煙の送出量が変性された喫煙品
ペーパーラッパー(14)に包まれたタバコロッド(12)と、タバコロッドとペーパーラッパーの間で、吸い口端(B)からまたはその近くからタバコロッドに沿った中間点へとタバコロッドに沿って延びたパッチ(16)とを含む喫煙品(10)。このパッチは、その上流のタバコから吸い口端へ流れる煙のためにパッチの下のタバコを介した経路より煙の流れに対して抵抗の小さい経路を提供するような構成を有し、従ってタバコロッドの上流部からの煙を喫煙者により効率的に送出する。またこのパッチは、その下流の喫煙品の静的燃焼速度を上昇させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、煙の送出量が変性された喫煙品に関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻きタバコなどの喫煙品は、ペーパーラッパー(シガレットペーパー)にきつく巻かれたタバコなどの喫煙可能な材料からなるロッドを含む。このように巻かれたタバコロッドに1つ以上のフィルター部材を含むフィルターユニットがチッピングペーパーを用いて接合される場合がある。タバコロッドの組成が均一な場合、所定の形態のパフによって燃焼しているタバコからタバコロッドを介して送出される煙は、主に3つの要因、即ちパフ中に燃えさしに引き込まれる空気の量(シガレットペーパーを介した換気レベルに依存する)、タバコロッドの燃えずに残っている部分を介した煙のろ過、およびパフ間のタバコロッドの燃焼速度(くすぶり速度)によって決まる。一回のパフによる煙の送出量は、タバコロッドの残りの長さに依存し、ロッドの端部から吸い込まれる標準的なパフ容量の場合、タバコロッドが短くなるに従って煙の送出量が多くなる。
【0003】
フィルターユニットの構造およびこれに含まれるあらゆる換気手段(加えてチッピングペーパーに設けられる全ての換気手段)は、煙に送られる実際の煙/空気の組み合わせを変性する。従ってフィルターユニットおよび換気手段の特性は、通常煙の送出量に関しては異なる煙特性を有する異なるブランドの喫煙品を提供するために調整される。
【0004】
しかしながらタバコロッドの構造は、タバコの未燃部分を介して煙が通過することにより喫煙者への煙の送出に関与する。均一な組成とは別にタバコロッドの構造を変えることは、従って煙の送出量を調整するために利用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って本発明の第1の態様は、タバコロッドと、これを囲むペーパーラッパーと、タバコロッドとペーパーラッパーの間に位置し、かつ、タバコロッドに沿って長手方向にタバコロッドの中間点からタバコロッドの吸い口端の方へと延びたパッチ材とを含み、このパッチ材は、その上流のタバコから吸い口端へ流れる煙のためにパッチの下のタバコを介した経路より煙の流れに対して抵抗の小さい経路を提供するような構成を有する。
【0006】
この構造は、このようなパッチを有していない同等の喫煙品と比較して煙の送出量を変えることができる。タバコロッドの最初の部分のタバコから発生する煙には喫煙者が喫煙品を吸引した際に喫煙品を介して優先的な抵抗に小さい経路が供され、従って煙は、より効率的に送出される。このことは喫煙者の喫煙経験の質を向上させる。追加の効果もパッチによって提供される。喫煙品内に開口構造の構成要素を導入することによって、パッチを含む部分の喫煙品の静的燃焼速度を上げることになる。従って喫煙者は、喫煙品の第2部分からより少ないパフ数で吸引し、従ってより少ない煙を吸い込み、これに応じて喫煙品の第1部分の消費によってタバコに堆積し得る残留物の量も少なくなる。
【0007】
パッチの長さおよび位置は、増加した煙の送出量と低下した煙の送出量の所望の比が得られるように選択することができる。例えばパッチは、タバコロッドの中間点から吸い口端へと長手方向に延びるようにしてもよい。またパッチは、中間点からこの中間点と吸い口端の間の第2のポイントまで長手方向に延びるようにしてもよい。この第2ポイントは、吸い口端からタバコロッドの全長の1乃至40%の間である。パッチの長さの好適な範囲では、例えばパッチがタバコロッドの全長の実質的に10〜90%に亘ってまたはタバコロッドの全長の実質的に40〜80%に亘って長手方向に延びている。
【0008】
パッチは、実質的にタバコロッドの円周全体に延びてもよい。またパッチは、タバコロッドの周囲に配置された部材からなる1つ以上の部分を含んでもよい。これらの選択肢は、パッチによって得られる煙の流れの変性の度合いに応じて選択することができる。
【0009】
種々の可燃性材料をパッチに使用してもよい。必要とされる低抵抗の煙流経路を提供するあらゆる可燃性材料が好適に使用可能である。パッチの材料は、例えば特定のレベルの煙流抵抗を供することを目的として材料の構造に応じて選択してもよい。いくつかの態様では、パッチは発泡材を含んでもよい。
【0010】
他の態様ではパッチは、タバコロッドに沿って実質的に長手方向に延びた波形を有する波形の材料を含んでもよい。種々の構造の波形材料を採用することができる。例えば波形材料は、波形の層と非波形の層とを含む積層構造であってもよい。非波形層は、タバコロッドと波形層の間に、または波形層とペーパーラッパーの間に位置してもよい。またこれとは別に波形材料は、2つの非波形材料の間に挟まれた波形層を含む積層構造であってもよい。また波形層を非波形層と共にではなく、単独で使用してもよい。
【0011】
さらに別の態様ではパッチは、タバコロッドに沿って実質的に長手方向に延びた窪みを有するエンボス加工された材料、タバコロッドに沿って実質的に長手方向に延びた溝を有する材料、または繊維シート材を含んでもよい。
【0012】
パッチは、これを含む部分の長さに亘って喫煙品の静的燃焼速度を上げるための少なくとも1つの燃焼向上剤を含んでもよい。この燃焼向上剤は、静的燃焼速度およびその結果喫煙品の後半部分から吸引できるパフ数を調整するために使用することができる。
【0013】
パッチの色は、ペーパーラッパーおよび/またはタバコロッドと違う色であってもよい。これにより場合によって喫煙品製造中に品質制御のために使用される光学欠陥検知システムによってパッチを検出することができる。
【0014】
タバコロッドは、パッチの上流と比較してパッチの下の単位長さ当たりのタバコ重量を小さくしてもよい。これによりパッチを収容する空間が得られ、さらにパッチを含む喫煙品の部分の静的燃焼速度を上げることができる。このようなタバコロッドを供するためにあらゆる好適な方法を採用することができる。例えば、上記タバコ重量の小さい部分は、タバコロッドの外側からタバコをトリミングする、またはタバコロッドが切り離されるタバコ円柱体(bead)からタバコをトリミングすることによって形成してもよい。
【0015】
本発明の喫煙品は、タバコロッドの吸い口端に装着されるフィルターユニットを含んでもよい。このフィルターユニットには1つ以上の換気孔が設けられていてもよい。
【0016】
本発明の第2の態様は、喫煙品の製造方法に関し、この方法は、タバコロッドを供する工程と、タバコロッドにパッチ材をロッドに沿って中間点からロッドの吸い口端の方へとロッドの長手方向に沿って延びるように配置する工程と、ロッドをペーパーラッパーで包む工程とを含み、このパッチ材は、完成した喫煙品において、パッチの上流のタバコから吸い口端へ流れる煙のためにパッチの下のタバコを介した経路より煙の流れに対して抵抗の小さい経路を提供するように構成され、かつ、配向されている。
【0017】
パッチ材を配置する工程は、タバコロッドをペーパーラッパーで包む前にタバコロッド上にパッチを配置する工程を含む。これとは別にパッチ材を配置する工程は、タバコロッドをペーパーラッパーで包む前にパッチをペーパーラッパーの内面に接着する工程を含んでもよい。
【0018】
本発明の方法は、パッチが配置される領域のタバコロッドの外側からタバコをトリミングして単位長さ当たりのタバコの重量を減らす工程と、タバコがトリミングされた領域を覆うようにパッチをタバコロッド上に配置する工程とを含んでもよい。これとは別に本発明の方法は、パッチが配置される領域のタバコ円柱体の外側からタバコをトリミングして、タバコの重量を減らす工程と、タバコがトリミングされた領域を覆うようにパッチをタバコロッド上に配置する工程とを含んでもよい。
【0019】
本発明をより明確に理解し、それがいかに実施されるかを示すために添付図面を参照して以下に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一態様による喫煙品の長手方向断面図である。
【図2】喫煙品を介して流れる煙を示す図1の喫煙品を単純化して示した図である。
【図3】本発明の一態様によって構成されたパッチを有する喫煙品の横断面図である。
【図4】本発明の別の態様によって構成されたパッチを有する喫煙品の横断面図である。
【図5】発泡材で構成されたパッチを有する喫煙品の一部の縦断面図である。
【図6A】波形パッチ材の側面図である。
【図6B】波形パッチを有する喫煙品の横断面図である。
【図7A】波形パッチ材の側面図である。
【図7B】波形パッチを有する喫煙品の横断面図である。
【図8A】波形パッチ材の側面図である。
【図8B】波形パッチを有する喫煙品の横断面図である。
【図9A】波形パッチ材の側面図である。
【図9B】波形パッチを有する喫煙品の横断面図である。
【図10】本発明の一態様によるトリミングされた部分を有するタバコの側面図である。
【図11】フィルターユニットを含む本発明の一態様による喫煙品の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、その第1部分の煙送出効率を向上させて喫煙者に煙を送出し、かつ、従来の喫煙品より第1部分以外の残りの部分の全てまたは一部から発生する煙の量が少ない紙巻きタバコなどの喫煙品を提供することを目的としている。この目的に対処するために喫煙品のタバコを介した煙の流れより、より自由に煙が通過する経路を提供するパッチ材を喫煙品の外方ラッピングペーパーの下に部分的に配置している。
【0022】
図1は本発明の一態様による喫煙品の縦断面を示している。喫煙品10は、従来の喫煙品と同様にタバコの周囲に管を形成するペーパーラッパー14(シガレットペーパー)に囲まれたまたは包み込まれたタバコ12の筒またはロッドを含む。この喫煙品は、喫煙者が火をつける第1端部Aおよび喫煙者が口に入れる第2端部Bを有する。また同じく従来の喫煙品のようにペーパーラッパー14は、喫煙者が火のついた喫煙品を吸い込んだときにタバコロッド12の端部Aに優先的に空気が入り込むのに充分小さい気孔率を有し、これにより喫煙品の喫煙が可能になる。
【0023】
本発明により喫煙品10は、従来の設計の紙巻きタバコをタバコロッド12とペーパーラッパー14の間にパッチ材16を包含することによって変形したものである。このパッチは、タバコロッドの長手方向に沿って吸い口端B(この例では)から吸い口端Bと火が付けられる端部Aの中間点まで延びている。このパッチは、喫煙品の長さに沿った方向の空気および煙の流れに対して高い通気性を有し(従って通常、相対的に開口構造を有する材料で形成される、またはパッチ自体が開口構造を供するように構成されている)、これによりパッチが喫煙品の着火された端部から発生し、喫煙中に喫煙品を介して吸引される煙のためにパッチが重なっているタバコを介した経路より、煙の流れに対して抵抗が小さい経路を提供する。
【0024】
図2は図1を単純化したものであり(判りやすくするためにタバコとパッチの影を除いた)、喫煙品10を介して通る煙の経路を示している。喫煙者が火のついた喫煙品を吸引すると、燃焼したタバコによって発生する煙20がタバコロッドの第1部分を介して通常通り吸い口端Bへと伝播する。パッチ16が始まる喫煙品の中間点に煙が到達すると、煙は2つの伝播経路を通ることができ、第1の経路は、抵抗の小さいパッチ16を通過する経路22であり、第2の経路は、抵抗の大きいタバコ12を通過する経路24である。パッチ材を通過する経路は、タバコを通過する経路と比較して、比較的通過に対する障害が少なく、ろ過効率が僅かである。この抵抗の違いは、煙の大半がパッチ16を介して吸い口端へと移動することを意味する。従ってタバコロッド12の上流部からの煙20は、パッチのない従来のタバコロッドの場合より、小さい抵抗で、従ってより効率的に喫煙者へと送出される。従って喫煙者は、喫煙品の吸引に僅かな労力で同じ量の煙を吸い込むことができ、喫煙品の最初のパフの間に発生する煙が通常より多く送出される。
【0025】
火がつけられた喫煙品10の燃焼線がパッチまで到達すると、パッチの開口構造によって喫煙品の静的燃焼速度またはくすぶり速度が上がる(これは喫煙者が吸煙しないで喫煙材が燃える速度である)。これにより喫煙品の第2部分(パッチを含む部分)でのパフ数が減り、これにより第2部分から喫煙者に送られる煙の総量が、パッチのない従来の喫煙品と比較して減少する。これには喫煙品の下流部のタバコに堆積する第1上流部からの多量の残渣が燃えてなくなり、喫煙者に送出される残渣の量が少なくなるという利点がある。
【0026】
パッチ16の開口構造によって上昇する燃焼速度は、パッチを作製するための材料に1つ以上の燃焼向上剤を加えることによってさらに上昇させることができる。この燃焼向上剤は、それらが加えられる材料(表面層として、または含浸によって)の燃焼速度を上昇させる物質である。燃焼向上剤の量および種類は、所望の燃焼速度を供するためにパッチ材、タバコおよびペーパーラッパーに種類に応じて決めることができる。好適な燃焼向上剤としては、クエン酸ナトリウムまたはクエン酸カリウムなどのクエン酸塩などが挙げられる。ナトリウム塩またはカリウム塩、酢酸塩および酒石酸塩、リン酸一アンモニウムおよびリン酸水素二ナトリウム、クエン酸カリウムおよび酢酸ナトリウムなどの燃焼添加剤などの当業者に知られているあらゆる燃焼向上剤/燃焼添加剤を使用してもよい。
【0027】
従って本発明によるパッチが設けられた喫煙品は、全体としてパッチのない同等の喫煙品と比較してタバコロッドの第1部分からの煙送出量が増加し、タバコロッドの第2部分からの煙送出量が減少する。
【0028】
図1および2は、喫煙品の吸い口端Bからタバコロッド12の中間点へと実質的に延びたパッチ16を示している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、他の長さのパッチを使用してもよい。パッチの長さは、煙送出量が増加した部分と煙送出量が減少した部分との所望の比に応じて選択することができる。タバコロッドの全長の10〜90%の長さ、例えば40〜80%の範囲の長さであると効果的であることが判っている。
【0029】
またパッチは、喫煙品の吸い口端まで延びている必要はない。吸い口端まで到達せずに終結しているパッチもパッチの上流部分から煙送出量を増加させ、パッチを含む部分からの煙の送出量を減少させるという上述の効果を提供することができる。パッチの下流の残りの部分は、パッチのない従来の喫煙品に対応した量の煙を送出する。3種類の煙送出量の所望の全体バランスを得るためにパッチと吸い口端であらゆる長さのスペースを選択することができる。例えばパッチは、タバコロッドに沿った中間上流ポイントから、タバコロッドの吸い口端からタバコロッドの全長の1〜40%の範囲のポイントまで延びてもよい。
【0030】
所定の長さのパッチで最大限の煙送出量変性効率を達成するためにパッチは、タバコロッドの全周囲に延びている必要がある。
【0031】
図3は図1のX−X線に沿った喫煙品10の横断面図を示している。この例ではパッチ16は、タバコロッド12を完全に囲んでいる。ここで注目すべきことは、パッチ16とラッパー14の間に隙間が示されているが、これは判りやすく示すためのものであり、ペーパーラッパー14は、通常、パッチ16と接触する。
【0032】
煙送出量の変性の量をタバコロッド12の全周囲に延びていないパッチ16を使用してさらに変えることも可能である。このような態様ではパッチ16は、1つ以上の個別のパッチ材を含む。2つ以上のパッチ材部分が設けられている場合、これらの部分はタバコロッド12の周囲に間隔を置いて配置される。喫煙品が燃焼している場合であってもこれらの部分は、円周方向に対称に間隔を置いて配置される。
【0033】
図4はパッチ16がペーパーラッパー14の下でタバコロッド12の周囲で等間隔に配置された3つの個別の部分26を含む喫煙品10の横断面を示している。
【0034】
パッチは、喫煙品に組み込む場合に適当な燃焼および組成特性を有し、かつ、煙を伝播するために必要とされる低抵抗経路を供するあらゆる材料から作製することができる。充分な開口構造を有する繊維性シート材などの所望の構造を元々有する材料を使用することができる。この繊維性シート材は、セルロース系シート材または再生タバコシート材もしくはタバコ代替え品シート材などであってもよい。これとは別に好適な開口構造を有するように材料を加工してもよい。
【0035】
例えば発泡工程中に形成された気泡が開口構造を供し、煙に実質的に自由な経路を供する発泡材を使用することができる。好適な発泡材の例としては、押し出しタバコ再生材および発泡バンドキャストタバコシートなどが挙げられる。
【0036】
図5はパッチ16が発泡材を含む喫煙品10の縦断面を示している。
【0037】
他の態様ではパッチは、段ボール紙などの波形材料を含んでもよい。この波形材の波形または隆起部/谷部をタバコロッドに沿って長手方向に延びるように配置することによって複数の平行な長手方向に延びた開口経路がタバコロッドの周囲に設けられる。多くの構造の波形材を使用することができる。
【0038】
図6Aは第1の例の波形材30の側面を示している。この波形材30は、積層構造を有し、外方の平坦な非波形層34と内方の平坦な非波形層36の間に挟まれた波形層32を含む。波形の先端は、複合積層体を形成するために平坦な層に接着されている。種々の層を同じまたは異なる材料で作製してもよい。
【0039】
図6Bは図6Aの波形材30から作製されたパッチ16を有する喫煙品10の横断面を示す。外方の平坦な層34は、ペーパーラッパー14に囲まれ、タバコ12は、内方の平坦な層36と接触している。第1のグループの煙経路が内方の平坦な層36と波形層32との間に形成され、第2のグループの煙経路が波形層32と外方の平坦な層34との間に設けられている。
【0040】
図7Aは第2の例の波形材30の側面を示している。この場合波形材は、波形層32と内方の平坦な層36だけを含んでいる。
【0041】
図7Bは図7Aのパッチ材30を使用した喫煙品10の横断面を示している。図6Aに示したような外方材34が存在しないので、波形層32がペーパーラッパー14と接触している。全体的な構造は、図6Bのものと同等であるが、第2グループの煙経路は、波形層32と平坦な外方の層34の間ではなく、波形層32とペーパーラッパー14の間に形成されている。この構成では使用する材料が少なくなるが、ペーパーラッパー14の真下に開口スペースがあるので、図6Bの態様のものより構造的に強度が劣ることが判明している。また燃焼速度も少ない量の材料を使用しているので異なる。
【0042】
図8Aは波形層32と外方の平坦な層34とを含む第3の例の波形材30の側面を示している。これは図7Aの波形材38を逆さまにしたものと同等であるが、内方の平坦な層の代わりに外方層を設けることによって、得られる喫煙品に異なる構造を与える。
【0043】
図8Bは図8Aの波形パッチ材30を含む喫煙品10の横断面を示している。外方の平坦な層34がペーパーラッパー14と接触しており、1つのグループの煙経路が外方の平坦な層34と波形層32の間に形成されている。しかしながら、内包層(図6Bおよび7Bに示したような)が存在しないということは、波形層32の内側に形成される別のグループの煙経路が存在しないことを意味する。その代わり波形層の谷部がタバコ12で満たされる。この構成では図6Bおよび7Bの態様と比較してタバコロッドの上流部から送出される煙の増加量を減少させ、異なる燃焼速度を供する。従ってパッチ材の構造は、パッチ材の存在によって得られる煙送出量の変性に合わせて選択することができる。
【0044】
図9Aは内方の平坦な層も外方の平坦な層もない波形層32だけを含む第4の例の波形材42の側面を示している。
【0045】
図9Bは図9Aの波形材から形成されたパッチを有する喫煙品10の横断面を示している。これは波形層32の外側のみに煙通路が形成されている図8Bに示した波形材30によって供されるものと同じ構造になる(この場合煙経路は、波形層32とペーパーラッパー14によって形成され、タバコ12が波形層32の内側の谷部に詰まっている)。少ない材料で同じ構造のものが得られるが、図7Bの態様のようにペーパーラッパー14の下に位置する外方の平坦な層がないので、喫煙品の外方の強度が減少する。
【0046】
波形材と類似の構造を有するように作成されたパッチ材を使用してもよく、例えば一組の平坦な層の間に平行に延びた複数のリブを有するものを使用してもよい。このパッチがタバコロッドに貼り付けられると、リブがロッドの長さに沿って長手方向に延び、かつ、2つの平坦な層の間で放射状に延びる。ここで使用した「波形材」なる用語は、複数の平行に長手方向に延びた煙経路を供する構造的に類似のパッチ材を含むものである。
【0047】
これとは別にエンボス加工された材料もパッチとして使用してもよく、このパッチは、その表面にエンボス加工によって形成された窪みのパターンを有し、喫煙品に配置した際にパッチの長さに沿って経路を供するように配置される。この窪みは、実質的に直線状であり、タバコロッドの長さに平行に配置され、外方または内方層のみ有する波形パッチとほぼ同等の構造を供する。これとは別に凹みは湾曲または直線状であってもよいが、タバコロッドの長さに角度を付けて配置されてもよい。このような構成によりパッチの長手方向の範囲より長い煙経路が供され、パッチの上流のタバコから送出される煙のさらなる変性に使用することができる。
【0048】
エンボス加工された材料と類似の効果が溝が設けられた材料を使用することによって得られ、これらの溝は、パッチの上流の煙用の経路となるように配置される。
【0049】
またパッチに着色して、1つ以上の欠落または欠陥部材を有する完成したまたは部分的に完成した喫煙品を特定するために喫煙品製造工程において一般的に採用される欠陥検出システムによる認識を補助できるようにしてもよい。このような検出システムは、種々の構成部材から送られるまたは反射される1つ以上の波長の光の量をモニターする光学システムであってもよい。従ってパッチがタバコとまたはペーパーラッパーと異なる色の場合、完成した喫煙品にパッチが存在するか否かを光学検出システムで判断することができる。
【0050】
多くの例では煙送出量の変性を有用なレベルで行うためにパッチの厚さは、標準的なペーパーラッパー(シガレットペーパー)の通常の厚みよりかなり厚くなる。例えばパッチは、ペーパーラッパーの厚さの5〜50倍の厚さを有する。これは実質的に0.2mm〜2mmの範囲の厚さを有するパッチに相当する。喫煙品の組み立て工程中にパッチは、ペーパーラッパーがタバコロッドに貼付される前にタバコロッドの周囲に配置してもよく、またはペーパーラッパーがタバコロッドの周囲に巻かれる前にパッチをラッパーに貼り合わせてもよい(喫煙品のラッパーの下に吸着剤および風味剤のウェブを設けるためのWO2005/082180号に記載されている技術と類似の方法で)。いずれの場合においても喫煙品の長さに沿って実質的に均一な直径を得るために、パッチの下側のタバコは、プレスされることになる。従ってタバコロッドの上流部のタバコは、タバコロッドの下流部のタバコより密集度が小さい。さらにこれはタバコとパッチによる煙流に対する相対的な抵抗および喫煙品の第2部分の静的燃焼速度の両方に影響を与える。
【0051】
これらの追加の影響に対処するために本発明の別の態様ではパッチの下のタバコロッドの幅を小さくし、パッチの上流と比較してパッチの下の単位長さ当たりのタバコの重量を減らすことを提案する。例えばこれは、1つ以上のトリマー(エクレータ(ecreteur))ディスク(喫煙品製造においてタバコベッドを所定の大きさにする、成形するおよび整えるために従来から使用されている)を用いて、ロッド状に切断されるタバコの連続した円柱体からタバコを部分的に切り落とすことによって行うことができる。
【0052】
図10はこのように形成されたタバコロッド12の側面を示している。喫煙品の上流端Aとなるロッド12の一端は、直径aを有し、喫煙品の下流の吸い口端Bとなるロッド12の他端は、直径aより小さい直径bを有する。この直径の違いは、パッチを形成する材料の厚さと実質的に同じであり、パッチをタバコの小さい方の直径部分の周囲に配置した場合、タバコロッドとパッチの組み合わせによって実質的に均一な直径となる。これによって完成した喫煙品の外面が滑らかになり、タバコ密度も一定になる。
【0053】
ここまで説明してきた喫煙品は、タバコロッドと、ラッピングペーパーと、パッチとで構成され、よってフィルターのない喫煙品となる。このような場合、色または他の識別用のマークもしくは特徴を完成した喫煙品の吸い口端のラッパーの外側に付けて、喫煙者が喫煙する前に正しく吸い口端を特定しやすくしてもよい。これとは別にタバコロッドに従来の方法でフィルターユニットを設けて、フィルター付き喫煙品としてもよく、この場合フィルターユニットは、包装されたタバコロッドの吸い口端にチッピング紙によって接合される。このフィルターユニットは、単一の部材または複数の部材からなるあらゆる形状のものであってもよく、そしてオンラインレーザー装置によって形成されたまたは予め穿孔処理して設けられた換気孔の円周方向の列または領域を設けてもよい。従って本明細書中で使用した「喫煙品」なる用語は、タバコロッドを含み、フィルターユニットのないフィルターなし喫煙品、タバコロッドとこれに装着されたフィルターユニットを含むフィルター付き喫煙品およびフィルターは設けられていないが、その後の組み立て段階でフィルターが装着されてフィルター付き喫煙品となるタバコロッドを含むことを意図している。
【0054】
図11は図1に例示したようなタバコロッド12と、ペーパーラッパー14とパッチ16とを含み、さらにタバコロッド12に接合されたフィルターユニット44を含むフィルター付き喫煙品10の縦断面を示し、フィルターユニット44は、タバコロッド12に公知の方法でフィルターユニット44を囲み、ペーパーラッパー14上でタバコロッド12の端部と重なるチッピング紙によって接合されている。このフィルターユニット44にはチッピング紙46に予め穿孔処理を施すことによって形成された一列の穴48からなる換気手段が設けられている。
【0055】
本明細書中で使用した「タバコ」なる用語は、一般的にタバコ材(葉柄、葉身、タバコダスト、刻みタバコおよび膨張タバコなど)、再生タバコおよび代替えタバコ材を含む喫煙可能な材料を含むものとして理解されることを意図している。
【技術分野】
【0001】
本発明は、煙の送出量が変性された喫煙品に関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻きタバコなどの喫煙品は、ペーパーラッパー(シガレットペーパー)にきつく巻かれたタバコなどの喫煙可能な材料からなるロッドを含む。このように巻かれたタバコロッドに1つ以上のフィルター部材を含むフィルターユニットがチッピングペーパーを用いて接合される場合がある。タバコロッドの組成が均一な場合、所定の形態のパフによって燃焼しているタバコからタバコロッドを介して送出される煙は、主に3つの要因、即ちパフ中に燃えさしに引き込まれる空気の量(シガレットペーパーを介した換気レベルに依存する)、タバコロッドの燃えずに残っている部分を介した煙のろ過、およびパフ間のタバコロッドの燃焼速度(くすぶり速度)によって決まる。一回のパフによる煙の送出量は、タバコロッドの残りの長さに依存し、ロッドの端部から吸い込まれる標準的なパフ容量の場合、タバコロッドが短くなるに従って煙の送出量が多くなる。
【0003】
フィルターユニットの構造およびこれに含まれるあらゆる換気手段(加えてチッピングペーパーに設けられる全ての換気手段)は、煙に送られる実際の煙/空気の組み合わせを変性する。従ってフィルターユニットおよび換気手段の特性は、通常煙の送出量に関しては異なる煙特性を有する異なるブランドの喫煙品を提供するために調整される。
【0004】
しかしながらタバコロッドの構造は、タバコの未燃部分を介して煙が通過することにより喫煙者への煙の送出に関与する。均一な組成とは別にタバコロッドの構造を変えることは、従って煙の送出量を調整するために利用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って本発明の第1の態様は、タバコロッドと、これを囲むペーパーラッパーと、タバコロッドとペーパーラッパーの間に位置し、かつ、タバコロッドに沿って長手方向にタバコロッドの中間点からタバコロッドの吸い口端の方へと延びたパッチ材とを含み、このパッチ材は、その上流のタバコから吸い口端へ流れる煙のためにパッチの下のタバコを介した経路より煙の流れに対して抵抗の小さい経路を提供するような構成を有する。
【0006】
この構造は、このようなパッチを有していない同等の喫煙品と比較して煙の送出量を変えることができる。タバコロッドの最初の部分のタバコから発生する煙には喫煙者が喫煙品を吸引した際に喫煙品を介して優先的な抵抗に小さい経路が供され、従って煙は、より効率的に送出される。このことは喫煙者の喫煙経験の質を向上させる。追加の効果もパッチによって提供される。喫煙品内に開口構造の構成要素を導入することによって、パッチを含む部分の喫煙品の静的燃焼速度を上げることになる。従って喫煙者は、喫煙品の第2部分からより少ないパフ数で吸引し、従ってより少ない煙を吸い込み、これに応じて喫煙品の第1部分の消費によってタバコに堆積し得る残留物の量も少なくなる。
【0007】
パッチの長さおよび位置は、増加した煙の送出量と低下した煙の送出量の所望の比が得られるように選択することができる。例えばパッチは、タバコロッドの中間点から吸い口端へと長手方向に延びるようにしてもよい。またパッチは、中間点からこの中間点と吸い口端の間の第2のポイントまで長手方向に延びるようにしてもよい。この第2ポイントは、吸い口端からタバコロッドの全長の1乃至40%の間である。パッチの長さの好適な範囲では、例えばパッチがタバコロッドの全長の実質的に10〜90%に亘ってまたはタバコロッドの全長の実質的に40〜80%に亘って長手方向に延びている。
【0008】
パッチは、実質的にタバコロッドの円周全体に延びてもよい。またパッチは、タバコロッドの周囲に配置された部材からなる1つ以上の部分を含んでもよい。これらの選択肢は、パッチによって得られる煙の流れの変性の度合いに応じて選択することができる。
【0009】
種々の可燃性材料をパッチに使用してもよい。必要とされる低抵抗の煙流経路を提供するあらゆる可燃性材料が好適に使用可能である。パッチの材料は、例えば特定のレベルの煙流抵抗を供することを目的として材料の構造に応じて選択してもよい。いくつかの態様では、パッチは発泡材を含んでもよい。
【0010】
他の態様ではパッチは、タバコロッドに沿って実質的に長手方向に延びた波形を有する波形の材料を含んでもよい。種々の構造の波形材料を採用することができる。例えば波形材料は、波形の層と非波形の層とを含む積層構造であってもよい。非波形層は、タバコロッドと波形層の間に、または波形層とペーパーラッパーの間に位置してもよい。またこれとは別に波形材料は、2つの非波形材料の間に挟まれた波形層を含む積層構造であってもよい。また波形層を非波形層と共にではなく、単独で使用してもよい。
【0011】
さらに別の態様ではパッチは、タバコロッドに沿って実質的に長手方向に延びた窪みを有するエンボス加工された材料、タバコロッドに沿って実質的に長手方向に延びた溝を有する材料、または繊維シート材を含んでもよい。
【0012】
パッチは、これを含む部分の長さに亘って喫煙品の静的燃焼速度を上げるための少なくとも1つの燃焼向上剤を含んでもよい。この燃焼向上剤は、静的燃焼速度およびその結果喫煙品の後半部分から吸引できるパフ数を調整するために使用することができる。
【0013】
パッチの色は、ペーパーラッパーおよび/またはタバコロッドと違う色であってもよい。これにより場合によって喫煙品製造中に品質制御のために使用される光学欠陥検知システムによってパッチを検出することができる。
【0014】
タバコロッドは、パッチの上流と比較してパッチの下の単位長さ当たりのタバコ重量を小さくしてもよい。これによりパッチを収容する空間が得られ、さらにパッチを含む喫煙品の部分の静的燃焼速度を上げることができる。このようなタバコロッドを供するためにあらゆる好適な方法を採用することができる。例えば、上記タバコ重量の小さい部分は、タバコロッドの外側からタバコをトリミングする、またはタバコロッドが切り離されるタバコ円柱体(bead)からタバコをトリミングすることによって形成してもよい。
【0015】
本発明の喫煙品は、タバコロッドの吸い口端に装着されるフィルターユニットを含んでもよい。このフィルターユニットには1つ以上の換気孔が設けられていてもよい。
【0016】
本発明の第2の態様は、喫煙品の製造方法に関し、この方法は、タバコロッドを供する工程と、タバコロッドにパッチ材をロッドに沿って中間点からロッドの吸い口端の方へとロッドの長手方向に沿って延びるように配置する工程と、ロッドをペーパーラッパーで包む工程とを含み、このパッチ材は、完成した喫煙品において、パッチの上流のタバコから吸い口端へ流れる煙のためにパッチの下のタバコを介した経路より煙の流れに対して抵抗の小さい経路を提供するように構成され、かつ、配向されている。
【0017】
パッチ材を配置する工程は、タバコロッドをペーパーラッパーで包む前にタバコロッド上にパッチを配置する工程を含む。これとは別にパッチ材を配置する工程は、タバコロッドをペーパーラッパーで包む前にパッチをペーパーラッパーの内面に接着する工程を含んでもよい。
【0018】
本発明の方法は、パッチが配置される領域のタバコロッドの外側からタバコをトリミングして単位長さ当たりのタバコの重量を減らす工程と、タバコがトリミングされた領域を覆うようにパッチをタバコロッド上に配置する工程とを含んでもよい。これとは別に本発明の方法は、パッチが配置される領域のタバコ円柱体の外側からタバコをトリミングして、タバコの重量を減らす工程と、タバコがトリミングされた領域を覆うようにパッチをタバコロッド上に配置する工程とを含んでもよい。
【0019】
本発明をより明確に理解し、それがいかに実施されるかを示すために添付図面を参照して以下に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一態様による喫煙品の長手方向断面図である。
【図2】喫煙品を介して流れる煙を示す図1の喫煙品を単純化して示した図である。
【図3】本発明の一態様によって構成されたパッチを有する喫煙品の横断面図である。
【図4】本発明の別の態様によって構成されたパッチを有する喫煙品の横断面図である。
【図5】発泡材で構成されたパッチを有する喫煙品の一部の縦断面図である。
【図6A】波形パッチ材の側面図である。
【図6B】波形パッチを有する喫煙品の横断面図である。
【図7A】波形パッチ材の側面図である。
【図7B】波形パッチを有する喫煙品の横断面図である。
【図8A】波形パッチ材の側面図である。
【図8B】波形パッチを有する喫煙品の横断面図である。
【図9A】波形パッチ材の側面図である。
【図9B】波形パッチを有する喫煙品の横断面図である。
【図10】本発明の一態様によるトリミングされた部分を有するタバコの側面図である。
【図11】フィルターユニットを含む本発明の一態様による喫煙品の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、その第1部分の煙送出効率を向上させて喫煙者に煙を送出し、かつ、従来の喫煙品より第1部分以外の残りの部分の全てまたは一部から発生する煙の量が少ない紙巻きタバコなどの喫煙品を提供することを目的としている。この目的に対処するために喫煙品のタバコを介した煙の流れより、より自由に煙が通過する経路を提供するパッチ材を喫煙品の外方ラッピングペーパーの下に部分的に配置している。
【0022】
図1は本発明の一態様による喫煙品の縦断面を示している。喫煙品10は、従来の喫煙品と同様にタバコの周囲に管を形成するペーパーラッパー14(シガレットペーパー)に囲まれたまたは包み込まれたタバコ12の筒またはロッドを含む。この喫煙品は、喫煙者が火をつける第1端部Aおよび喫煙者が口に入れる第2端部Bを有する。また同じく従来の喫煙品のようにペーパーラッパー14は、喫煙者が火のついた喫煙品を吸い込んだときにタバコロッド12の端部Aに優先的に空気が入り込むのに充分小さい気孔率を有し、これにより喫煙品の喫煙が可能になる。
【0023】
本発明により喫煙品10は、従来の設計の紙巻きタバコをタバコロッド12とペーパーラッパー14の間にパッチ材16を包含することによって変形したものである。このパッチは、タバコロッドの長手方向に沿って吸い口端B(この例では)から吸い口端Bと火が付けられる端部Aの中間点まで延びている。このパッチは、喫煙品の長さに沿った方向の空気および煙の流れに対して高い通気性を有し(従って通常、相対的に開口構造を有する材料で形成される、またはパッチ自体が開口構造を供するように構成されている)、これによりパッチが喫煙品の着火された端部から発生し、喫煙中に喫煙品を介して吸引される煙のためにパッチが重なっているタバコを介した経路より、煙の流れに対して抵抗が小さい経路を提供する。
【0024】
図2は図1を単純化したものであり(判りやすくするためにタバコとパッチの影を除いた)、喫煙品10を介して通る煙の経路を示している。喫煙者が火のついた喫煙品を吸引すると、燃焼したタバコによって発生する煙20がタバコロッドの第1部分を介して通常通り吸い口端Bへと伝播する。パッチ16が始まる喫煙品の中間点に煙が到達すると、煙は2つの伝播経路を通ることができ、第1の経路は、抵抗の小さいパッチ16を通過する経路22であり、第2の経路は、抵抗の大きいタバコ12を通過する経路24である。パッチ材を通過する経路は、タバコを通過する経路と比較して、比較的通過に対する障害が少なく、ろ過効率が僅かである。この抵抗の違いは、煙の大半がパッチ16を介して吸い口端へと移動することを意味する。従ってタバコロッド12の上流部からの煙20は、パッチのない従来のタバコロッドの場合より、小さい抵抗で、従ってより効率的に喫煙者へと送出される。従って喫煙者は、喫煙品の吸引に僅かな労力で同じ量の煙を吸い込むことができ、喫煙品の最初のパフの間に発生する煙が通常より多く送出される。
【0025】
火がつけられた喫煙品10の燃焼線がパッチまで到達すると、パッチの開口構造によって喫煙品の静的燃焼速度またはくすぶり速度が上がる(これは喫煙者が吸煙しないで喫煙材が燃える速度である)。これにより喫煙品の第2部分(パッチを含む部分)でのパフ数が減り、これにより第2部分から喫煙者に送られる煙の総量が、パッチのない従来の喫煙品と比較して減少する。これには喫煙品の下流部のタバコに堆積する第1上流部からの多量の残渣が燃えてなくなり、喫煙者に送出される残渣の量が少なくなるという利点がある。
【0026】
パッチ16の開口構造によって上昇する燃焼速度は、パッチを作製するための材料に1つ以上の燃焼向上剤を加えることによってさらに上昇させることができる。この燃焼向上剤は、それらが加えられる材料(表面層として、または含浸によって)の燃焼速度を上昇させる物質である。燃焼向上剤の量および種類は、所望の燃焼速度を供するためにパッチ材、タバコおよびペーパーラッパーに種類に応じて決めることができる。好適な燃焼向上剤としては、クエン酸ナトリウムまたはクエン酸カリウムなどのクエン酸塩などが挙げられる。ナトリウム塩またはカリウム塩、酢酸塩および酒石酸塩、リン酸一アンモニウムおよびリン酸水素二ナトリウム、クエン酸カリウムおよび酢酸ナトリウムなどの燃焼添加剤などの当業者に知られているあらゆる燃焼向上剤/燃焼添加剤を使用してもよい。
【0027】
従って本発明によるパッチが設けられた喫煙品は、全体としてパッチのない同等の喫煙品と比較してタバコロッドの第1部分からの煙送出量が増加し、タバコロッドの第2部分からの煙送出量が減少する。
【0028】
図1および2は、喫煙品の吸い口端Bからタバコロッド12の中間点へと実質的に延びたパッチ16を示している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、他の長さのパッチを使用してもよい。パッチの長さは、煙送出量が増加した部分と煙送出量が減少した部分との所望の比に応じて選択することができる。タバコロッドの全長の10〜90%の長さ、例えば40〜80%の範囲の長さであると効果的であることが判っている。
【0029】
またパッチは、喫煙品の吸い口端まで延びている必要はない。吸い口端まで到達せずに終結しているパッチもパッチの上流部分から煙送出量を増加させ、パッチを含む部分からの煙の送出量を減少させるという上述の効果を提供することができる。パッチの下流の残りの部分は、パッチのない従来の喫煙品に対応した量の煙を送出する。3種類の煙送出量の所望の全体バランスを得るためにパッチと吸い口端であらゆる長さのスペースを選択することができる。例えばパッチは、タバコロッドに沿った中間上流ポイントから、タバコロッドの吸い口端からタバコロッドの全長の1〜40%の範囲のポイントまで延びてもよい。
【0030】
所定の長さのパッチで最大限の煙送出量変性効率を達成するためにパッチは、タバコロッドの全周囲に延びている必要がある。
【0031】
図3は図1のX−X線に沿った喫煙品10の横断面図を示している。この例ではパッチ16は、タバコロッド12を完全に囲んでいる。ここで注目すべきことは、パッチ16とラッパー14の間に隙間が示されているが、これは判りやすく示すためのものであり、ペーパーラッパー14は、通常、パッチ16と接触する。
【0032】
煙送出量の変性の量をタバコロッド12の全周囲に延びていないパッチ16を使用してさらに変えることも可能である。このような態様ではパッチ16は、1つ以上の個別のパッチ材を含む。2つ以上のパッチ材部分が設けられている場合、これらの部分はタバコロッド12の周囲に間隔を置いて配置される。喫煙品が燃焼している場合であってもこれらの部分は、円周方向に対称に間隔を置いて配置される。
【0033】
図4はパッチ16がペーパーラッパー14の下でタバコロッド12の周囲で等間隔に配置された3つの個別の部分26を含む喫煙品10の横断面を示している。
【0034】
パッチは、喫煙品に組み込む場合に適当な燃焼および組成特性を有し、かつ、煙を伝播するために必要とされる低抵抗経路を供するあらゆる材料から作製することができる。充分な開口構造を有する繊維性シート材などの所望の構造を元々有する材料を使用することができる。この繊維性シート材は、セルロース系シート材または再生タバコシート材もしくはタバコ代替え品シート材などであってもよい。これとは別に好適な開口構造を有するように材料を加工してもよい。
【0035】
例えば発泡工程中に形成された気泡が開口構造を供し、煙に実質的に自由な経路を供する発泡材を使用することができる。好適な発泡材の例としては、押し出しタバコ再生材および発泡バンドキャストタバコシートなどが挙げられる。
【0036】
図5はパッチ16が発泡材を含む喫煙品10の縦断面を示している。
【0037】
他の態様ではパッチは、段ボール紙などの波形材料を含んでもよい。この波形材の波形または隆起部/谷部をタバコロッドに沿って長手方向に延びるように配置することによって複数の平行な長手方向に延びた開口経路がタバコロッドの周囲に設けられる。多くの構造の波形材を使用することができる。
【0038】
図6Aは第1の例の波形材30の側面を示している。この波形材30は、積層構造を有し、外方の平坦な非波形層34と内方の平坦な非波形層36の間に挟まれた波形層32を含む。波形の先端は、複合積層体を形成するために平坦な層に接着されている。種々の層を同じまたは異なる材料で作製してもよい。
【0039】
図6Bは図6Aの波形材30から作製されたパッチ16を有する喫煙品10の横断面を示す。外方の平坦な層34は、ペーパーラッパー14に囲まれ、タバコ12は、内方の平坦な層36と接触している。第1のグループの煙経路が内方の平坦な層36と波形層32との間に形成され、第2のグループの煙経路が波形層32と外方の平坦な層34との間に設けられている。
【0040】
図7Aは第2の例の波形材30の側面を示している。この場合波形材は、波形層32と内方の平坦な層36だけを含んでいる。
【0041】
図7Bは図7Aのパッチ材30を使用した喫煙品10の横断面を示している。図6Aに示したような外方材34が存在しないので、波形層32がペーパーラッパー14と接触している。全体的な構造は、図6Bのものと同等であるが、第2グループの煙経路は、波形層32と平坦な外方の層34の間ではなく、波形層32とペーパーラッパー14の間に形成されている。この構成では使用する材料が少なくなるが、ペーパーラッパー14の真下に開口スペースがあるので、図6Bの態様のものより構造的に強度が劣ることが判明している。また燃焼速度も少ない量の材料を使用しているので異なる。
【0042】
図8Aは波形層32と外方の平坦な層34とを含む第3の例の波形材30の側面を示している。これは図7Aの波形材38を逆さまにしたものと同等であるが、内方の平坦な層の代わりに外方層を設けることによって、得られる喫煙品に異なる構造を与える。
【0043】
図8Bは図8Aの波形パッチ材30を含む喫煙品10の横断面を示している。外方の平坦な層34がペーパーラッパー14と接触しており、1つのグループの煙経路が外方の平坦な層34と波形層32の間に形成されている。しかしながら、内包層(図6Bおよび7Bに示したような)が存在しないということは、波形層32の内側に形成される別のグループの煙経路が存在しないことを意味する。その代わり波形層の谷部がタバコ12で満たされる。この構成では図6Bおよび7Bの態様と比較してタバコロッドの上流部から送出される煙の増加量を減少させ、異なる燃焼速度を供する。従ってパッチ材の構造は、パッチ材の存在によって得られる煙送出量の変性に合わせて選択することができる。
【0044】
図9Aは内方の平坦な層も外方の平坦な層もない波形層32だけを含む第4の例の波形材42の側面を示している。
【0045】
図9Bは図9Aの波形材から形成されたパッチを有する喫煙品10の横断面を示している。これは波形層32の外側のみに煙通路が形成されている図8Bに示した波形材30によって供されるものと同じ構造になる(この場合煙経路は、波形層32とペーパーラッパー14によって形成され、タバコ12が波形層32の内側の谷部に詰まっている)。少ない材料で同じ構造のものが得られるが、図7Bの態様のようにペーパーラッパー14の下に位置する外方の平坦な層がないので、喫煙品の外方の強度が減少する。
【0046】
波形材と類似の構造を有するように作成されたパッチ材を使用してもよく、例えば一組の平坦な層の間に平行に延びた複数のリブを有するものを使用してもよい。このパッチがタバコロッドに貼り付けられると、リブがロッドの長さに沿って長手方向に延び、かつ、2つの平坦な層の間で放射状に延びる。ここで使用した「波形材」なる用語は、複数の平行に長手方向に延びた煙経路を供する構造的に類似のパッチ材を含むものである。
【0047】
これとは別にエンボス加工された材料もパッチとして使用してもよく、このパッチは、その表面にエンボス加工によって形成された窪みのパターンを有し、喫煙品に配置した際にパッチの長さに沿って経路を供するように配置される。この窪みは、実質的に直線状であり、タバコロッドの長さに平行に配置され、外方または内方層のみ有する波形パッチとほぼ同等の構造を供する。これとは別に凹みは湾曲または直線状であってもよいが、タバコロッドの長さに角度を付けて配置されてもよい。このような構成によりパッチの長手方向の範囲より長い煙経路が供され、パッチの上流のタバコから送出される煙のさらなる変性に使用することができる。
【0048】
エンボス加工された材料と類似の効果が溝が設けられた材料を使用することによって得られ、これらの溝は、パッチの上流の煙用の経路となるように配置される。
【0049】
またパッチに着色して、1つ以上の欠落または欠陥部材を有する完成したまたは部分的に完成した喫煙品を特定するために喫煙品製造工程において一般的に採用される欠陥検出システムによる認識を補助できるようにしてもよい。このような検出システムは、種々の構成部材から送られるまたは反射される1つ以上の波長の光の量をモニターする光学システムであってもよい。従ってパッチがタバコとまたはペーパーラッパーと異なる色の場合、完成した喫煙品にパッチが存在するか否かを光学検出システムで判断することができる。
【0050】
多くの例では煙送出量の変性を有用なレベルで行うためにパッチの厚さは、標準的なペーパーラッパー(シガレットペーパー)の通常の厚みよりかなり厚くなる。例えばパッチは、ペーパーラッパーの厚さの5〜50倍の厚さを有する。これは実質的に0.2mm〜2mmの範囲の厚さを有するパッチに相当する。喫煙品の組み立て工程中にパッチは、ペーパーラッパーがタバコロッドに貼付される前にタバコロッドの周囲に配置してもよく、またはペーパーラッパーがタバコロッドの周囲に巻かれる前にパッチをラッパーに貼り合わせてもよい(喫煙品のラッパーの下に吸着剤および風味剤のウェブを設けるためのWO2005/082180号に記載されている技術と類似の方法で)。いずれの場合においても喫煙品の長さに沿って実質的に均一な直径を得るために、パッチの下側のタバコは、プレスされることになる。従ってタバコロッドの上流部のタバコは、タバコロッドの下流部のタバコより密集度が小さい。さらにこれはタバコとパッチによる煙流に対する相対的な抵抗および喫煙品の第2部分の静的燃焼速度の両方に影響を与える。
【0051】
これらの追加の影響に対処するために本発明の別の態様ではパッチの下のタバコロッドの幅を小さくし、パッチの上流と比較してパッチの下の単位長さ当たりのタバコの重量を減らすことを提案する。例えばこれは、1つ以上のトリマー(エクレータ(ecreteur))ディスク(喫煙品製造においてタバコベッドを所定の大きさにする、成形するおよび整えるために従来から使用されている)を用いて、ロッド状に切断されるタバコの連続した円柱体からタバコを部分的に切り落とすことによって行うことができる。
【0052】
図10はこのように形成されたタバコロッド12の側面を示している。喫煙品の上流端Aとなるロッド12の一端は、直径aを有し、喫煙品の下流の吸い口端Bとなるロッド12の他端は、直径aより小さい直径bを有する。この直径の違いは、パッチを形成する材料の厚さと実質的に同じであり、パッチをタバコの小さい方の直径部分の周囲に配置した場合、タバコロッドとパッチの組み合わせによって実質的に均一な直径となる。これによって完成した喫煙品の外面が滑らかになり、タバコ密度も一定になる。
【0053】
ここまで説明してきた喫煙品は、タバコロッドと、ラッピングペーパーと、パッチとで構成され、よってフィルターのない喫煙品となる。このような場合、色または他の識別用のマークもしくは特徴を完成した喫煙品の吸い口端のラッパーの外側に付けて、喫煙者が喫煙する前に正しく吸い口端を特定しやすくしてもよい。これとは別にタバコロッドに従来の方法でフィルターユニットを設けて、フィルター付き喫煙品としてもよく、この場合フィルターユニットは、包装されたタバコロッドの吸い口端にチッピング紙によって接合される。このフィルターユニットは、単一の部材または複数の部材からなるあらゆる形状のものであってもよく、そしてオンラインレーザー装置によって形成されたまたは予め穿孔処理して設けられた換気孔の円周方向の列または領域を設けてもよい。従って本明細書中で使用した「喫煙品」なる用語は、タバコロッドを含み、フィルターユニットのないフィルターなし喫煙品、タバコロッドとこれに装着されたフィルターユニットを含むフィルター付き喫煙品およびフィルターは設けられていないが、その後の組み立て段階でフィルターが装着されてフィルター付き喫煙品となるタバコロッドを含むことを意図している。
【0054】
図11は図1に例示したようなタバコロッド12と、ペーパーラッパー14とパッチ16とを含み、さらにタバコロッド12に接合されたフィルターユニット44を含むフィルター付き喫煙品10の縦断面を示し、フィルターユニット44は、タバコロッド12に公知の方法でフィルターユニット44を囲み、ペーパーラッパー14上でタバコロッド12の端部と重なるチッピング紙によって接合されている。このフィルターユニット44にはチッピング紙46に予め穿孔処理を施すことによって形成された一列の穴48からなる換気手段が設けられている。
【0055】
本明細書中で使用した「タバコ」なる用語は、一般的にタバコ材(葉柄、葉身、タバコダスト、刻みタバコおよび膨張タバコなど)、再生タバコおよび代替えタバコ材を含む喫煙可能な材料を含むものとして理解されることを意図している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコロッドと、
このタバコロッドの周囲に位置するラッパーと、
タバコロッドとペーパーラッパーの間に位置し、かつ、タバコロッドに沿って長手方向にタバコロッドの中間点からタバコロッドの吸い口端の方へと延びたパッチ材とを含み、このパッチ材は、その上流のタバコから吸い口端へ流れる煙のためにパッチの下のタバコを介した経路より煙の流れに対して抵抗の小さい経路を提供するような構成を有する喫煙品。
【請求項2】
前記パッチがタバコロッドの中間点から吸い口端へと長手方向に延びていることを特徴とする請求項1記載の喫煙品。
【請求項3】
前記パッチが前記中間点からこの中間点と吸い口端の間の第2の点へと長手方向に延びていることを特徴とする請求項1記載の喫煙品。
【請求項4】
前記第2の点が吸い口端からタバコロッドの全長の1%〜40%の間にあることを特徴とする請求項3記載の喫煙品。
【請求項5】
前記パッチがタバコロッドの全長の10%〜90%に亘って長手方向に延びていることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項6】
前記パッチがタバコロッドの全長の40%〜80%に亘って長手方向に延びていることを特徴とする請求項5記載の喫煙品。
【請求項7】
前記パッチがタバコロッドの円周全体に延びていることを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項8】
前記パッチがタバコロッドの円周に配置された1つ以上の部分を含むことを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項9】
前記パッチが発泡材を含むことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項10】
前記パッチがタバコロッドに沿って長手方向に延びた波形を有する波形材を含むことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項11】
前記波形材が波形層と非波形層とを含む積層構造を有することを特徴とする請求項10記載の喫煙品。
【請求項12】
前記非波形層がタバコロッドと波形層の間に位置していることを特徴とする請求項11記載の喫煙品。
【請求項13】
前記非波形層が波形層とペーパーラッパーの間に位置していることを特徴とする請求項11記載の喫煙品。
【請求項14】
前記波形材が2つの非波形層の間に挟まれた波形層を含む積層構造を有することを特徴とする請求項10記載の喫煙品。
【請求項15】
前記パッチ材がタバコロッドに沿って長手方向に延びた窪みを有するエンボス加工された材料を含むことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項16】
前記パッチがタバコロッドに沿って長手方向に延びた溝を有する溝が設けられた材料を含むことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項17】
前記パッチ材が繊維性シート材を含むことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項18】
前記パッチ材がパッチを含む部分の長さに亘って喫煙品の静的燃焼速度を上げるために少なくとも1つの燃焼向上剤を含むことを特徴とする請求項1乃至17いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項19】
前記パッチ材がラッパーおよび/またはタバコロッドと異なる色であることを特徴とする請求項1乃至18いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項20】
前記タバコロッドのパッチの下の単位長さ当たりのタバコ重量がパッチの上流と比較して減少していることを特徴とする請求項1乃至19いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項21】
前記減少した重量がタバコロッドの外側からタバコをトリミングすることによって得られることを特徴とする請求項20記載の喫煙品。
【請求項22】
前記減少した重量がロッドに切断されるタバコ円柱体からタバコをトリミングすることによって得られることを特徴とする請求項20記載の喫煙品。
【請求項23】
さらにタバコロッドの吸い口端に取り付けられたフィルターユニットを含むことを特徴とする請求項1乃至22いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項24】
前記フィルターユニットに1つ以上の換気孔が設けられていることを特徴とする請求項23記載の喫煙品。
【請求項25】
喫煙品を製造する方法であって、
タバコロッドを供する工程と、
タバコロッドにパッチ材をロッドに沿って中間点からロッドの吸い口端の方へとロッドの長手方向に沿って延びるように配置する工程と、
ロッドをペーパーラッパーで包む工程とを含み、このパッチ材は、完成した喫煙品において、パッチの上流のタバコから吸い口端へ流れる煙のためにパッチの下のタバコを介した経路より煙の流れに対して抵抗の小さい経路を提供するように構成され、かつ、配向されていることを特徴とする方法。
【請求項26】
前記パッチ材を配置する工程がロッドをペーパーラッパーで包む前にタバコロッドにパッチを配置することを含むことを特徴とする請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記パッチ材を配置する工程がロッドをペーパーラッパーで包む前にパッチをペーパーラッパーの内側に貼り付けることを含むことを特徴とする請求項25記載の方法。
【請求項28】
前記パッチがタバコロッドの中間点から吸い口端へと長手方向に延びていることを特徴とする請求項25乃至27いずれか1項記載の方法。
【請求項29】
前記パッチが前記中間点からこの中間点と吸い口端の間の第2の点へと長手方向に延びていることを特徴とする請求項25乃至27いずれか1項記載の方法。
【請求項30】
前記第2の点が吸い口端からタバコロッドの全長の1%〜40%の間にあることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項31】
前記パッチがタバコロッドの全長の10%〜90%に亘って長手方向に延びていることを特徴とする請求項25乃至30いずれか1項記載の方法。
【請求項32】
前記パッチがタバコロッドの全長の40%〜80%に亘って長手方向に延びていることを特徴とする請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記パッチがタバコロッドの円周全体に延びていることを特徴とする請求項25乃至32いずれか1項記載の方法。
【請求項34】
前記パッチがタバコロッドの円周に配置された1つ以上の部分を含むことを特徴とする請求項25乃至32いずれか1項記載の方法。
【請求項35】
前記パッチが発泡材を含むことを特徴とする請求項25乃至34いずれか1項記載の方法。
【請求項36】
前記パッチが波形を有する波形材を含み、波形がタバコロッドに沿って長手方向に延びるように配置されることを特徴とする請求項25乃至34いずれか1項記載の方法。
【請求項37】
前記波形材が波形層と非波形層とを含む積層構造を有することを特徴とする請求項36記載の方法。
【請求項38】
前記非波形層がタバコロッドと波形層の間に位置するように前記パッチが配置されることを特徴とする請求項37記載の方法。
【請求項39】
前記非波形層が波形層とペーパーラッパーの間に位置するように前記パッチが配置されることを特徴とする請求項37記載の方法。
【請求項40】
前記波形材が2つの非波形層の間に挟まれた波形層を含む積層構造を有することを特徴とする請求項36記載の方法。
【請求項41】
前記パッチがエンボス加工された材料を含み、その材料の窪みがタバコロッドに沿って長手方向に延びるように配置されることを特徴とする請求項25乃至34いずれか1項記載の方法。
【請求項42】
前記パッチが溝が設けられた材料を含み、これらの溝がタバコロッドに沿って長手方向に延びるように配置されることを特徴とする請求項25乃至34いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項43】
前記パッチが繊維性シート材料を含むことを特徴とする請求項25乃至34いずれか1項記載の方法。
【請求項44】
前記パッチ材がパッチを含む部分の長さに亘って喫煙品の静的燃焼速度を上げるために少なくとも1つの燃焼向上剤を含むことを特徴とする請求項25乃至43いずれか1項記載の方法。
【請求項45】
前記パッチがラッパーおよび/またはタバコロッドと異なる色であることを特徴とする請求項25乃至44いずれか1項記載の方法。
【請求項46】
前記タバコロッドのパッチの下の単位長さ当たりのタバコ重量がパッチの上流と比較して減少していることを特徴とする請求項25乃至45いずれか1項記載の方法。
【請求項47】
前記パッチが配置される領域に亘ってタバコロッドの外側からタバコをトリミングし、その部分の重量を減少させる工程と、
タバコがトリミングされた領域をパッチが覆うようにタバコロッドにパッチを配置する工程とを含むことを特徴とする請求項44記載の方法。
【請求項48】
前記パッチが配置される領域に亘ってタバコの円柱体の外側からタバコをトリミングし、その部分の重量を減少させる工程と、
この円柱体からタバコロッドを切断する工程と、
タバコがトリミングされた領域をパッチが覆うようにタバコロッドにパッチを配置する工程とを含むことを特徴とする請求項44記載の方法。
【請求項49】
さらに喫煙品にフィルターユニットを取り付ける工程を含むことを特徴とする請求項25乃至48いずれか1項記載の方法。
【請求項50】
前記フィルターユニットに1つ以上の換気孔が設けられていることを特徴とする請求項49記載の方法。
【請求項1】
タバコロッドと、
このタバコロッドの周囲に位置するラッパーと、
タバコロッドとペーパーラッパーの間に位置し、かつ、タバコロッドに沿って長手方向にタバコロッドの中間点からタバコロッドの吸い口端の方へと延びたパッチ材とを含み、このパッチ材は、その上流のタバコから吸い口端へ流れる煙のためにパッチの下のタバコを介した経路より煙の流れに対して抵抗の小さい経路を提供するような構成を有する喫煙品。
【請求項2】
前記パッチがタバコロッドの中間点から吸い口端へと長手方向に延びていることを特徴とする請求項1記載の喫煙品。
【請求項3】
前記パッチが前記中間点からこの中間点と吸い口端の間の第2の点へと長手方向に延びていることを特徴とする請求項1記載の喫煙品。
【請求項4】
前記第2の点が吸い口端からタバコロッドの全長の1%〜40%の間にあることを特徴とする請求項3記載の喫煙品。
【請求項5】
前記パッチがタバコロッドの全長の10%〜90%に亘って長手方向に延びていることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項6】
前記パッチがタバコロッドの全長の40%〜80%に亘って長手方向に延びていることを特徴とする請求項5記載の喫煙品。
【請求項7】
前記パッチがタバコロッドの円周全体に延びていることを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項8】
前記パッチがタバコロッドの円周に配置された1つ以上の部分を含むことを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項9】
前記パッチが発泡材を含むことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項10】
前記パッチがタバコロッドに沿って長手方向に延びた波形を有する波形材を含むことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項11】
前記波形材が波形層と非波形層とを含む積層構造を有することを特徴とする請求項10記載の喫煙品。
【請求項12】
前記非波形層がタバコロッドと波形層の間に位置していることを特徴とする請求項11記載の喫煙品。
【請求項13】
前記非波形層が波形層とペーパーラッパーの間に位置していることを特徴とする請求項11記載の喫煙品。
【請求項14】
前記波形材が2つの非波形層の間に挟まれた波形層を含む積層構造を有することを特徴とする請求項10記載の喫煙品。
【請求項15】
前記パッチ材がタバコロッドに沿って長手方向に延びた窪みを有するエンボス加工された材料を含むことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項16】
前記パッチがタバコロッドに沿って長手方向に延びた溝を有する溝が設けられた材料を含むことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項17】
前記パッチ材が繊維性シート材を含むことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項18】
前記パッチ材がパッチを含む部分の長さに亘って喫煙品の静的燃焼速度を上げるために少なくとも1つの燃焼向上剤を含むことを特徴とする請求項1乃至17いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項19】
前記パッチ材がラッパーおよび/またはタバコロッドと異なる色であることを特徴とする請求項1乃至18いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項20】
前記タバコロッドのパッチの下の単位長さ当たりのタバコ重量がパッチの上流と比較して減少していることを特徴とする請求項1乃至19いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項21】
前記減少した重量がタバコロッドの外側からタバコをトリミングすることによって得られることを特徴とする請求項20記載の喫煙品。
【請求項22】
前記減少した重量がロッドに切断されるタバコ円柱体からタバコをトリミングすることによって得られることを特徴とする請求項20記載の喫煙品。
【請求項23】
さらにタバコロッドの吸い口端に取り付けられたフィルターユニットを含むことを特徴とする請求項1乃至22いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項24】
前記フィルターユニットに1つ以上の換気孔が設けられていることを特徴とする請求項23記載の喫煙品。
【請求項25】
喫煙品を製造する方法であって、
タバコロッドを供する工程と、
タバコロッドにパッチ材をロッドに沿って中間点からロッドの吸い口端の方へとロッドの長手方向に沿って延びるように配置する工程と、
ロッドをペーパーラッパーで包む工程とを含み、このパッチ材は、完成した喫煙品において、パッチの上流のタバコから吸い口端へ流れる煙のためにパッチの下のタバコを介した経路より煙の流れに対して抵抗の小さい経路を提供するように構成され、かつ、配向されていることを特徴とする方法。
【請求項26】
前記パッチ材を配置する工程がロッドをペーパーラッパーで包む前にタバコロッドにパッチを配置することを含むことを特徴とする請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記パッチ材を配置する工程がロッドをペーパーラッパーで包む前にパッチをペーパーラッパーの内側に貼り付けることを含むことを特徴とする請求項25記載の方法。
【請求項28】
前記パッチがタバコロッドの中間点から吸い口端へと長手方向に延びていることを特徴とする請求項25乃至27いずれか1項記載の方法。
【請求項29】
前記パッチが前記中間点からこの中間点と吸い口端の間の第2の点へと長手方向に延びていることを特徴とする請求項25乃至27いずれか1項記載の方法。
【請求項30】
前記第2の点が吸い口端からタバコロッドの全長の1%〜40%の間にあることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項31】
前記パッチがタバコロッドの全長の10%〜90%に亘って長手方向に延びていることを特徴とする請求項25乃至30いずれか1項記載の方法。
【請求項32】
前記パッチがタバコロッドの全長の40%〜80%に亘って長手方向に延びていることを特徴とする請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記パッチがタバコロッドの円周全体に延びていることを特徴とする請求項25乃至32いずれか1項記載の方法。
【請求項34】
前記パッチがタバコロッドの円周に配置された1つ以上の部分を含むことを特徴とする請求項25乃至32いずれか1項記載の方法。
【請求項35】
前記パッチが発泡材を含むことを特徴とする請求項25乃至34いずれか1項記載の方法。
【請求項36】
前記パッチが波形を有する波形材を含み、波形がタバコロッドに沿って長手方向に延びるように配置されることを特徴とする請求項25乃至34いずれか1項記載の方法。
【請求項37】
前記波形材が波形層と非波形層とを含む積層構造を有することを特徴とする請求項36記載の方法。
【請求項38】
前記非波形層がタバコロッドと波形層の間に位置するように前記パッチが配置されることを特徴とする請求項37記載の方法。
【請求項39】
前記非波形層が波形層とペーパーラッパーの間に位置するように前記パッチが配置されることを特徴とする請求項37記載の方法。
【請求項40】
前記波形材が2つの非波形層の間に挟まれた波形層を含む積層構造を有することを特徴とする請求項36記載の方法。
【請求項41】
前記パッチがエンボス加工された材料を含み、その材料の窪みがタバコロッドに沿って長手方向に延びるように配置されることを特徴とする請求項25乃至34いずれか1項記載の方法。
【請求項42】
前記パッチが溝が設けられた材料を含み、これらの溝がタバコロッドに沿って長手方向に延びるように配置されることを特徴とする請求項25乃至34いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項43】
前記パッチが繊維性シート材料を含むことを特徴とする請求項25乃至34いずれか1項記載の方法。
【請求項44】
前記パッチ材がパッチを含む部分の長さに亘って喫煙品の静的燃焼速度を上げるために少なくとも1つの燃焼向上剤を含むことを特徴とする請求項25乃至43いずれか1項記載の方法。
【請求項45】
前記パッチがラッパーおよび/またはタバコロッドと異なる色であることを特徴とする請求項25乃至44いずれか1項記載の方法。
【請求項46】
前記タバコロッドのパッチの下の単位長さ当たりのタバコ重量がパッチの上流と比較して減少していることを特徴とする請求項25乃至45いずれか1項記載の方法。
【請求項47】
前記パッチが配置される領域に亘ってタバコロッドの外側からタバコをトリミングし、その部分の重量を減少させる工程と、
タバコがトリミングされた領域をパッチが覆うようにタバコロッドにパッチを配置する工程とを含むことを特徴とする請求項44記載の方法。
【請求項48】
前記パッチが配置される領域に亘ってタバコの円柱体の外側からタバコをトリミングし、その部分の重量を減少させる工程と、
この円柱体からタバコロッドを切断する工程と、
タバコがトリミングされた領域をパッチが覆うようにタバコロッドにパッチを配置する工程とを含むことを特徴とする請求項44記載の方法。
【請求項49】
さらに喫煙品にフィルターユニットを取り付ける工程を含むことを特徴とする請求項25乃至48いずれか1項記載の方法。
【請求項50】
前記フィルターユニットに1つ以上の換気孔が設けられていることを特徴とする請求項49記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2010−538668(P2010−538668A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525344(P2010−525344)
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際出願番号】PCT/EP2008/062429
【国際公開番号】WO2009/037304
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(500252844)ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド (111)
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際出願番号】PCT/EP2008/062429
【国際公開番号】WO2009/037304
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(500252844)ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド (111)
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
【Fターム(参考)】
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