説明

照射機能付歯ブラシ

【課題】種々の光オーラルケア効果を有効に行うことができ、さらに これらのオーラルケアを何時でもどこでも行える携帯性に優れた照明機能付歯ブラシを提供する。
【解決手段】照明機能付歯ブラシを、少なくともキャップ10と、替え歯ブラシ20と、歯ブラシ本体30との少なくとも3つの主要要素部品で構成し、且つ、当該歯ブラシ本体30を、該歯ブラシ本体30の先端部を形成する本体外筒31と、当該本体外筒31の後端に脱着可能に接続できる本体底蓋32との少なくとも2つの主要部品で構成し、当該本体底蓋32の内部に、少なくとも、LEDなどからなる光源モジュール32と、光源スイッチ322とを備え、該本体底蓋32の底面から光を照射するようにした光源モジュール323を設けた構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にLED照明を利用して口腔内をケアする光歯ブラシに関するものである。
【背景技術】
【0002】
歯科領域の2大疾患であるウ蝕と歯周病は、歯を失う原因の主因となっている。このことから これら疾患予防のための光歯ブラシが種々提案され、光や電動を応用したものも多数提案されている。
【0003】
光と口腔内組織の作用としては、これまで創傷治癒、滅菌効果、疼痛軽減など多数の効果が報告されており(日本レーザー歯学会等)、このような光の技術を利用した光歯ブラシとして、例えば、米国特許US3667454や特開2002−223854、特開2005−348799、特開2009−22697に記載のものなどが提案されている。
【0004】
米国特許US3667454は、歯ブラシの柄先端の植毛後端内に滅菌効果を有する紫外線ランプを設置し、さらに歯ブラシ本体内に振動子を設けた電動光歯ブラシであり、植毛後部からブラッシング対象部位に紫外線を照射して歯牙と歯周を滅菌しながら電動ブラッシングができるとするものである。
【0005】
特開2002−223854は、植毛部の側面、先端、背面、又は柄に出光部を設けることで、ブラッシングの際に歯ブラシの植毛部の変形で照射光が遮られることのないオーラルケア用品を提供できるとしている。
【0006】
特開2005−348799は、光源からの光を植毛部に誘導するための光透過性部材を本体内部に収納し、当該光透過性部材の植毛部側先端面を粗造とすることで、植毛部より光を照射しながらブラッシングできる齲蝕、歯槽膿漏、歯臭予防の光歯ブラシを提供できるとしている。
【0007】
特開2009−22697は、替歯ブラシの植毛の中央部に透光穴を設けその内部を中空体とし、当該中空体に振動源を搭載した防水シール処理のない歯ブラシハンドル容器の先端に設けた光源を覆う透光部を着脱自在に挿入できる構成とすることで、光源の防水シール構造を容易とし物理的浄化作用も行える照明効率に優れた安価な光歯ブラシを提供できるとしている。
【0008】
一方、電動歯ブラシはブラッシングが容易で、有効に歯をきれいにできることから多くの製品が提供されているが、携帯性が悪いため、自宅、或いは仕事場に設置しての使用が殆どであり この点が不便なものであった。近年、この携帯性を改善した電動歯ブラシ:ポケットドルツ(パナソニック社)が製品化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許US3667454号公報
【特許文献2】特開2002−223854号公報
【特許文献3】特開2005−348799号公報
【特許文献4】特開2009−22697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、前者の米国特許US3667454及び特開2009−22697に記載のものは、歯ブラシ先端の植毛部に光源を配置しての振動子によるブラッシングであるため振動で光源が劣化し信頼性を維持することが困難である。さらに、植毛部からのブラッシングの対象部位に向けた光照射であるため、歯磨き粉などで、光が散乱、吸収されてしまうため良好な照射効率を得ることも困難である。
【0011】
特開2005−348799に記載のものも、植毛部からブラッシングの対象部位に向けた光照射であるため、歯磨き粉などで、散乱、吸収されてしまい、前者のものと同様に、安全性により一般家庭での使用で許容される程の光出力では期待される生体への効果を得ることが難しい。
【0012】
また、特開2002−223854に記載のものは、植毛部の側面、先端、背面、又は柄に出光部を設けることでブラッシングの際に歯ブラシの植毛部の変形で照射光が遮られることのないオーラルケア用品を提供できるとしているが、やはり、照射部位に付着している歯磨き粉などで、照射光が散乱、吸収されてしまうため良好な照射効率を得ることが困難であり前者のものと同様に一般家庭で可能な程の光出力では期待される生体への効果を得ることは難しく、さらに、該照射構成ではブラッシング部位と照射部位とが一致しないことから人体への誤照射の防止機構が必須であり、このため構成が複雑なものとなっている。
【0013】
以上のように、これまでの光を利用した歯ブラシは先端部方面から光を照射するものであるが、このため、消耗品である替え歯ブラシに光を伝送するための、防水機構も考慮した、光源を歯ブラシ本体(保持部)に設置してここから光ファイバを使い先端方向に導光して植毛部などより照射、或いは、特殊な形状構成のLEDを先端に配置して照射するなどの特別な機構を必要とし、しかも、照射しながらのブラッシングであるため、歯磨き粉などで、照射光が散乱、吸収されてしまい、期待される生体への効果を得ることが難しいものであった。
【0014】
一方、電動歯ブラシでは、携帯性を改善した製品が提案されてきている。しかし、多くの有用な光のオーラルケアへの利用法が存在するにも関わらず、前述しているように、これまでの先端部方面から光を照射する光歯ブラシに、電動機能を組み込むことは難しく、しかも、高い照射効率が期待できないことから、携帯性に優れた照射機能付電動歯ブラシ製品は実現していない。
【0015】
本発明はこのような事実から考えられたものであり、一般家庭で許容される程度の光出力でも種々の光のオーラルケアに有効に利用でき、さらに 何時でもどこでもこれらのオーラルケアを行える携帯性に優れた照明機能付歯ブラシを提供することを課題としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を達成するため、第1の発明は、照明機能付歯ブラシを、キャップ10と、替え歯ブラシ20と、歯ブラシ本体30との少なくとも3つの主要要素部品で構成し、且つ、該歯ブラシ本体30を、振動子313を内設した当該歯ブラシ本体30の先端部を形成する本体外筒31と、当該本体外筒31の後端に脱着可能に接続できる本体底蓋32との少なくとも2つの主要部品で構成し、当該本体底蓋32の内部に、少なくとも、1個のLEDからなる光源素子3231と、光源スイッチ322とを備え、さらに該本体底蓋32の底面から光を照射するようにした光源モジュール323を設けた構成としている。
【0017】
発光源である前記光源素子3231には、利用目的に適した色(波長)と出力を持つLEDが適選され、各種の光のオーラルケアに対応できる本体鉾蓋30をラインナップしている。ここで、光源素子3231は、LEDに限定するものでなく、LDやELランプなども選択できる。また、フルカラーLEDを用いた構成とすることもできる。
【0018】
第2の発明は、第1及び3(後述)の発明の照明機能付歯ブラシの本体外筒31内に設置されている振動子313と電動スイッチ314とを外し小型形状として構成している。
【0019】
第3の発明は、照明機能付歯ブラシを、キャップ10と、替え歯ブラシ20と、歯ブラシ本体30との少なくとも3つの主要要素部品で構成し、且つ、該歯ブラシ本体30を、振動子313を内設した先端部の本体外筒31と、当該本体外筒31の後端に脱着可能に接続できる本体底蓋32との少なくとも2つの主要部品で構成し、当該本体底蓋32の内部に、少なくとも、複数個のLEDからなる光源素子3231(本例では3個)と、光源スイッチ322とを備え、さらに該本体底蓋32の底面から光を照射するようにした光源モジュール323を設けた構成としている。
【0020】
第3の発明の照明機能付歯ブラシは、複数(本例では3個)の光源素子3231を搭載できる構成となっており、明るい照射が必要なオーラルケアへの利用者には全数同色のLEDを適選し搭載した本体鉾蓋30をラインナップしている。
【0021】
また、種々の光のオーラルケアに利用したい人には、それぞれの利用目的に応じた複数色のLEDを搭載した本体鉾蓋30をラインナップしている。尚、異なる色のLEDを搭載した本体鉾蓋30には、各LEDの照明切り替え機能を持つ光源スイッチ322を搭載している。
【0022】
ここで、光源素子3231は、LEDに限定するものでなく、LDやELランプなども選択できる。また、フルカラーLEDを用いた構成とすることもできる。
【発明の効果】
【0023】
前記の第1及至3の発明の構成による照明機能付歯ブラシは、キャップを装着するだけで外出バックに入れ簡単携帯できる。特に第2の発明による照明機能付歯ブラシは小型形状であるのでポシェットなどに入れた携帯も可能である。このように携帯が容易であることから、例えば、昼食後などレストルームに該バックを持込んで簡便にブラッシングを行うことができる。
【0024】
第1及3の発明の照明機能付歯ブラシでのブラッシングは、キャップを外し、露出した電動スイッチ314を押すことで、振動子313を起動させ電動ブラッシングを開始できる。第2の発明の照明機能付歯ブラシはマニュアルでブラッシングを開始する。
【0025】
ブラッシング後、うがいをして歯磨き粉などをリンスしてから、歯磨きチャックのため第1及び至3の発明による照明機能付歯ブラシを逆にして持ち、例えば、レストルーム内に設置されている鏡を見ながら光源スイッチ322を押すと、歯ブラシ本体30の底から光が出射されブラッシング部位を照らすことができる。この状態では、歯磨き粉がリンスされていることから歯面を効率良く照らすことができる。さらに、本発明の照明機能付歯ブラシの構成により懐中電灯感覚で対象部位を効率良く正確に照らすことができるので、歯磨き残りの有無を正確にチェックすることができる。この際、ブラッシングが充分でないと判断した場合は、以上の工程を繰返して行う。充分であると判断した場合は、ブラッシングを終了してキャップ10を歯ブラシ本体30に装着しバック内に戻すことで次のブラッシング場所まで簡単に携帯することができる。
【0026】
尚、この際に使用者が選択して装着している本体底蓋32の利用目的に合った光のオーラルケアを行うこともできる。例えば、本体底蓋32のラインナップの中から、緑色、或いは青色のLEDを搭載している本体底蓋32を選択して装着した第1の発明による照明機能付歯ブラシでの照明では、ウ蝕部や歯周内の歯石部などと、健康部位とのコントラストを高めることができることから、歯磨き状態のチェックだけでなく口腔内の健康状態をチェックすることもできる。また、赤色LEDを搭載している本体底蓋32を装着した照明機能付歯ブラシでは、赤色の血行促進効果による歯周組織の改善効果を期待できる。さらに、本発明による照明機能付電動歯ブラシの構成では、光源素子3231にフルカラーLEDと色合制御機能を持つ光源スイッチ322を搭載した本体底蓋32を装着することで、色の異なるLEDを搭載した本体底蓋32に交換することなく各種の光のオーラルケアに利用できるようにすることも可能である。
【0027】
一方、第3の発明による照明機能付歯ブラシは、複数個のLEDを搭載することで得られるスペースに小ボトル317を収納して携帯できるように構成でき、光とのオーラルケアの相乗効果が期待されるペーストを入れた小ボトル317を収納して携帯することもできる。例えば、二酸化チタンや炭化ケイ素などを含むペーストを入れた小ボトル317を収納し、3個の高輝度青色LEDが搭載されている本体底蓋32を装着した照明機能付歯ブラシを使っての光のオーラルケアでは、光触媒効果による滅菌効果が期待される。また、前記の材料の他にも、例えば、歯磨き粉や、白美ペーストなどを入れ携帯することで光の照明の利用効果をおおいに向上させることができる。ここで、第3の発明による照明機能付歯ブラシに設置する本体底蓋30としては、明るい照射が必要で1種類のオーラルケアへの利用を希望する人向けの全数同色のLEDを適選し搭載したラインナップ(例えば、全て紫外色LED)と、複数の光のオーラルケアへの利用を希望する人向けの、それぞれの利用目的に適した色(波長)の異なるLEDを適選し搭載したラインナップとが用意され、例えば、青色LED(滅菌)と、緑色LED(歯石チェック)と、赤色LED(白美ペースト活性化)を各1個ずつ計3個のLEDを搭載した該本体底蓋30がラインナップされている。前述のような第3の発明による照明機能付歯ブラシの構成により、第1の発明による照明機能付歯ブラシに比べ奥行は長くなるが、光のオーラルケア効果を向上できるペーストをいれた前記の小ボトル317を収納し携帯できることから より簡便に高レベルの光のオーラルケアへの利用が可能である。尚、異なる色のLEDを搭載する本体鉾蓋30には、各LEDの照明の切り替え機能を持つ光源スイッチ322を搭載している。
【0028】
以上の説明から明らかなように、本発明による照明機能付歯ブラシを、キャップ10と、替え歯ブラシ20と、歯ブラシ本体30との少なくとも3つの主要要素部品で構成し、且つ、該歯ブラシ本体30を、当該歯ブラシ本体30の先端部を形成する本体外筒31と、当該本体外筒31の後端に脱着可能に接続できる本体底蓋32との少なくとも2つの主要部品で構成し、該本体底蓋32の内部に、少なくとも、光源モジュール32と、光源スイッチ322とを備え、該本体底蓋32の底面から光を照射するようにした光源モジュール323を設けた構成としたことで、これまでの先端部方面から光を照射していた光歯ブラシに必要とされた光接続、防水などのための特別な機構や特殊な光源部品を不要とでき、且つ、ブラッシング部(替え歯ブラシ20部)からの光照射を不要とできた、振動子などを搭載しても光源劣化がない信頼性の高い電動歯ブラシとの併用が可能となった。
さらに、本発明による照明機能付歯ブラシの構成としたことにより、懐中電灯感覚で対象部位を正確に照射できるようになり、ブラッシング後のうがいリンスで歯磨き粉などがない状態、或いは、光の相乗効果が期待されるペーストを対象部位に前記替え歯ブラシ20を使い塗布させた状態として利用できるようになり、ラインナップされた種々の該本体底蓋32を適選し装着することで、一般家庭で許容される程度の光出力で種々の光オーラルケアが行える照明機能付歯ブラシを実現できるようになった。
【0029】
また、本発明による照明機能付歯ブラシ構成としてブラッシングと光のオーラルケアを明確に分離したことで、種々の光オーラルケアへの利用を可能にできただけでなく、電動による有用なオーラルケア機能を付加した照明機能付電動歯ブラシにも優れた携帯性を実現できた。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】第1実施例の照明機能付電動歯ブラシの側面からの全体透視図である。
【図2】第1実施例の照明機能付電動歯ブラシからキャップ10を外した前方図、キャップ10及び替え歯ブラシ20を外した側方図、及びキャップ10を着けた携帯状態での後方図である。
【図3】第1、第2及び第3実施例の電気配線図である。
【図4】第2実施例の照明機能付歯ブラシの側面からの全体透視図である。
【図5】第3実施例による照明機能付電動歯ブラシの側面からの全体透視図である。
【図6】第3実施例の照明機能付電動歯ブラシへのキャップ10と小ボトル317の取り付けについて示している外観図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0031】
図1は本発明の第1実施例である1個のLEDを光源とした照明機能付電動歯ブラシの側面からの全体透視図、図2のa)、b)、c)はそれぞれ本発明の第1実施例の照明機能付電動歯ブラシからキャップ10を外した前方図、キャップ10及び替え歯ブラシ20を外した側方図、及びキャップ10を着けた携帯状態での後方図である。ここで、図2のc)には、本体底蓋32を本体外筒31に、及びキャップ10を本体外筒31に装着するための嵌め合いに係る係合箇所を破線で示している。以下では、これらの図面を参照にしながら第1実施例を説明する。尚、図3のa)は第1実施例の電気配線図である(実態配線については電線や板金、スプリングなどを使った種々の方法が可能であり本発明の本質でないため図示せず)。
【0032】
図1において、本発明の第1実施例に関わる照明機能付歯ブラシは、キャップ10と、替え歯ブラシ20と、歯ブラシ本体30との少なくとも3つの主要要素部品から構成されている。
【0033】
キャップ10は、内壁に形成したキャップ横溝101を前記歯ブラシ本体30の先端側面の横棒突起311に係合することで歯ブラシ本体30に設置される。ここで、該設置方法は前述の方法に限定されるものではなくCリングを利用した係合方法、注射器のニードル装着に応用されているハブ構造方式なども選択できる。
【0034】
替え歯ブラシ20は、植毛部21と柄22とから構成され、当該柄22の底部には前記歯ブラシ本体30先端の係合ピン312に設置方向を規定し係合するための係合ピン受221が設けられており、植毛部21には通常の歯ブラシと同様の樹脂材料を使い同様形状に形成されたブラシが設けられている。
【0035】
歯ブラシ本体30は、本体外筒31と本体底蓋32のとの少なくとも2つの主要部から構成され、当該本体外筒31内には電動ブラッシングのための動力源である振動子313と、電動スイッチ314を構成する電動押ボタン3141と、電源モジュール321の一部(本例では電池の陰極受口)とが本体インサート315を介して設けられている。当該電動スイッチ314を構成するもう1つの構成部品である電動スイッチ蓋3142は、弾性体で形成され本体外筒31に防水密閉に固着されている。尚、当該電動スイッチ314としてはオルタネイト動作形押ボタンスイッチの使用が望ましいが、ロッカースイッチ、トルグスイッチ、スライドスイッチなどを使用することもできる(第3実施例も同様)。
【0036】
本体底蓋32内には、電源モジュール321の一部(本例では電池の陽極受口)と、少なくとも、光源スイッチ322、光源モジュール323とが設けられている。当該光源スイッチ322は、光源押ボタン3221と光源スイッチ蓋3222とから構成され、当該光源スイッチ蓋3222は、弾性体で形成され本体底蓋外筒320に防水密閉に固着されている。
【0037】
尚、本例の電源モジュール321には単3形一次電池を搭載しているが、本発明による照明機能付歯ブラシの電源方式は本例の方式に限定されるものではなく二次電池を搭載し外部から充電する方式や、太陽電池パネルを本体外筒31外壁に配置し二次電池を搭載した方式なども選択できる。
【0038】
本例の光源モジュール323には、光源素子3231として標準形状である外径5mmの砲弾型白色LED(例えば、日亜化学工業株式会社NSPW500DS)1個を搭載しておりOリング3232を介し本体底蓋32に防水密閉に設置されている。
【0039】
上記本体底蓋32は、本体底蓋外筒320の先端側方外壁に形成した蓋止突起324を本体外筒31の後端側方内面の蓋受突起316に掛合することで本体外筒31に設置され、同じく本体底蓋外筒320の先端側方外壁に設置したOリング325により防水密閉される。ここで、該設置方法は前述の方法に限定されるものではなくCリングを利用した係合方法、注射器のニードル装着に応用されているハブ構造方式なども選択できる。また、光源素子3231にはLEDの使用が好ましいがLEDに限定するものでなく、LDやELランプなども選択できる。
【0040】
以下では、本発明の第1実施例の照明機能付歯ブラシのブラッシングへの使用例について説明する。
本発明の第1実施例の照明機能付歯ブラシは、キャップを装着することで外出バックに掘り込むだけで簡単に携帯できる。このため例えば、昼食後などレストルームに持込んでのブラッシングを簡便に行うことができ、キャップを外すことで電動スイッチ314を露出し、当該電動スイッチ314を押すことで通常の電動歯ブラシを起動しブラッシングを開始できる。ブラッシング後(うがい後)、歯磨きチェックのため歯ブラシを逆に持ち、例えば、レストルーム内に設置されている鏡を見ながら光源スイッチを押すと歯ブラシ本体30の底から光が出射されブラッシング部位を照らすことで歯磨き残りの有無をチェックできる。この際、ブラッシングが充分でないと判断した場合は、以上の工程を繰返し行い、充分であると判断した場合は、キャップ10を装着しブラッシングを完了する。
【0041】
以上の使用例はブラッシング時の歯磨き状態(磨き残しがないかなど)のチェックを利用目的としているため白色LED(例えば、OSWT316B)を搭載した本体底蓋32を設置した照明機能付電動歯ブラシを使っているが、利用目的に応じた適切な色のLEDを搭載した本体底蓋31を適選し本体外筒31に装着することで、種々のオーラルケアに利用できる。
例えば、青色LED(例えば、OSUB511A−ST)、或いは紫外光LED(例えば、OSSV5111A)を搭載した本体底蓋31を設置した照明機能付歯ブラシでのブラッシング後の照射により、光滅菌効果によるウ蝕及び歯周病の予防効果が期待される。また、赤色LED(例えば、OSDR3133A)を搭載した本体底蓋31を設置した照明機能付歯ブラシでは、血行促進効果による歯周組織の改善効果が期待される。さらに、青色LED(例えば、GL3BC402BOP1)、或いは緑色LED(例えば、OPSG5111A−VW)を搭載した本体底蓋32を設置した照明機能付歯ブラシによる照射では、ウ蝕部や歯周内の歯石部分などと健康部位とのコントラストを高めることができることから歯磨き状態のチェックだけでなく口腔内の健康状況をチェックすることもできる。
【0042】
また、本発明による照明機能付電動歯ブラシの構成では、光源素子3231にフルカラーLED(例えば、OSTA5131A)と色合制御機能を持つ光源スイッチ322を搭載した本体底蓋32を装着することで、色の異なるLEDを搭載した本体底蓋32に交換することなく各種の光のオーラルケアに利用できるようにすることも可能である。
【実施例2】
【0043】
図4は本発明の第2実施例である1個のLEDを光源とした照明機能付歯ブラシの側面の全体透視図である。第2実施例による照明機能付歯ブラシは、第1及び第3実施例の歯ブラシより電動機能を取り除いた光を利用したオーラルケアへの利用に特化した構成としている。この構成により、振動子313及び電動スイッチ314が不要となり、さらに、該振動子313を作動させる必要がないため電源にコイン形電池(本例では3個のLR41を搭載)の使用で充分な電力を得ることができ、ことからポーチにも収納できる程の小型なサイズの照明機能付歯ブラシを実現できる。また、本発明による照明機能付歯ブラシにより実現される副次的な利用法である携帯照明としての利便性も向上できる(本発明による構成により、第1及び第3実施例による照明機能付電動歯ブラシも携帯照明:懐中電灯として使用できる)。尚、本例では本体底蓋外筒320の底面に光源素子3231の光を透過するウインドー3233を接着剤3233で封止することで防水密閉している。また、第2実施例では図3のb)に示す電気配線として、モーメンタリ動作形の押ボタンスイッチを搭載している(実態配線については電線や板金、スプリングなどを使った種々の方法が可能であり本発明の本質でないため図示せず)。ここで、本例ではウインドーを設置しているが 利用目的に応じレンズや散乱板などを適選設置することができる。また、本発明の照明機能付歯ブラシ(第1及び第3も)には光源スイッチ322としては、モーメンタリ動作形の押ボタンスイッチ以外にも、オルタネイト動作形のスイッチ、色合制御機能を持つスイッチなどを使い構成することもでき、さらに、押しボタン形スイッチに限らず、ロッカースイッチ、トルグスイッチ、スライドスイッチなどを使用することもできる。
【実施例3】
【0044】
図5は本発明の第3実施例による照明機能付電動歯ブラシの側面の全体透視図、図6は本発明の第3実施例の照明機能付電動歯ブラシへのキャップ10と小ボトル317の取り付けについて示している外観図である。第1実施例の照明機能付電動歯ブラシは単数(1個)のLEDを搭載した構成であるのに対し、本例による照明機能付電動歯ブラシには複数個(本例では3個であるが、使用上問題ない程度のサイズ内とできるのであれば、3個を上限個数とするものではない)のLEDを搭載した構成としている。
【0045】
本実施例に設置する本体底蓋30としては、明るい照射が必要で1種類のオーラルケアへの利用を希望する人向けの全数同色のLEDを適選し搭載したラインナップと、複数の光のオーラルケアへの利用を希望する人向けの、それぞれの利用目的に適した色(波長)の異なるLEDを適選して搭載したラインナップとが用意されており、例えば、青色(例えば、滅菌。例えば、青色角型LED OSUB7161D)と、緑色(例えば、歯石チェック。例えば、緑色LED GM5GC03210Z)と、近赤外色(例えば、白美ペースト活性化。930nmLED OSI5FU5111C−40)のLEDを搭載した該本体底蓋30がラインナップされている。尚、異なる色のLEDを搭載する本体鉾蓋30には、各LEDの照明の切り替え機能を持つ光源スイッチ322を搭載している。
【0046】
また、第3実施例による照明機能付電動歯ブラシでは、複数個のLEDを搭載することで得られるスペースに小ボトル317を収納して携帯できるように構成している。当該小ボトル317は、本体外筒31の先端背面の小ボトル受突起318に該小ボトル317先端側面の小ボトル止突起3171を掛合すことで装着される。尚、当該小ボトル317は、歯磨き粉や光とのオーラルケアの相乗効果が期待できるペーストなどを入れる容器として活用することができ、例えば、二酸化チタンや炭化ケイ素などを含むペーストを入れた小ボトル317を収納し、高輝度青色LEDが搭載されている本体底蓋32を装着した照明機能付歯ブラシを使った光のオーラルケアでは、光触媒効果による滅菌効果が期待される。
【0047】
尚、本例では本体底蓋外筒320の底面に弾性体よりなる防水パット3235を介し光源素子3231の光を透過するウインドー3233をネジ3236で螺合固定することで防水密閉している。ここで、本例ではウインドーを設置しているが 利用目的に応じレンズや散乱板などを適選設置することができる。また、図3のc)は第3実施例の電気配線図である(実態配線については電線や板金、スプリングなどを使った種々の方法が可能であり本発明の本質でないため図示せず)。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上の説明から明らかなように、本発明による照明機能付歯ブラシを、キャップ10と、替え歯ブラシ20と、歯ブラシ本体30との少なくとも3つの主要要素部品で構成し、且つ、該歯ブラシ本体30を、当該歯ブラシ本体30の先端部を形成する本体外筒31と、当該本体外筒31の後端に脱着可能に接続できる本体底蓋32との少なくとも2つの主要部品で構成し、該本体底蓋32の内部に、少なくとも、光源モジュール32と、光源スイッチ322とを備え、該本体底蓋32の底面から光を照射するようにした光源モジュール323を設けた構成としたことで、これまでの先端部方面から光を照射していた光歯ブラシに必要とされた光接続、防水などのための特別な機構や特殊な光源部品を不要とでき、且つ、ブラッシング部(替え歯ブラシ20部)からの光照射を不要とできた、振動子などを搭載しても光源劣化がない信頼性の高い電動歯ブラシとの併用が可能となった。
さらに、本発明による照明機能付歯ブラシの構成としたことにより、懐中電灯感覚で対象部位を正確に照射できるようになり、ブラッシング後のうがいリンスで歯磨き粉などがない状態、或いは、光の相乗効果が期待されるペーストを対象部位に前記替え歯ブラシ20を使い塗布させた状態として利用できるようになり、ラインナップされた種々の該本体底蓋32を適選し装着することで、一般家庭で許容される程度の光出力で種々の光オーラルケアが行える照明機能付歯ブラシを実現できるようになった。
また、本発明による照明機能付歯ブラシ構成としてブラッシングと光のオーラルケアを明確に分離したことで、種々の光オーラルケアへの利用を可能にできただけでなく、電動による有用なオーラルケア機能を付加した照明機能付電動歯ブラシにも優れた携帯性を実現できた。
【符号の説明】
【0049】
10 キャップ
101 キャップ横溝
20 替え歯ブラシ
21 植毛部
22 柄
221 係合ピン受
30 歯ブラシ本体
31 本体外筒
311 横棒突起
312 係合ピン
313 振動子
314 電動スイッチ
3141 電動押ボタン
3142 電動スイッチ蓋
315 本体インサート
316 蓋受突起
317 小ボトル
3171 小ボトル止突起
318 小ボトル受突起
32 本体底蓋
320 本体底蓋外筒
321 電源モジュール
322 光源スイッチ
3221 光源押ボタン
3222 光源スイッチ蓋
323 光源モジュール
3231 光源素子
3232 リング
3233 ウインドー
3234 接着剤
3235 防水パット
3236 ネジ
324 蓋止突起
325 Oリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャップと替え歯ブラシと歯ブラシ本体との少なくても3つの主要要素部品から構成され、且つ、該歯ブラシ本体は本体外筒と本体底蓋の2つの少なくても主要部で構成され、当該本体底蓋は少なくとも光源スイッチと光源モジュールとを具え、且つ、該本体底蓋を前記本体外筒の後端に脱着可能に装着できることを特徴とする照明機能付歯ブラシ。
【請求項2】
前記光源モジュールが光源素子を具えていることを特徴とする請求項1に記載の照明機能付歯ブラシ。
【請求項3】
前記光源素子が単数個であることを特徴とする請求項2に記載の照明機能付歯ブラシ。
【請求項4】
前記光源素子が複数個であることを特徴とする請求項2に記載の照明機能付歯ブラシ。
【請求項5】
前記光源素子がLED或及LD或及ELランプであることを特徴とする請求項2に記載の照明機能付歯ブラシ。
【請求項6】
前記光源素子の発光波長が400nmから1500nmの波長域内であることを特徴とする請求項2に記載の照明機能付歯ブラシ。
【請求項7】
前記本体底蓋の底より後方に前記光源モジュールから光が出射されるように構成されていることを特徴とする請求項1及2に記載の照明機能付歯ブラシ。
【請求項8】
前記本体外筒内に振動子を具えていることを特徴とする請求項1及至7に記載の照明機能付歯ブラシ。
【請求項9】
振動子を具えていないことを特徴とする請求項1及至7に記載の照明機能付歯ブラシ。
【請求項10】
前記歯ブラシ本体に小ボトルを収納し携帯できるように構成していることを特徴とする請求項1に記載の照明機能付歯ブラシ。
【請求項11】
前記キャップを装着させた照明機能付歯ブラシを携帯照明としても使えるように構成していることを特徴とする請求項1に記載の照明機能付歯ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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