説明

煙を放出するゴルフボールについての方法および装置

【課題】ゴルフボールから煙を放出させる方法および装置を提供する。
【解決手段】所定回数の打撃により仕切り523から531が除去されかつ閾値に達したときに、固体組成物582、583間で化学反応が生じ得る。他の実施例においては、液体組成物が逆止弁から放たれることを可能にする閾値に達したときに、液体組成物と別の固体組成物または液体組成物との間で反応が生じ得る。いずれの場合においても、化学反応によってゴルフボールから煙が放出され、これによって、ゴルファーがボールを見つけやすくなる。ゴルフボールは、複数回に亘って煙を断続的に放出させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフボールから煙を放出させる方法および装置に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
ゴルファーがゴルフコース上で自分のボールを探すのに時間を要することはよくある。そこで、視覚、聴覚、嗅覚を利用してゴルフボールを見つけ易くする方法が試されている。しかし、これらの方法の多くで、実質的に簡単にボールを見つけることができない。また、方法によっては、一回限りしか使用できない。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、概して、ゴルフボールから断続的に煙を放出させる方法および装置を提供する。ゴルフボールは、複数の煙生成材料の源を含み、および/または複数回に亘ってアクセスされ或いは混合され得る煙生成材料の源を含む。クラブでボールに衝撃を与えることによって、あるいはユーザがボール内の煙生成デバイスが煙を放出させるようにタブを取り除くこと、ボールを水に浸漬させること又は他のこと等を手で操作することによって、煙の放出がトリガされ得る。
【0004】
ゴルフボールの視認性を高める方法を提供する本発明の他の態様においては、ゴルフボールの視認性を高める方法であって、ゴルフボール内に含有される化学組成物の反応によって生じる煙を放出させるように構成されたゴルフボールを用意するステップと、第1打目の打撃に応じた煙を発生させるように、化学組成物の第1の部分を使って反応を生じさせるようにユーザを導くステップと、第2打目の打撃に応じた煙を発生させるように、化学組成物の第2の部分を使って反応を生じさせるようにユーザを導くステップと、を含み、煙は、数回のクラブによる打撃の各打撃後に放出されることを特徴とする方法を提供する。
【0005】
本発明の他の態様においては、煙を放出させることができるゴルフボールであって、カバーと、コアと、チャンバであって、チャンバの第1の部位が第1の組成物を含み、チャンバの第2の部位が第2の組成物を含むチャンバと、チャンバの第1の部位から第1の組成物の一部を放ち、第1の組成物の一部と第2の組成物の少なくとも一部とが混合される領域内へ流入させる1つまたは複数の逆止弁と、を備え、第1の組成物と第2の組成物とが化学反応することによって煙が放出し、さらには、ゴルフボールは、複数回の打撃の各打撃後に煙を放出するように構成されていることを特徴とするゴルフボールを提供する。
【0006】
本発明の他の態様においては、ゴルフボールであって、カバーと、コアと、複数の固体組成物を含有するチャンバと、1つまたは複数の取除き可能仕切りエレメントと、1つまたは複数の他の仕切りエレメントと、を備え、ゴルフボールを打つことによって、煙を発生させる化学反応が生じ、少なくとも1つの取除き可能仕切りエレメントは、化学反応を生じさせるために、ゴルフボールを打つ前に取り除かれるように構成されていて、さらには、ゴルフボールは、複数回の打撃の各打撃後に煙を放出できることを特徴とするゴルフボールを提供する。
【0007】
本発明の他のシステム、方法、特徴および利点は、当業者には、以下の図面および詳細な説明に接することによって明らかとなろう。以下の説明および要旨に含まれるような追加的なシステム、方法、特徴および利点のすべては、本発明の範囲に含まれるべきでありかつ以下の特許請求の範囲によって保護されるべきであることが意図されている。
【0008】
本発明は、以下の図および説明を参照することによってさらによく理解されよう。各図に示されている構成要素については、必須の寸法を示すものではなく、本発明の原理を示すことを主眼としている。さらに、各図において、同様の参照符号は対応する部位を示す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例におけるゴルフボールを使用しているゴルファーを概略的に示す図。
【図2】本発明の一実施例におけるプロセスを示す図。
【図3】本発明の他の実施例におけるプロセスを示す図。
【図4】本発明の他の実施例におけるプロセスを示す図。
【図5】本発明の一実施例におけるゴルフボールの断面を示す図。
【図6】取除き可能仕切りエレメントが取り除かれた状態における本発明の一実施例のゴルフボールの断面を示す図。
【図7】他の仕切りエレメントが取り除かれた状態における本発明の一実施例におけるゴルフボールの断面を示す図。
【図8】他の仕切りエレメントが完全に取り除かれた状態における本発明の一実施例におけるゴルフボールの断面を示す図。
【図9】複数の液体組成物を有する本発明の一実施例におけるゴルフボールの断面を示す図。
【図10】複数の液体組成物および混合用チャンバを有する本発明の一実施例におけるゴルフボールの断面を示す図。
【図11】液体組成物および固体組成物を有する本発明の一実施例におけるゴルフボールの断面を示す図。
【図12】第1の手作業の態様を用いて取除き可能仕切りを取り除いているユーザを概略的に示す図。
【図13】第2の手作業の態様を用いて取除き可能仕切りを取り除いているユーザを概略的に示す図。
【図14】第3の手作業の態様を用いて取除き可能仕切りを取り除いているユーザを概略的に示す図。
【図15】ゴルフクラブから圧力を受けているゴルフボールの連続的な態様を概略的に示す図。
【図16】ゴルフクラブから圧力を受けているゴルフボールの連続的な態様を概略的に示す図。
【図17】閾値圧力になる前の逆止弁の断面を示す図。
【図18】閾値圧力になった後の逆止弁の断面を示す図。
【図19】断続的に煙を放出することができるゴルフボールを使用しているゴルファーを概略的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の第1の実施例のゴルフボール150を使用しているゴルファー100を概略的に示している。ゴルフボール150は、ゴルファー100に見え易くする手段を備えている。概略的には、ゴルフボール150は、ゴルファー100に一般に見え易い煙160を放出させる。煙160の色は、黄、緑、赤、橙、青、紫、桃、白、黒(これらに限定しない)およびこれらの組み合わせを含む様々な色にすることができる。いくつかの実施例においては、煙160は、ゴルファー100がゴルフボール150を打った後にゴルフボール150内で発生する圧力に応じて放出される。いくつかの実施例においては、ゴルフボール150が所定の閾値圧力以上の圧力を生じさせるのに適度な力で打たれたとき以外は、煙160は放出されない。他の実施例においては、実質的に所定の大きさの圧力をボールに加えること、ボールを振ること或いはボールに衝撃を与えることによって煙160が放出される。
【0011】
煙160は、様々な時に様々な持続時間で放出され得る。例えば、ゴルフボール150が打たれたほぼ直後に、煙160がゴルフボール150から放出される。他の実施例においては、ゴルフボール150の弾道に沿ったどこかの位置で煙160が放出されるように設計されている。他の場合、ゴルフボール150の着地後に視認可能な煙160が放出されるように設計されている。加えて、煙160の発生時間は、1秒未満の短時間でもよいし、数秒間〜数分間以上の時間に及んでもよい。しかし、いくつかの実施例においては、煙の発生および放出は、ゴルファー100が自分の次のショットの構えをする前には終了しているように設計されている。このような実施例においては、煙160の発生時間は、2分よりも短い持続時間にされる。
【0012】
ゴルフボール150は、複数回の打撃の各打撃後に煙を放出させる手段を含んでいる。概して、ゴルフボール150は、1回の打撃では消費尽くされない組成物を含み得る。すなわち、各打撃の際に組成物の一部が使用されることでもって、ゴルフボール150は、複数の機会において煙を放出させることができる。いくつかの場合、ゴルファー100は、ゴルフボール150を打ったときに組成物が使用されるか否かを制御することができる。そのような実施例については、次に参照する図面を用いて詳細に説明する。
【0013】
図2は、本発明の一実施例によるプロセスを示す。いくつかの場合、以下に示すステップのうちのいくつかが、ゴルフボール150によって実現され得る。他の実施例においては、以下に示すステップのうちの1つまたは複数のステップが選択的であるか或いは各ステップが異なる順序で行われ得ることが理解されよう。
【0014】
ステップ220で、ゴルフボール150が打たれる。ゴルフボール150は、ウッドやアイアン(これらに限定しない)を含む種々のクラブで打たれることがある。いくつかの場合、特定のクラブのみが、代表的に、ゴルフボール150に適度な圧力を与えて煙を発生させることができる。
【0015】
ステップ240で、化学反応が生じ得る。この化学反応は、1つの化合物ないし複数の化合物によって生じ得る。所望の反応を生じさせることができる種々の数あるいは形式の化合物が使用され得ることが理解されよう。
【0016】
ステップ260で、煙160が放出される。種々の形式または量の煙が放出され得る。煙160は、様々な色で視認され得る。いくつかの場合、煙160は、音を発生させるか或いは検知可能な匂いを含むこともある。
【0017】
ステップ280で、ゴルフボール150内にまだ組成物が残っているかが判断される。まだ組成物が残っている場合、ゴルフボール150はさらに化学反応を生じさせることができる。従って、プロセスはステップ220へ戻り、このステップ220においては、ゴルフボール150を再度打つことによって、ついには煙160を発生させることができる。そうではなく、組成物がもう残っていない場合、ゴルフボール150は、さらに煙を発生させることができない。煙が放出されなくなったとしても、ゴルフボール150は、普通のゴルフボールと同様に使用可能であることが理解されよう。
【0018】
図3は、本発明の他の実施例によるプロセスを示す。いくつかの場合、以下のステップのうちのいくつかは、ゴルフボール150によって実現される。他の実施例においては、ステップのうちの1つまたは複数が選択的であり或いは各ステップが異なる順序で行われることが理解されよう。
【0019】
ステップ310で、ゴルファー100によって仕切りが取り除かれ得る。いくつかの場合、仕切りは、化学反応を妨げる目的で組成物を分離させる物理的なデバイスである。仕切りを取り除くか否かを選択することによって、ゴルファー100は、ゴルフボール150から煙160が放出されるか否かを選択することができる。他の場合、様々な程度で仕切りが取り除かれ、化学反応が生じることが妨げられない量の組成物をゴルファー100が選択することができる。従って、ゴルファー100は、各打撃の際に放出される煙の量や、煙160を発生できるようにゴルフボール150を打つ回数を選択することができる。
【0020】
ステップ320で、図2におけるステップ220と同様に、ゴルフボール150が打たれる。ステップ330で、適度な圧力がゴルフボール150に加えられたかが判断される。図3に示されるプロセスによる実施例においては、所定の閾値圧力以上になったときのみに、ゴルフボール150が煙160を放出させ得る。いくつかの実施例においては、閾値圧力は、ロングドライブしたときのみに煙160が放出されるように、閾値圧力が設定されている。他の実施例においては、アイアンで長距離を打ったときに煙160が放出されるように、閾値圧力が設定されている。他の実施例においては、ボールは、プレーヤーの腕前に応じて特異的に設計されている。例えば、閾値圧力が高く設定された場合、煙160を放出させるのに、プロレベルのドライブを必要とする。他の実施例においては、アマチュアレベルのドライブで閾値圧力に達する。他の実施例においては、プロレベルまたはアマチュアレベルのアイアンショットで閾値圧力に達する。さらに他の実施例においては、ゴルファー100は、ゴルフボール150が煙160を放出させるのに要求される圧力を変えることができる。ゴルフボール150に適度な圧力が与えられた場合、図3に示されるプロセスは、ステップ340へ進行する。適度な圧力が与えられない場合、図3に示されるステップは、ステップ320へ戻り、ボールが再度打たれる。
【0021】
ステップ340で、図2におけるステップ240と同様に化学反応が生じる。ステップ360で、図2におけるステップ260と同様に煙160が放出される。ステップ380で、組成物がゴルフボール150内にまだ残っているかが判断される。組成部がまだ残っている場合、プロセスはステップ310へ戻る。組成物がもう残っていない場合、ゴルフボール150は、もう煙160を放出させることができないので、煙を放出しない普通のゴルフボールとして使用される。
【0022】
図4は、本発明のさらに他の実施例によるプロセスを示す。いくつかの場合、後続のステップのうちのいくつかは、ゴルフボール150によって実現される。他の実施例においては、1つまたは複数の後続のステップが選択であり或いは各ステップが異なる順序で行われ得ることが理解されよう。
【0023】
ステップ420とステップ430は、図3におけるステップ320とステップ330にそれぞれ類似する。ステップ435で、逆止弁が開放される。この逆止弁は、1つまたは複数の逆止弁からなるものであってもよいし、数種類ある逆止弁のどの型式のものであってもよい。ステップ430で確実になされるように、逆止弁は、閾値圧力に達することを要求する。いくつかの場合、逆止弁が2つ以上の化合物が混合することを妨げる障壁となることによって、化学反応が妨げられる。従って、逆止弁が開放されると、この逆止弁は、化合物が混合することを可能にする。
【0024】
ステップ440で、化学反応が生じる。この化学反応は、前のステップで逆止弁が開放されて組成物が混合したことによって生じ得る。
【0025】
ステップ460で、図2のステップ260および図3のステップ360と同様に、煙160が生じ得る。ステップ480で、ゴルフボール150内にまだ組成物が残っているか否かが判断される。組成物が残っている場合、プロセスはステップ420へ進行する。組成物が残っていない場合、ゴルフボール150は、もう煙160を放出させることができないので、煙を放出しない普通のゴルフボールとして使用される。
【0026】
なお、煙を放出するゴルフボールについての上記のプロセスまたは以下に説明するプロセスのどの実施例においても、ユーザは、また、混合をトリガし又は混合の程度を高めるために、あるいは、仕切りの取除きプロセスを完了させるために、ボールを物理的に振ることができる。
【0027】
図5は、本発明の一実施例におけるゴルフボールの断面図を示す。ゴルフボール500は、化学反応を生じさせるのに使用され得る組成物を格納する手段を含み得る。一般に、ゴルフボール500は、コア515とカバー510を備え得る。コア515とカバー510は、種々の周知の方法を用いて種々の材料で製造され得る。例えば、コア515およびカバー510は、ポリウレタンエラストマ、ポリアミドエラストマ、ポリ尿素エラストマ、ジエン含有ポリマ、架橋メタロセン触媒ポリオレフィン、ゴムおよびゴム組成物、ならびにシリコンなどの熱硬化性材料から製造され得る。他の場合、コア515およびカバー510は、アイオノマ樹脂、中和度の高い酸ポリマ組成物、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂およびこれらの混合物などの熱可塑性材料から製造され得る。
【0028】
コア515とカバー510は、圧縮成形技術や射出成形技術などの種々の従来の技術を使用して製造され得る。カバー510の外面に、複数のディンプルが形成され得る。ゴルフボール500に、プライマコーティング、印刷、トップコーティングなどの通常のプロセスが施され得る。
【0029】
コア515内に、チャンバ520が内蔵され得る。チャンバ520は、カバー510内の孔540を通して空気または煙を吐出させることができる。チャンバ520は、複数の仕切りエレメントを備え得る。いくつかの場合、ボール製造プロセスにおいて、チャンバ520を適切な位置に留めるための支持エレメント550が追加される。
【0030】
図に示されるように、チャンバ520は、取除き可能仕切りエレメント521、第1の仕切りエレメント522、第2の仕切りエレメント523、第3の仕切りエレメント524、第4の仕切りエレメント525、第5の仕切りエレメント526、第6の仕切りエレメント527、第7の仕切りエレメント528、第8の仕切りエレメント529、第9の仕切りエレメント530および第10の仕切りエレメント531(本明細書中においては、これらをまとめて仕切りエレメントと呼ぶ)を含む。いくつかの場合、取除き可能仕切りエレメントは、ゴルファー100が手で取り除くことができるものである。図に示される実施例においては、取除き可能仕切りエレメント521のみ取り除くことができるが、他の実施例においては、複数の仕切りエレメントが取除き可能であることが理解されよう。残りの取外し不可能仕切りエレメントについては、本明細書中においては、他の仕切りエレメントと呼ぶ。「取外し不可能」という用語は、仕切りエレメントを取り外せないことを意味するのではなく、手で取り外すのは難しいことを意味する。
【0031】
仕切りエレメントは、第1の固体組成物580、第2の固体組成物581、第3の固体組成物582、第4の固体組成物583、第5の固体組成物584、第6の固体組成物585、第7の固体組成物586、第8の固体組成物587、第9の固体組成物588、第10の固体組成物589、第11の固体組成物590および第12の固体組成物591(本明細書中においては、これらをまとめて固体組成物と呼ぶ)を分離するために使用され得る。固体組成物の各々またはいずれかは、微細な粉末、粗い粉末、ペレットまたは他の固体構成物の形態とし得ることが理解されよう。例えば、固体組成物としては、硫黄とカルシウムカーバイド(これに限定しない)および同様の効果を奏する他の固体化合物がある。12個の固体組成物が図に示されているが、8個、10個、14個または他の数の固体組成物としてもよいことが理解されよう。同様に、複数の固体組成物を分離するために、様々な数の仕切りエレメントが使用され得る。
【0032】
いくつかの実施例においては、第1の固体組成物580と第2の固体組成物581は、取除き可能仕切りエレメント521によって分離されている。分離可能仕切りエレメント521は、取除き可能仕切りエレメント521を溶かすことができる水または他の溶液内にボールを置くこと、ボールから取除き可能仕切りエレメント521を引っ張り出すこと、あるいはツールを使って取除き可能仕切りエレメント521を押し込むこと(これらの手段に限定しない)等の種々の手段によって取り除かれ得る。いくつかの場合、第1の仕切りエレメント522は、第1の固体組成物580および第2の固体組成物581を残りの固体組成物から分離する。
【0033】
図6は、取除き可能仕切りエレメント521が取り除かれた状態における本発明の一実施例としてのゴルフボールの断面を示す。ゴルファー100は、ボール500を打つ前に、取除き可能仕切りエレメント521を取り除くことを選択することによって、第1の固体組成物580と第2の固体組成物581とが相互作用することが妨げられないようにすることができる。ボール500がゴルフクラブから衝撃を受けた後、第1の固体組成物580と第2の固体組成物581とが相互作用できるようになる。従って、ボール500は、化学反応を生じさせ得る。この化学反応によって、煙610が放出され得る。
【0034】
図7は、化学反応が生じた後における本発明の一実施例としてのゴルフボールの断面を示す。一実施例においては、第1の仕切りエレメント522と第2の仕切りエレメント523は、比較的低い融点を有する。従って、第1の固体組成物580と第2の固体組成物581が反応するときに、この反応が、点線で示される第1の仕切りエレメント522および第2の仕切りエレメント523を溶かし或いは焼失させる熱を発生させるようにしてもよい。この場合、第2の仕切りエレメント523は、残りの仕切りエレメントとは接触していない。よって、溶け去った或いは焼失した仕切りエレメントに隣接する仕切りエレメントには影響を及ぼさない。今度は、第3の固体組成物582と第4の固体組成物583とが相互作用し、これによって、煙660が放出されるとともに、第3の仕切りエレメント524および第4の仕切りエレメント525が焼失し或いは溶け去る。
【0035】
図8は、第2の化学反応の後における本発明の一実施例のゴルフボールの断面を示す。第3の仕切りエレメント524と第4の仕切りエレメント525とが取り除かれると、第5の固体組成物584と第6の固体組成物585とが妨げられることなく相互作用できるようになる。従って、ゴルフボール500が適度な圧力を受けると、第5の固体組成物584と第6の固体組成物585とが混合して化学反応が生じる。この第2の化学反応によって、煙660が放出される。さらに、第2の化学反応によって生じた熱によって、第5の仕切りエレメント526と第6の仕切り要素527が溶け去り或いは焼失し得る。
【0036】
いくつかの場合、第3の化学反応の後、続いてボールが打たれると、残りの固体組成物が反応する。同様に、残りの仕切りエレメントは、順次焼失し或いは溶け去り得る。具体的には、第7の固体組成物586と第8の固体組成物587とが反応し得る。この結果、第7の仕切りエレメント528と第8の仕切りエレメント529が焼失し或いは溶け去り得る。さらに続いてボールが打たれると、第9の固体組成物588と第10の固体組成物589とが反応し得る。この結果、第9の仕切りエレメント530と第10の仕切りエレメント531が焼失し或いは溶け去り得る。さらに続いてボールが打たれると、第11の固体組成物590と第12の固体組成物591とが反応し得る。各反応の際に、ゴルフボール500から煙660が放出され得る。まだ固体組成物が残っている実施例においては、このパターンが継続し、ついには、すべての固体組成物が反応する。
【0037】
図9は、本発明の一実施例としてのゴルフボールの断面を示す。ゴルフボール900は、コア915とカバー910を備え得る。チャンバ950は、フィルム975を備え得る。フィルム975は、第1のチャンバ領域961と第2のチャンバ領域962とを分離させ得る。いくつかの実施例においては、第1のチャンバ領域961は第1の液体組成物921を含み、第2のチャンバ領域962は第2の液体組成物922を含み得る。
【0038】
ゴルフボール900は、液体組成物間で化学反応が生じることを可能にする手段を含み得る。ゴルフボール900は、複数の逆止弁を備え得る。図に示されるように、第1の逆止弁902、第2の逆止弁904および第3の逆止弁908は、一方向へ空気と液体が流れるようにすることができる。第1の逆止弁902、第2の逆止弁904および第3の逆止弁908は、同じ型式または異なる形式の逆止弁とすることができる。これらの逆止弁は、ボール型逆止弁、ダイヤフラム型逆止弁、スイング逆止弁およびカモノハシ型逆止弁(これらに限定しない)を含む種々の型式の逆止弁とすることができる。ゴルフボール900が打たれて、閾値圧力に達した場合、所定の量の第2の液体組成物922が第2のチャンバ領域962から放たれ、第2の逆止弁904を介して第1のチャンバ領域961へ流入する。従って、所定の量の第2の液体組成物922が第1の液体組成物921と反応し得る。いくつかの場合、この反応によって、煙960が発生する。煙960は、第1の逆止弁902および通路925を通って吐出され得る。新鮮な空気が、通路926および第3の逆止弁908を通ってゴルフボール900内へ流入する。逆止弁902は、通路925の最深部に配置され、逆止弁908は、通路926の最深部に配置されているが、これらの逆止弁は、通路の中心部或いは最外部を含む種々の部位に配置され得ることが理解されよう。第2の液体組成物922の所定の量のみを使用することによって、第2の液体組成物922の多くが、第2のチャンバ領域926内に残り得る。このような場合、ゴルフボール900は、数回の打撃の各打撃後にも断続的に煙を放出させることができる。
【0039】
液体組成物は、所望の反応を生じさせることができる種々の液体組成物とすることができる。いくつかの場合、臭化水素と炭酸ナトリウムとが反応して、臭化ナトリウム、二酸化炭素および水を生成する。このような場合、化学反応は、2HBr+NaCO→2NaBr+CO+HOとなり得る。
【0040】
図10は、本発明の一実施例としてのゴルフボールの断面を示す。いくつかの実施例においては、ゴルフボール1000は、内側コア1012、外側コア1011およびカバー1010を備え得る。ゴルフボール1000は、また、第1のチャンバ領域1061および第2のチャンバ領域1062を有するチャンバ1050を含み得る。第1のチャンバ領域1061は、第1の液体組成物1021を含み、第2のチャンバ領域1062は、第2の液体組成物1022を含み得る。
【0041】
ゴルフボール1000は、液体組成物間で化学反応が生じることを可能にする手段を備え得る。ゴルフボール1000は、複数の逆止弁を備え得る。図に示されるように、第1の逆止弁1002、第2の逆止弁1004、第3の逆止弁1006および第4の逆止弁1008は、一方向へ空気と液体が流れるようにすることができる。第1の逆止弁1002、第2の逆止弁1004、第3の逆止弁1006および第4の逆止弁1008は、同じ型式または異なる形式の逆止弁とすることができる。図9に示されるように、複数の逆止弁は、種々の型式の逆止弁とすることができる。いくつかの実施例においては、ゴルフボール1000は、混合用空間1040を含み得る。ゴルフボール1000が打たれた後、閾値圧力に達した場合、所定の量の第2の液体組成物1022が第2のチャンバ領域1062から放たれて、逆止弁1006を介して混合用領域1040内へ流入し得る。同様に、所定の量の第1の液体組成物1021が第1のチャンバ領域1061から第2の逆止弁1004を介して放たれ得る。従って、第2の液体組成物1022と第1の液体組成物1021とが反応し得る。いくつかの場合、この反応によって、煙1060が発生し得る。煙1060は、第1の逆止弁1002および通路1025を通って吐出され得る。新鮮な空気が、通路1026および第4の逆止弁1008を介して、ゴルフボール1000内へ流入し得る。所定の量のみを放出させることによって、第1の液体組成物1021の多くが第1のチャンバ領域1061内に残り、第2の液体組成物1022の多くが第2のチャンバ領域1062内に残っている。このような場合、ゴルフボール1000は、数回の打撃の各打撃後にも断続的に煙を放出させることができる。
【0042】
図11は、本発明の一実施例におけるゴルフボールの断面を示す。ゴルフボール1100は、コア1115とカバー1110を備え得る。チャンバ1150は、フィルム1175によって、第1のチャンバ領域1161と第2のチャンバ領域1162とに分離され得る。第1のチャンバ領域1161は、固体組成物1121を含み得る。第2のチャンバ領域1162は、液体組成物1122を含み得る。
【0043】
ゴルフボール1100は、液体組成物と固体組成物との間で化学反応が生じることを可能にする手段を備え得る。概して、ゴルフボール1100は、複数の逆止弁を備え得る。図に示されるように、第1の逆止弁1102、第2の逆止弁1104および第3の逆止弁1108は、一方向へ空気と液体が流れるようにすることができる。第1の逆止弁1102、第2の逆止弁1104および第3の逆止弁1108は、同じ型式あるいは異なる型式の逆止弁とすることができる。図9および図10に示されるように、これらは、種々の型式の逆止弁とすることができる。ゴルフボール1100が打たれた後、閾値圧力に達した場合、所定の量の液体組成物1122が第2のチャンバ領域1162から放たれて、第2の逆止弁1104を介して第1のチャンバ領域1161内へ流入し得る。従って、液体組成物1122と固体組成物1121とが反応することができる。固体組成物1121は、図5〜図8に示される固体組成物と同様に、微細な粉末やペレットの形態とすることができることが理解されよう。いくつかの場合、この反応によって、煙1160が発生する。煙1160は、第1の逆止弁1102および通路1125を通って吐出され得る。新鮮な空気が、通路1126および第3の逆止弁1108を通ってゴルフボール1100内へ流入し得る。所定の量のみを使用することによって、液体組成物1122の多くが、第2のチャンバ領域1162内に残り得る。このような場合、ゴルフボール1100は、数回の打撃後においても断続的に煙を放出させることができる。
【0044】
液体組成物および固体組成物は、所望の効果を生じさせる周知の種々の組成物とすることができる。いくつかの実施例においては、過酸化水素が、二酸化マンガンなどを触媒として、水と酸素ガスを発生させることが知られている。他の実施例においては、炭酸カルシウムと塩酸が反応して、二酸化炭素、水および塩化カルシウムを生成することが知られている。他の実施例においては、亜鉛と塩酸が反応して、塩化亜鉛と水素ガスを生成する。他の実施例においては、カルシウムと水が反応して、水酸化カルシウムと水素ガスを生成する。他の実施例においては、炭酸水素ナトリウムと塩酸とが反応して、塩化ナトリウム、水および二酸化炭素を生成する。他の実施例においては、硝酸と銅が反応して、硝酸銅、水および二酸化窒素を生成する。従って、いくつかの反応は、以下の例を含むがこれらの例に限定しない。
【0045】
MnО
2H 2HO+O
CaCO+2HCl → CO+HO+CaCl
Zn+2HCl → ZnCl+H
Ca+2HO → Ca(OH)+H
NaHCO+HCl → NaCl+HO+CO
4HNO+Cu → Cu(NO+2HO+2NO
【0046】
図12〜図15は、図3のステップ310を実行する様々な実施例を示す。図12は、ゴルフボールの概略的な断面を示す。ゴルフボール1200は、取除き可能仕切りエレメントを取り除く手段を備える。一実施例においては、取除き可能仕切りエレメント1221は、溶液1250内で溶け得る。いくつかの場合、この溶液は水であるが、どのような種類の溶液にも限定されない。ゴルフボール1200が溶液1250内へ置かれると、この溶液1270のうちのいくらかは、ゴルフボール1200の孔内へ浸入し得る。こうして、溶液1270が取除き可能仕切りエレメント1221と接触すると、取除き可能仕切りエレメント1221が溶解し得る。この時点においては、第1の固体組成物1280と第2の固体組成物1281とが相互作用することが妨げられない。いくつかの場合、ゴルファー1289は、取除き可能仕切りエレメント1221が取り除かれていることを確実にするために、特定の時間、ゴルフボール1200を溶液1250内に浸漬させておく必要がある。他の場合、ゴルフボール1200が溶液1250内に所定の時間浸漬されていれば、他の仕切りエレメントも取り除かれ得る。他の場合、他の仕切りエレメントは、溶液1250内で溶けないことがある。
【0047】
図13は、同様に、ゴルフボールの概略的な断面を示す。ゴルフボール1300は、取除き可能仕切りエレメント1321を取り除く手段を備え得る。一実施例においては、取除き可能仕切りエレメント1321は、ゴルファー1389がボール1300から引き抜くことができるものである。このような場合、取除き可能仕切りエレメント1321が取り除かれると、第1の固体組成物1380と第2の固体組成物1381とが妨げられることなく反応できるようになる。従って、ゴルフボール1300が打たれた後、このゴルフボール1300は、煙を放出することができる。他の場合、取除き可能仕切りエレメント1321は、ゴルフボール1300を貫くように延在し、固体組成物の各セット間で障壁となっている。従って、ゴルファー1389は、ゴルフボール1300を打って反応させたい1セット、2セット、3セットまたは所望のセット数の固体組成物についての仕切りが取り除かれるように、様々な距離でもって取除き可能仕切りエレメント1321を引き抜くことができる。
【0048】
図14は、同様に、ゴルフボールの概略的な断面を示す。ゴルフボール1400は、取除き可能仕切りエレメントを取り除く手段を備え得る。一実施例においては、取除き可能仕切りエレメント1421は、ユーザ1489がツール1470を使って取り除けるものである。いくつかの場合、ツール1470を使って取除き可能仕切りエレメント1421を押し込んで圧縮し或いは折り曲げることによって、取除き可能仕切りエレメント1421は、第1の固体組成物1480と第2の固体組成物1481との間の障壁ではなくなる。従って、ゴルフボール1400が打たれた後、第1の固体組成物1480と第2の固体組成物1481とが反応し得る。他の場合、取除き可能仕切りエレメント1421は、ゴルフボール1400を貫くように延在し、固体組成物の各セット間で障壁となっている。従って、ゴルファー1489は、ゴルフボール1400を打って反応させたい1セット、2セット、3セットまたは所望のセット数の固体組成物についての仕切りが取り除かれるように、取除き可能仕切りエレメント1421を様々な距離でもって押し込むこと或いは引き抜くことができる。
【0049】
ツール1470は、種々の材料からなる種々のツールとすることができる。いくつかの場合、ツール1470は、この目的に専用につくられた特製のツールである。他の場合、ツール1470は、ねじ回し、鉛筆、ゴルフティーまたはピン(これらに限定しない)を含む通常の家庭用品またはゴルフ用品である。
【0050】
図15〜図16は、ゴルフスイングによる圧力を受けたときに断続的に煙を放出するように構成されたゴルフボールの実施例を概略的に示す。図15は、ゴルフクラブ1540による衝撃を受ける前にティー1520上に置かれているゴルフボール1500を示す。図に示されているように、ゴルフボール1500は、ほぼ球形の形状である。従って、ゴルフボール1500内の圧力は、閾値圧力よりも充分に低い。従って、取除き可能仕切りエレメントが取り除かれているか或いは逆止弁が開放され易い状態である場合にも、化学反応が生じてゴルフボール1500が煙を放出してしまうことがない。
【0051】
図16は、ゴルフクラブ1540から衝撃を受けた直後のゴルフボール1500を示す。図に示されるように、ゴルフボール1500は、ゴルフクラブ1540の力によって圧縮され得る。この圧縮力は、ゴルフボール1500内に大きな圧力を生じさせ得る。いくつかの場合、打撃によって生ずる圧力が閾値圧力を超えると、障壁の除かれた固体組成物どうしが反応する。あるいは、圧力が同様に閾値圧力を超えると、液体組成物が1つまたは複数の逆止弁を通って放たれる。いずれの場合にも、化学反応が生じ、ついには、ゴルフボール1500は、煙を放出し始め得る。いくつかの場合、煙は、直ぐには放出されない。直ぐにではなく、ゴルフボール1500が飛んでいるとき或いは着地後に煙が放出される場合もある。
【0052】
図17は、閾値圧力が与えられていないときの逆止弁の断面を示す。逆止弁1700は、図9〜図11に示されるいずれか又はすべての逆止弁を表している。図に示されるように、逆止弁1700は、ボール型逆止弁である。しかし、他の実施例においては、種々の型式の逆止弁が使用され得ることが理解されよう。逆止弁1700は、流体入口部1720と流体出口部1740を有し得る。円錐形にテーパを付されている部位1760は、ばね1790で所定の位置に保持されているボール1770によって封鎖され得る。円錐形にテーパを付されている部位1760がボール1770によって封鎖されているときには、液体組成物1710は、その部位1760を通って流れることができない。
【0053】
流体入口部と流体出口部との圧力差がほぼ同じである場合、ボール1770は、円錐形にテーパを付された部位を封鎖し続け得る。また、流体出口部1740における圧力が流体入口部における圧力よりも大きいとき、ボール1770は、円錐形にテーパを付されている部位1760を押し付けていて、この円錐形にテーパを付された部位1760のどちら側からも空気などの流体が通過することを妨げている。
【0054】
図18は、閾値圧力が与えられているときの図17における逆止弁の断面を示す。流体入口部1720における圧力が流体出口部1740における圧力よりも大きいときにのみ、流体は、流体入口部1720から流体出口部1740まで流れることができる。他の場合、圧力は、閾値圧力との差を超えることが必要である。このような環境においては、ばね1790が収縮して、ボール1770は円錐形のテーパが付された部位1760から押しのけられる。従って、液体組成物1710は、逆止弁1700を通って放たれ得る。この時点において、液体組成物1710は、他の組成物と混合することができ、化学反応が生じて煙が放出し得る。
【0055】
図19は、煙を断続的に放出可能なゴルフボールを使用しているゴルファーを概略的に示す。パネル1970、パネル1980、パネル1990からなる3つのパネルが示されている。パネル1970は、ゴルフボール1900を打っているゴルファー1950を示す。ゴルフボール1900は、打たれると、煙1960を放出する。いくつかの実施例においては、固体組成物や液体組成物が化学反応することによって、煙1960が放出され得る。
【0056】
パネル1980においては、ゴルファー1950が、ゴルフボール1980内の取除き可能仕切りを取り除くツール1970を使用している。いくつかの実施例においては、ツール1970は、取除き可能仕切りを取り除くのにツール1970を必要としないことが理解されよう。いくつかの実施例においては、図12〜図14に示されている他の技術を使って、取除き可能仕切りを手で取り除くことができる。取除き可能仕切りを手で取り除くことは、選択的なステップとすることができる。他の場合、パネル1970において打撃に起因する化学反応によって、1つまたは複数の仕切りが自動的に取り除かれている。
【0057】
パネル1990においては、ゴルファー1950は、第2打目でゴルフボール1900を打っている。ゴルフボール1900は、打たれると再び煙1960を放出し得る。ここでもまた、いくつかの実施例においては、固体組成物や液体組成物が化学反応することによって、煙1960が放出され得る。2回だけ打たれて煙を放出したことが図に示されているが、ゴルフボール1900は、続いて打たれた後にもさらに煙を放出し得ることが理解されよう。
【0058】
本発明のさまざまな実施例について説明したが、上記の説明は例示するものであって、限定するためのものではない。本発明の範囲を逸脱することなく、さらに多くの実施形態や適用が可能であることが当業者には明らかであろう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲およびこれの均等物に照らすこと以外によっては限定されない。また、添付の特許請求の範囲内において、様々な変更や変形がなされ得る。
【符号の説明】
【0059】
500…ゴルフボール
510…カバー
520…チャンバ
522…第1の仕切りエレメント
523…第2の仕切りエレメント
524…第3の仕切りエレメント
525…第4の仕切りエレメント
526…第5の仕切りエレメント
527…第6の仕切りエレメント
528…第7の仕切りエレメント
529…第8の仕切りエレメント
530…第9の仕切りエレメント
531…第10の仕切りエレメント
550…支持エレメント
580…1の固体組成物
581…第2の固体組成物
582…第3の固体組成物
583…第4の固体組成物
584…第5の固体組成物
585…第6の固体組成物
586…第7の固体組成物
587…第8の固体組成物
588…第9の固体組成物
589…第10の固体組成物
590…第11の固体組成物
591…第12の固体組成物
660…煙


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフボールの視認性を高める方法であって、
上記ゴルフボール内に含有される化学組成物の反応によって生じる煙を放出させるように構成されたゴルフボールを用意するステップと、
第1打目の打撃に応じた煙を発生させるように、上記化学組成物の第1の部分を使って反応を生じさせるようにユーザを導くステップと、
第2打目の打撃に応じた煙を発生させるように、上記化学組成物の第2の部分を使って反応を生じさせるようにユーザを導くステップと、
を含み、
上記煙は、数回のクラブによる打撃の各打撃後に放出されることを特徴とする方法。
【請求項2】
上記反応を生じさせるようにユーザを導くステップのうちの少なくとも1つのステップは、取除き可能な仕切りを取り除くように上記ユーザを導くことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記反応を生じさせるようにユーザを導くステップのうちの少なくとも1つのステップは、上記ゴルフボール内に、閾値圧力を超える内圧を発生させるのに充分な力で上記ゴルフボールを打つようにユーザを導くことを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
上記反応を生じさせるようにユーザを導くステップのうちの少なくとも1つのステップは、2種類以上の固体の形態の化学組成物を混合するように上記ユーザを導くことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
上記反応を生じさせるようにユーザを導くステップのうちの少なくとも1つのステップは、2種類以上の液体の形態の化学組成物を混合させるように上記ユーザを導くことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
上記反応を生じさせるようにユーザを導くステップのうちの少なくとも1つのステップは、2種類以上の化学組成物を混合させるようにユーザを導くことを含み、上記化学組成物のうちの少なくとも1つは液体の形態であり、上記化学組成物のうちの少なくとも1つは固体の形態であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
上記反応を発生させるようにユーザを導くステップのうちの少なくとも1つのステップは、逆止弁を介して上記第1の部分を放つように上記ユーザを導くことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
上記反応を発生させるようにユーザを導くステップのうちの少なくとも1つのステップは、上記ゴルフボールを振るように上記ユーザを導くことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
煙を放出させることができるゴルフボールであって、
カバーと、
コアと、
チャンバであって、該チャンバの第1の部位が第1の組成物を含み、該チャンバの第2の部位が第2の組成物を含むチャンバと、
上記チャンバの第1の部位から第1の組成物の一部を放ち、第1の組成物の上記一部と第2の組成物の少なくとも一部とが混合される領域内へ流入させる1つまたは複数の逆止弁と、
を備え、
第1の組成物と第2の組成物とが化学反応することによって煙が放出し、さらには、
該ゴルフボールは、複数回の打撃の各打撃後に煙を放出するように構成されていることを特徴とするゴルフボール。
【請求項10】
上記領域は、上記チャンバの第2の部位からなることを特徴とする請求項9に記載のゴルフボール。
【請求項11】
第2の組成物は、液体組成物であることを特徴とする請求項9に記載のゴルフボール。
【請求項12】
第2の組成物は、固体組成物であることを特徴とする請求項9に記載のゴルフボール。
【請求項13】
上記少なくとも1つの逆止弁は、ゴルフボール内圧力が所定の閾値圧力を超えない限り開放されないことを特徴とする請求項9に記載のゴルフボール。
【請求項14】
上記領域は、混合用チャンバからなることを特徴とする請求項9に記載のゴルフボール。
【請求項15】
ゴルフボールであって、
カバーと、
コアと、
複数の固体組成物を含有するチャンバと、
1つまたは複数の取除き可能仕切りエレメントと、
1つまたは複数の他の仕切りエレメントと、
を備え、
該ゴルフボールを打つことによって、煙を発生させる化学反応が生じ、
少なくとも1つの取除き可能仕切りエレメントは、上記化学反応を生じさせるために、該ゴルフボールを打つ前に取り除かれるように構成されていて、さらには、
該ゴルフボールは、複数回の打撃の各打撃後に煙を放出できることを特徴とするゴルフボール。
【請求項16】
上記化学反応によって、1つまたは複数の他の仕切りエレメントが取り除かれることを特徴とする請求項15に記載のゴルフボール。
【請求項17】
該ゴルフボールが打たれて所定の閾値圧力に達したときに、上記化学反応が生じることを特徴とする請求項15に記載のゴルフボール。
【請求項18】
取除き可能仕切りエレメントは、溶液内で溶けることによって取り除かれるように構成されていることを特徴とする請求項15に記載のゴルフボール。
【請求項19】
上記取除き可能仕切りエレメントは、ユーザが手で取り除くことができるものであることを特徴とする請求項15に記載のゴルフボール。
【請求項20】
上記取除き可能仕切りエレメントは、ツールを使って該ボールから引き抜かれることによって取り除かれるように構成されていることを特徴とする請求項15に記載のゴルフボール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−217863(P2012−217863A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−88892(P2012−88892)
【出願日】平成24年4月10日(2012.4.10)
【出願人】(505424859)ナイキ インターナショナル リミテッド (249)