説明

無電極放電ランプ装置およびそれを用いた照明器具

【課題】無電極放電ランプ装置の側方における配光分布特性が損なわれることを抑制しつつ、頂部側から補助光源の光を放出する無電極放電ランプ装置およびそれを用いた照明器具を提供する。
【解決手段】内部に放電ガスとなる希ガスおよび蒸気化しえる金属が気密封止された外殻部5および該外殻部5の内側に入り込んだ管状内管6とを備えたバルブ2と、該バルブ2の内壁面側に形成された蛍光体膜10と、管状内管6の軸方向に沿って巻回され且つ管状内管6内に収められて放電ガスを励起する誘導コイル25を備えたパワーカプラ部20とを有し、管状内管6の上記軸方向に光を放射するLED31と、一次コイルとなる誘導コイル25の電磁誘導によりLED31に電力を給電する非接触給電用の二次コイルL2とを有するLED光源部30をパワーカプラ部20の先端部20aに備えてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無電極放電ランプ装置およびそれを用いた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、無電極放電ランプとして、たとえば、図8に例示するように、ガラスなどの透光性材料からなり内部に放電ガスとなる希ガスおよび蒸気化しえる金属(たとえば、水銀)が気密封止され、外殻部5と、該外殻部5の内側に落ち窪んだ管状内管6と、該管状内管6の内底面6aから該管状内管6内に立設され内部空間が内底面6a側の一端部で放電ガスを励起する放電空間と連通し他端部が封止された管状細管7とを備えたバルブ2と、該バルブ2の内壁面側に形成された蛍光体膜10と、管状内管6の軸方向に沿って巻回され且つ管状内管6内に収められて上記放電ガスを励起する誘導コイル25を備えたパワーカプラ部20とを有するものが知れられている(たとえば、特許文献1)。
【0003】
この種の無電極放電ランプ1’は、図示していない高周波電源からケーブルを介して、パワーカプラ部20の誘導コイル25に高周波電流を供給することにより、バルブ2内に誘導電磁界を発生させことができる。無電極放電ランプ1’は、バルブ2内で生じた誘導電磁界により、内部に封入してある希ガスを放電した放電プラズマDPが放電プラズマDPの熱で水銀を蒸気化するとともに、蒸気化した水銀を励起する。無電極放電ランプ1’は、励起された水銀が励起状態から基底状態に戻るときに紫外線を発し、紫外線をバルブ2の内壁面側に形成された蛍光体膜10で波長変換して可視光を発光する。無電極放電ランプ1’は、放電プラズマDPを誘起させる電極を内部に持たない構造となっているため、電極の劣化による不点灯がなく、一般の電極を備えた蛍光灯と比較して長寿命にできるという特徴を有している。
【0004】
ところで、上述の無電極放電ランプ1’では、水銀の励起に寄与する放電プラズマDPがエネルギを供給する誘導コイル25に沿って発生する傾向にある(図8の一点鎖線を参照)。そのため、無電極放電ランプ1’は、放電プラズマDPの分布に応じて放射される紫外線量もバルブ2の位置で異なる。無電極放電ランプ1’から照射された光の配光分布特性は、たとえば、図9の二点鎖線で示すように、無電極放電ランプ1’のバルブ2の側方(図9中の左右方向)で光強度が強く、バルブ2の側方と比較してパワーカプラ部20の先端部20a側となるバルブ2の頂部方向(図9中の上方向)で光強度が弱くなる傾向にある。
【0005】
上述の無電極放電ランプ1’における配光分布を改善するため、無電極放電ランプ1’に、バルブ2の頂上方向に光を放射する配光補正用の補助光源を設けた無電極放電ランプ装置とすることも考えられる。しかしながら、単純に、無電極放電ランプ1’におけるバルブ2の頂上方向に補助光源を設けた場合、無電極放電ランプ装置には、補助光源に電力を供給する配線が別途必要となる。また、無電極放電ランプ装置は、補助光源の配線を無電極放電ランプ1’のバルブ2の側面に添って這わす必要があり、補助光源の配線によってかえってバルブ2の側方における配光分布特性が損なわれる恐れもある。
【0006】
また、一般の電極を備えた蛍光ランプでは、蛍光ランプの点灯時に電極であるフィラメントから熱電子が放出されて初期電子の供給が行われる。そのため、蛍光ランプは、蛍光ランプの始動(放電開始)が比較的容易となる。しかしながら、無電極放電ランプ1’では、バルブ2の内部に熱電子の供給を行う電極がなく、長時間の間、暗所に晒された後など特定の条件下では初期電子の供給が行われることもないため、無電極放電ランプ1’の点灯までに時間がかかる場合がある。
【0007】
そのため、無電極放電ランプ装置として、無電極放電ランプ装置の点灯時に、バルブの外部からバルブの内部側へ白熱電球などの光を照射することで始動性を改善させる始動用の補助光源を備えた図示していない無電極放電ランプ装置も知られている(たとえば、特許文献2)。
【0008】
なお、上述の始動用の補助光源を備えた無電極放電ランプ装置として、誘導コイルが巻回されたパワーカプラ部の根本部分に誘導コイルと非接触で電力が供給される補助巻線を配置し、補助巻線に誘起された起電力で白熱電球などを点灯させてバルブの内部に光を照射することも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−197031号公報
【特許文献2】特開2009−158184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、始動用の補助光源を備えた上述の無電極放電ランプ装置は、補助光源を点灯させ続けることで、バルブ2の頂部方向における配光分布特性の改善に寄与できる可能性がある。しかしながら、上述の始動用の補助光源を備えた無電極放電ランプ装置は、バルブ2の内部へ補助光源の光を照射して無電極放電ランプ装置の始動を改善するものであり、補助光源の光をバルブ2の外部へ照射して配光分布特性を改善させるための光量を得るには十分ではない。
【0011】
また、無電極放電ランプ1’は、調光することにより低出力でも光を放出することもできる。しかしながら、無電極放電ランプ1’は、放電プラズマDPを維持する必要があり、たとえば、常夜灯のごとき低出力の光を維持することは難しい。そのため常夜灯として機能可能な低出力で発光する補助照明用の補助光源を無電極放電ランプ1’のバルブ2の頂部側に設置する場合、無電極放電ランプ装置は、上述の配光補正用の補助光源と同様に補助照明用の補助光源の配線をバルブ2の側面に添って這わす必要がある。この場合も無電極放電ランプ装置は、無電極放電ランプ装置の点灯時におけるバルブ2の側方における配光分布特性や外観を損う恐れもある。
【0012】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、無電極放電ランプ装置のバルブの側方における配光分布特性が損なわれることを抑制しつつ、無電極放電ランプ装置の頂部側から補助光源の光を放出することが可能な無電極放電ランプ装置およびそれを用いた照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の無電極放電ランプ装置は、透光性材料からなり内部に放電ガスとなる希ガスおよび蒸気化しえる金属が気密封止された外殻部および該外殻部の内側に入り込んだ管状内管とを少なくとも備えたバルブと、該バルブの内壁面側に形成された蛍光体膜と、上記管状内管の軸方向に沿って巻回され且つ上記管状内管内に収められて上記放電ガスを励起する誘導コイルを備えたパワーカプラ部とを有する無電極放電ランプ装置であって、上記管状内管の上記軸方向に光を放射するLEDと、一次コイルとなる上記誘導コイルの電磁誘導により上記誘導コイルと非接触で上記LEDに電力を給電する非接触給電用の二次コイルとを有するLED光源部を上記パワーカプラ部の先端部に備えたことを特徴とする。
【0014】
この無電極放電ランプ装置において、上記管状内管を上記外殻部に貫設させてなり上記LED光源部が上記外殻部から突出して設置されてなることを特徴とする。
【0015】
この無電極放電ランプ装置において、上記LED光源部は、上記LEDと上記二次コイルとの間に、無電極放電ランプ装置における点灯時の温度に感応して、上記二次コイルと上記LEDとの電気的接続を開放させるスイッチ要素を有することを特徴とする。
【0016】
本発明の照明器具は、上記無電極放電ランプ装置を備えてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の無電極放電ランプ装置では、無電極放電ランプ装置のバルブの側方における配光分布特性が損なわれることを抑制しつつ、無電極放電ランプ装置の頂部側から補助光源の光を放出することが可能な無電極放電ランプ装置を提供できるという効果がある。
【0018】
本発明の照明器具では、無電極放電ランプ装置のバルブの側方における配光分布特性が損なわれることを抑制しつつ、無電極放電ランプ装置の頂部側から補助光源の光を放出することが可能な無電極放電ランプ装置を備えた照明器具を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態1の無電極放電ランプ装置を示し、(a)は概略断面図、(b)は要部概略平面図、(c)は要部回路図である。
【図2】同上の無電極放電ランプ装置を示し、(a)は要部の配光分布特性、(b)は無電極放電ランプ装置の配光分布特性である。
【図3】同上の無電極放電ランプ装置の他の要部回路図である。
【図4】同上の無電極放電ランプ装置を用いた照明器具の概略斜視図である。
【図5】実施形態2の無電極放電ランプ装置の概略断面図である。
【図6】同上の無電極放電ランプ装置の要部回路図である。
【図7】実施形態3の無電極放電ランプ装置の要部回路図である。
【図8】従来の無電極放電ランプ装置を示す概略断面図である。
【図9】比較のために示す無電極放電ランプ装置の配光分布特性である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(実施形態1)
以下、本実施形態の無電極放電ランプ装置Aについて図1〜図3を参照して説明する。
【0021】
本実施形態の無電極放電ランプ装置Aの無電極放電ランプ1は、図1に示すように、透光性材料(ガラス等)からなり内部に放電ガスとなる希ガスおよび蒸気化しえる金属(たとえば、水銀)が気密封止された外殻部5および該外殻部5の内側に入り込んだ管状内管6とを少なくとも備えたバルブ2と、該バルブ2の内壁面側に形成された蛍光体膜10と、管状内管6の軸方向に沿って巻回され且つ管状内管6内に収められて上記放電ガスを励起する誘導コイル25を備えたパワーカプラ部20とを有する。
【0022】
また、本実施形態の無電極放電ランプ装置Aは、管状内管6の上記軸方向に光を放射するLED31と、一次コイルとなる誘導コイル25の電磁誘導により誘導コイル25と非接触でLED31に電力を給電する非接触給電用の二次コイルL2とを有するLED光源部30をパワーカプラ部20の先端部20aに備えている。
【0023】
より具体的には、本実施形態の無電極放電ランプ装置Aは、ガラスによって形成したバルブ2およびバルブ2の底に取り付けた略円筒形の口金12で構成するランプ部11と、高周波電流が通電されることによりバルブ2内に誘導電磁界を発生させる誘導コイル25を有しランプ部11に結合されるパワーカプラ部20とを備えている。
【0024】
ランプ部11を構成するバルブ2は、全体として電球形状をしており、外殻部5と、該外殻部5の内側に入り込んだ管状内管6と、凹状となる管状内管6の内底面6aから該管状内管6内に立設した管状細管7とから構成し、内部には放電ガスとなる希ガス(たとえば、アルゴンやクリプトンなど)および蒸気化しえる金属(たとえば、水銀など)を封入してある。また、バルブ2の内壁面には、アルミナ等の金属酸化物からなる保護膜(図示せず)を形成し、該保護膜上には、励起された水銀が放出する紫外線を可視光に変換するための蛍光体が結着剤とともに塗布され蛍光体膜10が形成されている。保護膜は、バルブ2のガラス成分がバルブ2内部へ溶出するのを防ぎ、ガラス成分と水銀の化学反応による光透過率の低下を防止するために好適に設けることができる。
【0025】
外殻部5は、主となる発光部位で、球状の部分と円筒状の部分とが連続して形成してある。また上述の円筒状の部分の外周には、口金12を固定するための係止溝5aを形成してある。
【0026】
管状内管6は、外殻部5の上述の円筒状の部分の端から外殻部5の内側に落ち窪んだ円筒状に形成され、窪みの底で内底面6aを形成してある。
【0027】
管状細管7は、管状内管6の円筒よりも細い円筒状に形成しており、軸方向の一端部を管状内管6の内底面6aの中央部に立設し、その内部空間は外殻部5の内側と管状内管6の外側で囲んだ放電空間と連通してある。管状細管7は、バルブ2内を排気するため、他端部が管状内管6の外部に引き出された排気管を用いて形成したものである。管状細管7となる排気管は、バルブ2を排気し希ガスを導入した後、アマルガムが収納された容器3および容器3の位置を固定するロッド8を収められて管状細管7の他端部となる部位を封止する。管状細管7となる排気管を封止することでバルブ2が形成される。
【0028】
また、管状細管7の内壁には、管状細管7の開口部を有する一端部側から密閉した他端部側にかけて軸方向に順番に、内方に突起する突起部7aおよび突起部7bを形成している。容器3およびロッド8は、突起部7bと管状細管7の他端部との間で保持されている。
【0029】
容器3は、中空の円筒容器形状に形成した金属材料(たとえば、FeNi合金)からなる。容器3の内部には、放電空間に水銀蒸気を供給する粒子状のアマルガム(図示していない)が収納されている。アマルガムは、たとえば、ビスマスとインジウムとの合金からなる基体金属に3.5%の含有比率で水銀を含有したものである。この水銀を含有するアマルガムを使用することにより、水銀単体を使用した場合に比較して、広い温度範囲でバルブ2内の水銀蒸気圧を略一定に保つことができる。また、容器3の長手方向の外周壁には水銀蒸気が出入り可能であるとともに、アマルガムの脱落を防止可能な図示していない孔を複数貫設してある。
【0030】
また、管状細管7の一端部側に形成した突起部7aは、図1(a)に示すように、コ字状に形成した支持体9の一方が係止され、管状細管7から放電空間に導出した支持体9の他方には仕事関数が小さい金属化合物(たとえば、水酸化セシウム)を塗布したフラブ9aを固着してある。フラグ9aに塗布された金属化合物は無電極放電ランプ装置Aの始動時における電子の数を増やす役割を担っている。
【0031】
ランプ部11を構成する口金12は、樹脂材等により両端が開口する円筒状に形成し、内周面には、内側に突出する複数の係合突起12aを設け、当該係合突起12aはバルブ2の係止溝5aに係止してある。
【0032】
一方、上述のパワーカプラ部20は、AlやCuなどの熱伝導性材料により形成されランプ部11の管状細管7が挿入される円筒状の放熱パイプ23と、放熱パイプ23の軸方向の一端部側が挿着された円筒状のシリンダ22と、放熱パイプ23の他端部側で放熱パイプ23に外装されたフェライトコア24と、フェライトコア24に巻回された誘導コイル25とを備えている。このパワーカプラ部20は、シリンダ22の大部分、放熱パイプ23の大部分、フェライトコア24、誘導コイル25がランプ部11の管状内管6内に収納され誘導コイル25が管状細管7の軸方向に沿って巻回されている。
【0033】
ここで、フェライトコア24としては、たとえば、150〜200℃程度の高温下でも飽和せず安定したインピーダンスを維持するように、キュリー温度が250℃以上、飽和磁束密度が0.5T以上のMnZnフェライトを好適に用いることができる。
【0034】
パワーカプラ部20において管状内管6の内底面6a側となる先端部20aには、無電極放電ランプ装置Aから照射される光の配光分布特性を改善するために、管状内管6の内底面6aおよび外殻部5を介してバルブ2の頂部方向に光を放出する複数個のLED31を備えたLED光源部30を配置している。
【0035】
次に、本実施形態の無電極放電ランプ装置AにおけるLED光源部30について図1(b)および図1(c)に基づいて説明する。
【0036】
LED光源部30は、図1(b)に示すように、円形平板状の回路基板33の一表面33b側に複数個(ここでは、6個)のLED31が配置されている。また、回路基板33には、無電極放電ランプ装置Aの管状内管6の内部に配置されるパワーカプラ部20の先端部20aに設置するため、回路基板33の中央部にバルブ2の管状細管7を貫通させる円形状の貫通孔33aが設けられている。
【0037】
LED光源部30は、図1(c)に示すように、整流用ダイオードD1が直列接続された二次コイルL2の両端間に平滑コンデンサC1が並列接続されており、平滑コンデンサC1の両端電圧を電流制限素子R1を介して複数個の直列接続されたLED31に印加できるように構成している。
【0038】
なお、LED光源部30は、図示していないが、回路基板33の裏面側に、誘導コイル25から非接触で電力が供給される非接触給電用の二次コイルL2と、二次コイルL2からの電流を整流する整流用ダイオードD1と、整流用ダイオードD1からの電流を蓄電する平滑コンテンサC1と、LED31に流れる電流を制限する抵抗等の電流制限素子R1とを配置している。また、回路基板33の一表面33b側には、各LED31と電気的に接続させる図示していない配線パターンが形成されており、配線パターンが回路基板33の厚み方向に貫設された貫通配線(図示していない)を介して回路基板33の裏面側に設けられる二次コイルL2などと電気的に接続させてある。
【0039】
無電極放電ランプ装置Aは、無電極放電ランプ装置Aを点灯させるため誘導コイル25に高周波を印加すると、誘導コイル25に誘導電磁界が発生する。LED光源部30は、電磁誘導により誘導コイル25から非接触で二次コイルL2に高周波電流が誘起される。二次コイルL2からの高周波電流は、整流用ダイオードD1で整流および平滑コンデンサC1で平滑化され、電流制限素子R1を介してLED31に供給されて各LED31が発光する。
【0040】
LED光源部30に用いられるLED31は、後述するLED31を構成するレンズや反射鏡などにより、発光する光の指向性を狭くすることが比較的簡単な点光源であるため、LED光源部30から放出させる光を、たとえば、図2(a)の一点鎖線で示すようにLED光源部30の前方で光出力が大きくなる配光分布特性とすることができる。そのため、本実施形態の無電極放電ランプ装置Aは、LED光源部30をパワーカプラ部20の先端部20aに設置することにより、LED光源部30を備えていない無電極放電ランプ1’の配光分布特性(図9の二点鎖線を参照)と比較して、無電極放電ランプ装置Aの配光分布特性を図2(b)の破線で示すように、より均一な配光分布特性に改善することが可能となる。
【0041】
なお、LED光源部30は、図1(c)に示す回路構成のものだけに限られず、たとえば、図3に示すように、複数個のLED31を直列接続させたものを双方向に並列接続することにより二次コイルL2に誘起された高周波の電力で直接的に点灯駆動させる構成としてもよい。したがって、本実施形態の無電極放電ランプ装置Aに用いられるLED光源部30は、LED31と、電磁誘導により無電極放電ランプ装置Aの誘導コイル25から非接触で供給された電力をLED31に給電する二次コイルL2とを有するものであれば他の構成であってもよい。LED31の数も限られるものでなく適宜増減すればよい。
【0042】
このようなLED光源部30に用いられるLED31は、半導体発光素子であるLEDチップをそのまま用いてもよいし、LEDチップをパッケージで被覆した発光装置を利用してもよい。LEDチップは、通電により、たとえば、R,G,B(赤色、緑色、青色)の光をそれぞれ発光可能な各LEDチップを組み合わせて白色光を得るような構成としてもよい。また、所望に応じて青色光、緑色光、黄色光や赤色光となる波長のみを発光するものでもよい。また、LEDチップをパッケージで被覆した発光装置としては、LEDチップからの紫外線や可視光のうちエネルギの強い青色光などと、上記LEDチップからの光で励起されて可視光を放出する蛍光体を透光性材料中に含有させた波長変換部材とを組み合わせて発光するものでもよい。発光装置は、上記LEDチップからの光と、上記波長変換部材からの光で白色系などの混色光を発光させることができる。
【0043】
本実施形態の無電極放電ランプ装置Aに用いられるLED光源部30は、管状内管6に収納され、バルブ2の管状内管6の内底面6aや外殻部5を介して光が外部に放出されるため、LED31がバルブ2の内壁面側に設けた蛍光体膜10を励起可能な紫外線を放射するものでもよい。上記LEDチップは、たとえば、サファイア基板、スピネル基板、窒化ガリウム基板、酸化亜鉛基板や炭化シリコン基板などの結晶成長基板上にpn接合を備えた窒化ガリウム系化合物半導体層を有する発光素子などが挙げられる。
【0044】
なお、上記LEDチップは、絶縁性基板上に半導体層が形成され、該半導体層の同一面側に正負の各電極がそれぞれ形成されたLEDチップを用いてもよいし、導電性基板を用いLEDチップの厚み方向の両面側に正負の各電極がそれぞれ形成されたLEDチップを用いてもよい。
【0045】
同一面側に正負の各電極が設けられたLEDチップは、金属バンプなどの金属バンプを用い、表面に一対の導電パターンが形成された発光装置のパッケージの凹部の底面上にフリップチップ実装させることができる。また、LEDチップの厚み方向の両面側に正負の各電極が設けられたLEDチップは、上記LEDチップが実装される上記パッケージの凹部の底面上に形成された一対の導体パターンのうちの一方の導体パターンと、上記LEDチップの上記一方の電極とを導電性部材(たとえば、AuSnやAgペーストなど)を介してダイボンディングして電気的に接続させる。また、上記LEDチップの光取り出し面側の他方の電極と、ワイヤ(たとえば、アルミニウム線や金線など)を介して他方の導体パターンと電気的に接続させればよい。なお、発光装置は、パッケージの凹部内に一個のLEDチップを実装させるだけでなく、複数個実装させてもよい。この場合、各LEDチップは、適宜に直列、並列や直並列に電気的に接続させればよい。
【0046】
また、LED31となる発光装置に用いられる上記波長変換部材は、発光装置から白色系の光を放出するために、上記LEDチップからの光の少なくとも一部を波長変換させる蛍光物質を透光性樹脂やガラスなどに含有させたものを用いることができる。上記波長変換部材に用いられる蛍光物質としては、たとえば、Euで付活された(Sr,Ca,Mg)AlSiN、Euで付活された(Sr,Ca)Siなどの窒化物系の蛍光物質のほか、Ceで付活されたYAl12、Ceで付活されたTbAl12などのアルミネート系の蛍光物質、Euで付活されたBaSiOやEuで付活された(Sr,Ba,Ca)SiOなどの珪酸塩系の蛍光物質やCaBOl2などのファロボレート系の蛍光物質を採用することもできる。また、波長変換部材に用いられる上記蛍光物質は黄色蛍光物質に限らず、たとえば、赤色蛍光物質と緑色蛍光物質を添加しても、白色光を得ることができる。
【0047】
上記発光装置に用いられるパッケージは、上記LEDチップや上記波長変換部材を保護することが可能なものであって、樹脂やセラミックなどで形成することができる。上記LEDチップや上記波長変換部材からの光を効率よく所定の方向に発光させるためには、内面がLEDチップや波長変換部材からの光に対して反射率の高い凹部を備えたパッケージを用いることが好ましい。したがって、パッケージの凹部は、反射鏡として機能させることができる。同様に、上記LEDチップや上記波長変換部材からの光を集光などするレンズをパッケージ上に設けても所定の方向に発光させることができる。したがって、パッケージの凹部の形状やレンズの形状を適宜に設定することにより、無電極放電ランプ装置AのLED光源部30から放射される光の配光分布特性を調整することもできる。
【0048】
無電極放電ランプ装置Aは、管状内管6の内部にLED光源部30を配置させる場合、LED光源部30が高温になる場合があるので、LED31は耐熱性に優れた材料を用いて形成することが好ましい。
【0049】
以下、本実施形態の無電極放電ランプ装置Aの動作について詳述する。
【0050】
無電極放電ランプ装置Aは、誘導コイル25に高周波電源41(図4を参照)から高周波電流が供給されると、誘導コイル25の周囲でバルブ2内に誘導電磁界を発生させる。この誘導電磁界でバルブ2内の電子を加速し、電子がエネルギーを持った状態でバルブ2内に気密封止した希ガス原子や水銀原子に衝突する。電子が衝突した水銀原子は、電離したり、励起されたりする。水銀原子の電離によって生じた電子は、再び誘導電磁界により加速され、再び水銀原子に衝突する。そして、所定の数量以上の電子を生成したところで放電プラズマDPが維持する(図1(a)を参照)。一方、電子の衝突により励起した水銀原子は、紫外線を放射し、基底状態に戻る。水銀原子が放出した紫外線のうち、バルブ2の内壁面側に形成された蛍光体膜10に到達したものは、蛍光体膜10の蛍光体により可視光に変換され外部に放射される。これにより、本実施形態の無電極放電ランプ装置Aは蛍光ランプとして機能することができる。
【0051】
また、本実施形態の無電極放電ランプ装置Aは、無電極放電ランプ装置Aの配光分布特性において、光出力が弱い無電極放電ランプ1のバルブ2の頂部方向の光を、無電極放電ランプ装置Aのパワーカプラ部20の先端部20aに設けた非接触の給電により発光可能なLED光源部30からの光で補って放出する。
【0052】
LED光源部3は、無電極放電ランプ装置Aのバルブ2内で放電プラズマDPを生起させるため誘導コイル25を駆動させると、一次コイルとなる誘導コイル25の電磁誘導により誘導コイル25と非接触で電力が二次コイルL2に生じる。これにより二次コイルL2から流れる電流は、ダイオードD1で整流などされ、直列に接続された各LED31に流れ込む。LED光源部3の各LED31は、流れ込んだ電流で発光することになる。
【0053】
すなわち、本実施形態の無電極放電ランプ装置Aは、無電極放電ランプ装置Aのバルブ2内の放電プラズマDPに起因した紫外線で発光する蛍光体膜10からの図9の二点鎖線で示したごとき配光分布特性の光と、LED光源部30からの図2(a)の一点鎖線で示した配光分布特性の光とを混合させて、より均一な図2(b)の破線で示す配光分布特性の光を放射することができる。
【0054】
なお、本実施形態の無電極放電ランプ装置Aは、LED光源部30が無電極放電ランプ装置Aのバルブ2やバルブ2の内壁面側に設けた蛍光体膜10を介して光が照射せている。そのため、本実施形態の無電極放電ランプ装置Aは、LED光源部30からの光が蛍光体膜10で散乱されて、LED光源部30からの光と蛍光体膜10からの光との間の配光分布特性が連続的で滑らかなものとすることが可能となる。
【0055】
上述した本実施形態の無電極放電ランプ装置Aは、たとえば、図4に示すように、無電極放電ランプ装置Aにケーブル44を介して高周波電流を供給する高周波電源41や無電極放電ランプ装置Aから放射された光の配光を制御する略半球状の反射板51に無電極放電ランプ装置Aにおけるパワーカプラ部20の基底部側を取り付けて照明器具40として使用することができる。なお、高周波電源41は、プラグ43、電力線42を介して商用電源からの商用周波数の交流電流が入力され、数百kHzの高周波電流に変換する。高周波電源41は、変換した高周波電流をケーブル44を介して無電極放電ランプ装置Aのパワーカプラ部20における誘導コイル25に供給する。
【0056】
照明器具40の灯具50は、無電極放電ランプ装置Aからの光を放出させる開口部51aを備えた半球状の反射板51と、反射板51の開口部51aに覆設される透光性のパネル52とを有している。反射板51は、たとえば、金属材料や樹脂などで、断面が円弧状に形成されており、内部に無電極放電ランプ装置Aのパワーカプラ部20の基底部側を取り付けるための固定部45が設けられ、灯具50の内部に無電極放電ランプ装置Aが収納される。
【0057】
本実施形態の無電極放電ランプ装置Aを備えた照明器具40は、無電極放電ランプ装置Aにおけるパワーカプラ部20の先端部20aにLED光源部30を備えているので、無電極放電ランプ装置Aのバルブ2内の放電プラズマに起因した紫外線で発光する蛍光体膜10からの光と、LED光源部30からの光とを混合させて、より配光分布特性が均一な照明器具40とすることができる。
【0058】
本実施形態の無電極放電ランプ装置Aは、無電極放電ランプ装置Aのバルブ2の側方における配光分布特性が損なわれることを抑制しつつ、無電極放電ランプ装置Aの頂部側から補助光源としてLED光源部30の光を放出することが可能となる。同様に、本実施形態の照明器具40では、無電極放電ランプ装置Aのバルブ2の側方における配光分布特性が損なわれることを抑制しつつ、無電極放電ランプ装置Aの頂部側から補助光源としてLED光源部30の光を放出することが可能な無電極放電ランプ装置Aを用いた照明器具40とすることができる。
【0059】
(実施形態2)
本実施形態の無電極放電ランプ装置Aは、図1で示した実施形態1の無電極放電ランプ装置Aにおけるバルブ2を介してLED光源部30の光を放射させる代わりに、図5に示すようにLED光源部30からの光をバルブ2を介さずに無電極放電ランプ装置Aの外部に直接放射させるように構成してある点が異なる。なお、実施形態1と同様の構成要素には、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0060】
本実施形態の無電極放電ランプ装置Aは、図4に示すように、管状内管6をバルブ2の外殻部5に貫設させてなり、パワーカプラ部20の先端部20aに設置されているLED光源部30がバルブ2の外殻部5から突出して配置させている。本実施形態の無電極放電ランプ装置Aのバルブ2は、頂部側の中央部から貫通した貫通部が設けられることになる。これにより、本実施形態の無電極放電ランプ装置AのLED光源部30は、LED光源部30が管状内管6の内径や管状細管7の外形の大きさの制約を受けることなく、比較的自由な大きさや形状とすることが可能となる。したがって、本実施形態の無電極放電ランプ装置Aは、LED光源部30に配設させられるLED31の個数も多くすることができ、二次コイルL2の大きさも大きく、LED光源部30から放射させる光量を比較的簡単に大きくすることが可能となる。
【0061】
さらに、本実施形態の無電極放電ランプ装置Aは、LED光源部30が無電極放電ランプ装置Aのバルブ2の外殻部5から突出して配置しているため、実施形態1の無電極放電ランプ装置Aと比較して、LED光源部30の放熱性も優れている。そのため、本実施形態の無電極放電ランプ装置Aは、LED光源部30のLED31に、より大きな電流を流すことができる。したがって、本実施形態の無電極放電ランプ装置Aは、無電極放電ランプ装置Aにおけるバルブ2の頂部方向の光量をLED光源部30で、より増やすことが可能となり、更なる配光分布特性の改善を行うことができる。
【0062】
また、本実施形態の無電極放電ランプ装置Aは、LED光源部30が無電極放電ランプ装置Aのバルブ2で覆われていない。そのため、本実施形態の無電極放電ランプ装置Aは、実施形態1の無電極放電ランプ装置Aと比較して、バルブ2やバルブ2の内壁面側に設けた蛍光体膜10などにより光吸収されることもなく、より効率よく外部に光を放射することもできる。
【0063】
なお、本実施形態の無電極放電ランプ装置Aも実施形態1の無電極放電ランプ装置Aと同様に図4に示すような照明器具40に用いることができる。
【0064】
(実施形態3)
本実施形態の無電極放電ランプ装置Aは、図1で示した実施形態1や図4で示した実施形態2の無電極放電ランプ装置AのLED光源部30を無電極放電ランプ装置Aの点灯時に発光させて無電極放電ランプ装置Aの配光分布特性を改善するために用いる代わりに、無電極放電ランプ装置Aの消灯時に発光させる常夜灯などとして機能させることが可能な構成とした点が相違する。なお、実施形態1および実施形態2と同様の構成要素には、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0065】
実施形態1の無電極放電ランプ装置Aは、常夜灯などの補助光源となるLED光源部30が、LED31と二次コイルL2との間に、無電極放電ランプ装置Aにおける点灯時の温度に感応して、二次コイルL2とLED31との電気的接続を開放させるスイッチ要素32を有している。なお、本実施形態の無電極放電ランプ装置Aは、LED光源部30の内部構造が異なる以外は、実施形態1の無電極放電ランプ装置Aの構成と同一の構成としている。
【0066】
より具体的には、LED光源部30は、図6に示すように、二次コイルL2、温度により電気的接続がオンオフ(すなわち、短絡および開放)が可能なスイッチ機能を備えたスイッチ要素32および整流用ダイオードD1を直列接続させた直列回路の両端間に平滑コンデンサC1を接続させている。また、LED光源部30は、平滑コンデンサC1の両端電圧を電流制限素子R1を介して直列接続された複数個のLED31に印加できるように構成している。
【0067】
本実施形態の無電極放電ランプ装置AのLED光源部30に用いられるスイッチ要素32は、無電極放電ランプ装置Aが点灯中に生ずる熱によって、二次コイルL2とLED31との電気接続を開放するスイッチ機能を備えており、たとえば、バイメタル等の熱感応素子で構成することができる。
【0068】
本実施形態の無電極放電ランプ装置Aに用いられるLED光源部30は、無電極放電ランプ装置Aの点灯している場合、スイッチ要素32がLED31に電流が流れないように電気接続を開放する。そのため、無電極放電ランプ装置Aの点灯中は、LED光源部30のLED31が発光しない。また、本実施形態の無電極放電ランプ装置Aに用いられるLED光源部30は、無電極放電ランプ装置Aが消灯すると無電極放電ランプ装置Aの温度が低くなる。これにより、LED光源部31は、スイッチ要素32が電気的接続を短絡させてLED31を発光させることが可能となる。
【0069】
すなわち、LED光源部30は、無電極放電ランプ装置Aを消灯させても誘導コイル25から誘導電磁界が発生していると、二次コイルL2で誘起された高周波電流がLED31に供給されてLED31が発光することが可能となる。
【0070】
そのため、本実施形態の無電極放電ランプ装置Aは、たとえば、調光などにより誘導コイル25ヘの供給電力を下げることで、バルブ2内の放電プラズマDPが維持できなくなり無電極放電ランプ装置Aを消灯する。放電プラズマDPは維持されないがLED31は点灯可能な高周波電流を無電極放電ランプ装置Aに供給する場合、LED光源部30は、無電極放電ランプ装置Aの消灯による温度の低下で、スイッチ要素32が二次コイルL2とLED31とを電気的に接続させてLED31に電力を供給しLED光源部30を自動的に常夜灯として点灯させることが可能となる。
【0071】
なお、本実施形態の無電極放電ランプ装置Aは、たとえば、誘導コイル25ヘの供給電力を大きくすることで無電極放電ランプ装置Aが点灯すると、無電極放電ランプ装置Aの昇温に伴い、スイッチ要素32が二次コイルL2からLED31に供給するLED31への電流を遮断するように開放しLED光源部30を自動的に消灯させることもできる。
【0072】
また、本実施形態の無電極放電ランプ装置AのLED光源部30は、同様の構成で常夜灯として利用するだけでなく、たとえば、無電極放電ランプ装置Aにおける誘導コイル25の駆動状況をモニタするモニタランプとして機能させることもできる。
【0073】
本実施形態の無電極放電ランプ装置Aに用いられるLED光源部30は、図6に示す回路構成のものだけに限られず、たとえば、図7に示すように、複数個のLED31を直列接続させたものを双方向に並列接続させて、スイッチ要素32および二次コイルL2と直列接続させることにより二次コイルL2に誘起された高周波で直接的に点灯駆動させる構成としてもよい。この場合も図6と同様に、無電極放電ランプ装置Aの点灯および消灯にともなう温度変化をスイッチ要素32により感知してLED光源部30の点灯を制御させることが可能となる。
【0074】
また、本実施形態の無電極放電ランプ装置Aも、実施形態1の無電極放電ランプ装置Aと同様に、図4に示すように、無電極放電ランプ装置Aにケーブル44を介して高周波電流を供給する高周波電源41やバルブ2から放射された光を配光制御する略半球状の反射板51に無電極放電ランプ装置Aのパワーカプラ部20の基底部側を取り付けて照明器具40として使用することができる。
【0075】
すなわち、本実施形態の無電極放電ランプ装置Aは、無電極放電ランプ装置Aの点灯時にバルブ2の側方における配光分布特性が損なわれることを抑制しつつ、無電極放電ランプ装置Aの頂部側から常夜灯などの補助光源としてLED光源部30からの光を放出することが可能となる。同様に、本実施形態の照明器具40では、無電極放電ランプ装置Aのバルブ2の側方における配光分布特性が損なわれることを抑制しつつ、無電極放電ランプ装置Aの頂部側から常夜灯などの補助光源としてLED光源部30からの光を放出することが可能な無電極放電ランプ装置Aを用いた照明器具40とすることができる。
【符号の説明】
【0076】
A 無電極放電ランプ装置
DP 放電プラズマ
L2 二次コイル
1 無電極放電ランプ
2 バルブ
5 外殻部
6 管状内管
10 蛍光体膜
20 パワーカプラ部
20a 先端部
25 誘導コイル
30 LED光源部
31 LED
32 スイッチ要素
40 照明器具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性材料からなり内部に放電ガスとなる希ガスおよび蒸気化しえる金属が気密封止された外殻部および該外殻部の内側に入り込んだ管状内管とを少なくとも備えたバルブと、該バルブの内壁面側に形成された蛍光体膜と、前記管状内管の軸方向に沿って巻回され且つ前記管状内管内に収められて前記放電ガスを励起する誘導コイルを備えたパワーカプラ部とを有する無電極放電ランプ装置であって、
前記管状内管の前記軸方向に光を放射するLEDと、一次コイルとなる前記誘導コイルの電磁誘導により前記誘導コイルと非接触で前記LEDに電力を給電する非接触給電用の二次コイルとを有するLED光源部を前記パワーカプラ部の先端部に備えたことを特徴とする無電極放電ランプ装置。
【請求項2】
前記管状内管を前記外殻部に貫設させてなり前記LED光源部が前記外殻部から突出して設置されてなることを特徴とする請求項1に記載の無電極放電ランプ装置。
【請求項3】
前記LED光源部は、前記LEDと前記二次コイルとの間に、無電極放電ランプ装置における点灯時の温度に感応して、前記二次コイルと前記LEDとの電気的接続を開放させるスイッチ要素を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無電極放電ランプ装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の無電極放電ランプ装置を備えてなることを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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