説明

無電解めっき処理方法

【課題】ラックに複数枚の枚葉基板を収容し、ラック毎に薬液に浸漬して処理する無電解めっき方法において、液切り不足によるめっきムラを発生させない無電解めっき処理方法を提供する。
【解決手段】枚葉基板100を複数枚収容したラック200を薬液中に浸漬した後に、略均等に配置された少なくとも2枚以上の該基板を薬液中から薬液面に対して略垂直に引き上げる際に、該基板面に対し略平行に送風機構300から送風することを特徴とする無電解めっき処理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高精度な回路パターンを形成し得る生産性に優れた回路基板の無電解めっき処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロニクス製品の軽量化と小型化に伴い、プリント回路基板のパターニングの高精度化が求められている。中でもプリント回路基板に用いられる可撓性フイルムは、その可撓性ゆえに三次元配線ができ、エレクトロニクス製品の小型化に適していることから需要が拡大している。しかしながら、液晶ディスプレイパネルへのIC接続に用いられるTAB(Tape Automated Bonding)技術は、比較的狭幅の長尺ポリイミドフイルムを加工することで樹脂回路基板としては最高レベルの微細パターンを得ることができるが、微細化の進展に関しては限界に近づきつつある。
【0003】
これに対して、最近、可撓性フイルムを有機物層を介してガラス板に貼り合わせ、寸法精度を維持し、枚葉基板として配線形成することで非常に微細な回路パターンを形成し、その後、可撓性フイルムをガラス板から剥離して回路基板を得る方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
液晶ディスプレイパネルへのIC接続に用いられるTABやCOF(Chip On Film)の場合、銅配線表面に無電界錫めっきを施すことが多い。これはIC側の端子である金バンプと無電界錫めっきの施された端子に加熱圧着されることで金−錫共晶はんだを生成させ、端子同士を接続させるためである。その他、銅配線表面に電解金めっきを施し、IC側の金端子を熱圧着し、金−金の界面間で拡散させて接合させる方法もあるが、コスト的に高い理由であまり採用されていない。
【0005】
枚葉基板の配線形成で無電解錫めっき処理する場合、1枚毎に水平コンベア方式を採用した方が、めっき液の液切り性も良いため、外観仕上げが綺麗である。しかし、処理時間と処理能力(コンベア速度)の積が処理槽の長さとなり、処理時間が長い無電界錫めっきで処理能力を上げていくと、めっき処理設備が長く、大きくなってしまう。一方、ラック方式を採用した場合、バッチ式で一つの槽に多数の枚葉基板を一括処理できるため、装置長も短く、コンパクトであるが、ラック内にある枚葉基板の液切りが悪く、配線表面にめっきムラが発生する。この錫めっきのムラはIC実装に不具合を発生しないが、IC実装に不具合を発生させる汚染物質の付着と外観上の区別ができないため、外観不良として判断されてしまう。
【0006】
ラック方式を採用した場合でも、液ムラを発生しない液切り方法として温液(温水)乾燥装置において、温純水の水位を徐々に降下させ、温純水に浸漬されていたワークの液切り、乾燥を実施する方法もある(特許文献2参照)。しかしながら、この方法は表面張力を利用し、ゆっくりとした速度で液切りを行うため、基板の上下で処理液に浸漬する時間が大きく異なり、浸漬時間で膜厚を制御する無電解めっき液の液切りに対して膜厚バラツキ制御が困難という課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第03/009657号パンフレット
【特許文献2】特開平10−332265号公報(第2―11頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、枚葉基板の配線形成で無電解錫めっき処理する際に、生産性の良いラック方式を採用した場合でも、膜厚バラツキを抑え、液ムラを発生しない液切り方法を備えた無電界めっき処理法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、枚葉基板を複数枚収容したラックを薬液中に浸漬した後に、略均等に配置された少なくとも2枚以上の該基板を薬液中から薬液面に対して略垂直に引き上げる際に、送風機構から該基板面に略平行に送風することを特徴とする無電解めっき処理方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、枚葉基板の配線形成で無電解錫めっき処理する際に、ラック方式を採用して、膜厚バラツキを抑え、液ムラが発生せず、歩留まり良く枚葉の回路基板が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施例を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施例を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施例を示す模式図である。
【図4】枚葉基板とラック、処理槽、薬液液面の位置関係である。
【図5】本発明の無電界錫めっきでの一実施例を示す模式図である。
【図6】本発明の一実施例を示す模式図である。
【図7】枚葉基板上の風速とムラ発生率の関係を示すグラフである。
【図8】枚葉基板上の風速とムラ発生率の関係を示すグラフである。
【図9】実施例で用いた基板内の分割形状を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明においてラックとは、複数の枚葉基板を垂直に保持するものを示す。薬液処理する際はラックを含めた枚葉基板を処理槽に浸漬するため、耐薬品性の材料であることが求められる。処理する薬液の種類、温度や、積載する基板重量を考慮する必要がある。無電解めっきの場合、耐酸、耐アルカリで薬液温度が65−80℃であることが多いため、ステンレスの表面をフッ素樹脂コートする材料を用いることが多い。薬液温度が高くなく、枚葉基板の重量が少ない場合、耐熱塩化ビニルやPEEK樹脂を用いることもできる。枚葉基板へ薬液が供給されやすいようにラックは薬液を遮蔽しない構造が望ましい。枚葉基板の固定も、基板位置が動かない狭い面積での固定とすることが望ましい。ラック内の枚葉基板と枚葉基板のスペースは10mm以上が好ましく、できれば18mm以上あることが好ましい。スペースが広いほど、薬液が枚葉基板表面全体に均一に供給しやすく、薬液処理後の液切りもしやすくなるためである。
【0013】
複数の枚葉基板は垂直に保持し、送風は基板と略平行に下向きに送風することが望ましい。これは複数の枚葉基板に付着した薬液が下方向へ落下するためである。基板が垂直に保持されていなければ、液落下により下方に隣接する枚葉基板に再付着し、短時間で液切りすることは困難となる。また、送風が下向きでなければ、送風の上向きの分力と薬液の重力がつりあい、基板上に薬液が留まってしまう。重要なのは、枚葉基板に付着した薬液を効率よく下向きに液切りすることである。もし、送風が基板に平行でなければ、複数の枚葉基板に挟まれた空間にある薬液を下向きに効率よく液切りすることは難しい。無電界めっき液などで液温が60−80℃と液温が高い場合、薬液の蒸気により上向きの気流が発生し、落下する薬液とのバランスがつりあい、基板表面で薬液が多く留まって、ムラが発生する。蒸気の気流をキャンセルして薬液を下向きに液切りできる大きな送風が必要で、基板と略平行に下向きに送風することが好ましい構造である。
【0014】
ここで略平行とは風により薬液を効率よく押し出す力の方向を示すのであって、枚葉基板面に対しておおよそ±30度、できれば±20度以内であることが望ましい。風の方向が基板面に対して30度のとき、風の基板面の平行方向の風速は元の風速の約87%、風の方向が基板面に対して20度のとき、風の基板面の平行方向の風速は元の風速の約94%となり、風速を大きく落とす角度ではない。
【0015】
大きな送風が必要であるため、送風機構はできるだけ枚葉基板に近く、距離が一定である方が望ましい。風速の大きく変化する箇所では液ダマリが発生し、ムラの原因となる。枚葉基板と送風機構の距離が変化すると、枚葉基板上の風速が大きく変化し、液ダマリの原因となるため、基板と送風機構との距離は一定であることが望ましい。
【0016】
枚葉基板の枚数には特に制限はないが、生産性を考慮すると多いほうが良い。ただし、枚葉基板のスペースは前述の通り、広い方が好ましいことから、単純に枚葉基板の枚数を増加させるとラックサイズが大きくなり、装置サイズが単純に大きくなってしまう。枚葉基板の枚数が多くなるとラックに積載する枚葉基板の総重量も重く、人の作業性が悪くなるため、10から30枚の範囲で使用することが、好ましい。
【0017】
ここで薬液とは、無電界めっきの処理に用いる水溶液を示す。具体的には無電界めっきの前処理としては界面活性剤を含む脱脂液、基板表面の金属表面をエッチングする過硫酸ソーダや過酸化水素−硫酸系などの比較的エッチングレートが遅いエッチング液、エッチング液洗浄や金属表面の活性化に用いる塩酸や硫酸が5−10wt.%含まれる酸洗浄液、各種の金属皮膜を形成する無電界めっき液、および触媒を付与する場合はその処理液などを含む。それから各工程の薬液を洗浄するために用いられる酸やアルカリ性溶液および水も薬液に含める。
【0018】
無電解めっきには析出方法として代表的なものに2種類ある。めっきが析出する表面の金属が溶解したときの電子を受け取り、還元して析出する置換めっきと、還元剤の分解により電子を受け取り析出するめっき方法である。置換めっきは、表面を完全にめっき膜で被膜すると反応が停止する。一方、還元剤を使用する場合、触媒活性な表面で選択的にめっき金属の析出が発生するため、析出する金属自体が還元剤の酸化反応に対して触媒的活性な場合に連続的に金属析出が可能である。
【0019】
図5は本発明の一実施形態を示す概略図である。図5では置換めっきである無電解錫めっき処理での代表的な実施形態である。処理する枚葉基板100の表面には銅配線が形成しており、ラック200に垂直に納められ、投入部に設置される。無電解めっき処理はキャリア400によりラックが搬送され、複数の薬液処理を各処理槽800へ順番に所定時間浸漬することにより行われる。無電解めっきの工程を大きくわけると、前処理、無電解めっき、後処理の三つに分けられる。前処理の主な目的は置換めっきの場合は基板表面の洗浄である。還元剤を用いる場合は、基板表面の洗浄と触媒金属(おもにパラジウム金属)の付与を目的とする。後処理の主な目的は付着しためっき液の洗浄である。めっき表面が酸化しやすい場合は防錆処理も後工程にて実施する。図5の前処理、後処理はあくまでも代表的なものであり、これに限定するものではない。処理する基板の種類により前処理と後処理の薬液種類と処理条件は柔軟に変更される。また、前処理と後処理工程内では、互いに液を持ち込むことは液寿命の上で問題はあるものの、枚葉基板100へ及ぼす影響は小さく、枚葉基板表面に付着した水や薬液の液切りを厳格にする必要がない。一方、前処理から無電解めっきへの枚葉基板100の持ち込みと、無電解めっきから後工程への枚葉基板100の持ち込み、および後工程からの枚葉基板の取り出しでは、基板表面に付着した水や薬液は、枚葉基板100表面のめっきムラの原因となる。これは無電解めっき液に枚葉基板100が接しているときにめっき金属が析出するからで、前処理での水などの付着はめっき析出の阻害となり、めっき液が付着したままの枚葉基板100の搬出は、めっき液付着部分のみめっき析出が続くためである。後工程での水滴付着は、水滴付着部でめっき皮膜表面の酸化が発生し、酸化膜の色によりムラが発生する。
【0020】
本発明では前処理の最後の槽からラックを引き上げるときと、無電解めっき槽から引き上げる際に、基板と略平行に送風することで、水や薬液の液切りを実施し、めっきムラを防止する。具体的には図5に示すようにファン300をキャリアに設置し、ラック上部から送風し、めっき液槽への水の持ち込みとめっき槽からの液の持ち出しを防止する(図6)。送風機構から枚葉基板に当たる風の風速を規定することで、更にムラ発生率を低減し、良好となる。液切りのために必要な風速は図6で送風機構から最も近い基板端Aの点線で示した位置で基板面に対して平行下向きの平均風速が5.0m/sec以上であることが好ましく、基板面に対して平行下向きの平均風速7.0m/sec以上であることが望ましい。また、風速バラツキが発生すると風速の異なる境界で液だまりが発生することから、図6で送風機構から最も近い基板端Aでの基板面に対して平行下向きの風速バラツキが最大最小風速差 2.0m/sec以下であることが好ましく、さらに1.7m/sec以下であることが望ましい。尚、風速の測定は図6での基板端にアネモマスター風速計のプローブを置いておこなう。アネモマスター(熱式風速計)はプローブ内のセンサーが加熱されており、センサーが風を受けることで奪われる熱量から風速を測定するしくみである。以下、特に断りのない限り、単に「風速」または「平均風速」というときは、それぞれ、「基板面に対して平行下向きの風速」または「基板面に対して平行下向きの平均風速」を指すものとする。
【0021】
枚葉基板として370×470×1.1mmの18μm厚銅箔付きガラスエポキシ銅張積層板(グレード:FR4)の表面を図9のように7×18=126分割し、この銅箔表面に0.50μm厚の錫めっきを施し、引き上げ時に送風の風速とバラツキを変えたときの、126分割中のめっきムラ発生率を図7に示す。これから送風の平均風速が5.0m/sec以上であれば、最大最小風速差 2.0m/sec以下で、ムラ発生率は5%未満となり良好である。さらに平均風速が5.0m/sec以上であれば、最大最小風速差 1.7m/sec以下で、ムラ発生はゼロとなる。
【0022】
尚、平均風速および最大最小風速差はラックに納められた基板の上部端でラック内の風速の最大値、最小値を含むと推測される位置(例えばラック端部とラック中央等)での風速を測定して求める。例えば、10枚の基板を固定するラックの場合、図9にあるように、深さ方向にA−G、水平方向に1−18と記号を決め、ラックに納められた基板で、キャリアの進路方向から1枚目、5枚目、10枚目のA−1、A−10、A−18の直上で基板面に対して平行下向きの風速を測定し、平均風速値(m/sec)と最大最小風速差R(m/sec)を算出する。
【0023】
図7の条件で平均風速とムラ発生率の関係を図8に示した。これにより平均風速が7.0m/sec以上であれば、ムラがさらに発生しにくいことが予測される。
【0024】
風速を5.0m/sec以上確保し、最大最小風速差2.0m/sec以下とするために、送風機構はラックにできるだけ近接して設置することが好ましい。よってラック上部に近接するキャリアに送風機構を付帯し、送風機構が近接し、常に一定の距離から安定した風量を供給する構造が考えられる。
【0025】
風速バラツキを一定以下にする方法としては、風速が5.0m/sec以上、好ましくは7.0m/secを確保する送風機構を設置したのち、ラックに設置された枚葉基板の直上の風速を測定して、風速の分布を確認し、その分布を下記の方法にて補正する。(1)風速の大きな箇所の直上に遮蔽板やパンチングメタルを必要な枚数だけ設置したり、そのパンチングメタルの開口面積を小さくして風速を弱める方法、(2)風速の小さな箇所にエアノズル等で補足し、風速を上げる方法、(3)ルーバーなどで気流方向を変化させ、前述(1)、(2)を同時に行い、バランスをとることにより、一定にする。
【0026】
図1はキャリアの上部に送風ファンを設置した一実施例を示す。ラック直上に2個の送風ファン300を並列に設置し、ラック直上に均一に送風できるようダクト500設置する。枚葉基板上の風速バラツキを小さくするため、このダクト内部に整流板を設置しても構わない。整流板のはたらきとしては、主に風速の強い箇所の風速を弱めるための、遮蔽板の働きがある。単純に板を送風方向に垂直にマスクするように、遮蔽板を設置し整流板としても構わない。また、整流板としてパンチングメタルやメッシュでダクト内を遮蔽して、全体の風速バラツキを低減しても構わない。特に、整流板としてパンチングメタルを使用した場合、風速の偏りが小さくなり、調整しやすいため、最大最小風速差がより小さくでき、ムラ発生せず、良好である。また、ダクト内にルーバーを設置して、風速バラツキの低減を行っても構わない。
【0027】
図2はキャリアの上部に送風ファンを2個上下に設置し、圧空を接続したフラット型のエアノズルを枚葉基板直上に設置した一実施例である。圧空を接続したエアノズルのみで平均風速を確保できる場合は、送風ファンは不要となるが、エアノズルのみでは平均風速が5.0m/sec未満であるときに、送風ファンを2個重ねて併用して必要な風速を確保する構造である。フラット型のエアノズルの方向は可変であり、エアノズル方向を微調整しながら、枚葉基板上の風速バラツキの低減を実施する。
【0028】
図3は図2と同様な構造であるが、送風ファンが並列設置されている箇所とエアノズルの形状が図2とは異なる一実施例である。
【0029】
キャリアがラックを無電解めっき液槽への投入する時間および引き上げ時間は5秒以内が好ましく、さらに3秒以内が望ましい。これは無電解めっきの膜厚制御は無電解めっき液への浸漬時間にて制御しているためで、投入時間と引き上げ時間の和は枚葉基板の上端と下端の浸漬時間の差となり、この時間の差がめっき膜厚差となる。通常の無電解錫めっきは65℃の浴温、230秒で約0.50μmの錫めっき膜を形成する。よって錫めっき析出速度は約0.002μm/秒となる。もし、投入時間と引き上げ時間がそれぞれ5秒とすると、枚葉基板の上端と下端の浸漬時間の差は10秒となり、浸漬時間による膜厚差は0.02μmとなる。錫めっき膜厚の代表的な管理幅は0.50±0.05μmであり、浸漬時間差以外にも膜厚バラツキの要因があることから、この浸漬時間差10秒が膜厚制御する上の限界となる。
【実施例】
【0030】
以下、無電界めっきの実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】
平均風速値(m/sec)、最大最小風速差R(m/sec)の算出
370×470×1.1mmの18μm厚銅箔付きガラスエポキシ銅張積層板(グレード:FR4)を評価のため、図9のように7×18=126個に分割する。分割は枚葉基板の表面にカッターナイフなどの鋭利なものでキズをつけることで目印を付け実施した。図9にあるように、深さ方向にA−G、水平方向に1−18と記号を決め、分割された位置をA−10で示す。ラックに納められた基板で、キャリアの進路方向から1枚目、5枚目、10枚目のA−1、A−10、A−18の直上の風速を測定し、平均風速値(m/sec)と最大最小風速差R(m/sec)を算出した。
【0032】
なお、以下の実施例、比較例で、平均風速と最大最小風速差の値は、実施例1で遮蔽板等を用いて最適な条件を設定したのち、実施例1以外の条件において、送風機構であるファンの回転数を変化させることと、適切に遮蔽板としてパンチングメタルを追加または削除させること、適切な位置にエアノズルにより適量なエアを吹き付けることにより得た数値である。
【0033】
実施例1
枚葉基板(370×470×1.1mmの18μm厚銅箔付きガラスエポキシ銅張積層板(グレード:FR4))が15mmピッチに10枚入るPEEK樹脂製のラックを準備した。このとき、FR4の370mmがめっき処理を行う深さ方向となるようにラックに設置した。無電解錫めっき液(“TINPOSIT(登録商標)”(商品名)LT−34G ロームアンドハース電子材料(株)製)の処理条件は前処理と後処理を含めて表1に従った。各処理槽は約200Lの浴槽で、ラックと枚葉基板が浴槽に浸漬した状態の位置関係は図4に示す。無電解錫めっき槽は耐熱塩化ビニル、その他の槽は塩化ビニルで構成される。酸洗と無電解錫めっきの槽にはポンプにより槽の底部から液面へ向けた噴流による循環機能と1μmフィルター装置が付帯する。無電解錫めっき槽と湯洗の槽にヒータにより温調機能が付帯してある。その他の水洗には、エアバブリングによる撹拌機能も付帯した。
【0034】
上記、平均風速値(m/sec)、最大最小風速差R(m/sec)の算出方法により、ラックに納められた基板で、キャリアの進路方向から1枚目、5枚目、10枚目のA−1、A−10、A−18の直上の風速を測定し、平均風速値(m/sec)と最大最小風速差R(m/sec)を算出した。
【0035】
キャリアは図3にあるキャリアに送風ファンが並列に2個設置し、圧空を接続したエアノズルが枚葉基板上部に設置された構造であった。アームの開閉によりラックを固定したり、開放したりする。ファンの出力やエアノゾルの個数の調整を行い、平均風速と最大最小風速差R(m/sec)を調整した。このとき、平均風速は5.0m/sec、最大最小風速差Rは1.7m/secであった。この条件で無電解錫めっき前の水洗槽からの引き上げ時、無電解錫めっき槽からの引き上げ時、最終洗浄の水洗槽からの引き上げ時の3回、送風を実施した。
【0036】
めっき終了後、ラックから枚葉基板を取り出し、オーブンで120℃10分乾燥した。ラックに納められた基板で、キャリアの進路方向から1枚目、5枚目、10枚目の外観検査を行い、126個に区切られたピースで何個のピースにめっきムラが発生しているかを外観にて確認した。また、ラックに納められた基板で、キャリアの進路方向から1枚目、5枚目、10枚目のA−1、A−10、A−18、D−1、D−10、D−18、G−1、G−10、G−18の錫めっき膜厚を蛍光X線にて測定し、膜厚平均値と最大最小膜厚差Rを算出した。めっき後の結果は表6にあるように、めっきムラ発生は0%と良好であり、錫めっき膜厚も平均値0.50μm、最大最小膜厚差R0.05μmと問題なかった。
【0037】
実施例2
平均風速は5.0m/sec、最大最小風速差Rは2.3m/secであった以外は実施例1と同様にして無電解錫めっきを実施した。めっき後の結果は表6にあるように、めっきムラ発生は8.7%と少しムラが発生した。錫めっき膜厚は平均値0.50μm、最大最小膜厚差R0.05μmと問題なかった。
【0038】
実施例3
平均風速は3.7m/sec、最大最小風速差Rは2.9m/secであった以外は実施例1と同様にして無電解錫めっきを実施した。めっき後の結果は表6にあるように、めっきムラ発生は27.0%とムラが発生し、送風機構がない比較例1と比較して発生率は低いが、歩留まりを考えると生産条件としては難しい。錫めっき膜厚は平均値0.50μm、最大最小膜厚差R0.05μmと問題なかった。
【0039】
実施例4
平均風速は4.1m/sec、最大最小風速差Rは1.4m/secであった以外は実施例1と同様にして無電解錫めっきを実施した。めっき後の結果は表6にあるように、めっきムラ発生は19.8%と少しムラが発生した。錫めっき膜厚は平均値0.50μm、最大最小膜厚差R0.05μmと問題なかった。
【0040】
実施例5
平均風速は3.1m/sec、最大最小風速差Rは1.8m/secであった以外は実施例1と同様にして無電解錫めっきを実施した。めっき後の結果は表6にあるように、めっきムラ発生は19.8%と少しムラが発生した。錫めっき膜厚は平均値0.50μm、最大最小膜厚差R0.05μmと問題なかった。
【0041】
実施例6
平均風速は4.2m/sec、最大最小風速差Rは2.0m/secであった以外は実施例1と同様にして無電解錫めっきを実施した。めっき後の結果は6にあるように、めっきムラ発生は23.0%と少しムラが発生し、送風機構がない比較例1と比較して発生率は低いが、歩留まりを考えると生産条件としては難しい。錫めっき膜厚は平均値0.50μm、最大最小膜厚差R0.05μmと問題なかった。
【0042】
実施例7
平均風速は2.1m/sec、最大最小風速差Rは0.5m/secであった以外は実施例1と同様にして無電解錫めっきを実施した。めっき後の結果は表6にあるように、めっきムラ発生は42.9%とムラが多発し、送風機構がない比較例1と比較して発生率は低いが、歩留まりを考えると生産条件としては難しい。錫めっき膜厚は平均値0.50μm、最大最小膜厚差R0.05μmと問題なかった。
【0043】
実施例8
平均風速は4.3m/sec、最大最小風速差Rは1.4m/secであった以外は実施例1と同様にして無電解錫めっきを実施した。めっき後の結果は表6にあるように、めっきムラ発生は17.5%と少しムラが発生した。錫めっき膜厚は平均値0.50μm、最大最小膜厚差R0.05μmと問題なかった。
【0044】
実施例9
平均風速は5.6m/sec、最大最小風速差Rは2.9m/secであった以外は実施例1と同様にして無電解錫めっきを実施した。めっき後の結果は表6にあるように、めっきムラ発生は19.0%と少しムラが発生した。錫めっき膜厚は平均値0.50μm、最大最小膜厚差R0.05μmと問題なかった。
【0045】
実施例10
平均風速は3.6m/sec、最大最小風速差Rは1.3m/secであった以外は実施例1と同様にして無電解錫めっきを実施した。めっき後の結果は表6にあるように、めっきムラ発生は9.5%と少しムラが発生した。錫めっき膜厚は平均値0.50μm、最大最小膜厚差R0.05μmと問題なかった。
【0046】
実施例11
平均風速は4.5m/sec、最大最小風速差Rは1.5m/secであった以外は実施例1と同様にして無電解錫めっきを実施した。めっき後の結果は表6にあるように、めっきムラ発生は8.7%と少しムラが発生した。錫めっき膜厚は平均値0.50μm、最大最小膜厚差R0.05μmと問題なかった。
【0047】
実施例12
平均風速は2.5m/sec、最大最小風速差Rは1.2m/secであった以外は実施例1と同様にして無電解錫めっきを実施した。めっき後の結果は表6にあるように、めっきムラ発生は13.5%と少しムラが発生した。錫めっき膜厚は平均値0.50μm、最大最小膜厚差R0.05μmと問題なかった。
【0048】
実施例13
平均風速は6.3m/sec、最大最小風速差Rは1.9m/secであった以外は実施例1と同様にして無電解錫めっきを実施した。めっき後の結果は表6にあるように、めっきムラ発生は3.2%と少なく良好であった。錫めっき膜厚は平均値0.50μm、最大最小膜厚差R0.05μmと問題なかった。
【0049】
実施例14
平均風速は6.5m/sec、最大最小風速差Rは1.9m/secであった以外は実施例1と同様にして無電解錫めっきを実施した。めっき後の結果は表6にあるように、めっきムラ発生は3.2%と少なく良好であった。錫めっき膜厚は平均値0.50μm、最大最小膜厚差R0.05μmと問題なかった。
【0050】
実施例15
平均風速は6.8m/sec、最大最小風速差Rは1.9m/secであった以外は実施例1と同様にして無電解錫めっきを実施した。めっき後の結果は表6にあるように、めっきムラ発生は0.8%と少なく良好であった。錫めっき膜厚は平均値0.50μm、最大最小膜厚差R0.05μmと問題なかった。
【0051】
実施例16
平均風速は7.1m/sec、最大最小風速差Rは1.9m/secであった以外は実施例1と同様にして無電解錫めっきを実施した。めっき後の結果は表6にあるように、めっきムラ発生は0.0%と発生せず、良好であった。錫めっき膜厚は平均値0.50μm、最大最小膜厚差R0.05μmと問題なかった。
【0052】
実施例17
平均風速は7.5m/sec、最大最小風速差Rは1.9m/secであった以外は実施例1と同様にして無電解錫めっきを実施した。めっき後の結果は表6にあるように、めっきムラ発生は0.0%と発生せず、良好であった。錫めっき膜厚は平均値0.50μm、最大最小膜厚差R0.05μmと問題なかった。
【0053】
実施例18
枚葉基板(370×470×1.1mmの18μm厚銅箔付きガラスエポキシ銅張積層板(グレード:FR4))が10mmピッチに15枚入るPEEK樹脂製のラックを準備した以外は実施例1と同様にして無電解錫めっきを実施した。
【0054】
尚、風速測定位置と外観検査、および膜厚測定位置は実施例1と異なり、以下の通り実施した。ラックに納められた基板で、キャリアの進路方向から1枚目、7枚目、15枚目のA−1、A−10、A−18の直上の風速を測定し、平均風速値(m/sec)と最大最小風速差R(m/sec)を算出した。また、ラックに納められた基板で、キャリアの進路方向から1枚目、7枚目、15枚目の外観検査を行い、126個に区切られたピースで何個のピースにめっきムラが発生しているかを外観にて確認した。また、ラックに納められた基板で、キャリアの進路方向から1枚目、5枚目、10枚目のA−1、A−10、A−18、D−1、D−10、D−18、G−1、G−10、G−18の錫めっき膜厚を蛍光X線にて測定し、膜厚平均値と最大最小膜厚差Rを算出した。
【0055】
めっき後の結果は表6にあるように、めっきムラ発生は0.0%と発生せず、良好であった。錫めっき膜厚は平均値0.48μm、最大最小膜厚差R0.05μmと問題なかった。
【0056】
実施例19
枚葉基板(370×470×1.1mmの18μm厚銅箔付きガラスエポキシ銅張積層板(グレード:FR4))が5mmピッチに30枚入るPEEK樹脂製のラックを準備した以外は実施例1と同様にして無電解錫めっきを実施した。
【0057】
尚、風速測定位置と外観検査、および膜厚測定位置は実施例1と異なり、以下の通り実施した。ラックに納められた基板で、キャリアの進路方向から1枚目、15枚目、30枚目のA−1、A−10、A−18の直上の風速を測定し、平均風速値(m/sec)と最大最小風速差R(m/sec)を算出した。また、ラックに納められた基板で、キャリアの進路方向から1枚目、15枚目、30枚目の外観検査を行い、126個に区切られたピースで何個のピースにめっきムラが発生しているかを外観にて確認した。また、ラックに納められた基板で、キャリアの進路方向から1枚目、5枚目、10枚目のA−1、A−10、A−18、D−1、D−10、D−18、G−1、G−10、G−18の錫めっき膜厚を蛍光X線にて測定し、膜厚平均値と最大最小膜厚差Rを算出した。
【0058】
めっき後の結果は表6にあるように、めっきムラ発生は0.3%と少なく、良好であった。錫めっき膜厚は平均値0.46μm、最大最小膜厚差R0.05μmと問題なかった。
【0059】
実施例20
枚葉基板(370×470×1.1mmの18μm厚銅箔付きガラスエポキシ銅張積層板(グレード:FR4))が30mmピッチに5枚入るPEEK樹脂製のラックを準備した以外は実施例1と同様にして無電解錫めっきを実施した。
【0060】
尚、風速測定位置と外観検査、および膜厚測定位置は実施例1と異なり、以下の通り実施した。ラックに納められた基板で、キャリアの進路方向から1枚目、3枚目、5枚目のA−1、A−10、A−18の直上の風速を測定し、平均風速値(m/sec)と最大最小風速差R(m/sec)を算出した。また、ラックに納められた基板で、キャリアの進路方向から1枚目、7枚目、15枚目の外観検査を行い、126個に区切られたピースで何個のピースにめっきムラが発生しているかを外観にて確認した。また、ラックに納められた基板で、キャリアの進路方向から1枚目、3枚目、5枚目のA−1、A−10、A−18、D−1、D−10、D−18、G−1、G−10、G−18の錫めっき膜厚を蛍光X線にて測定し、膜厚平均値と最大最小膜厚差Rを算出した。
【0061】
めっき後の結果は表6にあるように、めっきムラ発生は0.0%と発生せず、良好であった。錫めっき膜厚は平均値0.51μm、最大最小膜厚差R0.05μmと問題なかった。
【0062】
実施例21
薬液の種類を無電解銅めっきに変更して、実施例1と同様なムラ発生評価を実施した。
【0063】
無電解銅めっき液(“Thru-Cup(登録商標)”(商品名)PEA 上村工業(株)製)の処理条件は前処理と後処理を含めて表4に従った。表4中の薬液組成のACL−009、PED−104、AT−105、AL−106、PEA−6−A〜EおよびAT−21は無電解銅めっき(商品名)PEAの各工程での薬品名称である。各処理槽は約200Lの浴槽で、ラックと枚葉基板が浴槽に浸漬した状態の位置関係は図4に示す。無電解銅めっき槽は耐熱塩化ビニル、その他の槽は塩化ビニルで構成される。脱脂、マイクロエッチング、酸洗、プレディップ、アクチベーター、アクセレレーターpypぼ防錆処理の槽にはポンプにより槽の底部から液面へ向けた噴流による循環機能と1μmフィルター装置が付帯する。脱脂、マイクロエッチング、無電解銅めっき槽と湯洗の槽にヒータにより温調機能が付帯してある。無電解銅めっきとその他の水洗には、エアバブリングによる撹拌機能も付帯した。このとき、平均風速は5.0m/sec、最大最小風速差Rは1.7m/secであった。この条件で、無電解銅めっき槽からの引き上げ時、最終洗浄の水洗槽からの引き上げ時の2回、送風を実施した。
【0064】
めっき後の結果は表6にあるように、めっきムラ発生は0.0%と発生せず、良好であった。銅めっき膜厚は平均値1.0μm、最大最小膜厚差R0.20μmと問題なかった。
【0065】
実施例22
平均風速は5.0m/sec、最大最小風速差Rは2.3m/secであった以外は実施例21と同様にして無電解錫めっきを実施した。
【0066】
めっき後の結果は表6にあるように、めっきムラ発生は7.3%と少なく、良好であった。銅めっき膜厚は平均値1.0μm、最大最小膜厚差R0.20μmと問題なかった。
【0067】
実施例23
平均風速は4.5m/sec、最大最小風速差Rは1.5m/secであった以外は実施例21と同様にして無電解錫めっきを実施した。
【0068】
めっき後の結果は表6にあるように、めっきムラ発生は6.6%と少なく、良好であった。銅めっき膜厚は平均値1.0μm、最大最小膜厚差R0.20μmと問題なかった。
【0069】
実施例24
平均風速は6.8m/sec、最大最小風速差Rは1.9m/secであった以外は実施例21と同様にして無電解錫めっきを実施した。
【0070】
めっき後の結果は表6にあるように、めっきムラ発生は0.8%と少なく、良好であった。銅めっき膜厚は平均値1.0μm、最大最小膜厚差R0.20μmと問題なかった。
【0071】
比較例1
無電解錫めっき液(“TINPOSIT(登録商標)”(商品名)LT−34G ロームアンドハース電子材料(株)製)の処理条件は前処理と後処理を含めて表2に従い、引き上げ時の送風は一切実施しなかった以外は実施例1と同様にして無電解錫めっきを実施した。めっき後の結果は表6にあるように、めっきムラ発生は78.0%と多発し、不可であった。錫めっき膜厚は平均値0.50μm、最大最小膜厚差R0.05μmと問題なかった。
【0072】
比較例2
無電解錫めっき液(“TINPOSIT(登録商標)”(商品名)LT−34G ロームアンドハース電子材料(株)製)の処理条件は前処理と後処理を含めて表3に従い、引き上げ時の送風は一切実施せず、そのかわり、液面を1mm/secの早さで下げていくことで液切りを実施した以外は実施例1と同様にして無電解錫めっきを実施した。液切りと同時に液面から引き上げるのに、550秒も必要であったため、枚葉基板の上端と下端のめっき液浸隻時間が大きく異なり、枚葉基板下端の錫めっき厚が異常に厚くなってしまった。めっき後の結果は表6にあるように、めっきムラ発生は3.2%と少ないが、錫めっき膜厚は平均値0.80μm、最大最小膜厚差R0.50μmと大きく不可となった。
【0073】
比較例3
枚葉基板(370×470×1.1mmの18μm厚銅箔付きガラスエポキシ銅張積層板(グレード:FR4))が30mmピッチに5枚入るPEEK樹脂製のラックを準備した以外は比較例1と同様にして無電解錫めっきを実施した。
【0074】
めっき後の結果は表6にあるように、めっきムラ発生は84.1%と多発し、不可であった。錫めっき膜厚は平均値0.50μm、最大最小膜厚差R0.05μmと問題なかった。
【0075】
比較例4
無電解銅めっき液(“Thru-Cup(登録商標)”(商品名)PEA 上村工業(株)製)の処理条件は前処理と後処理を含めて表5に従い、引き上げ時の送風は一切実施しなかった以外は実施例21と同様にして無電解銅めっきを実施した。
【0076】
めっき後の結果は表6にあるように、めっきムラ発生は69.8%と多発し、不可であった。銅めっき膜厚は平均値1.0μm、最大最小膜厚差R0.20μmと問題なかった。
表1は実施例でのめっき処理条件である。
表2は比較例1でのめっき処理条件である。
表3は比較例2でのめっき処理条件である。
表4は実施例でのめっき処理条件である。
表5は比較例3、4でのめっき処理条件である。
表6は実施例と比較例の条件とムラ発生と錫膜厚の関係である。
【0077】
【表1】

【0078】
【表2】

【0079】
【表3】

【0080】
【表4】

【0081】
【表5】

【0082】
【表6】

【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明の無電解めっき処理方法は、例えば、電子機器の配線板の端子めっき、ICパッケージ用インターポーザーおよびウェハレベルバーンインソケット用配線板などの端子にめっき膜を作製する際に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0084】
100 枚葉基板
200 ラック
300 送風ファン
400 キャリア
500 ダクト
600 アーム
700 送風菅
701、702 エアノズル
800 処理槽
900 処理槽の薬液液面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
枚葉基板を複数枚収容したラックを薬液中に浸漬した後に、略均等に配置された少なくとも2枚以上の該基板を薬液中から薬液面に対して略垂直に引き上げる際に、送風機構から該基板面に略平行に送風することを特徴とする無電解めっき処理方法。
【請求項2】
該基板を薬液中から引き上げる際に、送風機構は該基板の直上に近接し、該基板と送風機構の距離は常に一定である請求項1記載の無電解めっき処理方法。
【請求項3】
送風機構から最も近い基板の端での基板面に対して平行下向きの平均風速が5.0m/sec以上であり、送風機構から最も近い基板の端での基板面に対して平行下向きの風速バラツキが最大最小風速差 2.0m/sec以下である請求項1または2に記載の無電解めっき処理方法。
【請求項4】
前記送風機構がファンモーターである請求項1〜3のいずれかに記載の無電解めっき処理方法。
【請求項5】
前記送風機構がエアノズルに圧空を接続した構造である請求項1〜4のいずれかに記載の無電解めっき処理方法。
【請求項6】
前記送風機構と枚葉基板の間に整流板を有する請求項1〜5のいずれかに記載の無電解めっき処理方法。
【請求項7】
前記整流板がパンチングメタルである請求項6に記載の無電解めっき処理方法。
【請求項8】
薬液が錫めっき液である請求項1〜7のいずれかに記載の無電解めっき処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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