説明

無線通信システムにおいて偏波を調整するための方法及び配置構成

【課題】本発明の目的は、1つの無線デバイスと他の無線デバイスとの、交差偏波された、すなわち直交的に偏波されたアンテナ構成によって生成される、VP/HP偏波の調整を実行可能にすることである。
【解決手段】この目的は、第1のeNB(100c)において、第1のeNBの偏波を追加のeNB(100a)の偏波と調整する方法によって達成される。偏波は、少なくとも2つの直交偏波アンテナを備えるアンテナ構成によって生成される。第1及び追加のeNB(100c、100a)は、UE(150a)とワイヤレスに通信する。方法は、垂直又は水平の偏波を生成するアンテナ構成の第1の振幅及び/又は位相オフセットと、第1の振幅及び/又は位相オフセットによって生成された当該偏波に対して直交する偏波を生成するアンテナ構成の第2の振幅及び/又は位相オフセットとを、確立するステップと、第1の振幅及び/又は位相オフセットによって生成される偏波が垂直であり、第2の振幅及び/又は位相オフセットによって生成される偏波が水平であるものと、定義するステップと、UEの偏波を決定するステップと、決定されたUEの偏波に基づいて、定義された偏波を追加のeNBの偏波と調整するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、無線デバイス及び制御デバイスにおける方法及び配置構成に関する。より具体的に言えば、1つの無線デバイスの他のデバイスに対するアンテナ偏波の調整に関する。
【背景技術】
【0002】
ユニバーサル移動通信システム(UMTS)は、GSMの後継となるように設計された第3世代移動通信技術の1つである。3GPPロング・ターム・エボリューション(LTE)は、より高いデータ・レート、より良い効率、より低いコストなどの、サービスの改善に関する将来の要件に対処するように、UMTS標準を改良するための、第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP)内のプロジェクトである。ユニバーサル地上無線アクセス・ネットワーク(UTRAN)は、UMTSの無線アクセス・ネットワークであり、進化型UTRAN(E−UTRAN)は、LTEシステムの無線アクセス・ネットワークである。
【0003】
図1に示されるように、E−UTRANは、典型的には、一般にeノードB(eNB)と呼ばれる無線基地局(RBS)100a、100b、100cにワイヤレスに接続された、ユーザ機器(UE)150a、150bを備える。こうしたワイヤレス通信システムでは、良好なスペクトル効率を達成するために、各セル110a、110b、110c内でできる限り多くの無線リソースを再使用することが望ましい。しかしながらこれは、リソースが再使用される場合は必ず、この特定のリソースを使用するリンク間の干渉(セル内又はセル間の干渉)につながる可能性がある。
【0004】
干渉を管理するための様々な手法が知られている。1つの手法は、特定リソースにアクセス可能であるUEを、これらのUEに関するチャネル状態情報に基づいて、アクティブに選択することに依拠している。すべての可能なUEの中で、互いに最も干渉し合わないものを合同でスケジューリングすることができる。他の手法は、直交的に偏波された伝送間の分離が良好である(すなわち干渉が低い)場合、いわゆる偏波ベースの干渉管理と呼ばれる、無線リソースをUEに割り振る際にeNB及びUEのアンテナ偏波に関する情報を使用することである。
【0005】
UEに対する無線リソースをスケジューリングする際にアンテナ偏波情報を使用することの特典は、UEとの間の伝送が主に垂直偏波(VP)又は水平偏波(HP)のいずれかである場合に、最大である。その理由は、たとえかなり影になっている状況であっても、これらの偏波がワイヤレス伝搬チャネル内で良好に保持されることである。したがって、伝送される垂直偏波は、非常に限られた交差偏波散乱(cross-polarization scattering)で、受信側への伝搬全体を通じてその垂直偏波を維持することになり、これは、対応する水平偏波の場合にもあてはまる。これに対して、VP及びHPの両方の要素を含む偏波はそれほど保持されないため、あまり有用ではない。
【0006】
無線チャネル内の交差偏波散乱の量が制限されていることから、垂直対垂直及び水平対水平の偏波組み合わせ(送信アンテナ及び受信アンテナの偏波組み合わせ)は、平均して等しい受信側信号電力を提供する一方で、交差偏波された組み合わせ(垂直対水平又はその逆)は、典型的には、5〜15dBのより弱い受信側信号電力を提供する。VP送信アンテナを備えたeNBによって送信される信号は、HP受信アンテナ(垂直対水平偏波組み合わせ)内よりもさらに強い信号としてVP受信アンテナ(すなわち、垂直対垂直偏波組み合わせ)を備えたUE内で受信されることになる。
【0007】
偏波ベースの干渉管理の基本的考え方については、図2aを参照しながら以下で説明する。VPアンテナを備えたUE150bが、VPを生成する送信/受信モードを使用してeNB100b、100cに伝送するように、又はこれらから受信するようにスケジューリングされ、したがってVP対VP組み合わせチャネル220を提供し、さらに合わせて第2のUE150aが、HPアンテナを有し、HPを生成する送信/受信モードを使用してeNB100c、100aにスケジューリングされ、したがってHP対HP組み合わせチャネル210を提供することから、利点を得ることになる。2つのUE、150a、150bの間の干渉抑制は、2つのUEがどちらも同じ偏波組み合わせ(すなわち非直交偏波)を使用していた場合に比べて、5〜15dBの追加となる。
【0008】
図2aに記載されたシステムが最良の可能な偏波ベースの干渉抑制を提供できるようにする、いくつかの特性がある。第1の特性は、VP及びHPをアップリンク内の他の偏波と区別するため、すなわち、RBSの受信アンテナがVP又はHPを生成することを保証し、結果としてアップリンク電力測定を通じてUEの偏波を決定できるようにするための、eNBの機能である。第2の特性は、ダウンリンク上で適切に保存されたこれら2つの偏波を伝送するため、すなわち、RBSの送信アンテナがダウンリンクでもVP又はHPを生成することを保証するための、eNBの機能である。第3の特性は、どちらも受信側と送信側の間のeNB内、及び2つ又はそれ以上のeNB間にある偏波の、どちらがVPでどちらがHPであるかの共通理解である。
【0009】
前述の第1及び第2の特性を保証するための1つの簡単な解決策は、VP/HP偏波アンテナ構成を使用すること、及び一度に1つのアンテナに出力電力を印加することである。しかしながら、傾斜+45/−45の偏波アンテナの方がVP/HP偏波アンテナよりも好適である理由はいくつかある。その理由の1つは、傾斜+45/−45の偏波アンテナ構成が、放射パターンの対称性を提供することである。他の理由は、傾斜+45/−45の偏波アンテナが、ボア・サイト(bore sight)から離れて、すなわちすべての方向で、偏波直交性を生成することである。さらに他の理由は、電力増幅器(PA)を使用しなければならないことである。各アンテナにつき1つのPAがあるため、両方のアンテナを使用して信号を伝送することが好ましく、その後出力電力は、1つのアンテナ及び1つのPAのみが使用される場合に比べて2倍になる。傾斜+45/−45の偏波アンテナ構成を使用する場合、VP又はHP伝送は、両方のアンテナ及び両方のPAを使用することになる。VP/HPアンテナ構成を使用する場合、VP又はHP伝送は、1つのアンテナ及びPAのみを使用することになるため、出力電力が低下する。VP/HP偏波アンテナ構成の欠点は、二重偏波アンテナを備えた圧倒的多数の既存のサイトが、結果として傾斜+45/−45の偏波アンテナを使用することになるという点である。
【0010】
しかしながら、傾斜+45/−45の偏波アンテナが使用される場合、送信器及び受信器は、VP/HP偏波信号が区別可能であることを保証するために、位相コヒーレント(phase coherent)である必要がある。較正回路を使用して達成可能なコヒーレンシは相対的とするべきであるため、位相オフセットは、時間及び周波数全体にわたって、一定である。さらに、絶対的なVP又はHPの送信又は受信を達成するために必要なアンテナの位相オフセットを知る必要がある。必要な位相オフセットを見つけるための1つの解決策は、2つの交差偏波アンテナの位相オフセットを調節することによって絶対偏差を検出及び調整するために、外部較正機器を導入することである。しかしながら、これは外部機器が必要であることから、コストのかかる解決策である。
【0011】
さらに他の解決策は、eNBとUEとの間の通信の、ランク・インジケータ又はスループットなどの、品質インジケータに基づく送信アンテナ構成の偏波を調整することである。こうした解決策の基本的考え方は、前述のような偏波の有益な特徴により、送信の絶対VP/HP偏波が、結果として最適な通信品質を生じさせることである。したがって、2つの交差偏波アンテナ間の位相オフセットの変更を通じて、アンテナ構成偏波の調整が
通信の品質を向上させるか否かを決定するために、品質インジケータを使用することができる。品質インジケータが最適な値に達するまで、品質インジケータのチェック及び偏波の調整のステップを反復することによって、どの位相オフセットがVP又はHPを生成するかを決定することができる。このようにして絶対偏波状態の較正が達成されるが、図2aを参照しながら上記で説明したような偏波ベースの干渉管理を使用するための必要条件である、どの位相オフセットがVPを生成し、どの位相オフセットがHPを生成するかを見つけることはできないため、VP及びHPの解釈に関する曖昧さは依然としてそのままである。さらに、受信アンテナ構成の位相オフセットは、前述の方法では確立されない。
【0012】
通常は、常にVPアンテナが第1のアンテナ・ポートに接続され、HPアンテナが第2のアンテナ・ポートに接続されるという、サイト・インストールでの制御がないため、VP/HP偏波アンテナ構成を使用することでは、どのオフセットがVPを生成し、どのオフセットがHPを生成するかがわからないという問題は、おそらく解決されない。すべての電力を第1のアンテナ・ポートに接続されたアンテナに印加することによって、VP又はHPのいずれかを生成することにはなるが、サイト・インストール中にアンテナ間のポート接続に特に注意を払わなければ、そのどちらであるかはわからない。したがって、この場合も、VP及びHPの解釈に関する曖昧さが問題である。
【0013】
曖昧さの問題により、eNBは、どの振幅及び/又は位相オフセットが、アップリンク及びダウンリンクの両方で、それぞれVP及びHPを生じさせることになるかを想定する必要がある。この想定で、eNBの受信側と送信側の間で、或いは、2つ又はそれ以上のeNB間で、どの偏波がVPであり、どの偏波がHPであるかの共通理解に関して前述した、第3の特性が満たされないことになるため、偏波ベースの干渉管理を使用する場合、問題が生じる。これが干渉抑制にどのように影響を与えるかについて、図2bを参照しながら以下で説明する。3つのeNBのうちの1つである100cは、送信アンテナに関して他の2つの100a、100bとは反対のVP/HPの定義が想定されている。スケジューラが、HPを用いてeNB100c及び100aから第1のUE150aへ、並びにVPを用いてeNB100c及び100bから第2のUE150bへの、同時送信を命じた場合、eNB100cは、他のeNB100a、100bとは反対の偏波で伝送することになり、UE150a、150bのそれぞれでのかなりの干渉につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、上記で概説した問題及び欠点のうちのいくつかに対処すること、及び、1つの無線デバイスとRBSなどの他の無線デバイスとの、交差偏波された、すなわち直交的に偏波された、アンテナ構成によって生成される、VP/HP偏波の調整を実行可能にすることである。これは、VP/HP干渉抑制可能性のうちの最大限の可能性を得るために望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的及び他の目的は、独立請求項に従った方法及びデバイスによって、並びに、従属請求項に従った実施形態によって、達成される。
【0016】
本発明の第1の態様によれば、第1の無線デバイスの偏波を、追加の無線デバイスの偏波を用いて調整する方法が提供される。偏波は、少なくとも2つの直交偏波アンテナを備えるアンテナ構成によって生成される。第1及び追加の無線デバイスは、少なくとも1つの他の無線デバイスとワイヤレスに通信する。方法は、第1の無線デバイスによって実行され、垂直又は水平の偏波を生成するアンテナ構成の第1の振幅及び/又は位相オフセットと、第1の振幅及び/又は位相オフセットによって生成された当該偏波に対して直交する偏波を生成するアンテナ構成の第2の振幅及び/又は位相オフセットとを確立するステップを含む。さらに、第1の振幅及び/又は位相オフセットによって生成される偏波が垂直であり、第2の振幅及び/又は位相オフセットによって生成される偏波が水平であるものと、定義するステップと、当該他の無線デバイスのうちの少なくとも1つの偏波を決定するステップと、決定された偏波に基づいて、定義された偏波を追加の無線デバイスの偏波と調整するステップとを含む。
【0017】
本発明の第2の態様によれば、第1の無線デバイスの偏波を追加の無線デバイスの偏波と調整する制御デバイスに関する方法が提供される。制御デバイスは第1及び追加の無線デバイスに接続され、偏波は、少なくとも2つの直交偏波アンテナを備えるアンテナ構成によって生成される。第1及び追加の無線デバイスは、少なくとも1つの他の無線デバイスとワイヤレスに通信する。方法は、少なくとも1つの他の無線デバイスの偏波に関する情報を、第1及び追加の無線デバイスのうちの少なくとも1つから取り出すステップと、取り出された情報が偏波の不一致を示す場合、第1及び追加の無線デバイスのうちの少なくとも1つに交換を命じるステップとを含む。
【0018】
本発明の第3の態様によれば、少なくとも2つの直交偏波アンテナを伴うアンテナ構成を備える、第1の無線デバイスが提供される。第1の無線デバイスは、アンテナ構成によって生成された偏波を、追加の無線デバイスのアンテナ構成によって生成された偏波と調整するように構成される。第1及び追加の無線デバイスは、少なくとも1つの他の無線デバイスとワイヤレスに通信するように構成される。第1の無線デバイスは、垂直又は水平の偏波を生成するアンテナ構成の第1の振幅及び/又は位相オフセットと、第1の振幅及び/又は位相オフセットによって生成された当該偏波に対して直交する偏波を生成するアンテナ構成の第2の振幅及び/又は位相オフセットとを確立するように配置構成された、確立ユニットを備える。さらに、第1の振幅及び/又は位相オフセットによって生成される偏波が垂直であり、第2の振幅及び/又は位相オフセットによって生成される偏波が水平であるものと、定義するように配置構成された、定義ユニットと、当該他の無線デバイスのうちの少なくとも1つの偏波を決定するように配置構成された、決定ユニットと、決定された偏波に基づいて、定義された偏波を追加の無線デバイスの偏波と調整するように配置構成された、調整ユニットとも備える。
【0019】
本発明の第4の態様によれば、第1及び追加の無線デバイスに接続可能な制御デバイスが提供される。制御デバイスは、第1の無線デバイスの偏波を、追加の無線デバイスの偏波と調整するように構成される。偏波は、少なくとも2つの直交偏波アンテナを備えるアンテナ構成によって生成される。第1及び追加の無線デバイスは、少なくとも1つの他の無線デバイスとワイヤレスに通信する。制御デバイスは、少なくとも1つの他の無線デバイスの偏波に関する情報を、第1及び追加の無線デバイスのうちの少なくとも1つから取り出すように配置構成された、取り出しユニットと、取り出された情報が偏波の不一致を示す場合、第1及び追加の無線デバイスのうちの少なくとも1つに交換を命じるように配置構成された、命令ユニットとを備える。
【0020】
本発明の諸実施形態の利点は、RBS又はUEの絶対アンテナ偏波が、RBS間又はUE間の調整を通じて、コスト効率の高い方法で、HP又はVPであることが明白に決定可能なことである。
【0021】
本発明の諸実施形態の他の利点は、調整が、たとえばシステムのすべてのRBSを含むシステム全体にわたるものとすることが可能なことである。
【0022】
さらに本発明の諸実施形態の利点は、偏波ベースの干渉管理を効率的に使用できるようにすることである。
【0023】
本発明の諸実施形態のさらに他の利点は、RBSサイト・インストールにおいて最も優勢な選択であり、今後もそれが継続する可能性が最も高い、傾斜+45/−45の偏波アンテナなどのすべての種類の二重偏波アンテナ構成と、右回り/左回りアンテナ又はVP/HPアンテナにも、適用可能なことである。さらに利点は、アンテナ・ポートがどのようにアンテナに接続されるかに関して、サイト・インストール時に特別な注意が必要ないことである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明が内部に実装可能な、従来のワイヤレス通信システムの一部を示す概略図である。
【図2a】従来技術に従った、偏波ベースのスケジューリングの基本的考え方を示す概略図である。
【図2b】従来技術に従った、VP/HP偏波の解釈の曖昧さが偏波ベースのスケジューリングにどのように影響を与えるかを示す概略図である。
【図2c】本発明の基本的考え方を示す概略図である。
【図3a】本発明の実施形態に従った、eNBによって実行される方法を示すフローチャートである。
【図3b】本発明の実施形態に従った、eNBによって実行される方法を示すフローチャートである。
【図3c】本発明の実施形態に従った、eNBによって実行される方法を示すフローチャートである。
【図3d】本発明の実施形態に従った、eNBによって実行される方法を示すフローチャートである。
【図3e】本発明の実施形態に従った、eNBによって実行される方法を示すフローチャートである。
【図3f】本発明の実施形態に従った、eNBによって実行される方法を示すフローチャートである。
【図3g】本発明の実施形態に従った、eNBによって実行される方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に従った、制御デバイスによって実行される方法を示すフローチャートである。
【図5a】本発明の実施形態に従った、eNB内の送信側及び受信側無線チェーンと制御デバイスとを示す概略図である。
【図5b】本発明の実施形態に従った、2つのeNB及び制御デバイスを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下で、ある実施形態及び添付の図面を参照しながら、より詳細に説明する。説明及び非制限の目的で、本発明を完全に理解するために、特定のシナリオ、技法などの特定の細部が示される。しかしながら、当業者であれば、本発明がこれらの特定の細部とは異なる他の実施形態で実施可能であることは明らかであろう。
【0026】
さらに当業者であれば、本明細書で以下に説明される機能及び手段は、プログラミング済みマイクロプロセッサ又は汎用コンピュータと共に機能するソフトウェアを使用して、並びに/或いは、特定用途向け集積回路(ASIC)を使用して、実装可能であることを理解されよう。現行の発明は主に方法及びデバイスの形で説明されるが、本発明は、コンピュータ・プログラム製品内、並びに、コンピュータ・プロセッサ及びプロセッサに結合されたメモリを備えるシステム内でも、具体化可能であり、このメモリは、本明細書で開示された機能を実行可能な1つ又は複数のプログラムで符号化されることを理解されよう。
【0027】
本発明は、特定のシナリオ例を参照しながら説明される。特に、本発明は、E−UTRAN内のeNBの傾斜+45/−45の偏波アンテナ構成に関する非限定的汎用コンテキストで説明される。しかしながら、本発明及びその例示的実施形態は、VP/HP及び円形アンテナ構成などの他のアンテナ構成、UTRAN、WiMax、及びGSMなどの他のタイプの無線アクセス・ネットワークにおけるRBS、リレー、並びに、E−UTRAN、UTRAN、WiMax、及びGSM内のユーザ機器(UE)にも適用可能であることに留意されたい。UE内で有用な可能性のある例は、固定ワイヤレス端末、ラップトップ、及び車載UEアンテナの場合のように、UEアンテナ構成が定常であるか又は動作中に適切に定義された向きを有する場合である。
【0028】
図2cを参照しながら説明する本発明の基本的考え方は、第1のeNB100aの偏波と第2のeNB100cのそれとを、第1に、両方のeNBに関して曖昧に垂直及び水平である絶対偏波を達成するために必要な、交差偏波アンテナ間の位相オフセットを確立することによって、調整することである。位相オフセットは、交差偏波アンテナ構成の第1のアンテナ上で送信/受信される信号に関して、交差偏波アンテナ構成の第2のアンテナ上で送信/受信される信号に印加される必要がある、位相シフトである。VP/HP偏波アンテナが使用される場合、交差偏波アンテナ間に位相オフセットは必要でなく、振幅オフセットのみが必要な可能性がある。振幅オフセットを伴う場合、VP又はHPを生成するために、すべての電力を2つの交差偏波アンテナのうちの1つに向けて送ることができる。各eNBは、どのオフセットがVPを生成すると想定され、どのオフセットがHPを生成すると想定されるかを、定義することになる。
【0029】
第2に、eNBはどちらも、以下でさらに詳細に説明する、たとえばアップリンク測定を用いて、1つのUE150aの偏波を決定することになり、これでeNBは、それらの水平及び垂直に定義された偏波を調整できるようになる。決定されたUE偏波の比較は、eNBのうちの1つ又は外部制御デバイスのいずれかで実行可能である。決定されたUE偏波が異なる場合、eNBのうちの1つは、第1及び第2のオフセットがどの偏波を生成するかの定義を交換すべきである。このようにして、2つのeNBは、垂直であるものと定義された偏波と水平であるものと定義された偏波との共通理解に到達する。この解決策の1つの利点は、eNBが、どれがVPでどれがHPであるかの定義を調整した場合、偏波ベースの干渉抑制が最適な方法で作用することになるということである。さらに、サイト・インストール時に、定義された偏波を調整するために、アンテナ・ポートがどのようにアンテナに接続されるかに関して特別な注意を払う必要がない。
【0030】
UEの偏波状態の決定は、好ましくは、同じUE150a上で2つのeNB100a、100cによって同時に実行されるが、非同時測定で十分な情報が与えられることが可能な場合もある。たとえば、第1のeNB100aはUE105aが第1のeNB100aのカバレッジ領域内にある場合にUE105a上で測定が可能であり、その後、第2のeNB100cはUE105aが第2のeNB100cのカバレッジ領域内に入った場合に測定する。同様に、同じモデル及びブランドのUEである場合のように、異なるUEの偏波状態が同様であるものと考える理由が存在する場合、これらのUEの測定が使用可能である。
【0031】
本発明の第1の実施形態では、どのオフセットがVPを生成し、どのオフセットがHPを生成するかのそれらの定義を交換すべきであるかどうかを決定するのは、eNB自体である。こうした解決策では、反対の定義を伴うeNBのペアは、どちらもそれらの定義を交換するように決定可能であるため、UE偏波状態の次の比較が依然としてそれらが反対の定義を有することを示す場合、問題を解決することにはならない。この解決策は、どちらのeNBが交換を実行すべきであるかを決定する事前定義された又は動的な階層を有することであろう。
【0032】
代替の第2の実施形態では、決定されたUE偏波状態間に不一致がある場合、どのeNBがその偏波定義を維持すべきであり、どれが定義を交換すべきであるかを決定するのは、制御デバイスである。この実施形態は、それらの偏波を互いに調整すべきである2つより多くのeNBが存在する場合、決定するデバイスが1つだけ存在するため、有利である。前述した第1の実施形態では、eNBの第1のペアは互いに調整可能であり、eNBの第2のペアは互いに調整可能であるが、第1及び第2のペアは互いに調整可能でない可能性がある。この状況は、単一の制御デバイスが決定することで回避される。
【0033】
代替の一実施形態では、eNBはその決定されたUE偏波を制御デバイス又は他のeNBに転送する。制御デバイスを使用する場合、制御デバイスは決定されたUE偏波を他のeNBからも受信し、異なるeNBの決定されたUE偏波を比較することもできる。この比較に基づいて、どのeNBがそれらの偏波定義を交換する必要があるかを識別する。識別されたeNBは、どのオフセットが垂直偏波を生成し、どのオフセットが水平偏波を生成するかのそれらの定義を交換するように、制御デバイスによって命じられるため、結果としてすべてのeNBに関する偏波が調整されることになる。
【0034】
1つの第1のeNBが、その決定されたUE偏波を、制御装置ではなく他の第2のeNBに転送する場合、第2のeNBは、受信したUE偏波とそれ自体の決定されたUE偏波とを比較することができる。受信したUE偏波と決定されたUE偏波とが異なる場合、交換が必要であり、第2のeNBはそれ自体の定義を交換するか、又は第1のeNBに交換を命じることができる。
【0035】
代替の一実施形態では、第1のeNBは第2のeNBからUE偏波を取り出す。次に第1のeNBは、取り出されたUE偏波とそれ自体の決定されたUE偏波とを比較することによって、偏波の不一致が存在するか否かを確立する。不一致が存在する場合、第1のeNBは、不一致に関する情報を制御デバイスに転送し、次にこれが、不一致情報に基づいて、どのeNBが交換すべきであるかを決定する。この場合、偏波の比較を実行するのはeNBであるが、不一致が存在する場合、交換に関して決定するのは制御デバイスである。したがって第1又は第2のeNBには、制御デバイスによって交換を命じることができる。別の方法として、不一致情報は第2のeNBに転送することも可能であり、次にこれが、交換を第2のeNB自体で実行するか、又は第2のeNBによって命じられた第1のeNBで実行するかに関して決定する。
【0036】
他の実施形態では、調整を制御するのは制御デバイスではなくeNBであり、eNB間の調整は2つより多くのeNBに拡大することが可能であって、以下のように偏波が調整される状態で連続的により大きなeNBのグループを形成する。2つのうちの第1のすでに調整済みのeNB100cは、たとえばその偏波定義を第3のeNB100bと調整することができる。第1のすでに調整済みのeNB100cが、たとえば調整階層内で上位にあることから、第3のeNB100bを制御する場合、たとえばその決定されたUE偏波を第3のeNB100bに転送することのみが可能であり、不一致が存在する場合、それ自体の定義を比較及び交換することは、第3のeNB100bに委ねられる。しかし、第1の調整済みeNB100cを制御するのが第3のeNB100bである場合、第3のeNB100bがその決定されたUE偏波を第1のeNB100cに転送することになり、不一致が存在する場合、これが定義を交換しなければならなくなる。第1のeNB100cと第2のeNB100aとがすでに1回調整していた場合、第1のeNB100cは、第2のeNB100aも同様にその定義を交換するために、その定義を交換することを第2のeNB100aにも通知することができる。最終的に、こうした連続的な偏波の調整は、結果としてシステム全体を調整することができる。交換される定義の数を最小限にするために、すでに内部で調整済みのeNBのグループに、階層内でのより高い位置を与えることができる。これは、階層が動的に変更可能であることを意味し、このケースでは、階層変更をeNB間で通信することも可能である。
【0037】
それらの偏波定義を連続して調整してきたeNB/無線デバイスのペア又はグループの追跡を続けることは、異なるこうしたペア又はグループに属するeNB/無線デバイス内でのさらなる調整を容易にするために、好ましい可能性がある。こうしたグループ内の1つのeNB/無線デバイスが、グループ外のeNB/無線デバイスとの追加の調整によって、その偏波定義を交換する場合は必ず、グループに属する他のeNB/無線デバイスにこれを通知するか、又は、グループ内の均一性を保持するためにそれらの偏波定義を交換するよう命じることが可能である。
各eNB/無線デバイスに、その偏波定義を調整し合った他のすべてのeNB/無線デバイスがわかるように、異なるeNB/無線デバイス間でブックキーピング(book-keeping)を配布すること、又は、ブックキーピング機能を制御ユニットで実行することが可能である。同様に、偏波交換の命令は、eNB/無線デバイスのグループ全体に対して直接又はいくつかのステップで転送することが可能であり、ここでは第1のeNB/無線デバイスが第1に命令され、その後、この命令を同じ「調整済み」グループに属する追加のeNB/無線デバイスに転送する。
【0038】
eNBのアンテナ構成は、送信と受信の両方のための交差偏波アンテナの少なくとも1つのペアからなるものとすることができる。アップリンク及びダウンリンクの両方で偏波ベースの干渉抑制を使用する場合、そのケースではVP/HPの受信及び送信がどちらも可能なことが重要であるため、受信及び送信の両方のアンテナ構成の位相オフセットを確立する必要がある。これにより、アップリンク又はダウンリンクのいずれかの測定に基づくUE偏波の決定も可能にする。送信器及び受信器の無線チェーンが位相コヒーレントでない可能性があり、少なくともFDDシステムの場合、アンテナ及びフィーダの特徴が周波数に応じて変化する可能性があるという事実から、受信アンテナ構成に印加されることになる位相オフセットは、一般に、送信アンテナ構成に印加されることになるものとは異なる。
【0039】
本発明の一実施形態では、送信アンテナ構成の位相オフセットの確立は、eNB100a、100b、及びUE150aの間での通信の品質インジケータに基づいて実行される。eNBは少なくとも1つの品質インジケータを取得する。品質インジケータは、ランク・インジケータ(RI)、スループット測定、チャネル品質インジケータ報告(CQI)、HARQ ACK/NACK(ハイブリッドARQ肯定応答/否定応答)、及び任意の他の可能な品質インジケータのうちの、1つ又は複数を含むことができる。これは、たとえばスループット測定のケースのように、UE150aから受信するか、又はeNB自体によって測定することが可能である。次にeNBは、その送信アンテナ構成の位相オフセットを調整し、品質インジケータが向上したように思われるかどうかを再度チェックする。品質インジケータの測定及び位相オフセットの調整は、所定の最適な品質インジケータが得られるまで反復される。この方法は、前述のこうした偏波の有益な特徴により、おそらくはVP又はHPを生成する第1の位相オフセットαを提供する。この第1の確立された位相オフセットαに基づき、第1の位相オフセットαによって生成された偏波に対して直交する偏波を生成する第2の位相オフセットβを確立することができる。第2の位相オフセットは、第1の位相オフセットに180°を加えたものに等しく、すなわちβ=α+180°である。第1のオフセットがVPを生成する場合、第2のオフセットはHPを生成することになる。
【0040】
他の実施形態では、受信アンテナ構成の位相オフセットの確立は、VP又はHP特有の特徴が観察されるまで、異なる位相オフセット候補を評価することによって実行される。こうした特徴は、たとえば偏波間の電力関係の時間及び/又は周波数全体にわたる安定性である。したがってeNBは、位相オフセット候補の各セットに関するUE信号の信号強度を測定することができる。受信される信号強度の同じ関係を経時的に提供する位相オフセット候補は、たとえばVP/HPを生成する位相オフセットとして選択されることになる。
【0041】
受信と送信の両方のアンテナ構成の位相オフセットが、前述の2つの実施形態に従って確立された場合、送信及び受信の両方のアンテナ構成について、第1のオフセットによって生成された偏波が垂直であるものと定義され、第2のオフセットによって生成された偏波が水平であるように定義される。次のステップで、UEアンテナ偏波はeNBによって決定されることになり、これは、以下でさらに説明するように、対応する確立された位相オフセットを適用する場合、アップリンク又はダウンリンクのいずれかの測定を使用することによって実行可能である。これは、2つのeNBの調整が、アップリンク測定に基づいて決定された1つのeNBからのUE偏波と、ダウンリンク測定に基づいて決定された他のeNBからのUE偏波との比較に基づいて、実行可能であることを意味する。したがって、受信アンテナ構成の位相オフセットによって生成される偏波の定義が、1つの同じeNBの送信アンテナ構成の偏波定義と調整されることも重要である。本発明の一実施形態によれば、偏波定義の調整は、eNBの受信及び送信アンテナの無線チェーン間のeNB内で実行される。
【0042】
次に、UEアンテナ偏波の決定についてさらに説明する。本発明の一実施形態では、UE送信アンテナ偏波は、eNB受信器アンテナのそれぞれの定義された偏波に関する受信信号強度の測定に基づいて、eNBによって決定することができる。これが、最高の受信信号強度を提供する垂直に定義された偏波を生成するオフセットである場合、eNBは、UEアンテナ偏波を垂直であるものと決定することができる。
【0043】
本発明の他の実施形態では、eNBとUEとの間の通信の品質インジケータの測定に基づいて、UE受信アンテナ偏波を決定することができる。品質インジケータに基づく位相オフセットの確立に関して前述したメカニズムと、同様のメカニズムが使用される。したがって品質インジケータは、eNB送信アンテナの水平及び垂直の両方に定義された偏波に関して測定され、最良の品質インジケータを提供する測定は、UEアンテナの偏波を示す。最良の品質インジケータを提供する水平偏波を生成するものとして定義されたオフセットである場合、UEアンテナ偏波は水平であるものと決定される。
【0044】
UEアンテナ偏波の決定方法について上記で説明した2つの実施形態は、受信と送信の両方のアンテナ構成の位相オフセットが確立され、互いに調整された場合、組み合わせることが可能である。これは、たとえば、その後2つの異なる種類の測定に基づいて決定されることから、よりセキュアなUEアンテナ偏波の決定を得るために実行可能である。
【0045】
前述のように、本発明の実施形態は、互いにそれらのVP/HP定義を調整するUEアンテナにも適用可能である。別の方法として、UEアンテナは、eNBが互いに位置合わせされると、送信偏波のインジケーションを担持するVP(又はHP)上で送信されるメッセージを利用して、それらの定義を調整することが可能である。
【0046】
同様に、調整は、単一eNBの異なる周波数帯間で、たとえば受信と送信の周波数帯間、又はeNBの2つの異なる送信/受信周波数帯間で、実行可能である。さらに、基地局がその偏波をリレーと調整すること(又はその反対)も可能である。
【0047】
図3aは、第1のeNBによって実行される、第1のeNBの偏波を追加のeNBの偏波と調整する方法のフローチャートである。偏波は、2つの直交偏波アンテナを備える、eNBのアンテナ構成によって生成される。2つのeNBは、少なくとも1つのUEとワイヤレスに通信する。この方法は、以下のステップを含む。
−310:垂直又は水平の偏波を生成するアンテナ構成の第1の位相オフセットと、第1の位相オフセットによって生成される当該偏波に対して直交する偏波を生成するアンテナ構成の第2の位相オフセットとを確立する。VP/HPアンテナ構成のケースでは、振幅オフセットではなく、VP又はHPを生成するために必要な位相オフセットが存在せず、すべての電力をアンテナのうちの1つに印加することができる。
−320:第1の位相オフセットによって生成される偏波を垂直であるものと定義し、第2の位相オフセットによって生成される偏波を水平であるものと定義する。ここでeNBは、どのオフセットがどの偏波を生成するかを「推測」する。
−330:eNBが通信するUEのうちの少なくとも1つの偏波を決定する。
−340:決定された偏波に基づいて、定義された偏波を追加のeNBの偏波と調整する。
【0048】
図3b〜3dは、定義された偏波を追加のeNBの偏波と調整するステップ340に関する、本発明の異なる実施形態を示す概略図である。図3bでは、調整のステップ340は、決定された偏波を制御デバイスに転送するステップ341と、制御デバイスから交換の命令を受信した場合、第1の位相オフセットによって生成された偏波の定義と、第2の位相オフセットによって生成された偏波の定義とを交換するステップ342とを含む。こうした命令は、もちろん偏波の不一致が存在する場合にのみ受信される。不一致が存在する場合、第1の位相オフセットによって生成された偏波が交換前に垂直であるものと定義されると、交換後に水平であるものと定義されることになり、第2の位相オフセットによって生成された偏波については、その逆があてはまる。代替の実施形態では、決定された偏波は制御デバイスではなく追加のeNBに転送可能であり、その後、偏波の不一致が存在する場合、及び追加のeNBがそれ自体で交換しないものと決定する場合、交換の命令が追加のeNBから受信されることになる。
【0049】
代替実施形態を示す図3c及び3dでは、調整のステップ340は、追加のeNBからUE偏波を取り出すステップ343を含む。取り出されたUE偏波と独自の決定されたUE偏波とが異なる場合、eNBはステップ344で、偏波の不一致を確立することになる。偏波の不一致が確立された場合、図3cは、ステップ345でeNBが不一致に関する情報を制御デバイスに転送する、一実施形態を示す。その後、制御デバイスは、2つのeNBのうちのどちらが、それらの定義を交換するべきであるかを決定することが可能であり、交換する命令を受信した場合、ステップ342で、eNBは定義を交換することができる。別の方法として、不一致に関する情報は代わりに追加のeNBに転送され、その追加のeNBが、その定義を交換すべきであるかどうか、又は第1のeNBに交換を命じるべきであるかどうかを決定する。
【0050】
図3dに示された代替実施形態では、第1のeNBは、前述のステップ343及び344の後、ステップ344で偏波の不一致を確立した場合には、ステップ346でその偏波定義を交換するか、又はステップ347で、その偏波定義を交換するよう追加のeNBに命じることができる。この実施形態では、交換に関して決定するのは第1のeNBである。
【0051】
要約すると、調整ステップ340は、比較、交換に関する決定、及び交換を含む。前述の制御ステップ340の代替実施形態では、比較及び決定は、2つのeNBのうちのいずれかによって、又は制御デバイスによって実行可能であり、交換はeNBのうちの少なくとも1つで実行可能である。実施形態に応じて、通信されるのはUE偏波、又は偏波の不一致が存在する旨の情報のいずれかである。交換するための命令も、eNBの間、又は制御デバイスとeNBとの間で通信可能である。すでに上記で述べたように、UEもその偏波を追加のUEと調整することが可能であり、その後UEは、交換が必要かどうかを決定するために、eNB又は他のUEの測定された偏波を比較する。他の代替実施形態では、eNBも、測定されたUE偏波に基づいて、その偏波をリレーと調整することが可能である。別の方法として、eNBの送信器無線チェーンと調整するeNBの受信器無線チェーン、又は、互いに調整し合う異なる周波数の2つの送信器無線チェーンとすることも可能である。
【0052】
図3e〜3fは、有効な垂直及び水平の偏波を生成するeNBアンテナ構成の第1及び第2の位相オフセットを確立するステップ310に関する、本発明の異なる実施形態を示す概略図である。eNBのアンテナ構成は受信及び送信の両方のアンテナ構成を備えるため、受信アンテナ構成に関して図3eのように、及び送信アンテナ構成に関して図3fのように、オフセットを確立することができる。図3eでは、受信アンテナ構成の位相オフセットを確立するステップ310は、以下のステップを含む。
−311:受信アンテナ構成のいくつかの第1及び第2の位相オフセット候補を評価する。
−312:評価に基づいて第1及び第2のオフセットを選択する。VP又はHPに特有の特徴を示すオフセット候補が選択される。
【0053】
選択された第1及び第2のオフセットによって生成された偏波は、次に、ステップ320で、それぞれ垂直及び水平であるものと定義される。これは、確立された受信アンテナ偏波のオフセットであるため、UE偏波の決定は、アップリンク測定に基づいてUE送信アンテナ構成に対して実行することができる。したがって、UE偏波を決定するステップ330は、以下のステップを含む。
−331:第1及び第2の両方のオフセットを使用して、UEから受信する信号の電力を測定する。
−332:電力測定に基づいて、UE偏波を決定する。最高の受信信号強度を提供する、垂直として定義された偏波を生成するオフセットである場合、eNBは、UEアンテナ偏波を垂直であるものと決定することができる。
【0054】
図3fでは、送信アンテナ構成の位相オフセットを確立するステップ310は、以下のステップを含む。
−313:UEとの通信の事前に決定された品質インジケータが取得されるまで、送信アンテナ構成の第1のオフセットを調整する。こうした品質インジケータは、スループット又はランク・インジケータなどとすることができる。最高のスループットを提供するオフセットは、VP又はHP偏波に対応する可能性が最も高い。
−314:次に、第1のオフセットαに基づき、第1のオフセットに180°を加えることによって、第2のオフセットβが計算される(β=α+180°)。
【0055】
確立された第1及び第2のオフセットによって生成された偏波は、次に、ステップ320で、それぞれ垂直及び水平であるものと定義される。これは、確立された送信アンテナ偏波のオフセットであるため、UE偏波の決定は、ダウンリンク測定に基づいてUE受信アンテナ構成に対して実行することができる。したがって、UE偏波を決定するステップ330は、以下のステップを含む。
−333:両方のオフセットに関して、UEへの送信の品質インジケータを測定する。
−334:品質インジケータ測定に基づいて、UE偏波を決定する。最良の品質インジケータを提供する水平偏波を生成するものと定義されたオフセットである場合、UEアンテナ偏波は水平であるものと決定される。
【0056】
図3gは、図3e及び3fの両方の実施形態のステップ330が組み合わされた、本発明の実施形態を示す概略図である。eNBの受信及び送信の両方のアンテナ構成のオフセットが、ステップ311から314で確立される。このケースでは、どの偏波が第1及び第2のオフセットを生成するかを定義する次のステップ320が、受信及び送信の両方のアンテナ構成に関してこの定義が実行されるステップ321と、受信アンテナ構成の定義が送信アンテナ構成の定義と調整されるステップ322とを含む。この実施形態は、eNB間の調整のケースに適用可能であるため、ステップ322ではeNB内の偏波の調整を使用している。ステップ322の後、eNBは、アップリンク又はダウンリンクのいずれかの測定又はその両方に基づいて、(ステップ330で)UE偏波を決定することができる。より信頼性の高い方法でUE偏波を決定するために、アップリンク及びダウンリンクの両方の測定を使用することができる。
【0057】
図4は、制御デバイスによって実行される、第1のeNBの偏波を追加のeNBの偏波と調整する方法を示すフローチャートである。制御デバイスは第1及び追加のeNBに接続され、偏波は2つの直交する偏波アンテナを備えるアンテナ構成によって生成される。第1及び追加のeNBは、UEとワイヤレスに通信する。この方法は、以下のステップを含む。
−410:第1及び追加のeNBのうちの少なくとも1つからUEの偏波に関する情報を取り出す。一実施形態では、UE偏波はeNB及び制御デバイスから取り出され、制御デバイスは比較を実行し、偏波不一致が存在するか否かを確立する。他の実施形態では、比較はeNBのうちの1つによってすでに実施されているため、その代わりに制御デバイスは、eNBのうちの1つから確立された不一致に関する情報を取り出す。
−420:取り出された情報が偏波不一致を示す場合、第1及び追加の無線デバイスのうちの1つに交換を命じる。したがって制御デバイスは、eNBのうちのどの1つを交換すべきであるかに関して決定し、取り出された情報の比較結果に基づいて、又は、eNBから取り出した、不一致が存在する旨の情報に基づいて、関連するeNBに命令を送信する。
【0058】
図5aに概略的に示され、本発明の実施形態に従っているのは、第1の無線デバイス、すなわち受信無線チェーン500a、及び追加の無線デバイス、すなわち送信無線チェーン500bを備える、eNB550である。第1及び追加の無線デバイスは、どちらもeNB内の無線チェーンであるため、このケースでは同じタイプのものである。しかしながら前述のように、第1及び追加の無線デバイス500a、500bは、他の実施形態では、たとえば、2つの送信無線チェーン又はUE内の2つの無線チェーンとすることもできる。受信無線チェーン500aは、そのアンテナ構成501aによって生成された偏波を、送信無線チェーン500bのアンテナ構成502bによって生成された偏波と調整するように構成される。受信及び送信の無線チェーンは、たとえばUE又はeNBとすることが可能な少なくとも1つの他の無線デバイスと、ワイヤレスに通信するように構成される。この実施形態では、無線チェーンはどちらもUE590と通信する。受信無線チェーン500aは、垂直又は水平の偏波を生成する、アンテナ構成501aの第1の振幅及び/又は位相オフセットを確立するように配置構成された、確立ユニット504aを備える。たとえば、振幅オフセットはVP/HPアンテナ構成の場合に、位相オフセットは傾斜+45/−45のアンテナ構成の場合に、確立される。確立ユニット504aは、第1の振幅及び/又は位相オフセットによって生成された偏波に直交する偏波を生成する、アンテナ構成501aの第2の振幅及び/又は位相オフセットを確立するようにも配置構成される。受信無線チェーン500aは、第1のオフセットによって垂直であるように生成された偏波及び第2のオフセットによって水平であるように生成された偏波を定義するように配置構成された、定義ユニット505aと、UE590の偏波を決定するように配置構成された決定ユニット506aと、UEの決定された偏波に基づいて、定義された偏波を送信無線チェーンの偏波と調整するように配置構成された調整ユニット507aと、をさらに備える。これに相応して、送信無線チェーンも、確立ユニット504b、定義ユニット505b、決定ユニット506b、及び調整ユニット507bを備える。
【0059】
さらに、図5aに示され、本発明の実施形態に従っているのは、受信及び送信の無線チェーン500a、500bに接続可能な制御デバイス580である。この実施形態では、制御デバイスはeNBに含まれる。しかしながら、こうした制御デバイスに好適な場所は、コア・ネットワーク内の何らかの中央ノードとすることが可能であり、無線基地局がしばしばワイヤレス・バックホール(backhaul)・リンクを介してコア・ネットワークに接続されるため、制御デバイスへの接続はワイヤレスとすることができる。制御デバイスは、少なくとも受信無線チェーン500aからUE偏波に関する情報を取り出すように配置構成された取り出しユニット581と、取り出された情報が偏波の不一致を示す場合、無線チェーンのうちの少なくとも1つに偏波定義の交換を命じるように配置構成された命令ユニット582とを備える。
【0060】
一実施形態では、2つの無線チェーンの調整ユニット507a、507bは、決定されたUE偏波を制御デバイス580に転送するようにさらに配置構成可能である。制御デバイスの取り出しユニット581は、取り出されたUE偏波を比較し、それらが互いに異なる場合、偏波の不一致を確立するように、さらに構成可能である。偏波の不一致が確立された場合、命令ユニット582は、無線チェーンのうちの1つに偏波定義の変更を命じるように配置構成される。したがって2つの無線チェーンのうちの調整ユニット507a、507bは、制御デバイス580によって実行するように命じられた場合、それらの偏波定義を交換するようにさらに配置構成されることが可能である。
【0061】
代替実施形態では、受信無線チェーン500aの調整ユニット507aは、決定されたUE偏波を送信無線チェーン500bに転送するように配置構成される。調整ユニット507aは、送信無線チェーン500bによって実行するように命じられた場合、その偏波定義を交換するようにも構成される。
【0062】
さらに他の実施形態では、受信無線チェーン500aの調整ユニット507aは、送信無線チェーン500bからUE偏波を取り出すように、取り出されたUE偏波が決定されたUE偏波と異なる場合、偏波の不一致を確立するように、及び、偏波の不一致に関する情報を、第1の実施形態では制御デバイス580、又は第2の実施形態では送信無線チェーン500bに転送するように、配置構成される。その後、第1の実施形態における制御デバイス580又は第2の実施形態における送信無線チェーン500bは、受信又は送信の無線チェーン内で交換が実行されるべきであるかどうかを決定することになる。制御デバイスは、第1の実施形態では無線チェーンのうちの1つに交換を命じることになる。第2の実施形態では、送信無線チェーンはその独自の定義を交換するか、又は受信無線チェーンに交換を命じることになる。他の代替実施形態では、受信無線チェーン500aの調整ユニット507aはその定義を交換し、偏波の不一致を確立している場合は、送信無線チェーン500bに交換を命じる。この実施形態では、どこで交換を実行すべきであるかを決定するのは受信無線チェーンである。
【0063】
受信無線チェーン500aの確立ユニット504aは、一実施形態では、受信アンテナ構成501aのいくつかの第1及び第2のオフセット候補を評価するように、並びに、評価に基づいて、オフセット候補の中から受信アンテナ構成の第1及び第2のオフセットを選択するように、さらに配置構成可能である。その後、受信無線チェーン500aの決定ユニット506aは、受信アンテナ構成501aの確立された第1及び第2のオフセットを適用する場合、UE590から受信される信号の電力を測定するように、並びに、測定された電力に基づいてUEの偏波を決定するように、さらに配置構成可能である。
【0064】
これに相応して、送信無線チェーン500bの確立ユニット504bは、UE590との通信の事前に決定された品質インジケータが取得されるまで、送信アンテナ構成の第1のオフセットを調整するように、及び、第1のオフセットに基づいて、送信アンテナ構成の第2のオフセットを計算するように、配置構成することも可能である。その後、送信無線チェーン500bの決定ユニット506bは、送信アンテナ構成の確立された第1及び第2のオフセットを適用する場合、UEへの送信の品質インジケータを測定するように、並びに、測定された品質インジケータに基づいてUEの偏波を決定するように、さらに配置構成可能である。
【0065】
図5bに概略的に示され、本発明の実施形態に従っているのは、第1のeNB500a及び追加のeNB500bである。この図には、別の専用ノードとすることが可能であるか、或いはたとえば前述のコア・ネットワーク・ノード、又は無線ネットワーク・ノードに含めることができる、制御デバイス580も示されている。第1のeNB500aは、その受信及び送信アンテナ構成501a、502aによって生成された偏波を、追加のeNB500bの受信及び送信アンテナ構成501b、502bによって生成された偏波と調整するように構成される。eNB500a、500bは、他の無線デバイスとワイヤレスに通信するように構成される。この実施形態では、どちらのeNBもUE590と通信する。前述のように、互いに偏波を調整し合い、eNB又は他のUEとワイヤレスに通信する、2つのUEとすることもできる。第1のeNB500aは、垂直又は水平の偏波を生成するアンテナ構成501a、502aの第1の振幅及び/又は位相オフセットを確立するように配置構成された、確立ユニット504aを備える。振幅オフセットはVP/HPアンテナ構成の場合に、位相オフセットは傾斜+45/−45のアンテナ構成の場合に、確立される。確立ユニット504aは、第1の振幅及び/又は位相オフセットによって生成された偏波に直交する偏波を生成する、アンテナ構成501a、502aの第2の振幅及び/又は位相オフセットを確立するようにも配置構成される。第1のeNB500aは、第1のオフセットによって垂直であるように生成された偏波及び第2のオフセットによって水平であるように生成された偏波を定義するように配置構成された、定義ユニット505aと、UE590の偏波を決定するように配置構成された決定ユニット506aと、UEの決定された偏波に基づいて、定義された偏波を追加のeNB500bの偏波と調整するように配置構成された調整ユニット507aと、をさらに備える。これに相応して、追加のeNB500bも、確立ユニット504b、定義ユニット505b、決定ユニット506b、及び調整ユニット507bを備える。
【0066】
第1のeNB500aの確立ユニット504aは、この実施形態では、受信アンテナ構成501aのいくつかの第1及び第2のオフセット候補を評価するように、並びに、評価に基づいて、オフセット候補の中から受信アンテナ構成の第1及び第2のオフセットを選択するように、さらに配置構成可能である。確立ユニット504bは、UE590との通信の事前に決定された品質インジケータが取得されるまで、送信アンテナ構成502aの第1のオフセットを調整するように、及び、第1のオフセットに基づいて、送信アンテナ構成502aの第2のオフセットを計算するように、配置構成することも可能である。第1のeNBの受信及び送信のアンテナ構成501a、502aのオフセットが確立されると、定義ユニット505aは、図5aを参照しながら上記で説明したように、第1のオフセットによって生成される偏波を垂直であるものと、及び第2のオフセットによって生成される偏波を水平であるものと定義し、受信アンテナ構成501aのオフセットによって生成される偏波の定義を、第1のeNBの送信アンテナ構成502aのオフセットと調整するように、さらに配置構成可能である。これは、偏波が、追加のeNB500bの偏波とも調整される前に、第1のeNB500a内で調整されることを保証するために実行される。その後、第1のeNB500aの決定ユニット506aは、受信アンテナ構成501aの確立された第1及び第2のオフセットを適用する場合、UE590から受信する信号の電力を測定するように、並びに測定された電力に基づいて、UEの偏波を決定するように、さらに配置構成可能である。送信アンテナ構成の確立された第1及び第2のオフセットを提供する場合、UEへの送信の品質インジケータを測定するように、並びに測定された品質インジケータに基づいて、UEの偏波を決定するようにも、構成可能である。
【0067】
上記で言及及び説明した実施形態は、単なる例として与えられたものであり、本発明に限定されるべきものではない。当業者であれば、添付の特許請求の範囲で請求された本発明の範囲内にある他の解決策、使用法、目的、及び機能が明らかとなろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の無線デバイスの偏波を、追加の無線デバイスの偏波を用いて調整する方法であって、前記偏波は、少なくとも2つの直交偏波アンテナを備えるアンテナ構成によって生成され、前記第1及び追加の無線デバイス(500a、500b)は、少なくとも1つの他の無線デバイス(590)とワイヤレスに通信し、
垂直又は水平の偏波を生成する前記アンテナ構成の第1の振幅及び/又は位相オフセットと、前記第1の振幅及び/又は位相オフセットによって生成された前記偏波に対して直交する偏波を生成する前記アンテナ構成の第2の振幅及び/又は位相オフセットとを確立するステップ(310)と、
前記第1の振幅及び/又は位相オフセットによって生成される前記偏波が垂直であり、第2の振幅及び/又は位相オフセットによって生成される偏波が水平であるものと、定義するステップ(320)と、
前記他の無線デバイスのうちの少なくとも1つの偏波を決定するステップ(330)と、
前記決定された偏波に基づいて、前記定義された偏波を前記追加の無線デバイスの偏波と調整するステップ(340)と、
が前記第1の無線デバイスによって実行されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記定義された偏波を調整するステップ(340)が、
前記決定された偏波を、前記第1及び追加の無線デバイスに接続された制御デバイス、又は前記追加の無線デバイスに、転送するステップ(341)と、
前記制御デバイスから、又は前記追加の無線デバイスから、交換の命令を受信した場合、前記第1の振幅及び/又は位相オフセットによって生成された前記偏波の前記定義と、前記第2の振幅及び/又は位相オフセットによって生成された前記偏波の前記定義とを、交換するステップ(342)と、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記定義された偏波を調整するステップ(340)が、
前記他の無線デバイスのうちの少なくとも1つの偏波を、前記追加の無線デバイスから取り出すステップ(343)と、
前記取り出された偏波が前記決定された偏波と異なる場合、偏波の不一致を確立するステップ(344)と、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記調整するステップ(340)が、
前記偏波の不一致に関する情報を、前記第1及び追加の無線デバイスに接続された制御デバイス、又は前記追加の無線デバイスに、転送するステップ(345)と、
前記制御デバイスから、又は前記追加の無線デバイスから、交換の命令を受信した場合、前記第1の振幅及び/又は位相オフセットによって生成された前記偏波の前記定義と、前記第2の振幅及び/又は位相オフセットによって生成された前記偏波の前記定義とを、交換するステップ(342)と、
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記調整するステップ(340)が、偏波の不一致が確立された場合、前記第1の振幅及び/又は位相オフセットの前記定義と、前記第2の振幅及び/又は位相オフセットの前記定義とを、交換するステップ(346)をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記調整するステップ(340)が、偏波の不一致が確立された場合、前記追加の無線デバイスに交換を命じるステップ(347)をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記決定するステップ(330)が、
受信アンテナ構成の前記確立された第1及び第2の振幅及び/又は位相オフセットを適用する場合、前記他の無線デバイスのうちの少なくとも1つから受信する信号の電力を測定するステップ(331)と、
前記測定された電力に基づいて、前記他の無線デバイスのうちの少なくとも1つの前記偏波を決定するステップ(332)と、
を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記決定するステップ(330)が、
送信アンテナ構成の前記確立された第1及び第2の振幅及び/又は位相オフセットを適用する場合、前記他の無線デバイスのうちの少なくとも1つへの送信の品質インジケータを測定するステップ(333)と、
前記測定された品質インジケータに基づいて、前記他の無線デバイスのうちの少なくとも1つの前記偏波を決定するステップ(334)と、
を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記確立するステップ(310)が、
受信アンテナ構成のいくつかの第1及び第2の振幅及び/又は位相オフセット候補を評価するステップ(311)と、
前記評価に基づいて、前記いくつかの第1及び第2の振幅及び/又は位相オフセット候補の中から、前記受信アンテナ構成の第1及び第2の振幅及び/又は位相オフセットを選択するステップ(312)と、
を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記確立するステップ(310)が、
前記他の無線デバイスのうちの少なくとも1つとの通信の事前に決定された品質インジケータが取得されるまで、送信アンテナ構成の第1の振幅及び/又は位相オフセットを調整するステップ(313)と、
前記送信アンテナ構成の前記第1の振幅及び/又は位相オフセットに基づいて、前記送信アンテナ構成の第2の振幅及び/又は位相オフセットを計算するステップ(314)と、
を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記定義するステップ(320)が、
前記受信及び送信のアンテナ構成の第1の振幅及び/又は位相オフセットによって生成される前記偏波を垂直であるもの、及び前記受信及び送信のアンテナ構成の第2の振幅及び/又は位相オフセットによって生成される前記偏波を水平であるもの、と定義するステップ(321)と、
前記受信アンテナ構成の前記第1及び第2の振幅及び/又は位相オフセットによって生成される前記定義された偏波を、前記送信アンテナ構成の前記第1及び第2の振幅及び/又は位相オフセットによって生成される前記定義された偏波と調整するステップ(322)と、
を含む、請求項9及び10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1及び追加の無線デバイスが無線基地局内の無線チェーン又はユーザ機器内の無線チェーンであり、前記他の無線デバイスが無線基地局又はユーザ機器である、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記無線デバイスが無線基地局又はユーザ機器である、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
第1の無線デバイスの偏波を追加の無線デバイスの偏波と調整する制御デバイスに関する方法であって、前記制御デバイスは前記第1及び追加の無線デバイスに接続され、前記偏波は、少なくとも2つの直交偏波アンテナを備えるアンテナ構成によって生成され、前記第1及び追加の無線デバイスは、少なくとも1つの他の無線デバイスとワイヤレスに通信し、
前記少なくとも1つの他の無線デバイスの偏波に関する情報を、前記第1及び追加の無線デバイスのうちの少なくとも1つから取り出すステップ(410)と、
前記取り出された情報が偏波の不一致を示す場合、前記第1及び追加の無線デバイスのうちの少なくとも1つに交換を命じるステップ(420)と、
を特徴とする、方法。
【請求項15】
前記取り出すステップ(410)が、
前記第1及び追加の無線デバイスから、前記少なくとも1つの他の無線デバイスの前記偏波を取り出すステップと、
前記取り出された偏波が異なる場合、前記偏波の不一致を確立するステップと、
を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記取り出すステップ(410)が、前記偏波の不一致に関する情報を、前記第1及び追加の無線デバイスのうちの少なくとも1つから取り出すステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも2つの直交偏波アンテナを伴うアンテナ構成(501a、502a)を備える、第1の無線デバイス(500a)であって、前記第1の無線デバイス(500a)は、前記アンテナ構成(501a、502a)によって生成された偏波を、追加の無線デバイス(500b)のアンテナ構成(501b、502b)によって生成された偏波と調整するように構成され、前記第1及び追加の無線デバイス(500a、500b)は、少なくとも1つの他の無線デバイス(590)とワイヤレスに通信するように構成され、前記第1の無線デバイスが、
垂直又は水平の偏波を生成する前記アンテナ構成(501a、502a)の第1の振幅及び/又は位相オフセットと、前記第1の振幅及び/又は位相オフセットによって生成された前記偏波に対して直交する偏波を生成するアンテナ構成(501a、502a)の第2の振幅及び/又は位相オフセットとを確立するように配置構成された、確立ユニット(504a)と、
前記第1の振幅及び/又は位相オフセットによって生成される前記偏波が垂直であり、前記第2の振幅及び/又は位相オフセットによって生成される前記偏波が水平であるものと、定義するように配置構成された、定義ユニット(505a)と、
前記他の無線デバイス(590)のうちの少なくとも1つの偏波を決定するように配置構成された、決定ユニット(506a)と、
前記決定された偏波に基づいて、前記定義された偏波を前記追加の無線デバイスの前記偏波と調整するように配置構成された、調整ユニット(507a)と、
を備えることを特徴とする、第1の無線デバイス。
【請求項18】
前記調整ユニット(507a)が、
前記決定された偏波を、前記第1及び追加の無線デバイスに接続された制御デバイス、又は前記追加の無線デバイスに、転送するように、及び
前記制御デバイスから、又は前記追加の無線デバイスから、交換の命令を受信した場合、前記第1の振幅及び/又は位相オフセットによって生成された前記偏波の前記定義と、前記第2の振幅及び/又は位相オフセットによって生成された前記偏波の前記定義とを、交換するように、
さらに配置構成される、請求項17に記載の第1の無線デバイス。
【請求項19】
前記調整ユニット(507a)が、
前記他の無線デバイスのうちの少なくとも1つの偏波を、前記追加の無線デバイスから取り出すように、及び
前記取り出された偏波が前記決定された偏波と異なる場合、偏波の不一致を確立するように、
さらに配置構成される、請求項17に記載の第1の無線デバイス。
【請求項20】
前記調整ユニット(507a)が、
前記偏波の不一致に関する情報を、前記第1及び追加の無線デバイスに接続された制御デバイス、又は前記追加の無線デバイスに、転送するように、及び
前記制御デバイスから、又は前記追加の無線デバイスから、交換の命令を受信した場合、前記第1の振幅及び/又は位相オフセットによって生成された前記偏波の前記定義と、前記第2の振幅及び/又は位相オフセットによって生成された前記偏波の前記定義とを、交換するように、
さらに配置構成される、請求項19に記載の第1の無線デバイス。
【請求項21】
前記調整ユニット(507a)が、偏波の不一致が確立された場合、前記第1の振幅及び/又は位相オフセットによって生成された前記偏波の前記定義と、前記第2の振幅及び/又は位相オフセットによって生成された前記偏波の前記定義とを、交換するように、さらに配置構成される、請求項19に記載の第1の無線デバイス。
【請求項22】
前記調整ユニット(507a)が、偏波の不一致が確立された場合、前記追加の無線デバイスに交換を命じるようにさらに配置構成される、請求項19に記載の第1の無線デバイス。
【請求項23】
前記決定ユニット(506a)が、
受信アンテナ構成の前記確立された第1及び第2の振幅及び/又は位相オフセットを適用する場合、前記他の無線デバイスのうちの少なくとも1つから受信する信号の電力を測定するように、及び
前記測定された電力に基づいて、前記他の無線デバイスのうちの少なくとも1つの前記偏波を決定するように、
さらに配置構成される、前記請求項17から22のいずれか一項に記載の第1の無線デバイス。
【請求項24】
前記決定ユニット(506a)が、
送信アンテナ構成の前記確立された第1及び第2の振幅及び/又は位相オフセットを適用する場合、前記他の無線デバイスのうちの少なくとも1つへの送信の品質インジケータを測定するように、及び
前記測定された品質インジケータに基づいて、前記他の無線デバイスのうちの少なくとも1つの前記偏波を決定するように、
さらに配置構成される、前記請求項17から23のいずれか一項に記載の第1の無線デバイス。
【請求項25】
前記確立ユニット(504a)が、
受信アンテナ構成のいくつかの第1及び第2の振幅及び/又は位相オフセット候補を評価するように、及び
前記評価に基づいて、前記いくつかの第1及び第2の振幅及び/又は位相オフセット候補の中から、前記受信アンテナ構成の第1及び第2の振幅及び/又は位相オフセットを選択するように、
さらに配置構成される、前記請求項17から24のいずれか一項に記載の第1の無線デバイス。
【請求項26】
前記確立ユニット(504a)が、
前記他の無線デバイスのうちの少なくとも1つとの通信の事前に決定された品質インジケータが取得されるまで、送信アンテナ構成の第1の振幅及び/又は位相オフセットを調整するように、及び
前記送信アンテナ構成の前記第1の振幅及び/又は位相オフセットに基づいて、前記送信アンテナ構成の第2の振幅及び/又は位相オフセットを計算するように、
さらに配置構成される、前記請求項17から25のいずれか一項に記載の第1の無線デバイス。
【請求項27】
前記定義ユニット(505a)が、
前記受信及び送信のアンテナ構成の第1の振幅及び/又は位相オフセットによって生成される前記偏波を垂直であるもの、及び前記受信及び送信のアンテナ構成の第2の振幅及び/又は位相オフセットによって生成される前記偏波を水平であるもの、と定義するように、及び
前記受信アンテナ構成の前記第1及び第2の振幅及び/又は位相オフセットによって生成される前記定義された偏波を、前記送信アンテナ構成の前記第1及び第2の振幅及び/又は位相オフセットによって生成される前記定義された偏波と調整するように、
さらに配置構成される、前記請求項25及び26に記載の第1の無線デバイス。
【請求項28】
前記第1及び追加の無線デバイスが無線基地局内の無線チェーン又はユーザ機器内の無線チェーンであり、前記他の無線デバイスが無線基地局又はユーザ機器である、請求項17から26のいずれか一項に記載の第1の無線デバイス。
【請求項29】
前記無線デバイスが無線基地局又はユーザ機器である、請求項17から27のいずれか一項に記載の第1の無線デバイス。
【請求項30】
第1及び追加の無線デバイス(500a、500b)に接続可能な制御デバイス(580)であって、前記第1の無線デバイスの偏波を、前記追加の無線デバイスの偏波と調整するように構成され、前記偏波は、少なくとも2つの直交偏波アンテナを備えるアンテナ構成によって生成され、前記第1及び追加の無線デバイス(500a、500b)は、少なくとも1つの他の無線デバイス(590)とワイヤレスに通信し、
前記少なくとも1つの他の無線デバイスの偏波に関する情報を、前記第1及び追加の無線デバイスのうちの少なくとも1つから取り出すように配置構成された、取り出しユニット(581)と、
前記取り出された情報が偏波の不一致を示す場合、前記第1及び追加の無線デバイスのうちの少なくとも1つに交換を命じるように配置構成された、命令ユニット(582)と、
を備えることを特徴とする、制御デバイス。
【請求項31】
前記取り出しユニット(581)が、
前記第1及び追加の無線デバイスから前記少なくとも1つの他の無線デバイスの前記偏波を取り出すように、及び
前記取り出された偏波が異なる場合、前記偏波の不一致を確立するように、
さらに配置構成される、請求項30に記載の制御デバイス。
【請求項32】
前記取り出しユニット(581)が、前記偏波の不一致に関する情報を、前記第1及び追加の無線デバイスのうちの少なくとも1つから取り出すように、さらに配置構成される、請求項30に記載の制御デバイス。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図3f】
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【図3g】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【公表番号】特表2013−514685(P2013−514685A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543479(P2012−543479)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【国際出願番号】PCT/EP2009/009021
【国際公開番号】WO2011/072702
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】