることを特徴とする請求項7または8に記載の点字表示装置。
【請求項10】
処理シートを送りながら、入力データに基づいて当該処理シートに点字を打刻する点字打刻装置において、
請求項1ないし6のいずれかに記載の点字表示装置の表示方法を用い、表示画面上に前記点字列を表示させる点字表示装置、または請求項7ないし9のいずれかに記載の点字表示装置を備えたことを特徴とする点字打刻装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−39055(P2006−39055A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−216207(P2004−216207)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】