説明

無煙タバコパウチの改善された製造法方法およびそれを実施するための装置

湿性無煙タバコ製品を小分けされた製品の形成およびシールする間に冷凍温度以下にすることによって梱包中の製品の取り扱いを容易にし、パウチの染みを減少させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無煙タバコ製品の分野に関する。より具体的には、湿性無煙タバコ製品を単位ごとに梱包することに関する。
【背景技術】
【0002】
今日市場に出回っている多岐に亘るタバコ製品の中で、燃焼を必要としない経口投与を意図した一連の製品がある。この一連の製品の中にスヌース(snus)と呼ばれている製品があり、これらはパウチの形態で提供される。スヌースの個々の単位は、フリース材内に取り分けられ、フリース材は、密閉され、スヌースが充填されたパウチを形成する。複数のこのようなパウチが容器に入れられ、消費者に提供される。
【0003】
スヌースのパウチを形成するための技術および材料は、ティーバッグを形成するために用いられるものと類似している。標準的な手順では、梱包装置が底部が封止された熱反応性のフリースの管を供給する。計量されたスヌース製品が管の密閉された端部に向かって注入または噴射され、スヌース部分の上部より上でフリースがヒートシールされる。さらに計量されたスヌース製品がヒートシールの上に入れられ、この工程を繰り返し、長さ方向に収容された複数分量のスヌース製品のテープを形成する。切断手段が各ヒートシールに沿ってテープを個々の単位に切断し、矩形のスヌースパウチが形成される。この方法は、広く知られており、その変形例も多く知られている。
【0004】
取り分けされたスヌースのいくつかの形態において、最終製品は、矩形の白色のフリースパウチであり、黒っぽいタバコの一部がフリースを介して見える。スヌースの多い水分量によって、そして特に貯蔵または梱包条件によって影響を受ける場合、液体がスヌースから染み出し、フリースに黒色または茶色の染みが形成される。この染みの原因の少なくとも1つは、パウチを形成するフリースをヒートシールする際にタバコから漏れ出す水分である。現在の方法もまたヒートシール部にスヌースの粒子が引っかかり、継ぎ目に沿って染みが発生し、パウチを廃棄することによって材料が無駄になる。
【0005】
シールの継ぎ目にスヌース粒子が捕捉されたパウチおよび染みのついたパウチは、美観が損なわれ、消費者がこのような商品を傷んでいる、欠陥品であるまたは使用に適していないとみなす場合がある。さらに湿性スヌースのこの扱いにくさは、これらの問題の原因となり、取扱中に詰まったり、粘着するなどの製造上の問題にもなる。この製品の商業的性質から、当業者は、これらの問題点に対する種々の解決策を提案してきた。
【0006】
ある一連の解決策は、スヌースの水分の減少に向けられ、これにより染みの原因となる水分が染み出したりまたは移動しにくくなる。スヌースの水分を減少させることは、梱包機械中でスヌースが凝集するなどの特定の問題点を避けることができる。米国特許第4,703,765号は、充填用チューブを介して管状のフリースにスヌースを注入し、フリースの横方向に延びた継ぎ目を容着し、容着された領域を切断し、複数の小分けされ、ヒートシールされたスヌースを提供する装置を開示している。この参考文献は、スヌースの水分含有量は、30%を越えてはならないと教示している。最終スヌース製品の理想的な水分含有量は、約50%であるので、フリースで包装され、小分けされたスヌースに再度水分を付与するために外側から液体が噴射される。
【0007】
他の解決策は、パウチを形成するヒートシール工程中の湿性スヌースを加熱することは、染みに寄与する要因であるので、この工程は、再構築または除去すべきであると教示している。例えば、RCD000019328−0001は、スヌースから離れたフリースの部分に沿ってヒートシールが行われ、シールされた継ぎ目をパウチの裏側に折りたたむ設計のスヌースパウチを示している。シール部からのすべての余熱は、染みを助長するが、継ぎ目がパウチに沿って位置するので、多層構造のフリースを形成し、外方の層がスヌースに近いいくつかの層の染みを見えなくする。
【0008】
このようなスヌースの低水分量化およびヒートシールの位置および種類の変更にも拘わらず、当業界では扱いやすく、かつ、スヌースパウチの染みの問題を軽減するスヌース製品の改善が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、従来技術の問題点を解消する改良された小分けされた無煙タバコ製品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の1つの態様では、小分けされた無煙タバコ製品の製造方法が提供され、この方法は、スヌース製品を単位毎に包装材に供給する工程と、単位毎のスヌースの周囲で包装材をシールする工程とを含み、このシール工程の前にスヌース製品の少なくとも一部を0℃以下の温度に冷却する工程を含む。シールは、加熱を含んでもよい。冷却工程は、スヌース製品を−5℃以下の温度、例えば−10℃以下に冷却することを含んでもよい。包装材は、管またはテープ状であってもよく、この場合、本方法は、シールされたスヌース製品を個別のシールされ、包装されたスヌース製品に分割する工程をさらに含んでもよい。包装材を供する工程は、選択された形状の第1包装材シートに単位毎にスヌース製品を載置する工程と、第1包装材シートのスヌース製品を第2包装材シートで覆う工程とを含んでもよい。例えば、包装材シートの形状は、矩形、方形またはインゲンマメ形状であってもよい。
【0011】
冷却工程は、スヌース製品を冷却ガスで処理する、空気冷却コンベアーを使用する、チルローラーを使用するおよび噴射凍結するからなる群から選択される少なくとも1つの方法を含む。冷却工程は、少なくとも2秒間、少なくとも5秒間、少なくとも10秒間、少なくとも20秒間、少なくとも30秒間、少なくとも45秒間、少なくとも60秒間、少なくとも90秒間、少なくとも120秒間、少なくとも3分間、少なくとも5分間、少なくとも10分間、少なくとも15分間、少なくとも20分間、少なくとも30分間または少なくとも45分間などのように少なくとも1秒間、行われる。冷却工程は、少なくとも45秒間、少なくとも60秒間、少なくとも90秒間、少なくとも120秒間、少なくとも3分間、少なくとも5分間、少なくとも10分間、少なくとも15分間、少なくとも20分間、少なくとも30分間または少なくとも45分間などのように少なくとも30秒間、行われる。
【0012】
包装材は、不織のフリースであってもよい。
【0013】
本明細書中で使用されている「ヒートシール」なる用語は、材料を周囲温度を超える温度で処理し、シール、接合または封止型の作用を奏するあらゆる方法を意味する。この方法は、材料またはその要素が接続部において溶解または接続部を形成もしくは再構成させてシールまたは結合を形成する。具体的には2層の材料の間に可撓性または流動性接着剤を配置することが挙げられる。熱が加えられると、接着剤が硬化し、2つの層に結合を形成する。別の例としては、ポリエチレン繊維部分をいくつか含む不織フリース材が挙げられる。2層以上のフリースを押圧し、熱を加えている間に加熱、押圧された領域の層のポリエチレン成分が流動化し、冷却すると固化し、加熱領域の層間で結合が形成される。ここで注目すべき点は、通常冷凍温度(4℃)で使用される材料が例えば8℃の温度で「ヒートシール」される、または通常体温(37℃)で使用される材料が例えば45℃の温度で「ヒートシール」されるということである。即ち、「ヒートシール」なる用語の使用は、材料の実用温度を実質的に越える温度を包含し、または僅かに高い温度を包含する。
【0014】
「湿性無煙タバコ製品」なる用語は、ここでは少なくとも20%の水分を含み、燃焼を意図したものではないタバコ製品を意味する。製品中の水分量は、水、湿潤剤、風味剤などの液状添加剤および/または他の化合物または組成物を含む。公知の湿性無煙タバコ製品としては、水分量が20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%または60%の標準的な噛みタバコ、水分量が40%、45%、50%、55%、60%、65%または70%のスヌース、水分量が20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%または60%の湿性スヌースが挙げられる。添加剤をこれらの製品に含有させて、最終製品の総水分量および/または水分活性を減少させてもよいが、本発明の目的のためにこのような最終製品も湿性無煙タバコを含むものと考慮する。
【0015】
「スヌース」なる用語は、本発明の方法を用いて扱うことができる製品の1つをここでは意味する。この用語は、従来からよく知られている一般的にスヌースと呼ばれている製品を意味するが、この用語は例示を目的として使用されており、本発明の利用可能性を制限するものではない。
【0016】
「タバコ」なる用語は、タバコ属のあらゆる要素およびその再生材料のあらゆる部分、例えば葉、花、茎などを含む。またこの用語は、天然のタバコに見られる特有の化合物であり抽出されたまたは合成されたニコチンなどの派生物およびタバコ葉の繊維部分などの構造的派生物も含む。さらに物理的に天然のタバコに似せて調製される個々の化学物質および/または複合化学物質を含むタバコ代替え品も包含する。
【0017】
「包装材」なる用語は、製品を入れてそのためのバリアーまたは囲いを形成するあらゆる好適な材料を意味する。本発明で利用可能な「包装材」の例としては、セルロース系材料などからなる編まれた繊維または不織繊維などが挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
小分けされた無煙タバコ製品の製造方法および梱包方法は、製造者および製品によって異なる。しかしながら、スヌース製品の基本的な工程は、次のように要約される、硬化され、挽かれまたは細かく裁断されたタバコを水とブレンドし、滅菌反応にて所定の時間、加熱する。スヌースのブレンドは、その後、ほぼ冷凍温度(4℃)にまで冷却され、所定の時間、たいていの場合48時間、熟成させる。冷却熟成されたスヌースは、パウチに梱包され、パウチは、外部容器に入れられる。場合によって、パウチの梱包は、冷凍製造ラインで行われる。スヌースの容器は、貯蔵および輸送中、ほぼ冷凍温度に保持される。
【0019】
噛みタバコ製品の基本的な工程は、要約すると、硬化され、裁断されたタバコを風味剤、湿潤剤および甘味料を含むケーシング溶液でケーシング処理し、室温で所定の時間、例えば24時間、熟成させることによって行われる。ケース処理され、硬化した噛みタバコは、パウチに梱包され、外部容器に入れられる。国際公開第WO07/37962号は、当業界で知られている小分けされた無煙タバコ製品の多くの変数およびパラメーターについて説明し、要約している。この文献を参照として本明細書に引用したものとする。
【0020】
ここで新たに発見されたことは、中間の冷却工程をあらゆるパウチまたは単位梱包を形成する前に行うことができるということであり、この冷却工程は、外方の包装材をシールするためなどの熱を加えている間の水分の放出を軽減し、よって梱包工程中の包装材の染みの発生を抑制する。本発明の方法により扱いやすい湿性無煙タバコ製品が得られ、梱包装置内での製品の凝集および詰まりを軽減し、よって装置の停止時間および装置の修理費を最小限に抑えることができる。さらに本発明の方法により湿性無煙タバコ製品を所定の形状に正確に形成することができる。これにより材料の無駄を減少することができるので、さらにコストを下げることができる。
【0021】
本発明は、湿性無煙タバコ製品をほぼ水の凝固点以下、例えば0℃以下に冷却することによって機能する。この冷却によってスヌース製品内に水分を効果的に閉じ込め、より乾燥した粒状材料の物理的取り扱い性をスヌース製品に付与することになる。従って、製品の粘り気が減少し、処理が簡素化されるので、この製品は、製造装置にとって扱いやすくなる。いくつかの用途において、本発明によって提供される取り扱い容易性のさらなる利点を得るために冷凍された製品と接触する装置も冷却するのが好ましい。
【0022】
当業者にはよく知られているように特定の添加剤は、湿性無煙タバコ製品の水分の凝固点に影響を与え、本発明では製品の有効水分量の少なくとも半分が、少なくとも半個体状態にあるのが好ましい。これは、取り扱いが容易で、シール中の染みの形成に抗する製品に含まれる水分の妥当な量の固化である。
【0023】
例えば−25℃に製品温度を過度に減少させると、エネルギーを不要に消費し、製造工程の遅延の原因にもなるが、改善された製品とするために必要以上に温度を下げても冷凍温度に戻した後製品の性能に著しい低下は、見られない。本発明を実施する者は、湿性無煙タバコ製品の冷却に最も適した方法を見つけ、その方法が所望の製品の性能に必要なレベルよりわずかに湿性無煙タバコ製品の温度を下げるか、またはその方法が必要以上に顕著に温度を下げるかに拘わらずその方法を採用するはずである。
【0024】
上述のように当業者は、湿性無煙タバコ製品の取り扱いにくさの問題点および染みの問題点に対していくつかの提案をしてきた。製造者が染みの問題だけが解消されないような方法で取り扱いの問題に対応する手段を講じた場合、湿性無煙タバコの冷却は、包装材に隣接する湿性無煙タバコ製品の部分に限定することも可能である。例えば、スヌースが管状に形成されたフリース材に注入される標準的なスヌース梱包工程において、フリースの管は、その中のスヌースと共に冷却して、冷却効果がスヌースの表面層のみに到達するようにしてもよい。フリースがスヌースの冷却工程に付された場合、フリースがシール工程の開始時に低温を呈する場合があるので、ヒートシールの温度および/またはヒートシール形成のタイミングに変更を要する場合がある。染みの発生を軽減するために実施される同様の手段は、装置の性能および取り扱い性を向上させるために本発明によって補うことが可能である。
【0025】
本発明の冷却工程に影響を与える多くの方法がある。当業者にとっては当然のことながら、無煙タバコ製品は、食品のように使用され、食品のように制御された場所で使用される消費材である。従って、好適な材料を本発明の製品を扱うおよび作製するために使用すべきである。
【0026】
冷却期間および温度は、処理される材料の量、使用する装置および材料の特定の物理的特性に大きく依存する。例えば、重いケーシング溶液を多く含む無煙タバコは、所望の結果を得るためにより長い時間およびより低温での冷却を必要とする。
【0027】
本発明を実施するために有用な方法および装置は、製品の性能に長期に亘って影響を与えないように湿性無煙タバコ製品を冷却することができるあらゆる公知のまたは開発された手段を含む。湿性無煙タバコは、経口投与されるものであり、最終製品を汚染するような方法および材料は、好ましくない。
【0028】
当業界で知られており、本発明に利用可能な冷却方法および装置の例としては、ジャケット付き容器が挙げられる。ジャケット付き容器を加熱工程中にスヌース製品を加熱するために現状の製造工程で採用する場合、同じ容器を熟成段階のための所望の温度(多くの場合冷凍温度)に影響与えるために使用し、その後小分け前に製品の温度を下げるために使用することもできる。
【0029】
種々のミキサーも湿性無煙タバコの製造においてよく使用され、これらのミキサーは、製品がタンブリングしている間、急激に冷却することができる冷気または窒素などの冷却されたガス流と共に使用することが可能である。このような工程において、当業者であれば確実に冷却された空気が好適な温度であり、許容範囲以上に製品を乾燥させないように充分短い時間で使用されるように注意を払うはずである。いくつかの形態において、冷却工程中の水分損失を考慮するために製品の予備水分冷却量を増加する必要が生じる場合がある。
【0030】
湿性無煙タバコ製品を熟成領域から小分け梱包領域へと移送するためにコンベアーラインを使用する場合、このラインに冷却手段を設けてもよい。例えば、冷却ガス流を湿性無煙タバコ製品の流れの方向に対して噴射してもよく、および/または製品を移送するベルトまたはシュートを製品の水分をある程度、相変化させるために充分に低い温度に冷却された金属にしてもよい。当業者にとって当然のことながら、このようなシステムに溜まる水を避けるまたは対応するために注意が必要である。もしこのことが対処されないと、淀んだ水が細菌の発生を助長するおよび/または製品に再度導入されるなどして水分量が変わってしまう。
【0031】
フラッシュ冷却法は、食品加工の分野においてよく知られており、本発明の選択肢の1つとして好適である。単純であるが効果的な冷却手段は、アルミニウムのトレイなどの導電性のトレイに湿性無煙タバコを置き、トレイをフリーザー内に積み重ねることである。製品が粘着しないコーティングまたはライナーを設けて、製品がトレイに付着しないようにしてもよい。
【0032】
スプレー冷凍法も知られており、これはコーヒーの加工などに用いられる。その基本は、4つの工程からなる。最初に第1冷凍工程で約−1℃から−6℃の半凍状態にまで冷却する。その後、半凍状態に冷却された無煙タバコは、スチールベルト、トレイまたはドラム上に置かれる。好適な手段を用いて、無煙タバコを段階的に約−10℃から−50℃にまで冷却する。この工程の速度は、粒子の大きさおよび外観に影響を与える。10から200分の遅い工程ではより大きくより黒い粒子が形成され、冷却工程が約10から1000秒と速く行われる場合、より小さく、またおそらく僅かに明るい色の粒子が形成される。
【0033】
この時点での製品は、粒子が捕捉されている黒い氷のシート状になっている。これを必要に応じて選択された粒径になるように裁断または粉砕する。ふるいを使用してもよい。粒子は、所望の量の水分を気化させるために温度および真空度が設定される乾燥チャンバー内に置かれ、ここを出た後、粒子の小分けの準備が整う。
【0034】
今までの説明から明らかなように、本発明は、多くの場合、既存の装置および工程の変更を最小限に抑えて既存の製造ラインに適応させることが可能であるが、新規に構築されたまたは機能が向上した製造拠点の場合、本発明を経済的かつ効果的に実施する好適な装置に製造ラインを合わせるのが好ましい。
【0035】
特にあたかも乾燥した製品かのように扱うことことができる湿性無煙タバコの性能に関し、製品の小分けの新しい方法を可能にする。例えば、標準的な矩形のパウチは、既存の方法に従って作製することができ、機械を複雑にせず、従来の方法と比較して製品の染みの発生を減少させ、ヒートシールの継ぎ目に捕捉される粒子の割合を減少することができる。しかしながら、本発明の方法によって提供される別の選択肢によって新しい製造方法が可能になる。
【0036】
水分の約半分が半個体または個体状態にある湿性無煙タバコを用いて、包装材の第1の層が水平面を横断して延び、複数の小分けされた冷却された湿性無煙タバコ製品が包装材に亘って配され、包装材の第2の層が小分けされた製品上に置かれる新しい方法を実施することができる。種々の小分けされた製品間の空間を形成する領域は、低温レーザーまたはローラーボールペン状の器具でヒートシールすることができる。使用する包装材の量を最小限にすることができ、取り扱い容易な湿性無煙タバコ製品がシールの継ぎ目に位置することなく、またシール工程中の染みの原因になることもない。
【0037】
本発明の冷却された湿性無煙タバコを用いて新たに可能になる別の方法では、平坦なまたは型どりされた包装材を成形された立体の型に入れまたはその上に置き、その金型を閉じ、型の縁部をシールする前に型を製品で満たし、包装材の別の第2の層で覆う。その例として球形が用いられ、この場合一枚の包装材を第1の半球形のモールドにライニングのように置き、包装材で裏打ちされた第1のモールドと重ねられる半球形のモールドが第1のモールドの上方縁部上に置かれる前に第1のモールドに小分けされた1つの冷却された湿性無煙タバコ材を入れる。モールドの重なり合う領域を加熱して、包装材の層間をシールしてモールドから取り出した後、完全な球形になる。
【0038】
ここでは具体的に説明していないが、種々の形態のオートメーションおよびコンピューター制御を本発明を実施する上で採用することができる。その一例として湿性無煙タバコ製品の温度を測定し、所望の温度にするために必要な時間だけ冷却手段を供するモニタリングシステムが挙げられる。
【0039】
実施例1 窒素ガスで湿性無煙タバコを0℃に冷却する
【0040】
1kgのスヌースの塊を公知の方法で製造する。スヌースはコンベアーラインに沿って小分け梱包領域に移動する。このコンベアーラインは、長さ約5メートルの閉じた金属管内に含まれる移動ベルトを含む。ガス供給口が小分け梱包領域に最も近い管の端部付近に設けられており、ガス出口がスヌース供給領域に最も近い管の端部付近に設けられている。
【0041】
約4℃で熟成されたスヌースをそれが金属管内に進む際に移動ベルト上で薄く散布される。僅かに加圧された約−20℃の窒素ガスがガス供給口を介して管に供給される。ガスの圧力は、管内をガスが逆流移動するのに充分であるが、スヌース粒子を散乱させたりベルトからスヌース粒子がこぼれたりしない程度の高さの圧力である。窒素ガスは、移動ベルト上および周囲を通過し、ガス出口を介して管から出て、再度冷却され、本工程でリサイクルされる。
【0042】
スヌースは、約5秒で管を通過し、管を出る際にはスヌースの温度は、0℃となる。スヌースの約半分の水分が固体または半固体状態である。小分け梱包装置がコンベアーラインと流体連通しており、冷却されたスヌースを受け取る。この装置は、冷凍領域に保持され、即ち冷却されたスヌースと接触する面の大半が約4℃の温度に保持されている。小分け梱包が公知の方法に従って行われ、矩形のヒートシールされた小分けされたスヌースのパウチが得られる。得られた製品は、ヒートシールによる染みも発生せず、冷却されたスヌースを処理した機械を詰まらせることもなく、清掃およびメンテナンスのための停止時間も短くすることができる。
【0043】
実施例2 ジャケット付き容器で湿性無煙タバコを−5℃まで冷却する
【0044】
5kgのスヌースの塊を公知の方法で製造する。スヌースを内部攪拌機が設けられたジャケット付き容器中、約4℃で熟成させる。熟成工程が完了したら、ジャケット付き容器を冷却するために使用される流体を−40℃まで冷却する。高速の撹拌およびジャケット付き容器の回転のもと、スヌースは、約5分で−5℃の平均温度まで冷却される。
【0045】
湿性無煙タバコのための絶縁されたトップローディング式のホッパーを有する小分け梱包装置を使用する。ホッパー部分を市販のフリーザーに入れて、約−10℃まで冷却する。冷却されたホッパーを装置に取り付け、冷却されたスヌースをホッパー内に詰め込む。ホッパー用の中空の絶縁性の蓋の中にドライアイス(−110℃の固形CO)を入れ、この蓋をホッパー上で密閉する。
【0046】
小分け梱包装置が冷却されたスヌースを単位毎に予め定められたパターンに熱可塑性接着剤が分散されたフリース状のビスコースの第1の層に分散させる。熱可塑性接着剤を含むフリース状の第2の層がスヌース上に置かれ、互いに接触するビスコースの領域(即ち、スヌース単位の間)を押圧し、加熱してシールする。
【0047】
スヌースを含む領域に亘って押圧または加熱しても、製品内の水分は、ビスコース内に染み出すほど充分な流動性を有していないので、染みを発生させることはない。さらに製品は、粘着または接着状態にないので、押圧しても製品は永久的に粘着性にはならず、場合によっては起こり得るような望ましくない硬い最終製品にはならない。その代わり、スヌースの個々の粒子は、形成されたパウチ内でばらばらの状態にあり、冷凍温度に戻しても粒子は、互いに付着しない。このようにして得られた製品は、中にばらばらな状態の粒状スヌース製品を含む染みのないパウチである。
【0048】
上記の説明および実施例は、本発明の例示を目的としたものであり、本発明を限定するものではない。本発明の精神および実体を含む上述の態様の変更は、当業者が想起し得ることであり、よって本発明は、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内の全ての変形例を広く含むものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スヌース製品を単位毎に包装材に供する工程と、
単位毎のスヌースの周囲で包装材をシールする工程とを含む小分けされた無煙タバコ製品を製造する方法において、
この方法がさらにシールする工程の前にスヌース製品の少なくとも一部を0℃以下の温度に冷却する工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記シール工程が加熱を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記冷却工程がスヌース製品を−5℃以下の温度に冷却することを含むことを特徴とする請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記冷却工程がスヌース製品を−10℃以下の温度に冷却することを含むことを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記包装材が管またはテープ形状で提供され、前記方法がさらにシールされ、包装されたスヌース製品を個別の単位毎に分割する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記単位毎のスヌース製品を供する工程が、
前記単位毎のスヌース製品を所定の形状の包装材からなる第1のシート上に置く工程と、
前記第1シート上のスヌース製品を包装材からなる第2のシートで覆う工程とを含むことを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記所定の形状が矩形であることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記所定の形状が方形であることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記所定の形状が円形であることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項10】
前記所定の形状がインゲンマメ形状であることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項11】
前記冷却工程がスヌース製品を冷却ガスで処理する、空気冷却コンベアーを使用する、チルローラーを使用するおよび噴射凍結するからなる群から選択される少なくとも1つの方法を含むことを特徴とする請求項1乃至10いずれか1項記載の方法。
【請求項12】
前記冷却工程が少なくとも2秒間、少なくとも5秒間、少なくとも10秒間、少なくとも20秒間、少なくとも30秒間、少なくとも45秒間、少なくとも60秒間、少なくとも90秒間、少なくとも120秒間、少なくとも3分間、少なくとも5分間、少なくとも10分間、少なくとも15分間、少なくとも20分間、少なくとも30分間または少なくとも45分間などのように少なくとも1秒間、行われることを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項記載の方法。
【請求項13】
前記冷却工程は、少なくとも45秒間、少なくとも60秒間、少なくとも90秒間、少なくとも120秒間、少なくとも3分間、少なくとも5分間、少なくとも10分間、少なくとも15分間、少なくとも20分間、少なくとも30分間または少なくとも45分間などのように少なくとも30秒間、行われることを特徴とする請求項1乃至12いずれか1項記載の方法。
【請求項14】
前記包装材が不織フリースであることを特徴とする請求項1乃至13いずれか1項記載の方法。
【請求項15】
請求項1乃至14いずれか1項記載の方法で作成される小分けされた無煙タバコ製品。
【請求項16】
請求項1乃至14いずれか1項記載の方法を実施する装置。

【公表番号】特表2010−525800(P2010−525800A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504736(P2010−504736)
【出願日】平成20年4月29日(2008.4.29)
【国際出願番号】PCT/EP2008/055274
【国際公開番号】WO2008/135469
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(500252844)ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド (111)
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
【Fターム(参考)】