説明

照光式表示器

【課題】複数の照光灯の点灯あるいは消灯パターンを簡単に切り替えることによって、例えば、注意を喚起する報知事項毎に報知パターンを選択変更できるようにして、実際の作業者或いは設備管理者が改めて報知事項がなんであるかについて点検せずとも当該報知内容を把握することを可能として、設備管理者の非常時の対応が迅速且つ適切に行えるようになした。
【解決手段】切替スイッチ体9における切替スイッチ設置部5−2への嵌合向きを変更することで適宜切替え操作をすることによって、短絡導体パターン8同士の短絡組合せ態様を切替え選択して、電解コンデンサ7における各照光灯6の所定の点灯−消灯パターンを設定し、これによって、設定された点灯−消灯パターンに基づき、各照光灯6を点灯または消灯制御するようにこうせいした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば工場設備等の稼動状況を照光灯の点灯または消灯により作業者等に知らしめて、注意を喚起する照光式表示器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の照光式表示器は、例えば、照光灯を点消灯させることにより或いは照光灯を点灯させながら回転させることにより、作業者等の注意を喚起して、工場設備等の組立対象部品の品切れやライン内でのつまり或いは工場設備等の故障等を報知するように成したものが知られている(特許文献1,2等参照)。
【特許文献1】特開2005−44738号公報
【特許文献2】特開2006−302537号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献に記載された照光式表示器は、例えば赤色灯を使用して作業者等に注意を喚起することや、あるいは単一又は複数の照光灯を点消灯させることによって作業者の注意を喚起させるようにしている。
【0004】
しかし、工場設備等において作業者に注意を喚起するといっても、それが、工場設備等の組立対象部品の品切れなのか、ライン内での組立対象物のつまりなのか、或いは工場設備等の故障なのか等作業者に報知したい報知事項は種々雑多であるにもかかわらず、従来の照光式表示器によっては、赤色灯の点消灯や単一又は複数の表示等の点消灯によるワンパターンの報知態様しか表示できないことから、照光灯により注意喚起がなされたとしても、実際の作業者或いは工場設備管理者は当該工場設備の各部位を改めてチェックして、実際照光灯により注意が喚起された現実の報知事項が具体的になんであるかを改めて点検する必要があり、非常時の対応が遅れてしまうことにもなり兼ねなかった。
【0005】
そこで、本発明は、複数の照光灯の点灯あるいは消灯パターンを簡単に切り替えることによって、例えば、注意を喚起する報知事項毎に報知パターンを選択変更できるようにして、実際の作業者或いは設備管理者が改めて報知事項がなんであるかについて点検せずとも当該報知内容を把握することを可能として、設備管理者の非常時の対応が迅速且つ適切に行えるようになした照光式表示器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照光式表示器は、複数の照光灯を実装する照光灯設置基板と、前記照光灯を点灯又は消灯制御する照光灯点消灯制御手段を実装する照光灯制御基板と、これら照光灯設置基板及び照光灯制御基板を収容するケースと、該ケースにおける前記複数の照光灯の前面に配置されるように前記ケースの前面開口部に装着された拡散板とを有して構成しており、前記照光灯点消灯制御手段は、前記各照光灯の点灯又は消灯パターンの制御を司る電解コンデンサ等の照光灯点消灯回路と、該照光灯点消灯回路及び前記各照光灯を電気的に接続する照光灯点消灯パターン切替スイッチとを有して構成し、且つ、前記照光灯点消灯パターン切替スイッチは、前記照光灯制御基板に互いに電気的に離間するように実装された複数の短絡導体パターンと、これら短絡導体パターン同士の短絡組合せ態様を選択的に切替える切替スイッチ体とを有して構成しており、前記切替スイッチ体による前記短絡導体パターンの短絡組合せ態様の切替選択により、前記各照光灯における点灯−消灯パターンを選択切替可能に構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上記のように構成する本発明によれば、切替スイッチ体を切替え操作することによって短絡導体パターン同士の短絡組合せ態様を切替え選択して、照光灯点消灯回路における照光灯の点灯−消灯パターンを設定することにより、当該点灯−消灯パターンに基づき、照光灯を点灯・消灯制御することができ、このことから、本発明に係る照光式表示器を複数個用意して工場設備等に設置し、各照光式表示器に報知事項毎に対応する照光灯の点灯−消灯パターンを設定しておけば、各照光灯が報知する点灯−消灯パターンを認識することにより、作業者あるいは設備管理者等は、直ちに当該報知事項の内容を把握することができ、改めて故障箇所灯を点検把握しなくても、当該照光灯が報知する点灯−消灯パターンにより迅速且つ適切なる処置を講じることができることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に、本発明に係る第1の実施の形態の構成について、図1乃至図5を用いて説明する。
【0009】
図1は本発明に係る第1の実施の形態における照光式表示器の前面側から描画した斜視図、図2は同じく分解斜視図、図3は同じく縦断面図、図4は同じく内蔵する基板構造を裏面側から描画した斜視図、図5は同じくフロントカバー体の前面側を破断して描画した斜視図である。
【0010】
図1において、ケース1は、ケース本体2とフロントカバー3とを有して構成している。
【0011】
ケース本体2は、略箱型を呈するフロントケース2−1と、フロントケース2−1のリア側に一体に形成された円筒状のリアケース2−2とを有して構成している。
【0012】
フロントケース2−1には、その前面開口部2−1aに対向するように配設された照光灯設置基板4と、照光灯設置基板4の横方向略中央部に交叉配設された照光灯制御基板5とが収容されており、照光灯制御基板5は、リアケース2−2まで延在し、リアケース2−2の背面より突出して、短絡導体パターン設置部5−1を構成している。短絡導体パターン設置部5−1には、複数の短絡導体パターン8が形成されている。
【0013】
照光灯設置基板4には、横方向に略等間隙に配置されたLED等からなる5つの照光灯6が設置されている。
【0014】
照光灯制御基板5における面上には、各照光灯6の点灯又は消灯パターンの制御を司る表示灯制御回路としての電解コンデンサ7が実装されており、電解コンデンサ7は、照光灯制御基板5上に印刷された導体パターン(不図示)を介して、各照光灯6の端子6aに電気的に接続している。
【0015】
又、照光灯制御基板5の短絡導体パターン設置部5−1に離間した状態で並置されるように、リアケース2−2の背面には、切替スイッチ体9が差し込まれる切替スイッチ設置部5−1が突出した状態で設けられている。
【0016】
切替スイッチ体9は、切替スイッチ設置部5−2への差し込む方向によって、短絡導体パターン8同士の短絡組合せ態様を選択的に切替え可能に構成されており、この結果、短絡パターン8と共に照光灯点消灯パターン切替スイッチ10を構成していることになる。
【0017】
照光灯点消灯パターン切替スイッチ10は、切替スイッチ体9における切替スイッチ設置部5−2への差込み向きを適宜選択変更することによって、短絡導体パターン8の短絡組合せ態様を選択的に切替え可能となるように構成されていることになる。
【0018】
このため、切替スイッチ体9は、複数の短絡脚片9−1が突設されていて、各短絡導体パターン部8を選択的に短絡させて、短絡組合せ態様を切り替えるようになっている。
【0019】
リアケース2−2の外周部におけるフロントケース2−1側には、ねじ部2−2aが刻設されており、ねじ部2−2aは、ケース1全体を工場設備等の配電制御板などの固定部に設置するためのワッシャー体11及び樹脂ナット体12を螺合可能に構成している。
【0020】
かくて、電解コンデンサ7及び照光灯点消灯切替スイッチ10とによって、照光灯点消灯制御手段が構成されることになる。
【0021】
フロントカバー3は赤色等有色の透明樹脂等から構成されており、互いに対向する側壁部には、それぞれ係合片3−1を突設されており、係合片3−1をフロントケース2−1の側部内壁に形成した係合孔2−1bに係合することによって、フロントカバー3は、フロントケース2−1の前面開口部2−1aを閉塞している。
【0022】
更に、フロントカバー3の内部は、5つの照光灯6に対応するように、各照光灯6の間に存するように、不透明の仕切り壁部3−2が形成されていると共に、各仕切り壁部3−2の間には、三角形状の拡散板12が形成されている。
【0023】
従って、拡散板13は、それぞれ各照光灯6の前面に配置されるようにフロントカバー3に設けられていることになる。
【0024】
かかる構成において、照光灯点消灯パターン切替スイッチ10の切替スイッチ体9における切替スイッチ設置部5−2への差込み向きを変更して適宜切替え操作をすることによって、短絡導体パターン8同士の短絡組合せ態様を切替え選択して、電解コンデンサ7における各照光灯6の所定の点灯−消灯パターンを設定し、これによって、設定された点灯−消灯パターンに基づき、各照光灯6を点灯または消灯制御することになリ、各照光灯6の点灯光は拡散板13によって拡散され、フロントカバー3の前面に照射されることになる。
【0025】
次に所定の点灯−消灯パターンについて具体例をもって説明すると、たとえば、図6あるいは図7に示すように、白抜き丸を点灯とし、黒塗り丸を消灯として、5つの照光灯6は、それぞれ一時期横軸方向に示した点灯−消灯パターンを示しており、次の時期には順次縦軸方向(矢印方向)の点灯−消灯パターンとなるように制御されており、このような点灯−消灯パターンに基づいて照光灯6にそれぞれ点灯または消灯を行わせることになり、工場設備等の組立対象部品の品切れなのか、ライン内での組立対象物のつまりなのか、或いは工場設備等の故障なのか等作業者に報知したい報知事項を対応づけておけば、照光灯6の点灯−消灯パターンによって、いかなる報知事項を表しているか把握することができ、しかも、上記のように構成する照光式表示器を複数個用意して工場設備等に設置し、各照光式表示器に報知事項毎に対応する照光灯6の点灯−消灯パターンを設定しておけば、各照光灯6が報知する点灯−消灯パターンを認識することにより、作業者あるいは設備管理者等は、直ちに当該報知事項の内容を把握することができ、改めて故障箇所灯を点検把握しなくても、当該照光灯6が報知する点灯−消灯パターンにより迅速且つ適切なる処置を講じることができることになる。
【0026】
図8は本発明に係る照光式表示器の第2の実施の形態を示すもので、上記第1の実施の形態における切替スイッチ設置部5−2への差込み向きを変更することにより短絡組合せ態様を選択していた切替スイッチ体9に代えて、ロータリー式の切替スイッチ体9を採用したもので、操作摘み9−2を適宜回転して各切替えマーク9−3に対応づけることによって、短絡組合せ態様を選択できるように構成したものである。
【0027】
従って、操作摘み9−2を回転させて、各切替えマーク9−3に適宜対応づけることによって、第1の実施の形態と同様に、電解コンデンサ7における各照光灯6の所定の点灯−消灯パターンを設定し、これによって、設定された点灯−消灯パターンに基づき、各照光灯6を点灯または消灯制御することになる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
以上説明したように、本発明は、切替スイッチ体を切替え操作することによって短絡導体パターンの短絡組合せ態様を切替え選択して、照光灯点消灯回路における照光灯の点灯−消灯パターンを設定することにより、当該点灯−消灯パターンに基づき、照光灯を点灯・消灯制御することができ、このことから、本発明に係る照光式表示器を複数個用意して工場設備等に設置し、各照光式表示器に報知事項毎に対応する照光灯の点灯−消灯パターンを設定しておけば、各照光灯が報知する点灯−消灯パターンを認識することにより、作業者あるいは設備管理者等は、直ちに当該報知事項の内容を把握することができ、改めて故障箇所灯を点検把握しなくても、当該照光灯が報知する点灯−消灯パターンにより迅速且つ適切なる処置を講じることができることになるために、例えば工場設備等の稼動状況を照光灯の点灯または消灯により作業者等に知らしめて、注意を喚起する照光式表示器等に好適であるといえる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態における照光式表示器の前面側から描画した斜視図である。
【図2】同じく分解斜視図である。
【図3】同じく縦断面図である。
【図4】同じく照光式表示器を構成する基板構造を裏面側から描画した斜視図である。
【図5】同じくフロントカバー体の前面側を破断して描画した斜視図である。
【図6】同じく照光灯の点灯−消灯パターンの一例を説明する図である。
【図7】同じく照光灯の点灯−消灯パターンの他の例を説明する図である。
【図8】本発明に係る第2の実施の形態における照光式表示器を構成する基板構造の斜視図である。
【符号の説明】
【0030】
1 ケース
2 ケース本体
2−1a 前面開口部
3 フロントカバー
4 照光灯設置基板
5 照光灯制御基板
6 照光灯
7 電解コンデンサ(照光灯点消灯回路)(照光灯点消灯制御手段)
8 短絡導体パターン
9 切替スイッチ体
10 照光灯点消灯パターン切替スイッチ(照光灯点消灯制御手段)
13 拡散板



【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の照光灯を実装する照光灯設置基板と、前記照光灯を点灯又は消灯制御する照光灯点消灯制御手段を実装する照光灯制御基板と、これら照光灯設置基板及び照光灯制御基板を収容するケースと、該ケースにおける前記複数の照光灯の前面に配置されるように前記ケースの前面開口部に装着された拡散板とを有して構成しており、前記照光灯点消灯制御手段は、前記各照光灯の点灯又は消灯パターンの制御を司る電解コンデンサ等の照光灯点消灯回路と、該照光灯点消灯回路及び前記各照光灯を電気的に接続する照光灯点消灯パターン切替スイッチとを有して構成し、且つ、前記照光灯点消灯パターン切替スイッチは、前記照光灯制御基板に互いに電気的に離間するように実装された複数の短絡導体パターンと、これら短絡導体パターン同士の短絡組合せ態様を選択的に切替える切替スイッチ体とを有して構成しており、前記切替スイッチ体による前記短絡導体パターンの短絡組合せ態様の切替選択により、前記各照光灯における点灯−消灯パターンを選択切替可能に構成したことを特徴とする照光式表示器。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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