説明

点灯装置及び照明器具

【課題】照明器具に搭載されるとその照明器具に応じた光出力で光源を点灯させる簡易な構成の点灯装置を提供する。
【解決手段】点灯装置100aは、放電灯LA1の点灯出力を指示する点灯出力指示信号を入力し、入力した点灯出力指示信号に従った点灯出力で放電灯LA1を点灯させる点灯回路30aと、点灯装置100aが器具固有インピーダンス210を有する照明器具本体に電気的に接続されると、器具固有インピーダンス210のインピーダンス値に応じた対応信号を出力するインピーダンス検知部20と、インピーダンス検知部20から対応信号を入力し、入力した対応信号が所定の値の場合に、対応信号に応じた前記点灯出力指示信号を生成し、生成した前記点灯出力指示信号を点灯回路30aに出力する点灯出力演算回路10とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光源を点灯させる点灯装置及び点灯装置を備えた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、照明器具等は、同一種類の放電灯等を点灯させる器具においても、使用環境、デザイン性の違いから、様々な種類の照明器具が存在する。違う照明器具においても、同一種類の放電灯等を同様の点灯出力で点灯させるのならば、基本的に一種類の点灯装置で点灯させればよい。また、照明器具の光源のばらつきにより、明るさにバラつきがでることもあり、例えば、照明器具内に照度センサを搭載して、明るさ制御を行っていた(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−123152号公報(段落「0012」〜段落「0016」、図1〜3参照。)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、そもそも同一種類の放電灯を同様の出力で同様の点灯装置で点灯させようとしても、器具形状等の違いによって、実際の放電灯等の点灯出力は変わってくることがあった。
【0005】
そのため、器具形状などの違いに合わせて点灯装置の点灯出力を設定する必要があった。
【0006】
また、同一の放電灯等を同様の出力で同様の点灯装置で点灯させても、実際に目に見える明るさが変わってくることがある。例えば、放電灯では、周囲温度により放電灯の持つインピーダンスが変動することによる。そのため、例えば、点灯装置が一定の電流等を出力した場合、点灯出力は電力に依存するため、結果、点灯出力が変動する。
【0007】
そのため、同一のランプ電流で放電灯が点灯しても、照明器具の形状で、放電灯の周囲温度は変わってくることにより、点灯出力は変動してしまう。また、照明器具自体の形状によっても、そもそもの発光部である光源の配置によっては、見た目の明るさは変わっていた。
【0008】
従って、同一の放電灯等の光源を同一の明るさで点灯させるためには、実際には器具それぞれの適した点灯装置の仕様が存在することになる。また、それぞれの照明器具のデザイン思想おいて考えると、それぞれの違う照明器具では一律の明るさを出すのではなく、それぞれのデザインに適した明るさを点灯装置は出力すべきとも考えられるが、その際も同様に、器具それぞれに適した点灯装置の出力仕様が存在する必要があった。
【0009】
それぞれの照明器具に適した照度を得るために、照度センサを設けて、照明器具の光源を測定して、点灯装置の点灯出力を制御する方法もあるが、照度センサは高価である。また、照度センサは、光源の照度を測定するものであるため、照明器具の違いは判別できない。それぞれのデザインに適した明るさに制御するという点で、照度センサでは対応することができなかった。
【0010】
本発明は、器具形状ごとに固有のインピーダンスを検出し、このインピーダンスにあわせて点灯出力を自動的に切り換える点灯装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の点灯装置は、光源を点灯させる点灯装置において、前記光源の点灯出力を指示する点灯出力指示信号を入力し、入力した前記点灯出力指示信号に従った点灯出力で前記光源を点灯させる光源点灯回路と、前記点灯装置が固有のインピーダンスを有する照明器具本体に電気的に接続されると、前記固有のインピーダンスに応じた対応信号を出力する対応信号出力部と、前記対応信号出力部から前記対応信号を入力し、入力した前記対応信号が所定の値の場合に、前記対応信号に応じた前記点灯出力指示信号を生成し、生成した前記点灯出力指示信号を前記光源点灯回路に出力する制御部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、光出力の異なるそれぞれの照明器具に同じ点灯装置を搭載することができる。また本発明によれば、点灯装置が、照明器具に搭載されたか否かも判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態1における照明器具1000Aの斜視図。
【図2】実施の形態1における点灯装置100aの照明器具本体200への取付状態を示す斜視図。
【図3】図2において照明器具本体200の取付後を示す図。
【図4】実施の形態1における点灯装置100aの回路図。
【図5】実施の形態1における点灯出力演算回路10の動作のフローチャート。
【図6】実施の形態1におけるテーブル12を示す図。
【図7】実施の形態1におけるインピーダンス検知回路20に発生する電圧Vの発生箇所を説明する図。
【図8】実施の形態1におけるインピーダンス検知回路20に発生する電圧Vを示す図。
【図9】実施の形態1におけるインピーダンス検知回路20に発生する電圧Vを示す別の図。
【図10】実施の形態1におけるインピーダンス検知回路20に発生する電圧Vを示すさらに別の図。
【図11】実施の形態1における照明器具1000Bに内蔵される点灯装置100bの回路図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1.
図1の(a)は、実施の形態1の照明器具1000Aの斜視図であり、図1の(b)は、照明器具1000Aの分解斜視図である。
【0015】
図1の(a)、(b)に示すように、照明器具1000Aは、照明器具本体200と、放電灯(蛍光ランプ)LA1が着脱可能に取り付けられるランプソケット203と、放電灯LA1が発する光を反射する反射板220と、商用電源ACが入力され放電灯LA1を点灯する点灯装置100aと、照明器具本体200に取り付けられる器具固有インピーダンス210とを備えている。
【0016】
図2は、点灯装置100aを照明器具本体200側に取り付ける様子を示す斜視図であり、図3は図2の取り付け後を示す図である。図2あるいは、図3に示すように、点灯装置200a側は、点灯装置外形ケース101aが点灯装置基板103aを収納している。点灯装置基板103aには電源端子102aが取り付けられている。点灯装置外形ケース101aと点灯装置基板103aとは、アースラグ端子Gを介して接続用ネジ301によって電気的に接続されている。一方、照明器具本体200側では、照明器具本体200(導電性素材)上に設けられた点灯装置固定ステージ支え202(非導電性素材))によって、点灯装置固定ステージ201(導電性素材)が設けられている。点灯装置100a側と照明器具本体200側とは、穴401、402を貫通する接続用ネジ302(図3)で締結される。器具固有インピーダンス210の両端は、一方が点灯装置固定ステージと接続され、他方が照明器具本体200に接続されている。よって接続用ネジ302によって、点灯装置100a、器具固有インピーダンス210及び照明器具本体200が電気的に接続される。器具固有インピーダンスは、照明器具の形状の違いにより、その照明器具に適したインピーダンスを設定する。
【0017】
(点灯装置100aの構成)
図4は、照明器具1000Aに内蔵される点灯装置100aのブロック図である。点灯装置100aは、商用電源ACが入力され、入力された交流電流を全波整流する整流回路40と、整流回路40に接続され、放電灯LA1に高周波電流を供給する点灯回路30aと、点灯回路30aに点灯制御信号(点灯出力指示信号)を出力する点灯出力演算回路10と、点灯出力演算回路10と整流回路40とに接続されるとともに、アースラグ端子Gを介して器具固有インピーダンス210に電気的に接続されるインピーダンス検知回路20とを備える。
【0018】
整流回路40は、ノイズフィルタ(図示しない)と、ダイオードブリッジDBを備える。
【0019】
点灯回路30aは、入力される電圧を昇圧するとともに平滑するアクティブフィルタ回路31と、アクティブフィルタ回路31が平滑した直流電圧を高周波交流電圧に変換するインバータ回路32と、インバータ回路32の発振を制御するインバータ制御回路33aと、インバータ回路32の高周波交流電圧によって共振し、放電灯LA1に流れる電流を制御するインダクタL及びコンデンサC1とを備える。
【0020】
(点灯出力演算回路10)
点灯出力演算回路10は、インバータ制御回路33aに放電灯LA1の点灯状態を指示する制御信号を出力する。点灯出力演算回路10は、図4に示すように記憶部11を備える。記憶部11は後述のテーブル12を不揮発的に記憶している。点灯出力演算回路10としては、例えばマイクロコンピュータを用いる。
【0021】
インバータ回路32は、MOS−FET(Q1)、MOS−FET(Q2)を備え、インバータ制御回路33aのスイッチング信号によって、MOS−FET(Q1)、MOS−FET(Q2)が交互にオン/オフする。
【0022】
(インピーダンス検知回路20の構成)
インピーダンス検知回路20は、一端が整流回路40の負極側に接続されるコンデンサC2と、一端が、コンデンサC2の他端に接続され、他端が、アースラグ端子Gに接続されるコンデンサC3と、コンデンサC2に並列に接続される直列接続された抵抗R1、R2と、この抵抗R1と抵抗R2との接続点にアノード端子が接続され、点灯出力演算回路10にカソード端子が接続されるダイオードD1とを備える。
【0023】
(器具固有インピーダンス210)
アースラグ端子Gは、点灯装置100aの動作を安定させるために器具側のアース回路、もしくは照明器具本体200に接地させる。図3でも述べたように器具固有インピーダンス210の両端は、それぞれ点灯装置固定ステージ201と、照明器具本体200に接続されている。器具形状の違いにより、それぞれに適したインピーダンスを設定する。
なお、器具固有インピーダンス210として、抵抗、コンデンサなどの素子を用いることができる。
【0024】
このアースラグ端子Gと、「器具側のアース回路」もしくは照明器具本体200との間に、図2、図3に示したように、器具固有インピーダンス210を介在させると、器具固有インピーダンス210に電流が流れ、電圧が発生する。例えば図3の場合、点灯装置100aは、アースラグ端子G→接続用ネジ301→点灯装置外形ケース101a→接続用ネジ302→器具固有インピーダンス210→照明器具本体200の経路で電気的に接続する。点灯装置100aが照明器具本体200に接続された場合、インピーダンス検知回路20は、「器具固有インピーダンス210に対応する電流または発生する電圧」(対応信号)を検知する。例えば照明器具1000Aの種類に応じて、介在させる器具固有インピーダンス210の値を変更することにより、器具固有インピーダンス210に流れる電流または発生する電圧が異なってくる。すなわち、器具固有インピーダンス210は器具固有インピーダンス210に応じた対応信号を出力し、点灯出力演算回路10は、対応信号を入力して、対応信号に応じた制御信号を生成してインバータ制御回路33aに出力する。
【0025】
(照明器具本体200自体のインピーダンス)
なお、本実施の形態1では、照明器具本体200とは別に器具固有インピーダンス210としてコンデンサ、抵抗などのインピーダンス素子を備える場合を説明したが、器具固有インピーダンス210は、照明器具本体200自体が持つ固有のインピーダンスであってもよい。例えば、照明器具本体200そのものの材質に起因するインピーダンス(抵抗率)を挙げることができる。
【0026】
上記のように、インピーダンス検知回路20は、器具固有インピーダンス210に応じて発生する「電流または電圧」(対応信号)を検知し、検知した結果を検知信号として点灯出力演算回路10に出力する。なお、器具固有インピーダンス210として、抵抗、コンデンサなどの素子を用いることができる。
【0027】
点灯出力演算回路10は、入力された検知信号に応じて、点灯装置100aが照明器具1000に組み込まれたかどうかを判断する。さらに、点灯出力演算回路10は、どのような種類の照明器具1000に組み込まれたかを判断するとともに、この判断した結果に基づいて演算して、放電灯LAの点灯状態を制御する点灯制御信号を生成し、この点灯制御信号をインバータ制御回路213に出力する。
【0028】
図5は、図4に示す点灯装置の点灯出力演算回路10の動作を示すフローチャートである。
【0029】
まず、点灯装置100aに商用電源ACが供給されると、点灯出力演算回路10の動作が開始する(ステップ1)。
【0030】
点灯出力演算回路10はインバータ制御回路33aの動作信号をインバータ制御回路33aから入力し、ランプが点灯したかを確認し、ランプが点灯していることを確認(ステップ2)すると、インピーダンス検知回路20が所定の電圧を検出したかを判別(ステップ3)する。点灯出力演算回路10は、点灯出力検出抵抗R10に発生する所定電圧(または所定電流)を検出・入力して、ランプが点灯したかを確認し、ランプが点灯していることを確認(ステップ2)すると、インピーダンス検知回路20が所定の電圧を検出したかを判別(ステップ3)する。
【0031】
ステップ3で、点灯出力演算回路10はインピーダンス検知回路20を介して、所定の電圧を検知すると、この検知した所定の電圧に応じたインバータ回路32の出力となるように、インバータ制御回路33aが出力する発振周波数を制御する制御信号を出力し、放電灯LA1の点灯周波数を調整(ステップ4)する。
【0032】
ステップ3で、所定の電圧を検知しないとき、点灯装置100aに予め設定されている初期の点灯周波数となるように、インバータ制御回路33aが出力する発振周波数を制御する制御信号を出力(ステップ5)する。これは点灯装置100aを裸の状態(照明器具本体200の内部に組み込まない電源別置タイプとして使用するような場合である。
【0033】
(1)図6はテーブル12の例を示す図である。テーブル12は電圧範囲と駆動周波数との組を複数有する。
(2)図7は、図8〜図9に示す検出電圧Vの検出箇所を示す図である。以下に説明する図8〜図9の電圧は、直列接続の抵抗R1,R2の両端に発生する電圧である。
(3)図8は、タイプAの照明器具(照明器具本体200Aに)における電圧波形である(点灯装置100aが照明器具本体200Aに取り付けられた場合)。
(4)図9は、タイプBの照明器具における電圧波形である(点灯装置100aが照明器具本体200Bに取り付けられた場合)。
(5)図10は、照明器具本体200に点灯装置100aを組み込まない場合(非接続の場合)の電圧波形である。
【0034】
(タイプA)
図8は、例えば、器具固有インピーダンス210がほぼ0Ωである場合に、直列接続された抵抗R1、R2の両端に発生する電圧Vの電圧波形である。図8の場合は、図7の器具固有インピーダンス210の一端211とアースラグ端子Gとが接続されている。図9も同様である。図10の場合は、接続されていない状態である。
図8の電圧波形では、ゼロピーク電圧がおよそ126V発生(図中のHの長さが126Vに相当)しており、抵抗R1と抵抗R2とに分圧されて、インピーダンス検知回路20は、およそ27V(対応信号)を出力する。点灯出力演算回路10は、インピーダンス検知回路20が出力するこの27Vの電圧を入力し、この入力した電圧を基にして、該当する放電灯LA1の点灯出力(調光率)を、記憶部11に不揮発的に予め設定されているテーブル12から読み出し、このテーブル12から読み出した点灯出力(調光率)となる点灯制御信号(点灯出力指示信号)を、インバータ制御回路213に出力する。具体的には以下の様である。点灯出力演算回路10はインピーダンス検知回路20から27Vを入力すると、テーブル12を参照して27Vの属する電圧範囲を検索し、検索の結果ヒットすると、その電圧範囲に対応する駆動周波数(例えばf2が該当とする)の点灯制御信号を生成してインバータ制御回路33aに出力する。インバータ制御回路33aは駆動周波数f2でインバータ回路32を駆動する。
【0035】
(タイプB)
図9は、例えば、器具固有インピーダンス210が270kΩである場合に、直列接続された抵抗R1、R2の両端に発生する電圧の電圧波形である。この電圧波形では、ゼロピーク電圧がおよそ52V発生(図中のHの長さが52Vに相当)しており、抵抗R1と抵抗R2に分圧されて、インピーダンス検知回路20は、およそ11V(対応信号)を出力する。点灯出力演算回路10は、インピーダンス検知回路20が出力するおよそ11Vの電圧を入力し、タイプAの場合と同様に、入力した電圧11Vを基にして、該当する放電灯LA1の点灯出力(調光率)をテーブル12から読み出し、テーブル12から読み出した点灯出力(調光率)となる点灯制御信号をインバータ制御回路213に出力する。
【0036】
このように、図8と図9とでは、器具固有インピーダンス210のインピーダンス値が異なることにより、インピーダンス検知回路20が検知する電圧値が変わるので、照明器具本体(あるいは器具本体を構成部品とする照明器具)の種類を区別することができるので、特定した照明器具(あるいは照明器具本体)の種類に応じて、点灯出力(調光率)を変更することができる。
【0037】
(照明器具本体の非接続)
図10は、例えば、器具固有インピーダンス210がほぼ無限大である場合に、直列接続された抵抗R1、R2の両端に発生する電圧の電圧波形である。この電圧波形では、ゼロピーク電圧がほぼ0Vとなっており、抵抗R1と抵抗R2に分圧されて、インピーダンス検知回路20が出力する電圧も、ほぼ0Vとなる。したがって、点灯出力演算回路10は、インピーダンス検知回路20の出力がほぼ0Vであるので、点灯装置100aが器具に組み込まれていない(照明器具本体200に固定されていない)と判断し、予め設定されている初期(例えばテーブル12のf1とする)の点灯出力(調光率)となる点灯制御信号を、インバータ制御回路213に出力する。
【0038】
なお、図8〜図10の例ではインピーダンス検知回路20が器具固有インピーダンス210に応じた対応信号として電圧を検知する場合を示した。インピーダンス検知回路20が電流を検知する場合については、器具固有インピーダンス210に一定電圧を印加したときに流れる電流を検知するとインピーダンス値の大小が判断できるので、この場合の器具固有インピーダンス210に流れる電流を検出することで、電圧検出の場合と同等の制御が可能である。
【0039】
このように、点灯装置100aにインピーダンス検知回路20および点灯出力演算回路10を搭載することにより、例えば、インピーダンス検知回路20で検知した電流、電圧を基に、点灯出力演算回路10がインバータ制御回路213を制御すれば、組み込まれた照明器具の種類に対応した点灯出力(調光率)を出力できる。
【0040】
したがって、一種類の点灯装置100aでも、インピーダンス検知回路20及び点灯出力演算回路10によって、点灯装置100aが接続される照明器具本体200の形状を検出できるので、点灯装置は、様々な照明器具本体に対応した点灯出力を自動的に生成できる。
【0041】
よって、それぞれの照明器具ごとに専用の点灯装置を搭載する必要がなく、同じ点灯装置を搭載できる。よって、照明器具と搭載する点灯装置との対応を管理する手間がなくなり、管理コストを抑えることができる。また、照明器具を組み立てる際にも、その照明器具に対応している点灯装置であるか否かを確認する工程を省くことができ、照明器具としての製造コストを抑えることができる。
【0042】
実施の形態1の点灯装置100aによれば、点灯装置自体が照明器具本体に搭載されたか否かも判定できるので、照明器具本体に搭載されないような別置電源の場合にも使用できると共に、照明器具本体に搭載されない場合の点灯出力を簡易な構成で設定することができる。
なお、本実施の形態1では、ランプが点灯しているか否かの検出を、点灯出力検出抵抗R10を用いて行っているが、点灯出力演算回路10が、インバータ制御回路33aの動作信号をインバータ制御回路33aから入力して、ランプが点灯したかを確認し、ランプが点灯していることを確認してもよい。
【0043】
なお以上の本実施の形態1では光源に放電灯を用いる場合を説明したが、放電灯に限定されず、光源にLEDを用いてもよい。
図11は光源にLEDを用いる照明器具1000Bを示す回路図である。照明器具1000Bは、LEDを点灯させるための点灯回路30bに、定電流回路34と、定電流回路34を制御する定電流制御回路33bを備えている。点灯出力演算回路10やインピーダンス検知回路20の動作は図4の回路と同様である。このように、光源は、放電灯に限定されず、LEDやEL(ElectroLuminescence)などであってもよく、また、用いる光源の種類に応じて、点灯回路は適宜選定すればよい。この場合であっても、本実施の形態と同様の作用効果が得られる。
また、LEDを点灯させるための点灯回路30bは、昇圧回路と定電流回路との組み合わせや、定電圧回路と、LEDに流れる電流制限用の電流制限抵抗との組み合わせであってもよい。
【符号の説明】
【0044】
1000A,1000B 照明器具、100a,100b 点灯装置、10 点灯出力演算回路、11 記憶部、12 テーブル、20 インピーダンス検知回路、30a,30b 点灯回路、31 アクティブフィルタ回路、32 インバータ回路、33a インバータ制御回路、33b 定電流制御回路、34 定電流回路、35 降圧回路、40 整流回路、401,402 穴、200 照明器具本体、203 ランプソケット、210 器具固有インピーダンス、220 反射板、AC 商用電源、DB ダイオードブリッジ、C1〜C3 コンデンサ、R1,R2 抵抗、G アースラグ端子、LA1 放電灯、LA2 LED、R10 点灯検出用抵抗。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を点灯させる点灯装置において、
前記光源の点灯出力を指示する点灯出力指示信号を入力し、入力した前記点灯出力指示信号に従った点灯出力で前記光源を点灯させる光源点灯回路と、
前記点灯装置が固有のインピーダンスを有する照明器具本体に電気的に接続されると、前記固有のインピーダンスに応じた対応信号を出力する対応信号出力部と、
前記対応信号出力部から前記対応信号を入力し、入力した前記対応信号が所定の値の場合に、前記対応信号に応じた前記点灯出力指示信号を生成し、生成した前記点灯出力指示信号を前記光源点灯回路に出力する制御部と
を備えたことを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記対応信号出力部は、
前記点灯装置が前記照明器具本体に電気的に接続されていない非接続状態の場合には、前記非接続状態に応じた信号を前記対応信号として出力し、
前記制御部は、
前記対応信号出力部から前記非接続状態に応じた前記対応信号を入力し、入力した前記対応信号に応じた前記点灯出力指示信号を生成し、生成した前記点灯出力指示信号を前記光源点灯回路に出力することを特徴とする請求項1記載の点灯装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記対応信号の信号値と前記点灯出力指示信号の信号値との組が複数登録されたテーブルを不揮発的に記憶する記憶部を備えると共に、前記対応信号出力部から前記対応信号を入力すると、前記テーブルを対象として、入力された前記対応信号の信号値に対応する前記点灯出力指示信号の信号値を検索し、検索の結果ヒットした場合には、ヒットした信号値の前記点灯出力指示信号を生成することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の点灯装置。
【請求項4】
前記点灯装置が電気的に接続される前記照明器具本体は、
前記固有のインピーダンスが、特定のインピーダンス素子の有するインピーダンスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の点灯装置。
【請求項5】
前記点灯装置が電気的に接続される前記照明器具本体は、
前記固有のインピーダンスが、前記照明器具本体自体のインピーダンスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の点灯装置。
【請求項6】
前記光源は、
放電灯と、発光ダイオードと、EL(ElectroLuminescence)とのいずれかであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の点灯装置。
【請求項7】
点灯装置を備えた照明器具において、
固有のインピーダンスを有する照明器具本体を備え、
前記点灯装置は、
前記光源の点灯出力を指示する点灯出力指示信号を入力し、入力した前記点灯出力指示信号に従った点灯出力で前記光源を点灯させる光源点灯回路と、
前記点灯装置が前記照明器具本体に電気的に接続されると、前記固有のインピーダンスに応じた対応信号を出力する対応信号出力部と、
前記対応信号出力部から前記対応信号を入力し、入力した前記対応信号が所定の値の場合に、前記対応信号に応じた前記点灯出力指示信号を生成し、生成した前記点灯出力指示信号を前記光源点灯回路に出力する制御部と
を備えたことを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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