説明

無線タグ通信装置

【課題】探索対象となっている無線タグを見失った場合でも、簡単に迅速にしかも効率よくリカバリできる無線タグ通信装置を提供すること。
【解決手段】上記課題を解決するために、実施形態の無線タグ通信装置は、アンテナと探索を行う特定の無線タグとの通信状態を検知し、通信状態が所定の値よりも良いときの送信電力値を記憶し、前記無線タグとの送信電力を下げていき、通信状態が前記所定の値よりも悪くなったとき、前記記憶されていた送信電力値に基づきこれよりも送信電力を上げて前記無線タグと通信を行い、更に通信状態が悪くなったとき前記記憶された送信電力値に基づいて再設定を行うことを特徴とする無線タグ通信装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、非接触で無線タグ(RFID(Radio Frequency Identification)タグともいう)と通信する無線タグ通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線タグシステムが注目され、導入が進んでいる。ICチップとアンテナから成る無線タグを物品に取り付け、ICチップ内のメモリに格納されたID情報を、非接触で無線タグ通信装置により読み取る。
【0003】
無線タグシステムを使用した作業として、それぞれ無線タグが貼付された物品が多数あるエリア内で、無線タグ通信装置を使って、特定の無線タグを探索する作業がある。
【0004】
当初は、比較的広い通信エリア内で送信部から質問電波を送信し、受信部にて無線タグからの応答信号により通信エリア内に存在するすべての無線タグを読み取る。無線タグが複数個あった場合には送信電力調整回路を制御して自動で通信エリアを縮小し、再度読み取り作業を繰り返す質問器が知られている。送信電力を絞るのと同様に受信感度を絞ることにより同様な効果が得られることも開示されている。
【0005】
しかしながら、このような質問器では、通信エリア内に存在するRFタグの個数が1個になるまで送信電力を低下させており、何らかの原因により、使用者が質問器の向きを変えてしまったり、対象のRFタグの位置とは異なる方向に移動してしまった場合には、探索対象のRFタグを読み取ることができず、見失ってしまうことがあった。
【0006】
また、通信エリアは、使用するRFタグの種類や、RFタグを付ける物品の材質、RFタグの貼付方法などにより異なる。使用者の初期位置と探索対象の位置の間の距離に対して、初期状態の送信電力が非常に大きく、通信エリアがあまりに広い場合には、探索対象でないRFタグを多く読み取ってしまうと共に、通信エリア内に存在するRFタグの個数が1個になるまでの送信電力の変更量が大きくなってしまい、探索が非効率で探索に長い時間を要することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−98951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明では、探索対象となっている無線タグを見失った場合でも、簡単に迅速にしかも効率よくリカバリできる無線タグ通信装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、実施形態の無線タグ通信装置は、アンテナと探索を行う特定の無線タグとの通信状態を検知し、通信状態が所定の値よりも良いときの送信電力値を記憶し、前記無線タグとの送信電力を下げていき、通信状態が前記所定の値よりも悪くなったとき、前記記憶されていた送信電力値に基づきこれよりも送信電力を上げて前記無線タグと通信を行い、更に通信状態が悪くなったとき前記記憶された送信電力値に基づいて再設定を行うことを特徴とする無線タグ通信装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(a)は一実施形態に係る無線タグ装置の全体を示す図であり、(b)はアンテナの断面図である。
【図2】一実施形態の全体の電気的構成を示す図である。
【図3】図2における質問応答生成検出部及び無線部の構成例を示す図である。
【図4】図3における通信状態検出判定部の構成例を示す図である。
【図5】図2における送信電力記憶部の構成例を示す図である。
【図6】実施形態の無線タグ通信装置が移動したときの通信可能範囲の変化を説明するための図である。
【図7】実施形態において無線タグの探索を行うための動作を説明するための図である。
【図8】図5に示す送信電力記憶部24に記憶される電力値を説明するための図である。
【図9】無線タグの探索を開始するときの送信電力の初期値決定の動作を説明するための図である。
【図10】図9において、初期値として決める送信電力値の選択又は算出を説明するための図である。
【図11】図7において探索終了の最小値を決める動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、一実施形態について、図面を用いて説明する。この実施形態の全体を図1(a)に示す。携帯型の無線タグ通信装置を例に挙げて説明する。
【0012】
この無線タグ通信装置は、本体11とこの本体11にアンテナケーブル12により接続されたアンテナ13から成る。
【0013】
本体11は、使用者が入力するための入力キー14や、実行する業務、通信装置の状態或は通信結果などを表示する表示部15で構成される。アンテナ13は、使用者がアンテナを持つ場合のグリップ16や筐体17などから構成される。図示しないが、アンテナと本体は、連結して一体化できるようになっていてもよい。
【0014】
アンテナ13は、一例として図1(b)に示すように、板状の誘電体13aの一方の面に放射器13b、他方の面に地板(GND)13cが構成された平面パッチアンテナある。アンテナの一方の面の中心に対して略垂直方向に最大利得Mを持つ指向性を有している。この無線タグ通信装置は、領域内に複数ある無線タグのうちの1つを予め特定して通信を行うものである。
【0015】
この実施形態の通信装置の電気的構成の概略ブロック図を、図2に示す。予め特定されている無線タグには振幅変調した質問信号が送信され、当該無線タグから送られてきた応答信号は、直交復調される。
【0016】
この無線タグ通信装置は、上述のアンテナ13と、このアンテナ13を介して無線タグと通信を行う無線部20と、アンテナ13から送信する質問信号を生成し無線タグから受信した応答信号の内容を検出し解読する質問応答生成検出部21と、アンテナ13と無線タグとの通信状態を検出し判定する通信状態検出判定部22と、この判定結果に基づいてアンテナ13から送信する送信電力を制御する送信電力制御部23と、送信電力制御部23により制御された送信電力を記憶する送信電力記憶部24と、通信する無線タグの特定や特定された無線タグと通信ができなくなったときなどに再設定を外部から入力する入力部25と、この装置の通信状態などを使用者に伝える通知部26と、上位のコンピュータなどと通信を行うインターフェース(IF)部27と、各部に電源を供給する電源部28と、これら各部を全体として制御する全体制御部29とを有する。
【0017】
送信電力記憶部24は記憶回路により構成され、後述するように送信電力制御部23により制御された送信電力が、とき系列的に記憶され、通信状態の良好なときの送信電力の最大値、最小値、もっとも新しい値(最新値)などが記憶される。
【0018】
図2に示すように、入力部25には上記入力キー14とマウス25aが含まれており、通知部26には上記表示部15と所定の状態になったとき使用者に例えば音により警告を発するブザーから成る音声警告部26aが含まれる。また、入力部25には、通信を行う無線タグを指定するための無線タグ指定部25bと、追跡している無線タグをも失ったとき再設定を行う再設定指示部25cも含まれており、入力キー14またはマウス25aにより使用者が入力を行うことにより、無線タグの指定、及び再設定が行われる。電源部28は、バッテリとこのバッテリの充放電を制御する制御回路を含む。
【0019】
図2において、電源部28から各部に電源が供給され、全体制御部29は、各部を制御しているが、見易くするためにこれらを意味する矢印は示していない。
【0020】
無線部20及び質問応答生成検出部21の構成例を図3に示す。無線部20は、第1端子aをアンテナ13に接続された方向性結合器例えばサーキュレータ30と、この第2端子bに出力端子を接続された電力増幅部31と、この電力増幅部31の入力端子に出力端子を接続された振幅変調部32と、サーキュレータ30の第3端子cに各々入力端子を接続された乗算器33a、33bと、乗算器33a及び振幅変調部32に発振出力を供給する局部発振器34と、局部発振器34の出力を90°移相し乗算器33bに移相出力を供給する90度移相器35とを有する。
【0021】
サーキュレータ30は、第2端子b、第1端子a、第3端子cの順序の信号の方向性を有しており、第2端子bに供給される電力増幅部31の出力は、第1端子aからアンテナ13に供給され、第1端子aに入ってくるアンテナ13からの受信信号は、第3端子cから乗算器33a,33bに供給されることになる。
【0022】
電力増幅部31には、送信電力制御部23の出力が制御信号として供給され、電力増幅器の増幅度を増減制御することにより、アンテナ13から送信される電力の大きさを変える。なお、全体制御部29または送信電力制御部23には、例えばISO18000-6 typeCに準拠したRFIDタグの通信プロトコル機能が搭載される。送信電力制御部23からの送信電力設定信号によって、送信電力が適切に設定できるようにできる。
【0023】
無線タグがバッテリを持たないパッシブタグの場合には、先ず、無変調波を電力増幅器31で増幅して、サーキュレータ30を介してアンテナ13から電磁波を出力して無線タグを起動させる。
【0024】
無線タグにデータを送信する場合には、符号化部39にて符号化した信号を局部発振器34の出力により振幅変調を行う。無線タグから信号を受信するときには、無線タグ通信装置から無変調搬送波を送信している状態で、無線タグがアンテナ端のインピーダンスを制御(バックスキャッタ)し、これによって反射状態が変わり、これを無線タグ通信装置のアンテナ13で検出する。受信した電磁波信号は、サーキュレータ30を介して直交復調され、例えば同期クロックを生成して、予め決められたプリアンブルを検出して、データの先頭を検出し、復号して受信データを得る。また、誤り検出符号によって、誤りの有無を検出するようにすることもできる。図3に示す構成では、直交復調の同相成分での復調と直交成分での復調のどちらかで誤りがなければ正しくデータを受信したとする構成になっている。
【0025】
質問応答生成検出部21は、上記乗算器33aの乗算出力を入力信号としてI信号線分を復調するI信号成分復調部36aと、上記乗算器33bの乗算出力を入力信号としてQ信号線分を復調するQ信号成分復調部36bと、これら復調部において復調された信号から、無線タグから送信されてきた応答信号を検出する応答信号検出部37と、無線タグに送信する質問信号を生成する質問信号生成部38と、この質問信号生成部38により生成された質問信号を符号化し符号化した質問信号を振幅変調部32に送る符号化部39と、I信号成分復調部36a及びQ信号成分復調部36bに入力されるI信号成分及びQ信号成分から受信信号としてのレベルを検出する受信信号レベル検出部40とを有する。
【0026】
受信信号レベル検出部40は、I信号とQ信号の振幅の大きい方の振幅を検出して出力する。あるいは、I信号とQ信号は直交しているので、ベクトル合成した振幅(=√(I2+Q2)、IとQはそれぞれ、I信号の振幅、Q信号の振幅)を検出して出力してもよい。
【0027】
受信信号レベル検出部40の出力は、通信状態検出判定部22に供給される。符号化部39の出力、すなわち符号化された質問信号は、振幅変調部32に入力され、変調信号として局部発振器34から入力される発振信号により振幅変調された質問信号は、電力増幅部31で電力増幅されて、サーキュレータ30からアンテナ13に送られ、無線タグに向けて送信される。
【0028】
応答信号検出部37にて得られた応答信号は通知部26に送られ、表示部15に表示したり、予め定めた所定の条件を満たす場合には、音声警告部26aにより音または音声で使用者に警告を発する。
【0029】
通信状態検出判定部22の構成例を図4に示す。この通信状態検出判定部22は、質問応答生成検出部21の受信信号レベル検出部40からの信号レベルを受けて、通信状態を検出する通信状態検出部43と、この通信状態検出部43の出力を予め定めた通信状態と比較する状態比較部44とを有し、この比較結果に応じて送信電力を変更する必要があれば、送信電力制御信号を送信電力制御部23に送るとともに、通知部26にも送る。通信状態検出部43は、実際にはこの無線タグ通信装置における検知通信状態値Dを検知することになる。
【0030】
なお、ここで通信状態とは、所定時間内にタグから正しく情報を入手できた回数(読取回数)、或いは、読取率、または受信電力レベルに対応し、例えば無線タグ通信装置から送信された信号が指定された無線タグにより受信される受信電力レベルを意味する。この通信状態をここでは、検知通信状態値としてDで表す。
【0031】
送信電力記憶部24の構成例を図5に示す。この送信電力記憶部24は、通信状態が良好な時の送信電力を時系列的に所定時間ごとに順次記憶するとき系列記憶部51と、この時系列記憶部51に記憶される送信電力のうち、通信が良好な時の最大電力値が記憶される最大値記憶部52と、通信が良好な時の最小電力値が記憶される最小値記憶部52と、通信が良好な時の最も新しい検知送信電力値Dが記憶される最新値記憶部54とを有する。
【0032】
次に、この実施形態につきフローチャートを用いて、この無線タグ通信装置の(a)無線タグ探索中の動作、(b)探索開始ときの送信電力初期値P1の決定、(c)探索終了ときの最小値Pminの決定について、順次説明する。
【0033】
<(a)無線タグ探索中の動作>
いま、この実施形態の無線タグ通信装置は、図6に示すように、無線タグB1〜B5、C1〜10、D1〜10が混然となっている領域の中で、無線タグD8と通信を行うものとする。本体11とアンテナ13から成る無線タグ通信装置は移動可能なモバイル型であり、使用者は位置Aから位置Bに移りさらに位置Cに移動する。
【0034】
使用者が位置Aにいて送信電力P1により無線タグと無線通信できる領域を通信可能領域AP1で表す。以下同様に、位置A,B,C,C′と送信電力P1,P2,P3の組み合わせで各々の場合に無線タグと通信できる通信可能領域を表示する。
【0035】
無線タグ通信装置により無線タグD8を探索中のフローチャートを図7に示す。まず、位置Aにいる使用者によって、入力部25の入力キー14により入力され、無線タグ指定部25bで無線タグD8が指定される。
【0036】
使用者は、位置Aで送信電力はP1で、無線タグD8の探索及びこの無線タグからの情報の読取を開始する。この場合の通信可能領域は実線で示す通信可能領域AP1であり、探索及び情報の読み取りを開始する領域は十分広い範囲となるよう、送信電力を大きくする。
【0037】
図7のステップS701で探索対象のIDと送信電力初期値P1を設定する。この場合の通信可能領域AP1には、無線タグD8が入っており、使用者は本体11とアンテナ13を少し動かすことで無線タグD8から情報を読み取ることができる。
【0038】
次のステップS702では、このときの通信状態を検知する。
【0039】
通信状態は、所定時間内にタグから正しく情報を入手できた回数(読取回数)、或いは、読取率、或いは、受信信号レベル検出部40で検出した受信信号レベル、などで、表される。次にステップS703では、検知通信状態値Dが第1の閾値(第1の通信状態値)aより大きいか否かの比較が、通信状態検出判定部22の状態比較部44で行われる。通信状態検出判定部22の状態比較部44で、通信状態(検知通信状態値D)と閾値aを比較し、通信状態が閾値aを超えている場合には、通信状態良好と判断する。
【0040】
検知通信状態値Dが、閾値aより大きいときには、ステップS704において、この時の送信電力値が最小値minであるか、図示しない比較部で比較し、判定される。この時の送信電力値が最小値minより小さいときには、探索は終了となる。この最小値minの求め方については、後の(c)探索終了ときの動作で詳しく説明する。
【0041】
使用者が位置Aで矢印61にアンテナ13を向けている場合には、図6に示すように、探索対象の無線タグD8は通信可能領域AP1に入っており通信状態は良好となる。
【0042】
図示しない比較部において、この時の送信電力値が最小値Pminより大きいと判定されたときはステップS705に移り、この時の送信電力値が、送信電力記憶部24の系列記憶部51(図5参照)に記憶される。
【0043】
ここで、送信電力記憶部24の各記憶部に記憶される検知送信電力値について図8により説明する。時系列記憶部51には、通信状態が良好のとき、すなわち検知通信状態値Dが、閾値aより大きいときの送信電力値P1iが順次、記憶されていく。
【0044】
その記憶された送信電力値のうち、最大の電力値P1maxが最大値記憶部51に記憶され、最小の電力値P1minが最小値記憶部53に記憶される。最新値記憶部54には通信状態が良好な最も新しい電力値P1lastが記憶される。ここでは最初の最大値は、P1としている。
【0045】
次のステップS706では、通信状態検出判定部22から送信電力制御部23に電力制御信号を送り、送信電力を1ステップ下げる。そして、ステップS702に戻る。
【0046】
一方、ステップS703において通信状態値Dが第1の閾値aより大きくないときには、ステップS707に移り、検知送信電力値Dが第2の閾値(第2の通信状態値)bより小さいかどうか、あるいは、送信電力の再設定入力があるかどうか検知される。
【0047】
検知通信状態値Dが第2の閾値bより小さいかどうかの比較は、通信状態検出判定b22の状態比較部44においてなされる。また、送信電力の再設定は、入力部25の入力キー14からあるいは、マウス25aにより使用者が所定の操作を行い、再設定指示部25cを通して送信電力制御部23に再設定制御信号が入力されることによりなされる。
【0048】
ステップS707において、検知通信状態値Dが閾値bより小さいときには、ステップS708において、例えば送信電力記憶部24の最新値記憶部54から通信状態が良好なときの最新値が読みだされる。あるいは、最適な送信電力値が記憶されていない場合には記憶された値から算出される。再設定が入力部25から要求された場合にも、例えば送信電力制御部23の最新値記憶部54から読みだされて、送信電力制御b23はその値に、送信電力を設定する。
【0049】
このように、検知送信電力値Dが、閾値bより小さくなるのは、例えば図6において使用者が位置C′の位置に移動して、無線タグD8とまったく通信できなくなったときなどに生ずる。
【0050】
そして、次のステップS709では、送信電力制御部23から上記の送信電力再設定値が無線部に設定され、通信状態を検知するステップS702に戻る。
【0051】
また一方、ステップS707において、検知通信状態値Dが閾値bより小ではないことが、通信状態検出判定部22において判定されたときには、その旨の送信電力制御信号が送信電力制御部23に送られ、送信電力が1ステップ上げられる。その後、ステップS702に戻って、通信状態を検知する。
【0052】
このようにして、位置Aにおいて、最初送信電力P1で信号が送信され、通信状態が良好な場合には、徐々に送信電力を下げていく。そして、送信電力が小さくなり、検知通信状態値Dが閾値aよりも小さくなり、かつ閾値bよりも大きい場合に、送信電力を1ステップ上げる。したがって、位置Aで最初の送信電力P1を送信するときには、通信可能領域はAP1であるが、徐々に送信電力が小さくされ、通信可能領域は無線タグD8に送信電力が適度に届くAP2(この時の送信電力がP2)となる。
【0053】
図6において、使用者が矢印61にしたがって位置Bに移動すると通信可能領域はBP1となる。位置Bは、無線タグD8に近づいているから先の送信電力P2で送信すれば当然、無線タグD8よりも遠くまでをカバーすることになる。図6において破線で示す通信可能領域BP2がこのことを表している。この状態から、図7のフローチャートでステップS702から動作させると、通信状態が良好である限りステップS703〜S706に行き、更にステップS702に戻るので、送信電力は小さくされる反面第1の閾値aより通信状態が小さくなると送信電力を1ステップ上げる(S702,S703,S707〜S709,S702)ので、送信電力はP3となり、通信可能領域は位置Bから辛うじて無線タグD8に電波が届くBP3になる。
【0054】
更に、使用者が矢印62にしたがって位置Cに移動し、この位置から送信電力P3で無線タグD8の探索を続ける。このときの通信可能領域は図6に一点鎖線で示すCP3である。この位置Cにおいても同様にして送信電力を1ステップずつ下げていき、無線タグD8に辛うじて送信電波が届く送信電力P4となる。このときの通信可能領域がCP4となる。このようにして、本体11とアンテナ13を有する無線タグ通信装置を携えて無線タグD8に近づいていくと、無線タグとの通信を可能な範囲で送信電力を小さくすることができる。
【0055】
通信状態検出判定部22の状態比較部44における判定結果などは、通知部26に送られ、表示部15の表示画面上に表示されあるいは、音声警告部26aで音声により例えばブザーで警告される。
【0056】
上述のように、無線タグとの通信状態はブザーで警告あるいは表示部15に表示されるため、使用者は探索対象の無線タグの方向を検出することができる。使用者が位置Aに留まった状態では、上述のフローにより、送信電力が下がっていくため、送信電力がP2になると通信状態が閾値a以下になるが、使用者が、検出した方向に進んでいけば、図6に示す位置B、位置Cを通って、通信状態良好のまま探索対象の無線タグD8に辿り着くことができる。そして、送信電力が下がり、送信電力値が最小値Pminになると終了する。
【0057】
また、使用者が検出した方向に向かって動くよりも、送信電力制御部が送信電力を下げるのが早い場合には、通信状態は閾値aを超えない。通信状態が第1の閾値a以下で第2の閾値b以上の場合には、送信電力制御部は、送信電力を1段階上げる(図7のS710参照)。使用者が位置Aに留まっている場合には、送信電力はP2とP2の1ステップ上を繰り返すことになる。なお、閾値bは、通信状態がこの閾値bを下回った場合には、対象の無線タグDが通信可能範囲から外れていると判断するための第2の閾値(第2の通信状態値)である。
【0058】
また、使用者が探索対象の無線タグD8の方向とは異なる方向(例えば矢印63)に進んでしまうこともある。使用者が図6に示すように位置C'に行ってしまった場合には、通信状態は第2の閾値bを下回ってしまう。通信状態がこの閾値bを下回った場合には、通信状態検出判定部22は、探索対象の無線タグD8を見失ったと判断して、送信電力制御部23は、送信電力記憶部24に記憶されている送信電力値を選択しあるいは記憶されている送信電力値から適切な送信電力を算出した値で、送信電力制御部23にて送信電力を再設定する。
【0059】
再設定する送信電力の選択に関しては、最新値を選択すれば、直近の通信状態良好であった状態にすることができるため、本実施例では、図5に示す送信電力記憶部24では、最新値記憶部54に記憶されている最新値を選択して再設定するとして説明している。しかし、送信電力記憶部24に記憶されている値として最新値でない送信電力値を設定することも可能である。
【0060】
図2には示していないが、送信電力制御部23から、送信電力を再設定した旨を通知部26に通知する。使用者は通知部26の表示部15の表示画面上で通信状態が良好であった位置Bに戻る旨を知る。
【0061】
無線タグD8を見失った場合(ステップS707でY)に、表示画面上には通信状態が良好であった位置に移動するよう促す表示を出すようにしてもよい。また、送信電力再設定値を、最新値にしたのか、それ以外の値にしたのかも通知部26の表示部15で表示させて、使用者がどの位置に移動すればいいかが判断できるようにしてもよい。
【0062】
あるいは、通信状態である検知送信電力値Dが閾値bを下回った場合でなく、使用者が入力部25で、送信電力の再設定を入力することによって、送信電力制御部23は、同様に、送信電力記憶部24に記憶されている送信電力あるいは送信電力範囲から送信電力を選択し、送信電力制御部23にて送信電力を再設定すると共に、送信電力を再設定した旨を通知部26に通知するようにしてもよい。
【0063】
このように使用者は、探索対象の無線タグを見失った場合でも、通信状態良好の状態に戻ってリスタートすることができ、初期状態に戻り、送信電力を最初の大きな値にすることなく探索を効率的に再開することができる。
【0064】
また、通信状態(検知通信状態値D)が第1の閾値a以下で第2の閾値b以上の場合に送信電力を上げる機能を設けたことにより、探索対象の無線タグを見失うことを防止することができる。
【0065】
なお、上記図7に示す動作の説明では、通信状態が閾値bを下回った場合に直ちに送信電力を再設定するとしているが、通信状態が閾値bを下回っているのが所定時間以上続いた場合に送信電力を再設定するようにしてもよい。
【0066】
あるいは通信状態が閾値bを下回っているのを複数回検出した場合に送信電力を再設定してもよい。通信状態が閾値aを超えて送信電力を下げる場合、および通信状態が閾値a以下かつ閾値b以上で送信電力を上げる場合についても同様である。
【0067】
<(b)探索開始時の送信電力初期値P1の決定>
次に、この実施形態の無線タグ通信装置において、探索開始ときの送信電力の初期値P1の値をどのように決めるかについて図9に基づいて説明する。
【0068】
実際に使用者が使用する環境で、実際に探索する物品に無線タグを付け、探索を開始するときにありうる、物品(無線タグ貼付)との最長距離の位置で、本機能を用いることで、探索を効率よく行うことができる探索開始時の送信電力の初期値を、簡単に検出し設定することができる。この場合の送信電力の初期値の決定においても、図2、図4、図5の構成を用いることが可能である。
【0069】
図示しないが、使用者が入力部25に入力するなどして本機能を選択すると、ステップS901で、送信電力制御部23は送信電力として可能な範囲で最大値を設定し、前記説明と同様に、対象となる無線タグのとの通信(読取)を開始する。この場合にも通信状態は検知される通信状態の値(検知通信状態値D)で表す。図9では、検知通信状態値Dは2つの閾値c,dと比較される。閾値cは通信状態が非常に良好かどうかを判断するための値であり、閾値dは通信状態が許容できるかどうかを判断するための値である。当然閾値dは閾値cより小さい。
【0070】
ステップS902では、通信状態である通信状態値を検知する。そして、次のステップS903では検知通信状態値Dが閾値cより大きいか否かが比較判断される。この比較判断は、通信状態検出判定部22においてなされる。
【0071】
通信状態検出判定部22で送信電力を検知し、検知通信状態値Dが閾値cを超えている場合には、ステップs904に移り、そのときの送信電力値を送信電力記憶部24に記憶する。
【0072】
このときには、ステップS905で、このときの送信電力値が、最小値Pminになっていないか検知する。送信電力値が最小値Pminになっていない場合には、ステップS906で、送信電力を1ステップ下げる。
【0073】
すなわち、通信状態検出判定部22は、送信電力が大きすぎると判断し送信電力制御部23は、送信電力記憶部24にそのときの送信電力値を記憶すると共に、送信電力を1ステップ下げる。送信電力が設定可能な最小値の場合(ステップS905でY)には、これよりも送信電力を下げることができないため、この送信電力を探索開始時送信電力初期値とする。
【0074】
通信状態が閾値cを越えていな場合(ステップS903でN)には、通信状態検出判定部22は、その中の状態比較部44において、検知送信電力値Dが閾値dを超えているかどうかを検出する。
【0075】
通信状態が、閾値c以下でしかも閾値dより大きい場合(ステップS907でY)には、ステップS908で、送信電力制御部23は送信電力記憶部24にそのときの検知送信電力値を記憶する。送信電力値が設定可能な最小値Pminよりも大きければ、ステップS905においてNとなり、ステップS906で送信電力を1ステップ下げる。
【0076】
このようにして、検知送信電力値Dが閾値cより十分大きい場合には、ステップS902からS906のループを回り、そのときの送信電力値を記憶するととともに送信電力を1ステップずつ下げていく。また、検知送信電力値Dが閾値cより小さくしかも閾値dより大きい場合にはその送信電力値を記憶していきながら、送信電力をさげていく。
【0077】
検知通信状態値Dが閾値dを下回っている場合(ステップS907でN)には、通信状態検出判定部22は、通信状態が悪すぎると判断する。そして、ステップS909で、送信電力制御部23は、送信電力記憶部24に記憶した送信電力値から適当な送信電力値を選択しあるいは算出して、ステップS910において探索開始時の送信電力初期値P1とする。
【0078】
このように、無線タグ通信装置を実際に使用する環境において、送信電力の初期値P1にしておけば、探索開始ときにそれより大きい送信電力で探索を行う必要がない。
【0079】
ここで、送信電力初期値P1を選択又は算出する場合について説明する。
【0080】
図10(a)(b)(c)(d)は、本実施形態の探索開始時 送信電力検出・設定機能の場合の送信電力記憶部24に記憶される送信電力値の例である。図10(a)(b)に示すように、閾値cを超えた場合の送信電力の領域、閾値c以下かつ閾値d以上の場合の送信電力の領域があり、それぞれとき系列で保存される。
【0081】
また、図10(c)(d)に示すように、閾値c以下かつ閾値d以上の場合の送信電力の最大値と最小値が検出され、記憶されている。閾値dを下回った場合には、PsmaxとPsminの平均を算出し、この平均値と一番近い送信電力を検出して、探索開始時の送信電力初期値とする。あるいは、使用者が入力部から設定して選択してもよい。閾値c以下かつ閾値d以上の場合が存在しなかった場合には、閾値cを超えた送信電力の中の最小値を選択する。或いは、使用者が入力部から設定して選択してもよい。さらに、閾値cを超えた送信電力も存在しなかった場合には、閾値dを下回った場合の送信電力最大値を選択することになるが、この場合は、設定可能な送信電力の最大値P1になる。
【0082】
これにより、使用者は、実施の使用環境で、物品を探索する最長距離での、最適な探索開始時の送信電力初期値を簡単に設定することができ、使い勝手が向上する。探索開始時の送信電力初期値を最適にすることで、探索を効率的に行うことができ、短時間で探索できるようになる。
【0083】
探索シーンは、広い倉庫全域で探索する場合や、特定の棚に限定して探索する場合など、様々であり、探索する距離も様々である。例えば、使用者と探索物の間の距離に対して送信電力が大きすぎる場合には、送信電力を下げていく時間が必要になり、時間がかかると共に、送信電力が大きすぎると方向検出が難しくなる。また、使用者と探索物の間の距離に対して送信電力が小さい場合には、探索物に貼付された無線タグを読み取ることができず、探索に時間がかかってしまう。本機能により、効率的に探索し、短時間で探索できる、探索開始時の送信電力の検出と設定を簡単に行うことができる。
【0084】
<(c)探索終了時の最小値Pminの決定>
次に、図7のS704及び図9におけるステップS905において探索を終了する送信電力値Pminの決定の仕方について、図11に示すフローチャートに基づいて説明する。上記と同様に、図2乃至図5に示す構成によりこれらの動作が行われる。閾値fは閾値eより小さい。
【0085】
図11において、ステップS1101で送信電力を最大にして無線タグの探索を開始する。ステップS1102で通信状態(通信状態値)を検知し、ステップS1103で検知通信状態Dを閾値eと比較する。この比較は、通信状態検出判定部22の状態比較部44においてなされる。
【0086】
検知通信状態Dが閾値eより大きいときには、ステップS1104でそのときの送信電力値を、送信電力記憶部24に記憶し、次のステップS1105において、送信電力値が、最小値かどうかを判断する。そうでなければ、ステップS1106で送信電力を1ステップ下げて、ステップS1102に戻る。
【0087】
一方、ステップS1103において、検知通信状態Dが閾値e以下である場合には、ステップS1107に移り、検知通信状態Dを閾値fと比較する。この比較も通信状態検出判定部22の状態比較部44においてなされる。
【0088】
検知通信状態Dが閾値fより大きい場合には、ステップS1108において、このときの送信電力値を記憶し、ステップS1105に移る。この場合にもステップS1106を通ることになるので、検知通信状態Dが閾値fより大きい場合には送信電力を1ステップ下げることになる。
【0089】
一方、ステップS1107でDが閾値f以下の場合には、ステップS1109に移り、送信電力記憶部24に記憶されている送信電力値から探索終了電力値を選択又は算出する。そして、次のステップS1110でこの選択又は算出された送信電力値を探索終了時の送信電力値Pminとし、探索終了時に送信電力値を決定するプログラムは終了する。このようにして決定した送信電力最小値Pminを図7に示すステップS704で、最小値として用いることになる。
【0090】
実際に使用者がこの無線タグ通信装置を使用する環境で、実際に探索する物品に無線タグを付け、探索を終了開始するときに、物品に対して絞り込みたい読取範囲の位置で、本機能を用いることにより探索を効率よく行い、終了することができる探索終了時の送信出力を、簡単に検出し、設定することができる。
【0091】
これにより、使用者は、実使用環境で、探索を終了するときの読取範囲に対応した最適な探索終了時の送信出力を簡単に設定することができ、使い勝手が向上する。探索終了時の送信出力を最適にすることで、探索を効率的に行うことができ、短時間で探索できるようになる。探索シーンにより、物品の間隔は様々であり、探索終了時の送信出力が大きすぎる場合には、探索対象を絞り込むことができずに探索が終了してしまう。逆に、探索終了時の送信出力が小さすぎる場合には、必要以上に探索対象の無線タグに接近する必要があり、物品の外形や形状或いは無線タグ貼付位置によっては、接近できないこともあり、不都合である。本機能により、最適な探索終了時の送信出力を簡単に検出、設定できれば、効率よく短時間で探索できるようになる。
【0092】
なお、上記実施形態の構成を示す図3では、サーキュレータを用いる場合について説明したが、一般的にはサーキュレータに限られず方向性結合器であればよい。
【0093】
以上詳細に述べたように、この実施形態によれば、探索対象となっている無線タグを見失った場合でも、簡単に迅速にしかも効率よくリカバリできる無線タグ通信装置が得られる。
【0094】
本発明のいくつかの実施形態を説明したがこれらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0095】
11・・・・本体
12・・・・アンテナケーブル
13・・・・アンテナ
14・・・・入力キー
15・・・・表示部
16・・・・グリップ
17・・・・筐体
20・・・・無線部
21・・・・質問応答生成検出部
22・・・・通信状態検出判定部
23・・・・送信電力制御部
24・・・・送信電力記憶部
25・・・・入力部
25b・・・・無線タグ指定部
25c・・・・再設定指示部
26・・・・通知部
27・・・・インターフェース(IF)部
28・・・・電源部
29・・・・全体制御部
30・・・・サーキュレータ
31・・・・電力増幅部
32・・・・振幅変調部
33a、33b・・・・乗算器
34・・・・局部発振器
35・・・・90度移相器
36a・・・・I信号成分復調部
36b・・・・Q信号成分復調部
37・・・・応答信号検出部
38・・・・質問信号生成部
39・・・・符号化部
40・・・・受信信号レベル検出部
43・・・・通信状態検出部
44・・・・状態比較部
51・・・・とき系列記憶部
52・・・・最大値記憶部
53・・・・最小値記憶部
54・・・・最新値記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナと探索を行う特定の無線タグとの通信状態を検知し、通信状態が所定の値よりも良いときの送信電力値を記憶し、前記無線タグとの送信電力を下げていき、通信状態が前記所定の値よりも悪くなったとき、前記記憶されていた送信電力値に基づきこれよりも送信電力を上げて前記無線タグと通信を行い、更に通信状態が悪くなったとき前記記憶された送信電力値に基づいて再設定を行うことを特徴とする無線タグ通信装置。
【請求項2】
アンテナから探索を行う特定の無線タグに所定の送信電力で通信した時の通信状態を検知し、この検知通信状態値が第1の閾値よりも大きいときには、送信電力値を記憶するとともに前記送信電力を下げ、前記検知送信電力値が前記第1の送信電力値よりも小さくなったときには前記送信電力を上げ、前記検知通信状態値が前記第1の値より小さい第2の閾値値より小さくなったときには、前記記憶された送信電力値に基づき再設定を行い、これよりも送信電力を上げて前記無線タグと通信を行うことを特徴とする無線タグ通信装置。
【請求項3】
探索を行う特定の無線タグにアンテナから所定の送信電力で信号を送信する無線部と、
前記無線部を介して前記アンテナから前記無線タグに向けて信号を送信して通信した時の通信状態を 検知する通信状態判定部と、
この通信状態判定部により検知された検知通信状態値が、第1の閾値より大きいときには、その送信電力値を記憶する送信電力記憶部と、
前記検知通信状態値が、第1の閾値より大きいときに前記無線部から送信させる信号の送信電力を下げ、前記第1の電力値より小さいときに前記無線部から送信させる信号の送信電力を上げるように制御する送信電力制御部と、
前記送信電力検知部により検知された検知通信状態値が前記第1の閾値より小さい第2の閾値より小さくなったときに、前記送信電力記憶部に記憶されていた記憶電力値に基づいて送信電力の再設定を行い前記無線部から再設定した送信電力を送信する送信電力再設定手段と、
を有することを特徴とする無線タグ通信装置。
【請求項4】
前記再設定を行う入力が可能な入力部を、更に有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の無線タグ通信装置。
【請求項5】
前記再設定が行われたときこの再設定が行われたことを知らせる通知部を、更に有することを特徴とする請求項4記載の無線タグ通信装置。
【請求項6】
前記無線タグに対して探索を開始する送信電力初期値を、前記無線タグと通信を行う環境において、前記送信電力記憶部に記憶された送信電力値に基づいて予め定めておくことを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の無線タグ通信装置。
【請求項7】
前記無線タグに対して探索を終了する送信電力最小値を、前記送信電力記憶部に記憶された送信電力値に基づいて予め定めておくことを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の無線タグ通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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