説明

無煙可溶性圧縮タバコ製品

2 log cfu/g未満の総好気性微生物数を有する無煙可溶性圧縮タバコ製品は、タバコ成分を殺菌して、その総好気性微生物数を2 log cfu/g未満に、かつその総酵母及びカビ数を2 log cfu/g未満に低下させることによって製造される。殺菌タバコ成分は、圧縮されて無煙可溶性圧縮タバコ製品を形成する前に1つ又はそれよりも多くの非タバコ成分と混合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経口無煙可溶性圧縮タバコ製品に関する。
【背景技術】
【0002】
使用後に消費者によって廃棄される不溶性残留成分を含むいくつかの経口無煙非可溶性タバコ製品は、当業技術で公知である。公知の無煙非可溶性タバコ製品は、プラグ、ツイスト、及びルーズリーフ噛みタバコと、乾燥嗅ぎたばこと、細かく切断された発酵湿りタバコを典型的に含有する湿り嗅ぎたばこと、細かく粉砕された湿りタバコを典型的に含有するルーズ又は分割snusと、タバコ含有チューインガムとを含む。
【0003】
消費者の口中で溶解するいくつかの経口無煙可溶性タバコ製品も公知である。これらの中には、粉砕タバコ又は摩砕タバコを他の材料と共に含むピル、タブレット、及びロゼンジの形態の無煙可溶性圧縮タバコ製品がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「食品分析に関する北欧委員会(NMKL)」方法番号86、第4版、2006年
【非特許文献2】NMKL方法番号98、第4版、2005年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
原料の未加工タバコは、高いレベルの生菌を含有する場合がある。無煙可溶性圧縮タバコ製品は、溶解してこのような製品内のタバコが消費者によって摂取されるので、無煙可溶性圧縮タバコ製品を経口使用のために処理する改善した方法を提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明により、殺菌タバコ成分を含む無煙可溶性圧縮タバコ製品を提供し、実質的に無菌性の無煙可溶性圧縮タバコ製品は、2 log cfu/g未満の総好気性微生物数を有する。
【0007】
本発明により、2 log cfu/g未満の総好気性微生物数を有する無煙可溶性圧縮タバコ製品を製造する方法も提供する。本方法は、タバコ成分を殺菌して総好気性微生物数を2 log cfu/g未満に、かつ総酵母及びカビ数を2 log cfu/g未満に低減する段階と、殺菌タバコ成分を1つ又はそれよりも多くの非タバコ成分と混合する段階と、殺菌タバコ成分と1つ又はそれよりも多くの非タバコ成分とを圧縮して無煙可溶性圧縮タバコ製品を形成する段階とを含む。
【0008】
本発明の目的に対して、総好気性微生物数は、「食品分析に関する北欧委員会(NMKL)」方法番号86、第4版、2006年に従って測定され、指定の総酵母及びカビ数は、NMKL方法番号98、第4版、2005年に従って測定される。NMKL方法番号86、第4版、2006年は、一般的な微生物学方針に従ってサンプル材料の希釈系列を調製し、引き続きペトリ皿内の寒天培地に注加して平面培養することによって好気性菌プレートカウントを測定するのに使用される。本方法においては、サンプルは、30℃で3日間、20℃で3日間、又は6.5℃で10日間のいずれかで培養される。NMKL方法番号98、第4版、2005年においては、この酵母及びカビ数は、どの母体が分析されるかに基づいて、ジクロランローズベンガル寒天(DRBC)、ジクロラングリセロール寒天(DG18)、又はオキシテトラサイクリングルコース酵母エキス寒天(OGYE)上の適切な希釈系列の表面接種によって測定される。すなわち、カビ及び酵母は、22−25.0±1.0℃での5−7日間の培養の後に計数される。
【0009】
タバコ成分は、温度及び時間のような殺菌パラメータが、タバコ成分の総好気性微生物数を2 log cfu/g未満に、かつ総酵母及びカビ数を2 log cfu/g未満に低減し、タバコ成分を実質的に無菌性にするのに十分であるような条件のいずれかの技術を用いて殺菌することができる。
【0010】
適切な殺菌技術としては、以下に制限されるものではないが、単回熱蒸気噴射、反復熱蒸気噴射、及び間接加熱が挙げられる。好ましくは、タバコ成分は、熱蒸気噴射により、より好ましくは、反復熱蒸気噴射によって殺菌される。
【0011】
好ましくは、タバコ成分を殺菌する段階は、熱蒸気噴射による約100℃から約120の温度への約1分から約30分の期間でのタバコの直接加熱を含む。より好ましくは、タバコ成分を殺菌する段階は、反復熱蒸気噴射による少なくとも約100℃の温度へのタバコ成分の直接加熱を含む。
【0012】
タバコ成分の総好気性微生物数及び総酵母及びカビ数を低減すると同時に、殺菌中のタバコ成分の熱処理は、タバコからの香味の生成を有利にもたらす。
【0013】
タバコ成分は、水と共に殺菌することができる。代替的に又は追加的に、タバコ成分は、食品産業での使用が認められている1つ又はそれよりも多くの添加物を用いて殺菌することができ、この添加物としては、以下に制限されるものではないが、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、プロピレングリコール、グリセリン、及びその組合せが挙げられる。
【0014】
殺菌タバコ成分のpHは、殺菌タバコ成分及び1つ又はそれよりも多くの非タバコ成分を圧縮して無煙可溶性圧縮タバコ製品を形成する前に調節することができる。
【0015】
好ましくは、殺菌タバコ成分のpHは、約7.5から約8.9に調節される。殺菌タバコ成分のpHは、1つ又はそれよりも多くの酸性度調整剤の添加によって調節することができる。食品産業での使用が認められている適切な酸性度調整剤は当業技術で公知であり、この調整剤としては、以下に制限されるものではないが、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムのような炭酸アルカリと、炭酸カルシウムと、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムのような水酸化アルカリと、水酸化カルシウムと、水酸化マグネシウムと、その組合せが挙げられる。
【0016】
好ましくは、殺菌タバコ成分のpHは、殺菌タバコ成分を1つ又はそれよりも多くの非タバコ成分と混合する前に調節される。
【0017】
しかし、代替的に又は追加的に、殺菌タバコ成分のpHは、殺菌タバコ成分を少なくとも1つの酸性度調整剤又は緩衝剤を含む1つ又はそれよりも多くの非タバコ成分と混合することによって調節することができる。
【0018】
タバコ成分は、タバコ葉身、タバコ茎、膨張タバコ、及び再生タバコのうちの1つ又はそれよりも多くを含むことができる。
【0019】
タバコ成分は、2つ又はそれよりも多くの異なる種類のタバコの配合物を含むことができる。例えば、タバコ成分は、バージニア、バーレイ、メリーランド、ニコチアナ・ラスチカ、及びオリエンタルタバコから構成される群から選択された2つ又はそれよりも多くの異なる種類のタバコの配合物を含むことができる。代替的に、タバコ成分は、単一種類のタバコを含むことができる。
【0020】
タバコ成分は、乾燥、エージング、火力乾燥、空気乾燥、熱気乾燥、日光乾燥、細断、破砕、及び摩砕のうちの1つ又はそれよりも多くが行われたタバコを含むことができる。
【0021】
好ましくは、タバコ成分は、空気乾燥タバコ、日光乾燥タバコ、暗所空気乾燥タバコ、又はその組合せを含む。
【0022】
好ましくは、タバコ成分は、粒子状タバコを含む。より好ましくは、タバコ成分は、粉砕タバコ、摩砕タバコ、又はその組合せを含む。
【0023】
好ましくは、タバコ成分は、あらゆる適切な平均粒径を有することができる。例えば、タバコ成分は、約1mm未満、約0.5mm未満、又は約0.1mm未満の平均粒径を有することができる。好ましくは、タバコ成分は、約100nmから約1mm、より好ましくは、約100nmから約0.5mmの平均粒径を有する。タバコは、望ましい粒径を得るために一般的な方法で粉砕及び篩分することができる。
【0024】
タバコ成分と同様に、望ましい機械的及び官能的特性を得るために、無煙可溶性圧縮タバコ製品は、1つ又はそれよりも多くの非タバコ成分を更に含む。例えば、本発明による無煙可溶性圧縮タバコ製品は、酸性度調整剤、緩衝剤、充填剤、結合剤、ゲル化剤、潤滑剤、接着防止剤、流動促進剤、崩壊剤、甘味料、香味剤、呈味増強剤、及び着色料から構成される群から選択される食品産業での使用が認められた1つ又はそれよりも多くの非タバコ成分を更に含むことができる。
【0025】
タバコ成分は、1つ又はそれよりも多くの非タバコ成分と乾燥配合されるか又は他の方法で混合することができる。例えば、タバコ成分と1つ又はそれよりも多くの非タバコ成分とは、一緒に粉砕され、又はツイスト式粉末混合機内で混合することができる。
【0026】
タバコ成分は、無煙可溶性圧縮タバコ製品中に圧縮タバコの乾物重量の約0.5%から約60%の量で存在することができる。タバコ成分の量は、例えば、無煙可溶性圧縮タバコ製品の望ましいニコチン含量又は望ましい香料又は他の官能的特性の関数として選択することができる。
【0027】
本発明の特に好ましい実施形態では、無煙可溶性圧縮タバコ製品は、少なくとも1つの結合剤又は充填剤と、少なくとも1つの潤滑剤と、少なくとも1つの接着防止剤又は流動促進剤と、少なくとも1つの酸性度調整剤と、少なくとも1つの香味剤と、少なくとも1つの甘味料とを含む。好ましくは、無煙可溶性圧縮タバコ製品は、ゲル化剤、呈味増強剤、着色料、及び崩壊剤のうちの1つ又はそれよりも多くも含む。
【0028】
好ましくは、無煙可溶性圧縮タバコ製品は、少なくとも1つの結合剤又は充填剤を含む。本明細書全体を通じて、用語「結合剤」及び「充填剤」は、可溶性圧縮タバコ製品の崩壊時間を延ばし、可溶性圧縮タバコ製品の一体性を維持し、可溶性圧縮タバコ製品の硬度を高め、可溶性圧縮タバコ製品の破砕性を低下させ、又は無煙可溶性圧縮タバコ製品に容積を加えるあらゆる成分を意味するのに使用される。単一の非タバコ成分が、結合剤及び充填剤の機能を実行することができることは認められるであろう。
【0029】
無煙可溶性圧縮タバコ製品は、1つ又はそれよりも多くのゲル化剤を任意的に含むことができる。本明細書全体を通じて、用語「ゲル化剤」は、消費者の口中で溶解した時に無煙可溶性圧縮タバコ製品の口当たりに影響を及ぼすあらゆる成分を意味するのに使用される。
【0030】
適切な結合剤、充填剤、及びゲル化剤は、当業技術で公知であり、それらとしては、以下に制限されるものではないが、非タバコ植物繊維と、予ゼラチン化デンプンを含むデンプンと、キサンタンガム、アカシアガム、アラビアガム、グアーガム、ローカストビーンガム、及びアルギン酸ナトリウムのような天然ガムを含むガム類と、ペクチンと、ゼラチンと、寒天と、カラギナンと、プルランと、微結晶セルロースと、メチルセルロースと、カルボキシメチルセルロースと、マルトデキストリンを含むデキストリンと、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、イソマルト、マルチトール及びラクチトールのような糖アルコールと、ブドウ糖と、乳糖と、ショ糖と、ポリビドンと、硫酸カルシウム二水和物と、その組合せが挙げられる。
【0031】
好ましい実施形態では、無煙可溶性圧縮タバコ製品は、結合剤及び充填剤として機能する微結晶セルロースを含む。
【0032】
無煙可溶性圧縮タバコ製品は、1つ又はそれよりも多くの潤滑剤、接着防止剤、流動促進剤、又はその組合せを任意的に含むことができる。本明細書全体を通じて、用語「潤滑剤」、「接着防止剤」、及び「流動促進剤」は、摩擦を低減し、接着性を低減し、又は別の方法で流動特性を改善することによって無煙可溶性圧縮タバコ製品の製造を容易にするあらゆる成分を意味するのに使用される。単一の非タバコ成分が、潤滑剤、接着防止剤、及び流動促進剤のうちの1つ又はそれよりも多くの機能を実行することができることは認められるであろう。
【0033】
適切な潤滑剤、接着防止剤、及び流動促進剤は、当業技術で公知であり、それらとしては、以下に制限されるものではないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、及びフマル酸ステアリルナトリウムを含むそれらの誘導体のようなステアリン酸塩と、ステアリン酸を含む脂肪酸と、ケイ酸マグネシウム及びケイ酸カルシウムを含むケイ酸塩と、デンプンと、ラウリル硫酸マグネシウム及びラウリル硫酸ナトリウムを含むラウリル硫酸塩と、ポリエチレングリコールと、コロイド状ヒュームドシリカを含むシリカエアロゲルとが挙げられる。
【0034】
1つ又はそれよりも多くの潤滑剤、接着防止剤、流動促進剤、又はその組合せは、無煙可溶性圧縮タバコ製品内に圧縮タバコ製品の乾物重量の例えば約0.1%から約5%の量で存在することができる。好ましくは、1つ又はそれよりも多くの潤滑剤、接着防止剤、流動促進剤、又はその組合せは、無煙可溶性圧縮タバコ製品内に圧縮タバコ製品の乾物重量の約1%未満の量で、より好ましくは、この圧縮タバコ製品の乾物重量の約0.2%の量で存在することができる。
【0035】
無煙可溶性圧縮タバコ製品は、1つ又はそれよりも多くの崩壊剤を任意的に含むことができる。本明細書全体を通じて、用語「崩壊剤」は、消費者の口内に置かれた時に無煙可溶性圧縮タバコ製品の分裂又は崩壊を容易にするあらゆる成分を意味するのに使用される。
【0036】
適切な崩壊剤は当業技術で公知であり、この崩壊剤としては、以下に制限されるものではないが、予ゼラチン化デンプンを含むデンプンと、デンプングリコール酸ナトリウムと、アルギン酸ナトリウムと、クロスカルメロースナトリウムと、クロスポビドンを含む架橋ポリビニルピロリドンと、カルボキシメチルセルロースナトリウムと、カルボキシメチルセルロースカルシウムと、重炭酸ナトリウムと、炭酸カルシウムとが挙げられる。
【0037】
それらの性質に基づいて、1つ又はそれよりも多くの崩壊剤は、無煙可溶性圧縮タバコ製品内に圧縮タバコ製品の乾物重量の例えば約1%から約15%の量で存在することができる。
【0038】
無煙可溶性圧縮タバコ製品は、1つ又はそれよりも多くの甘味料を任意的に含むことができる。本発明による無煙可溶性圧縮タバコ製品は、天然甘味料、人工甘味料、又はその組合せを含むことができる。適切な天然及び人工甘味料は当業技術で公知であり、この甘味料としては、以下に制限されるものではないが、ブドウ糖、果糖、リボース、キシロース、及び転化糖のような単糖類と、乳糖、麦芽糖及びショ糖のような二糖類と、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、イソマルト、マルチトール及びラクチトールのような糖アルコールと、スクラロース、アスパルテーム、サッカリン、アセスルファムK、及びシクラメートのような人工甘味料とが挙げられる。
【0039】
無煙可溶性圧縮タバコ製品は、1つ又はそれよりも多くの香味剤を任意的に含むことができる。本発明による無煙可溶性圧縮タバコ製品は、天然香味剤、人工香味剤、又はその組合せを含むことができる。1つ又はそれよりも多くの香味剤は、封入形態又は非封入形態で添加することができる。
【0040】
適切な天然及び人工香味剤は当業技術で公知であり、この香味剤としては、以下に制限されるものではないが、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、メントール、ユーカリ油、アンゼリカ、アニス、アネトール、カルボン、バニリン、バニラ、バジル油、カルダモン、カッシア、シナモン、クローブ、ココア、コリアンダー油、フェネル油、フェヌグリーク、ジンジャー、レモングラス、リコリス、ナツメグ、パルマローザ油、セージ油、アカシア、アンバー、クラリ、ゲラニウム、ジャスミン、ジュニパーベリー、ラベンダー油、マグノリア、オークモス、オリス根、オスマンサス、ローズ油、サンダルウッド、ベルガモット油、レモン油、ライム油、オレンジ油、フルーツエキス、果物香味料、アーモンド、ココナッツ、チョコレート、コーヒー、茶、アラック、ラム、コニャック、ウィスキー、及びジンが挙げられる。
【0041】
1つ又はそれよりも多くの香味剤は、無煙可溶性圧縮タバコ製品中に圧縮タバコの乾物重量の例えば約0.1%から約4%の量で存在することができる。
【0042】
無煙可溶性圧縮タバコ製品は、例えば、塩化ナトリウム又は塩化アンモニウムのような1つ又はそれよりも多くの呈味増強剤を任意的に含むことができる。
【0043】
無煙可溶性圧縮タバコ製品は、例えば、圧縮タバコ製品の香料又は銘柄を示す又は反映させるための又はその美的外観を改善するための1つ又はそれよりも多くの着色料を任意的に含むことができる。
【0044】
本発明による無煙可溶性圧縮タバコ製品は、上述の機能のうちの2つ又はそれよりも多くを行う多機能非タバコ成分を含むことができることが認められるであろう。例えば、無煙可溶性圧縮タバコ製品は、(i)結合剤又は充填剤、(ii)潤滑剤、接着防止剤、又は流動促進剤、及び(iii)崩壊剤のうちの少なくとも2つとして機能する多機能非タバコ成分を含むことができる。一実施形態では、無煙可溶性圧縮タバコ製品は、例えば、結合剤、流動促進剤、及び崩壊剤として機能する予ゼラチン化デンプンを含むことができる。
【0045】
本発明による無煙可溶性圧縮タバコ製品は、2つ又はそれよりも多くの他の機能を行う多機能非タバコ成分も含むことができる。例えば、無煙可溶性圧縮タバコ製品は、結合剤及び甘味料として作用する糖アルコール、又は流動促進剤及び乾燥剤として作用するコロイド状ヒュームドシリカを含むことができる。例えば、硫酸マグネシウムのような他の適切な公知の乾燥剤も、本発明による無煙可溶性圧縮タバコ製品にその水分含量を制御するために含めることができる。
【0046】
殺菌タバコ成分は、1つ又はそれよりも多くの非タバコ成分と乾燥配合され、次に、無煙可溶性圧縮タバコ製品を形成するために一般的な方法で直接に圧縮することができる。殺菌タバコ成分及び1つ又はそれよりも多くの非タバコ成分は、例えば、単一のダイ及びパンチ配列を有するタブレットプレス又は複数ダイを有する回転タブレットプレスを使用して直接に圧縮することができる。1つ又はそれよりも多くの非タバコ成分と乾燥配合される前に、殺菌タバコ成分は、例えば、流動床造粒機を使用する一般的な方法で任意的に湿式造粒することができる。
【0047】
無煙可溶性圧縮タバコ製品を形成するのに用いられる圧縮力は、いくつかのファクタに基づいて選択することができる。これらのファクタとしては、タバコ成分及び1つ又はそれよりも多くの非タバコ成分を圧縮するのに使用される装置の種類と、無煙可溶性圧縮タバコ製品の寸法と、以下に制限されるものではないが、硬度、破砕性、崩壊性、又は溶解特性を含む無煙可溶性圧縮タバコ製品の望ましい物理的及び機械的性質と、無煙可溶性圧縮タバコ製品の望ましい外観とが挙げられる。例えば、本発明による無煙可溶性圧縮タバコ製品は、圧縮力とそのタバコ及び非タバコ成分の適切な選択により、約2Nから約300Nの硬度を有して製造することができる。
【0048】
更に、本発明による無煙可溶性圧縮タバコ製品は、圧縮力とそのタバコ及び非タバコ成分の適切な選択により、平均的な消費者の口中で約5分から約45分の範囲内で溶解するものを製造することができる。
【0049】
好ましい実施形態では、本発明による無煙可溶性圧縮タバコ製品は、そこの1つ又はそれよりも多くの非タバコ成分の適切な選択により、平均的な消費者の口中で約5分から約15分の範囲内で溶解する。
【0050】
1つ又はそれよりも多くの非タバコ成分の別の適切な選択により、平均的な消費者の口中で約30分から約45分の範囲内で溶解し、かつ消費者によって吸い込まれ、次に、彼らの頬と歯肉の間に「留まる」ことができる本発明による無煙可溶性圧縮タバコ製品を有利に製造することができる。
【0051】
必要に応じて、形成された無煙可溶性圧縮タバコ製品の1つ又はそれよりも多くの表面は、エンボス加工又はデボス加工することができる。代替的に、形成された無煙可溶性圧縮タバコ製品は、例えば、パン型被覆機を用いた一般的な方法で少なくとも部分的に被覆することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明による様々な形状の無煙可溶性圧縮タバコ製品の実施例の(a)斜視図、(b)側面図、及び(c)上面図を示す図である。
【図2】本発明による様々な形状の無煙可溶性圧縮タバコ製品の実施例の(a)斜視図、(b)側面図、及び(c)上面図を示す図である。
【図3】本発明による様々な形状の無煙可溶性圧縮タバコ製品の実施例の(a)斜視図、(b)側面図、及び(c)上面図を示す図である。
【図4】本発明による様々な形状の無煙可溶性圧縮タバコ製品の実施例の(a)斜視図、(b)側面図、及び(c)上面図を示す図である。
【図5】本発明による様々な形状の無煙可溶性圧縮タバコ製品の実施例の(a)斜視図、(b)側面図、及び(c)上面図を示す図である。
【図6】本発明による様々な形状の無煙可溶性圧縮タバコ製品の実施例の(a)斜視図、(b)側面図、及び(c)上面図を示す図である。
【図7】本発明による様々な形状の無煙可溶性圧縮タバコ製品の実施例の(a)斜視図、(b)側面図、及び(c)上面図を示す図である。
【図8】本発明による様々な形状の無煙可溶性圧縮タバコ製品の実施例の(a)斜視図、(b)側面図、及び(c)上面図を示す図である。
【図9】本発明による様々な形状の無煙可溶性圧縮タバコ製品の実施例の(a)斜視図、(b)側面図、及び(c)上面図を示す図である。
【図10】本発明による様々な形状の無煙可溶性圧縮タバコ製品の実施例の(a)斜視図、(b)側面図、及び(c)上面図を示す図である。
【図11】本発明による様々な形状の無煙可溶性圧縮タバコ製品の実施例の(a)斜視図、(b)側面図、及び(c)上面図を示す図である。
【図12】本発明による様々な形状の無煙可溶性圧縮タバコ製品の実施例の(a)斜視図、(b)側面図、及び(c)上面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本発明による無煙可溶性圧縮タバコ製品は、様々な異なる形状で製造することができる。図1−図12は、本発明による異なる形状の無煙可溶性圧縮タバコ製品の実施例の(a)斜視図、(b)側面図、及び(c)上面図を示している。
【0054】
本発明による無煙可溶性圧縮タバコ製品はまた、様々な異なる大きさに製造することができる。例えば、本発明による無煙可溶性圧縮タバコ製品は、約2mmから約30mmの直径、及び約0.1gから約3.0gの重量を有することができる。
【符号の説明】
【0055】
a 無煙可溶性圧縮タバコ製品の実施例の斜視図
b 無煙可溶性圧縮タバコ製品の実施例の側面図
c 無煙可溶性圧縮タバコ製品の実施例の上面図
【図1−12】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
無煙可溶性圧縮タバコ製品であって、
殺菌タバコ成分、
を含み、
2 log cfu/g未満の総好気性微生物数を有する、
ことを特徴とする製品。
【請求項2】
前記タバコ成分は、約100nmから約0.5mmの平均粒径を有する粒子状タバコを含むことを特徴とする請求項1に記載の無煙可溶性圧縮タバコ製品。
【請求項3】
酸性度調整剤、緩衝剤、充填剤、結合剤、ゲル化剤、潤滑剤、接着防止剤、流動促進剤、崩壊剤、甘味料、香味剤、呈味増強剤、及び着色料から構成される群から選択された1つ又はそれよりも多くの非タバコ成分を更に含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の無煙可溶性圧縮タバコ製品。
【請求項4】
少なくとも1つの結合剤又は充填剤、
少なくとも1つの潤滑剤、接着防止剤、又は流動促進剤、
少なくとも1つの酸性度調整剤と、
少なくとも1つの香味剤、及び
少なくとも1つの甘味料、
を更に含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の無煙可溶性圧縮タバコ製品。
【請求項5】
ゲル化剤、
呈味増強剤、
着色料、及び
崩壊剤、
のうちの1つ又はそれよりも多くを更に含むことを特徴とする請求項4に記載の無煙可溶性圧縮タバコ製品。
【請求項6】
2 log cfu/g未満の総好気性微生物数を有する無煙可溶性圧縮タバコ製品を製造する方法であって、
タバコ成分を殺菌して、その総好気性微生物数を2 log cfu/g未満に、かつその総酵母及びカビ数を2 log cfu/g未満に低下させる段階と、
前記殺菌タバコ成分を1つ又はそれよりも多くの非タバコ成分と混合する段階と、
前記殺菌タバコ成分と1つ又はそれよりも多くの非タバコ成分とを圧縮して無煙可溶性圧縮タバコ製品を形成する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
前記タバコ成分を殺菌する前記段階は、約1分から約30分の期間にわたって約100℃から約120℃の温度まで熱蒸気噴射により該タバコを直接加熱する段階を含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記タバコ成分を殺菌する前記段階は、少なくとも約100℃の温度まで反復熱蒸気噴射により該タバコ成分を直接加熱する段階を含むことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記殺菌タバコ成分及び1つ又はそれよりも多くの非タバコ成分を圧縮して前記無煙可溶性圧縮タバコ製品を形成する前に、該殺菌タバコ成分のpHを約7.5から約8.9の間で調節する段階、
を更に含むことを特徴とする請求項6、請求項7、又は請求項8に記載の方法。

【公表番号】特表2012−516137(P2012−516137A)
【公表日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546617(P2011−546617)
【出願日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【国際出願番号】PCT/EP2009/009323
【国際公開番号】WO2010/086010
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(596060424)フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム (222)
【Fターム(参考)】